JP3719332B2 - シリコン単結晶引上げ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶棒を引上げて育成する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシリコン単結晶引上げ装置として、図5に示すようにチャンバ3内にシリコン融液2が貯留された石英るつぼ4が収容され、シリコン単結晶棒1の外周面と石英るつぼ4の内周面との間にシリコン単結晶棒1を包囲するように熱遮蔽部材7が挿入された引上げ装置(特公昭57−40119号)が開示されている。この装置では、熱遮蔽部材7が下方に向うに従って直径が小さくなるコーン部7aと、外周縁がコーン部7aの下縁に接続され水平に延びて内周縁がシリコン単結晶棒1の外周面近傍に達するリング部7bと、内周縁がコーン部7aの上縁に接続され水平に延びて外周縁が保温筒8の上面に達するフランジ部7cとを有する。熱遮蔽部材7はフランジ部7cを保温筒8の上面に載置することにより固定される。図5の符号9はヒータである。
【0003】
このように構成された引上げ装置では、シリコン単結晶棒1をシリコン融液2から引上げると、シリコン融液2の液面が次第に低下して石英るつぼ4の内周壁が露出し、この露出した石英るつぼ4の内周壁からの輻射熱がシリコン単結晶棒1の外周面に向うが、この輻射熱は熱遮蔽部材7により遮られてシリコン単結晶棒1の外周面に達しない。この結果、引上げ中のシリコン単結晶棒1の凝固が遅延することはなく、シリコン単結晶棒1は速やかに冷却されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の特公昭57−40119号公報に示された引上げ装置では、シリコン融液から引上げられるシリコン単結晶棒の固液界面付近において、高温のシリコン融液からの輻射熱が熱遮蔽部材により遮られるため、シリコン単結晶棒の外周面からの放熱量が比較的多い。この結果、シリコン単結晶棒内の温度分布がその中心から外周面に向うに従って次第に低くなるけれども、その外周面近傍で急激に低くなるため、シリコン単結晶棒内に熱的ストレスが発生し、また固液界面付近での点欠陥(空孔、格子間シリコン)の挙動(外方拡散、坂道拡散、対消滅)のため、点欠陥が径方向の面内で不均一に分布する恐れがあった。ここで、外方拡散とは単結晶棒の内部から外側に向う拡散のことであり、坂道拡散とは高温側即ち下方に向う拡散のことである。また対消滅とは点欠陥同士の過飽和度に応じて生じる消滅反応である。
【0005】
本発明の目的は、シリコン単結晶棒内の熱的ストレスの発生を低減し、点欠陥濃度分布を均一にでき、かつ固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配を径方向に均一で高くできるシリコン単結晶引上げ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、チャンバ11内に設けられシリコン融液12が貯留された石英るつぼ13と、石英るつぼ13の外周面を包囲しシリコン融液12を加熱するヒータ18と、シリコン融液12から引上げられるシリコン単結晶棒24の外周面を包囲しかつ下端がシリコン融液12表面から間隔をあけて上方に位置しヒータ18からの輻射熱を遮る熱遮蔽部材26とを備えたシリコン単結晶引上げ装置の改良である。
その特徴ある構成は、熱遮蔽部材26の下縁に設けられかつ上方に向うに従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第1放熱抑制部材31と、熱遮蔽部材26の下縁に沿って周方向に間隔をあけて設けられかつ熱遮蔽部材26の下縁から垂下された連結部材33と、この連結部材33の下端に取付けられかつ上方に向うに従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第2放熱抑制部材32と、熱遮蔽部材26とシリコン単結晶棒24との間に第1放熱抑制部材31から所定の間隔をあけて上方に挿入された冷却筒体34と、冷却筒体34の内部に形成され冷却流体が通る冷却通路34aとを備えたところにある。
【0007】
この請求項1に記載されたシリコン単結晶引上げ装置では、シリコン融液12から引上げられるシリコン単結晶棒24の固液界面付近において、高温のシリコン融液12からの輻射熱により第2放熱抑制部材32の温度が上昇するか、又はシリコン融液12からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱を第2放熱抑制部材32が反射することにより、シリコン単結晶棒24からの急激な放熱は抑制される。この結果、シリコン単結晶棒24の外周部の急激な温度低下を阻止できる。
またシリコン単結晶棒24の第1及び第2放熱抑制部材31,32間の開放された部分では、ヒータ18からの輻射熱がシリコン単結晶棒24の外周面に照射される。更に第1放熱抑制部材31により包囲された部分では、高温のシリコン融液12からの輻射熱により第1放熱抑制部材31の温度が上昇するか、又はシリコン融液12からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱が第1放熱抑制部材31の下面で反射して照射される。この結果、シリコン単結晶棒24の外周部が保温され、固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配の径方向分布の均一性を向上でき、シリコン単結晶棒24内の点欠陥の坂道拡散と対消滅の反応時間を均一にでき、点欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0008】
また第1放熱抑制部材31の上端より上方部分において、ヒータ18とシリコン融液12からの輻射熱が上記第1放熱抑制部材31及び熱遮蔽部材26により遮られてシリコン単結晶棒24に照射されず、しかも第1放熱抑制部材31より上方の冷却筒体34の冷却通路34a内を冷却流体が通る。この結果、シリコン単結晶棒24は急冷されるので、この部分のシリコン単結晶棒24内の引上げ方向の温度勾配値を高くでき、かつその下部の固液界面付近の引上げ方向の温度勾配を径方向への均一性を保った状態で高くできる。
更に第1放熱抑制部材31と冷却筒体34の設置場所を変えて、即ち図3の▲2▼の間隔を変えて、急冷される温度域を制御することによりグローイン欠陥の密度・サイズを最適に制御できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、シリコン単結晶引上げ装置10のチャンバ11内には、シリコン融液12を貯留する石英るつぼ13が設けられ、この石英るつぼ13の外面は黒鉛サセプタ14により被覆される。石英るつぼ13の下面は上記黒鉛サセプタ14を介して支軸16の上端に固定され、この支軸16の下部はるつぼ駆動手段17に接続される(図1)。るつぼ駆動手段17は図示しないが石英るつぼ13を回転させる第1回転用モータと、石英るつぼ13を昇降させる昇降用モータとを有し、これらのモータにより石英るつぼ13が所定の方向に回転し得るとともに、上下方向に移動可能となっている。石英るつぼ13の外周面は石英るつぼ13から所定の間隔をあけてヒータ18により包囲され、このヒータ18は保温筒19により包囲される。ヒータ18は石英るつぼ13に投入された高純度のシリコン多結晶体を加熱・溶融してシリコン融液にする。
【0010】
またチャンバ11の上端には円筒状のケーシング21が接続される。このケーシング21には引上げ手段22が設けられる。引上げ手段22はケーシング21の上端部に水平状態で旋回可能に設けられた引上げヘッド(図示せず)と、このヘッドを回転させる第2回転用モータ(図示せず)と、ヘッドから石英るつぼ13の回転中心に向って垂下されたワイヤケーブル22aと、上記ヘッド内に設けられワイヤケーブル22aを巻取り又は繰出す引上げ用モータ(図示せず)とを有する。ワイヤケーブル22aの下端にはシリコン融液12に浸してシリコン単結晶棒24を引上げるための種結晶23が取付けられる。
【0011】
またシリコン単結晶棒24の外周面と石英るつぼ13の内周面との間にはシリコン単結晶棒24の外周面を包囲する熱遮蔽部材26が設けられる(図1〜図3)。この熱遮蔽部材26は円筒状に形成されヒータ18からの輻射熱を遮る筒部26aと、この筒部26aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部26bとを有する。上記フランジ部26bを保温筒19上に載置することにより、筒部26aの下縁がシリコン融液12表面から所定の距離だけ上方に位置するように熱遮蔽部材26がチャンバ11内に固定される。
【0012】
本実施の形態の特徴ある構成は、筒部26aの下縁に上方に向かうに従って直径が小さくなるコーン状の第1放熱抑制部材31が設けられ、筒部26aの下縁に沿って周方向に間隔をあけて設けられかつ筒部26aの下縁から連結部材33が垂下され、更に上方に向うに従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第2放熱抑制部材32が連結部材33の下端に取付けられところにある(図1〜図3)。第2放熱抑制部材32は第1放熱抑制部材31から所定の間隔をあけて下方に設けられる。また熱遮蔽部材26とシリコン単結晶棒24との間には第1放熱抑制部材31から所定の間隔をあけて上方に冷却筒体34が挿入され、冷却筒体34の内部(冷却筒体34の壁内)には冷却流体が通る冷却通路34aが形成される。
【0013】
冷却筒体34の上部はケーシング21に挿着され、冷却筒体34の下部(チャンバ11内に突出する部分)には鉛直方向に延びるスリット34bが形成される(図1及び図2)。また冷却通路34aはスリット34bの内周縁から露出しないように冷却筒体34の内部(壁内)に蛇行して形成され(図2)、冷却通路34aには冷却水が通るように構成される。なお、上記スリット34bはチャンバ11外から引上げ中のシリコン単結晶棒24を視認するために形成される。
【0014】
上記第1及び第2放熱抑制部材31,32の傾斜角θ、即ち第1及び第2放熱抑制部材31,32の下縁を含む水平面に対する第1及び第2放熱抑制部材31,32の傾斜角θは80度以下、好ましくは20〜60度の範囲内にそれぞれ設定される(図3)。上記熱遮蔽部材26、第1及び第2放熱抑制部材31,32はMo(モリブデン),W(タングステン),C(カーボン)により、或いは表面にSiCがコーティングされた黒鉛等により形成されることが好ましい。
【0015】
一方、チャンバ11にはこのチャンバ11のシリコン単結晶棒24側に不活性ガスを供給しかつ上記不活性ガスをチャンバ11のるつぼ内周面側から排出するガス給排手段36が接続される(図1)。ガス給排手段36は一端がケーシング21の周壁に接続され他端が上記不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続された供給パイプ36aと、一端がチャンバ11の下壁に接続され他端が真空ポンプ(図示せず)に接続された排出パイプ36bとを有する。供給パイプ36a及び排出パイプ36bにはこれらのパイプ36a,36bを流れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁36c,36dがそれぞれ設けられる。
【0016】
引上げ用モータの出力軸(図示せず)にはロータリエンコーダ(図示せず)が設けられ、るつぼ駆動手段17には石英るつぼ13内のシリコン融液12の重量を検出する重量センサ(図示せず)と、支軸16の昇降位置を検出するリニヤエンコーダ(図示せず)とが設けられる。ロータリエンコーダ、重量センサ及びリニヤエンコーダの各検出出力はコントローラ(図示せず)の制御入力に接続され、コントローラの制御出力は引上げ手段22の引上げ用モータ及びるつぼ駆動手段17の昇降用モータにそれぞれ接続される。またコントローラにはメモリ(図示せず)が設けられ、このメモリにはロータリエンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル22aの巻取り長さ、即ちシリコン単結晶棒24の引上げ長さが第1マップとして記憶され、重量センサの検出出力に対する石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面レベルが第2マップとして記憶される。コントローラは重量センサの検出出力に基づいて石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面を常に一定のレベルに保つように、るつぼ駆動手段17の昇降用モータを制御するように構成される。
【0017】
このように構成されたシリコン単結晶引上げ装置の動作を説明する。
シリコン融液12から引上げられるシリコン単結晶棒24の固液界面付近では、高温のシリコン融液12からの輻射熱により第2放熱抑制部材32の温度が上昇するか、又はシリコン融液12からの輻射熱(図3の破線矢印で示す。)若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱を第2放熱抑制部材32が反射することにより、シリコン単結晶棒24からの急激な放熱は抑制される(図3の▲1▼の部分)。この結果、シリコン単結晶棒24の外周部の急激な温度低下を阻止できるので、シリコン単結晶棒24内の引上げ方向の結晶温度勾配がその中心から外周面にわたって略均一になる。従って、シリコン単結晶棒24内の熱的ストレスの発生を抑制できるので、スリップ発生や有転位化が改善され、点欠陥の径方向の面内での分布も均一になる。
【0018】
シリコン単結晶棒24の第1及び第2放熱抑制部材31,32間の開放された部分では、ヒータ18からの輻射熱(図3の実線矢印で示す。)がシリコン単結晶棒24の外周面に照射されてシリコン単結晶棒24の外周部が保温され(図3の▲2▼の部分)、更に第1放熱抑制部材31により包囲された部分では、図3の破線矢印で示すように、高温のシリコン融液12からの輻射熱により第1放熱抑制部材31の温度が上昇するか、又はシリコン融液12からの輻射熱(図3の一点鎖線矢印で示す。)若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱が第1放熱抑制部材31の下面で反射して照射される(図3の▲3▼の部分)。この結果、固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配の径方向分布の均一性が向上し、シリコン単結晶棒24内の点欠陥の坂道拡散、対消滅の反応時間を均一にでき、点欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0019】
更に第1放熱抑制部材31より上方部分では、ヒータ18及びシリコン融液12からの輻射熱が上記第1放熱抑制部材31及び熱遮蔽部材26の筒部26aにより遮られてシリコン単結晶棒24に照射されず、しかも第1放熱抑制部材31より上方の冷却筒体34内の冷却通路34aを冷却水が通るので、シリコン単結晶棒24は急冷される(図3の▲4▼の部分)。この結果、この部分及びその下の部分でのシリコン単結晶棒24内の引上げ方向の温度勾配値を高くすることができる。
【0020】
一方、第1放熱抑制部材31と冷却筒体34の設置場所を変えて(図3の▲2▼の間隔を変えて)、急冷される温度域を制御することにより、グローイン欠陥の密度・サイズを最適に制御できる。即ち、COP、FPD、赤外散乱欠陥等のグローイン欠陥は急冷位置を1100℃付近にとると、密度が高くサイズが小さくなるが、急冷位置を1050℃以下にとれば、1100℃付近が徐冷される領域となるので、密度が低くサイズが大きくなる。
【0021】
ここで、COPとはSC−1洗浄後にレーザパーティクルカウンタでパーティクルとしてカウントされた底の深いエッチピットであり、FPDとはシリコン融液12から引上げられたシリコン単結晶棒24から切り出したシリコンウェーハを30分間化学エッチング(Seccoエッチング液)したときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の源であり、赤外散乱欠陥とはシリコン単結晶棒24内に赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。
【0022】
なお、この実施の形態では、冷却筒体の冷却通路を蛇行して形成したが、冷却通路を螺旋状に形成してもよい。
また、この実施の形態では、冷却通路に冷却水を通したが、水銀等の液体やAr等の気体を通してもよい。
更に、この実施の形態では、連結部材として熱遮蔽部材の下縁から垂下されたステーを挙げたが、連結部材として熱遮蔽部材の下縁から垂下されたワイヤケーブルを用いてもよい。
【0023】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1〜図3に示すようなシリコン単結晶引上げ装置10の熱遮蔽部材26、第1放熱抑制部材31、第2放熱抑制部材32及び冷却筒体34の各寸法は以下の通りであった。熱遮蔽部材26の筒部26aの直径は340mmであった。第1放熱抑制部材31の上端及び下端の直径は190mm及び340mmであり、その高さは75mmであった、即ち第1放熱抑制部材31の傾斜角度は水平面に対して45度であった。第2放熱抑制部材32の上端及び下端の直径は190mm及び340mmであり、その高さは75mmであった、即ち第2放熱抑制部材32の傾斜角度は水平面に対して45度であった。シリコン融液12の液面から第1及び第2放熱抑制部材の下端までの高さはそれぞれ100mm及び20mmであった。更に冷却筒体34の内径は200mmであり、シリコン融液12の液面から冷却筒体34の下端までの高さは180mmであった。なお、熱遮蔽部材26、第1及び第2放熱抑制部材31,32はMoにより形成し、冷却筒体34はステンレスにより形成しかつ冷却通路34aには水を流した。
【0024】
<比較例1>
実施例1の第1放熱抑制部材、第2放熱抑制部材及び冷却筒体を用いず、かつ図5に示すような形状の熱遮蔽部材7を用いた引上げ装置を比較例1とした。熱遮蔽部材7のコーン部7aの上端及び下端の直径は350mm及び230mmであり、その高さは300mmであった。またリング部7bの内径は210mmであり、シリコン融液2の液面からリング部7bまでの高さは20mmであった。<比較例2>
図6に示すような形状の熱遮蔽部材5を用いたことを除いて比較例1と同一の引上げ装置を比較例2とした。熱遮蔽部材5の筒部5aの直径は340mmであり、跳上げ部5bの上端及び下端の直径はそれぞれ190mm及び340mmであった。また跳上げ部5bの高さは75mmであり、シリコン融液2の液面から跳上げ部5bの下端までの高さは20mmであった。なお、図6の符号5cはフランジ部であり、図6において図5と同一符号は同一部品を示す。
【0025】
<比較試験及び評価>
実施例1、比較例1及び比較例2の各引上げ装置にて直径150mmのシリコン単結晶棒を600mm引上げたときのシリコン単結晶棒中の温度分布を総合熱伝導解析プログラムにてシミュレーション計算し、比較を行った。即ち、シリコン単結晶棒をシリコン融液から0.6mm/分の速度で引上げたときに、シリコン融液表面から高さ20mmにおけるシリコン単結晶棒の中心から径方向の各点の引上げ方向の温度勾配を順次求めた。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、比較例1ではシリコン単結晶棒内のうち外周面近傍にて急激に引上げ方向の温度勾配が上昇したのに対し、比較例2ではシリコン単結晶棒の半径方向のどの位置でも引上げ方向の温度勾配が略一定であったのに対し、実施例1では半径方向のどの位置でも引上げ方向の温度勾配が略一定でかつ温度勾配値が比較例2より高いことが判った。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熱遮蔽部材の下縁に上方に向うに従って直径が小さくなる第1放熱抑制部材を設け、熱遮蔽部材の下縁に沿って周方向に間隔をあけて設けられかつ熱遮蔽部材の下縁から垂下された連結部材の下端に上方に向うに従って直径が小さくなる第2放熱抑制部材を取付け、熱遮蔽部材とシリコン単結晶棒との間に第1放熱抑制部材から所定の間隔をあけて上方に冷却筒体を挿入し、更に冷却筒体の内部に冷却流体が通る冷却通路を形成したので、シリコン融液から引上げられるシリコン単結晶棒の固液界面付近では、高温のシリコン融液からの輻射熱により第2放熱抑制部材の温度が上昇するか、又はシリコン融液からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒からの放熱を第2放熱抑制部材が反射することにより、シリコン単結晶棒からの急激な放熱は抑制される。この結果、シリコン単結晶棒の外周部の急激な温度低下を阻止でき、シリコン単結晶棒内の引上げ方向の結晶温度勾配が中心から外周面にわたって略均一になるので、シリコン単結晶棒内の熱的ストレスの発生を抑制し、点欠陥濃度分布を均一にすることができる。
【0027】
またシリコン単結晶棒の第1及び第2放熱抑制部材間の開放された部分では、ヒータからの輻射熱がシリコン単結晶棒の外周面に照射されてシリコン単結晶棒の外周部が保温され、第1放熱抑制部材により包囲された部分では、高温のシリコン融液からの輻射熱により第1放熱抑制部材の温度が上昇するか、又はシリコン融液からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒からの放熱が第1放熱抑制部材の下面で反射してシリコン単結晶棒に照射される。この結果、第1放熱抑制部材より上方の急冷部分との熱バランスが良好になり、固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配の径方向分布の均一性を向上でき、点欠陥の坂道拡散、対消滅の反応時間を均一にでき、点欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0028】
更に第1放熱抑制部材の上端より上のシリコン単結晶棒部分では、ヒータからの輻射熱が熱遮蔽部材の筒部外面により遮られて照射されず、かつ冷却筒体内を通る冷却水により急冷されるので、この部分及びその下の部分でのシリコン単結晶棒内の温度勾配値を高くすることができる。
【0029】
従って、従来シリコン単結晶棒の結晶温度勾配を高くしようとした場合、シリコン単結晶棒の結晶内の熱が側面から放熱し、径方向の点欠陥濃度分布の均一性が低下するのに対し、本発明の引上げ装置にて固液界面付近でシリコン単結晶棒を保温する(固液界面付近にホットゾーンを設ける)ことにより、固液界面付近での結晶外周面からの放熱が抑えられて熱の流れが鉛直方向になり、かつ点欠陥の反応及び分布が略決まった温度域から急冷できる。即ち本発明の引上げ装置により、固液界面付近の引上げ方向の結晶温度勾配を径方向に均一にかつ高くするという目的を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態及び実施例1のシリコン単結晶引上げ装置を示す断面構成図。
【図2】その引上げ装置の冷却筒体を含む要部斜視図。
【図3】その引上げ装置により引上げ中のシリコン単結晶棒の等温面を示す断面構成図。
【図4】実施例1、比較例1及び比較例2のシリコン単結晶棒の中心から径方向への距離の変化に対するシリコン単結晶棒内の引上げ方向の結晶温度分布の変化を示す図。
【図5】従来例及び比較例1のシリコン単結晶引上げ装置を示す図1に対応する断面構成図。
【図6】比較例2のシリコン単結晶引上げ装置を示す図1に対応する断面構成図。
【符号の説明】
10 引上げ装置
11 チャンバ
12 シリコン融液
13 石英るつぼ
18 ヒータ
24 シリコン単結晶棒
26 熱遮蔽部材
31 第1放熱抑制部材
32 第2放熱抑制部材
34 冷却筒体
34a 冷却通路

Claims (1)

  1. チャンバ(11)内に設けられシリコン融液(12)が貯留された石英るつぼ(13)と、前記石英るつぼ(13)の外周面を包囲し前記シリコン融液(12)を加熱するヒータ(18)と、前記シリコン融液(12)から引上げられるシリコン単結晶棒(24)の外周面を包囲しかつ下端が前記シリコン融液(12)表面から間隔をあけて上方に位置し前記ヒータ(18)からの輻射熱を遮る熱遮蔽部材(26)とを備えたシリコン単結晶引上げ装置において、
    前記熱遮蔽部材(26)の下縁に設けられかつ上方に向うに従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第1放熱抑制部材(31)と、
    前記熱遮蔽部材 (26) の下縁に沿って周方向に間隔をあけて設けられかつ前記熱遮蔽部材(26)の下縁から垂下された連結部材(33)と、
    前記連結部材(33)の下端に取付けられかつ上方に向うに従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第2放熱抑制部材(32)と、
    前記熱遮蔽部材(26)と前記シリコン単結晶棒(24)との間に前記第1放熱抑制部材(31)から所定の間隔をあけて上方に挿入された冷却筒体(34)と、
    前記冷却筒体(34)の内部に形成され冷却流体が通る冷却通路(34a)と
    を備えたことを特徴とするシリコン単結晶引上げ装置。
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