JP2011178863A - 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化性樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
該活性エネルギー線硬化性組成物は、特定のN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステル及び特定のN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
活性エネルギー線硬化性組成物に硬化性樹脂を加えることで活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得ることができるが、活性エネルギー線硬化性組成物の構成成分のうち、硬化性樹脂組成物の低粘度化、接着性の向上等の目的で使用される重合性モノマーは、反応性希釈剤と称され、多種多様な重合性モノマーが開発されている。
なお、特許文献1は、N−ヒドロキシアルキル化ラクタムの(メタ)アクリル酸エステルを含む放射線硬化性組成物を開示しているが、その組成物に特定の構造を有するN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物を含めることについては、一切想定されておらず、また、特許文献2は、その実施例において、N−ヒドロキシエチルピロリドン−メタクリレートを合成した際に、合成原料であるN−ヒドロキシエチルピロリドンが不純物として含まれることを開示しているが、この文献においても、合成原料が不純物として含まれたN−ヒドロキシエチルピロリドン−メタクリレートと、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性及び基材密着性との関連性については、一切触れられておらず、想定されていないものである。すなわち、N−ヒドロキシアルキル化ラクタムの(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物に特定の構造を有するN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物を含めることによって、その組成物の硬化性及び基材密着性が共に向上するということは、本発明において初めて見出された効果であり、工業的に重要な技術的意義を有するものである。
以下に本発明を詳述する。
上記炭素数5〜12のシクロアルキレン基としては、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン等が挙げられる。
上記アルキレン骨格の構造中にエーテル結合による酸素原子を1つ若しくは複数有する炭素数4〜30の有機基とは、ラクタム環骨格を構成する窒素原子と(メタ)アクリロイル骨格を構成する−(CO)−O−(エステル)基とを繋ぐアルキレン骨格の主鎖の中にエーテル結合による酸素原子が1つ若しくは複数含まれている構造を有する有機基を意味する。例えば、アルキレン骨格の主鎖の中にエーテル結合による酸素原子が2つ含まれるような構造を例示すると、下記一般式(4);
また、R2及びR3を構成する炭素原子のうち、ラクタム環骨格を構成する窒素原子に結合する炭素原子の少なくとも1つには、少なくとも1つの水素原子が結合しているものであるが、好ましくは、R2及びR3を構成する炭素原子のうち、ラクタム環骨格を構成する窒素原子に結合する炭素原子の両方に、少なくとも1つの水素原子が結合していることである。
上記アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びデシル基等が挙げられる。
上記アリールオキシ基としては、炭素数6〜15のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基及びナフトキシ基等が挙げられる。
上記アルキルオキシ基としては、炭素数1〜12のアルキルオキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、アミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基およびデシルオキシ基等が挙げられる。
上記ヘテロ原子を有する原子団としては、例えば、酸素原子、硫黄原子及びイミノ基等が挙げられる。
上記複素環としては、例えば、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、プラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピラジン及びピペラジン等が挙げられる。
N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ピロリドン、N−(2′−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−カプロラクタム、N−(2−ヒドロキシプロピル)−カプロラクタムならびにN−(2′−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)カプロラクタムの(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。より好ましくは、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ピロリドンの(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましくは、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドンの(メタ)アクリル酸エステルである。
なお、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルの粘度は、例えば、ブルックフィールド型粘度計を用いて、JIS K−6901に準じて、測定することができる。
上記一般式(1)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に、ラジカル重合性基を有しているが、上記一般式(2)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物は、重合性基を有していない。しかしながら、一般式(2)における、R2及びR3を構成する炭素原子のうち、ラクタム環骨格を構成する窒素原子に結合する炭素原子の少なくとも1つに、少なくとも1つの水素原子が結合しているため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いてラジカル重合反応を行うと、該水素原子が脱離し、ラジカルが発生して、一般式(2)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物も重合に組み込まれていくことが可能となるものと考えられる。このため、重合性基を有していない一般式(2)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物を高い割合で含む場合であっても、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は完全に硬化させることが可能なものとなっていると考えられる。これらのことから、一般式(2)における、R2及びR3を構成する炭素原子のうち、ラクタム環骨格を構成する窒素原子に結合する炭素原子の少なくとも1つには、水素原子が少なくとも1つ結合している必要がある。好ましくは、R2及びR3を構成する炭素原子のうち、ラクタム環骨格を構成する窒素原子に結合する炭素原子が共に、水素原子を少なくとも1つ結合していることである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、これらいずれの方法によって得られるものであってもよい。
また、上記一般式(3)においてR4が炭素数1〜6のアルキル基である場合には、一般式(3)は(メタ)アクリル酸エステル類を表すことになる。該(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。より好ましくは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルである。
上記重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、クロラニル、2−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−tert−ブチルメトキシヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミノヒドロキノン等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、スチリネートフェノール、α−トコフェノール、2−tert−ブチル−6−(3′−tert−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2′−エチリデンビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、トリエチレングリコールビス[(3−tert−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N′−ビス[3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、2,2−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル−6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス(4−tert−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、カルシウム−ビス(エチル−3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジルフォスフェート、プロピル−3,4,5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3,4,5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3,4,5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、2,2′−メチレンビス(4−m−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポリマー、アルドール−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、エチレンジチオカルバミン酸銅、テトラメチレンジチオカルバミン酸銅、ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ヘキサメチレンジチオカルバミン酸銅、オキシジエチレンジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステル等のN−オキシル系重合禁止剤;等が挙げられる。
これらの中でも、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、2−tert−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、α−トコフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、アルキル化ジフェニルアミン、フェノチアジン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステルが好ましい。より好ましくは、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステルであり、更に好ましくは、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステルである。これら重合禁止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル化触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸、及び、その部分中和塩;タングストリン酸、モリブドリン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸等のヘテロポリ酸、及び、その部分中和塩;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;ギ酸、酢酸、ラウリン酸、オレイン酸等の有機カルボン酸等のプロトン酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化錫、四塩化錫等のルイス酸;ベースレジンが、ゲル型、ポーラス型若しくはマクロポーラス型のいずれかの形態を示すフェノール系樹脂又はスチレン系樹脂であって、スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種のイオン交換基を含有する酸性イオン交換樹脂;シリカ、アルミナ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア等の酸化物;等が挙げられる。
これらの中でも、塩酸、硫酸、リン酸、タングストリン酸、パラトルエンスルホン酸、フッ化ホウ素、酸性イオン交換樹脂が好適に用いられる。これらエステル化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エステル化触媒の使用量としては、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物に対して、0.001〜20モル%であることが好ましい。0.001モル%未満であると、充分な反応促進効果が得られないおそれがあり、20モル%を超えても反応促進効果の更なる改善は認められず、むしろ悪影響を及ぼすおそれがあるうえ、経済性を損なうこともある。より好ましくは、0.005〜15モル%であり、更に好ましくは、0.01〜10モル%であり、特に好ましくは、0.05〜5モル%である。
また、エステル交換触媒としては、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の酸化物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化タリウム、水酸化スズ、水酸化鉛、水酸化ニッケル等の水酸化物;塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ジルコニウム、塩化ニッケル等のハロゲン化物;炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸鉛、炭酸亜鉛、炭酸ニッケル等の炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等の炭酸水素塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム、リン酸鉛、リン酸亜鉛、リン酸ニッケル等のリン酸塩;硝酸リチウム、硝酸カルシウム、硝酸鉛、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル等の硝酸塩;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸鉛、酢酸亜鉛、酢酸ニッケル等のカルボン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエトキシド、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキサノキシ)チタン等のアルコキシ化合物;リチウムアセチルアセトナート、ジルコニアアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジブトキシスズアセチルアセトナート、ジブトキシチタンアセチルアセトナート等のアセチルアセトナート錯体;テトラメチルアンモニウムメトキシド、テトラメチルアンモニウムt−ブトキシド、トリメチルベンジルアンモニウムエトキシド等の4級アンモニウムアルコキシド;ジメチルスズオキサイド、メチルブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のジアルキルスズ化合物;ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド等のジスタノキサン;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等のジアルキルスズジカルボン酸塩;等が挙げられる。
これらの中でも、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキサノキシ)チタン、ジルコニアアセチルアセトナート、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが好適に用いられる。これらエステル交換触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エステル交換触媒の使用量としては、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物に対して、0.001〜20モル%であることが好ましい。0.001モル%未満であると、充分な反応促進効果が得られないおそれがあり、20モル%を超えても反応促進効果の更なる改善は認められず、むしろ悪影響を及ぼすおそれがあるうえ、経済性を損なうこともある。より好ましくは、0.005〜15モル%であり、更に好ましくは、0.01〜10モル%であり、特に好ましくは、0.05〜5モル%である。
上記分子状酸素濃度の範囲が、収率、重合抑制、爆発回避、経済性の点で有効である。
分子状酸素濃度の設定は、分子状酸素又は空気等の分子状酸素を含むガスと、窒素やアルゴン等の不活性ガスとを、反応器に別々に供給したり、予め混合して供給したりすることにより行われる。
上記副生する水若しくはアルコールの除去方法としては、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法、吸着剤の存在下で反応を行う方法が好適である。これらの中でも、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。
上記共沸溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;等を挙げることができる。これらの共沸溶媒は、単独でも2種類以上を併用して用いてもよい。
上記共沸溶媒の使用量としては、一般式(2)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物と一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステル類の合計質量に対して、0〜300質量%であることが好ましい。より好ましくは、0〜200質量%であり、更に好ましくは、0〜100質量%である。上記共沸溶媒使用量の範囲が、収率の点及び経済性の点で好ましい。
また、エステル交換反応の場合には、過剰に用いた(メタ)アクリル酸エステル類を共沸溶媒とすることもできる。
上記エステル化反応及びエステル交換反応工程における反応圧力は、常圧、加圧及び減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
上記エステル化反応及びエステル交換反応の反応系から軽沸分を除去する工程において、軽沸分を除去する方法は、例えば、常圧で蒸発させる方法、減圧下に蒸留する方法等が挙げられる。これらの中でも、減圧下に蒸留する方法が好ましい。
なお、軽沸分とは、反応系に存在する一般式(1)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステル及び/又は一般式(2)で表されるN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物よりも低い沸点を有する化合物を意味し、上記副生する水若しくはアルコール、原料(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステル類、共沸溶媒等が含まれる。
上記エステル化反応及びエステル交換反応の反応系から軽沸分を除去したものを、必要に応じて、中和、ろ過、水洗、減圧蒸留等の方法により精製してもよい。これらの方法は組み合わせて実施してもよい。これらの中でも、減圧蒸留による精製が好ましい。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル等の単官能(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能(メタ)アクリルアミド類。
これらの中でも、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが好適である。
なお、硬化性樹脂の粘度は、上述したN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルの粘度と同様に測定することができる。
なお、上記硬化性樹脂における分子量とは、数平均分子量を意味する。
上記数平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
測定条件:
展開溶媒 THF(テトラヒドロフラン)
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
なお、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、上述したN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルの粘度と同様に測定することができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類。これらの中でも、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類が好適である。特に、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが好適に用いられる。光重合開始剤としては、これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、特にインク、インクジェットインク、印刷インク、スクリーン印刷インク、塗料、光ファイバー用材料、接着剤、粘着剤、封止材、感光性樹脂版、ドライフィルム、成形材料、土木建築材料、自動車等の車両用等の用途分野に好適に使用される。
以降に記載する実施例及び比較例の操作は、それぞれの実施例及び比較例において、必要な回数だけ行った。
<UV硬化性>
ガラス板(大きさ150mm×100mm)上にバーコーターを用いて厚み100μmになるように各活性エネルギー線硬化性組成物又は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、UV照射装置(アイグラフィックス社製ベルトコンベアー式UV照射装置、商品名「UB031−5BM」、80W超高圧水銀灯、コンベアースピード:15m/分、光源からの距離:10cm、1パスあたりの照射エネルギー量:125mJ/cm2)にてUV照射して硬化させた。塗膜表面の粘着性を指触により確認し、粘着感が消失するまでのパス回数を測定した。
3.5J/cm2の照射エネルギーにて硬化させた硬化塗膜について、アセトンを染み込ませたガーゼで10回ずつ、最終的に50回まで擦り、塗膜表面の光沢変化を目視評価した(ガーゼを1往復することで1回と数えた。)。光沢が変化しないものは○、光沢がやや落ちるものは△、光沢が全くなくなるものを×とした。
PETフィルム(大きさ100mm×100mm)上にバーコーターを用いて厚み100μmになるように各活性エネルギー線硬化性組成物又は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、3.5J/cm2の照射エネルギーにて硬化させた硬化塗膜を1mm間隔で100マスにクロスカットし、該部分にセロハンテープを貼り付け充分に密着させた後、セロハンテープを90度で剥離させた時の塗膜の基材への密着の程度から評価した。評価基準は下記の通りである。
評価基準
◎ :剥がれなし。
○ :5%未満の剥がれがあった。
△+:5%以上15%未満の剥がれがあった。
△ :15%以上35%未満の剥がれがあった。
△−:35%以上65%未満の剥がれがあった。
× :65%以上の剥がれがあった。
攪拌装置、温度計ホルダ、液投入ライン、ガス吹込みライン及び温度計ホルダと減圧ラインを持つオルダーショウ型精留塔(10段)を備えた2L反応釜にN−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン(HEP)500g、アクリル酸メチル 1166g、メトキシヒドロキノン 5g及びジブチルスズオキサイド 5gを添加した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に吹込みながら攪拌混合し、昇温した。精留塔塔頂部温度をアクリル酸メチル−メタノール共沸温度に保ち、副生するメタノールをアクリル酸メチル−メタノールの共沸溶液として系外へ除去し、系外へ除去されたアクリル酸メチルと同量のアクリル酸メチルを液投入ラインより連続的に供給した。昇温開始より9時間攪拌を行った。GCにより分析した結果、アクリル酸2−ピロリジノエチル(PEA)の収率は97%であった。減圧下に未反応アクリル酸メチル及び副生メタノールを塔頂部より反応系外へ除去した。引き続き、アクリル酸2−ピロリジノエチル 570g、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン 11gからなる組成物を塔頂部より得た。
実施例1で得られた組成物 100gを更に、ヘキサン/アセトン=98/2(容量比)の混合溶媒を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、純粋なアクリル酸2−ピロリジノエチル 64gを得た。
アクリル酸メチルをメタクリル酸メチル 1356gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル酸2−ピロリジノエチル(PEM)577g、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン 9gからなる組成物を塔頂部より得た。なお、反応中の精留塔塔頂部温度はメタクリル酸メチル−メタノール共沸温度に保ち、副生するメタノールをメタクリル酸メチル−メタノールの共沸溶液として系外へ除去し、系外へ除去されたメタクリル酸メチルと同量のメタクリル酸メチルを液投入ラインより連続的に供給した。
実施例2で得られた組成物 100gを更に、ヘキサン/アセトン=98/2(容量比)の混合溶媒を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、純粋なメタクリル酸2−ピロリジノエチル 71gを得た。
(実施例3)
実施例1で得られた組成物に表1に示す配合により重合禁止剤を添加し、活性エネルギー線硬化性組成物aを製造した。
(実施例4)
実施例2で得られた組成物に表1に示す配合により重合禁止剤を添加し、活性エネルギー線硬化性組成物bを製造した。
(実施例5〜12)
調製例1で得られたアクリル酸2−ピロリジノエチルに表1に示す配合により、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン及び重合禁止剤をそれぞれ添加し、活性エネルギー線硬化性組成物c、d、e、f、g、h、i及びjを製造した。
(実施例13、14)
調製例2で得られたメタクリル酸2−ピロリジノエチルに表1に示す配合により、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン及び重合禁止剤をそれぞれ添加し、活性エネルギー線硬化性組成物k及びlを製造した。
調製例1で得られた純粋なアクリル酸2−ピロリジノエチルに表1に示す配合により、重合禁止剤を添加し、比較用活性エネルギー線硬化性組成物(比較a)を製造した。
(比較例2)
調製例2で得られた純粋なメタクリル酸2−ピロリジノエチルに表1に示す配合により、重合禁止剤を添加し、比較用活性エネルギー線硬化性組成物(比較b)を製造した。
実施例3〜14及び比較例1、2の配合について表1に示す。
なお、表1中の略号は以下の通りである。
PEA:アクリル酸2−ピロリジノエチル
PEM:メタクリル酸2−ピロリジノエチル
HEP:N−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドン
MHQ:メトキシヒドロキノン
(実施例15〜26、比較例3、4)
活性エネルギー線硬化性組成物及び光重合開始剤を表2に示す配合により混合して、活性エネルギー線硬化性組成物を調製し、各組成物の硬化性、耐溶剤性及び密着性を評価した。
それらの配合及び評価結果を表2に示す。
なお、表2中の略号は以下の通りである。
184:光ラジカル重合開始剤イルガキュア184(商品名、ビーエーエスエフ ソシエタス ヨーロピア(BASF SE)社製;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
907:光ラジカル重合開始剤イルガキュア907(商品名、ビーエーエスエフ ソシエタス ヨーロピア(BASF SE)社製;2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン)
(実施例27〜35、比較例5〜7)
活性エネルギー線硬化性組成物、硬化性樹脂及び光重合開始剤を表3に示す配合により混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製し、各組成物の硬化性、耐溶剤性及び密着性を評価した。
それらの配合及び評価結果を表3に示す。
なお、表3中の略号は以下の通りである。
7550B:UV−7550B(商品名、日本合成化学社製;ウレタンアクリレート)
G−105:G−105(商品名、ジャパンコンポジット社製;不飽和ポリエステルアルキッド)
RF−711B:RF−711B(商品名、ジャパンコンポジット社製;エポキシアクリレートアルキッド)
184:光ラジカル重合開始剤イルガキュア184(商品名、ビーエーエスエフ ソシエタス ヨーロピア(BASF SE)社製;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物において、特定の構造を有するN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物を共存させることによって、組成物の硬化性、耐溶剤性及び基材密着性をより向上させることができ、これらの性能を高いレベルで両立することのできる組成物が得られることが分かった。
なお、上記実施例においては、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物としてアクリル酸2−ピロリジノエチル又はメタクリル酸2−ピロリジノエチルが、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物としてN−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリドンが用いられているが、N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物において、特定の構造を有するN−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物が存在することによって効果が発現する機構は、全て同様であることから、上記実施例、比較例の結果より、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (4)
- N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
該活性エネルギー線硬化性組成物は、下記一般式(1);
- N−ヒドロキシアルキル化ラクタム化合物の(メタ)アクリル酸エステルを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
該活性エネルギー線硬化性組成物は、下記一般式(2);
- 請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物と硬化性樹脂とを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂は、少なくとも1つのラジカル重合性基を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1、2又は3に記載の組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
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