JP2011145334A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間の短縮が可能であって、しかもコストアップを抑えることが可能な定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ51と、加熱ローラ54の少なくとも2つのローラに巻き掛けられて回転駆動される定着ベルト55と、定着ベルト55の表面に圧接する加圧部材52と、定着ベルト55にテンションを付与するテンション部材56とを具備する定着装置である。定着ベルト55と加圧部材52との間に、定着すべきトナー像を担持した記録媒体Sを、トナー像が定着ベルト55に接する向きにして通過させ、その通過時に前記トナー像に熱と圧力を加えてトナー像を記録媒体55に定着する。テンション部材56は、定着ベルト55の走行方向に直交する幅方向における両端部にそれぞれ接触する一対の押圧部56bを備える。
【選択図】図2
【解決手段】定着ローラ51と、加熱ローラ54の少なくとも2つのローラに巻き掛けられて回転駆動される定着ベルト55と、定着ベルト55の表面に圧接する加圧部材52と、定着ベルト55にテンションを付与するテンション部材56とを具備する定着装置である。定着ベルト55と加圧部材52との間に、定着すべきトナー像を担持した記録媒体Sを、トナー像が定着ベルト55に接する向きにして通過させ、その通過時に前記トナー像に熱と圧力を加えてトナー像を記録媒体55に定着する。テンション部材56は、定着ベルト55の走行方向に直交する幅方向における両端部にそれぞれ接触する一対の押圧部56bを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらを備えた複合機等、用紙・OHPフィルム等のシート材(記録媒体)に画像を記録する画像形成装置およびこのような画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
従来、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置では、像担持体上にトナー画像を形成し、そのトナー画像をシート材(記録媒体)に転写し、その画像転写後のシート材を定着装置に入れる。そして、定着装置で熱と圧力とを加え、記録媒体上の未定着トナー画像をシート材上に定着して排出するものである。
定着装置には、図11と図12に示すように、定着ローラ71と、内部に熱源を有する加熱ローラ74とに定着ベルト75を掛け回し、その定着ベルト75を挟んで定着ローラ71と加圧ローラ72とを圧接し、それらのニップ間にシート材(用紙)を通して定着を行うベルト定着装置がある。
ベルト定着装置は、ベルト75に張力を付与する必要がある。そして、その張力の付与を行うベルト張架方式には、定着ローラ71の位置を固定し、加熱ローラ74を付勢して定着ベルト75を張り渡す方式と、定着ローラおよび加熱ローラ双方の位置を固定し、定着ベルト75にテンションローラ76を押し当てて定着ベルト75を張り渡す方式(特許文献1及び特許文献2等)とがある。
前者の方式(加熱ローラを付勢する方式)は、テンションローラを用いないことから、部品点数を少なくすることができる利点がある。しかし、加熱ローラの位置を移動させる必要がある。そのため、以下の(1)〜(3)等の問題点がある。
(1)設置精度を必要として、サーモスタット等の安全装置やサーミスタ等の温度検知手段などの取り付けが困難となる。
(2)ベルト寄り防止のため平行度を出す必要があり、そのための側板(ベルト寄り止め部材)の設置精度を高めたり、側板の剛性を高めたりしなければならない。
(3)加熱ローラ全体に均一に付勢しなければならず、メンテナンス性に劣る。
(2)ベルト寄り防止のため平行度を出す必要があり、そのための側板(ベルト寄り止め部材)の設置精度を高めたり、側板の剛性を高めたりしなければならない。
(3)加熱ローラ全体に均一に付勢しなければならず、メンテナンス性に劣る。
一方、後者の方式(テンションローラを押し当てる方式)は、テンションローラを余分に用いるものの、定着ローラおよび加熱ローラの位置を固定することから、前記した(1)(2)(3)などの問題はほとんどない。このため、前者より後者の方式の方が好ましいといえる。
ところで、図11に示す定着装置では、テンションローラ76を定着ベルト75の内側から押し当てる方式のものであり、図12に示す定着装置では、テンションローラ76を定着ベルト75の外側から押し当てる方式のものである。
テンションローラ76は一般的には、図13に示すように、鉄、アルミニウム等の剛性のある金属にて構成された円筒形状の軸部79aと、この軸部79aの外周には定着ベルト75に押圧して直接テンションを与える押圧部79bとからなる。軸部79aの両端部が軸受け等の支持部材(図示省略)により回転支持されている。押圧部79bは定着ベルト75に圧を与える剛性と、定着ベルト75からの回転力を受け自身を回転させる摩擦力、その際に定着ベルト75の熱を必要以上に奪い取らない断熱性が求められ、断熱性の面から耐熱性のフェルト材等が用いられることが多い。
加熱ローラ74はその内部に配設された加熱源(図示省略)によりその表面を温められる。その加熱ローラ74の外周面と定着ベルト75の内周面が接することで定着ベルト75が温められる。温められた定着ベルト75は回転することで定着ベルト全周が加熱される。加熱された定着ベルト75が定着部材71と加圧部材72によって形成されるニップ部を記録紙とともに通過することで、記録紙上のトナーに伝熱されトナーを記録媒体(用紙)に定着させる。ここで前述(目的)のように定着部材71と加熱ローラ74に掛け渡された定着ベルト75を安定走行させるためにテンションローラ76が必要となる。
図11や図12に示すように、テンションローラ76を押し当てる方式のものでは、定着ベルト75に、この定着ベルト75のほぼ全幅にテンションローラ76を押し当てることになる。このため、定着ベルト75の熱がテンションローラ76に逃げ、ウォームアップ時や、省エネ状態の待機モード(余熱モード)からの復帰時における定着ベルト75の温度上昇が遅くなる問題があった。
特に、テンションローラ76は、通常、熱源から離れた位置に設置することから、加熱ローラ74の温度よりも低く、機内雰囲気温度である100℃以下に保持されていることが多い。それだけテンションローラ76からの放熱が多くなってウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間が長くなり、省エネ上問題となっていた。
このため、この種の従来のベルト定着装置の中には、特許文献1に記載されるように、テンションローラに熱容量が少ない断熱材料を用いるようにしたものがある。このような断熱材料を用いたとしても、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間が長くなる問題があった。
また、前記特許文献2では、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時を短縮するために、テンション部材を加熱する補助加熱手段を備えたものである。しかしながら、補助加熱手段を設けることによって、補助加熱手段の加熱源の追加に伴うエネルギー増加およびコストアップの問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑み、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間の短縮が可能であって、しかもコストアップを抑えることが可能な定着装置及び画像形成装置を提供しようとするものである。
本発明の定着装置は、定着ローラと、加熱ローラの少なくとも2つのローラに巻き掛けられて回転駆動される定着ベルトと、この定着ベルトの表面に圧接する加圧部材と、定着ベルトにテンションを付与するテンション部材とを具備し、定着ベルトと加圧部材との間に、定着すべきトナー像を担持した記録媒体を、トナー像が定着ベルトに接する向きにして通過させ、その通過時に前記トナー像に熱と圧力を加えて該トナー像を記録媒体に定着する定着装置において、前記テンション部材は、前記定着ベルトの走行方向に直交する幅方向における両端部にそれぞれ接触する一対の押圧部を備えるものである。
本発明の定着装置によれば、定着ローラや加熱ローラをテンション付加のために、移動させる必要がないので、前記(1)(2)(3)の問題点が生じない。そかも、テンション部材は、一対の押圧部が定着ベルトの走行方向に直交する幅方向における両端部に接触するものであり、記録紙(記録媒体)が通過する範囲内で定着ベルトの熱が記録紙に奪われる範囲において、テンション部材が定着ベルトと接していないように設定でき、テンション部材から熱を奪われないようにできる。このため、前記押圧部は、通過する記録媒体の幅方向最大端部よりも外側においてのみテンションを付与するようにするのが好ましい。
前記テンション部材は、定着ベルトの外面側から圧接するものであっても、定着ベルトの内面側から圧接するものであってもよい。
ところで、定着ベルトの端部にのみ押し付け圧を与える場合には、各部材の配置、回転速度、押圧部の押し付け力、押圧部の押し付け幅等の種々の条件によっては押し付け圧を与えていない定着ベルトの中央付近にしわやたるみ等の不具合部が発生する場合が考えられる。このようなしわたるみ現象が発生すると中央付近の定着ベルトと加熱ローラの接触が不均一となる、接触していない、浮きが発生する等が生じるおそれがある。そのような箇所では、定着ベルトは加熱ローラからの熱量を適正に受け取ることができずに、その部分の温度が局所的に低くなるおそれがある。熱量を適正に受け取ることができない場所では、定着不良、光沢ムラ等の不具合が発生することになる。
そこで、テンション部材は、定着ベルトをその幅方向外方にテンションを付与するように設定するのが好ましい。このように、設定することによって、定着ベルトの中央付近にしわやたるみが発生するのを防止できる。
また、テンション部材は、押圧部間に定着ベルトのたるみ発生時に定着ベルトを支持する補助支持部を設けることも可能である。補助支持部を設けることによって、定着ベルトの中央付近に、定着不良、光沢ムラ等の不具合が生じるしわやたるみが発生するのを防止できる。
本発明の画像形成装置は、前記記載の定着装置を備えたものである。
本発明の定着装置では、前記(1)(2)(3)の問題点が生じず、コストアップを抑えることが可能となる。しかも、室温から定着可能な温度まで定着ベルトの温度を上昇させる際に同じエレルギーを与えたときにその昇温速度が速くなる。このため使用エネルギーを小さくすることが可能となり省エネを達成できる。さらに、この装置のオペレータの待ち時間短縮という効果も得られる。また記録媒体(用紙)が定着ニップを通過する印刷中においても、テンション部材への熱移動がなくなるため省エネが達成できるとともに、熱移動が小さいことから定着ベルトの温度が安定する。このため、定着不良の発生を防止したり、温度が安定することで画像の光沢性が安定する等の定着性能の向上が得られる。従って、本発明の定着装置では、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間の短縮を図ることができる。
押圧部は、通過する記録媒体の幅方向最大端部よりも外側においてのみテンションを付与するようにすることによって、テンション部材からの熱の逃げを安定して防止できる。これによって、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間の短縮を一層図ることができる。
定着ベルトをその幅方向外方にテンションを付与するようにしたり、補助支持部を設けたりすることによって、定着不良、光沢ムラ等の不具合が発生を防止できる。
本発明の画像形成装置では、ウォームアップ時間や待機モードからの復帰時間の短縮が可能であって、しかもコストアップを抑えることが可能で、さらには定着不良、光沢ムラ等の不具合の発生を防止でき画像形成装置を提供できる。
以下、図に示す実施例による本発明を実施するための形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態における画像形成装置の概略構成図である。画像形成装置はカラーレーザプリンタであって、一定の間隔で配置された4つの画像形成手段101Y、101C、101M、101Kにて構成されるタンデム画像形成部を備える。なお、画像形成手段の添字Y、C、M、Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの部材であることを示している。
各像形成手段101Y、101C、101M、101Kは、像担持体としての感光体(感光体ドラム)21Y、21C、21M、21Kと、感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kに潜像を形成する手段(例えば、光書込ユニット9や帯電装置30等)と、感光体ドラム21Y、21C、21M、21K上の潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置10Y、10C、10M、10Kと、感光体ドラム表面を清浄化させるためのクリーニング装置40とを備える。
このプリンタの上部には、トナーボトル2Y、2C、2M、2Kが配置されている。すなわち、トナーボトル2Yにはイエローのトナーが充填され、トナーボトル2Cにはシアントナーが充填され、トナーボトル2Mにはマゼンダトナーが充填され、トナーボトル2Kにはブラックナーが充填されている。なお、トナーボトル2Y、2C、2M、2Kから図示省略の搬送経路を介して所定の補給量だけ各色現像装置10Y、10C、10M、10Kに各色トナーが補給される。
また、タンデム画像形成部の下部に潜像形成手段としての光書込ユニット9が設けられている。この光書込ユニット9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備える。そして、画像データに基づいて各感光体1の表面にレーザ光を走査しながら照射するように構成されている。
タンデム画像形成部の上方には、中間転写体として無端ベルト状の中間転写ベルト1を設けている。この中間転写ベルト1は、支持ローラ1a、1bに掛け回され、この支持ローラのうち駆動ローラ1aの回転軸には駆動源としての図示しない駆動モータが連結されている。この駆動モータを駆動させると、中間転写ベルト1が支持ローラ1a、1bに掛け回された状態で反時計回方向に走行(回転)する。この際、従動可能な支持ローラ1bが回転する。中間転写ベルト1の内側には、感光体21Y,21C,21M,21K上に形成されたトナー像を中間転写ベルト1上に転写するための一次転写装置11Y,11C,11M,11Kを設けている。
また、前記一次転写装置11Y,11C,11M,11Kより中間転写ベルト1の駆動方向下流に二次転写装置としての二次転写ローラ4を設けている。この二次転写ローラ4と中間転写ベルト1を挟んで反対の側には、支持ローラ1bが配置されており、この支持ローラ1bが押部材としての機能を果たしている。また、二次転写ローラ4よりも上流側には給紙カセット8、給紙コロ7、及びレジストローラ6等が配設される。さらに、二次転写ローラ4によりトナー像を転写された記録媒体Sの進行方向に関して二次転写ローラ4の下流部には、記録媒体S上の画像を定着する定着装置5、及び排紙ローラ3を備えている。
定着装置5は、定着部材としての定着ローラ51と、加熱部材としての加熱ローラ54の少なくとも2つのローラに巻き掛けられて回転駆動される定着ベルト55と、この定着ベルト55の表面に圧接する加圧部材52と、定着ベルト55にテンションを付与するテンション部材56とを具備している。また、加熱ローラ54は加熱源53を有し、定着ローラ51の表面は、図示省略の温度制御手段によって所定の温度に維持される。
前記のように構成された画像形成装置におけるプリンタ動作を説明する。個々の画像形成手段でその感光体21Y,21C,21M,21Kを回転させ、感光体21Y,21C,21M,21Kの回転とともに、まず帯電装置17Y,17C,17M,17Kで感光体21Y,21C,21M,21Kの表面を一様に帯電する。
次いで画像データを光書込ユニット9からのレーザによる書込み光を照射して感光体21Y,21C,21M,21B上に静電潜像を形成する。その後、現像装置10Y,10C,10M,10Kによりトナーが付着され静電潜像を可視像化することで各感光体21Y,21C,21M,21K上にそれぞれ、イエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの単色画像を形成する。
図示省略の駆動モータで駆動ローラ1aを回転駆動して他の従動ローラ1b、二次転写ローラ4を従動回転し、中間転写ベルト1を回転搬送する。そして、その可視像を一次転写装置11Y,11C,11M,11Kで中間転写ベルト1上に順次転写する。これによって中間転写ベルト1上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の感光体21Y,21C,21M,21Kの表面は感光体クリーニング装置40で残留トナーを除去して清掃して再度の画像形成に備える。
画像形成のタイミングにあわせて、給紙カセット8からは記録媒体Sが給紙コロ7により繰り出され、レジストローラ6まで搬送され、一旦停止する。そして、画像形成動作とタイミングを取りながら、二次転写ローラ4と中間転写ベルト1の間に搬送される。ここで、中間転写ベルト1と二次転写対向ローラ4とは記録媒体Sを挟んでいわゆる二次転写ニップを形成し、二次転写ローラ4にて中間転写ベルト1上のトナー像を記録媒体S上に二次転写する。
そして、画像転写後の記録媒体Sは定着装置5へ送りこまれることになる。定着装置5では、定着部材(定着ローラ)51に対向し定着部材51に圧接される加圧部材(加圧ローラ)52により形成されるニップ部に用紙を挟持搬送することで記録媒体(用紙)S上のトナー像を加熱加圧し用紙Sに定着させる。またニップ部から排出された用紙Sは、排紙ローラ3から機外に排出される。一方、画像転写後の中間転写ベルト1は、中間転写体クリーニング装置12で、画像転写後に中間転写ベルト1上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部による再度の画像形成に備える。
本発明のテンションローラ(テンション部材)56は、図3と図4に示すように、鉄、アルミニウム等の剛性のある金属にて構成された円筒形状の軸部59aと、この軸部59aの端部側に配設される一対の押圧部59b、59bとからなる。押圧部59b、59bは短円柱状体からなり、この押圧部59b、59bにて定着ベルト55に押圧して直接テンションを与える。なお、軸部79aの両端部が軸受け等の支持部材(図示省略)により回転支持されている。
押圧部59b、59bは定着ベルト55に圧を与える剛性と、定着ベルト55からの回転力を受け自身を回転させる摩擦力、その際に定着ベルト75の熱を必要以上に奪い取らない断熱性が求められ、断熱性の面から耐熱性のフェルト材等が用いられることが多い。ただし以上の機能を満たせば材質を限定されるものではない。
押圧部59b、59b間寸法Wは、用紙(記録媒体)Sの最大幅寸法W1よりも大きく設定される。このため、押圧部59b、59bは、通過する記録媒体Sの幅方向最大端部よりも外側においてのみテンションを付与することになる。
図3に示すものでは、テンションローラ56が定着ベルト55の内側に配設され、図4に示すものでは、テンションローラ56が定着ベルト55の外側に配設されている。
図3や図4に示すようなテンションローラ56では、記録媒体Sが通過する範囲内で定着ベルト55の熱が記録紙(記録媒体S)に奪われる範囲において、テンションローラ56が定着ベルト55と接していない。このため、テンションローラ56から熱を奪われることが防止される。
この結果、室温から定着可能な温度まで定着ベルト55の温度を上昇させる際に同じエレルギーを与えたときにその昇温速度が速くなる。このため使用エネルギーを小さくすることが可能となり省エネを達成できる。それとともに装置オペレータの待ち時間短縮という効果も得られる。また記録紙(記録媒体S)が定着ニップを通過する印刷中においても、テンションローラ56への熱移動がなくなるため省エネが達成できるとともに、熱移動が小さいことから定着ベルト55の温度が安定するので定着不良の発生を防止したり、温度が安定することで画像の光沢性が安定する等の定着性能の向上が得られる。この効果はテンションローラ56を定着ベルト55の外側に配置する場合、内側に配置する場合いずれも同様に得られる。
ところで、前記したように、定着ベルト55の端部にのみ押し付け圧を与える場合に、各部材の配置、回転速度、テンションローラ押し付け力、テンションローラ押し付け幅、等の種々の条件によっては、図9と図10に示すように、押し付け圧を与えていない定着ベルト55の中央付近にしわやたるみ等の不具合部50が発生する場合が考えられる。
このようなしわたるみ現象が発生すると、中央付近の定着ベルト55と加熱ローラ54の接触が不均一となる、接触していない、又は浮きが発生している等が考えられる。このような箇所の定着ベルト55は加熱ローラ54からの熱量を適正に受け取ることができずに、その部分の温度が局所的に低くなってしまうことが考えられる。そのような場合に定着ベルト55温度が不適正な場所では定着不良、光沢ムラ等の不具合が発生してしまう。
そこで、図6では、図9と図10に示すような不具合部50が生じないような構成としている。テンション部材56は、定着ベルト55をその幅方向外方にテンションを付与するものである。すなわち、この場合のテンション部材56は、その押圧部59b、59bがそれぞれ軸部59aに対してその軸心方向に沿った往復動が可能とされ、この押圧部59b、59bをそれぞれ、軸方向外方へ押圧する弾性部材59c、59cを備える。なお、弾性部材59c、59cはコイルスプリング等からなり、軸部59aに支持されている支持片59d、59dに受けられる。
また、定着ベルト55の幅方向両端部には、図6に示すような寄り止めガイド58、58が設けられている。すなわち、寄り止めガイド58は定着ベルト55の両端に貼り付けられ(接着され)、定着ベルト55が軸線方向どちらか一方に寄っていった場合に内包する部材のいずれかの端部と干渉させ、その干渉によりそれ以上定着ベルト55が反対側端部に寄ることを防止し定着ベルト55が内包部材から脱落することを防止するものである。実施例の場合では加熱ローラ54と寄り止めガイド58が干渉するように構成されている。
ここで定着ベルト55内にテンション部材56を設置すると弾性部材59cにより付勢された押圧部59bは寄り止めガイド58に押し付けられ、結果的に定着ベルト55を両外側に引っ張る力を与える。その結果前述の定着ベルト55中央付近のたるみやしわ等の不具合部50が改善される。
図7では、押圧部59b、59bを構成するローラは、その外径面が軸方向内側から軸方向外側に向かって拡径した断面台形状(ツヅミ形状)である。このため、押圧部59bに接する定着ベルト55はその外側のほうが押圧部59b外径が大きいことから速い速度で回転される力を受ける。このようなツヅミ形状の回転体に回転支持される部材は外側に張力を受けることは既知であり、その結果定着ベルト55は外側に引っ張られる力を受けることとなり中央付近のしわたるみ等の不具合部50は改善される。なお図7に示す押圧部59b、59bにおいては、外径面の傾斜角を誇張して描画している。実際には、小径部と大径部との差が0.1mm程度で十分機能しうる。
前記テンション部材56は、押圧部59b、59b間に定着ベルト55のたるみ発生時に定着ベルト55の幅方向中央を支持する補助支持部60を設けている。この補助支持部60は、軸部59aの軸方向中央部に外嵌固着されるローラ体からなる。ローラ体の材質としては、押圧部59b、59bと同様のものを用いることができる。この場合の補助支持部60は、その外径寸法が押圧部59b、59bの外径寸法よりも小さく設定されている。
このため、定着ベルト55が正常に動作している場合、補助支持部60は、定着ベルト55に接触しない。その結果定着ベルト55の熱を奪うことはない。しかしながら、諸条件により定着ベルト55にたるみ等が発生した場合は、補助支持部60が補助的に定着ベルト55を支えることになる。このため、通常形態に戻らせる、つまり不具合部50を生じさせないしわやたるみ等の発生を防止できる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。押圧部56bの軸方向長さとしては、通過する記録媒体の幅方向最大端部よりも外側においてのみテンションを付与することができれば、種々変更できる。また、補助支持部60を設ける場合、この補助支持部60の位置としては、軸方向中央部に限る必要がなく、また、補助支持部60を構成するローラ体の数、軸方向長さ等として、定着ベルト55の熱を奪いにくいものである範囲で、ローラ体の材質等に基づいて種々変更できる。
51 定着ローラ(定着部材)
52 加圧部材
54 加熱ローラ
55 定着ベルト
56 テンションローラ(テンション部材)
56b 押圧部
60 補助支持部
S 記録媒体
52 加圧部材
54 加熱ローラ
55 定着ベルト
56 テンションローラ(テンション部材)
56b 押圧部
60 補助支持部
S 記録媒体
Claims (7)
- 定着ローラと、加熱ローラの少なくとも2つのローラに巻き掛けられて回転駆動される定着ベルトと、この定着ベルトの表面に圧接する加圧部材と、定着ベルトにテンションを付与するテンション部材とを具備し、定着ベルトと加圧部材との間に、定着すべきトナー像を担持した記録媒体を、トナー像が定着ベルトに接する向きにして通過させ、その通過時に前記トナー像に熱と圧力を加えて該トナー像を記録媒体に定着する定着装置において、
前記テンション部材は、前記定着ベルトの走行方向に直交する幅方向における両端部にそれぞれ接触する一対の押圧部を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記押圧部は、通過する記録媒体の幅方向最大端部よりも外側においてのみテンションを付与することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記テンション部材は、定着ベルトの外面側から圧接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記テンション部材は、定着ベルトの内面側から圧接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記テンション部材は、定着ベルトをその幅方向外方にテンションを付与することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記テンション部材は、押圧部間に定着ベルトのたるみ発生時に定着ベルトを支持する補助支持部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記請求項1〜請求項6のずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2015232612A (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-24 | 株式会社リコー | ベルト装置、ベルト定着装置及び画像形成装置 |
-
2010
- 2010-01-12 JP JP2010003887A patent/JP2011145334A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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