JP2011074127A - ポリプロピレン系樹脂発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透湿性及び透気性を有し、更に柔軟性、耐熱性、圧縮回復性、緩衝性、断熱性、環境適合性、機械的物性等にも優れるポリプロピレン系樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂発泡体の両面に気泡断面を露出させた状態で測定される透湿度が1000g/m・24hr以上であり且つ、ガーレー透気抵抗度が1秒/100ml以上である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡体に関する。
従来から、ポリプロピレン系樹脂発泡体は、高強度で柔軟性に優れることから、緩衝材、包装材、パッキング材等として広く用いられている。
ポリプロピレン系樹脂発泡体を、粘着層を具備したシール材の基材として使用する場合、過酷な使用環境においても性能を維持すべく、優れた耐熱性や透湿性等の物性が求められている。
クッション性、断熱性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体として、
ポリオレフィン系樹脂とゴムおよび/または熱可塑性オレフィン系エラストマーからなるポリマー成分と、
パウダー粒子を含むポリオレフィン系樹脂発泡体用組成物であって、
ポリオレフィン系樹脂発泡体用組成物の融点から高温側に20℃以内の温度で測定した溶融張力が20cN以上とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物、並びに
ポリオレフィン系樹脂とゴムおよび/または熱可塑性オレフィン系エラストマーからなるポリマー成分と、
パウダー粒子を含むポリオレフィン系樹脂発泡体用組成物であって、
その伸長粘度が20〜100kPa・sであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物が、公知である(特許文献1及び2参照)。

また、発泡倍率が2〜15倍且つ厚みが0.05〜1.5mmの架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートであって、耐水圧が100mmHO以上且つガーレー透気度が0.5〜100秒/100cmであることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが、公知である(文献3参照)。
しかしながら、これらの特許文献には、透湿性且つ透気性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡体については何ら記載がない。
特開2004−250529号公報 特開2005−68203号公報 特開2006−183025号公報
本発明の目的は、透湿性及び透気性に特徴を有し、更に柔軟性、耐熱性、圧縮回復性、緩衝性、断熱性、環境適合性、機械的物性等にも優れるポリプロピレン系樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した。その結果、特定の熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給し、二酸化炭素を発泡剤として押出機内へ圧入して溶融樹脂と混練した後、特定の吐出速度と圧力にて押出発泡させることにより得られる発泡体によれば、上記課題を達成し得ることを見出した。
本発明は、以下のポリプロピレン系樹脂発泡体を提供するものである。
1 ポリプロピレン系樹脂発泡体の両面に気泡断面を露出させた状態で測定される透湿度が1000g/m・24hr以上であり且つ、ガーレー透気抵抗度が1秒/100ml以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体。
2 上記ポリプロピレン系樹脂発泡体に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーを混合して得られた請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
3 上記ポリプロピレン系樹脂発泡体の平均気泡径が、0.02〜0.2mmであり且つ、見掛け密度が30〜100kg/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
4 気泡核剤にポリテトラフルオロエチレンを用いた請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
本発明によれば、下記の如き格別顕著な効果が得られる。
(1)本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体は、所定のメルトフローレートを有するポリプロピレン系樹脂に、熱可塑性エラストマーを所定割合にて含有させているため、結晶性の低い熱可塑性エラストマーによって、ポリプロピレン系樹脂における溶融粘度の温度依存性を緩和し、発泡適正温度を広げて発泡性の改善を図っており、発泡剤に二酸化炭素を用い、更に気泡生成部と発泡体成形部を有する円環ダイを用いて、なお且つ所定の吐出速度、圧力にて押出発泡することにより気泡の微細化、気泡膜強度の向上及び発泡倍率を向上させた、表面平滑性の良い発泡体を得ることが可能となる。
(2)また、本発明において、気泡核剤としてポリテトラフルオロエチレン0.01〜10重量部を含有させている場合には、微細な気泡を形成させることが可能となり、発泡倍率が高くクッション性及び柔軟性に優れるとともに、表面にムラや皺が少ない、外観に優れたポリプロピレン系樹脂発泡体を安定的に連続して効率よく製造することができる。
(3)本発明方法により得られるポリプロピレン系樹脂発泡体は、透湿性及び透気性に特徴を有し、柔軟性、圧縮回復性、耐熱性、緩衝性、断熱性、環境適合性、機械的物性等にも優れる。更に、スライス加工性にも優れている。
(4)本発明方法により得られるポリプロピレン系樹脂発泡体は、緩衝包装材又は建材用として、電子機器又は電子機器部材のシール材として、又各種粘着シートの基材シート、遮音材、断熱材、食品包装材、衣用材等として、好適に使用することができる。
本発明の一実施形態を示す円環ダイの概略断面図である。
ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法
図1は本発明の一実施形態を示す円環ダイの概略断面図である。
本発明の一実施形態であるポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法は、以下の通りである。
メルトフローレート0.2〜5g/10minのポリプロピレン系樹脂100重量部と、熱可塑性エラストマー10〜300重量部から成る配合樹脂組成物に気泡核剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給し、二酸化炭素を発泡剤として押出機内へ圧入して溶融樹脂組成物と混練した後、押出機先端に取り付けた図1に示した円環ダイDより押出発泡させるポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法である。
この実施形態では特に、該円環ダイDは、樹脂流路3に形成された気泡生成部2と、気泡生成部2に連続し、この生成した気泡の成長及び発泡体表面の平滑化を行う発泡体成形部1とを有しており、該円環ダイDの気泡生成部2における樹脂の吐出速度Vが、50〜300kg/cm・hrかつ、円環ダイD手前での樹脂圧力が7MPa以上となる条件下で押出発泡させることを特徴とする。4は円環ダイイン側金型、5は円環ダイアウト側金型である。
本明細書において、樹脂の吐出速度V(kg/cm・hr)は、下記式によって、定義される。
V=押出樹脂重量/金型気泡生成部断面積・時間
ここで、押出樹脂重量は、金型から押し出された総重量をいう。従って、押出樹脂重量は、熱可塑性樹脂組成物と発泡剤との合計量となる。また、押出樹脂重量は、1時間当りの吐出量(kg/hr)で表すことができる。
円環ダイ手前での樹脂圧力は、押出機先端から円環ダイまでの流路において、ストレインゲージなどによって測定される圧力であって、特に本明細書においては、押出機先端フランジ、両サイドにフランジのある直管金型、円環ダイと順に接続した直管金型部に取り付けた、ストレインゲージにて測定される値を言う。
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物は、メルトフローレート0.2〜5g/10minのポリプロピレン系樹脂100重量部、熱可塑性エラストマー10〜300重量部及び気泡核剤を、必須成分として含有する。
ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂としては、メルトフローレートが0.2〜5g/10min程度であれば、特に限定されない。具体的には、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体又はブロック共重合体の何れであってもよいが、耐熱性に優れていることから、ブロック共重合体が好ましい。
プロピレンと共重合する他のオレフィンとしては、例えば、エチレンの他に、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数が4〜10であるα−オレフィンが挙げられる。
これらの内、発泡性や耐熱性が優れるホモポリプロピレンや、ブロック共重合体ポリプロピレンが好ましく、さらに耐熱性に優れるホモポリプロピレンがより好ましい。
また、本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂としては、発泡性に優れることから、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。高溶融張力ポリプロピレン系樹脂としては、電子線架橋などにより分子構造中に自由末端長鎖分岐を有している高溶融張力ポリプロピレン(HMS−PP)や、高分子量成分を含むことで溶融張力を上げたもの等がある。この高溶融張力ポリプロピレンとしては、市販品を使用でき、市販品の具体例としては、日本ポリプロ社製の商品名ニューストレンSH9000や、Borealis社製の商品名「DaployWB135HMS」などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を適宜組み合わせ混合して用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は低いと、押出機の負荷が大きくなって生産性が低下し、又は、発泡剤を含む溶融したポリプロピレン系樹脂組成物が金型内を円滑に流れることができなくなって、得られるポリプロピレン系樹脂発泡体の表面にムラが発生して外観が低下する一方、高いと、金型円環ダイ手前での樹脂圧力が低下し、円環ダイ気泡生成部における樹脂圧力も低下することから、気泡生成部手前で気泡が生成してしまい発泡体成形部で破泡が急激に生じることにより発泡性が低下し、得られる発泡体の外観が低下もしくは、発泡体が得られなくなるので、0.2〜5g/10min程度に限定され、0.2〜4g/10min程度が好ましく、0.3〜3.5g/10min程度がより好ましい。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、JIS K7210:1999のB法に準拠して、試験温度230℃、試験荷重21.18Nにて測定されたものをいう。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、ポリプロピレン系樹脂を一種単独で用いた場合には、その樹脂のメルトフローレートを上記方法で測定されたものをいう。
また、ポリプロピレン系樹脂二種以上を混合して用いた場合には、それぞれ個々のポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートを上記測定方法で測定し、それぞれのメルトフローレートの値から、下記の様にして、算出したものをいう。
即ち、ポリプロピレン系樹脂が、n種類のポリプロピレン系樹脂の混合物であるとした場合、ポリプロピレン系樹脂1のメルトフローレートをMFR、ポリプロピレン系樹脂2のメルトフローレートをMFR、・・・ポリプロピレン系樹脂nのメルトフローレートをMFRとすると共に、ポリプロピレン系樹脂1の含有量をC1、ポリプロピレン系樹脂2の含有量をC2・・・ポリプロピレン系樹脂nの含有量をCnとする。なお、ポリプロピレン系樹脂nの含有量は、ポリプロピレン系樹脂nの重量をポリプロピレン系樹脂全体の重量で除したものとする。そして、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、下記式によって算出される。
メルトフローレート(g/10min)=(MFRC1×(MFRC2×・・・×(MFRCn
熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するもので、常温でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性樹脂と同様に可塑化され成形できるという性質を有する。一般的には、ハードセグメントがポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂であり、ソフトセグメントがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのゴム成分または非結晶性ポリエチレンである。
熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーの重合を多段階で行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機などの混練機を用いてハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機などの混練機を用いてハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させる際に架橋剤を加えることによって、ポリオレフィン系樹脂マトリックス中に、ゴム成分を完全架橋又は部分架橋させミクロ分散させて得られる、動的架橋されたエラストマーが挙げられる。
本発明では、上記熱可塑性エラストマーの内、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造された非架橋エラストマーを用いることが、製造された製品のリサイクル性を考慮すると特に好ましい。
非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーを構成するジエン成分としては、例えばエチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
ここで、非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーは一種或いは二種以上を混合して用いられてもよく、このような非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーを使用することにより、通常のポリプロピレン系樹脂を押出発泡成形する場合と同様の押出機での製造が容易に可能となり、更に発泡成形品をリサイクルし再び押出機へ供給して同じ発泡成形をする場合でも、架橋エラストマーを用いた時に問題となる架橋ゴムによる発泡不良等が抑えられる。
熱可塑性エラストマーの硬度は、JIS K6253で規定されるデュロA硬度で90以下であることが、優れた柔軟性を有するポリプロピレン系樹脂発泡体が得られる点から好ましい。デュロA硬度は、80〜20程度であることがより好ましい。
熱可塑性エラストマーの含有量は、少ないと、得られるポリプロピレン系樹脂発泡体の緩衝性や柔軟性が乏しくなる一方、多いと、熱可塑性樹脂組成物のゴム弾性が強くなりすぎて発泡性が低下したり、得られたポリプロピレン系樹脂発泡体の収縮が大きくなるために、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して10〜300重量部程度に限定され、20〜150重量部程度が好ましく、30〜100重量部程度がより好ましく、40〜70重量部程度が特に好ましい。
気泡核剤
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物には、気泡核剤が含まれる。気泡核剤は熱可塑性樹脂組成物が気泡を形成する際に気泡核の生成を促すものであり、気泡の微細化と均一性に効果を示す。気泡核剤としては、例えばタルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズなどの無機化合物;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などの有機化合物、窒素などの不活性ガスなどが挙げられるが、その中でも気泡微細化に効果の高いポリテトラフルオロエチレンが最も良い。また、ポリテトラフルオロエチレンは分散させた際にフィブリル状になることで樹脂の溶融張力が上がるようになるものが特に好ましい。
気泡核剤の量は、少ないと得られるポリプロピレン系樹脂発泡体の気泡数を増加させることが困難となり、得られるポリプロピレン系樹脂発泡体の表面平滑性が低下することがある。一方、多いと二次凝集を起こしやすくなり押出発泡不良による発泡体の表面平滑性が低下することがあるので、配合樹脂組成物100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜6重量部であることがより好ましい。また、気泡核剤にポリテトラフルオロエチレンを用いることで通気性や透湿性等の物性に特徴を有する発泡体を得ることができる。
本発明で使用される気泡核剤は、そのものの形態で配合樹脂組成物と混合し熱可塑性樹脂組成物として、又は個別に押出機内へ供給しても良く、更にマスターバッチとして配合樹脂組成物と混合し熱可塑性樹脂組成物として、又は個別に押出機内へ供給しても良い。
マスターバッチの基材樹脂としては、配合樹脂組成物に対する相溶性に優れるものであれば、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を好適に使用することができる。
添加剤
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物には、ポリプロピレン系樹脂、熱可塑性エラストマー及び気泡核剤以外に、任意成分として、発泡成形に通常用いられる各種添加剤を配合することができる。該添加剤としては、例えば、耐候性安定剤、光安定剤、顔料、染料、難燃剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、界面活性剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤等が挙げられる。これらの内、界面活性剤は、すべり性及びアンチブロッキング性を付与するものである。また、分散剤は、無機充填剤の分散性を向上させるもので、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
添加剤の添加量は、気泡の形成、得られる発泡体の物性等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の熱可塑性樹脂の成形に用いられる添加量を採用できる。
前記気泡核剤及び上記添加剤は、取扱いの容易性や粉体飛散による製造環境汚染の防止のため、又熱可塑性樹脂中への分散性を向上させるため、マスターバッチとして、使用することもできる。
マスターバッチは、通常、熱可塑性の基材樹脂に、添加剤等を高濃度で練り込み、ペレット状とすることにより、行うことができる。基材樹脂としては、配合樹脂組成物に対する相溶性に優れるものであれば、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を好適に使用することができる。
発泡剤
発泡剤は、熱可塑性樹脂組成物を発泡させるために、押出機内に圧入させて供給されるものであり、本発明においては、二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は、超臨界状態、亜臨界状態、又は液化された二酸化炭素を用いることで、従来の発泡体以上に微細な気泡を形成させることが出来、得られる発泡体の表面平滑性や柔軟性を向上させることが出来る。 押出機内に圧入される発泡剤の量は、ポリプロピレン系樹脂発泡体の発泡倍率に応じて適宜、調整されればよいが、少ないと、ポリプロピレン系樹脂発泡体の発泡倍率が低くなり、軽量性及び断熱性が低下することがある一方、多いと、金型内において発泡を生じ、破泡を生じたり、或いは、ポリプロピレン系樹脂発泡体中に大きな空隙が生じることがあるので、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して1〜10重量部程度であるのが好ましく、2〜8重量部程度であるのがより好ましく、3〜6重量部程度であるのが特に好ましい。
押出機、金型及び樹脂の吐出速度
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法において、押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、およびタンデム型押出機のいずれの押出機をも用いることができる。本発明では、これらの内、押出条件を調整しやすいことから、タンデム型押出機が好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法において用いられる金型は、図1及び既述のとおり、樹脂流路3の絞り31により形成された気泡生成部2と、生成した気泡の成長及び発泡体表面の平滑化を行う発泡体成形部1とを有している円環ダイDである。本発明によるポリプロピレン系樹脂発泡体は、従来よりも微細な気泡を有しているため、従来の円環ダイを用いて発泡させた場合、発泡体表面には多数のコルゲートが発生し、得られる発泡体の表面平滑性が悪くなる。しかしながら、発泡体形成部の有する円環ダイは、発泡体成形部における適度なすべり抵抗によって、気泡生成部でのコルゲートの発生を抑制でき、表面平滑な発泡体を得ることができる。ここで言うコルゲートとは、円環ダイから出た発泡体が体積膨張による円周方向の線膨張分を吸収するために波打ちしてできる、多数の山谷状のヒダのことである。
本発明の製造方法では、気泡生成部での樹脂の吐出速度Vは、50〜300kg/cm・hrかつ、円環ダイ手前での樹脂圧力が7MPa以上とする。
吐出速度Vは70〜250kg/cm・hr程度であることが好ましく、100〜200cm・hr程度であることがより好ましい。かつ円環ダイ手前での樹脂圧力は7MPa以上であり、8MPa以上20MPa以下であることがより好ましい。上記条件による押出発泡で、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を向上させることができることに加え、気泡を微細化することができるとともに気泡膜の強度がより高まる。これら条件により、得られた発泡体は二次加工する場合の加工性が向上し、例えばスライス加工して得られるシート状の発泡体は、表面平滑性に優れたものが得られる。吐出速度Vが50kg/cm・hr程度より小さい場合、気泡の微細化や高発泡倍率の発泡体を得ることが困難となる。一方で300kg/cm・hr程度より大きい場合、金型気泡生成部で樹脂が発熱して気泡破れをきたし、発泡倍率が低下しやすくなることに加え、皺状のコルゲートが発生しやすくなり気泡径が不均一となって発泡体の表面平滑性が低下するため好ましくない。吐出速度Vは、円環ダイ気泡生成部の断面積、押出吐出量により適宜調節される。
気泡生成部の断面積の調整方法としては、金型の気泡生成部の長さ(フラット金型の場合)や口径(円環ダイの場合)を変える方法と、金型の気泡生成部の間隔(フラット金型又は円環ダイの場合)を変える方法との2通りの方法が挙げられる。
円環ダイ手前での樹脂圧力は、7MPaよりも低いと円環ダイ気泡生成部より手前で気泡生成が始まり、良好な発泡体が得られなくなるため好ましくない。また、20MPaより高くなると、押出機の負荷が高くなりすぎたり、発泡剤の注入圧力が高くなりすぎて圧入出来なくなる恐れがあるため、好ましくない。
円環ダイ手前での樹脂圧力は、溶融樹脂粘度と押出吐出量、円環ダイ気泡生成部断面積によって適宜調節される。更に溶融樹脂粘度は配合樹脂組成物の粘度と発泡剤の添加量、及び溶融樹脂温度によって適宜調節される。なお、本明細書での溶融樹脂温度とは、円環ダイ手前での樹脂圧力を測定する直管金型において、溶融樹脂に直接接触させる形で取り付けられた熱電対にて測定された温度を言う。
本発明における樹脂温度は、概ねポリプロピレン系樹脂の融点より10℃〜20℃の範囲とすることが、発泡性を高める上で好ましい。樹脂温度が融点に近づくと、ポリプロピレンの結晶化が始まり、急激に粘度が上昇し押出条件が不安定になったり、押出機の負荷が上昇したりするので好ましくない。逆に高すぎると発泡後の樹脂固化が発泡スピードに追い着かず、破泡をきたして発泡倍率が上がらないなどの問題が出るので好ましくない。
ポリプロピレン系樹脂発泡体
本発明方法により得られたポリプロピレン系樹脂発泡体の平均気泡径は、小さいと、破泡が多くなり、ポリプロピレン系樹脂発泡体の見かけ密度が大きくなることがある一方、大きいと、ポリプロピレン系樹脂発泡体の通気性、透湿性及び柔軟性等の物性が低下することがあるので、0.02〜0.2mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.18mm程度であるのがより好ましく、0.07〜0.15mm程度であるのが特に好ましい。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂発泡体の平均気泡径は、ASTEM D2842−69の試験方法に準拠して、下記の様にして、測定されたものをいう。
具体的には、発泡シートをMD方向(押出方向)及びTD方向(押出方向に直交する方向)に沿って切断し、それぞれの切断面の中央部を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−3000N)で拡大して撮影した。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、画像上に長さ60mmの直線を一本、描く。なお、MD方向に切断した切断面についてはMD方向に平行に、TD方向に切断した切断面についてはTD方向に平行に、VD方向(厚み方向)はMD方向及びTD方向に対して垂直(シートに対して垂直)に直線を描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度となる様に、上記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整した。
上記直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出し、この平均弦長を各方向(MD方向、TD方向及びVD方向)の平均気泡径とした。
平均弦長 t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。又、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
そして、得られたMD方向の気泡径(DMD)とTD方向の気泡径(DTD)とVD方向の気泡径(DVD)の相加平均値をポリプロピレン系樹脂発泡体の平均気泡径とする。
平均気泡径(mm)=(DMD+DTD+DVD)/3
また、ポリプロピレン系樹脂発泡体の見かけ密度は、小さいと、ポリプロピレン系樹脂発泡体の機械的強度が低下することがある一方、大きいと、ポリプロピレン系樹脂発泡体のクッション性又は柔軟性が低下することがあるので、30〜100kg/m程度の範囲内であるのが好ましく、30〜90kg/m程度の範囲内であるのがより好ましく、35〜70kg/m程度の範囲内であるのが特に好ましい。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂発泡体の見かけ密度はJIS K 7222−1999記載の方法に準拠した方法により測定される。具体的には、試料から10cm以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を試料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出する。
密度(kg/m)=試験片質量(g)/試験片体積(cm)×10
得られたポリプロピレン系樹脂発泡体は、表皮をスライス加工によって除去することが出来る。本発明で得られたポリプロピレン系樹脂発泡体はスライス加工性に優れており、発泡体の表皮を除去することで、折れ曲がった際でも折れ皺の発生が少ないなど、さらに通気性、透湿性、柔軟性及び緩衝性等に優れた物性を付与できる。スライス加工機としては、刃物が回転するタイプのものなどの公知のものを使用できる。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂発泡体の透気抵抗度はJIS P8117−1998記載の方法に準拠した方法により測定される。具体的には、液面に浮かぶ内筒の垂直方向の重さによって空気を圧縮し、この空気が試験片を透過し、内筒は徐々に下降し、一定体積の空気が透過するのに要した時間を測定する。測定装置としては、東洋精機製作所より市販されているガーレー試験機B型を用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂発泡体の透気抵抗度は、小さいと、気泡径が粗く、柔軟性などの物性が劣ってしまうことや、水蒸気だけでなく水そのものを通してしまう可能性がある。また、気泡が粗いため、微粉末などが漏れる可能性があるので、透気抵抗度は、1秒以上が好ましく、2秒以上がより好ましく、3秒以上が特に好ましい。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂発泡体の透湿度はJIS Z0208記載の方法に準拠した方法により測定される。具体的には一定時間に単位面積Φ70mmの試験片を透過する水蒸気の量をいい、温度40℃において試験片を境界面とし、一方の側の空気を相対湿度90%、他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき、24時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量(g)を、その材料の1m当たりに換算した値をその材料の透湿度と定める。試験装置としては、例えば透湿カップ(JIS規格品Φ60mm)を用いて、恒温恒湿器としてはISUZU製作所より市販されている低温恒温恒湿器HPAV−120−20を用いることができる。透湿度は下記の式より算出する。
ポリプロピレン系樹脂発泡体の透湿度は、小さいと、水蒸気だけを蒸発させたい際に、水を通さないだけでなく、水蒸気の移動まで制約してしまい、水分の移動を伴う条件下での使用に不向きになることがあるため、透湿度は、1000g/m・24hr以上であることが好ましく、2000g/m・24hr以上であることがより好ましく、2500g/m・24hr以上が特に好ましい。
透湿度(g/m・24h)
=24×増加質量(g)/(時間間隔(hr)×透湿面積2.827×10−3(m))
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、各例において、部及び%は、原則として、重量基準である。
実施例1
口径が65mmの第一押出機の先端に、口径が75mmの第二押出機を接続してなるタンデム型押出機を用意した。
このタンデム型押出機の第一押出機に、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製 ニューストレンSH9000 MFR:0.3g/10min)100重量部に、非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである熱可塑性エラストマー(三菱化学社製 サーモランZ101N MFR:14g/10min)を67重量部加えた配合樹脂組成物100重量部に、気泡核剤としてポリテトラフルオロエチレンを20重量%含有したマスターバッチ(三菱レイヨン社製 MZX−4)1.7重量部を混合させた熱可塑性樹脂組成物を第一押出機に供給して溶融混練した。第一押出機の途中から発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物と二酸化炭素を均一に混合混練した上で、この発泡剤を含む溶融樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。その後、第二押出機の先端に取り付けた金型の気泡生成部口径φ35mm、金型の気泡生成部間隔0.25mm(気泡生成部の断面積:0.275cm)、発泡体成形部の間隔3.4mm、発泡体成形部の出口口径φ70の円環ダイから吐出量27kg/hr(吐出速度V=98kg/cm・hr)、樹脂温度176℃、円環ダイ手前での樹脂圧力10.5MPaの条件で押出発泡させ、円環ダイの発泡体成形部において成形された円筒状の発泡体を冷却されているマンドレル上に添わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却成形し、マンドレル上の一点で、カッターにより円筒状の発泡体を切開して、シート状のポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製「AB−320D」)によりスライス加工して表皮を除去して、厚み1.0mmの両面がスライス面とされたシート状発泡体を得た。
実施例2
気泡核剤の添加量を9重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂温度176℃、円環ダイ手前での樹脂圧力10.8MPaの条件で押出発泡させ、シート状のポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製「AB−320D」)によりスライス加工して表皮を除去して、厚み1.0mmの両面がスライス面とされたシート状発泡体を得た。
実施例3
熱可塑性エラストマーを非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーであるJSR社製エクセリンク3300B(MFR:0.9g/10min)に変更し、超臨界状態の二酸化炭素を4.8重量部圧入した以外は実施例1と同様にして、樹脂温度174℃、円環ダイ手前樹脂圧力11.8MPaの条件で押出発泡させ、ポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製「AB−320D」)によりスライス加工して表皮を除去して、厚み1.0mmの両面がスライス面とされたシート状発泡体を得た。
実施例4
気泡核剤の添加量を9重量部に変更した以外は実施例3と同様にして、樹脂温度175℃、円環ダイ手前樹脂圧力12.1MPaの条件で押出発泡させ、ポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製「AB−320D」)によりスライス加工して表皮を除去して、厚み1.0mmの両面がスライス面とされたシート状発泡体を得た。
比較例1
実施例2と同様の方法で得られたポリプロピレン系樹脂発泡体であり、表皮を除去するスライス加工を行なっていないポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。
比較例2
気泡核剤の添加量を無しにした以外は実施例3と同様にして、樹脂温度174℃、円環ダイ手前樹脂圧力14.0MPaの条件で押出発泡させ、ポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は表皮を除去するスライス加工は行なっていない。
比較例3
気泡核剤を重曹−クエン酸のマスターバッチ(大日精化社製 ファインセルマスターPO410K)に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂温度176℃、円環ダイ手前での樹脂圧力10.8MPaの条件で押出発泡させ、シート状のポリプロピレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製「AB−320D」)によりスライス加工して表皮を除去して、厚み1.0mmの両面がスライス面とされたシート状発泡体を得た。
物性試験
各実施例及び比較例で得られた各発泡体に付いて、気泡径、引張試験及び密度の試験を行い、気泡核剤の添加量を無しにした場合で得られたシートとの比較を行なった。比較結果を下記に示す。
表1に、各実施例、比較例の各発泡体について、樹脂の吐出速度、密度、シート厚み、透湿度及び透気抵抗度等の結果を示す。
Figure 2011074127
本実施例は、気泡径、発泡体密度、シート厚みが良好で表面美麗で透湿性及び透気性に特徴を有するポリプロピレン系樹脂発泡体が得られている。また本実施例では表に示されるように、透湿度が1000g/m・24hr以上であり且つ透気抵抗度(ガーレー透気抵抗度)が1(秒/100ml)以上であることが好ましいことを示しており、また透湿度も表に示されるように、1000g/m・24hr以上であることを示しており、2500(g/m・24h)が好ましいことを示している。比較例1では表面美麗な発泡体が得られているが、気泡断面が露出していないため、透気抵抗度が大きく、透湿度は小さい結果となった。気泡核剤の添加を無しにした比較例2では、発泡性が劣り、良好なポリプロピレン系樹脂発泡体は得られていない。そのため、比較例2で得られた発泡体ではスライス加工して表皮を除去したシートは得られなかった。化学発泡剤を用いた比較例3では、平均気泡径が大きく、透気抵抗がほとんど無く、空気が通過する状態であり、良好な発泡体を得られるに至らなかった。
本発明は優れた透湿性及び通気性を有しており、且つ気泡が微細であることを特徴とする。これらの性質は高温又は乾燥条件下等で使用するなど水分の移動を伴う条件下での使用や、さらに微細気泡を有するため、微粉末等が漏れる等の改善にもつながり、様々な用途に好適に使用することができる。また、気泡核剤の添加量が少量であっても優れた物性を有する発泡体が得られるため、製造費用の抑制にもつながる製造方法である。
1:発泡体成形部
2:気泡生成部
3:発泡剤含有混練溶融樹脂流路部
4:円環ダイイン側金型
5:円環ダイアウト側金型

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂発泡体の両面に気泡断面を露出させた状態で測定される透湿度が1000g/m・24hr以上であり且つ、ガーレー透気抵抗度が1秒/100ml以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体。
  2. 上記ポリプロピレン系樹脂発泡体に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーを混合して得られた請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
  3. 上記ポリプロピレン系樹脂発泡体の平均気泡径が、0.02〜0.2mmであり且つ、見掛け密度が30〜100kg/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
  4. 気泡核剤にポリテトラフルオロエチレンを用いた請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
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