JP2011121131A - 隅削り用刃先交換式チップとミーリングカッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】隅削り用の刃先交換式チップとミーリングカッタを、段加工でワークに形成される側面のZ軸方向のつなぎ部での段差が小さくなって側面の加工精度が高まるように改善することを課題としている。
【解決手段】ポジティブ型の隅削り用チップを、切れ刃7がL1の領域長さをもった第1部7−1と、L2の領域長さをもった第2部7−2と、L3の領域長さをもった第3部7−3とで構成され、第1〜第3部がチップの側面視で左右非対称の比率で配分されて第1部7−1と第2部7−2の両者が切れ刃の大部分を占め、第2部7−2は側面視で底面と平行をなすように形成され、その第2部の設置領域でチップ厚みが最大のT2になっているものにした。
【選択図】図6

Description

この発明は、直角コーナの加工に用いる隅削り用刃先交換式チップとそれを用いた隅削り用ミーリングカッタ(フライスカッタやエンドミル)に関する。
隅削り用刃先交換式チップ(以下、隅削り用チップと言う)として、例えば、下記特許文献1〜3に開示されたものや凸円弧に近似した形状の切れ刃を有するものが知られている。
特許文献1に開示された隅削り用チップは、側面とすくい面の交差稜で形成される切れ刃が、一端から位置を次第に下げながら他端近傍に至り、その後、その位置が次第に高くなる形状になっている。
また、特許文献2や特許文献3に開示された隅削り用チップは、切れ刃が、一端から凸円弧をなすように一旦盛り上がり、次いで、他端側に向って次第に位置が下がり、その後、その位置が次第に高くなる形状になっている。
特開平7−246505号公報 特開2002−178210号公報 特開平6−190624号公報
隅削り加工で例えばワークに溝を形成する場合、1パス目の加工を終えた後に2パス目の加工を行い、その動作を繰り返して溝を深くしていく段加工法を採ることが多い。その場合、先行加工と後続加工でワークに形成される溝の側面(Z軸方向に起立した面)のZ軸方向つなぎ部に段差ができる。その段差は、先行加工と後続加工での切れ刃の軌跡がY軸(Z軸とカッタの送り方向であるX軸の両方に対して直角)方向にずれることによって生じ、段加工法では不可避である。
その段差のモデルを図18及び図19に示す。図18は、前掲の特許文献1〜3に開示される隅削り用チップを使用したときにワーク20の側面21aに形成される段差sを、また、図19は、凸円弧の切れ刃を有するチップを使用したときにワーク20の側面21aに形成される段差sをそれぞれ誇張して示している。
従来の隅削り用チップは、上記段差sが大きく、ワークに加工された側面の精度が十分でない。加工された側面にその段差がはっきり現われて側面の面粗さが粗くなり、側面が外観や触感の悪い面になる。
この発明は、隅削り用のチップとミーリングカッタを、段加工でワークに形成される側面のZ軸方向のつなぎ部での段差が小さくなって側面の加工精度が高まるように改善することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、すくい面及び平坦な底面と、前記すくい面に対して鋭角、前記底面に対して鈍角にそれぞれ交わる側面と、前記すくい面と側面との交差稜で構成される切れ刃を備えたポジティブ型の隅削り用チップを以下の通りに構成した。
即ち、前記切れ刃が一端から他端側に延びだすL1の領域長さをもった第1部と、第1部の終端に連なるL2の領域長さをもった第2部と、その第2部よりも他端側で第2部の終端に連なるL3の領域長さをもった第3部とで構成され、
前記第1、第2、第3部がチップの側面視で左右非対称の比率で配分されて第1部と第2部の両者が切れ刃の大部分を占め、
さらに、第2部は、切れ刃の他端側に偏った位置にあって側面視で前記底面と平行をなすように形成され、その第2部の設置領域でチップ厚みが最大のT2になっており、
第1部と第3部は、直線、曲線又は直線と曲線を組み合わせた線で構成され、第1部は、チップ厚みが最小のT1の位置に設定された切れ刃の一端から第2部側に向ってその位置が徐々に高くなり、第3部は、第2部側から切れ刃の他端に向ってその位置が徐々に低くなっているものにした。
このチップは、前記第1部と第2部を合算した領域が、切れ刃の全設置領域の70〜80%を占めるように設定されたものが好ましい。第1部の領域長さL1を第3部の領域長さL3よりも大きくするのも好ましい。
また、前記第1部がチップの側面視で半径R1の凸曲線で形成され、前記第3部はチップの側面視で半径R2の凸曲線を含む複数の曲線で形成され、半径R2は半径R1よりも小さく、その半径R2の凸曲線が前記第2部に連なっている構成も好ましい。
このほか、前記厚みT1とT2の差(T2−T1)は、0.05mm〜0.5mmの範囲が適当である。すくい面は正のすくい角が付与された面が好ましい。より好ましくは、切れ刃の長手直角断面での各部のすくい角を若干変化させてチップの使用状態で切れ刃の各部のすくい角がほぼ均一化されるようにしたものがよい。
なお、この発明のチップは、正方形を基本形とし、前記切れ刃がすくい面の4辺に形成されたものが経済性に優れるが、長方形又は平行四辺形を基本形とし、すくい面の対向位置の2つの長辺に前記切れ刃が形成されたものであってもよく、また、正三角形を基本形にして3辺に前記切れ刃を形成したものも考えられる。
上述したこの発明の隅削り用チップは、カッタボディの先端外周に設けられたチップ座に、アキシャルレーキが正、ラジアルレーキが負となる状態、かつ、前記第1部がカッタの先端側、前記第2部がカッタの軸心と平行になってカッタの後部側にそれぞれ配置されて前記切れ刃がカッタの最外周に位置する状態に装着して使用する。この発明は、そのようにして構成される隅削り用ミーリングカッタも提供する。
この発明の隅削り用チップは、切れ刃の大部分が第1部と第2部によって占められており、前述の段加工において先行加工でワークに形成される前記第2部の軌跡に対して後続加工でワークに形成される前記第1部の軌跡が交差するように後続加工での切り込み深さを設定した加工が行える。
この方法でワークに形成される側面のZ軸方向つなぎ部での段差は、前記第1部の径方向外端(第2部との接続点)から第1部の軌跡が第2部の軌跡と交差した位置までの範囲における第1部の径方向変位量で表される。
従来のチップを使用したときには、図18に示すように、切れ刃の径方向変位量の大部分がつなぎ部の段差sとして表われる。或いは、図19からわかるように、先行加工と後続加工での切れ刃の軌跡が、切れ刃の径方向外端からカッタ中心側に共に変位した位置で交差し、切れ刃の径方向外端からその交差部までの径方向変位量が段差sとなる。
これに対し、この発明の隅削り用チップは、切れ刃の第2部に使用状態で径方向外側に飛びだす膨らみがない。また、第1部と第2部が切れ刃の大部分を占める構造となしたことで、第2部の領域長さを十分に長くするか又は第1部の設置領域を切れ刃の長手中央を越える位置まで広げて第1部の傾斜を緩やかにすることができる。これにより、前記交差部から切れ刃の径方向外端までの径方向距離が短くなって段差sが従来チップよりも小さくなる。そのために、ワークに加工される側面の面粗さが改善される。
なお、第1部と第2部を合算した領域が、切れ刃の全設置領域の70〜80%を占めるように設定することで第2部の領域長さを十分に長くすることができる。又は、第1部の傾斜をより緩やかにして前記段差sをより小さくすることができる。また、そのようにすることで1パス当たりの切り込み量を大きくとることも可能になる。
上記において好ましいとしたその他の構成の作用、効果は、次々項で説明する。
この発明の隅削り用チップの一形態を示す斜視図 図1の隅削り用チップの平面図 図1の隅削り用チップの側面図 図1の隅削り用チップをコーナが中央に置かれる方向から見た側面図 同上のチップの平面を拡大した図 同上のチップの側面を拡大した図 図6の側面の一部をさらに拡大した図 図2のI−I線に沿った断面図 図2のII−II線に沿った断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 この発明のミーリングカッタの斜視図 図12のミーリングカッタの側面図 図12のミーリングカッタの正面図 ミーリングカッタを用いた隅削り加工の一例を示す斜視図 この発明の隅削り用チップを用いた段加工での切れ刃の軌跡の重なり状態を示す図 この発明の隅削り用チップで段加工を行って得られた側面のつなぎ部の段差を示す断面図 特許文献1〜3の隅削り用チップの概要とそれを用いた段加工での側面のつなぎ部の段差を示す図 従来の隅削り用チップの一例とそれを用いた段加工での側面のつなぎ部の段差を示す図
以下、添付図面の図1〜図17に基づいて、この発明の隅削り用チップとそれを用いた隅削り用ミーリングカッタの実施の形態を説明する。
図1〜図11に、正方形を基本形とする4コーナ使用の刃先交換式チップにこの発明を適用した例を示す。例示の隅削り用チップ1は、図1、図2に示したすくい面2、そのすくい面2に囲われた平坦なランド3(上面)、そのランド3とすくい面2に対して背を向けた平坦な底面4(図3、図4、図6、図8〜図11参照)、及び4つの側面5と、ランド3の中央に配置される取付け孔6を有し、各側面5とすくい面2との交差部に生じた稜線で切れ刃7が形成されている。
図8〜図11に示すように、すくい面2は、切れ刃7に正のすくい角を生じさせる方向に傾斜した面、ランド3は底面4と平行な面、側面5はすくい面2に対して鋭角、底面4に対して鈍角にそれぞれ交わる面となっている。
切れ刃7は、図5〜図7に示す第1部7−1、第2部7−2、第3部7−3の3つの領域からなる。第1部7−1、第2部7−2は主切れ刃を構成する。例示のチップは、その第1部7−1、第2部7−2のすぐ隣りにサラエ刃を構成する第3部7−3を設けている。
その第3部7−3は、コーナ部に近い側が底面4に近づく方向に傾斜している。第3部7−3をこのような形状にすると切れ刃に段差が生じない。さらに、溝などの底面側を切削する際に第3部7−3をサラエ刃として機能させて底面の面粗度を向上させ、その一方で主切れ刃で加工する側面側においては、その第3部7−3をワークから逃がすことができる。また、第3部7−3が第1部7−1や第2部7−2よりも外に飛びだすことが無く、特別なサラエ面を設ける必要もないため、工具本体への取り付け面となる側面5(2つのコーナ間に形成される面。第2の面5bのみでもよい)を1つの平面で構成することも可能になる。
第1部7−1は、切れ刃の一端から長手中央を越えて他端側に延びだしており、L1の領域長さをもっている。
また、第2部7−2は、第1部7−1の終端に連なっており、L2の領域長さをもっている。第3部7−3は、第2部7−2よりも切れ刃の他端側で第2部7−2の終端に連なっており、L3の領域長さをもっている。
この第1部7−1〜第3部7−3の3つの領域で形成された切れ刃7は、第1部7−1、第2部7−2、第3部7−3がチップの側面視で左右非対称の比率で配分されて第1部7−1と第2部7−2の両者が切れ刃の全域のうちの大部分を占める刃にしている。
第1部7−1には、チップのコーナ部の切れ刃が含まれる。図示のチップは、ノーズRがコーナに付されており、そのノーズR部の円弧の切れ刃の端が第1部7−1の始端aとなっている。コーナ部の切れ刃は円弧状でなくてもよい。
第2部7−2は、図5、図6、図7からわかるように、切れ刃7の他端側に偏った位置にある。この第2部7−2は、チップの側面視で底面4と平行をなすように形成され、その第2部7−2の設置領域でチップ厚みが最大のT2になっている。
第1部7−1と第3部7−3は、直線、曲線又は直線と曲線を組み合わせた線で構成される。図のチップは、第1部7−1が半径R1の凸円弧の曲線で形成され、第3部7−3は、一端が第2部7−2の端に連なる半径R2の凸円弧の曲線と、それに続く半径R3の凹円弧の曲線と、さらにそれに続いて切れ刃7の他端に至る半径R4の凸円弧の曲線を組み合わせた線で形成されている。
例示のチップは、一辺の長さが12.7mmであり、このケースでは、第1部7−1の半径R1=130mm、第3部7−3の半径R2=5mm、半径R3=8mm、半径R4=3mmとしたが、この数値はあくまでも一例に過ぎない。これらのR半径については、チップサイズなどに応じた最適値を選択することができる。
また、第1部7−1と第3部7−3は、凸曲線の切れ刃であると第2部7−2に近づくにつれて第2部7−2を延長した直線とのなす角が次第に小さくなり、そのために、切り込み量を同一にしたと考えたときにワークに形成される側面のZ軸方向つなぎ部の段差がより小さくなって好ましいが、この第1部7−1と第3部7−3は、直線で構成することもできる。直線の刃となす場合は、両者とも凸曲線を介して第2部7−2につながらせるとよい。
第1部7−1の領域長さL1と第2部7−2の領域長さL2を合算した長さは、先に述べた理由から、切れ刃7の全設置領域の70〜80%程度(残りの30〜20%が第3部の領域長さL3)に設定すると好ましい。
一辺の長さが12.7mmの図示のチップは、(L1+L2)を切れ刃7の全設置領域の70%に設定し、チップ厚みの最小値T1(第1部7−1の始端におけるチップ厚み)と、チップ厚みの最大値T2(第2部形成域のチップ厚み)の差t(=T2−T1)を、0.20mmに設定している。
tの値は、0.05mm〜0.5mm程度が適当である。その値を0.5mm未満にすると第1部7−1の傾斜角がさほど大きくならず、切り込み量の増加に対するZ軸方向つなぎ部の段差の増加が小さく抑えられる。
また、その値を0.05mm以上とすることで、アキシャルレーキを正に設定しながら第1部7−1の軌跡が第2部7−2の軌跡よりも径方向外側にはみ出すことを防止することができる。
すくい面2は、図8〜図11に示すように、切れ刃の各部のすくい角θを異ならせた面にしている。例示のチップでは、図9に示した第3部7−3(図2のII−II)の位置でのすくい角θ2を13°強、図10に示した第2部7−2(図2のIII−III)の位置でのすくい角θ3を17°強、図11に示した第1部7−1(図2のIV−IV)の位置でのすくい角θ4を20°強にそれぞれ設定している。
このように、切れ刃7の各部のすくい角を徐々に変化させることで、側面の切削に関与する切れ刃の各部の使用状態(チップをカッタボディに装着した状態)でのすくい角を均一化することができ、切れ刃の各部の切削性能や切屑排出性能などの均一化などが図れる。
チップのコーナ部の切れ刃は、ワークの側面切削に関与する刃ではないので、図8に示したコーナ部(図2のI−I)の切れ刃のすくい角θ1は、ワークの側面切削に関与する切れ刃のすくい角と関連の無い角度に設定しても差し支えない。図示のチップは、そのすくい角θ1を6°強としている。
側面5は、所定の曲率半径を有する第1の面5aと、第1の面5aよりも曲率半径の小さな第2の面5bの2つの曲面で構成され、第1の面5aがすくい面側にあってチップの使用時に1番逃げとなるものを示したが、共に平坦な第1の面と第2の面が組み合わされた側面であってもよい。
また、1番逃げとなる第1の面5aは、刃先の強度を高めるのに有効であるが、必須ではない。このほか、切れ刃7には、必要に応じて刃先強化用のネガランドを付すことができる。
なお、この発明は、長方形や平行四辺形を基本形にしたチップや、正三角形を基本形にしたチップにも適用することができる。前者は、第1部7−1〜第3部7−3によって形成される切れ刃7をすくい面の対向位置の2つの長辺に形成し、後者は、3辺に切れ刃7を形成すればよい。
次に、この発明の隅削り用ミーリングカッタの一例を図12〜図14を参照して説明する。例示のミーリングカッタ10は、カッタボディ11の先端外周に設けられたチップ座12に、この発明の隅削り用チップ1を、アキシャルレーキγp(図13参照)が正、ラジアルレーキγf(図14参照)が負となる状態に装着して構成されている。図示のチップ1は、アキシャルレーキγpを10°、ラジアルレーキγfを−8°にそれぞれ設定したが、その数値に限定されるものではない。
隅削り用チップ1は、切れ刃7の第1部7−1をカッタの先端側、第2部7−2をカッタの軸心と平行になってカッタの後部側にそれぞれ配置し、切れ刃7のコーナ部を除く部分をカッタの最外周に位置させ、この状況が保持されるようにチップ座12に着座させている。そして、取付け孔6に通したクランプねじ13でクランプしてカッタボディ11に着脱自在に固定している。14は、カッタボディ11の外周に各チップの切れ刃に対応させて形成した切屑ポケットである。
上述したように、カッタの正面視でのラジアルレーキγfは負の値に設定されているが、すくい面2を傾斜させたことで、ワークの側面の切削に関与する切れ刃、即ち、第1部7−1のコーナ部を除く部分と第2部7−2と第3部7−3の各部には、正のすくい角が付与される。そのすくい角は、カッタボディの中心(回転中心)と切れ刃の各部を結ぶ半径方向の直線を基準にしたとき、切れ刃の各部において近似した角度となる。これは、切れ刃7の各部でのすくい角を徐々に変化させたことによるものであり、切れ刃の各部の切れ味の安定化や切屑排出の安定化につながる。
図15に、隅削り用ミーリングカッタを用いた段加工の一例を示す。この段加工は、隅削り用ミーリングカッタ10をワーク20に所定の切り込み深さで切り込ませてカッタに一方向の送りをかけ、その動作を数回繰り返してワーク20に形成される溝21を掘り下げていく。
先行加工でワークに形成される第1部7−1の軌跡に対して後続加工でワークに形成される第2部7−2の軌跡又は第2部7−2との境界付近における第3部7−3の軌跡が交差するように後続加工での切り込み深さを設定して段加工を実施する。
21aは、その加工によってワーク20に形成される溝21の側面であり、図16、図17に1パス目の加工で形成される側面を21a−1、2パス目の加工で形成される側面を21a−2として表示した。この側面21a−1,21a−2のZ軸方向のつなぎ部にY軸方向の段差ができ、その段差が本発明のチップとミーリングカッタを使用することによって従来よりも小さくなる。
この発明の先に説明した寸法諸元の隅削り用チップとそれを用いたミーリングカッタを使用して段加工を行なった。その結果、側面のZ軸方向つなぎ部に生じる段差が、従来チップ使用時の0.026mmに対して、この発明では0.008mmと極端に小さくなった。この試験により、この発明の有効性を確認することができた。
1 隅削り用チップ
2 すくい面
3 ランド
4 底面
5 側面
5a 第1の面
5b 第2の面
6 取付け孔
7 切れ刃
10 ミーリングカッタ
11 カッタボディ
12 チップ座
13 クランプねじ
14 切屑ポケット
20 ワーク
21 溝
21a 側面
21a−1 1パス目の側面
21a−2 2パス目の側面
θ,θ1〜θ4 すくい角
γp アキシャルレーキ
γf ラジアルレーキ
T1 チップの最小厚み
T2 チップの最大厚み
s 段差

Claims (8)

  1. すくい面(2)及び平坦な底面(4)と、前記すくい面(2)に対して鋭角、前記底面(4)に対して鈍角にそれぞれ交わる側面(5)と、前記すくい面(2)と側面(5)との交差稜で構成される切れ刃(7)を備えた隅削り用刃先交換式チップであって、
    前記切れ刃(7)が一端から他端側に延びだすL1の領域長さをもった第1部(7−1)と、第1部(7−1)の終端に連なるL2の領域長さをもった第2部(7−2)と、その第2部(7−2)よりも他端側で第2部(7−2)の終端に連なるL3の領域長さをもった第3部(7−3)とで構成され、
    前記第1、第2、第3部(7−1〜7−3)がチップの側面視で左右非対称の比率で配分されて第1部(7−1)と第2部(7−2)の両者が切れ刃(7)の大部分を占め、
    さらに、第2部(7−2)は、側面視で前記底面(4)と平行をなすように形成され、その第2部(7−2)の設置領域でチップ厚みが最大(T2)になっており、
    第1部(7−1)と第3部(7−3)は、直線、曲線又は直線と曲線を組み合わせた線で構成され、第1部(7−1)は、チップ厚みが最小(T1)の位置に設定された切れ刃(7)の一端から第2部(7−2)側に向ってその位置が徐々に高くなり、第3部(7−3)は、第2部(7−2)側から切れ刃(7)の他端に向ってその位置が徐々に低くなっている隅削り用刃先交換式チップ。
  2. 前記第1部(7−1)と第2部(7−2)を合算した領域が、切れ刃(7)の全設置領域の70〜80%を占めるように設定された請求項1に記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  3. 前記第1部(7−1)がチップの側面視で半径R1の凸曲線で形成され、前記第3部(7−3)はチップの側面視で半径R2の凸曲線を含む複数の曲線で形成され、半径R2は半径R1よりも小さく、その半径R2の凸曲線が前記第2部(7−2)に連なっている請求項1又は2に記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  4. 前記厚みT1とT2の差(T2−T1)を、0.05mm〜0.5mmの範囲に設定した請求項1〜3のいずれかに記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  5. 前記すくい面(2)に正のすくい角を付与した請求項1〜4のいずれかに記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  6. 正方形を基本形とし、前記切れ刃(7)がすくい面の4辺に形成された請求項1〜5のいずれかに記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  7. 長方形又は平行四辺形を基本形とし、前記切れ刃(7)がすくい面の対向位置の2つの長辺に形成された請求項1〜5のいずれかに記載の隅削り用刃先交換式チップ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の刃先交換式チップを、カッタボディ(11)の先端外周に設けられたチップ座(12)に、アキシャルレーキ(γp)が正、ラジアルレーキ(γf)が負となる状態、かつ、前記第1部(7−1)がカッタの先端側、前記第2部(7−2)がカッタの軸心と平行になってカッタの後部側にそれぞれ配置されて前記切れ刃(7)のコーナ部を除く部分がカッタの最外周に位置する状態に装着して構成される隅削り用ミーリングカッタ。

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