JP2011156974A - 車両用空調ダクト構造 - Google Patents

Abstract

【課題】コストダウンする。
【解決手段】サイドデフロスタダクト３２の本体部３２Ａと下流部３２Ｂとは、別体に構成されており、この下流部３２Ｂとサイドフェイスダクト３０の下流部３０Ｂとは、車両上下方向に重ね合わされた状態で取付部４４によって固定されている。また、サイドフェイスダクト３０の本体部３０Ａとサイドデフロスタダクト３２の本体部３２Ａとは並列に設けられており、その互いの下流側は橋渡し部５０によって連結されている。さらに、この橋渡し部５０には、接合部５２が形成されており、この接合部５２は、インストルメントパネル１２の裏面に接合されている。この構成によれば、取付部４４の強度を必要以上に高くする必要が無く、また、サイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２を薄肉に形成でき、しかも、空調ダクト２４の成形時における歩留まりを向上できるので、コストダウンできる。
【選択図】図１

Description

本発明は、車両用空調ダクト構造に関する。

特許文献１には、自動車の空気調和装置用ダクトが開示されている。この空気調和装置用ダクトにおいて、エアコンダクト部及びデフロスタダクト部の各下流側は、車両上下方向に重ね合わされており、取付部によって互いに固定されている。

また、この空気調和装置用ダクトは、ブロー成形によって一体に形成されるが、形状を成立させるために、エアコンダクト部及びデフロスタダクト部の各上流側は、薄肉ヒンジによって互いに連結されている。そして、このエアコンダクト部とデフロスタダクト部とは、型抜きが可能なように展開された形態で形成された後、薄肉ヒンジにて折り曲げられることによって正規の形態とされている。

特開平１１−１２３９２３号公報 特開２００３−３４１３４０号公報 特開２００４−１５５２８７号公報

しかしながら、特許文献１に記載の発明では、ブロー成形時に薄肉ヒンジにバリが形成され、これによってエアコンダクト部及びデフロスタダクト部に対して展開方向に曲げ荷重が作用する場合がある。そして、この場合には、エアコンダクト部及びデフロスタダクト部の各下流側を互いに固定する取付部に剥離荷重が作用するため、取付部の強度が必要となり、コストアップとなる。

また、この種の空気調和装置用ダクトをブロー成形によって一体に形成する場合には、歩留まりが悪化する場合があり、この場合にも、コストアップとなる。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、コストダウンできる車両用空調ダクト構造を提供することを目的とする。

前記課題を解決するために、請求項１に記載の車両用空調ダクト構造は、インストルメントパネルの裏側に設けられ、前記インストルメントパネルに形成された第一吹出口と空調装置の送出口とを連通する第一ダクトと、前記インストルメントパネルの裏側に前記第一ダクトと並列して設けられた第二ダクト本体部と、前記第二ダクト本体部と別体に構成されると共に前記第二ダクト本体部の下流側と接続されて、前記第二ダクト本体部とで前記インストルメントパネルに形成された第二吹出口と前記送出口とを連通する第二ダクトを構成する第二ダクト下流部と、前記第二ダクト下流部と前記第一ダクトの下流側とを固定する取付部と、前記第一ダクトにおける前記取付部よりも上流側と前記第二ダクト本体部とを橋渡し状に連結すると共に、前記インストルメントパネルの裏面に接合された橋渡し部と、を備えている。

この車両用空調ダクト構造によれば、第二ダクト下流部は、第二ダクト本体部と別体に構成されている。従って、例えば、第二ダクト下流部が第一ダクトと車両上下方向に重ね合わされて設けられる場合でも、空調ダクトの形状を成立させるために第一ダクト及び第二ダクトの各上流側を従来のように薄肉ヒンジによって互いに連結する必要が無い。これにより、第一ダクト及び第二ダクトに対して展開方向に曲げ荷重が作用することを抑制することができるので、第二ダクト下流部と第一ダクトの下流側とを固定する取付部に剥離荷重が作用することを抑制することができる。

また、第一ダクトにおける取付部よりも上流側と第二ダクト本体部とは、橋渡し部によって連結されており、第一ダクトに対する第二ダクトの取付剛性が確保されている。従って、取付部に剥離荷重が作用することをより一層抑制することができる。以上より、取付部の強度を必要以上に高くする必要が無いので、コストダウンできる。

しかも、橋渡し部は、インストルメントパネルの裏面に接合されており、インストルメントパネルに対する第一ダクト及び第二ダクトの取付剛性が確保されている。従って、例えば、第一ダクト及び第二ダクトを薄肉に形成することができるので、さらにコストダウンできる。

また、上述のように、第二ダクト下流部は、第二ダクト本体部と別体に構成されているので、空調ダクトの成形が容易となり、空調ダクトの成形時における歩留まりを向上させることができる。従って、このことによってもコストダウンできる。

請求項２に記載の車両用空調ダクト構造は、請求項１に記載の車両用空調ダクト構造において、前記第一ダクトが、車両幅方向に延在され、前記橋渡し部が、前記第一ダクトにおける車両幅方向中央部に設けられた構成とされている。

この車両用空調ダクト構造によれば、橋渡し部は、第一ダクトにおける車両幅方向中央部に設けられているので、車両幅方向に亘って第一ダクトの剛性を確保することができる。

請求項３に記載の車両用空調ダクト構造は、請求項１又は請求項２に記載の車両用空調ダクト構造において、前記取付部が、前記第二ダクト下流部の長手方向と直交する方向の両側に設けられた構成とされている。

この車両用空調ダクト構造によれば、取付部は、第二ダクト下流部の長手方向と直交する方向の両側に設けられているので、第二ダクト下流部と第一ダクトの下流側とをバランス良く固定することができる。

請求項４に記載の車両用空調ダクト構造は、請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載の車両用空調ダクト構造において、前記第二ダクト下流部の上流側及び前記第二ダクト本体部の下流側の一方に、凸状の嵌合部が形成され、前記第二ダクト下流部の上流側及び前記第二ダクト本体部の下流側の他方に、凹状に形成されると共に、前記嵌合部が差し込まれて嵌合された被嵌合部が形成された構成とされている。

この車両用空調ダクト構造によれば、嵌合部と被嵌合部とは、所謂、差込式とされている。従って、例えば、第一ダクト及び第二ダクトにその長手方向に寸法のばらつきが生じている場合でも、この嵌合部と被嵌合部との嵌合状態における差込量を調節することにより、このばらつきを吸収することができる。

請求項５に記載の車両用空調ダクト構造は、請求項４に記載の車両用空調ダクト構造において、前記橋渡し部が、前記第二ダクト本体部の下流側と連結された構成とされている。

この車両用空調ダクト構造によれば、橋渡し部は、第二ダクト本体部の下流側と連結されており、この第二ダクト本体部の下流側における剛性が確保されているので、被嵌合部と嵌合部との嵌合時の作業性を良好とすることができる。

以上詳述したように、本発明によれば、コストダウンできる。

本発明の一実施形態に係る車両用空調ダクト構造が適用された空調ダクトと、インストルメントパネルと、レジスタと、空調装置の分解斜視図である。 図１に示される空調ダクトの要部拡大分解平面図である。 図１に示される空調ダクトをファミリーモールドによって成形する様子を示す要部拡大平面図である。

以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。

なお、各図において示される矢印ＵＰ、矢印ＦＲ、矢印ＯＵＴは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側（右側）をそれぞれ示している。

図１に示されるインストルメントパネル１２は、車室前部に設けられている。このインストルメントパネル１２は、図示しない左右のフロントピラー間に架け渡されたインパネリインフォースメントに取り付けられており、空調装置１４等を車両上側から覆っている。

このインストルメントパネル１２には、その中央部にセンタフェイス吹出口１６及びセンタデフロスタ吹出口１８がそれぞれ形成されると共に、その車両幅方向外側に第一吹出口としてのサイドフェイス吹出口２０と、第二吹出口としてのサイドデフロスタ吹出口２２とがそれぞれ形成されている。また、サイドフェイス吹出口２０及びサイドデフロスタ吹出口２２は、車両上下方向に並んで形成されている。

一方、空調ダクト２４は、インストルメントパネル１２の裏側に設けられている。この空調ダクト２４には、本発明の一実施形態に係る車両用空調ダクト構造１０が適用されている。

つまり、この空調ダクト２４は、センタフェイスダクト２６と、センタデフロスタダクト２８と、第一ダクトとしてのサイドフェイスダクト３０と、第二ダクトとしてのサイドデフロスタダクト３２とを有して構成されている。

センタフェイスダクト２６及びセンタデフロスタダクト２８は、車両前後方向に延在されており、その各上流側は、空調装置１４に形成された送出口３４と連通されている。また、センタフェイスダクト２６の下流側は、レジスタ３６を介してセンタフェイス吹出口１６と連通されており、センタデフロスタダクト２８の下流側は、センタデフロスタ吹出口１８と連通されている。

一方、サイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２は、車両幅方向に延在されており、上述の送出口３４とサイドフェイス吹出口２０及びサイドデフロスタ吹出口２２とを連通している。

また、サイドデフロスタダクト３２は、図１，図２に示されるように、第二ダクト本体部としての本体部３２Ａと、この本体部３２Ａと別体に構成された第二ダクト下流部としての下流部３２Ｂとを有して構成されている。

本体部３２Ａは、サイドフェイスダクト３０の本体部３０Ａと車両前後方向に並列して設けられており、下流部３２Ｂは、サイドフェイスダクト３０の下流部３０Ｂの車両上側に重ねて設けられている。

また、本体部３２Ａの下流側には、凸状の嵌合部３８が形成されており、下流部３２Ｂの上流側には、凹状の被嵌合部４０が形成されている。

そして、被嵌合部４０に嵌合部３８が差し込まれて嵌合されることにより、下流部３２Ｂは、本体部３２Ａと接続されている。なお、嵌合部３８と被嵌合部４０との嵌合状態における差込量は調節することができるようになっている。

また、下流部３２Ｂの下流側には、一対の取付片４６が形成されている。この一対の取付片４６は、下流部３２Ｂの長手方向と直交する方向の両側（下流部３２Ｂを挟んだ両側）に形成されている。一方、上述のサイドフェイスダクト３０の下流側には、この一対の取付片４６と整合する位置に一対の取付座４８が形成されている。

この取付座４８は、取付片４６とで取付部４４を構成しており、この一対の取付片４６が一対の取付座４８とそれぞれ例えば溶着等によって接合されることにより、下流部３２Ｂとサイドフェイスダクト３０の下流側とは互いに固定されている。

また、サイドフェイスダクト３０における車両幅方向中央部であって上述の取付部４４よりも上流側と、本体部３２Ａの下流側とは、橋渡し部５０によって連結されている。さらに、この橋渡し部５０には、車両上側へ膨出する接合部５２が形成されている。

そして、図１に示されるように、空調ダクト２４は、この接合部５２や、その他の図示しない接合部によってインストルメントパネル１２の裏面に例えば溶着等によって接合されている。

なお、この空調ダクト２４は、例えば、シートブロー成形又は真空成形によって形成されている。

また、図３に示されるように、下流部３２Ｂは、この下流部３２Ｂを除く空調ダクト２４の本体部２４Ａと、共通の金型５４によって同時に成形されている（つまり、所謂、ファミリーモールドで成形されている）。なお、図３では、金型５４のうち下型５６（コア）が図示されており、上型（キャビティ）は不図示とされている。

次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。

図１，図２に示されるように、この車両用空調ダクト構造１０によれば、サイドデフロスタダクト３２の下流部３２Ｂは、本体部３２Ａと別体に構成されている。従って、例えば、下流部３２Ｂがサイドフェイスダクト３０の下流部３０Ｂと車両上下方向に重ね合わされて設けられている場合でも、空調ダクト２４の形状を成立させるためにサイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２の各上流側を従来のように薄肉ヒンジによって互いに連結する必要が無い。

これにより、サイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２に対して展開方向に曲げ荷重が作用することを抑制することができるので、これらの下流部３２Ｂ，下流部３０Ｂを互いに固定する取付部４４に剥離荷重が作用することを抑制することができる。

また、サイドフェイスダクト３０における取付部４４よりも上流側と、本体部３２Ａとは、橋渡し部５０によって連結されており、サイドフェイスダクト３０に対するサイドデフロスタダクト３２の取付剛性が確保されている。従って、取付部４４に剥離荷重が作用することをより一層抑制することができる。以上より、取付部４４の強度を必要以上に高くする必要が無いので、コストダウンできる。

しかも、橋渡し部５０は、インストルメントパネル１２の裏面に接合されており、インストルメントパネル１２に対するサイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２の取付剛性が確保されている。従って、例えば、サイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２を薄肉に形成することができるので、さらにコストダウンできる。

また、上述のように、下流部３２Ｂは、本体部３２Ａと別体に構成されているので、空調ダクト２４の成形が容易となり、空調ダクト２４の成形時における歩留まりを向上させることができる。従って、このことによってもコストダウンできる。

特に、下流部３２Ｂと、この下流部３２Ｂを除く空調ダクト２４の本体部２４Ａとは、共通の金型５４によって同時に成形されたもの（つまり、所謂、ファミリーモールドで成形されたもの）であるので、より一層コストダウンすることができる。

また、嵌合部３８と被嵌合部４０とは、所謂、差込式とされている。従って、例えば、サイドフェイスダクト３０及びサイドデフロスタダクト３２にその長手方向に寸法のばらつきが生じている場合でも、この嵌合部３８と被嵌合部４０との嵌合状態における差込量を調節することにより、このばらつきを吸収することができる。

また、橋渡し部５０は、本体部３２Ａの下流側、すなわち、嵌合部３８の近傍と連結されており、この嵌合部３８の近傍における剛性が確保されているので、嵌合部３８と被嵌合部４０との嵌合時の作業性を良好とすることができる。

また、橋渡し部５０は、サイドフェイスダクト３０における車両幅方向中央部に設けられているので、車両幅方向に亘ってサイドフェイスダクト３０の剛性を確保することができる。これにより、嵌合部３８と被嵌合部４０との嵌合時の作業性に加えて、取付片４６と取付座４８との接合時の作業性も良好とすることができる。

また、この取付片４６及び取付座４８によって構成された取付部４４は、下流部３２Ｂの長手方向と直交する方向の両側に設けられているので、下流部３２Ｂと下流部３０Ｂとをバランス良く固定することができる。

次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。

上記実施形態では、サイドデフロスタダクト３２の本体部３２Ａと下流部３２Ｂとが別体に構成され、サイドフェイスダクト３０が長手方向に亘って一体に形成されていたが、これとは逆に、サイドフェイスダクト３０の本体部３０Ａと下流部３０Ｂとが別体に構成され、サイドデフロスタダクト３２が長手方向に亘って一体に形成されていても良い。

なお、この場合には、サイドデフロスタダクト３２が本発明における第一ダクトに相当し、サイドフェイスダクト３０が本発明における第二ダクトに相当する。

また、上記実施形態では、本体部３２Ａに凸状の嵌合部３８が形成され、下流部３２Ｂに凹状の被嵌合部４０が形成されていたが、これとは逆に、本体部３２Ａに凹状の被嵌合部が形成され、下流部３２Ｂに凸状の嵌合部が形成されていても良い。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。

１０ 車両用空調ダクト構造
１２ インストルメントパネル
１４ 空調装置
２０ サイドフェイス吹出口（第一吹出口）
２２ サイドデフロスタ吹出口（第二吹出口）
３０ サイドフェイスダクト（第一ダクト）
３２ サイドデフロスタダクト（第二ダクト）
３２Ａ 本体部（第二ダクト本体部）
３２Ｂ 下流部（第二ダクト下流部）
３４ 送出口
３８ 嵌合部
４０ 被嵌合部
４４ 取付部
５０ 橋渡し部
５２ 接合部

Claims (5)

1. インストルメントパネルの裏側に設けられ、前記インストルメントパネルに形成された第一吹出口と空調装置の送出口とを連通する第一ダクトと、
   前記インストルメントパネルの裏側に前記第一ダクトと並列して設けられた第二ダクト本体部と、
   前記第二ダクト本体部と別体に構成されると共に前記第二ダクト本体部の下流側と接続されて、前記第二ダクト本体部とで前記インストルメントパネルに形成された第二吹出口と前記送出口とを連通する第二ダクトを構成する第二ダクト下流部と、
   前記第二ダクト下流部と前記第一ダクトの下流側とを固定する取付部と、
   前記第一ダクトにおける前記取付部よりも上流側と前記第二ダクト本体部とを橋渡し状に連結すると共に、前記インストルメントパネルの裏面に接合された橋渡し部と、
   を備えた車両用空調ダクト構造。
2. 前記第一ダクトは、車両幅方向に延在され、
   前記橋渡し部は、前記第一ダクトにおける車両幅方向中央部に設けられている、
   請求項１に記載の車両用空調ダクト構造。
3. 前記取付部は、前記第二ダクト下流部の長手方向と直交する方向の両側に設けられている、
   請求項１又は請求項２に記載の車両用空調ダクト構造。
4. 前記第二ダクト下流部の上流側及び前記第二ダクト本体部の下流側の一方には、凸状の嵌合部が形成され、
   前記第二ダクト下流部の上流側及び前記第二ダクト本体部の下流側の他方には、凹状に形成されると共に、前記嵌合部が差し込まれて嵌合された被嵌合部が形成されている、
   請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載の車両用空調ダクト構造。
5. 前記橋渡し部は、前記第二ダクト本体部の下流側と連結されている、
   請求項４に記載の車両用空調ダクト構造。

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