JP2011126730A - 単結晶引上げ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶引上げ装置におけるルツボからの湯漏れを高感度かつ高精度に検出できる単結晶引上げ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒータを格納するメインチャンバーと、該メインチャンバーの底部に設置され前記ルツボから漏れてくる融液を収容する湯漏れ受け皿と、該湯漏れ受け皿に配設され湯漏れを検出する湯漏れ検出器とを具備したチョクラルスキー法によって単結晶インゴットを製造する単結晶引上げ装置であって、前記湯漏れ検出器が、異なる高さ位置で温度を測定する2以上の温度測定手段と、該2以上の温度測定手段の測定値の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出手段とを有するものである単結晶引上げ装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させる単結晶引上げ装置の湯漏れ検出に関するものである。
例えば半導体シリコン単結晶棒製造に用いられる従来のチョクラルスキー法による単結晶引上げ装置の一例を図7により説明する。
図7に示すように、単結晶引上げ装置101は、メインチャンバー102と、メインチャンバー102中に設けられたルツボ103と、ルツボ103の周囲に配置されたヒータ106と、ルツボ103を回転させるルツボ保持軸110及びその回転機構(不図示)と、シリコンの種結晶113を保持するシードチャック114と、シードチャック114を引上げるワイヤ115と、ワイヤ115を回転または巻き取る巻き取り機構(不図示)を備えて構成されている。ルツボ103は、その内側の原料シリコン融液(湯)105を収容する側には石英ルツボ103aが設けられ、その外側には黒鉛ルツボ103bが設けられている。また、ヒータ106の外側周囲にはヒータ断熱材107が設置され、ルツボ103の下方には断熱板104が配置されている。
次に、上記の単結晶引上げ装置101による単結晶育成方法について説明する。まず、ルツボ103内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420℃)以上に加熱して融解する。そして、ワイヤ115を巻き出すことにより湯面の略中心部に種結晶113の先端を接触または浸漬させる。その後、ルツボ保持軸110を適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤ115を回転させながら巻き取り、種結晶113を引上げることにより、単結晶育成が開始される。以後、引上げ速度と温度を適切に調節することにより略円柱形状の単結晶112を得ることができる。
上記した単結晶引上げ装置101における石英ルツボ103aおよび黒鉛ルツボ103bは、共に高い耐熱性を有しているが、石英ルツボ103aは、耐衝撃性に乏しいという欠点がある。そこで、単結晶引上げに際し、多結晶原料をルツボ103に投入すると、その衝撃によって石英ルツボ103aに亀裂が入ることがあり、そこから融液105が漏れる恐れがある。また、多結晶原料投入時にルツボ103内の湯がルツボ103の周囲に飛散することもある。さらに、使用により徐々に石英ルツボ103aが劣化したり、引上げ中の単結晶112が落下した場合には、石英ルツボ103a及び黒鉛ルツボ103bが破壊されて湯のほぼ全量が流出してしまう可能性もある。
このように、高温の融液105がルツボ103外へ流出、飛散すると、ルツボ103の周りからメインチャンバー102の底部に至り、メインチャンバー102の底部やヒータ用端子部あるいはルツボ保持軸110等の金属部やルツボ駆動装置、下部冷却水配管等を侵食することになる。特に高温のシリコンは反応性が高く、金属に対する侵食作用が強いため、冷却水配管等が侵食されやすく、水蒸気爆発が発生する危険性がある。また、装置外に溢れ出すとそれが原因で事故等が発生する可能性がある。
そこで、図7に示す装置では、全溶融原料を収容することができる内容積を有する湯漏れ受け皿117をメインチャンバー102の底部に設置して、さらに、その湯漏れ受け皿117に、測定温度の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出器118を配設して、その上部の断熱板104に穴を開けて、湯漏れ検出器118の温度測定位置に融液が直接到達るような誘導構造116を設けている(特許文献1参照)。
特開2009−215126号公報
上記のような湯漏れ検出器と誘導構造を備えた装置を用いる事により、大量の湯漏れが発生した場合には正しく異常を感知することができるようになったが、比較的少量の湯漏れでは、漏れた融液による温度上昇量が少ないために、誤検出を起こしやすいことがわかってきた。例えば、ホットゾーン構造(炉内構造)を変えた場合には、湯漏れ検出器により測定される温度が大幅に異なるため、絶対値での湯漏れ判定を行うには、ホットゾーン毎にその判定基準を変更する必要があった。また、種付け前の条件設定等でヒータ位置を高速に移動する場合には、測定温度が急激に変化するため、温度上昇による判定では誤検出を起こす場合もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、単結晶引上げ装置におけるルツボからの湯漏れを高感度かつ高精度に検出できる単結晶引上げ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒータを格納するメインチャンバーと、該メインチャンバーの底部に設置され前記ルツボから漏れてくる融液を収容する湯漏れ受け皿と、該湯漏れ受け皿に配設され湯漏れを検出する湯漏れ検出器とを具備したチョクラルスキー法によって単結晶インゴットを製造する単結晶引上げ装置であって、少なくとも、前記湯漏れ検出器が、異なる高さ位置で温度を測定する2以上の温度測定手段と、該2以上の温度測定手段の測定値の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出手段とを有するものであることを特徴とする単結晶引上げ装置を提供する。
このように、単結晶引上げ装置の湯漏れ検出器が、異なる高さ位置で温度を測定する2以上の温度測定手段と、2以上の温度測定手段の測定値の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出手段とを有するものであれば、異なる高さ位置の温度を2以上の温度測定手段により測定して、その測定値の変化を比べることで、湯漏れ以外の要因の温度変化による誤検出を低減でき、湯漏れを正確に検出することができる。このため、わずかな湯漏れでも高精度に検出可能であり、安全で効率的に単結晶を製造できる装置となる。
このとき、前記湯漏れ検出手段が、前記2以上の温度測定手段の測定値の差の変化により湯漏れを検出するものであることが好ましい。
このように、湯漏れ検出手段が、2以上の温度測定手段の測定値の差の変化により湯漏れを検出するものであれば、より正確な湯漏れ検出を簡易に行うことができる装置となる。
このとき、前記湯漏れ検出器が、少なくとも、前記湯漏れ受け皿の底面位置の−10〜+10mmの高さ位置で温度を測定する温度測定手段と、前記湯漏れ受け皿の底面位置の+20mm〜前記ヒータの下端位置の高さ位置で温度を測定する温度測定手段とを有するものであることが好ましい。
このように、湯漏れ受け皿の底面位置の−10〜+10mmの高さ位置で温度を測定する温度測定手段であれば、漏れてきた融液による温度変化を高感度で測定でき、また、湯漏れ受け皿の底面位置の+20mm〜ヒータの下端位置の高さ位置で温度を測定する温度測定手段であれば、漏れてきた融液による測定温度への影響は少ないため、これら二つの温度測定手段を有することで、より高感度、高精度の湯漏れ検出を行うことができる装置となる。
このとき、前記湯漏れ検出器の上方に、前記ルツボから漏れてくる融液を前記2以上の温度測定手段のいずれかの測定位置に誘導する誘導構造が設けられたものであることが好ましい。
このように、湯漏れ検出器の上方に、ルツボから漏れてくる融液を2以上の温度測定手段のいずれかの測定位置に誘導する誘導構造が設けられたものであれば、わずかな湯漏れでも早い段階での正確な検出が可能な装置となる。
このとき、前記2以上の温度測定手段が、熱電対又は放射温度計であることが好ましい。
このように、2以上の温度測定手段が、熱電対又は放射温度計であれば、温度変化を高感度に測定することができ、より正確な湯漏れ検出が可能な装置となる。
以上のように、本発明の単結晶引上げ装置によれば、単結晶の製造において、わずかな湯漏れでも高感度かつ高精度に検出することができ、安全で効率的な単結晶製造を実施することができる。
本発明の単結晶引上げ装置の実施態様の一例を示す概略図である。 本発明の単結晶引上げ装置の湯漏れ検出器の温度測定手段の一例を示す概略図である。 本発明の単結晶引上げ装置の実施態様の他の一例を示す概略図である。 単結晶引上げ装置において、ヒータの移動による温度測定手段の測定温度の変化を示すグラフである。 ホットゾーン構造の異なる単結晶引上げ装置において、原料溶融中の温度測定手段の測定温度を示すグラフである。 単結晶引上げ装置で単結晶を引上げ中に湯漏れが発生した際の温度測定手段の測定温度を示すグラフである。 従来の単結晶引上げ装置の例を示す概略図である。
以下、本発明の単結晶引上げ装置について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の単結晶引上げ装置の実施態様の一例を示す概略図である。図2は、本発明の単結晶引上げ装置の湯漏れ検出器の温度測定手段の一例を示す概略図である。
図1に示す本発明の単結晶引上げ装置11は、チョクラルスキー法により、ルツボ13内の原料融液15にシードチャック24に保持された種結晶23を浸漬させて、その後ワイヤ25により引き上げながら単結晶22を育成する装置である。
このような本発明の単結晶引上げ装置11は、メインチャンバー12内に原料融液15を収容するルツボ13が設けられ、原料融液15を加熱するヒータ26と、ルツボ13を回転昇降動させるルツボ保持軸10及びその回転機構(不図示)を具備している。
ルツボ13は、その内側の原料融液(湯)15を収容する側には石英ルツボ13aが設けられ、その外側にはこれを保護する黒鉛ルツボ13bが設けられている。また、ルツボ13の外周にはヒータ26が、ヒータ26の外側周囲にはヒータ26からの熱がメインチャンバー12内壁に直接輻射されるのを防止するためのヒータ断熱材19が配置されている。
そして、メインチャンバー12の底部の内壁面に接して湯漏れ受け皿17が設置されている。この湯漏れ受け皿17をメインチャンバー12底部に嵌め込むことによって湯漏れ受け皿17はメインチャンバー12の底部内壁面のほぼ全面に密着する。また、湯漏れ受け皿17とルツボ13の間には、例えばCIP材(等方性黒鉛)で成形断熱材を挟むように構成した3層構造の断熱板14を配置することもできる。
そして、上記のような本発明の単結晶引上げ装置11は、湯漏れ受け皿17に湯漏れを検出するための湯漏れ検出器27が配設され、湯漏れ検出器27は、異なる高さ位置で温度を測定する2以上の温度測定手段18a、18bと、2以上の温度測定手段18a、18bの測定値の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出手段28とを有するものである。
このような装置11であれば、測定する高さ位置が低い方の温度測定手段18aは湯漏れ受け皿17に収容された融液15による温度変化を感度良く測定できる。また、測定する高さ位置が高い方の温度測定手段18bは、湯漏れ受け皿17に収容された漏れてきた融液15には測定温度が影響されにくく、測定温度の変化は温度測定手段18aに比べて小さいものとなる。一方、ホットゾーン構造の変更や、ヒータ26の移動による温度変化は温度測定手段18a、18bの両方の測定温度に同様に影響する。これにより、本発明であれば、相対的な温度変化で湯漏れを検出でき、他の外乱要因による誤検出を低減して、わずかな湯漏れでも、高感度、高精度の検出が可能な装置となる。
この際、湯漏れ検出手段28が、2以上の温度測定手段18a、18bの測定値の差の変化により湯漏れを検出するものであることが好ましい。
測定値の差の変化であれば、相対的な温度変化を簡易な方法で検出でき、湯漏れをより精度高く検出することができる。
本発明の温度測定手段18a、18bとしては、例えば熱電対とすることができる。
この場合、例えば図2に示すように、メインチャンバー12の底部の外側から、熱電対である温度測定手段18aが組み込まれたモジュール20を挿入し、このモジュール20側面とチャンバー12間、並びに、温度測定手段(熱電対)18aの取り出し口で真空シールを行う構造となっている。温度測定手段(熱電対)18aは、上部からステンレス製の保護キャップ30でカバーされるが、その保護キャップ30の下部にはスプリング21が埋め込まれており、これにより、保護キャップ30の上面が、湯漏れ受け皿17にねじ結合されたCIP材製の保護カバー29の内面と密着することができる。湯漏れ受け皿17底面より高い位置で温度測定する温度測定手段18bについても構造は同じであるが、ステンレス製の保護キャップ30と、保護カバー29を上方に延長することで、温度測定手段(熱電対)18bを温度を測定する高い位置まで延長することができる。
温度測定手段18a、18bである熱電対にも、ある程度の個体差はあり、また保護キャップ30と保護カバー29の接触圧にも多少のバラツキがあるため、両温度測定手段18a、18bの測定温度には少なからずズレが存在する場合がある。このため、原料の溶融開始から5時間経過して、全ての原料の溶融はまだだが、炉内が明るくなり始めた時点で差分値のゼロ補正を行うことで、検出精度の向上を図ることができる。室温でも補正は可能だが、なるべく高温での補正を行うほうが望ましく、一方、原料が全て溶解してからではその間の湯漏れ検出精度が低くなるため、上記のタイミングが好ましい。
なお、温度測定手段18a、18bとしては、熱電対に限定されず、赤外線の放射エネルギーによって温度を測定する放射温度計を用いることもできる。その場合は、モジュール20の取り出し口から光ファイバーを熱電対の代わりに挿入し、保護キャップ30が放出する赤外線放射エネルギーを炉外に設置した放射温度計に取り込むことで、温度測定が可能となる。
また、図2に示すように、湯漏れ検出器27が、湯漏れ受け皿17の底面位置の−10〜+10mmの高さ位置で温度を測定する温度測定手段18aと、湯漏れ受け皿の底面位置の+20mm〜前記ヒータの下端位置の高さ位置で温度を測定する温度測定手段18bとを有するものであることが好ましい。例えば、図2の場合には、温度測定手段18aが湯漏れ受け皿17の底面位置の−7mmの高さ位置で温度を測定するものであり、温度測定手段18bが湯漏れ受け皿17の底面位置の+43mmの高さ位置で温度を測定するものである。
湯漏れ受け皿17の底面位置の−10〜+10mmの高さ位置で温度を測定する温度測定手段18aであれば、漏れてきた融液15による温度変化をより高感度に測定でき、また、湯漏れ受け皿の底面位置の+20mm〜前記ヒータの下端位置の高さ位置で温度を測定する温度測定手段18bであれば、漏れてきた融液15による測定温度への影響はあまり大きくないため、湯漏れによる測定温度変化の違いがより明確に生じる。従って、両者の測定値の差により、湯漏れを即座にかつ高精度で検出できる。このとき、ヒータ位置を変更することが可能な単結晶引上げ装置の場合は、温度測定手段18bの高さの上限をヒータの可動範囲の下端位置とすることにより、ヒータの位置を移動させた場合であっても、ヒータの影響を確実に防ぐことができる。
また、湯漏れ検出器27の上方に、ルツボ13から漏れてくる融液15を2以上の温度測定手段18a、18bのいずれかの測定位置に誘導する誘導構造16が設けられたものであることが好ましい。誘導構造16としては、例えば図1に示すように、湯漏れ検出器27の上方の断熱板14の内周端と外周端に高さ10mm程度の堰31を設けて、漏れてきた融液15が断熱板14上に一定量溜まるようにし、温度測定手段18aの直上の貫通孔から湯漏れ受け皿17内に落ちて収容されるようにすることで、落ちてきた融液15が温度測定手段18aに直接到達するように誘導する誘導構造16を設けることができる。
このような、誘導構造16を設けることで、湯漏れが発生した場合には、漏れた融液15がいち早く温度測定手段18aに到達するため、より高感度に湯漏れを検出することができる。図1のような温度測定手段18a、18bが二つの場合には、漏れた融液を、低い位置で温度を測定する温度測定手段18aのみに誘導するようにすると、温度測定手段18bとの温度変化の違いがより明確になるため湯漏れ検出がより高精度になる。
以上のような本発明の単結晶引上げ装置によれば、単結晶の製造において、わずかな湯漏れでも高感度に検出することができ、安全で効率的な単結晶製造を実施することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1、2に示すような本発明の単結晶引上げ装置11を用いてシリコンの多結晶原料の溶融を行った。
また、図1に示す単結晶引上げ装置11と基本構造は同じ、ただしホットゾーンの構造が異なる図3に示す単結晶引上げ装置11’を用いて溶融を行った。図3に示すように、単結晶引上げ装置11’のヒータ断熱材19’は、ヒータ26の上方を覆うような構造になっている。この場合、図1の単結晶引上げ装置11と同一のパワー条件ではホットゾーンが異なるため溶融時間が短くなるので、図3の単結晶引上げ装置11’の溶融では、溶融時間が同じになるように、図1の単結晶引上げ装置11よりもパワーを小さくした。
これらの装置を用いて原料を溶融した際の温度測定手段18a、18bによる測定温度を図5に示す。図1の単結晶引上げ装置11での測定温度をホットゾーン1、図3の単結晶引上げ装置11’での測定温度をホットゾーン2としてグラフに示した。
図5に示すように、ホットゾーン2の方がパワーは低く設定してあるため、温度測定手段18a、18bが測定した温度も低くなる。従来法のように、一つの温度測定手段を用いて絶対温度で湯漏れの発生を検出する場合、図5のようにホットゾーンの構造によって100℃以上の差があるため、正確に湯漏れを検出することは不可能である。一方、本発明によれば、ホットゾーンが異なっても、温度測定手段18aと温度測定手段18bにより測定された温度の差分は、いずれのホットゾーンでも30℃以内に収まっている。
次に、図1の単結晶引上げ装置11の溶融終了後に、故意にヒータ26の位置を手動にて上下に移動させた場合の測定温度とヒータ位置の関係を図4に示す。
図4に示すように、ヒータ26を100mm下げただけで、即座に測定温度が150℃程度上昇している。数分後、ヒータ位置を元に戻す場合も同程度の温度低下が見られている。本発明で追加した測定する高さ位置の異なる温度測定手段18bでも同様な挙動を示すものの、温度測定手段18aとの差分は20〜30℃程度で済むことから、手動操作等のヒータ移動による急激な温度変化が起きても、両者の差分による湯漏れ検出方法であれば、ヒータ移動を湯漏れとしてしまう誤検出をしなくてすむことがわかる。
次に、図1の単結晶引上げ装置11を用いて直胴成長中に湯漏れが発生した際の測定温度を図6に示す。
直胴成長中の測定温度は安定しているが、湯漏れの発生によって温度上昇が見られる。漏れた融液は誘導構造16を有する断熱板14により、温度測定手段18a付近に落下し、その周囲にて熱を放出するため、温度測定手段18aの測定温度は急上昇している。一方、温度測定手段18bの測定温度は、湯漏れ受け皿17に溜まった融液による放射熱によって温度上昇傾向にはあるが、温度測定手段18aほどには上昇していない。
従来法では、測定温度がある一定の温度基準を超えた場合、ならびに、ある一定の温度上昇速度を検知した場合に警報を出力していたが、上記のホットゾーンの構造の変更や、ヒータ移動等で誤検出することが多々あった。本発明では、図6に示すように、温度測定手段18aの測定温度から温度測定手段18bの測定温度を差し引いた値が、図6に示すような明確な変化が見られるため、上記値がある一定の基準値を超えた場合に警報出力するようにすることで、高精度に湯漏れを検出することができる。もちろん、湯漏れの判定は、測定値の差によるもののみならず、両者の測定値の変化率の差や、比を取ることによって判定することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…ルツボ保持軸、 11、11’…単結晶引上げ装置、
12…メインチャンバー、 13…ルツボ、 13a…石英ルツボ、
13b…黒鉛ルツボ、 14…断熱板、 15…融液、 16…誘導構造、
17…湯漏れ受け皿、 18a、18b…温度測定手段、
19、19’…ヒータ断熱材、 20…モジュール、 21…スプリング、
22…単結晶、 23…種結晶、 24…シードチャック、 25…ワイヤ、
26…ヒータ、 27…湯漏れ検出器、 28…湯漏れ検出手段、
29…保護カバー、 30…保護キャップ、 31…堰。

Claims (5)

  1. 少なくとも、原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒータを格納するメインチャンバーと、該メインチャンバーの底部に設置され前記ルツボから漏れてくる融液を収容する湯漏れ受け皿と、該湯漏れ受け皿に配設され湯漏れを検出する湯漏れ検出器とを具備したチョクラルスキー法によって単結晶インゴットを製造する単結晶引上げ装置であって、少なくとも、
    前記湯漏れ検出器が、異なる高さ位置で温度を測定する2以上の温度測定手段と、該2以上の温度測定手段の測定値の変化により湯漏れを検出する湯漏れ検出手段とを有するものであることを特徴とする単結晶引上げ装置。
  2. 前記湯漏れ検出手段が、前記2以上の温度測定手段の測定値の差の変化により湯漏れを検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置。
  3. 前記湯漏れ検出器が、少なくとも、前記湯漏れ受け皿の底面位置の−10〜+10mmの高さ位置で温度を測定する温度測定手段と、前記湯漏れ受け皿の底面位置の+20mm〜前記ヒータの下端位置の高さ位置で温度を測定する温度測定手段とを有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単結晶引上げ装置。
  4. 前記湯漏れ検出器の上方に、前記ルツボから漏れてくる融液を前記2以上の温度測定手段のいずれかの測定位置に誘導する誘導構造が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置。
  5. 前記2以上の温度測定手段が、熱電対又は放射温度計であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置。
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