JP2016204178A - 単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】湯漏れによって生じる温度差を高感度で検出し、湯漏れを高精度で検出することができる単結晶製造装置を提供する。【解決手段】原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒーターを格納するメインチャンバーを具備するチョクラルスキー法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、前記メインチャンバーの底部には前記ルツボから漏れた融液を収容する湯漏れ受け皿が設置され、該湯漏れ受け皿には、前記ルツボの湯漏れを検出する湯漏れ検出器が配置され、該湯漏れ検出器は、少なくとも一つ以上の差動式熱電対を有し、該差動式熱電対は、前記湯漏れ受け皿に設けられた一対の接点を有し、該一対の接点の間に発生する起電力から温度差を検出することができるものであることを特徴とする単結晶製造装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、単結晶製造装置に関するものである。
例えば半導体シリコン単結晶棒製造に用いられるチョクラルスキー(Czochralski:CZ)法による単結晶製造装置の一例を図6により説明する。
図6に示すように、単結晶製造装置101は、メインチャンバー102と、メインチャンバー102中に設けられたルツボ103と、ルツボ103の周囲に配置されたヒーター106と、ルツボ103を回転させるルツボ保持軸110及びその回転機構(不図示)と、シリコンの種結晶113を保持するシードチャック104と、シードチャック104を引上げる引上げワイヤー108と、引上げワイヤー108を回転及び巻き取る巻き取り機構(不図示)を備えて構成されている。
ルツボ103は、その内側の原料シリコン融液105(湯)を収容する側には石英ルツボ103aが設けられ、その外側には黒鉛ルツボ103bが設けられている。また、ヒーター106の外側周囲にはヒーター断熱材107が設置されている。メインチャンバー102の底部には、温度センサー(熱電対121a、121b)が設置された湯漏れ受け皿109が配置されている。
次に、上記の単結晶製造装置101による単結晶育成方法について説明する。
まず、ルツボ103内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420℃)以上に加熱して融解する。そして、引上げワイヤー108を巻き出すことにより湯面の略中心部に種結晶113の先端を接触または浸漬させる。その後、ルツボ保持軸110を適宜の方向に回転させるとともに、引上げワイヤー108を回転させながら巻き取り、種結晶113を引上げることにより、単結晶育成が開始される。以後、引上げ速度と温度を適切に調節することにより円柱形状のシリコン単結晶112を得ることができる。
上記した単結晶製造装置101における石英ルツボ103aおよび黒鉛ルツボ103bは、共に高い耐熱性を有しているが、石英ルツボ103aは、耐衝撃性に乏しいという欠点がある。そのため、単結晶引上げに際し、多結晶原料をルツボ103に投入すると、その衝撃によって石英ルツボ103aに亀裂が入ることがあり、そこから融液105が漏れる恐れがある。また、多結晶原料投入時にルツボ103内の融液105がルツボ103の周囲に飛散することもある。さらに、使用により徐々に石英ルツボ103aが劣化したり、引上げ中の単結晶112が落下した場合には、石英ルツボ103a及び黒鉛ルツボ103bが破壊されて石英ルツボ103a内の原料融液105のほぼ全量が流出してしまう可能性もある。
このように、高温の原料融液105がルツボ103外へ流出、飛散すると、ルツボ103の周りからメインチャンバー102の底部に至り、メインチャンバー102の底部やヒーター電極あるいはルツボ保持軸110等の金属部やルツボ駆動装置、下部冷却水配管等を侵食することになる。特に高温のシリコンは反応性が高く、金属に対する侵食作用が強いため、冷却水配管等が侵食されやすく、水が漏れ出すことで更に大きな事故を誘発する可能性がある。
このような不慮の事故により原料融液105がルツボ103外へ流出した場合(以下、湯漏れとも呼ぶ)、メインチャンバー102の底部に設置された湯漏れ受け皿109に誘導され、更に湯漏れ受け皿109に設置された温度センサーの温度上昇により運転停止を行うインターロックが設けられていた。
ところが実際に湯漏れが発生した場合でも、温度センサーの温度上昇が緩やかな場合、湯漏れを検出できずインターロックが働かなかったり、逆にヒーター106の上下動による温度変化を湯漏れと誤検出するなど、正確に湯漏れを検出できないという問題があった。
国際公開第WO2001/064976号パンフレット 特開2001−302387号公報 特開2006−160538号公報 特開2014−91656号公報
そこで例えば、特許文献1に開示された単結晶製造装置では、原料融液の全てを収容することができる内容積を有する湯漏れ受け皿をチャンバーの底部に配置して、上記湯漏れによる危険を回避しようとしている。
しかしながら、このような湯漏れ受け皿を設置しただけでは湯漏れが発生したときの対策になるとしても、湯漏れの発生自体を検出することはできず、適切な回避手段を迅速にとることができない恐れがあった。
これに対して、湯漏れ検出器を備えた単結晶製造装置の例としては、特許文献2、特許文献3に、湯漏れ受け皿に設置された複数の温度センサーから得られた温度の変化を監視して、湯漏れを検出する技術が開示されている。
ところが、複数の温度センサーから得られた温度変化を個々で監視しても、湯漏れの条件によっては想定したよりも温度変化が小さく、湯漏れを検出できない場合があった。一方、湯漏れが発生したと判断する温度変化の閾値を小さくして検出感度を上げると、ヒーターの昇降等によって生じた温度変化に対して、湯漏れが発生したと誤った検出をするという問題があった。
そこで、特許文献4では、湯漏れ受け皿に設置された、同じ高さ位置で温度を測定する2以上の温度センサーを有し、この温度センサー間の検出温度の差の変化から湯漏れを検出する湯漏れ検出器が提案されている。
しかしながら、特許文献4のように、温度センサーを同じ高さ位置に設置したとしても、例えば図6に示すように、高温側の接点118a、118bをそれぞれ有する熱電対121a、121bを温度センサーとして用いた場合には、同じ温度でも熱電対121a、121bに発生する起電力にはそれぞれ個体差が存在するため、温度差を高精度に検出することはできない。そのため、特許文献4のような湯漏れ検出器を用いた場合には、引上げ工程の初期段階で熱電対の個体差に起因する差分をリセットするか、あるいは湯漏れを検出する閾値を熱電対の個体差以上に設定しておく必要があった。さらに、上記のような設定を行ったとしても、正確に湯漏れを検出できないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされものであって、湯漏れによって生じる温度差を高感度で検出し、湯漏れを高精度で検出することができる単結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒーターを格納するメインチャンバーを具備するチョクラルスキー法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
前記メインチャンバーの底部には前記ルツボから漏れた融液を収容する湯漏れ受け皿が設置され、該湯漏れ受け皿には、前記ルツボの湯漏れを検出する湯漏れ検出器が配置され、該湯漏れ検出器は、少なくとも一つ以上の差動式熱電対を有し、
該差動式熱電対は、前記湯漏れ受け皿に設けられた一対の接点を有し、該一対の接点の間に発生する起電力から温度差を検出することができるものであることを特徴とする単結晶製造装置を提供する。
このようなものであれば、熱電対の個体差によって生じていた誤差を抑制することができるため、湯漏れによって生じる一対の接点の間の温度差を高感度で検出することができ、湯漏れを高精度で検出することができる。
このとき、前記差動式熱電対の一対の接点はそれぞれ、
高さが同じで、位置が異なるように湯漏れ受け皿に配置されたものであることが好ましい。
このようなものであれば、一対の接点のそれぞれの高さ位置を変えないため、簡易な構造とすることができる。
またこのとき、前記ルツボと前記湯漏れ受け皿との間に、
前記ルツボから漏れた融液を、前記差動式熱電対の一対の接点の片方に誘導する構造が設けられたものであることが好ましい。
このようなものであれば、わずかな湯漏れであっても、早い段階で、漏れたシリコン融液の温度で上昇した温度差を検出することが可能となるため、ルツボの湯漏れをより迅速に検出することができる。
またこのとき、前記湯漏れ検出器は、
前記差動式熱電対で検出された温度差を数学的に処理することにより、前記ルツボの湯漏れの発生を検出することができるものであることが好ましい。
このようなものであれば、ルツボの湯漏れをより高精度で検出することができる。
本発明の単結晶製造装置であれば、熱電対の個体差によって生じていた誤差を抑制することができるため、一対の接点の間の湯漏れによって生じる温度差を高感度で検出することができ、湯漏れを高精度で検出することができる。
本発明の単結晶製造装置の一例を示した概略図である。 差動式熱電対の一例を示した概略図である。 実施例及び比較例において検出された温度差を示したグラフである。 比較例の単結晶製造装置に設置する熱電対を示した概略図である。 2つの熱電対で測定されたそれぞれの温度と、測定されたそれぞれの温度の差を算出したグラフである。 従来の単結晶製造装置を示した概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述したように、湯漏れ検出器として熱電対を用いて温度差を検出する場合には、同じ温度でも熱電対に発生する起電力には個体差が存在するため、温度差を高精度に検出することはできなかった。そのため、特許文献4のような湯漏れ検出器を用いた場合には、引上げ工程の初期段階で熱電対の個体差に起因する差分をリセットするか、あるいは湯漏れを検出する閾値を熱電対の個体差以上に設定しておく必要があった。さらに、上記のような設定を行ったとしても、正確に湯漏れを検出できないという問題があった。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、差動式熱電対であれば、湯漏れによって生じる一対の接点の間の温度差を高感度で検出することができ、湯漏れを高精度で検出することができることを見出した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
図1に示す本発明の単結晶製造装置11は、CZ法により、ルツボ13内の原料融液(湯)15にシードチャック24に保持された種結晶23を浸漬させて、その後ワイヤー16により引き上げながら単結晶22を育成するものである。
単結晶製造装置11は、メインチャンバー12内に原料融液15を収容するルツボ13が設けられ、原料融液15を加熱するヒーター14と、ルツボ13を回転昇降動させるルツボ保持軸10及びその回転機構(不図示)を具備している。
ルツボ13は、その内側の原料融液15を収容する側には石英ルツボ13aが設けられ、その外側にはこれを保護する黒鉛ルツボ13bが設けられている。また、ルツボ13の外周にはヒーター14が、ヒーター14の外側周囲にはヒーター14からの熱がメインチャンバー12の内壁に直接輻射されるのを防止するためのヒーター断熱材19が配置されている。
そして、メインチャンバー12の底部の内壁面に接して湯漏れ受け皿17が配置されている。この湯漏れ受け皿17をメインチャンバー12の底部に嵌め込むことによって湯漏れ受け皿17はメインチャンバー12の底部の内壁面のほぼ全面に密着する。また、湯漏れ受け皿17とルツボ13の間には、例えばCIP材(等方性黒鉛)で成形断熱材を挟むように構成した3層構造の断熱板25を配置することもできる。
そして、単結晶製造装置11には、ルツボ13から原料融液15の漏れ(湯漏れ)を検出するための湯漏れ検出器20が設置される。湯漏れ検出器20は、少なくとも一つ以上の差動式熱電対21を有し、差動式熱電対21は、湯漏れ受け皿17に設けられた一対の接点18a、18bを有している。
熱電対は、異なる2本の金属の線をつないだもので、2つの接した部分に温度差があると、電圧が生じるというゼーベック効果を用いた測定手法である。代表的には、R熱電対と呼ばれる、白金と、白金に13%のロジウムを含んだ合金をつないだ熱電対がよく用いられており、およそ1400℃までの測定が可能である。また、炉内下部に配置する場合には、それほど高温とならないため、K熱電対と呼ばれる、ニッケルを主とした合金と、ニッケル・クロムを主とした合金の組み合せにより1000℃程度までの測定が可能なものもある。これらはいずれも測定したい高温側と、低温側である冷接点との温度差に依存して発生する起電力を測定するものである。
図2に示すように、差動式熱電対21は、2本の熱電対を対称に接続することで高温側に一対の接点18a、18bを有している。そして、差動式熱電対21の一対の接点18a、18bの間に発生する起電力から温度差を検出することができる。
一対の接点18a、18bの間の検出された温度差は、正常時(湯漏れが生じていないとき)にはそれぞれ同じ傾向で相対的に推移し、温度差はあまり変化がない。一方、湯漏れが生じた際には、その傾向は崩れて、温度差が変化する。
上記のようなものであれば、接点18a、18bにおける温度そのものを検知することはできないが、熱電対の個体差によって生じていた誤差を抑制することができるため、湯漏れによって生じる一対の接点18a、18bの間の温度差を高感度で検出することができる。これにより、ルツボの湯漏れを高精度で検出することができる。
差動式熱電対21としてR熱電対を用いることができる。R熱電対を用いた場合であれば、低温側接点と高温側の一対の接点18a、18bをロジウム13%を含む白金ロジウム合金で結び、高温側の一対の接点18a、18b間は白金で結ぶことで、高温側の一対の接点18a、18b間の温度差に依存した起電力が生ずるようになる。
また、差動式熱電対21は、例えばK熱電対を用いることもできる。K熱電対を用いた場合、低温側接点と高温側の一対の接点18a、18bをニッケル・クロムを主とした合金で結び、高温側の一対の接点18a、18b間はニッケルを主とした合金で結ぶことができる。
このような差動式熱電対であれば、熱電対の個体差によって生じていた誤差を抑制することができるため、一対の接点の間の温度差を高感度で検出することができ、ルツボの湯漏れを高精度で検出することができる。また、特別な装置も不要で簡易な構造とすることができ、低コストで高精度な湯漏れ検出が可能である。
このとき、差動式熱電対21の一対の接点18a、18bはそれぞれ、高さが同じで、位置が異なるように湯漏れ受け皿17に配置されたものであることが好ましい。
このようなものであれば、一対の接点18a、18bのそれぞれの高さ位置を変えないため、簡易な構造とすることができるため、低コストで設置することができる。また、ヒーター14の昇降等によって検出される温度差の変化にはほとんど影響されないので、精度良く湯漏れを検出することができる。
ただし本発明はこれに限定されず、例えば、一対の接点18a、18bをそれぞれ、異なる高さ位置に配置したものとすることもできる。
またこのとき、ルツボ13と湯漏れ受け皿17との間に、ルツボ13から漏れた融液を、差動式熱電対21の一対の接点18a、18bの片方に誘導する構造が設けられたものであることが好ましい。具体的には例えば、図1に示すように、ルツボ13と湯漏れ受け皿17との間に設けられた断熱板25の内周端と外周端に堰26を設けて、ルツボ13から漏れてきた融液が断熱板25に一定量溜まるようにする。そして、接点18aの直上に位置するように設けた貫通孔27から、ルツボ13から漏れてきた融液が湯漏れ受け皿17内に落ちて収容されるようにする。
このようなものであれば、わずかな湯漏れであっても、早い段階で、漏れた原料融液15の温度で上昇した温度差を検出することが可能となるため、ルツボ13の湯漏れをより確実に検出することができる。
またこのとき、湯漏れ検出器20は、差動式熱電対21で検出された温度差を数学的に処理することにより、ルツボ13の湯漏れの発生を検出することができるものであることが好ましい。
このようなものであれば、ルツボ13の湯漏れをより高精度で検出することができる。
例えば、一対の接点18a、18b間で検出された温度差を、任意時間毎の検出温度差を比較して単位時間当たりの変化量(変化率)を求め、この単位時間当たりの変化量により、ルツボ13からの原料融液15の漏れを検出することができる。具体的には、単位時間当たりの変化量の閾値を予め設定して、得られた単位時間当たりの変化量がこの閾値を超えた場合に湯漏れと判断することができる。
これにより、より感度良く検出温度差の変化を捉えて、より高精度に湯漏れを検出することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような本発明の単結晶製造装置11を用いてシリコン単結晶の製造を行った。差動式熱電対21はR熱電対を用いて、冷接点と高温側の一対の接点18a、18bをそれぞれロジウム13%を含む白金ロジウム合金で結び、高温側の一対の接点18a、18b間は白金で結んだものとした。そして、このような差動式熱電対21の一対の接点18a、18bの間に発生する起電力から温度差を検出し、検出された温度差の変化から湯漏れの検出を行った。
図3は、シリコン単結晶の直胴部育成中に湯漏れが検知されたときの、差動式熱電対21で検出された温度差の推移を示したグラフである。なお、図3において実施例を実線で示し、後述する比較例は点線で示している。
(比較例)
図6に示すような従来の単結晶製造装置101を用いてシリコン単結晶の製造を行った。温度差の検出には、図4に示すような2つの熱電対121a、121bを用いた。このとき、熱電対121a、121bはロジウム13%を含む白金ロジウム合金と白金からなるR熱電対を使用した。そして、まず2つの熱電対121a、121bのそれぞれの高温側の接点118a、118b部分の温度を測定した。その後、測定されたそれぞれの接点118a、118b部分の温度の差を算出することにより、温度差の検出を行った。これらのこと以外は実施例と同様にしてシリコン単結晶の製造を行った。
操業終了後に少量の湯漏れが確認されたときの2つの熱電対121a、121bで測定されたそれぞれの温度と、測定されたそれぞれの温度の差を算出したグラフを図5に示した。また、2つの熱電対121a、121bで測定されたそれぞれの温度の差を算出したグラフを上述した図3に点線で記した。
図5に示すように、比較例の2つの熱電対121a、121bには個体差で20℃程度のズレがあることが分かる。湯漏れを検出する閾値は、熱電対の個体差以上とする必要があるため、温度差が40℃以上で湯漏れが発生したと判断するように設定した。
ところが、実際に湯漏れが発生して、漏れた融液を片方の接点に誘導する機構の下部にある接点118aを有する熱電対121a側で湯漏れによる温度上昇を検知しても、温度差の推移で見ると40℃以上を超えなかったため、この時点では湯漏れを検出することができなかった。
一方、図3に示したように実施例では、比較例の熱電対の個体差によって生じていたような誤差を抑制することができ、一対の接点の間の温度差を高感度で検出することができた。これにより、ルツボの湯漏れによる温度差の上昇を明確に識別することができた。
なお、差動式熱電対の高温側の接点とその測定物との接触具合によっては僅かに温度差を出力するため、湯漏れが無い状態であっても必ずしもゼロとならないこともある。実施例においては、漏れた融液を、片方の接点に誘導する機構の下部にある接点18a側が僅かに低温傾向となっていた。これは差動式熱電対の接点と、接点を取り付けた黒鉛部品との接触具合によるものであるが、比較例のような熱電対の個体差に起因するバラツキと比べると低減していることが分かる。具体的には、図3に示すように実施例では、湯漏れが生じていないときの温度差の推移はせいぜい5℃程度と、比較例と比べると1/4程度に低減することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…ルツボ保持軸、 11…単結晶製造装置、 12…メインチャンバー、
13…ルツボ、 13a…石英ルツボ、 13b…黒鉛ルツボ、 14…ヒーター、
15…原料融液、 16…ワイヤー、 17…湯漏れ受け皿、
18a、18b…接点、 19…ヒータ断熱材、 20…湯漏れ検出器、
21…差動式熱電対、 22…単結晶、 23…種結晶、 24…シードチャック、
25…断熱板、 26…堰、 27…貫通孔。

Claims (4)

  1. 原料融液を収容するルツボと、前記原料融液を加熱するヒーターを格納するメインチャンバーを具備するチョクラルスキー法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    前記メインチャンバーの底部には前記ルツボから漏れた融液を収容する湯漏れ受け皿が設置され、該湯漏れ受け皿には、前記ルツボの湯漏れを検出する湯漏れ検出器が配置され、該湯漏れ検出器は、少なくとも一つ以上の差動式熱電対を有し、
    該差動式熱電対は、前記湯漏れ受け皿に設けられた一対の接点を有し、該一対の接点の間に発生する起電力から温度差を検出することができるものであることを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記差動式熱電対の一対の接点はそれぞれ、
    高さが同じで、位置が異なるように湯漏れ受け皿に配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の単結晶製造装置。
  3. 前記ルツボと前記湯漏れ受け皿との間に、
    前記ルツボから漏れた融液を、前記差動式熱電対の一対の接点の片方に誘導する構造が設けられたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の単結晶製造装置。
  4. 前記湯漏れ検出器は、
    前記差動式熱電対で検出された温度差を数学的に処理することにより、前記ルツボの湯漏れの発生を検出することができるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
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