JP7085131B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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定着ベルトは、3つのローラ部材(定着補助ローラ、加熱ローラ、テンションローラ)によって張架されている。加圧回転体は、定着ベルトを介して定着補助ローラに圧接して、シートが搬送されるニップ部を形成している。分離部材は、ニップ部の出口近傍で定着ベルトに対向するように配置されていて、ニップ部から送出されたシートが定着ベルトに巻き付かずに分離されるように機能する。
そして、非接触式の温度センサの検知結果(定着ベルトの表面温度)に基づいて加熱手段によって加熱ローラを介して定着ベルトが加熱されて、ニップ部に向けて搬送されるシート上のトナー像が、ニップ部にて熱と圧力とを受けてシート上に定着されることになる。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写ローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写ローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写対向ローラ82、クリーニング対向ローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82~84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、定着回転体としての定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、テンションローラ24、加圧回転体としての加圧ローラ31、非接触式の温度センサ40、第1分離部材41、第2分離部材42、等で構成される。
なお、本実施の形態では、弾性層22bの材料として発泡シリコーンゴムを用いたが、弾性層22bの材料としてフッ素ゴム、シリコーンゴム等を用いることもできる。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板に固定されている。そして、装置本体1に設置された電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像に熱が加えられる。ヒータ25(加熱手段)の出力制御は、定着ベルト21の外周面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、電源部からヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の表面温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。また、加圧ローラ31の外周面にシリコーンオイルなどが含浸されたクリーニングローラを摺接させることもできる。
また、定着ベルト21を介してテンションローラ24に対向する位置には、第1分離部材41で分離されずに定着ベルト21に吸着したシートPを分離するための第2分離部材42が設置されている。
これらの分離部材41、42については、後でさらに詳しく説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、電源部からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、駆動モータによって定着補助ローラ22が回転駆動されて、それぞれの部材同士の摩擦抵抗によって定着ベルト21、加熱ローラ23、加圧ローラ31が図2中の矢印方向に回転(従動)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置でトナー像がシートP上に未定着画像として担持される。未定着画像(トナー像)が担持されたシートPは、図2の一点鎖線の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部Nに送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、シートPの表面にトナー像が定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部Nから送出されたシートPは、出口ガイド板に案内されながら一点鎖線の矢印方向に搬送される。
なお、本実施の形態における定着装置20は、図1、図2に示すように、ニップ部NにおいてシートPが下方から上方に向けて搬送されるように構成されている。具体的に、定着装置20において、シートPは、略水平方向に搬送されるのではなくて、略垂直方向の下方から上方に搬送される。
先に図2を用いて説明したように、定着装置20には、トナー像を加熱してシートP上に定着する定着回転体としての定着ベルト21(複数のローラ部材22~24に張架されている。)や、定着ベルト21(定着回転体)に圧接することでシートPが搬送されるニップ部Nを形成する加圧回転体としての加圧ローラ31、が設置されている。
また、本実施の形態では、定着ベルト21を張架する複数のローラ部材として、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接する定着補助ローラ22と、ヒータ25(加熱手段)によって加熱されて定着ベルト21を加熱する加熱ローラ23と、定着ベルト21の内周面に当接して張力を与えるテンションローラ24と、が設けられている。
温度センサ40は、定着ベルト21(定着回転体)の外周面に対向するように配置されて、所定の視野角θにて定着ベルト21の表面温度を検知するものである。ここで、温度センサ40の「視野角」とは、温度センサ40の立体的な検知範囲であって、図2の紙面に平行な方向の視野角θ(垂直視野角)の他、その他の方向の視野角(水平視野角など)も含むものである。そして、温度センサ40の視野角の範囲で、定着ベルト21の表面温度が検知されることになる。なお、本実施の形態では、非接触式の温度センサ40として、サーモパイル(赤外線センサ)が用いられている。
そして、その温度センサ40の検知結果に基づいて、加熱手段としてのヒータ25によって、定着ベルト21(定着回転体)が加熱ローラ23を介して間接的に加熱されることになる。
また、本実施の形態において、温度センサ40は、定着ベルト21を介して加熱ローラ23に対向するように配置されている。このように構成することで、温度センサ40の検知結果に基づいたヒータ25の出力制御による定着ベルト21の温度調整の応答性を向上させることができる。さらに、加熱ローラ23に巻き付いた定着ベルト21の部分は、波うち等なく変位しにくいため、温度センサ40による温度検知が安定化することになる。
第1分離部材41は、ニップ部Nの出口近傍で定着ベルト21に微小な隙間をあけて対向して、その位置に達するシートPを分離可能に形成されたものである。具体的に、本実施の形態では、第1分離部材41として、その先端部(定着ベルト21に対向する部分である。)が幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延在するように形成された略板状部材(分離板)を用いている。これに対して、第1分離部材41として、ニップ部Nの出口近傍で定着ベルト21に当接するように形成された分離爪(幅方向の複数箇所に当接するように形成された複数の爪状部材である。)を用いることもできる。
具体的に、本実施の形態では、第2分離部材42として、その先端部(定着ベルト21に対向する部分である。)が幅方向に延在するように形成された略板状部材(分離板)を用いている。これに対して、第2分離部材42として、上述した範囲Mで定着ベルト21に当接するように形成された分離爪を用いることもできる。
すなわち、図3に示す定着装置200のように第2分離部材42が温度センサ40の視野角θの範囲内に設置されたり、第2分離部材42が温度センサ40の視野角θの下流側に設置されたりしてしまうと、図3に示すように、第1分離部材41によって分離されずに定着ベルト21に巻き付いたシートPが、第2分離部材42によって分離される前に、温度センサ40による視野角θの範囲にまで達してしまうことになる。そして、そのような場合には、非接触式の温度センサ40によって、定着ベルトの表面温度が直接的に検知されずに、それよりも低いシートPの表面温度(「シートPを介した定着ベルト21の表面温度」とも言える。)が検知されてしまって、ヒータ25によって定着ベルト21が高めに温度制御されてしまうことになる。そして、定着ベルト21が過昇温することにより、定着ベルト21などの構成部材が熱的劣化したり熱的破損したりしてしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、第2分離部材42が温度センサ40の視野角θの上流側に設置されているため、そのような不具合の発生を軽減することができる。
また、本実施の形態における定着装置20は、ニップ部NにおいてシートPが下方から上方に向けて搬送されるように構成されていて、第1分離部材41によって分離されずに定着ベルト21に巻き付いたシートPが、自身の重力によって、定着ベルト21の水平な表面に吸着しやすくなる可能性があるため、このように第2分離部材42を設けて、温度センサ40の視野角θにシートPを進入させないようにすることが有用である。
これにより、テンションローラ24に巻き付いた定着ベルト21の部分は、波うち等なく変位しにくいため、定着ベルト21と第2分離部材42(先端部)とのギャップが変化しにくくなって、第2分離部材42によるシート分離性が安定化することになる。
これにより、シートPに対して、テンションローラ24に巻き付いた定着ベルト21の曲率による分離機能(曲率分離機能)が充分に作用しながら、第2分離部材42による分離をおこなうことができるため、分離性を高めることができる。
したがって、ニップ部Nの出口で充分に曲率分離されずに定着ベルト21に巻き付いたシートPであっても、充分な曲率分離をおこなうことが可能になる。
図4は、変形例としての定着装置20を示す構成図であって、本実施の形態における図2に対応する図である。
図4に示すように、変形例における定着装置20は、ローラ式のものであって定着回転体として定着ローラ50が用いられている点が、ベルト式のものであって定着回転体として定着ベルト21が用いられている本実施の形態のものと相違する。
変形例において、定着回転体としての定着ローラ50は、芯金部50a上に弾性層50bや離型層などが積層されたローラ部材である。定着ローラ50の芯金部50aにおける中空部には、温度センサ40の検知結果に基づいて定着ローラ50を直接的に加熱する加熱手段としてのヒータ25が設置されている。
そして、変形例においても、定着ローラ50と加圧ローラ31とが圧接するニップ部Nの出口近傍に、定着ローラ50に対向(又は当接)するように第1分離部材41が設置されている。さらに、第1分離部材41に対して定着ローラ50の回転方向下流側であって温度センサ40の視野角θの範囲に達するまでの間で定着ローラ50に対向(又は、当接)するように、第2分離部材42が設置されている。
このように構成した変形例における定着装置20でも、本実施の形態のものと同様に、ニップ部Nから送出されたシートPが、分離されずに定着ローラ50に巻き付いて、温度センサ40によってシートPの温度が検知されてしまう不具合を生じにくくすることができる。
これにより、ニップ部Nから送出されたシートPが、分離されずに定着ベルト21に巻き付いて、温度センサ40によってシートPの温度が検知されてしまう不具合を生じにくくすることができる。
また、本実施の形態では、加圧回転体として加圧ローラ31を用いたが、加圧回転体はこれに限定されることなく、例えば、加圧回転体として加圧ベルトや加圧パッドを用いることもできる。
そして、これらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着回転体)、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
23 加熱ローラ(ローラ部材)、
24 テンションローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
40 温度センサ(温度検知手段)、
41 第1分離部材、
42 第2分離部材、
50 定着ローラ(定着回転体)、
N ニップ部、 θ 視野角、
P シート(記録媒体)。
Claims (5)
- 複数のローラ部材に張架されて、トナー像を加熱してシート上に定着する定着ベルトと、
前記定着ベルトに圧接することでシートが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、
前記定着ベルトの外周面に対向するように配置されて、所定の視野角にて前記定着ベルトの表面温度を検知する温度センサと、
前記温度センサの検知結果に基づいて前記定着ベルトを直接的又は間接的に加熱する加熱手段と、
前記ニップ部の出口近傍で前記定着ベルトに対向又は当接して、その位置に達するシートを分離可能に形成された第1分離部材と、
前記第1分離部材に対して前記定着ベルトの回転方向下流側であって前記温度センサの前記視野角の範囲に達するまでの間で前記定着ベルトに対向又は当接して、その位置に達するシートを分離可能に形成された第2分離部材と、
前記複数のローラ部材のうちの1つであって、前記定着ベルトを介して前記第2分離部材に対向するテンションローラと、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記第2分離部材は、前記テンションローラに前記定着ベルトが巻き付いた範囲における回転方向下流側で、前記定着ベルトを介して前記テンションローラに対向することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記テンションローラに巻き付いた前記定着ベルトの曲率が、前記ニップ部の出口における前記定着ベルトの曲率よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記複数のローラ部材のうちの1つであって、前記定着ベルトを介して前記加圧回転体に圧接する定着補助ローラと、
前記複数のローラ部材のうちの1つであって、前記加熱手段によって加熱されて前記定着ベルトを加熱する加熱ローラと、
を備え、
前記温度センサは、前記定着ベルトを介して前記加熱ローラに対向し、
前記ニップ部においてシートが下方から上方に向けて搬送されるように構成されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1~請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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