JP2011091075A - へテロ接合電界効果トランジスタとその製造方法 - Google Patents

へテロ接合電界効果トランジスタとその製造方法 Download PDF

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Takuma Nanjo
拓真 南條
Akifumi Imai
章文 今井
Muneyoshi Fukita
宗義 吹田
Katsuomi Shiozawa
勝臣 塩沢
Yuji Abe
雄次 阿部
Eiji Yagyu
栄治 柳生
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Abstract

【課題】電流コラプスを抑制し、且つゲートリーク電流を低減するヘテロ接合電界効果トランジスタとその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタであって、半導体層と、半導体層に下部を埋没するようにして半導体層上に設けられたゲート電極90と、を備え、半導体層は、バリア層40と、バリア層40の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層50と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構造と、その製造方法に関する。
従来の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)において、半導体表面に直接ゲート電極を形成した構造では、ゲート電極にパルスの電圧を印加して動作させた場合にドレイン電流が大きく減少してしまう現象(電流コラプス)が発生し、実際に高周波で動作させた際の出力や効率がDC特性から予測できる出力や効率に比べて大きく減少してしまう。
電流コラプスは半導体表面に形成されるトラップ準位によって生じるため、電流コラプスを抑制するためには最も強く電界がかかるゲート電極/半導体界面を半導体表面から遠ざけることが効果的である。そのため、半導体表面のゲート電極を形成する領域のみエッチングした後にゲート電極を形成するリセスゲート構造とすることが望ましい。そして、リセス部分の深さは深ければ深いほど、ゲート電極/半導体界面を半導体表面から遠ざけるため効果が大きい。
しかし、リセスゲート構造を形成するためには、ゲート電極直下の半導体層のリセス深さを制御性よくエッチングする必要があり、エッチングレートのみでこれを制御することは難しい。
そこで、AlGaN/GaN系ヘテロ構造を用いたヘテロ接合FETの場合には、最表面にエッチング深さと等しいGaNキャップ層を形成してGaN/AlGaN/GaN構造とし、GaNとAlGaNのエッチングレートの差を用いて選択的にGaNキャップ層のみをエッチングする手法が多く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
IEEE EDL, VOL.29, NO.4, APRIL 2008, p303
AlGaNやGaNの層中の特に表面側には、エピタキシャル成長やトランジスタを作製するプロセス中に多くのn型不純物が混入している。AlGaNによる分極の効果が有効に働く領域は空乏層になるため、この領域に存在するn型不純物は活性化されず、電流のリークパスとはならない。
しかし、AlGaNから遠く離れた領域では分極の効果が及ばないため、この領域に混入したn型不純物は活性化されてキャリアとなり、電流のリークパスと成りうる。
従って、AlGaNの分極の効果が及ばないほど最表面のGaNキャップ層が厚い場合、ゲート電極とドレイン電極の間に高電圧を印加してトランジスタを動作させた際に、ゲート電極からドレイン電極に大きなリーク電流が発生し、出力や効率の低下に繋がる耐圧の低下や、ノイズ特性の劣化、信頼性の低下などが生じる。
そこで、本発明は上述の問題点に鑑み、電流コラプスを抑制し、且つゲートリーク電流を低減する窒化物半導体装置とその製造方法の提供を目的とする。
本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタであって、半導体層と、半導体層に下部を埋没するようにして半導体層上に設けられたゲート電極と、を備え、半導体層は、バリア層と、バリア層の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法は、(a)バリア層の上に厚さ28nm以下のキャップ層を形成する工程と、(b)キャップ層をエッチングして所定長のトレンチを形成する工程と、(c)トレンチにゲート電極を形成する工程と、を備える。
本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、半導体層と、半導体層に下部を埋没するようにして半導体層上に設けられたゲート電極と、を備え、半導体層は、バリア層と、バリア層の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層と、を備えることを特徴とする。これにより、電流コラプスの抑制を目的としたリセスゲート構造を維持しながら、ゲートリーク電流の発生を抑制することが出来る。
また、本発明の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法は、(a)バリア層の上に厚さ28nm以下のキャップ層を形成する工程と、(b)キャップ層をエッチングして所定長のトレンチを形成する工程と、(c)トレンチにゲート電極を形成する工程と、を備える。トレンチに電極を形成することにより、電流コラプスの抑制を目的としたリセスゲート構造を維持しながら、キャップ層を28nm以下とすることによってゲートリーク電流の発生を抑制する。
本発明のヘテロ接合FETの構造を示す図である。 キャップ層の厚さとゲート電流及びゲート端電界強度との関係を示した図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の構造を示す図である。 本発明のヘテロ接合FETの製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FETの製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FETの製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FETの製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FETの製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の製造工程を示す図である。 本発明のヘテロ接合FET(変形例)の製造工程を示す図である。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、実施の形態1に係る、窒化物半導体からなるヘテロ接合FETの構造の一例である。実施の形態1に係るヘテロ接合FETは、半絶縁性SiC基板10と、SiC基板10上に形成されたバッファ層20と、バッファ層20上に形成されたGaNからなるチャネル層30と、チャネル層30上に形成されたAlGaNからなるバリア層40と、バリア層40上に形成されたNi/Auからなるゲート電極90及びGaNからなるキャップ層50と、キャップ層50上に形成されたTi/Alからなるソース電極70及びドレイン電極80と、素子分離領域60とを備えている。ゲート電極90は、キャップ層50を除去した領域に形成される。ゲート電極90の下面は、バリア層40の上面と接するように形成されている。
すなわち、本実施の形態のヘテロ接合FETにおいて、ゲート電極90の下面は、バリア層40の上面と接することを特徴とする。これにより、リセスゲート構造を実現し電流コラプスを抑制することが出来る。
上記の構造において、キャップ層50の厚さを28nm以下とすることにより、リセスゲート構造による電流コラプス抑制の効果を維持したまま、ゲートリーク電流を十分に低く保つことが出来る。以下に、キャップ層50の厚さを28nm以下とする理由を説明する。
<キャップ層の厚さ>
図2は、実際に作製したデバイスを用いて、ゲート電極に−10Vの電圧を印加した際にゲート電極90とドレイン電極80の間に流れた電流値(ゲート電流)を測定したグラフである。GaNキャップ層50の厚さは、0,20,50,100nmの異なる4種類にした。すると、図2に示すとおり、GaNキャップ層50が20nmより薄い場合には、ゲートリーク電流は2.0×10-6(A/mm)以下の十分に低い値であった。それに対して、GaNキャップ層50が50nmより厚い場合のゲートリーク電流は、20nm以下の場合よりも2桁程度大きい1.0×10-4(A/mm)程度もあり、耐圧や信頼性の劣化が懸念される。
このように大きなゲートリーク電流が発生する要因としては、エピタキシャル成長中やHEMT作製プロセス中にGaNキャップ50中の特に表面側に混入したn型不純物によるキャリアが挙げられる。GaNキャップ層50のAlGaNバリア層40側の領域は、AlGaNバリア層40による分極の効果を受けるため、n型不純物が混入しても空乏化される。従って、混入したn型不純物は活性化されず、キャリアとして振舞わないため、その領域はリークパスにならない。従って、GaNキャップ層50がAlGaNバリア層40の分極の効果が及ぶほど薄い場合には、GaNキャップ層50中にn型不純物が混入してもリーク電流は発生しないことになる。
それに対して、GaNキャップ層50におけるAlGaN層40による分極の効果が及ばないほど遠い領域にn型不純物が混入した場合には、その領域が空乏化されないため、n型不純物は活性化されキャリアとして振舞うことになる。従って、GaNキャップ層50がAlGaN層40の分極の効果が及ばないほど厚く、分極の効果が及ばない領域にn型不純物が混入した場合には、その領域がリークパスとなり大きなリーク電流が発生する。
図2には、この効果によるゲートリーク電流を計算した結果も示している。この計算では、まずGaNキャップ層50の表面側に発生するキャリア濃度を、GaNキャップ層50の厚さが異なる構造において、ポアソン方程式を用いて計算したバンド構造から導いた。続いて、それらを用いてゲート電極90からGaNキャップ層50中にショットキー障壁をトンネルして流れる電流を計算した。最後に、GaNキャップ層50を形成していない場合の実際のHEMTにおける電流値を、GaNキャップ層50以外を流れる電流値と仮定して計算したトンネル電流に足し合わせ、図2にプロットした。計算値は実測値とよく一致し、またこの計算結果により、GaNキャップ層50の厚さが28nmより厚い場合に大きなリーク電流が発生することが分かった。従って、ゲートリーク電流を十分に小さな値に抑えるためには、GaNキャップ層50の厚さを28nm以下とする必要がある。
すなわち、本実施の形態の窒化物半導体からなるヘテロ接合FETは、半導体層と、半導体層に下部を埋没するようにして半導体層上に設けられたゲート電極90と、を備え、半導体層は、バリア層40と、バリア層40の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層50と、を備えることを特徴とする。これにより、リセスゲート構造によって電流コラプスを抑制しながら、ゲートリークを低減することが出来る。
なお、図2には、GaNキャップ層50の厚さが異なる場合のドレイン電極80側のゲート電極端に生じる電界強度を、ポアソン方程式を解いて計算した結果も示している。電流コラプスは、ゲート電極端に生じる電界強度が強いほど大きくなるため、本計算結果よりGaNキャップ層50が厚いほど、電流コラプスを抑制する観点からは好ましい構造であることが分かる。つまり、電流コラプスの抑制とゲートリーク電流の抑制は、GaNキャップ層50の厚さに関してトレードオフの関係にあり、GaNキャップ層50の厚さは大きなリーク電流が発生しない28nm以下であれば、出来るだけ厚い方が好ましい。ただし、GaNキャップ層50の効果は2nm程度の厚さでも、GaNキャップ層50がない場合に比べて電界強度を30%程度小さくする効果があるため、十分に電流コラプスを抑制する効果があるといえる。従って、GaNキャップ層50の厚さは少なくとも2nm以上あればよい。
また、GaNキャップ層50を形成する際の厚さのばらつきを考慮に入れ、ウェハ全面で2nm以下の領域が発生しないようにするためには、さらに厚くする必要があり、マージンを5nmとすると、GaNキャップ層50の厚さは7nm以上とすればよい。
<変形例>
なお、図1には本実施の形態のヘテロ接合FETの代表的な例を示したが、以下に示すような変形例でも同様の効果を得ることが出来る。
例えば、チャネル層30、バリア層40の間にこれらの層を形成する材料よりバンドギャップが大きい材料(例えばAlN)からなるスペーサ層100が形成されていても良い(図3)。このような構造にすることによって、チャネル層30のバリア層40側に発生する2次元電子ガス(2DEG)の閉じ込め効果を大きくできるため、濃度が増大し、また合金散乱も減少するため移動度が向上し、トランジスタの大電流化さらには高出力化を図ることが出来る。
また、チャネル層30、スペーサ層100、バリア層40、キャップ層50のバンドギャップをそれぞれB30,B40,B50,B100としたとき、これらがB30<B40<B100、B50<B40という関係にあれば、ヘテロ接合FETを動作させ、且つスペーサ層100による2次元電子ガスの濃度及び移動度を向上させ、且つ選択的にゲート電極90の領域のキャップ層50のみを除去することが出来る。よって、必ずしも上記に示したようにキャップ層をGaN、バリア層をAlGaNとする必要はなく、構成する元素の組成が異なるAl,Ga,NのうちNを含む少なくとも2元素から成る化合物半導体で構成されていれば良い。
例えば、チャネル層30、スペーサ層100、バリア層40、キャップ層50を構成する化合物半導体をそれぞれAlX30Ga1-X30N、AlX100Ga1-X100N、AlX40Ga1-X40N、AlX50Ga1-X50Nとすると、0≦X30<1、0≦X110<1、0≦X40<1、0≦X50<1、X30<X40<X100、50<X40という関係を満たす化合物半導体で構成されていれば良い。チャネル層30、スペーサ層100、バリア層40、キャップ層50は、AlとGaとNのうちNを含む少なくとも2元素から成る化合物で構成される場合、バリア層40に大きな分極効果が発生するためチャネル層30のバリア層40側に高濃度の2次元電子ガスを発生させることができ、トランジスタの大電流化や高出力化に有利である。
さらに言えば、Al,Ga,NのうちNを含む少なくとも2元素から成る化合物で構成される必要もなく、例えばIn,Al,Ga,NのうちNを含む少なくとも2元素からなる化合物半導体で構成されていても良い。
又、ヘテロ接合FETは、チャネル層30に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高いほど耐圧が高くなる。AlXGa1-XNはAl組成がより高いほどバンドギャップが大きく絶縁破壊電界が高いため、上述のようにチャネル層30をAlX30Ga1-X30Nで構成する場合、よりAl組成が高い(X30が1に近い)方が好ましい。又、バリア層40に用いる半導体材料のバンドギャップが大きいほど、バリア層40を介してゲート電極90からヘテロ界面へ流れるゲートリーク電流が抑制されるため、バリア層40として用いるAlX40Ga1-X40Nも同様に、よりAl組成が高いほうが好ましい。
又、チャネル層30、スペーサ層100、バリア層40、キャップ層50は、必ずしも同一組成の1層からなる構造である必要はなく、上述のバンドギャップについての条件を満たす限りにおいてIn組成、Al組成、Ga組成が空間的に変化していても良いし、これらが異なる数層からなる多層膜でも良い。また、これらの層にはn型、p型の不純物が含まれていても良い。
半絶縁性SiC基板10は、Si、サファイア、GaN、AlNなどでも良い。基板10にGaNを使用した場合には、バッファ層20を形成しなくても、その上のチャネル層30、スペーサ層100、バリア層40などを形成することが出来る。従って、基板10の上にバッファ層20を形成する必要はない。
又、図4に示すように、ソース電極70及びドレイン電極80の下側の少なくとも一部の半導体層内には、n型不純物が高濃度にドーピングされた高濃度ドーピング領域110が形成されていても良い。このような構造にすることによって、チャネル層30のバリア層40側に発生する2次元電子ガスとソース/ドレイン電極間の抵抗を低減することができ、トランジスタの大電流化さらには高出力化に有利であり、より好ましい構造といえる。なお、図中、高濃度ドーピング領域110は半導体表面からチャネル層30にいたる領域まで形成されているが、必ずしもこの領域に限る必要はなく、その領域が大きくても小さくても、ソース電極70及びドレイン電極80の下側の少なくとも一部の半導体層内に形成されていれば、上述の効果を奏する。
ソース電極70及びドレイン電極80の下側の少なくとも一部の半導体層は、図5に示すように除去されていても構わない。このような構造にすることによって、チャネル層30のバリア層40側に発生する2次元電子ガスとソース/ドレイン電極側の抵抗を低減することができ、トランジスタの大電流化さらには高出力化に有利であり、より好ましい構造といえる。なお、図5において、ソース/ドレイン電極の形成のために半導体表面からバリア層40に至る領域まで除去されているが、必ずしもこの領域に限る必要はなく、その領域が大きくても小さくても、ソース電極70及びドレイン電極80の下側の少なくとも一部の半導体層内が除去されていれば上述の効果が得られる。
又、ソース電極70及びドレイン電極80は必ずしもTi/Alである必要はなく、オーミック特性が得られればTi,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Mo,Wなどの金属、もしくはこれらから構成される多層膜で形成されていても構わない。
ゲート電極90は、ゲート電極90の底面がキャップ層50の表面と接していなければ、接している場合に比べて電流コラプスを抑制することが出来るため、必ずしもバリア層40と接している必要はなく、例えばキャップ層50の内部と接触した構造(図6)や、バリア層40の内部と接触した構造(図7)でも良い。ただし、ゲート電極90直下の半導体層のエッチング深さを制御性よくエッチングするためには、構造の異なる層をエッチングする際のレートの違いを用いて行う事が好ましく、その場合には、図1、図3〜5に示すように、ゲート電極90の底面がバリア層40とキャップ層50との界面近傍付近と接する構造がより好ましい。
又、ゲート電極90は必ずしも断面が四角形である必要はなく、バリア層40と接触する領域を小さくした、例えば図8に示すようなT型あるいはY型構造のゲート電極91でも良い。このような構造にすることにより、ゲート電極91が半導体と接触する面積を維持したまま、ゲート抵抗を低減することが出来る。また、図9に示すように、ゲート電極91をキャップ50の表面に接するように形成しても構わない。このような構造にすることによって、高電圧動作時においてゲート電極91のドレイン電極80側のエッジ部分に集中する電界を緩和することができ、電流コラプスを抑制すると同時に耐圧を高くすることが出来る。
又、図8に示したゲート電極91の構造において、ゲート電極91の庇部とキャップ層50の間の少なくとも一部に、Al,Ga,Si,Hf,Tiのうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物等からなる絶縁膜120を形成した図10に示すような構造にしても良い。このような構造にすることによって、高電圧動作時にゲート電極91のドレイン電極80側のエッジ部分に集中する電界を緩和することができ、電流コラプスを抑制すると同時に耐圧を高くすることが出来る。さらに、図11に示すように絶縁膜120をゲート電極91の下側のみに形成することによって、ソース電極70とゲート電極91の間や、ゲート電極91とドレイン電極80の間に発生する容量を低減することができ、高周波動作時の利得や効率を向上することが出来る。
又、図1、図3〜7に示したゲート電極90や図8〜11に示したゲート電極91は、必ずしもNi/Alである必要はなく、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、IrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイドやTiN,WN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜などで形成されていても構わない。
以上、様々な変形例を述べたが、上述の構造は全て個々に採用する必要はなく、例えば図12に示すように、それぞれを組み合わせた構造としても良い。
なお、上記にはトランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には保護膜、配線、バイアホール等が形成された構造においてデバイスとして用いられる。
<製造工程>
図13〜図20は、実施の形態1に係るヘテロ接合FETの製造工程の一例を示した図である。これらの図において、図1の構成要素と同一又は対応する構成要素には同一の符号を付している。以下、実施の形態1に係るヘテロ接合FETの製造工程を図13〜図20に沿って説明する。
まず、基板10上にMOCVD法、MBE法などのエピタキシャル成長法を適用して、バッファ層20、GaNから成るチャネル層30、AlGaNからなるバリア層40、n型不純物を含むGaNからなるキャップ層50をそれぞれ下から順にエピタキシャル成長させる(図13)。窒化物半導体の原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、あるいは不純物の原料ガスとなるシランや酸素などの流量や圧力、温度、時間を調整することによって、チャネル層30、バリア層40、キャップ層50を所望の組成、膜厚、ドーピング濃度に形成することができ、キャップ層50はその厚さが2〜28nm、あるいは7〜28nmになるようにする。
なお、図3のようにスペーサ層100を設ける場合には、バッファ20上にチャネル層30を成長させた後に、チャネル層30、バリア層40を形成する材料よりバンドギャップが大きい材料からなるスペーサ層100を形成し、その後スペーサ層100の上にバリア層40を形成すれば良い。
次に、Ti,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Mo,W,Pt等の金属や、若しくはこれらから構成される多層膜からなるソース電極70及びドレイン電極80を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する(図14)。
なお、図4のように高濃度ドーピング領域110を設ける場合は、ソース電極70及びドレイン電極80を形成する前に、図18のレジストパターン140をマスクとして、ソース電極80とドレイン電極90を形成する領域下の半導体層に対し、イオン注入法などにより、シリコン等の窒化物半導体に対してn型となるイオンを所望の領域に打ち込む。注入ドーズ量は1×1013〜1×1017cm-2、注入エネルギーは10〜1000keVとする。その後、熱処理を行って注入したイオンを活性化させることにより高濃度ドーピング領域110を形成する(図18)。
図14の工程の後、ソース電極70、ドレイン電極80を形成する前に、図19に示すようにレジストパターン150をマスクとして、Cl2等を用いたドライエッチング法などにて、ソース電極70とドレイン電極80を形成する領域の下側の少なくとも一部の半導体層内を除去することによって、図5に示すような構造のヘテロ接合FETを作製することが出来る。
その後、トランジスタを作成する領域外のチャネル層30、バリア層40、キャップ層50に、例えばイオン注入法やエッチングなどを用いて素子分離領域60を形成する(図15)。
そして、レジストパターン130をマスクとして、Cl2等を用いたドライエッチング法等によりゲート電極90を形成する領域のキャップ層50を除去する(図16)。キャップ層50とバリア層40のAl組成比が異なる場合には、エッチングの際にCl2等の塩素系ガスに加え、例えば酸素やSF6等のフッソ系ガスを用いることによって、選択的にキャップ層50のみエッチングすることができ、エッチング深さの制御性がよくなる。なお、エッチング時間やガス流量を調整し所望のエッチング深さにすることによって、図6や図7に示した様々なゲート電極構造のヘテロ接合FETを形成することが出来る。
レジストパターン130を除去した後、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、あるいはIrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイドやTiN,WN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜からなるゲート電極90を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する(図17)。ここで、エッチング領域よりも広いレジストパターンを利用すれば、図9に示すようなT字状のゲート電極90が形成される。
すなわち、本実施の形態の窒化物半導体からなるヘテロ接合FETの製造方法は、(a)バリア層40の上に厚さ28nm以下のキャップ層50を形成する工程と、(b)キャップ層50をエッチングして所定長のトレンチを形成する工程と、(c)トレンチにゲート電極90を形成する工程と、を備える。リセスゲート構造にすることによって電流コラプスを抑制し、且つキャップ層50の厚さを28nm以下にすることにより、ゲートリークを低減することができる。
図10に示すように絶縁膜13を形成する場合は、図16に示すゲート電極形成用のエッチングを行う前に、例えば蒸着法やプラズマCVD法などを用いて、Al,Ga,Si,Hf,Tiのうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物からなる絶縁膜120を堆積する(図20)。その後、ゲート電極91を形成することで、図10に示す構造のヘテロ接合FETを作製することが出来る。なお、最終的にデバイスとして使用するには絶縁膜120で覆われたソース電極70、ドレイン電極80の一部を例えばフッ酸等を用いてウェットエッチングして除去した後、配線を形成する必要がある。
また、上記のようにゲート電極91を形成した後に、フッ酸などを用いたウェットエッチングにて絶縁膜120を全て除去することにより、図8のような構造のヘテロ接合FETを作製することが出来る。また、フッ酸等を用いたウェットエッチングの処理条件(時間や濃度)を調整することによって、所望の領域の絶縁膜120を残した図11に示す構造のヘテロ接合FETを作製することが出来る。
なお、図14に示すソース電極70及びドレイン電極80の形成、図15に示す素子分離領域60の形成、図16,17に示すゲート電極90(91)の形成の3工程は、必ずしもこの順に行う必要はなく、工程の順番を入れ替えても良い。例えば、ソース電極70,ドレイン電極80を形成する前に、素子分離領域60を形成しても構わない。
また、上述したプロセスは全て個々に採用する必要はなく、それぞれを組み合わせたプロセスとしても良い。
以上の方法により、本実施の形態のヘテロ接合FETが作製できる。以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には保護膜、配線、バイアホール等の形成プロセスを経てデバイスとして用いられる。
<効果>
本実施の形態のヘテロ接合FETによれば、既に述べた通り以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の窒化物半導体からなるヘテロ接合FETは、半導体層と、半導体層に下部を埋没するようにして半導体層上に設けられたゲート電極90と、を備え、半導体層は、バリア層40と、バリア層40の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層50と、を備えることを特徴とする。これにより、リセスゲート構造によって電流コラプスを抑制しながら、ゲートリークを低減することが出来る。
また、ゲート電極90の下面は、バリア層40内に位置することを特徴とする。これにより、リセスゲート構造を実現し電流コラプスを抑制することが出来る。
あるいは、本実施の形態のヘテロ接合FETにおいて、ゲート電極90の下面はバリア層40内に位置することを特徴とする。このような構造においても、リセスゲート構造による電流コラプスの抑制効果がある。
また、本実施の形態のヘテロ接合FETの製造方法によれば、すでに述べた通り以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の窒化物半導体からなるヘテロ接合FETの製造方法は、(a)バリア層40の上に厚さ28nm以下のキャップ層50を形成する工程と、(b)キャップ層50をエッチングして所定長のトレンチを形成する工程と、(c)トレンチにゲート電極90を形成する工程と、を備える。リセスゲート構造にすることによって電流コラプスを抑制し、且つキャップ層50の厚さを28nm以下にすることにより、ゲートリークを低減することができる。
10 基板、20 バッファ層、30 チャネル層、40 バリア層、50 キャップ層、60 素子分離領域、70 ソース電極、80 ドレイン電極、90 ゲート電極、100 スペーサ層、110 高濃度ドーピング領域、120 絶縁膜、130,140,150 レジストパターン。

Claims (4)

  1. 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタであって、
    半導体層と、
    前記半導体層に下部を埋没するようにして前記半導体層上に設けられたゲート電極と、を備え、
    前記半導体層は、バリア層と、
    前記バリア層の上に形成された厚さ28nm以下のキャップ層と、を備えることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 前記ゲート電極の下面は、前記バリア層の上面と接することを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  3. 前記ゲート電極の下面は、前記バリア層内に位置することを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  4. 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法であって、
    (a)バリア層の上に厚さ28nm以下のキャップ層を形成する工程と、
    (b)前記キャップ層をエッチングして所定長のトレンチを形成する工程と、
    (c)前記トレンチにゲート電極を形成する工程と、
    を備えたヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
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