JP2011071485A - リアクトル及びリアクトル用部品 - Google Patents

リアクトル及びリアクトル用部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2011071485A
JP2011071485A JP2010159158A JP2010159158A JP2011071485A JP 2011071485 A JP2011071485 A JP 2011071485A JP 2010159158 A JP2010159158 A JP 2010159158A JP 2010159158 A JP2010159158 A JP 2010159158A JP 2011071485 A JP2011071485 A JP 2011071485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
core
resin
reactor
inner core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010159158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011071485A5 (ja
JP5459120B2 (ja
Inventor
Kohei Yoshikawa
浩平 吉川
Masayuki Kato
雅幸 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2010159158A priority Critical patent/JP5459120B2/ja
Priority to CN201080034098.2A priority patent/CN102473510B/zh
Priority to US13/387,960 priority patent/US8730001B2/en
Priority to PCT/JP2010/062507 priority patent/WO2011013607A1/ja
Priority to EP10804353.0A priority patent/EP2461336A4/en
Publication of JP2011071485A publication Critical patent/JP2011071485A/ja
Publication of JP2011071485A5 publication Critical patent/JP2011071485A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5459120B2 publication Critical patent/JP5459120B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F37/00Fixed inductances not covered by group H01F17/00
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/30Fastening or clamping coils, windings, or parts thereof together; Fastening or mounting coils or windings on core, casing, or other support
    • H01F27/306Fastening or mounting coils or windings on core, casing or other support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/32Insulating of coils, windings, or parts thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)

Abstract

【課題】コイルと内側コア部との間に介在される樹脂部にクラックが生じることを抑制できるリアクトルとリアクトル用部品を提供する。
【解決手段】巻線を螺旋状に巻回してなるコイル10と、コイルの内側に配されて閉磁路の一部を構成する内側コア部22、内側コア部22に結合されて閉磁路の残部を構成する連結コア部24を有するコアとを備えるリアクトルである。このリアクトル1は、コイル10と内側コア部22との間に介在される領域を有する樹脂部(内側樹脂部30)と、樹脂部と内側コア部22との間に介在され、かつ連結コア部24は覆わない緩衝部材70とを備える。この緩衝部材70の構成材料は、樹脂部の構成樹脂よりもヤング率が小さいことが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、リアクトルとリアクトル用部品に関するものである。特に、コイルが樹脂部で成形されたリアクトルであって、ヒートサイクルを受けてもコアとコイルの間に介在される樹脂部にクラックが生じ難いリアクトルに関するものである。
電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載されるリアクトルは、コアと、コアに巻回されたコイルとを備える。通常、このコイルは、一対のコイル素子を並列状態で連結した構成とされ、コアは各コイル素子に嵌め込まれる環状に構成されている。
より具体的には、特許文献1には、コアのうちコイルが巻回された部分(内側コア部)よりもコイルが巻回されていない部分(連結コア部)を上下・左右に突出させたリアクトルが開示されている。この構成により、コアとコイルとの組立体をほぼ四角いブロック状とすることで、リアクトルの小型化を図っている。
一方、特許文献2には、コアとコイルの組立体を樹脂で覆い、組立体の機械的保護を図ったリアクトルが開示されている。
特開2004−327569号公報(図1) 特開2007−180224号公報(図7)
通常、リアクトルに組み付ける前のコイルは、そのままであると伸縮するため、形状が不安定で取り扱い難い。特に、コイルのスプリングバックにより、隣接するターン間に比較的大きな隙間があいているコイルでは、そのまま利用するとコイルの軸方向の長さが大きくなるため、リアクトルが大型化する。
これらの問題に対して、コイルを樹脂で覆う構成を検討した。この構成により、リアクトルの組立時、コイルが伸縮せず取り扱い易いため、リアクトルの生産性を向上できる。
しかし、樹脂部で成形されたコイルを用いたリアクトルでは、ヒートサイクルに伴って樹脂部の特定箇所にクラックが生じると言う問題があることが判明した。リアクトルなどの自動車部品では、その使用環境や動作温度を考慮した場合、例えば、-40〜150℃程度の範囲で使用可能なことが望まれる。樹脂部で成形されたコイルを用いたリアクトルについて、このような温度域でのヒートサイクル試験を行った場合、コイルと内側コア部との間に介在される樹脂部にクラックが生じやすいことが判明した。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイルと内側コア部との間に介在される樹脂部にクラックが生じることを抑制できるリアクトルを提供することにある。
本発明者らは、コイルを樹脂部で成形して、コイルの形状を樹脂部で保持することにより、コイルを伸縮しない部材として取り扱うことを検討した。その際、リアクトルの使用環境を想定した最低温度(例えば、約-40℃)と、コイルを励磁した際の最高温度(例えば、約150℃)との間でヒートサイクル試験を行って、樹脂部にクラックが生じるか否かを調べた。その結果、リアクトルを昇温した場合には特に問題はないが、降温した場合に次の現象が起こることが判明した。
(1)内側コア部とコイルとの間に介在される樹脂部(以下、内側コア部とコイルとの間の領域を介在領域、介在領域内の樹脂部を介在樹脂部という)にクラックが生じる。
(2)内側コア部がない状態でコイルのみを樹脂部で成形して、その成形品のみにヒートサイクル試験を行った場合、成形品におけるコイル内周側の樹脂部にはクラックが生じない。
さらに、その原因について考察したところ、内側コア部の線膨張係数が樹脂部の線膨張係数よりも小さく、リアクトルの降温時、樹脂部の収縮が内側コア部の存在により阻害されるため、介在樹脂部に無理な応力が作用し、クラックの発生に至るものと推察された。本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、リアクトルの降温時、介在樹脂部に作用する応力を緩和する緩衝部材を用いることで上記の目的を達成する。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、コイルの内側に配されて閉磁路の一部を構成する内側コア部、及び内側コア部に結合されて閉磁路の残部を構成する連結コア部を有するコアとを備えるリアクトルである。このリアクトルは、前記コイルと前記内側コア部との間に介在される領域(介在領域)を有する樹脂部と、この領域の樹脂部(介在樹脂部)と前記内側コア部との間に介在されて、前記領域の樹脂部に作用する応力を緩和する緩衝部材とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、介在樹脂部と内側コア部との間に緩衝部材を設けることで、リアクトルの降温時に介在樹脂部の収縮が内側コア部により阻害されることが緩和される。そのため、介在樹脂部にクラックが生じることを効果的に防止できる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記緩衝部材の構成材料は、前記樹脂部の構成樹脂よりもヤング率が小さいことが好ましい。
この構成によれば、緩衝部材に対して、介在樹脂部に過大な応力が作用することを防止するクッションとしての機能を確実に持たせることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記樹脂部は、コイルとコアの組立体の少なくとも一部を覆う外側樹脂部であるものが挙げられる。
この構成によれば、外側樹脂部の一部が介在樹脂部を形成する場合、緩衝部材の存在により、その介在樹脂部にクラックが生じることを抑制できる。また、外側樹脂部でコイルとコアの組立体を覆うことで、金属製のケースを用いることなく、組立体を機械的・電気的に十分保護されたリアクトルとすることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記樹脂部は、コイルの形状を保持する内側樹脂部であるものが挙げられる。
この構成によれば、内側樹脂部によりコイルの形状を保持することで、コイルを伸縮しない安定した形状の部材として取り扱うことができる。特に、内側樹脂部により、コイル、内側コア部、及び緩衝部材を一体化することで、これら部材を一纏めの部材として取り扱うことができ、リアクトルの組立作業性を改善できる。なお、この内側樹脂部で成形したコイルとコアとを組み合わせたものを外側樹脂部で覆ってもよい。
本発明のリアクトルの一形態として、前記樹脂部の構成樹脂がエポキシ樹脂であるものが挙げられる。
この構成によれば、比較的剛性が高く、熱伝導性にも優れたエポキシ樹脂を樹脂部の構成樹脂とすることで、コイルやコアがエポキシ樹脂で十分に保護され、かつ良好な放熱性も備えたリアクトルを構築できる。また、エポキシ樹脂は絶縁性にも優れるため、このエポキシ樹脂でコイルを成形すれば、コイルとコアとの絶縁性も高い信頼性をもって確保できる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記緩衝部材が、熱収縮チューブ、常温収縮チューブ、モールド層、コーティング層、及びテープ巻き層の少なくとも一種であるものが挙げられる。
緩衝部材が熱収縮チューブであれば、内側コア部の外周面に沿った状態で確実に同外周面を覆うことができ、かつ緩衝部材が内側コア部から剥離することも抑制できる。緩衝部材が常温収縮チューブであれば、チューブの加熱作業を要することなく、常温収縮チューブを内側コア部の外周にはめ込むだけで内側コア部を緩衝部材で覆うことができる。緩衝部材がモールド層であれば、内側コア部の外周面をモールドすることで、厚みの均一性に優れた緩衝部材を容易に形成することができる。特に、モールド層であれば、熱収縮や常温収縮する特性に乏しい樹脂であっても緩衝部材の構成樹脂とでき、広い選択肢から緩衝部材の構成樹脂を選択できる。緩衝部材がコーティング層であれば、緩衝部材の構成材料を内側コア部の外周に塗布するなどの簡易な作業にて、内側コア部を緩衝部材で覆うことができる。緩衝部材がテープ巻き層であれば、テープ材を内側コア部の外周に巻回することで、容易に内側コア部の外周を緩衝部材で覆うことができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記コイルは単一のコイル素子からなり、前記内側コア部は、前記コイル素子に挿入される棒状コア材で、前記連結コア部は、前記内側コア部の端部に連結してコイル素子の外側に配される外側コア材であるものが挙げられる。
この構成によれば、コイルの実質的に全周を連結コアで覆ういわゆるポット型コアのリアクトルや断面がE-E型コアのリアクトル、断面がE-I型コアのリアクトル、或いは断面がT-U型コアのリアクトル等とすることで、小型のリアクトルを実現することができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記コイルは、並列状態に連結された一対のコイル素子からなり、前記内側コア部は、各コイル素子に挿入される一対の中間コア材で、前記連結コア部は、両中間コア材をつないで環状のコアを形成するように各内側コア部の端部に配される一対の端部コア材であるものが挙げられる。
この構成によれば、環状のコアを利用し、一対のコイル素子が並列された構成(以下、この形態のリアクトルをトロイダル形態ということがある)とすることで、十分なターン数のコイルを有しながら小型のリアクトルを構成することができる。
本発明のトロイダル形態のリアクトルの一形態として、さらに前記コイルとコアとの組立体の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を備えるものが挙げられる。その場合、前記端部コア材のうち、前記コイルの端面に対向する内端面と、この内端面につながる隣接面とが形成する稜線に切欠角部を備える。
この構成によれば、端部コア材のうち、コイルの端面に対向する内端面と、この内端面につながる隣接面とが形成する稜線に切欠角部を設けることで、切欠角部を介してコアとコイルとの間に外側樹脂部の構成樹脂を案内することができる。そのため、この構成樹脂の充填性を向上させることができ、コアとコイルとの間に空孔が生じることを可及的に抑制できる。また、切欠角部は、リアクトル組立時などに、連結コア部の損傷や連結コア部と組み合わせる他の部材の損傷を抑制することもできる。連結コア部の搬送時、マニピュレータなどで連結コア部をハンドリングしたり、連結コア部が他の部材に接触することがある。その際、連結コア部に切欠角部を設けておくことで、その角部の欠け等を抑制することができる。さらに、切欠角部により、前記稜線がエッジ状になっていないため、連結コア部がコイルに接触しても、コイルの絶縁被覆を損傷させることを防止し易い。
本発明のリアクトルの一形態として、前記切欠角部は、前記稜線を丸めることで構成されてなるものが挙げられる。
この構成によれば、内端面と隣接面とが形成する稜線を丸めることで、内端面と隣接面とが形成する稜線に沿った形状で、かつ外側樹脂部の構成樹脂が回り込み易い形状の切欠角部を形成できる。そのため、この切欠角部からコアとコイルとの間に前記構成樹脂を容易に導入できる。また、切欠角部が稜線を丸めた構成とされることで、上述したリアクトル組立時の連結コア部の損傷を一層抑制し易い。
本発明のリアクトルの一形態として、前記端部コア材におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方が、前記内側コア部におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方よりも突出しているものが挙げられる。
この構成によれば、端部コア材の特定面(通常、上下面)を内側コア部よりも特定面と直交方向に突出させること(このようなコアを3Dコアという)で、端部コア材におけるコイル軸方向の長さ(端部コア材の厚さ)を小さくでき、リアクトルを平面視した場合の投影面積を小さくすることができる。また、この端部コア材の特定面の突出により、内端面のうち、コイルの端面と対向する領域が広くなり、コイル端面側におけるコアとコイルとの隙間が封鎖されることになる。結果として、コアとコイルとの間に前記構成樹脂を充填することがより困難になる。そのため、3Dコアの場合、内端面と隣接面とが形成する稜線に切欠角部を形成することは、円滑な構成樹脂の充填を行う上で、特に効果的である。
本発明のリアクトルの一形態として、前記端部コア材の隣接面は、前記内端面に隣接する側面であるものが挙げられる。
この構成によれば、端部コア材の側面とコイル端面との間から構成樹脂を充填し易くできる上、切欠角部の形成により、コイルを励磁した際にコア内に形成される磁路面積が減少されることも可及的に回避できる。特に、圧粉成形体で端部コア材を構成する場合、内端面と側面とが形成する稜線に沿った方向を、金型から端部コア材を抜き出す方向に対応させることができ、この稜線に切欠角部が形成されていれば、稜線が鋭角にならず、端部コア材を金型から容易に抜くことができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記端部コア材の隣接面は、前記内端面に隣接する上面で、前記切欠角部は、コイルの端面のうち、各コイル素子の巻線が隣合わせに並列配置される箇所に対向して形成されているものが挙げられる。
この構成によれば、端部コア材の上面とコイル端面との間から構成樹脂を充填し易くできる上、切欠角部の形成により、コイルを励磁した際にコア内に形成される磁路面積が減少されることも可及的に回避できる。特に、端部コア材の特定面(通常、上下面)が内側コア部の特定面と面一となったコア(このコアを平坦コアという)であっても、切欠角部が、コイルの端面のうち、各コイル素子の巻線が隣合わせに並列配置される箇所に対向して形成されているため、コイル素子間に構成樹脂を容易に充填することができる。
本発明のリアクトルの一形態として、さらに、前記コイルの形状を保持する内側樹脂部を備え、前記外側樹脂部は、前記コアと内側樹脂部を備えるコイルとの組立体の少なくとも一部を覆っているものが挙げられる。
この構成によれば、内側樹脂部がコイルの形状を保持することで、コイルを伸縮しない部材として取り扱うことができ、リアクトルの製造性を向上することができる。また、コイルやコアは、内側樹脂部と外側樹脂部で二重に覆われる箇所を有するため、機械的・電気的に十分に保護することもできる。そして、切欠角部の形成により、端部コア材の内端面と内側樹脂部のコイル端面側の表面との間に外側樹脂部の構成樹脂を確実に充填させることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記コイルの少なくとも一部を覆って、このコイルの形状を保持する内側樹脂部と、前記内側樹脂部を備えるコイルと前記コアとの組立体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部とを備えるものが挙げられる。その場合、前記内側樹脂部に一体に形成された位置決め部を備える。この位置決め部は、前記外側樹脂部を金型で形成するときに前記組立体を前記金型に対して位置決めするために用いられ、前記外側樹脂部に覆われていない。
この構成によれば、コイルが内側樹脂部に覆われて、その形状が当該内側樹脂部により保持されることで、リアクトルの組立時にコイルが伸縮しないことから、コイルを取り扱い易く、リアクトルの生産性に優れる。また、内側樹脂部によりコアとコイルとの間の絶縁性を高められる上に、内側樹脂部によりコイルを圧縮状態に保持することもできるため、筒状ボビンや枠状ボビン、中ケースを省略して、部品点数及び工程数の削減を図ることができる。この点からも、上記構成は、リアクトルの生産性に優れる。更に、上記構成によれば、内側樹脂部に一体に形成された位置決め部を備えており、この位置決め部を金型に嵌め込むだけで当該組立体を金型に容易に位置決めできる上に、当該所定の位置に配置した状態を確実に維持できる。従って、上記構成によれば、位置決めのための支持部材が別途不要であり、これらの配置工程が無く、この点からもリアクトルの生産性に優れる。また、上述した嵌め合わせにより、上記組立体を金型の所定の位置に配置した状態を確実に維持できることから、外側樹脂部を精度よく形成することができる。
かつ、上記構成によれば、内側樹脂部自体に位置決め部を備えることで、別途支持部材を用いた場合のようにコイルやコアが外側樹脂部により覆われない露出箇所(支持部材との接触箇所)が設けられることがない。即ち、上記構成によれば、コイルやコアは実質的に、内側樹脂部や外側樹脂部により覆われていることで、機械的な保護(強度など)、外部環境(腐食、粉塵など)からの保護を十分に図ることができる。また、位置決め部は、外側樹脂部に覆われず露出されるものの、内側樹脂部により形成されているため、仮に位置決め部の構成樹脂の内部にコイルの一部が存在したとしても内側樹脂部に覆われていることから、上記コイルの機械的保護や外部環境からの保護を図ることができる。
本発明のトロイダル形態のリアクトルの一形態として、前記コイルは、両コイル素子を連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記両コイル素子のターン形成面よりも突出して設けられており、前記位置決め部は、前記内側樹脂部において前記連結部を覆う箇所に形成されているものが挙げられる。
連結部がターン形成面よりも突出しており、内側樹脂部がこの形状に沿って設けられていると、この連結部を被覆する箇所(以下、連結部被覆部と呼ぶ)は、内側樹脂部における他の箇所よりも突出することになる。この連結部被覆部の少なくとも一部を位置決め部とすると、内側樹脂部の成形用金型において連結部被覆部を形成する凹部を、位置決め部を形成する凹部に兼用することができ、上記成形用金型に位置決め部用の凹部を別途設ける必要がない。また、連結部被覆部自体が位置決め部であることで、位置決め部となる突起などが別途存在しないため、リアクトルの外観も優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、前記コアが次の(1)〜(4)のいずれかの構成であるものが挙げられる。
(1)内側コア部及び連結コア部の双方が磁性粉末の成形体である
(2)内側コア部及び連結コア部の双方が磁性板の積層体である
(3)内側コア部は磁性板の積層体であり、連結コア部は磁性粉末の成形体である
(4)内側コア部は磁性粉末の成形体で、連結コア部は磁性粉末と樹脂との混合物の成形体である
内側コア部と連結コア部の双方が成形体であれば、複雑な三次元形状のコアを容易に形成できる。内側コア部と連結コア部の双方が積層体であれば、高透磁率で飽和磁束密度が高いコアを形成しやすく、かつ機械的強度の高いコアを容易に構成できる。内側コア部が積層体で、連結コア部が成形体であれば、内側コア部を積層体とすることで、飽和磁束密度が高いコアを構成しやすい。また、連結コア部を成形体とすることで、コア全体としてインダクタンスの調整を行いやすく、かつ凹凸のある三次元形状のコアを容易に形成できる。内側コア部が磁性粉末の成形体で、連結コア部が磁性粉末と樹脂との混合物の成形体であれば、内側コア部の周囲に前記混合物を充填し、その樹脂を硬化させることで、容易にポット型のリアクトル、断面がE-E型コアのリアクトル、断面がE-I型コアのリアクトル、或いは断面がT-U型コアのリアクトル等を構成することができる。
一方、本発明のリアクトル用部品は、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、コイルの内側以外に配されて閉磁路の一部を構成する連結コア部を有するコアとを備えるリアクトルに用いるリアクトル用部品である。この部品は、前記コイルの内側に配されて閉磁路の残部を構成する内側コア部と、この内側コア部の外周を覆う緩衝部材と、この緩衝部材で覆われた前記内側コア部を前記コイルと一体化すると共に、そのコイルの形状を保持する内側樹脂部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、緩衝部材の存在により、内側樹脂部の一部である介在樹脂部にクラックが生じることを抑制できる。また、内側樹脂部により、コイル、内側コア部、及び緩衝部材を一体化することで、これら部材を一纏めの部材として取り扱うことができ、リアクトルの組立作業性を改善できる。
本発明のリアクトル用部品の一形態として、前記緩衝部材の構成材料は、前記内側樹脂部の構成樹脂よりもヤング率が小さいものが挙げられる。
この構成によれば、緩衝部材に対して、介在樹脂部に過大な応力が作用することを防止するクッションとしての機能を確実に持たせることができる。
本発明のリアクトル及びリアクトル用部品によれば、コイルと内側コア部との介在領域の樹脂部に近接して緩衝部材を設けることで、ヒートサイクルに伴って介在樹脂部にクラックが生じることを抑制できる。
実施形態1に係るリアクトルの外観斜視図である。 図1のA-A矢視断面図である。 実施形態1に係るリアクトルの組立手順を示す説明図で、(A)は内側コア部に緩衝部材を装着する前の状態を示し、(B)は緩衝部材を内側コア部に装着後の状態を示す。 実施形態1に係るリアクトルの組立手順を示す説明図で、(A)は緩衝部材の装着された内側コア部とコイルとの組合せ状態を示し、(B)は(A)の内側コア部とコイルとを内側樹脂部で成形した状態を示す。 実施形態1のリアクトルの組立手順を示す説明図で、リアクトル用部品に連結コア部と端子金具を組み合わせる状態を示す。 実施形態1のリアクトルを構成する組立体の概略を示す側面図である。 実施形態1のリアクトルを構成する組立体を金型に収納した状態を示す概略断面図である。 変形例1-1に係るリアクトルを構成する組立体の分解斜視図である。 実施形態2に係るリアクトルの部分断面説明図である。 実施形態3に係るリアクトルを示し、(A)は概略斜視図、(B)は(A)図におけるB-B断面図である。 実施形態3に係るリアクトルの組立過程を示す説明図である。 変形例3-1に係るリアクトルを示し、(A)はコイルの軸方向に沿った水平面を切断面とする断面図、(B)はコイルの軸方向と直交する垂直面を切断面とする縦断面図、(C)は(B)図の部分拡大図である。 (A)は実施形態4に係るリアクトルに用いたコアの分解斜視図、(B)はそのコアを構成する連結コア部の平面図である。 実施形態4に係るリアクトルの底面図である。 実施形態5に係るリアクトルに用いるコアを示し、(A)は断面が矩形の切欠角部を有するコアの部分斜視図、(B)は断面が三角形の切欠角部を有するコアの部分斜視図、(C)は(A)、(B)図に示す連結コア部の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。各図において、同一部材又は対応する部材には同一符号を付している。
(実施形態1)
実施形態1に係る本発明のリアクトルを図1〜図7に基づいて説明する。本例のリアクトルはトロイダル形態のリアクトルである。
このリアクトル1は、コイル10と環状のコア20の一部とを内側樹脂部30で一体に成形したコイル成形体1M(図2、4(B)、5)と、コア20の残部との組立体が外側樹脂部40(図1、2)で覆われてなる。コア20は、コイル10の内側に嵌め込まれる内側コア部22(図2〜4)と、これら内側コア部22の端面同士を接合して、コイル10から露出される一対の端部コア材24Eとを備える。これら端部コア材24Eが連結コア部24(図2、5)を構成する。さらに、外側樹脂部40により端子金具50を一体に成形すると共にナット穴43も成形し、そのナット穴43に嵌め込まれたナット60及び端子金具50を用いて端子台を構成している(図1)。
このリアクトル1は、例えば、ハイブリッド自動車のDC‐DCコンバータの構成部品として用いられる。その場合、リアクトル1の平坦な下面を設置面(図2の下面)として、図示しない冷却ベース(固定対象)に直接設置して使用される。
このリアクトルの最も特徴とするところは、図2に示すように、コイル10と内側コア部22との間において、内側コア部22の外周面に緩衝部材70を設け、リアクトルがヒートサイクルを受けた場合でも、内側樹脂部30のうち、緩衝部材70とコイル10との間に介在される箇所(介在樹脂部31i)にクラックが生じないようにしたことにある。以下、リアクトル1及びその構成要素において、リアクトル1を冷却ベースに設置したときに設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
[コイル成形体]
図2、図4(B)に示すように、リアクトル1を構成するコイル成形体1Mは、コイル10と、コイル10の外周の大半を覆う内側樹脂部30と、後述する内側コア部22と、緩衝部材70とを備える。
《コイル》
コイル10は、巻線10wを螺旋状に巻回して形成した一対のコイル素子10A、10Bを備える(図4(A))。両コイル素子10A、10Bは、互いに同一巻数で、軸方向から見た形状がほぼ矩形のコイルで、その軸方向が平行になるように横並びに並列されている。また、これら両コイル10A、10Bは、接合部のない一本の巻線で構成されている。即ち、コイル10の一端側において、巻線10wの一方の端部10eと他方の端部10eが上方に引き出され、コイル10の他端側において、巻線10wをU型に屈曲した連結部10rを介して両コイル素子10A、10Bを連結している。この構成により、両コイル素子10A、10Bの巻回方向は同一となっている。連結部10rは別々の巻線から構成される一対のコイル素子の端部同士を、連結導体を介して溶接などにより接合して構成しても良い。また、本例では、連結部10rがコイル素子10A、10Bの上部のターン形成面10fよりも外側に高く突出されている。そして、各コイル素子10A、10Bの端部10eは、それぞれ、ターン部10tの上方に引き出され、コイル素子10A、10Bに電力供給するための端子金具50(図1)に接続される。
上記コイル素子10A、10Bを構成する巻線10wには、銅製の平角線をエナメルで被覆した被覆平角線を用いる。被覆平角線は、エッジワイズ巻きされて中空角筒状のコイル素子10A、10Bを形成する。その他、巻線は、導体が平角線からなるもの以外に、断面が円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、丸線を用いた場合よりも占積率が高いコイルを形成し易い。
《内側樹脂部》
このようなコイル10の外周には、コイル10を圧縮状態に保持する内側樹脂部30が形成されている(図2、図4)。内側樹脂部30は、各コイル素子10A、10Bの外形にほぼ沿うように各コイル素子10A、10Bのターン部10tを覆うターン被覆部31と、連結部10rの外周を覆う連結部被覆部33とを備える。ターン被覆部31と連結部被覆部33とは一体に成形され、ターン被覆部31は実質的に均一な厚さでコイル10を覆っている。本例では、内側樹脂部30により緩衝部材70を装着した内側コア部22がコイル10と一体化されているが、ターン被覆部31のうち、緩衝部材70とコイル10との間の介在樹脂部31iも厚さが実質的に均一とされている。但し、各コイル素子10A、10Bの角部と巻線の端部10eは内側樹脂部30から露出されている。また、ターン被覆部31は、主として、コイル素子10A、10Bと内側コア部22との間の絶縁を確保すると共に、コイル素子10A、10Bに対して緩衝部材70が装着された内側コア部22を位置決めする機能を有する。
一方、連結部被覆部33は、組立体1A(図2)の外周に外側樹脂部40(図1、図2)を形成する際、連結部10rを機械的に保護する機能を有する。さらに、この連結部被覆部33の少なくとも一部は、コイル成形体1Mとコア20との組立体1Aの外周に外側樹脂部40(図1、2)を形成する際、組立体1Aを金型100(図7)に対して位置決めするための位置決め部として機能する。ここでは、連結部被覆部33は、図4(B)に示すように、U型の連結部10rの全体を覆う直方体状に成形しているが、U型の連結部10rの形状に沿った形状に成形してもよく、特に形状は問わない。そして、この直方体状の連結部被覆部33において位置決め部に利用された箇所(図1では、長方形状の板のように見える箇所)は、図1、2に示すように外側樹脂部40に覆われず、内側樹脂部30が露出している。
また、内側樹脂部30における両コイル素子10A、10B間には、図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を収納するセンサ用穴41hが形成されている(図1)。ここでは、センサ収納管(図示略)の一部を内側樹脂部30にインサート成形し、さらにセンサ収納管の残部を外側樹脂部40で覆ってセンサ用穴41hとしている。センサ収納管は、内側樹脂部30のうち、コイルのターン部10tを覆うターン被覆部31よりも若干突出している。
このような内側樹脂部30の構成樹脂は、コイル成形体1Mを備えるリアクトル1を使用した際に、コイルやコアの最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有し、トランスファー成形や射出成形が可能な材料が好適に利用できる。特に、絶縁性に優れる材料が好ましい。具体的には、エポキシなどの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性樹脂が好適に利用できる。ここでは、エポキシ樹脂を利用している。また、上記樹脂には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを混合すると、放熱性を高められる。
[コア]
コア20は、コイル10を励磁した際に環状の磁路を形成する環状部材である。このコア20は、各コイル素子10A、10Bの内側に嵌め込まれる一対の内側コア部22と、コイル10から露出される一対の端部コア材24E(連結コア部24)とを備える。
コア20のうち、内側コア部22は、概略直方体状の部材である。内側コア部22は、図2、3に示すように、鉄や鋼などの軟磁性材料からなるコア片22cと、アルミナなどの非磁性材なるギャップ材22gとを交互に配置して接着剤で接合されている。コア片22cには、絶縁被膜を有する複数の磁性薄板を積層した積層体や、磁性粉末を用いた成形体が利用できる。磁性薄板の具体例としては、アモルファス磁性体、パーマロイ、ケイ素鋼などの薄板が挙げられる。成形体の具体例としては、Fe、Co、Niといった鉄族金属やアモルファス磁性体などの磁性粉末の圧粉成形体、磁性粉末をプレス成形後、焼結した焼結体、磁性粉末と樹脂との混合体を成形した成形硬化体が挙げられ、その他、金属酸化物の焼結体であるフェライトコアなども挙げられる。ここでは軟磁性粉末の圧粉成形体を用いている。ギャップ材24gは、インダクタンスの調整のためにコア片22c間に配置される板状材である。コア片22cやギャップ材22gの個数は、リアクトル1が所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。また、コア片22cやギャップ材22gの形状は適宜選択することができる。そして、この内側コア部22の両端面は、内側樹脂部30の端面からわずかに突出されている。
一方、連結コア部24は、コア片22cと同様の上記材質から構成されるブロック体である。ここでは、軟磁性粉末の圧粉成形体からなって、略台形断面の端部コア材24Eを用いている。
また、この連結コア部24は、並列された一対の内側コア部22の両端部同士をつなぐように配され、接着剤で内側コア部22と接合される。これら内側コア部22と連結コア部24の接合により閉ループ状(環状)のコア20が形成される。内側コア部22と連結コア部24とを接合した状態において、連結コア部24の側面は、内側コア部22の外側面よりも外方に突出している。
また、図2に示すように、各端部コア材24Eは高さが異なる。連結部被覆部33の下方に配される一方(図2の左側)の端部コア材24Eの上下面は内側コア部22の上下面よりも上下に突出し、かつターン被覆部31の上下面とほぼ面一となっている。これに対して、巻線の端部10e側に配される他方(図2の右側)の端部コア材24Eの下面は内側コア部22の下面よりも下方に突出してターン被覆部31の下面とほぼ面一となっているが、端部コア材24Eの上面は内側コア部22の上面とほぼ面一となってターン被覆部31の上面よりも低い。その一方で、一方の端部コア材24Eは、他方の端部コア材24Eに比べて厚み(コイル軸方向の寸法)が薄い。つまり、両端部コア材24Eは、互いに高さと厚みを変えるが実質的に同体積を確保することで、各端部コア材24Eにおける磁気特性を実質的に等価としている。その上、連結部10rをターン形成面10fよりも上方に形成したことで(図4)、連結部被覆部33の下方に他方の端部コア材24Eよりも薄い端部コア材24Eを配することができ、リアクトルの投影面積を小型化することができる。端部コア材24Eの高さの下限は、内側コア部22の上面と面一となる程度とすることが好ましい。内側コア部22の上面よりも端部コア材24Eの上面が低くなれば、内側コア部22から端部コア材24Eに移行する過程で十分な磁路を確保できない虞があるためである。
さらに、環状に組まれた状態のコア20における連結コア部24の下面は、コイル成形体1Mの設置面側の下面とほぼ面一となるように構成されている。この構成により、リアクトル1を冷却ベースに固定したときに、内側樹脂部30だけでなく、連結コア部24も冷却ベースに接触することになるので、運転時にリアクトル1で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
[緩衝部材]
緩衝部材70は、リアクトルがヒートサイクルを受けた際、降温時に内側樹脂部の収縮が内側コア部22により妨げられ、介在樹脂部31iに過大な応力が作用することを緩和する機能を有する。
この緩衝部材70の形成箇所は、内側コア部22の外周面とする。内側コア部22の外周面に緩衝部材70を設けることで、リアクトルがヒートサイクルを受けた際、内側コア部22とコイル10との間に位置する介在樹脂部31iに過大な応力が作用することを効果的に抑制できる。この緩衝部材70は、内側コア部22の外周面の全面を覆う面状の部材でもよいし、同外周面をほぼ均等に部分的に覆う網状や格子状の部材でもよい。但し、連結コア部24の外周面は緩衝部材70で覆われないようにする。連結コア部24を緩衝部材70で覆わないことで、リアクトルの高い放熱性を確保する。
緩衝部材70の材質は、内側樹脂部30の構成樹脂よりもヤング率の小さい材料とすることが好ましい。このような材料で緩衝部材70を構成すれば、内側樹脂部30の収縮時に緩衝部材70が弾性変形することでクッションの機能を果たし、介在樹脂部31iにクラックが生じることを抑制する。本例では、緩衝部材70に住友電工ファインポリマー株式会社製の熱収縮チューブ「スミチューブK」や「スミチューブB2」を用いている(「スミチューブ」は登録商標)。「スミチューブK」はポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベース樹脂とし、「スミチューブB2」はポリオレフィン樹脂をベース樹脂としている。エポキシ樹脂のヤング率が3.0〜30GPa程度であるのに対し、これらの熱収縮チューブのヤング率は3.0GPa未満程度である。緩衝部材70の構成材料の好適なヤング率は0.5〜2GPa程度である。
また、緩衝部材70の構成材料も内側樹脂部22の構成樹脂と同様の耐熱・耐寒特性を有することが好ましい。「スミチューブK」の連続使用可能温度域は-55〜175℃であり、「スミチューブB2」の連続使用可能温度域は-55〜135℃である。その他、緩衝部材70の構成材料が備えると好ましい特性として、絶縁性が挙げられる。通常、巻線10wはエナメルなどの絶縁被膜を備えるため、緩衝部材70を絶縁材料で構成することは必須ではなく、理論上は導電材料や半導電材料でもよい。但し、エナメルにピンホールが存在する場合を想定すれば、緩衝部材70を絶縁材料で構成することで、コイル10と内側コア部22との絶縁性を高い信頼性をもって確保できる。この点、上記「スミチューブ」はいずれも高い絶縁特性を備えている。その他、フッ素樹脂(例えばPTFE、使用可能温度260℃程度)や、難燃性硬質ポリ塩化ビニル(PVC、使用可能温度200℃程度)を素材とする熱収縮チューブも、その耐熱性や絶縁性から緩衝部材70としての利用が期待できる。
その他、緩衝部材70の形態・形成方法は、熱収縮チューブの他にも種々のものが利用できる。まず、常温収縮チューブが挙げられる。常温収縮チューブは、伸縮性に優れた材料からなる。具体的には、シリコーンゴム(VMQ、FVMQ、使用可能温度180℃)を素材としたもの等を用いることができる。その他、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ハイパロン(登録商標、一般名クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、フッ素ゴム(FKM)等を用いることもできる。上記各素材は、使用可能温度が150℃以上であり、かつ体積固有抵抗が1010Ω・m以上の絶縁性を備えて好ましい。この常温収縮チューブは、チューブ自体の収縮力で内側コア部22に装着される。具体的には、チューブの外周長が内側コア部22の外周長よりも小さい常温収縮チューブを用意し、このチューブを拡径して内側コア部22の外周面に嵌める。その状態で拡径を解除すれば、同チューブは収縮して内側コア部の外周面に被着される。次に、金型で成形したモールド層も緩衝部材70に利用できる。この場合、内側コア部22の外周面と金型の内面との間にギャップを形成した状態で金型内に内側コア部22を保持し、樹脂などの成形材を金型内に注入して、内側コア部22の外周面にモールド層を形成する。このモールド層は、介在樹脂部31iのクラックを抑制できる程度のクッション性を備えていれば、薄いものでも十分である。具体的には、不飽和ポリエステルやポリウレタンなどがモールド層の構成樹脂として期待できる。また、コーティング層も緩衝部材70に利用できる。この場合、スラリー状の樹脂を内側コア部22の外周面に塗布や噴霧したり、内側コア部22の外周面に粉体塗装を施すことでコーティング層を形成できる。具体的には、液状シリコーンゴムなどがコーティング層の構成樹脂として期待できる。その他、テープ巻き層も緩衝部材70に利用できる。この場合、テープ材を内側コア部22の外周面に巻回することで、容易に緩衝部材70を構成できる。テープ材の構成樹脂の具体例としては、PETテープなどが挙げられる。
いずれの場合であっても、緩衝部材70の厚みは、介在樹脂部31iのクラックが抑制できる程度の弾性変形量が得られる厚みであれば、放熱性の点で薄いほど好ましい。
[端子金具とナット]
コイルを構成する巻線の各端部10eには、各々端子金具50が接続される(図1、5、6)。端子金具50は、電源などの外部機器側と接続するための接続面52と、巻線の端部10eに溶接される溶接面54と、接続面52と溶接面54とを一体化して、外側樹脂部40に覆われる埋設部とを備える。同金具50の殆どは外側樹脂部40に埋没しており、接続面52のみが後述する外側樹脂部40から露出されている。この接続面52は、高さが低い他方の連結コア部24の上方に配置され、この連結コア部24の上面と接続面52との間に外側樹脂部40が充填されて端子台が構成される。高さの低い連結コア部24の上に端子金具50を配するため、コイルの上方に端子金具を設けて端子台を形成する場合に比べて、端子金具50を含むリアクトルの高さを小さくできる。
この端子台には、接続面52の下方においてナット60が配置される(図1、図2、図6)。このナット60は、後述する外側樹脂部40で成形されたナット穴43に回り止めされた状態で収納される。この回り止めは、六角形のナット60を六角形のナット穴43に嵌め込むことで実現している。そして、ナット穴43の開口部には、接続面52が覆うように配される。
接続面52にはナット60の対角寸よりも小さな内径の挿通孔52hが形成されており、ナット60がナット穴43から抜け出すことを接続面52が阻止する。リアクトルを利用する際、リード線(図示略)の先端に設けられた端子210を接続面52に重ね、この端子210及び接続面52をボルト220で貫通してナット60に螺合することで、リード線の基端につながる外部機器(図示略)からコイル10に給電する。本例では、この端子210とボルト220を端子台に取り付けた状態において、リアクトルの最も高い位置、つまり後述する外側樹脂部40のうち、コイルの連結部を覆う連結部被覆部33と、巻線端部10eと端子金具50との溶接個所を覆う保護部とを結ぶ平面よりもボルト220の上面が低くなるように接続面52の高さが設定されている。そのため、ボルト220の頭部がリアクトル1から局部的に突出することもない。
[外側樹脂部]
外側樹脂部40は、コイル成形体1Mの下面と連結コア部24の下面とが露出され(図2)、かつコイル成形体1Mと連結コア部24との組立体における上面の大半と外側面の全部を覆うように形成されている。コイル成形体1Mの下面と連結コア部24の下面を外側樹脂部40から露出することで、リアクトル1で発生した熱を効率的に冷却ベースに放熱する。また、前記のように組立体の上面と外側面を外側樹脂部40で覆うことにより、前記組立体を機械的に保護する。
より具体的には、図2に示すように、リアクトル1の設置面側において連結コア部24とコイル成形体1M(ターン被覆部31)の下面が露出し、図1に示すように、リアクトル1の上側において連結部被覆部33の上面が露出するように外側樹脂部40が形成されている。
また、外側樹脂部40は、リアクトルを平面視した場合、コイル成形体1Mと連結コア部24との組立体の輪郭よりも外側に突出したフランジ部42を備える(図1)。このフランジ部42には、リアクトル1を冷却ベースに固定するためのボルト(図示略)の貫通孔42hが形成されている。本例では、金属カラー42cを外側樹脂部40でインサート成形し、このカラー42cの内部を貫通孔42hとしている。金属カラー42cには、真鍮、鋼、ステンレス鋼などが利用できる。
さらに、外側樹脂部40の上面には、コイルの端部10eと端子金具50との接合部分を覆う保護部を有する。保護部は、ほぼ矩形のブロック状に成形されている。その他、外側樹脂部40の上面は、内側樹脂部30から突出するセンサ収納管の先端と面一に成形されて、センサ用穴41h(図1)が構成されている。
そして、外側樹脂部40の側面は、リアクトル1の上部から下部に向かって広がる傾斜面で形成されている。このような傾斜面を設けることで、後述するようにコイル成形体と連結コア部との組立体を倒立状態として外側樹脂部40を成形する場合、成形後のリアクトルを金型から容易に抜き出すことができる。
外側樹脂部40の構成樹脂には、不飽和ポリエステルが利用できる。不飽和ポリエステルは、熱伝導性に優れ、割れが生じ難く、安価であるので好ましい。その他、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂なども外側樹脂部40に利用できる。外側樹脂部40の構成樹脂は、内側樹脂部30の構成樹脂と同じでも異なっていてもよい。また、この樹脂にも上述したセラミックスからなるフィラーを含有させて、放熱性を高めてもよい。
上記のリアクトル1は、電気自動車やハイブリッド自動車などの電力変換装置用のリアクトルとして好適に利用できる。この種のリアクトルでは、通電条件は、例えば最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である。
<リアクトルの製造方法>
以上説明したリアクトル1は、大きく分けて以下の(1)〜(3)の工程を経て作製される。
(1)コイル及び緩衝部材の装着された内側コア部に対して内側樹脂部を成形してコイル成形体を得る第一成形工程
(2)コイル成形体と連結コア部とを組み立てて組立体とする組立工程
(3)この組立体に対して外側樹脂部を成形してリアクトルとする第二成形工程
(1)第一成形工程
まず、1本の巻線を巻回して、一対のコイル素子10A、10Bが連結部10rで連結されたコイル10を形成しておく。次いで、図3(A)に示すように、内側コア部22を用意し、その外周に緩衝部材70となる熱収縮チューブを嵌め、同チューブを加熱収縮させて、内側コア部22の外周面に被着させる(図3(B))。次に、各コイル素子10A、10Bの内側に緩衝部材70の装着された内側コア部22を挿入する(図4(A))。続いて、組み合わせたコイル10と緩衝部材70の装着された内側コア部22との外周に内側樹脂部30を成形するための金型を用意する。
この金型は、開閉する第一金型と第二金型の一対から構成される。第一金型は、コイル10の一端側(始端・終端側)に位置する端板を備える。一方、第二金型は、コイルの他端側(連結部10r側)に位置する端板と、コイル10の周囲を覆う側壁とを備える。
この金型にコイル10と緩衝部材70の装着された内側コア部22とを組み合わせた状態で収納する。その際、各コイル素子10A、10Bの角部に相当する個所を金型内面の凸部(図示略)で支持し、凸部以外の金型内面とコイル10との間には、一定のギャップが形成されるようにする。さらに、緩衝部材70の装着された内側コア部22の端面を金型の凹部で支持して、緩衝部材70と各コイル素子10A、10Bとの間にも一定のギャップが形成されるようにする。このギャップに充填される樹脂が介在樹脂部31iとなる。
また、第一・第二金型には、駆動機構で金型の内部に進退可能な複数の棒状体が設けられている。ここでは、合計8本の棒状体を用い、各コイル素子10A、10Bのほぼ角部を押圧してコイル10を圧縮させる。但し、連結部10rは棒状体で押すことが難しいため、連結部10rの下方を棒状体で押すこととしている。棒状体は、コイル10が内側樹脂部で被覆されない箇所を少なくするため極力細くするが、コイル10を圧縮するのに十分な強度と耐熱性を備えたものとする。コイル10を金型内に配置した段階では、コイル10は未だ圧縮されておらず、隣接するターンの間に隙間が形成された状態となっている。
次に、棒状体を金型内に進出してコイル10を圧縮する。この圧縮により、コイル10の隣接するターン同士が接触され、各ターン間に実質的に隙間のない状態となる。また、金型内における圧縮状態のコイル10の所定の位置に上記センサ収納管を配置する。
その後、樹脂注入口から金型内にエポキシ樹脂を注入する。注入された樹脂がある程度固化して、コイル10を圧縮状態に保持できるようになれば、棒状体を金型内から後退させても良い。
そして、樹脂が固化して、コイル10を圧縮状態に保持すると共に緩衝部材70が装着された内側コア部22も一体化したコイル成形体1Mが成形されると、金型を開いて同成形体を金型から取り出す。
得られたコイル成形体1M(図4(B))は、棒状体で押圧されていた箇所が内側樹脂部30で覆われておらず、複数の***を有する形状に成形されている。この***は、適宜な絶縁材などで充填しても良いし、そのまま放置しておいても良い。なお、コイル10を圧縮しないで自由長のままとする場合、上記棒状体による押圧を行わなくてよい。
(2)組立工程
まず、図5に示すように、作製したコイル成形体1Mの巻線の端部10eに端子金具50を溶接する。この溶接を行う段階では、図6に破線で示すように、端子金具の接続面52は溶接面54とほぼ平行に配され、同図の上下方向に伸びている。この接続面52は、外側樹脂部40の成形後、ナット60の上方を覆うようにほぼ90°屈曲される。図5では、接続面52の屈曲後の端子金具50を示している。
次に、両内側コア部22の端面を連結コア部24で挟み込み、これら内側コア部22と連結コア部24とを接合して環状のコア20を形成する。連結コア部24と内側コア部22との接合は、接着剤により行う。
(3)第二成形工程
次に、組立工程で得られた組立体の外周に外側樹脂部40を形成するための金型を用意する。ここでは、金型100は、図7に示すように上部に開口を有する容器状の基部100bと、基部100bの開口を閉じる蓋部100cとを備える。基部100bのキャビティ101内には、組立体1Aが図2の上面を下向きにした倒立状態で収納される。
基部100bのキャビティ101は、図1に示す外側樹脂部40の外形、即ち、リアクトル1の外形のうち、主に上面側の形状を形作るように形成されている。特に、基部100bのキャビティ101の底面には、コイル成形体1Mの連結部被覆部33の上面側部分が嵌め込まれる嵌合溝110が形成されている。連結部被覆部33を嵌合溝110に嵌合することで、キャビティ101内の所定の位置に組立体1Aを容易に位置合わせすることができる。即ち、連結部被覆部33の一部は、組立体1Aにおける金型100に対する位置決め部として機能する。
また、基部の内底面には、同一直線上に乗る合計3つの樹脂注入ゲートが形成されている。3つのゲートのうち、中間に位置する内側ゲートは、基部内に組立体を配置した際、並列される一対のコイル素子10A、10Bの間に開口している。また、内側ゲートを挟む残り2つの外側ゲートは、それぞれ内側ゲートとの間に連結コア部24を挟む位置に開口している。
その他、巻線10wの端部10eと端子金具50との接合箇所を覆う保護部を形成するための凹部111、ナット60(図2)が嵌め込まれるナット穴を成形するための凸部(図示せず)、端子台を形成するための凹部112、及び端子金具50の接続面52が溶接面54に平行に延びた状態で差し込まれる凹部113が基部100bのキャビティ101の底面に形成されている。また、キャビティ101において、外側樹脂部40の側面を形成する箇所は、開口側に向かって広がる傾斜面で構成されている。
蓋部100cは、その基部100bに対向する面が平面であり、リアクトル1の設置面を平坦な面に成形することができる。蓋部100cにおける基部100bに対向する面が平面であることで、蓋部100cで封止した金型100内に樹脂を注入する際、空気が溜まり易い凹凸が蓋部100cに存在しないため、外側樹脂部40に欠陥が生じ難い。基部100bに樹脂注入ゲートを設ける代わりに、この蓋部100cに樹脂注入ゲートを設けても良い。その場合、蓋部100cのうち、基部100bの樹脂注入ゲートと対向する箇所に樹脂注入ゲートを設ければ良い。なお、リアクトル1の設置面に、凹凸を全く形成しない平面とするのであれば、上記蓋部100cを用いることなく基部100b内に樹脂を注入するだけでもよい。この場合、注入した樹脂の液面が、リアクトル1の設置面を形成することになる。
上記金型100内に組立体1Aを配置する。具体的には、組立体1Aのコイル成形体1Mの連結部被覆部33の一部を嵌合溝110に嵌め込む。この工程により、組立体1Aは、金型100に位置決めされる。また、上記嵌合により、センサ用穴31hを構成する筒体の端面は、基部100bのキャビティ101の底面に接し、当該筒体と上記嵌合とにより組立体1Aはキャビティ101の底面に支持されて、キャビティ101の所定の位置に配置された状態を維持することができる。更に、凹部111に、巻線10wの端部10eと端子金具50との接合箇所、凹部113に端子金具50の接続面52を挿入する。
上述のように組立体1Aを配置したら、基部100bの開口側に蓋部100cを被せて金型100を閉じ、各樹脂注入ゲートから外側樹脂部40の構成樹脂(ここでは不飽和ポリエステル)を金型100内に注入する。このとき、環状のコア20の内側と外側との双方から上記樹脂が注入されるため、当該コア20の内側から外側に向かって当該コア20に作用する圧力と、当該コア20の外側から内側に向かって作用する当該コア20の圧力とが打ち消しあい、当該コア20を損壊することなく、早期に樹脂の充填を行える。この効果は、樹脂の注入圧力が高い場合に特に顕著である。
外側樹脂部40の成形を終えたら金型100を開き、その内部からリアクトル1を取り出す。このとき、キャビティ101の開口部側が傾斜面となっていることで、リアクトル1を抜き出し易い。取り出したリアクトル1のナット穴にナット60(図2)を嵌め込み、図2、5、6に示すように端子金具50の接続面52をほぼ90°屈曲し、当該接続面52によりナット60の上部を覆うようにして、リアクトル1を完成する。
以上説明したように、本発明のリアクトルによれば、次の効果を奏することができる。
内側コア部22の外周を緩衝部材70で覆うことで、リアクトル1にヒートサイクルが作用した場合でも、コイル10と緩衝部材70の間に位置する介在樹脂部31iの収縮に伴う応力が緩和され、介在樹脂部31iにクラックが生じることが抑制される。
内側樹脂部30がコイル10を伸縮不能に保持するため、伸縮に伴うコイルのハンドリングの困難性を改善できる。そのため、リアクトル1は生産性に優れる。
内側樹脂部30と緩衝部材70がコイル10とコア20との絶縁の機能も果たすため、従来のリアクトルで用いていた筒状ボビン・枠状ボビンを必要としない。
内側樹脂部30及び外側樹脂部40の成形によりセンサ用穴41hが成形されるため、後加工によりセンサ用穴41hを形成する必要がない。そのため、効率的なリアクトル1の製造が行え、かつセンサ用穴を後加工する場合に問題となったコイル10やコア20の損傷も回避できる。
内側樹脂部30と外側樹脂部40の2層でリアクトルを構成することで、金属製のケースを用いなくても機械的・電気的に保護されたリアクトル1を容易に形成できる。特に、内側樹脂部30を放熱性の高い樹脂とし、外側樹脂部40を耐衝撃性に強い樹脂とすることで、放熱性と機械的強度とを兼備したリアクトルとできる。とりわけ、外側樹脂部40を有することで、軟磁性粉末の圧粉成形体でコアを構成した場合にも機械的強度の高いリアクトル1とすることができる。
外側樹脂部40のフランジ部42に、リアクトル1を冷却ベースに固定するための貫通孔42hを成形することで、この貫通孔42hにボルトを挿通して冷却ベースにねじ込むだけで、ボルト以外にリアクトルの押え金具を別途用意することなくリアクトル1の設置が行える。特に、貫通孔に金属カラー42cを用いることで貫通孔42hが補強され、ボルトの締め付けによりフランジ部42に亀裂が生じることも抑制できる。
一対の連結コア部24の高さを異なるようにし、高さが低い連結コア部24の上に端子金具50を配置し、外側樹脂部40で連結コア部24やコイル成形体1Mを一体に成形することで、端子金具50を含むリアクトル1の高さが大きくなることがない。
外側樹脂部40で端子金具50を一体に成形することで、外側樹脂部40の成形と同時に端子台を構成できる。そのため、別途作製した端子台をリアクトル1に固定するための部材や作業を省略できる。
コイルの連結部10rをターン形成面10fよりも高くすることで、連結コア部24の高さを大きくする一方で厚さ(コイル軸方向の長さ)を小さくでき、リアクトル1の投影面積を小さくできる。とりわけ、軟磁性粉末の圧粉成形体でコア20を構成することで、連結コア部24の高さが内側コア部22の高さと異なるコア20を容易に成形できる。また、連結コア部24の下面をコイル成形体1Mの下面及び外側樹脂部40の下面と面一にすることで、リアクトル1の設置面を平面とし、固定対象との広い接触面積を確保することで、効率的な放熱が可能になる。
外側樹脂部40でナット60自体ではなくナット穴43を成形することで、外側樹脂部40の成形時にナット60が存在せず、ナット内部に外側樹脂部40の構成樹脂が入り込むことを防止できる。一方で、ナット穴43にナット60を収納したのち、端子金具50の接続面52を屈曲させてナット穴の開口を接続面52で覆うことで、ナット60の脱落を容易に防止できる。
コイル成形体1Mの内側樹脂部30に一体に形成された位置決め部を備えることで、外側樹脂部40を形成する際に、別途、ピンやボルトなどを用いることなく、組立体1Aを金型100に容易に位置決めすることができる。この点からも、リアクトル1は生産性に優れる。
別途用意したピンなどを用いないで位置決めを行うことで、組立体1Aにおいて外側樹脂部40に覆われない箇所を効果的に低減することができる。そして、位置決め部が外側樹脂部40から露出されているものの、位置決め部には内側樹脂部30が存在する。従って、リアクトル1は、内側樹脂部30及び外側樹脂部40により、コイル10やコア20を外部環境から保護したり、機械的保護を十分に図ることができる。
(変形例1−1)
実施形態1では、緩衝部材70を装着した内側コア部22が内側樹脂部30でコイル10と一体化されたコイル成形体1Mを用いたが、図8に示すように、各コイル素子の内側に中空孔31oが形成されるように内側樹脂部を成形してもよい。この成形は、コイルの内側に緩衝部材の装着された内側コア部をはめ込む代わりに中子を挿入して、金型内に中子の挿入されたコイルを収納した状態で内側樹脂部の構成樹脂を注入すればよい。そして、内側樹脂部30で形成される中空孔31oに、緩衝部材70を装着した内側コア部22を挿入し、さらに内側コア部22に連結コア部24を接合してから外側樹脂部を実施形態1と同様に成形することで、リアクトルを構成できる。
(実施形態2)
次に、実施形態1のリアクトルで用いた内側樹脂部を備えず、外側樹脂部のみを有する本発明のリアクトルを図9に基づいて説明する。本例は、内側樹脂部を有しない点が実施形態1との主たる相違点であり、他の構成は実施形態1とほぼ共通するため、以下の説明は相違点を中心に行う。
本例では、予め端子金具をインサート成型した予備成形体80を作製しておく。この予備成形体80は、端子金具50の埋設部を覆うように形成され、低い連結コア部24の上面に載置できるブロック状の成形体である。ナット60を収納するナット穴82は、この予備成形体80に形成されている。この予備成形体80の構成樹脂には、実施形態1における内側樹脂部や外側樹脂部の構成樹脂と同様の樹脂が利用できる。また、内側コア部22の外周に緩衝部材70が装着されている点や、端子金具の接続面52を折り曲げてナット60に対面させる点は実施形態1と共通である。
本例のリアクトル1を組み立てるには、コイル10とコア20との間を絶縁するボビン90を用いる。ボビン90は、コイル10の両端部と連結コア部24との間に介在される枠状ボビン92を用いる。本例の場合、緩衝部材70が内側コア部22の外周を覆う筒状ボビンの機能を果たすため、従来のリアクトルで用いた筒状ボビンは不要である。
リアクトル1を構成するには、コイル10、コア20、及びボビン90の組立体に対し、予備成形体80を取り付ける。具体的には、予備成形体80から突出する溶接面54をコイルの巻線端部10eに溶接する。そして、この組立体の外周に外側樹脂部40を成形する。その際、コイル10のターン間などからコイル10と緩衝部材70の間に外側樹脂部40の構成樹脂が浸入し、この構成樹脂が硬化して介在樹脂部40iとなる。
本例の場合も、リアクトル1がヒートサイクルを受けると、降温時に介在樹脂部40iが収縮するが、緩衝部材70がクッションの機能を果たし、介在樹脂部40iにクラックが生じることを抑制できる。
(実施形態3)
次に、実施形態3のリアクトル1αとして、変形ポット型リアクトルを図10〜図11に基いて説明する。リアクトル1αは、巻線10wを巻回してなる一つのコイル素子からなるコイル10と、コイル10が配置されるコア20とを備える変形ポット型リアクトルである。コア20は、コイル10内に挿通された内側コア部22と、コイル10の外周に配置され、内側コア部22に連結される連結コア部24とを備え、これら両コア部22、24により閉磁路を形成する。そのうち内側コア部22の外周を緩衝部材70で覆っている。コイル10の内外の表面には、そのほぼ全体を覆う内側樹脂部30(図10(B))が形成され、その内側樹脂部30がコイル10と内側コア部22とを一体化してコイル成形体を構成している。このコイル成形体は、ケース120に収納されている。そして、連結コア部24は、磁性粉末と樹脂との混合物から構成されており、コイル10(コイル成形体)は、ほぼ全外周を連結コア部24により覆われてケース120に封止されている。以下、各構成を詳細に説明する。
[コイル]
コイル10は、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる円筒状体である。この巻線10wは、実施形態1と同様のものが利用できる。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用している。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて絶縁性を高められる。コイル10は、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されている。円筒状とすることで、エッジワイズ巻きであっても比較的容易にコイルを形成できる。
コイル10を形成する巻線10wの両端部は、図10、11に示すようにターンから適宜引き延ばされて後述する連結コア部24を通って外部に引き出され、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が接続される。この端子部材を介して、コイル10に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。巻線10wの導体部分と端子部材との接続には、TIG溶接などの溶接の他、圧着などが利用できる。ここでは、コイル10の軸方向に平行するように巻線10wの両端部を引き出しているが、引き出し方向は適宜選択することができる。
リアクトル1αでは、当該リアクトル1αを設置対象に設置したとき、コイル10の軸方向がケース120の底面122に直交するように、コイル10がケース120内に収納された形態(以下、この配置形態を縦型形態と呼ぶ)である。
[コア]
コア20は、コイル10内に挿通された円柱状の内側コア部22と、コイル10と内側コア部22との組物の外周の大半を覆うように形成された連結コア部24とを備える所謂変形ポット型コアである。連結コア部24は、コイルのほぼ両側方(図10(A)のB-Bで切断される側)と上面とを覆う断面が略C型の磁性片であり、コイルの前後側(ガイド突起部121に対向する側)は非常に薄い連結コアでしか覆われていない。特に、リアクトル1αでは、内側コア部22の構成材料と、連結コア部24の構成材料とを異種の材料とし、両コア部22、24の磁気特性が異なることも特徴の一つとする。具体的には、内側コア部22は、連結コア部24よりも飽和磁束密度が高く、連結コア部24は、内側コア部22よりも透磁率が低い。
《内側コア部》
内側コア部22は、コイル10の内周面の形状に沿った円柱状の外形を有しており、その全体が圧粉成形体から構成されている。ここでは、ギャップ材やエアギャップが介在していない中実体としているが、ギャップ材やエアギャップを適宜介在させた形態とすることができる。また、例えば、内側コア部22を複数の分割片で構成し、各分割片を接着剤により接合することで一体化する形態とすることができる。
圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を備える軟磁性粉末や、軟磁性粉末に加えて適宜結合剤を混合した混合粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で焼成することにより得られる。圧粉成形体は、三次元形状体を簡単に形成でき、例えば、コイルの内周面の形状に適合した外形を有する内側コア部を容易に形成できる。また、圧粉成形体は、磁性粒子間に絶縁物が存在することで、磁性粉末同士が絶縁されて、渦電流損失を低減でき、コイルに高周波の電力が通電される場合であっても、上記損失を少なくすることができる。
上記軟磁性粉末は、Fe、Co、Niといった鉄族金属粉末の他、Fe-Si、Fe-Ni、Fe-Al、Fe-Co、Fe-Cr、Fe-Si-AlなどのFe基合金粉末、或いは希土類金属粉末、フェライト粉末などが利用できる。特に、Fe基合金粉末は、フェライトなどの磁性材料に比較して、飽和磁束密度が高い圧粉成形体を得易い。軟磁性粉末に形成される絶縁被膜は、例えば、燐酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、又は硼素化合物などが挙げられる。結合剤は、例えば、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、又は高級脂肪酸が挙げられる。この結合剤は、上記焼成により消失したり、シリカなどの絶縁物に変化したりする。圧粉成形体は、公知のものを利用してもよい。
圧粉成形体の飽和磁束密度は、軟磁性粉末の材質や、上記軟磁性粉末と上記結合剤との混合比、種々の被膜の量などを調整することで変化させることができる。例えば、飽和磁束密度の高い軟磁性粉末を用いたり、結合剤の配合量を低減して軟磁性材料の割合を高めたりすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。その他、成形圧力を変える、具体的には成形圧力を高くすることでも飽和磁束密度を高められる傾向にある。所望の飽和磁束密度となるように軟磁性粉末の材質の選択や成形圧力の調整などを行うとよい。
ここでは、内側コア部22は、絶縁被膜を備える軟磁性粉末を用いて作製した圧粉成形体から構成されている。
また、内側コア部22におけるコイル10の軸方向の長さ(以下、単に長さと呼ぶ)は、適宜選択することができる。図10、図11に示す例では、内側コア部22の長さがコイル10よりも若干長く、内側コア部22の両端面及びその近傍がコイル10の端面から突出しているが、コイル10と同じ長さでもよいし、コイル10よりも若干短くすることもできる。内側コア部22の長さがコイル10の長さと同等以上であると、コイル10がつくる磁束を内側コア部22に十分に通過させられる。また、内側コア部22におけるコイル10からの突出長さも適宜選択することができる。図10、図11に示す例では、内側コア部22においてコイル10の一端面から突出する突出長さが他端面からの突出長さよりも大きいが、内側コア部22においてコイル10の両端面から突出する突出長さを同じにすることもできる。特に、上述した縦型形態では、図10(B)に示す例のようにコイル10の一端面から突出する内側コア部22の一端面をケース120の底面122に接触させて内側コア部22をケース120に配置すると内側コア部22をケース120に安定して配置できるため、連結コア部24を形成し易い。
《連結コア部》
連結コア部24は、上述のように内側コア部22と共に閉磁路を形成する外側コア材であると共に、コイル10と内側コア部22との組物の外周を覆い、両者をケース120に封止する封止材としても機能する。従って、リアクトル1αでは、ケース120の底面122から開口側に至って、磁性粉末と樹脂との混合物からなる成形硬化体が存在し、この成形硬化体が連結コア部24を構成する。この連結コア部24と上記内側コア部22とは接着剤を介在することなく、連結コア部24の構成樹脂により接合されている。従って、コア20は、その全体に亘って接着剤やギャップ材を介することなく一体化された一体化物である。
上記成形硬化体は、代表的には、射出成形、注型成形により形成することができる。射出成形は、磁性材料からなる磁性粉末と流動性のある樹脂とを混合し、この混合物を、所定の圧力をかけて金型に流し込んで成形した後、上記樹脂を硬化させる。注型成形は、射出成形と同様の混合物を得た後、この混合物を、圧力をかけることなく金型に注入して成形・硬化させる。
上記いずれの成形手法も、磁性粉末には、上述した内側コア部22に利用する軟磁性粉末と同様のものを利用することができる。特に、連結コア部24に利用する軟磁性粉末は、純鉄粉末やFe基合金粉末といった鉄基材料からなる粉末が好適に利用できる。鉄基材料は、フェライトなどに比較して飽和磁束密度や透磁率が高い材料であることから、樹脂の含有割合が高い場合でも、ある程度の飽和磁束密度や透磁率を有するコアが得られる。軟磁性材料からなる粒子の表面に燐酸鉄などからなる被膜を備える被覆粉末を利用してもよい。これら磁性粉末は、平均粒径が1μm以上1000μm以下、更に10μm以上500μm以下の粉末が利用し易い。
また、上記いずれの成形手法も、バインダとなる樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に利用できる。熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体を加熱して樹脂を熱硬化させる。常温硬化性樹脂、或いは低温硬化性樹脂を用いてもよく、この場合、成形体を常温〜比較的低温に放置して樹脂を硬化させる。成形硬化体は、圧粉成形体や後述する電磁鋼板と比較して、非磁性である樹脂が比較的多く存在する。従って、連結コア部24の磁性粉末に、内側コア部22を構成する圧粉成形体と同じ軟磁性粉末を用いたとしても、飽和磁束密度が低く、かつ透磁率も低くなる。
成形硬化体の透磁率や飽和磁束密度は、磁性粉末とバインダとなる樹脂との配合を変えることで調整することができる。例えば、磁性粉末の配合量を減らすと、透磁率が低い成形硬化体が得られる。
ここでは、連結コア部24は、平均粒径100μm以下の鉄基材料であって、絶縁被膜を備える被覆粉末とエポキシ樹脂との混合物を用いて作製した成形硬化体から構成されている。
なお、連結コア部24は、コイル10、内側コア部22および内側樹脂部30のコイル成形体のほぼ全周を覆う形態を示すが、コア20は、コイル10におけるケース120の開口部側に配置される領域の外周を少なくとも覆うように存在すれば、コイル10の一部がコア20に覆われていない形態(但し、ケース120には覆われた形態)とすることができる。
≪磁気特性≫
内側コア部22の飽和磁束密度は、1.6T以上、更に1.8T以上、とりわけ2T以上が好ましい。また、内側コア部22の飽和磁束密度は、連結コア部24の飽和磁束密度の1.2倍以上、更に1.5倍以上、とりわけ1.8倍以上であることが好ましい。内側コア部22が連結コア部24に対して相対的に十分に高い飽和磁束密度を有することで、内側コア部22の断面積を小さくできる。また、内側コア部22の透磁率は、50以上1000以下、特に、100〜500程度が好ましい。
連結コア部24の飽和磁束密度は、0.5T以上内側コア部の飽和磁束密度未満が好ましい。また、連結コア部24の透磁率は、5以上50以下、特に5〜30程度が好ましい。連結コア部24の透磁率が上記範囲を満たすことで、コア20全体の平均透磁率が大きくなり過ぎることを防止して、例えば、ギャップレス構造とすることができる。
ここでは、内側コア部22の飽和磁束密度が1.8T、透磁率が250であり、連結コア部24の飽和磁束密度が1T、透磁率が10である。飽和磁束密度や透磁率が所望の値となるように、内側コア部22及び連結コア部24の構成材料を調整するとよい。
[緩衝部材]
上述した内側コア部22の外周面のうち、コイル10の内周に対応した箇所の全周を覆うように緩衝部材70が設けられている。この緩衝部材70は、実施形態1と同様に、リアクトル1αの使用時のヒートサイクルによって、後述する介在樹脂部31i(図10(B))にクラックが生じることを抑制すると共に、コイル10と内側コア部22との絶縁を強化する機能も備える。この緩衝部材70は、実施形態1と同様の構成のものが利用できる。本例では、緩衝部材70に住友電工ファインポリマー株式会社製の熱収縮チューブ「スミチューブK」や「スミチューブB2」を用いている。
[内側樹脂部]
内側樹脂部30は、実施形態1と同様に、コイル10の内外周を覆うと共に、緩衝部材70が装着された内側コア部22とコイル10とを一体化する。内側樹脂部の構成材料は、実施形態1と同様である。この内側樹脂部30の一部は、図10(B)に示すように、コイル10の内周と緩衝部材70の外周との間に介在されて介在樹脂部31iを構成する。そして、内側樹脂部30は、コイル10と内側コア部22との絶縁を強化することにも寄与する。なお、本例では、内側樹脂部30でコイル10と緩衝部材付きの内側コア部22を一体化したが、変形例1-1のように、内側樹脂部30でコイル10のみを成形してコイル内周に中空孔を形成し、その中空孔に緩衝部材付きの内側コア部22をはめ込む構成としても良い。
[ケース]
上記コイル10とコア20との組立体1Aを収納するケース120は、リアクトル1αを設置対象(図示せず)に配置したときに当該リアクトル1αの設置側となる底面122と、底面122から立設される側壁124とを備え、底面122と対向する側が開口した矩形の箱体である。
ケース120の形状、大きさは、適宜選択することができる。例えば、上記組立体1Aに沿った円筒形としてもよい。また、ケース120の材質は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金といった非磁性材料で、かつ導電性材料が好適に利用できる。導電性を有する非磁性材料からなるケースは、ケース外部への漏れ磁束を効果的に防止できる。また、アルミニウムやマグネシウム、その合金といった軽量な金属からなるケースは、樹脂よりも強度に優れる上に、軽量であることから、軽量化が望まれる自動車部品に好適である。ここでは、ケース120は、アルミニウムにより構成されている。
その他、図10、図11に示すケース120は、側壁124の内周面にコイル10の回転を抑制すると共に、コイル10の挿入時にガイドとして機能するガイド突起部121と、ケース120の内周面の一角に突出して巻線10wの端部の位置決めに利用される位置決め部123と、ケース120の内周面において底面122から突出してコイル10を支持し、ケース120に対するコイル10の高さを位置決めするコイル支持部(図示せず)とを備える。ガイド突起部121、位置決め部123、コイル支持部を備えるケース120を利用することで、ケース120内の所望の位置にコイル10を精度良く配置でき、引いては、コイル10に対する内側コア部22の位置も精度良く決められる。ガイド突起部121などを省略してもよいし、別部材を用意して、これら別部材をケースに収納して、コイル10の位置決めなどに利用してもよい。特に、この別部材を連結コア部24の構成材料と同様の材料からなる成形硬化体とすると、連結コア部24の形成時に容易に一体化できる上に、当該別部材を磁路に利用することができる。また、図10(A)に示すケース120は、リアクトル1αを設置対象(図示せず)にボルトにより固定するためのボルト孔120hを有する取付部126を備える。取付部126を有することで、ボルトによりリアクトル1αを設置対象に容易に固定することができる。
[その他の構成要素]
コイル10とコア20との間の絶縁性をより高めるために、コイル10においてコア20に接触する箇所には、絶縁物を介在させることが好ましい。特に、コイル10のターン形成部から巻線の端部に至るまでの間であって、連結コア部24を貫通する箇所の巻線10wの外周に、絶縁紙や樹脂などの絶縁テープを巻回したり、絶縁チューブを配することが好適である。
[リアクトルの大きさ]
ケース120を含めたリアクトル1αの容量を0.2リットル(200cm3)〜0.8リットル(800cm3)程度とすると、車載部品に好適に利用することができる。本例のリアクトル1αの容量は280cm3である。
[用途]
リアクトル1αは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが10μH以上1mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが0Aのときのインダクタンスの30%以上を満たすように、リアクトル1αのインダクタンスを調整すると好適に利用できると期待される。
[リアクトルの製造方法]
リアクトル1αは、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、コイル10、圧粉成形体からなる内側コア部22、及び緩衝部材70を用意し、図11に示すように、内側コア部22の外周に緩衝部材70を装着し、コイル10内にその緩衝部材付き内側コア部を挿入して、コイル10、内側コア部22及び緩衝部材70の組物を作製する。
次に、この組物を内側樹脂部30で一体に成形して、実施形態1と同様にしてコイル成形体を作製する。その際、コイル10の内周と緩衝部材70の外周との間には、内側樹脂部30の一部が入り込んで介在樹脂部31iが形成される。
次に、上記コイル成形体をケース120内に収納する。上述したガイド突起部121などを利用して、当該コイル成形体をケース120内の所定の位置に精度良く配置できる。連結コア部24(図10、図11)を構成する磁性粉末と樹脂との混合物を作製して、上記ケース120に充填する。上記磁性粉末と樹脂との混合物(樹脂硬化前のもの)において、磁性粉末の含有量は、20体積%〜60体積%程度 (樹脂が40体積%〜80体積%程度)とすることで、上述のように透磁率が5〜50の連結コア部24を形成できる。ここでは、磁性粉末:40体積%、樹脂:60体積%とした。
上記磁性粉末と樹脂との混合物をケース120に充填した後、樹脂を硬化させる。この樹脂の硬化により、リアクトル1αが得られる。ここでは、80℃程度に保持した状態で数分〜数10分静置して樹脂を硬化した。この保持温度は、使用する樹脂に応じて適宜選択することができる。その他、前記混合物をケース120に充填した後、直ちに樹脂を硬化させてもよい。
[効果]
リアクトル1αは、コイルの内側に、順次介在樹脂部31iと緩衝部材70とを備えることで、ヒートサイクルが作用した場合でも、コイル10と緩衝部材70の間に位置する介在樹脂部31iの収縮に伴う応力が緩和され、介在樹脂部31iにクラックが生じることが抑制される。
また、上述のようにコア20の製造にあたり、接着剤を一切用いない接着剤レス構造であることからも、リアクトル1αは生産性に優れる。更に、リアクトル1αは、内側コア部22を圧粉成形体とすることで、飽和磁束密度の調整を簡単に行える上に、複雑な三次元形状であっても容易に形成でき、この点からも生産性に優れる。
加えて、リアクトル1αは、コイル10が一つであることで、小型である。特に、リアクトル1αでは、内側コア部22の飽和磁束密度が連結コア部24よりも高いことで、単一種の材料により構成されてコア全体の飽和磁束密度が均一的であるコアと同じ磁束を得る場合、内側コア部22の断面積(磁束が通過する面)を小さくできる。このような内側コア部22を備えることからも、リアクトル1αは小型である。更に、リアクトル1αは、内側コア部22の飽和磁束密度が高いと共に、連結コア部24の透磁率が低いことで、ギャップ材を有していないギャップレス構造とすることができ、ギャップを有するリアクトルと比較して小型である。また、ギャップレス構造であることで、コイル10と内側コア部22とを近付けて配置することができることからも、リアクトル1αは小型である。加えて、リアクトル1αは、内側コア部22の外形が、円筒状のコイル10の内周面の形状に沿った円柱形状であることで、コイル10と内側コア部22とを更に近付け易く、小型にできる。
また、リアクトル1αは、ケース120を備えることで、コイル10とコア20との組立体1Aを粉塵や腐食といった外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができる。その他、リアクトル1αは、連結コア部24を構成する磁性粉末と樹脂との比率を調整することで磁気特性を容易に変更できるため、インダクタンスの調整を容易に行える。
(変形例3−1)
実施形態3では、コイル10を縦型配置する形態を説明した。その他、図12に示すリアクトル1βのように、ケース120の底面122に対してコイル10の軸方向が平行するように、コイル10及び内側コア部22がケース120に収納された形態(以下、この配置形態を横型形態と呼ぶ)とすることができる。
この横型形態でも、内側コア部22の外周に実施形態1と同様の緩衝部材70が設けられている。また、内側コア部22、連結コア部24の各材質は、実施形態3と同様に、各々圧粉成形体、成形硬化体である。そして、コイル10、ケース120も実施形態3と同様のものを用いて、実施形態3と同様の方法によりリアクトル1βを得ることができる。
この横型形態のリアクトルによれば、コイル10の外周側は勿論、内側コア部22の両端部にも連結コア部24が配置されたリアクトル1βを容易に形成することができる。つまり、内側コア部22の全外周を連結コア部24で覆ったリアクトル1βを構成できる。また、リアクトル1βの高さを実施形態3に比べて低くすることができる。そして、内側コア部22の外周に緩衝部材70を設けることで、リアクトル1βにヒートサイクルが作用した場合でも、コイル10と緩衝部材70の間に位置する介在樹脂部31iの収縮に伴う応力が緩和され、介在樹脂部31iにクラックが生じることが抑制される。
(実施形態4)
次に、連結コア部の構成に工夫を施した実施形態4を図13、図14に基いて説明する。本例のリアクトルは、連結コア部24(端部コア材24E)の構成を除いて、他の構成は内側コア部の外側に緩衝部材を備える点や内側樹脂部を有する点を含めて実施形態1と共通である。そのため、以下の説明は相違点を中心に行い、共通する構成の説明は省略する。
本例のリアクトルに用いる連結コア部24は、内側コア部22とコイルの端面の双方に対向される内端面24fと、その内端面24fに隣接する側面24sとで形成される稜線を丸めて切欠角部24gを形成した点が実施形態1の連結コア部24と異なる。この連結コア部24は、コア片22cと同様の材質から構成されるブロック体である。ここでは、軟磁性粉末の圧粉成形体からなって、コイル成形体1Mの端面に対面する内端面24fと、内端面24fと対向して環状のコアの外側に現れる外端面24bと、内端面24f及び外端面24bをつなぐ両側面24sとを備える略台形断面の連結コア部24を用いている。
さらに、この内端面24fと両側面24sとで形成される稜線には切欠角部24gが形成されている。本例では、この稜線を丸めることで、連結コア部24の上下方向に沿って一様な曲率を有する切欠角部24gを構成している。この切欠角部24gは、丸めた稜線に対応する金型を用いて圧粉成形体の成形時に形成することが好ましい。その他、丸められていない稜線を有する圧粉成形体を形成しておき、その稜線を切削、研削、研磨などにより事後的に加工して切欠角部24gを形成してもよい。本例の切欠角部24gの円弧半径は3mmとした。この円弧半径は1mm以上、10mm以下程度が好適であるが、連結コア部の断面積が内側コア部の断面積以下にならないようにする。切欠角部24gの断面形状は円弧状に限らず、前記稜線を平面で面取りした形状でもよい。
この切欠角部24gは、図5に示すように、コイル成形体1Mと連結コア部24とを組み合わせて組立体を構成した際、連結コア部24の側面24sとコイル成形体1Mにおけるターン被覆部31の側面との間に溝を形成する。この溝は、前記組立体の外側に外側樹脂部40(図1、図2)を成形する際、外側樹脂部40の構成樹脂が連結コア部24の内端面24fとコイル成形体1Mの端面との間に導入するための案内溝として機能する。そして、この連結コア部24は、並列された一対の内側コア部22の両端部同士をつなぐように配され、接着剤で内側コア部22と接合される。これら内側コア部22と連結コア部24の接合により閉ループ状(環状)のコア20(図13(A))が形成される。内側コア部22と連結コア部24とを接合した状態において、連結コア部24の側面は、内側コア部22の外側面よりも外方に突出している。そのため、内側コア部22の外周にコイルを配置すると、コイル端面のほぼ全周が連結コア部の内端面24fに対向することになる。
このような連結コア部を用いて図7と同様に外側樹脂部の成形を行う際、連結コア部24の切欠角部は、コイル成形体1Mの端面と連結コア部24との間に溝を形成している。そのため、この溝を介して外側樹脂部となる不飽和ポリエステルが、連結コア部の内端面24fとターン被覆部31(図5)の端面との間に容易に入り込む。その結果、コイル成形体1Mと連結コア部24との間に外側樹脂部40の構成樹脂が十分に充填され、当該外側樹脂部40に空孔が形成されることもない。
また、連結コア部24のマニピュレータなどによるハンドリングや連結コア部24と他の部材との接触により連結コア部24の稜線が欠けることを抑制することができる。さらに、前記稜線がエッジ状にとがっていないため、連結コア部24がコイルに接触しても、コイルの絶縁被覆を損傷させることが防止し易い。
(実施形態5)
次に、実施形態4とは異なる切欠角部を有する本発明のリアクトルを図15に基づいて説明する。本例は、連結コア部の形態と、内側樹脂部を有しない点が実施形態1との主たる相違点であり、他の構成は実施形態1とほぼ共通するため、以下の説明は相違点を中心に行う。なお、図15では、連結コア部24を実線で示し、内側コア部22は一方側のみ破線で示して他方側は省略している。また、説明の便宜上、切欠角部24gは実際の寸法よりも大きく誇張して図示している。
本例の連結コア部24は、その断面形状が実施形態4と同様に略台形状であるが、内側コア部22と同じ高さであり、連結コア部24の上下面(上面24u)が内側コア部22の上下面と面一に構成されている。また、内側コア部22と連結コア部24とを組み合わせて環状のコアとしたとき、コアの外周面は内側コア部22と連結コア部24とで連続し、連結コア部24の側面が内側コア部22の側面よりも外側に突出することがない平坦コアとなる。つまり、各内側コア部22の外側に各コイル素子を配置した場合、連結コア部24の内端面24fのうち、コイルの端面に対向する箇所は、各コイル素子の巻線が隣合わせに並列配置される箇所に対向する領域のみである。
このような連結コア部24において、切欠角部24gは連結コア部の内端面24fと上下面(上面24u)とで構成される稜線に形成する。具体的には、図15(A)に示すように、連結コア部24の左右方向(コイル軸方向と直交する水平方向)の中間部に断面が矩形の切欠を設けて切欠角部24gとする。この切欠角部24gの形成箇所は、内側コア部22の外側にコイルを配置した際、コイルの端面と対向する箇所になる。その他、図15(B)に示すように、連結コア部24の同一箇所に断面が三角の切欠を設けて別構成の切欠角部24gとしてもよい。
このようなコアでリアクトルを構成するには、まず内側コア部22の外側にコイルを配置する。次に、内側コア部22の両端面に連結コア部24を接合する。そして、このコアとコイルとの組立体の外周を外側樹脂部(図1、図2参照)で覆う。
本例の場合も、切欠角部の箇所からコイルの端面における両コイル素子の間に向かって外側樹脂部の構成樹脂を案内することができる。そのため、切欠角部がない場合に比べて、コイルとコアとの間に外側樹脂部をより確実に充填することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
〔付記〕
以上の説明により、以下の発明も把握することができる。
(A)巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、コイルの内側に配されて閉磁路の一部を構成する内側コア部、及び内側コア部に結合されて閉磁路の残部を構成する連結コア部を有するコアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルとコアとの組立体の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を備え、
前記連結コア部のうち、前記コイルの端面に対向する内端面と、この内端面につながる隣接面とが形成する稜線に切欠角部を備えることを特徴とするリアクトル。
(B)前記切欠角部は、前記稜線を丸めることで構成されてなることを特徴とする付記(A)に記載のリアクトル。
(C)前記連結コア部におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方が、前記内側コア部におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方よりも突出していることを特徴とする付記(A)又は(B)に記載のリアクトル。
(D)前記連結コア部の隣接面は、前記内端面に隣接する側面であることを特徴とする付記(A)〜(C)のいずれか1項に記載のリアクトル。
(E)前記連結コア部の隣接面は、前記内端面に隣接する上面で、
前記切欠角部は、コイルの端面のうち、各コイル素子の巻線が隣合わせに並列配置される箇所に対向して形成されていることを特徴とする付記(A)〜(C)のいずれか1項に記載のリアクトル。
(F)前記コアが圧粉成形体であることを特徴とする付記(A)〜(E)のいずれか1項に記載のリアクトル。
(G)さらに、前記コイルの形状を保持する内側樹脂部を備え、
前記外側樹脂部は、前記コアと内側樹脂部を備えるコイルとの組立体の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする付記(A)〜(F)のいずれか1項に記載のリアクトル。
(H)コイルと、このコイルが配置されるコアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルの外周を覆って、このコイルの形状を保持する内側樹脂部と、
前記内側樹脂部を備えるコイルと前記コアとの組立体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部と、
前記内側樹脂部に一体に形成され、前記外側樹脂部を金型で形成するときに前記組合体を前記金型に対して位置決めするために用いられ、前記外側樹脂部に覆われない位置決め部とを備えることを特徴とするリアクトル。
(I)前記コイルは、一対のコイル素子と、両コイル素子を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記両コイル素子のターン形成面よりも突出して設けられており、
前記位置決め部は、前記内側樹脂部において前記連結部を覆う箇所に形成されていることを特徴とする付記Aに記載のリアクトル。
(J)コイルと、このコイルが配置されるコアとの組立体の外周の少なくとも一部が外側樹脂部で覆われたリアクトルに用いられるコイル成形体であって、
前記コイルの外周を覆って、このコイルの形状を保持する内側樹脂部と、
前記内側樹脂部に一体に形成され、前記外側樹脂部を金型で形成するときに前記組立体を前記金型に対して位置決めするために用いられ、当該外側樹脂部に覆われない位置決め部とを備えることを特徴とするコイル成形体。
(K)コイルとコアとの組立体を形成し、この組立体の外周の少なくとも一部を外側樹脂部で覆ってリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
前記コイルと、このコイルの外周を覆うと共に、このコイルの形状を保持する内側樹脂部とを備えるコイル成形体を形成する工程と、
前記コイル成形体と前記コアとの組立体を金型に収納し、この金型に樹脂を充填して硬化して、当該組立体の外周の少なくとも一部を覆う前記外側樹脂部を形成する工程とを備え、
前記内側樹脂部と一体に位置決め部を形成しておき、前記組立体を前記金型に収納する際、この位置決め部を前記金型に嵌め合わせることで当該組立体を前記金型に位置決めすることを特徴とするリアクトルの製造方法。
本発明のリアクトルやリアクトル用部品は、コンバータなどの部品として利用することができる。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車などの自動車用リアクトルとして好適に利用することができる。
1、1α、1β リアクトル
1M コイル成形体
1A 組立体
10 コイル
10A、10B コイル素子
10w 巻線
10t ターン部
10f ターン形成面
10r 連結部
10e 端部(巻線端部)
20 コア
22 内側コア部
22c コア片
22g ギャップ材
24 連結コア部
24b 外端面 24f 内端面 24s 側面 24u 上面 24g 切欠角部
24E 端部コア材
30 内側樹脂部
31 ターン被覆部
31i 介在樹脂部
31h センサ用穴
31o 中空孔
33 連結部被覆部
40 外側樹脂部
40i 介在樹脂部
41h センサ用穴
42 フランジ部
42h 貫通孔
42c金属カラー
43 ナット穴
50 端子金具
52 接続面
52h 挿通孔
54 溶接面
60 ナット
70 緩衝部材
80 予備成形体
82 ナット穴
90 ボビン
92 枠状ボビン
100 金型
100b 基部
100c 蓋部
101 キャビティ
110 嵌合溝
111、112、113 凹部
120 ケース
120h ボルト孔
121 ガイド突起部
122 底面
123 位置決め部
124 側壁
126 取付部
210 端子
220 ボルト

Claims (19)

  1. 巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、コイルの内側に配されて閉磁路の一部を構成する内側コア部、及び内側コア部に結合されて閉磁路の残部を構成する連結コア部を有するコアとを備えるリアクトルであって、
    前記コイルと前記内側コア部との間に介在される領域を有する樹脂部と、
    この領域の樹脂部と前記内側コア部との間に介在されて、前記領域の樹脂部に作用する応力を緩和する緩衝部材とを備えることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記緩衝部材の構成材料は、前記樹脂部の構成樹脂よりもヤング率が小さいことを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記樹脂部は、コイルとコアの組立体の少なくとも一部を覆う外側樹脂部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記樹脂部は、コイルの形状を保持する内側樹脂部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  5. 前記樹脂部の構成樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記緩衝部材が、熱収縮チューブ、常温収縮チューブ、モールド層、コーティング層、及びテープ巻き層の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記コイルは単一のコイル素子からなり、
    前記内側コア部は、前記コイル素子に挿入される棒状コア材で、
    前記連結コア部は、前記内側コア部の端部に連結してコイル素子の外側に配される外側コア材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記コイルは、並列状態に連結された一対のコイル素子からなり、
    前記内側コア部は、各コイル素子に挿入される一対の中間コア材で、
    前記連結コア部は、両中間コア材をつないで環状のコアを形成するように各内側コア部の端部に配される一対の端部コア材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. さらに前記コイルとコアとの組立体の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を備え、
    前記端部コア材のうち、前記コイルの端面に対向する内端面と、この内端面につながる隣接面とが形成する稜線に切欠角部を備えることを特徴とする請求項8に記載のリアクトル。
  10. 前記切欠角部は、前記稜線を丸めることで構成されてなることを特徴とする請求項9に記載のリアクトル。
  11. 前記端部コア材におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方が、前記内側コア部におけるリアクトルの設置側の面及びその反対面の少なくとも一方よりも突出していることを特徴とする請求項9又は10に記載のリアクトル。
  12. 前記端部コア材の隣接面は、前記内端面に隣接する側面であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のリアクトル。
  13. 前記端部コア材の隣接面は、前記内端面に隣接する上面で、
    前記切欠角部は、コイルの端面のうち、各コイル素子の巻線が隣合わせに並列配置される箇所に対向して形成されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のリアクトル。
  14. さらに、前記コイルの形状を保持する内側樹脂部を備え、
    前記外側樹脂部は、前記コアと内側樹脂部を備えるコイルとの組立体の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のリアクトル。
  15. 前記コイルの少なくとも一部を覆って、このコイルの形状を保持する内側樹脂部と、
    前記内側樹脂部を備えるコイルと前記コアとの組立体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部と、
    前記内側樹脂部に一体に形成され、前記外側樹脂部を金型で形成するときに前記組立体を前記金型に対して位置決めするために用いられ、前記外側樹脂部に覆われない位置決め部とを備えることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のリアクトル。
  16. 前記コイルは、両コイル素子を連結する連結部とを備え、
    前記連結部は、前記両コイル素子のターン形成面よりも突出して設けられており、
    前記位置決め部は、前記内側樹脂部において前記連結部を覆う箇所に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のリアクトル。
  17. 前記コアが次の(1)〜(4)のいずれかの構成であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のリアクトル。
    (1)内側コア部及び連結コア部の双方が磁性粉末の成形体である
    (2)内側コア部及び連結コア部の双方が磁性板の積層体である
    (3)内側コア部は磁性板の積層体であり、連結コア部は磁性粉末の成形体である
    (4)内側コア部は磁性粉末の成形体で、連結コア部は磁性粉末と樹脂との混合物の成形体である
  18. 巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、コイルの内側以外に配されて閉磁路の一部を構成する連結コア部を有するコアとを備えるリアクトルに用いるリアクトル用部品であって、
    前記コイルの内側に配されて閉磁路の残部を構成する内側コア部と、
    この内側コア部の外周の少なくとも一部を覆う緩衝部材と、
    この緩衝部材で覆われた前記内側コア部を前記コイルと一体化すると共に、そのコイルの形状を保持する内側樹脂部とを備えることを特徴とするリアクトル用部品。
  19. 前記緩衝部材の構成材料は、前記内側樹脂部の構成樹脂よりもヤング率が小さいことを特徴とする請求項18に記載のリアクトル用部品。
JP2010159158A 2009-07-31 2010-07-13 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ Expired - Fee Related JP5459120B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010159158A JP5459120B2 (ja) 2009-07-31 2010-07-13 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ
CN201080034098.2A CN102473510B (zh) 2009-07-31 2010-07-26 电抗器和电抗部件
US13/387,960 US8730001B2 (en) 2009-07-31 2010-07-26 Reactor and reactor-use component
PCT/JP2010/062507 WO2011013607A1 (ja) 2009-07-31 2010-07-26 リアクトル及びリアクトル用部品
EP10804353.0A EP2461336A4 (en) 2009-07-31 2010-07-26 Reactor and reactor-use components

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009179998 2009-07-31
JP2009179998 2009-07-31
JP2009193833 2009-08-25
JP2009193833 2009-08-25
JP2009199648 2009-08-31
JP2009199648 2009-08-31
JP2010159158A JP5459120B2 (ja) 2009-07-31 2010-07-13 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011071485A true JP2011071485A (ja) 2011-04-07
JP2011071485A5 JP2011071485A5 (ja) 2013-07-04
JP5459120B2 JP5459120B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=43529262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010159158A Expired - Fee Related JP5459120B2 (ja) 2009-07-31 2010-07-13 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8730001B2 (ja)
EP (1) EP2461336A4 (ja)
JP (1) JP5459120B2 (ja)
CN (1) CN102473510B (ja)
WO (1) WO2011013607A1 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147487A1 (ja) * 2011-04-25 2012-11-01 住友電気工業株式会社 圧粉成形体の製造方法、圧粉成形体、リアクトル、コンバータおよび電力変換装置
CN102915826A (zh) * 2011-08-04 2013-02-06 阿尔卑斯绿色器件株式会社 电感器及其制造方法
JP2013038133A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 磁気回路部品
WO2013128762A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 住友電気工業株式会社 リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
WO2013137019A1 (ja) * 2012-03-13 2013-09-19 住友電気工業株式会社 リアクトル、コンバータ、および電力変換装置
JP2013254929A (ja) * 2012-05-09 2013-12-19 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル、コンバータ、電力変換装置、および樹脂コア片の製造方法
JP2014033039A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Toyota Motor Corp リアクトルの製造装置と製造方法
JP2015005579A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びリアクトルの製造方法
TWI470655B (zh) * 2011-08-04 2015-01-21 Alps Green Devices Co Ltd Inductor and its manufacturing method
JP2015162599A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 住友電装株式会社 コア部材の製造方法
US9490059B2 (en) 2013-09-09 2016-11-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Coil component, method for manufacturing the same, and coil electronic component
KR20170009811A (ko) * 2014-05-27 2017-01-25 후지 덴키 가부시키가이샤 권선 부품의 부착 구조 및 이 부착 구조를 구비한 전력 변환 장치
JP2017139327A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP2019216218A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 株式会社タムラ製作所 リアクトル
KR102079167B1 (ko) * 2019-12-24 2020-02-19 제룡전기 주식회사 몰드형 분로 리액터
JP2021061346A (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 株式会社デンソー リアクトルの製造方法およびリアクトル製造用の金型

Families Citing this family (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4524805B1 (ja) * 2009-03-25 2010-08-18 住友電気工業株式会社 リアクトル
JP5459120B2 (ja) 2009-07-31 2014-04-02 住友電気工業株式会社 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ
JP4650755B1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-16 住友電気工業株式会社 リアクトル
US8659381B2 (en) 2009-08-31 2014-02-25 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Reactor
JP5561536B2 (ja) * 2010-06-17 2014-07-30 住友電気工業株式会社 リアクトル、及びコンバータ
JP5749503B2 (ja) * 2011-01-27 2015-07-15 株式会社タムラ製作所 コア固定具及びコイル装置
JP5096605B2 (ja) * 2011-03-30 2012-12-12 住友電気工業株式会社 外側コアの製造方法、外側コア、およびリアクトル
JP2013026420A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP2013026419A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP5874959B2 (ja) * 2011-10-11 2016-03-02 住友電装株式会社 リアクトルおよびその製造方法
JP5892337B2 (ja) * 2012-11-01 2016-03-23 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
JP5692203B2 (ja) * 2012-11-12 2015-04-01 トヨタ自動車株式会社 リアクトルとその製造方法、及び、リアクトルを備えた電力変換装置とその製造方法
US9424976B2 (en) * 2012-12-11 2016-08-23 Tamura Corporation Reactor
JP5782017B2 (ja) 2012-12-21 2015-09-24 トヨタ自動車株式会社 リアクトル及びその製造方法
US9087634B2 (en) 2013-03-14 2015-07-21 Sumida Corporation Method for manufacturing electronic component with coil
US9576721B2 (en) 2013-03-14 2017-02-21 Sumida Corporation Electronic component and method for manufacturing electronic component
US9343223B2 (en) * 2013-03-29 2016-05-17 Tamura Corporation Reactor
US9167682B2 (en) * 2013-08-21 2015-10-20 Sumida Corporation Electronic component with coil, method for manufacturing the same and power supply module
JP6305293B2 (ja) * 2014-09-17 2018-04-04 株式会社豊田中央研究所 磁気結合リアクトル及び電力変換装置
JP2016157751A (ja) 2015-02-23 2016-09-01 スミダコーポレーション株式会社 電子部品
JP6478108B2 (ja) * 2015-04-03 2019-03-06 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6502173B2 (ja) * 2015-05-20 2019-04-17 アルプスアルパイン株式会社 リアクトル装置および電気・電子機器
JP6358565B2 (ja) * 2015-07-24 2018-07-18 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル、およびリアクトルの製造方法
US11094452B2 (en) * 2015-09-01 2021-08-17 Mitsubishi Electric Corporation Power converter
JP6418454B2 (ja) * 2015-12-10 2018-11-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6740668B2 (ja) * 2016-03-30 2020-08-19 Tdk株式会社 薄膜インダクタ
JP6478065B2 (ja) 2016-05-25 2019-03-06 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル、およびリアクトルの製造方法
JP6624519B2 (ja) 2017-02-28 2019-12-25 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6624520B2 (ja) * 2017-02-28 2019-12-25 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP2018148153A (ja) * 2017-03-09 2018-09-20 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6677204B2 (ja) * 2017-03-28 2020-04-08 トヨタ自動車株式会社 リアクトル製造方法及び加熱装置
JP6656594B2 (ja) * 2017-05-22 2020-03-04 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6747383B2 (ja) * 2017-06-08 2020-08-26 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP6522052B2 (ja) * 2017-06-27 2019-05-29 矢崎総業株式会社 ノイズ低減ユニット
JP6808177B2 (ja) * 2017-11-21 2021-01-06 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP7147266B2 (ja) 2018-05-18 2022-10-05 オムロン株式会社 磁気部品、電子装置
JPWO2020066631A1 (ja) * 2018-09-28 2021-08-30 三菱電機株式会社 リアクトル
CN114974878B (zh) * 2022-06-20 2023-12-15 株洲中车奇宏散热技术有限公司 一种防止线圈炸裂的空心电抗器制作方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11288824A (ja) * 1998-01-27 1999-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd チョ―クコイル
JP2004095570A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Toyota Motor Corp リアクトル装置およびその製造方法
JP2007027185A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Denso Corp コイル封止型樹脂成形リアクトル及びその製造方法
JP2008041879A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP2008042051A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Risho Kogyo Co Ltd リアクトル
JP2008311284A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Toyota Motor Corp リアクトル
JP2009026995A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp リアクトルコアおよびリアクトル

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2992405A (en) * 1957-03-26 1961-07-11 Raytheon Co Insulating and cooling devices
US3244960A (en) * 1961-05-01 1966-04-05 United Electrodynamics Inc Electrical circuitry employing an isolation transformer
US3587168A (en) * 1968-10-28 1971-06-28 Westinghouse Canada Ltd Method of making insulated electrical apparatus
US3711807A (en) * 1970-07-12 1973-01-16 Northern Ind & Mfg Inc A molded coil
US3774298A (en) * 1972-06-29 1973-11-27 Westinghouse Electric Corp Method of constructing a transformer winding assembly
JPS50121958U (ja) 1974-03-20 1975-10-04
US4137515A (en) * 1974-09-19 1979-01-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Synthetic resin packed coil assembly
JPS5530812A (en) 1978-08-25 1980-03-04 Toshiba Corp Mould transformer
US4239077A (en) * 1978-12-01 1980-12-16 Westinghouse Electric Corp. Method of making heat curable adhesive coated insulation for transformers
JPS5936408B2 (ja) 1980-03-07 1984-09-04 日立照明株式会社 放電灯用安定器の製造方法
DE3311775C1 (de) * 1983-03-31 1984-06-20 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh, 7730 Villingen-Schwenningen Transformator fuer die Ablenkung von Elektronenstrahlen
US5926946A (en) * 1994-12-28 1999-07-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for manufacturing reactor
US7106163B2 (en) * 1998-03-27 2006-09-12 The Furukawa Electric Co., Ltd. Core
DE69922094T2 (de) * 1998-07-31 2005-12-01 Hitachi, Ltd. Transformatorkern aus amorphem Metall
US6600402B1 (en) * 1998-10-20 2003-07-29 Vlt Corporation Bobbins, transformers, magnetic components, and methods
US6950004B2 (en) * 2000-09-19 2005-09-27 Arthur Alexander Godoy Quadrilateral electromagnetic coil assembly
DE10148133A1 (de) * 2001-09-28 2003-04-24 Ascom Energy Systems Ag Bern Flachtransformator mit gesteckten Sekundärwicklungen
JP2003197444A (ja) 2001-10-15 2003-07-11 Tokyo Seiden Kk リアクトル装置及びその製造方法
JP2004327569A (ja) 2003-04-23 2004-11-18 Toyota Motor Corp リアクトル装置
JP4514031B2 (ja) 2003-06-12 2010-07-28 株式会社デンソー コイル部品及びコイル部品製造方法
JP4140461B2 (ja) 2003-06-27 2008-08-27 トヨタ自動車株式会社 リアクトル装置
JP4352855B2 (ja) 2003-10-28 2009-10-28 パナソニック電工株式会社 電磁装置の製造方法及び電磁装置並びにこれを用いた放電灯装置と照明器具
JP4725785B2 (ja) * 2005-10-24 2011-07-13 住友電気工業株式会社 リアクトル及びその製造方法
CN1956112A (zh) * 2005-10-28 2007-05-02 恩良企业股份有限公司 变流器及其制作方法
JP4687973B2 (ja) * 2005-11-08 2011-05-25 住友電気工業株式会社 リアクトル装置
JP4506668B2 (ja) 2005-12-27 2010-07-21 トヨタ自動車株式会社 リアクトルの冷却構造および電気機器ユニット
CN101405822A (zh) * 2006-03-17 2009-04-08 株式会社田村制作所 磁芯固定部件及其结构
JP2008021948A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル用コア
JP2008028290A (ja) 2006-07-25 2008-02-07 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル装置およびその組立方法
JP2008041877A (ja) 2006-08-04 2008-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP4925807B2 (ja) 2006-12-14 2012-05-09 スミダコーポレーション株式会社 封止コイル部品及びアンテナコイル部品の製造方法
JP4465635B2 (ja) * 2008-03-17 2010-05-19 トヨタ自動車株式会社 リアクトル装置
JP2009246219A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Sumitomo Electric Ind Ltd ボビン、リアクトル及びリアクトルの組立方法
US20110156853A1 (en) 2008-08-22 2011-06-30 Masayuki Kato Reactor-use component and reactor
JP4524805B1 (ja) 2009-03-25 2010-08-18 住友電気工業株式会社 リアクトル
JP5459120B2 (ja) 2009-07-31 2014-04-02 住友電気工業株式会社 リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ
JP5656063B2 (ja) 2009-10-29 2015-01-21 住友電気工業株式会社 リアクトル

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11288824A (ja) * 1998-01-27 1999-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd チョ―クコイル
JP2004095570A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Toyota Motor Corp リアクトル装置およびその製造方法
JP2007027185A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Denso Corp コイル封止型樹脂成形リアクトル及びその製造方法
JP2008041879A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP2008042051A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Risho Kogyo Co Ltd リアクトル
JP2008311284A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Toyota Motor Corp リアクトル
JP2009026995A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp リアクトルコアおよびリアクトル

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147487A1 (ja) * 2011-04-25 2012-11-01 住友電気工業株式会社 圧粉成形体の製造方法、圧粉成形体、リアクトル、コンバータおよび電力変換装置
CN102915826A (zh) * 2011-08-04 2013-02-06 阿尔卑斯绿色器件株式会社 电感器及其制造方法
JP2013038133A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 磁気回路部品
TWI470655B (zh) * 2011-08-04 2015-01-21 Alps Green Devices Co Ltd Inductor and its manufacturing method
JP2013211515A (ja) * 2012-03-02 2013-10-10 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
WO2013128762A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 住友電気工業株式会社 リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
WO2013137019A1 (ja) * 2012-03-13 2013-09-19 住友電気工業株式会社 リアクトル、コンバータ、および電力変換装置
JP2013219318A (ja) * 2012-03-13 2013-10-24 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル、コンバータ、および電力変換装置
JP2013254929A (ja) * 2012-05-09 2013-12-19 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル、コンバータ、電力変換装置、および樹脂コア片の製造方法
JP2014033039A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Toyota Motor Corp リアクトルの製造装置と製造方法
JP2015005579A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びリアクトルの製造方法
US9490059B2 (en) 2013-09-09 2016-11-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Coil component, method for manufacturing the same, and coil electronic component
JP2015162599A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 住友電装株式会社 コア部材の製造方法
KR20170009811A (ko) * 2014-05-27 2017-01-25 후지 덴키 가부시키가이샤 권선 부품의 부착 구조 및 이 부착 구조를 구비한 전력 변환 장치
KR102116807B1 (ko) 2014-05-27 2020-06-01 후지 덴키 가부시키가이샤 권선 부품의 부착 구조 및 이 부착 구조를 구비한 전력 변환 장치
JP2017139327A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
WO2017135319A1 (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 株式会社オートネットワーク技術研究所 リアクトル
JP2019216218A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 株式会社タムラ製作所 リアクトル
JP7117905B2 (ja) 2018-06-14 2022-08-15 株式会社タムラ製作所 リアクトル
JP2021061346A (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 株式会社デンソー リアクトルの製造方法およびリアクトル製造用の金型
JP7247847B2 (ja) 2019-10-08 2023-03-29 株式会社デンソー リアクトルの製造方法およびリアクトル製造用の金型
KR102079167B1 (ko) * 2019-12-24 2020-02-19 제룡전기 주식회사 몰드형 분로 리액터

Also Published As

Publication number Publication date
US20120126928A1 (en) 2012-05-24
CN102473510A (zh) 2012-05-23
CN102473510B (zh) 2014-04-09
EP2461336A1 (en) 2012-06-06
EP2461336A4 (en) 2017-12-06
JP5459120B2 (ja) 2014-04-02
WO2011013607A1 (ja) 2011-02-03
US8730001B2 (en) 2014-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5459120B2 (ja) リアクトル、リアクトル用部品、及びコンバータ
JP5429694B2 (ja) リアクトル、およびコンバータ
JP4650755B1 (ja) リアクトル
US8525632B2 (en) Reactor
JP5263720B2 (ja) リアクトル用部品の製造方法及びリアクトル本体の製造方法
JP5051469B2 (ja) リアクトル
JP4968626B2 (ja) コイル成形体およびリアクトル
JP4873189B2 (ja) リアクトル
CN102859620A (zh) 电抗器
JP2012169425A (ja) リアクトル
JP5287612B2 (ja) リアクトル、及びコンバータ
JP2011129593A (ja) リアクトル
JP2011029336A (ja) リアクトル及びリアクトルの取付構造
JP5733343B2 (ja) リアクトル
JP5381673B2 (ja) リアクトル
JP2011054612A (ja) リアクトル構造体の製造方法、およびリアクトル構造体
JP5333798B2 (ja) コイル成形体およびリアクトル、並びにコンバータ
CN111316389B (zh) 电抗器
JP2011054613A (ja) リアクトル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131230

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5459120

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees