JP2011196448A - 動力伝達用無端ベルト及び無段変速機 - Google Patents

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一郎 樽谷
Yuji Nagasawa
裕二 長沢
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裕之 山口
Teruhiko Nakazawa
輝彦 中澤
Haruhiro Hattori
治博 服部
Shinya Kuwabara
信也 桑原
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Abstract

【課題】先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにする。
【解決手段】環状の帯状部材46に支持され、可変プーリー20、30間に巻き掛けられる複数のエレメント42と、各エレメント42の前面50Aで、かつ帯状部材46よりも可変プーリー20、30の回転中心側に形成された凸部56と、各エレメント42の後面50Bで、かつ隣接するエレメント42の凸部56を遊挿可能に形成された凹部58と、凸部56と帯状部材46との間に形成され、エレメント42の高さ方向における凸部56側の板厚D2を帯状部材46側の板厚D1よりも低減させる段差部60と、を有し、凸部56及び凹部58を、先行するエレメント42の帯状部材46側が、後続するエレメント42の段差部60の角部64を支点として進行方向Gに相対的に傾いた場合でも、エレメント42の高さ方向において互いに非接触となる形状に形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数のエレメントが環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトと、それを備えた無段変速機に関する。
複数のエレメントが、その板厚方向に重ね合わされるようにして環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、各エレメントの一方の面(表面)側には、凸状のディンプルが形成され、他方の面(裏面)側で、かつディンプルと同じ位置には、凹状のホールが形成されている。
したがって、ベルトの進行方向に隣接する複数のエレメントは、互いにホールにディンプルが挿入された状態で走行する。このディンプルとホールは、共にほぼ同形状とされ、かつ円形状とされることが多いが、隣接するエレメント同士の相対回転を規制するために、エレメントの高さ方向に長い楕円形状とされる場合もある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3186668号公報
ところで、ベルトの回転径が最小径とされた出力側プーリーの出口側(ベルトの進行方向下流側)におけるエレメントには、帯状部材及びプーリーとの相対速度差により、先行するエレメントに前傾ピッチング姿勢となる状態が発生し、そのホールの内周下面部に、プーリーに挟圧された状態の後続するエレメントにおけるディンプルの外周下面部が干渉(圧接)することがある。このような干渉(圧接)が起きると、先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるロック作用がはたらくため、ベルトの動力伝達効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにできる動力伝達用無端ベルトと、それを備えた無段変速機を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の動力伝達用無端ベルトは、環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる複数のエレメントと、前記各エレメントの進行方向側の面で、かつ前記帯状部材よりも前記可変プーリーの回転中心側に形成された凸部と、前記各エレメントの進行方向とは反対側の面で、かつ隣接する前記エレメントの前記凸部を遊挿可能に形成された凹部と、前記エレメントの進行方向側の面で、かつ前記凸部と前記帯状部材との間に形成され、該エレメントの高さ方向における前記凸部側の板厚を前記帯状部材側の板厚よりも低減させる段差部と、を有し、前記凸部及び前記凹部は、先行する前記エレメントの前記帯状部材側が、後続する前記エレメントの前記段差部の角部を支点として、前記進行方向に相対的に傾いた場合でも、前記エレメントの高さ方向において、互いに非接触となる形状に形成されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、凸部及び凹部は、先行するエレメントの帯状部材側が、後続するエレメントの段差部の角部を支点として、進行方向に相対的に傾いた場合でも、エレメントの高さ方向において、互いに非接触となる形状に形成されているので、先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにできる。したがって、ベルトの動力伝達効率が低下するおそれがない。
また、請求項2に記載の動力伝達用無端ベルトは、請求項1に記載の動力伝達用無端ベルトにおいて、前記各エレメントは、前記一対の可変プーリーに対する最小巻き掛け半径のときで、かつ該一対の可変プーリーから出て来るときに、前記帯状部材側が前記進行方向に相対的に傾くことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、一対の可変プーリーに対する最小巻き掛け半径のときで、かつ一対の可変プーリーから出て来るときに傾き易い先行するエレメントを、後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにできる。
また、本発明に係る請求項3に記載の無段変速機は、請求項1又は請求項2に記載の動力伝達用無端ベルトを備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにできる動力伝達用無端ベルトを備えるため、ベルトの動力伝達効率が低下するおそれがない。
以上のように、本発明によれば、先行するエレメントを後続するエレメントが引き止めるようなロック作用を生じさせないようにできる動力伝達用無端ベルトと、それを備えた無段変速機を提供することができる。
ベルト式無段変速機における一対の可変プーリーの構成を示す概略平面図 ベルト式無段変速機における一対の可変プーリーの構成を示す概略側面図 (A)ベルトブロックの概略正面図、(B)ベルトブロックの概略側面図 通常時のベルトブロックのディンプルとホールの関係を示す説明図 通常時のベルトブロックのディンプルとホールの形状を示す説明図 先行するベルトブロックが傾いたときのディンプルとホールの関係を示す説明図 先行するベルトブロックが傾いたときのディンプルとホールの形状を示す説明図 通常時のベルトブロックの比較例に係るディンプルとホールの形状を示す説明図 先行するベルトブロックが傾いたときの比較例に係るディンプルとホールの形状を示す説明図
以下、本発明の実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、矢印UPをベルト式無段変速機(以下「CVT」という)10の上方向、矢印DOを下方向、矢印LEを左方向、矢印RIを右方向、矢印FRを前方向、矢印REを後方向とする。
図1、図2で示すように、車両用のCVT10は、図示しないハウジングにより軸受(図示省略)を介して回転可能に支持された入力軸12と、その入力軸12に対して平行となるように、図示しないハウジングにより軸受(図示省略)を介して回転可能に支持された出力軸14と、入力軸12に支持された入力側可変プーリー20と、出力軸14に支持された出力側可変プーリー30と、入力側可変プーリー20及び出力側可変プーリー30に巻き掛けられた動力伝達用無端ベルトとしての伝動ベルト40と、を備えている。
入力軸12は、図示しない原動機にトルクコンバーターなどを介して連結され、出力軸14は、図示しない駆動輪に減速機や差動歯車装置などを介して作動的に連結されている。そして、伝動ベルト40により、入力側可変プーリー20から出力側可変プーリー30へ回転動力が伝達されるようになっている。つまり、入力軸12が回転することにより入力側可変プーリー20が回転駆動され、伝動ベルト40を介して出力側可変プーリー30が回転駆動されることにより、出力軸14が回転するようになっている。
入力側可変プーリー20は、入力軸12に固定された円盤状の固定回転体である固定シーブ22と、この固定シーブ22に対向し、入力軸12に対して軸周りに相対回転不能で、かつ軸方向(左右方向)へ移動可能に設けられた円盤状の可動回転体である可動シーブ24と、その可動シーブ24に推力を付与するために、入力軸12に設けられた油圧アクチュエーター(図示省略)と、を備えている。
同様に、出力側可変プーリー30は、出力軸14に固定された円盤状の固定回転体である固定シーブ32と、この固定シーブ32に対向し、出力軸14に対して軸周りに相対回転不能で、かつ軸方向(左右方向)へ移動可能に設けられた円盤状の可動回転体である可動シーブ34と、その可動シーブ34に推力を付与するために、出力軸14に設けられた油圧アクチュエーター(図示省略)と、を備えている。
また、入力側可変プーリー20において、固定シーブ22と可動シーブ24の互いに対向する面は、回転中心(入力軸12)から径方向外側(外周縁部側)に向かうに従って両者の間隔が徐々に広がる円錐状のベルト摺動面26とされ、そのベルト摺動面26間で、伝動ベルト40を巻き掛けるV溝28が構成されている。
同様に、出力側可変プーリー30において、固定シーブ32と可動シーブ34の互いに対向する面は、回転中心(出力軸14)から径方向外側(外周縁部側)に向かうに従って両者の間隔が徐々に広がる円錐状のベルト摺動面36とされ、そのベルト摺動面36間で、伝動ベルト40を巻き掛けるV溝38が構成されている。
図2、図3で示すように、この伝動ベルト40は、厚さ(板厚)方向に多数(複数)並べられて環状に構成されたエレメントとしての板状のベルトブロック42と、そのベルトブロック42の上部側(可変プーリー20、30の外周縁部側)に形成された溝部44内に配置され、そのベルトブロック42を支持する帯状部材としての左右一対の無端状のフープ46(図2では省略)と、を有している。
なお、ベルトブロック42は、強度の観点から金属(鋼)製とされている。また、左右一対のフープ46も金属製であり、薄板状の金属リングが複数枚積層されて構成された金属リング集合体とされている。また、入力軸12の可動シーブ24側及び出力軸14の可動シーブ34側には、それぞれ油を流入・流出させる油路16、18が形成されている。
以上のような構成のCVT10では、可動シーブ24、34が軸方向(左右方向)へ移動することにより、入力側可変プーリー20のV溝28の幅や出力側可変プーリー30のV溝38の幅が変化し、入力側可変プーリー20及び出力側可変プーリー30の有効径(伝動ベルト40の回転径)が変更される。つまり、これにより、CVT10の変速比γ(γ=入力軸12の回転速度/出力軸14の回転速度)が無段階に変更可能になっている。
次に、本実施形態に係るエレメントとしてのベルトブロック42について詳細に説明する。なお、ベルトブロック42の幅方向は、左右方向に沿った方向とし、ベルトブロック42の高さ方向は、ベルトブロック42の幅方向と板厚方向の両方に直交する方向とする。また、ベルトブロック42の進行方向をG(図2参照)とする。
図3で示したように、このベルトブロック42は、正面視等脚台形状の本体部50と、左右一対のフープ46をベルトブロック42の上部側(可変プーリー20、30の外周縁部側)から抜け落ちないように保持する左右一対の保持部52と、本体部50と各保持部52とを本体部50の左右方向両端部側で一体に連接する一対の連接部54と、を有している。
すなわち、左右一対の保持部52は、ベルトブロック42の上部側に左右方向両端部側から左右方向中央部側に向かって張り出すように形成されており、左右一対の連接部54の左右方向中央部側で、かつ本体部50と各保持部52との間に形成された空隙が、溝部44とされている。そして、左右一対の保持部52間が、フープ46を溝部44へ通すための開口48とされている。
したがって、左右一対のフープ46は、それぞれ開口48を通して各溝部44内に配置される。そして、各保持部52により、各フープ46と各ベルトブロック42とが互いに外れないように保持されるようになっている。なお、各ベルトブロック42は、本体部50、連接部54、保持部52の連続する側面55全体が、各可変プーリー20、30の各ベルト摺動面26、36に接触(摺接)するようになっている。
また、ベルトブロック42の進行方向G側である前面50A側の保持部52までを含んだ高さ方向略中央部には、ベルトブロック42の下部側(可変プーリー20、30の回転中心側)の板厚D2を、上部側の板厚D1よりも低減させる段差部60が形成されている。この段差部60は、所定角度傾斜した傾斜面62によって形成されており、その上部側(板厚D1側)の角部(稜線)が、後述する支点(傾き基準)となるロッキングエッジ64とされている。
また、ベルトブロック42の前面50A側で、かつ下部側(板厚D2側)には、進行方向G側へ所定高さ突出する凸部としての略円柱状(正面視円形状)のディンプル56が形成されている。そして、ベルトブロック42の後面50B側で、かつディンプル56と略同位置(必ずしも同心位置である必要はない)には、そのディンプル56の突出高さよりも深く、かつ、そのディンプル56の外径よりも大径とされた内径を有する凹部としてのホール58が形成されている。
すなわち、各ベルトブロック42のホール58は、ディンプル56よりも大径の正面視円形状に形成されており、ベルトの進行方向Gに向かって走行する先行側のベルトブロック42のホール58に、後続側のベルトブロック42のディンプル56が、径方向に余裕を持った状態で挿入(遊挿)可能に構成されている。そして、各ベルトブロック42は、各ホール58に各ディンプル56が挿入(遊挿)されて走行することにより、整列状態が維持されるようになっている。
ここで、本実施形態に係るディンプル56とホール58について、図4〜図7を基に更に詳細に説明する。図4、図6には、伝動ベルト40が、例えば可変プーリー20に対して最小巻き掛け半径となったときで、かつ、その可変プーリー20から出て来るときの2つのベルトブロック42A、42Bが示されており、先行するベルトブロック42Aのホール58に、後続するベルトブロック42Bのディンプル56が挿入(遊挿)された状態が示されている。
図4で示すように、先行するベルトブロック42Aにおいて、側面視でロッキングエッジ64を通る板厚方向の直線をX軸、上部側(板厚D1側)の板厚方向中央を通る直線をY軸とし、媒介変数tを、−1<t<1としたときに、その先行するベルトブロック42Aのディンプル56及びホール58の板厚方向における断面形状及び位置は、それぞれ次のような関数で表される。
ディンプル56:Qd(t)=(Xd(t)、Yd(t))
ホール58:Qh(t)=(Xh(t)、Yh(t))
ここで、ベルトブロック42の板厚D1=1.8mm、ピッチ径R=33mmとすると、通常時(先行するベルトブロック42Aが、後述する前傾ピッチング姿勢を取らない「前傾ピッチング無し」のとき)におけるXd(t)、Yd(t)、Xh(t)、Yh(t)は、それぞれ例えば次のような式で表される。なお、ピッチ径Rとは、伝動ベルト40が巻き掛けられている可変プーリー20の回転中心Cからロッキングエッジ64までの最短距離であり、回転中心Cからディンプル56及びホール58までの最短距離よりも長い(図4参照)。
Xd(t)=−1.2−0.1594t+0.8594t
Yd(t)=−3+t
Xh(t)=0.2−0.0629t+0.7629t
Yh(t)=−3+1.02t
そして、後続するベルトブロック42Bのディンプル56の板厚方向における断面形状及び位置は、Qdn(t)=(Xdn(t)、Ydn(t))という関数で表され、Xdn(t)、Ydn(t)は、それぞれ例えば次のような式となる。
Xdn(t)=0.4373+0.0545t−0.1591t+0.8581t
Ydn(t)=−2.9792+0.9985t+0.0087t−0.0469t
以上の式で表示されたディンプル56とホール58の板厚方向における断面形状及び位置を図5で詳細に示す。このように、通常時(前傾ピッチング無しのとき)では、後続するベルトブロック42Bのディンプル56は、先行するベルトブロック42Aのホール58に対して、径方向(特に高さ方向)において常に非接触となっている。
次に、図6で示すように、先行するベルトブロック42Aの上部側(保持部52側であり、フープ46側)が、後続するベルトブロック42Bの段差部60におけるロッキングエッジ64を支点(傾き基準)として、進行方向G側に相対的に傾いた(前傾ピッチング姿勢となった)場合について説明する。
伝動ベルト40が可変プーリー20に対して最小巻き掛け半径となったときで、かつ、その可変プーリー20から出て来るときには、先行するベルトブロック42Aが、フープ46及び可変プーリー20との相対速度差により、後続するベルトブロック42Bに対して(XY座標軸の原点0を中心に)前傾姿勢となるように傾く(角度θpの前傾ピッチング姿勢を取る)ことがある。
この場合、その前傾ピッチング動作に伴って、先行するベルトブロック42Aのホール58に対して、後続するベルトブロック42Bのディンプル56の位置が相対的に変化する。
すなわち、この場合の先行するベルトブロック42Aのディンプル56及びホール58の板厚方向における断面形状及び位置は、Qpd(t)=(Xpd(t)、Ypd(t))、Qph(t)=(Xph(t)、Yph(t))という関数で、それぞれ表され、Xpd(t)、Ypd(t)、Xph(t)、Yph(t)は、前傾ピッチング角度θp=2°のとき、それぞれ次のような式で表される。
Xpd(t)=−1.0946−0.0349t−0.1593t+0.8589t
Ypd(t)=−3.0401+0.9994t−0.0056t+0.0300t
Xph(t)=0.3046−0.0356t−0.0628t+0.7624t
Yph(t)=−2.9912+1.0194t−0.0022t+0.0266t
そして、この場合の後続するベルトブロック42Bのディンプル56の板厚方向における断面形状及び位置は、Qpdn(t)=(Xpdn(t)、Ypdn(t))という関数で表され、Xpdn(t)、Ypdn(t)は、それぞれ次のような式となる。
Xpdn(t)=0.5404+0.0196t−0.1593t+0.8592t
Ypdn(t)=−3.0249+0.9998t+0.0031t−0.0169t
以上の式で表示されたディンプル56とホール58の板厚方向における断面形状及び位置を図7で詳細に示す。このように、先行するベルトブロック42Aが前傾ピッチング姿勢となっても、後続するベルトブロック42Bのディンプル56は、先行するベルトブロック42Aのホール58に対して、径方向(特に高さ方向)において非接触状態を維持するようになっている。
以上のような構成の伝動ベルト40(ベルトブロック42)において、次にその作用について説明する。図1、図2で示すように、伝動ベルト40の多数(複数)のベルトブロック42は、フープ46に支持されて、入力側可変プーリー20と出力側可変プーリー30の間に巻き掛けられ、入力側から出力側へ回転駆動力を伝達する。
ベルトの進行方向Gである板厚方向に隣接した状態でフープ46に支持されている各ベルトブロック42は、図2で示すように、後続するベルトブロック42のディンプル56が、先行するベルトブロック42のホール58に挿入(遊挿)された状態で走行する。
そして、その伝動ベルト40が可変プーリー20に対して最小巻き掛け半径となったときで、かつ、その可変プーリー20から出て来るとき、先行するベルトブロック42Aの上部側が、後続するベルトブロック42Bの段差部60におけるロッキングエッジ64を支点(傾き基準)として、その進行方向G側に相対的に傾く(前傾ピッチング姿勢を取る)ことがある(図6参照)。
先行するベルトブロック42が前傾ピッチング姿勢を取ると、その先行するベルトブロック42のホール58に、後続するベルトブロック42のディンプル56が高さ方向で干渉(圧接)することがあり、その場合における比較例に係るディンプル156及びホール158の板厚方向における断面形状及び位置を、図8、図9を基に説明する。
比較例に係る先行するベルトブロック42Aのディンプル156及びホール158の板厚方向における断面形状及び位置は、媒介変数tを、−1<t<1としたとき、それぞれ次のような関数で表される。
ディンプル156:Qd’(t)=(Xd’(t)、Yd’(t))
ホール158:Qh’(t)=(Xh’(t)、Yh’(t))
そして、ベルトブロック42の板厚D1=1.8mm、ピッチ径R=33mmとすると、まず、前傾ピッチング姿勢を取らない「前傾ピッチング無し」のときにおけるXd’(t)、Yd’(t)、Xh’(t)、Yh’(t)は、それぞれ次のような式で表される。
Xd’(t)=−1.2−0.1594t+0.8594t
Yd’(t)=−3+t
Xh’(t)=0.2−0.1594t+0.8594t
Yh’(t)=−3+t
そして更に、比較例に係る後続するベルトブロック42Bのディンプル156の板厚方向における断面形状及び位置は、Qdn’(t)=(Xdn’(t)、Ydn’(t))という関数で表され、Xdn’(t)、Ydn’(t)は、それぞれ次のような式となる。
Xdn’(t)=0.4373+0.0545t−0.1591t+0.8581t
Ydn’(t)=−2.9792+0.9985t+0.0087t−0.0469t
以上の式で表示されたディンプル156とホール158の板厚方向における断面形状及び位置を図8で詳細に示す。このように、比較例に係る先行するベルトブロック42Aが前傾ピッチング姿勢を取らないときには、比較例に係る後続するベルトブロック42Bのディンプル156は、その先行するベルトブロック42Aのホール158に対して、径方向(特に高さ方向)において非接触となっている。
一方、比較例に係る先行するベルトブロック42Aが前傾ピッチング姿勢を取ったときには、そのディンプル156及びホール158の板厚方向における断面形状及び位置は、Qpd’(t)=(Xpd’(t)、Ypd’(t))、Qph’(t)=(Xph’(t)、Yph’(t))という関数で、それぞれ表され、Xpd’(t)、Ypd’(t)、Xph’(t)、Yph’(t)は、前傾ピッチング角度θp=2°のとき、それぞれ次のような式で表される。
Xpd’(t)=−1.0946−0.0349t−0.1593t+0.8589t
Ypd’(t)=−3.0401+0.9994t−0.0056t+0.0300t
Xph’(t)=0.3046−0.0349t−0.1593t+0.8589t
Yph’(t)=−2.9912+0.9994t−0.0056t+0.0300t
そして、このときの比較例に係る後続するベルトブロック42Bのディンプル156の板厚方向における断面形状及び位置は、Qpdn’(t)=(Xpdn’(t)、Ypdn’(t))という関数で表され、Xpdn’(t)、Ypdn’(t)は、それぞれ次のような式となる。
Xpdn’(t)=0.5404+0.0196t−0.1593t+0.8592t
Ypdn’(t)=−3.0249+0.9998t+0.0031t−0.0169t
以上の式で表示されたディンプル156とホール158の板厚方向における断面形状及び位置を図9で詳細に示す。この図9で示すように、比較例に係る先行するベルトブロック42Aが前傾ピッチング姿勢を取ると、比較例に係る後続するベルトブロック42Bのディンプル156の外周下面部が、その先行するベルトブロック42Aのホール158の内周下面部に干渉(圧接)する。
このような干渉(圧接)が発生すると、先行するベルトブロック42Aが、可変プーリー20の固定シーブ22と可動シーブ24とによって挟圧されている後続するベルトブロック42Bによって押さえられて引き止められるロック作用がはたらくため、ベルトの動力伝達効率が低下する不具合を招く。
しかし、本実施形態に係るベルトブロック42のディンプル56及びホール58によれば、先行するベルトブロック42Aが前傾ピッチング姿勢を取っても、後続するベルトブロック42Bのディンプル56が、先行するベルトブロック42Aのホール58に接触することがない(図7で示すように、常に非接触状態を維持する)ので、先行するベルトブロック42Aを後続するベルトブロック42Bが押さえて引き止めるようなロック作用がはたらくことはない。
つまり、本実施形態に係るベルトブロック42によれば、ベルトの動力伝達効率が低下する不具合は起きない。このように、本実施形態に係るディンプル56とホール58にすれば、CVT10の伝動ベルト40において、各ベルトブロック42の整列作用の維持と、可変プーリー20、30の出口側におけるロック作用の排除とを両立させることができるため、動力伝達効率の低下を抑制又は防止することができる。よって、動力伝達効率の高効率化が実現可能となる。
以上、本実施形態に係る伝動ベルト40(動力伝達用無端ベルト)及びCVT10(ベルト式無段変速機)について、図面に示す実施例を基に説明したが、本実施形態に係る伝動ベルト40及びCVT10は、図示の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、ベルトブロック42(エレメント)の形状(保持部52等の形状)は、図示のものに限定されるものではない。
また、上記Xh(t)、Yh(t)、Xdn(t)、Ydn(t)、Xph(t)、Yph(t)、Xpdn(t)、Ypdn(t)等における式の係数及び定数は、ベルトブロック42の板厚D1=1.8mm、ピッチ径R=33mm、前傾ピッチング角度θp=2°のときの値であり、板厚D1、ピッチ径R、角度θp等の数値が変更されれば、それに応じて適宜変更される。そして、その場合の式も、上記4次式等に限定されるものではない。
つまり、可変プーリー20、30の出口側において、先行するベルトブロック42Aのホール58に、後続するベルトブロック42Bのディンプル56が干渉(圧接)しないように、各ベルトブロック42のディンプル56及びホール58の板厚方向の断面形状及び位置が適宜設定されていればよく、上記実施例においては、少なくともベルトブロック42の板厚D1=1.8mm、ピッチ径R=33mmで、前傾ピッチング角度θp≦2°のときに、上記干渉(ロック作用)の発生を防止することができる。
10 CVT(ベルト式無段変速機)
12 入力軸
14 出力軸
20 入力側可変プーリー
22 固定シーブ
24 可動シーブ
26 ベルト摺動面
28 V溝
30 出力側可変プーリー
32 固定シーブ
34 可動シーブ
36 ベルト摺動面
38 V溝
40 伝動ベルト(動力伝達用無端ベルト)
42 ベルトブロック(エレメント)
44 溝部
46 フープ(帯状部材)
48 開口
50 本体部
52 保持部
54 連接部
56 ディンプル(凸部)
58 ホール(凹部)
60 段差部
62 傾斜面
64 ロッキングエッジ(角部)

Claims (3)

  1. 環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる複数のエレメントと、
    前記各エレメントの進行方向側の面で、かつ前記帯状部材よりも前記可変プーリーの回転中心側に形成された凸部と、
    前記各エレメントの進行方向とは反対側の面で、かつ隣接する前記エレメントの前記凸部を遊挿可能に形成された凹部と、
    前記エレメントの進行方向側の面で、かつ前記凸部と前記帯状部材との間に形成され、該エレメントの高さ方向における前記凸部側の板厚を前記帯状部材側の板厚よりも低減させる段差部と、
    を有し、
    前記凸部及び前記凹部は、先行する前記エレメントの前記帯状部材側が、後続する前記エレメントの前記段差部の角部を支点として、前記進行方向に相対的に傾いた場合でも、前記エレメントの高さ方向において、互いに非接触となる形状に形成されていることを特徴とする動力伝達用無端ベルト。
  2. 前記各エレメントは、前記一対の可変プーリーに対する最小巻き掛け半径のときで、かつ該一対の可変プーリーから出て来るときに、前記帯状部材側が前記進行方向に相対的に傾くことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達用無端ベルト。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の動力伝達用無端ベルトを備えたことを特徴とする無段変速機。
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