JP2007078862A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体3から中間転写ベルト2に転写されたトナー像Tは、対向ローラ9の部位で転写定着ベルト21に2次転写される。転写定着ベルト21は内部に空隙Gを有して配置された断熱ローラ22により摩擦回転されるフリーテンションベルトであり、接触物が存在しないフリーテンション部21Bをハロゲンヒータ25により加熱される。加熱されたトナー像Tは、断熱ローラ22と対向する加圧ローラ23と転写定着ベルト21により形成されるニップNで用紙Pに転写されると同時に定着される。
【選択図】 図1
Description
このような装置における画像の定着に際しては、未定着画像を担持しているシート材等の記録媒体をローラ間のニップに挟んで搬送しながら未定着画像を加熱、加圧し、それによって未定着画像中に含まれる現像剤、特にトナーの溶融軟化及びシート材への浸透を行わせることにより、シート材にトナーを定着させている。
しかし、このような画像形成方法においては、最終的な定着後ではトナー層が3〜15μmであるのに対して、紙は60〜200μmと厚さ大で熱容量も大であり、この両者を同時に加熱することは紙を暖めることに大きなエネルギーを費やすことになり、電力を無駄に使っていることとなる。
例えば特開2004−145260号公報には、中間転写体上のトナー画像を加熱された転写定着体に2次転写し、該転写定着体上においてトナー単独の加熱工程を確保し、該転写定着体とこれに対向する部材により形成されたニップに記録媒体を通して3次転写及び定着を行う構成が開示されている。
この3次転写定着方式によれば、トナーは紙との接触前に十分に加熱されて軟化しているため、紙はその表層を最低限加熱するだけでよく、定着で最大にエネルギーを消費する紙への損失分を大幅に低減できる。
特許文献2や特許文献3に開示されているように、ベルト上でトナーを加熱する方式とすれば、ベルトの薄肉構成による熱容量の低さによってトナーをより速く効率よく加熱することができるとともに、空気断熱により高い断熱性を得ることができると考えられる。
しかしながら、上記従来のベルト加熱方式では、ベルトを張架するための支持ローラが複数必要であり、これらのローラは熱容量を増大させ、結局ベルトの断熱性を阻害する。また、複数の支持ローラによる張架構成は構成の複雑化を招くことになる。
一方、転写定着同時方式において、転写定着が行われるニップでは表面性状に凹凸のある紙に画像を転写定着するためには一定以上の圧力が必要であることが知られている。
当接部位で上記像担持体からのトナー像の転写が行われることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、転写定着体の断熱性を高めることができ、ウォームアップを短くできる。
請求項4に記載の発明によれば、駆動ローラの摩耗による転写定着体の回転特性の低下を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体と接触する前のトナーを高効率に加熱することができる。
請求項7又は8に記載の発明によれば、転写定着体の安定した回転を確保でき、良好な転写定着性を得ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、構成のコンパクト化を図ることができる。
請求項10に記載の発明によれば、輻射と異なり光として漏れるエネルギーがない分、加熱効率を高めることができる。コイルを外部に配置する場合には、フリーテンション部を小さくでき、小型化に寄与できる。
請求項11、12、13、14、15又は16に記載の発明によれば、狭い幅の記録媒体を連続通紙した場合の端部温度の上昇によるシワ発生等の弊害を防止できる。
図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
中間転写ベルト2は、対向ローラ(駆動ローラ)9、テンションローラ10、従動ローラ11間に掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。従動ローラ11と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置12が設けられている。ここでは駆動ローラを対向ローラ9に設定しているが、これに限定される趣旨ではなく、対向ローラ9の上流側又は下流側にも設けても構わない。
転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
断熱プレート27によって、中間転写ベルト2の温度上昇をある程度低減でき、中間転写ベルト2側の熱劣化を抑制できる。
本実施形態では断熱プレート27と冷却ローラ28を同時に設ける構成としたが、いずれか一方を設ける構成としてもよい。これにより、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。また、転写定着体の設計上の自由度を大きくすることができる。
加圧ローラ23は、芯金23aと、断熱層23bと、フッ素系樹脂材料であるPFAやPTFE等の離型層23cを有している。図面上では分かり易いように厚みを誇張しているが、実際には、断熱層23bの厚みは0.05〜0.5mm程度、離型層23cの厚みは6〜30μ程度である。離型層23cはコーティングあるいはチューブ被覆により形成される。断熱層は必ずしも必要ではない。ニップ幅の必要に応じて弾性層を追加すること、断熱層に弾性を有する材料を用いることも可能である。
転写定着ベルト21は、0.05〜0.5mm程度の弾性層と、6〜30μ程度の離型層を有している。用紙幅分の画像を保持する必要があるため、転写定着ベルト21の幅は、用紙Pの幅と同等以上に設定されている。転写定着ベルト21の非画像領域には、表面温度を測定するためのサーミスタ(不図示)が設けられており、サーミスタからの検知情報に基づいて図示しない温度コントローラによりハロゲンヒータ25のオンオフ制御がなされることにより、転写定着ベルト21の温度がコントロールされる。
転写定着ベルト21は、内部に設けられた断熱ローラ22よりも長い周長を有し、断熱ローラ22との間には間隙(空隙)Gが存在する。
転写定着ベルト21は一方側のみにおいて断熱ローラ22により支持されているだけであり、全体としては、複数の支持部を有しない非張架方式のフリーテンションベルトとしてなる。
断熱ローラ22は図示しない駆動源に接続されており、断熱ローラ22の回転により、転写定着ベルト21は接触摩擦で回転する。摩擦回転方式であるため、断熱ローラ22の表面及び転写定着ベルト21の内面は耐摩耗性を有することが望ましい。
中間転写ベルト2からトナー画像が転写される2次転写部位では、フリーテンション部21Bが中間転写ベルト2に軽い接触圧(軽圧)で当接している。
また、転写定着ベルト21及び加圧ローラ23の離型層をカーボン等の導電性物質を分散させた導電性材料で構成し、バイアス回路と接続する構成としてもよい。このようにすれば、離型層間にバイアスを印加することが可能となり、転写バイアスを低電圧にでき、且つ、転写時のトナーの飛び散りを抑制できる。
この熱により、フリーテンション部21B上のトナー画像は瞬時に半溶融状態になる。転写定着ベルト21の表面温度は、画像形成装置本体の電源がONされてから複写工程に入るまでに、リフレクタ26の内部に設けられたハロゲンヒータ25と上記温度コントローラにより所定の温度に温度制御される。
しかも、記録媒体に比べて格段に熱容量の小さいトナー粒子が記録媒体に接触した瞬間に温度が急激に低下してしまうため、定着ニップ出口で定着工程が完了するためには、定着ニップ入口でトナー温度を持ち上げておく必要があることは明らかであり、定着ニップ出口でトナー画像と記録媒体の接触界面温度が110〜120℃程度になるように温度、あるいは電力が制御される。
ニップN直前の温度が定着可能温度としての160℃になるまでの時間(立ち上がり時間)はハロゲンヒータ25に1200W投入した場合、9秒であった。
この差は、断熱ローラがいかに熱伝導率において0.08W/mKといった高性能(シリコーンゴムなどは熱伝導率0.24W/mK)であっても、空気(熱伝導率0.02W/mK)に比べれば断熱性に劣るためである。
実験の結果、感光体3Y、3M、3C、3Bの温度を従来に比べ約10℃低下させることができた。また、中間転写ベルト2への熱損失を低減できるため、装置の消費電力も従来に比べ約40W低減できた。
また、3次転写部位であるニップNへの用紙Pの進入(突入)時の振動(厳密には線速変動と振動の複合現象)を軽圧接触のフリーテンション部21Bで吸収できるため、2次転写部位での画像乱れを抑制することができる。
すなわち、転写定着体がローラ等の硬質ないし剛体的構成の場合、線速変動や振動は2次転写部位に直接反映されるが、フリーテンション部21Bは非拘束構成で且つある程度の柔軟性を有しているため、ニップNにおける線速変動や振動は2次転写部位の手前(転写定着ベルト21の回転方向上流側)で吸収される。
すなわち、転写定着ベルト21の内周面と断熱ローラ22の外周面との間の摩擦係数をμ1、転写定着ベルト21の外周面と用紙Pの転写面との間の摩擦係数をμ2とするとき、μ1≦μ2の条件を満足するようにする。
この摩擦条件設定とベルトガイド30を組み合わせればさらに望ましい。
本実施形態では、第1の実施形態の構成において、ハロゲンヒータ25をフリーテンション部21Bの内方に配置した点が異なっている。フリーテンション部21Bの内方には空隙Gが存在しており、この空隙Gを利用してハロゲンヒータ25を配置している。
このようにした場合、ハロゲンヒータ25専用の配置スペースを要しないので、構成の簡易化を図ることができる。
IHコイル32に高周波交流電流が供給されると、交番磁界が誘起され、その磁界により転写定着ベルト21の内部の薄い金属発熱層に渦電流が発生し、ジュール熱による加熱が行われる。
本実施形態では、第1の実施形態の構成において、加圧ローラ23の位置を変えてニップNの位置を異ならせている。断熱ローラ22に対する加圧ローラ23の対向位置は、転写定着ベルト21の接触部21Aの範囲内で任意の位置を選定することができる。これにより、用紙Pの搬送レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
使用する用紙サイズが異なり、通紙幅(搬送方向と直交する方向の幅)が狭くなった場合、連続通紙すると転写定着ベルト21の両端部の温度は中央部に比べて異常に上昇する。このように局所的な高温部が発生すると、フリーテンションであるが故に転写定着ベルト21において熱膨張の差によりシワが発生し、ひいては定着不良の原因となる。また、転写定着ベルト21の端部における離型層の剥がれや、焼損等の懸念もある。
本実施形態ではこのような問題を解消すべく、転写定着ベルト21の回転方向におけるニップNの下流側に、転写定着ベルト21の表面に当接してその回転軸方向(用紙の搬送方向と直交する幅方向)の温度勾配を均す温度均一化部材を設けている。すなわち、ニップNにおける3次転写定着後に転写定着ベルト21の温度を均一にするようにしている。
ここでは、温度均一化部材として熱移送特性に優れたヒートパイプローラ33を使用している。
制御手段35は、I/Oインターフェース36、CPU37、ROM38、RAM39を有するマイクロコンピュータであり、ROM38又はRAM39には、ヒートパイプローラ33を接触させるべき用紙のサイズデータが記憶されている。
装置本体から用紙サイズの情報を受けると、制御手段35はヒートパイプローラ33を接触させる対象のサイズかどうかを判断し、対象サイズである場合には、
ソレノイド34を制御して、図9に示すように、ヒートパイプローラ33を転写定着ベルト21の表面に接触させる。
対象サイズのジョブが終了すると、制御手段35はヒートパイプローラ33を転写定着ベルト21から離間させる。ヒートパイプローラ33も吸熱部材であるため、必要以外は離間させた方が転写定着ベルト21の加熱効率がよいからである。したがって、装置立ち上がり時や待機時等にはヒートパイプローラ33は離間されている。
すなわち、予め実験等により求められた、用紙サイズ(小サイズ)と通紙枚数とのデータテーブルをROM38又はRAM39に記憶させておき、このデータテーブルに基づいて制御する。
図10に示すように、転写定着ベルト21の中央部の表面温度を検知する手段としてのサーミスタ40と、端部の表面温度を検知する手段としてのサーミスタ41が配置されている。
制御手段35は、各サーミスタ40、41からの検知温度情報を比較し、その温度勾配がROM38又はRAM39に記憶されている基準値を超えたらソレノイド34を制御してヒートパイプローラ33を転写定着ベルト21の表面に接触させる。
本実施形態では転写定着ベルト21の実際の表面温度を検知して接触させる判断を行うので、用紙サイズ情報の送信エラー又は受信エラーの場合等の無用な接触動作を回避できる利点を有している。
また、図12に示すような従来のベルト定着方式の定着装置50においても同様に実施することができる。図12において、符号51は内部に熱源としてのハロゲンヒータ52を有する加熱ローラを、53は定着ローラを、54は定着ベルトを、55は加圧ローラを、56は未定着トナー像を保持した用紙をそれぞれ示す。ヒートパイプローラ33の接触により、小サイズ紙を連続通紙した場合の定着ベルト54の端部温度上昇によるベルト劣化等を抑制できる。
また、図13に示すような従来の熱ローラ方式の定着装置60においても同様に実施することができる。図13において、符号61は内部に熱源としてのハロゲンヒータ62を有する定着ローラを、63は加圧ローラをそれぞれ示す。
ヒートパイプローラ33の接触により、小サイズ紙を連続通紙した場合の定着ベルト54の端部温度上昇による定着ローラ61の離型層の劣化等を抑制できる。
21 転写定着体としての転写定着ベルト
21B フリーテンション部
22 駆動ローラとしての断熱ローラ
22b 断熱層
22c 表面層
23 加圧部材としての加圧ローラ
25 加熱手段としてのハロゲンヒータ
30 ガイド部材としてのベルトガイド
32 加熱手段としての電磁誘導加熱コイル
33 温度均一化部材としてのヒートパイプローラ
54 定着回転体としての定着ベルト
55 対向する回転体としての加圧ローラ
61 定着回転体としての定着ローラ
63 対向する回転体としての加圧ローラ
N ニップ
P 記録媒体としての用紙
T トナー像
Claims (16)
- 像担持体上のトナー像を、加熱手段により加熱される回転可能な転写定着体に転写し、該転写定着体とこれに当接する加圧部材により形成されるニップに記録媒体を通して定着を行う画像形成装置において、
上記転写定着体は保形性を有する無端ベルト状をなすとともに、該転写定着体の内方に間隙を有する状態で且つ該転写定着体の一部に接触する状態で設けられた駆動ローラにより回転され、上記加圧部材は上記駆動ローラに対向して配置され、上記転写定着体の上記駆動ローラと接触しない部分はフリーテンション部としてなり、上記加熱手段による加熱は少なくとも上記フリーテンション部を含む部位でなされることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
上記像担持体が中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記駆動ローラが断熱層を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
上記駆動ローラが上記転写定着体に接触する表面層を有し、該表面層は耐摩耗性の高い材料で形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記転写定着体が上記像担持体に上記フリーテンション部をもって当接し、該
当接部位で上記像担持体からのトナー像の転写が行われることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記転写定着体が上記像担持体に上記駆動ローラとの接触部をもって当接し、該当接部位で上記像担持体からのトナー像の転写が行われることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記転写定着体の上記駆動ローラとの接触部の外側に、上記転写定着体の回転をガイドするガイド部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記転写定着体の内周面と上記駆動ローラの外周面との間の摩擦係数をμ1、上記転写定着体の外周面と上記記録媒体の転写面との間の摩擦係数をμ2とするとき、μ1≦μ2を満足することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記加熱手段が輻射ヒータであり、上記転写定着体の上記フリーテンション部の内側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記加熱手段が電磁誘導加熱コイルであり、上記転写定着体は上記電磁誘導加熱コイルにより発熱する発熱層を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記転写定着体の回転方向における上記ニップの下流側に、上記転写定着体の表面に当接し上記転写定着体の回転軸方向の温度勾配を均す温度均一化部材を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11に記載の画像形成装置において、
上記温度均一化部材が上記転写定着体に対して接離自在に設けられ、予め設定された条件に基づいて当接、離間がなされることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11又は12に記載の画像形成装置において、
上記温度均一化部材がヒートパイプであることを特徴とする画像形成装置。 - 加熱される定着回転体とこれに対向する回転体により形成されるニップに記録媒体を通して定着を行う画像形成装置において、
上記定着回転体の回転方向における上記ニップの下流側に、上記定着回転体の表面に当接し上記定着回転体の回転軸方向の温度勾配を均す温度均一化部材を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14に記載の画像形成装置において、
上記温度均一化部材が上記定着回転体に対して接離自在に設けられ、予め設定された条件に基づいて当接、離間がなされることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14又は15に記載の画像形成装置において、
上記温度均一化部材がヒートパイプであることを特徴とする画像形成装置。
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