JP2011022542A - 着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子 - Google Patents

着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】C.I.ピグメントイエロー150を用いるより輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、且つ色素誘導体を用いずとも安定性の良好な着色組成物を提供すること。
【解決手段】(A)着色剤、(B)分散剤、(C)バインダー樹脂、並びに(D)多官能性単量体を含有する着色組成物であって、(A)着色剤が、アゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン等で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、側鎖に4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有するAブロックと、側鎖に4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さないBブロックを有するブロック共重合体を含有するものであることを特徴とする着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子に関わり、より詳しくは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタに有用な着色層の形成に用いられる着色組成物、当該着色組成物を用いて形成された着色層を備えるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子に関する。
着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法として、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、着色感放射線性組成物の塗膜を形成して、所定のパターンを有するフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像して未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、各色の画素を得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。また、着色樹脂組成物を用いてインクジェット方式により各色の画素を得る方法(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
このようなカラーフィルタを具備する液晶表示素子には、高輝度化と色再現領域の拡大が求められていることから、カラーフィルタを構成する各色画素についても、近年ますます高い光透過率と色純度を有することが要求されている。かかる要求に対し、赤色又は緑色画素の光透過率(明度)を高める手法としては、例えば、下記式で表されるC.I.ピグメントイエロー150を用いること(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)が知られている。
Figure 2011022542
しかしながら、C.I.ピグメントイエロー150によっても、近年の高輝度化及び色再現領域の拡大の要求に対して、十分に応えることはできていない。これに対し、特許文献6では、流動性、透明性等に優れるアゾ金属錯体顔料として、アゾバルビツール酸金属錯体、メラミン等から構成されるアゾバルビツール酸金属錯体顔料が開示されている。さらに、特許文献7では、特許文献6に開示されているアゾバルビツール酸金属錯体顔料、色素誘導体等を含有する緑色着色組成物が、流動性、安定性に優れ、コントラスト比の高い緑色フィルタセグメントを形成できる旨開示されている。
しかしながら、色素誘導体は、着色組成物の流動性、安定性を高めるには有効であるが、それ自体が着色しているため、カラーフィルタの色度特性を変化させてしまうという欠点を有する。
以上のような背景から、C.I.ピグメントイエロー150を用いるより輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、且つ色素誘導体を用いずとも安定性の良好な着色組成物の開発が強く求められている。
特開平2−144502号公報 特開平3−53201号公報 特開2000−310706号公報 特開平9−269410号公報 特開2007−13313号公報 特開2006−16506号公報 特開2007−33579号公報
本発明の課題は、C.I.ピグメントイエロー150を用いるより輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、且つ色素誘導体を用いずとも安定性の良好な着色組成物を提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記着色組成物から形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、特許文献6に開示されている顔料と、特定構造の分散剤を組み合わせて用いることで上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、(A)着色剤、(B)分散剤、(C)バインダー樹脂、並びに(D)多官能性単量体を含有する着色組成物であって、(A)着色剤が、下記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン及び下記式(II)で表される化合物で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料(以下、「特定顔料」ということがある。)を含有するものであり、(B)分散剤が、下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位及び下記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合体(以下、「特定分散剤」ということがある。)を含有するものであることを特徴とする着色組成物を提供するものである。
Figure 2011022542
Figure 2011022542
(式(II)において、Aは炭素原子又は窒素原子を示し、Rは水素原子、置換基を有してもよいフェニル基、又は窒素含有の複素環残基を示し、Rは炭素数1−6のアルキル基、水酸基、塩素原子、臭素原子、−NH、−NHR、−NH−R−NR、又は−NRを示し、Rは−NH−R−NR、又は−NRを示し、Rはメチレン基又は炭素数2−6のアルキレン基を示し、R、Rは共に炭素数1−6のアルキル基又は炭素数2−6のアルケニル基を示す。)
Figure 2011022542
(式(1)において、R〜Rは、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示し、R〜Rのうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは2価の連結基を示し、Yは対アニオンを示す。)
Figure 2011022542
(式(2)において、R及びRは、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示し、R及びRが互いに結合して環状構造を形成してもよい。Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは2価の連結基を示す。)
Figure 2011022542
(式(3)において、Rは鎖状もしくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
Figure 2011022542
(式(4)において、R10はエチレン基又はプロピレン基を示し、R11は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R12は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜20の整数を示す。)
また、本発明は、該着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子をも提供するものである。ここで、「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス等を意味する。
また、本発明は、上記着色剤、上記分散剤及び溶媒を含有する着色剤分散液を提供するものである。
本発明の着色組成物は、輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、しかも保存安定性にも優れる。
したがって、本発明の着色組成物は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本発明の着色組成物に用いられる(A)着色剤は、特定顔料、すなわち、上記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体に対し、メラミン及び上記式(II)で表される化合物が包接された顔料を含有するものである。特定顔料は、例えば、特開2006−16506に記載の方法で製造することができる。
上記式(II)で表される化合物としては、ベンゼン環、トリアジン環、ピリジン環、ピリミジン環に対し、1級又は2級アミノ基が置換基として存在する化合物であり、バルビツール酸との相互作用が大きくなることから、2個以上の1級又は2級アミノ基が置換基として存在する化合物が好適に用いられる。上記式(II)で示される化合物は、ベンゼン環、トリアジン環、ピリジン環、ピリミジン環に、アミノ基を介して、置換基を有してもよいフェニル基や窒素含有の複素環が接続されていてもよい。
本発明における置換基を有してもよいフェニル基とは、水酸基、アミノ基、スルホニル基、ニトロ基、メチル基、カルボニル基などの置換基を有してもよいフェニル基のことを指す。また、窒素含有の複素環としては、カルバゾール、キノリン、キノキサリン、フタルイミド、ベンズイミダゾロン、キナゾリン、キナクリドン、ピロロピロール、アクリドン、アクリジン、インダゾール等を挙げることができる。
本発明において、特定顔料は、上記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体1.00モルに対して、1.00〜1.95モルのメラミン及び0.05〜1.00モルの上記式(II)で表される化合物で構成されていることが好ましい。アゾバルビツール酸1.00モルに対し、上記式(II)で表される化合物の量が多すぎると、得られる特定顔料の分散液が増粘することがあり、少なすぎると結晶成長防止効果、分散安定効果、凝集防止効果等の期待する効果が得られない。上記式(II)で表される化合物は、アゾバルビツール酸ニッケル錯体1.00モルに対して、0.05〜0.2モルになる量で用いることがさらに好ましい。また、メラミン及び上記式(II)で表される化合物は、アゾバルビツール酸ニッケル錯体1.00モルに対して、メラミンと上記式(II)で表される化合物の合計が2.00モルとなる量で用いることが好ましい。
上記式(II)で表される化合物のうち、好適な具体例を以下に示す。但し、以下の化合物に限定されるものではない。
特定顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
Figure 2011022542
Figure 2011022542
本発明においては、特定顔料と共に、他の着色剤を併用することができる。他の着色剤としては、特に限定されるものではなく、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定され、顔料、染料あるいは天然色素の何れでもよい。カラーフィルタには耐熱性が求められることから、他の着色剤としては、有機顔料あるいは無機顔料が好ましい。特定顔料以外の有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
また、上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
他の着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、特定顔料及び特定顔料以外の有機顔料は、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法や、これらの組み合わせにより精製して使用することもできる。
また、特定顔料及び他の着色剤は、所望により、その粒子表面をポリマーで改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質するポリマーとしては、例えば特開平8−259876号公報に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマー又はオリゴマー等を挙げることができる。カーボンブラック表面のポリマー被覆方法については、例えば特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に開示されている。
本発明の着色組成物を赤色画素の形成に用いる場合、(A)着色剤としては、特定顔料と共に、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。この場合、特定顔料の含有割合は、全着色剤中、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜25質量%であり、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、全着色剤中、好ましくは50〜99質量%であり、さらに好ましくは60〜98質量%である。
また、本発明の着色組成物を緑色画素の形成に用いる場合、(A)着色剤としては、特定顔料と共に、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントグリーン58よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。この場合、特定顔料の含有割合は、全着色剤中、好ましくは1〜80質量%、さらに好ましくは2〜70質量%であり、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントグリーン58よりなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、全着色剤中、好ましくは20〜99質量%、さらに好ましくは30〜98質量%である。
また、本発明の着色組成物をブラックマトリックスの形成に用いる場合、(A)着色剤としては、特定顔料と共に、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種、並びにC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4及びC.I.ピグメントブルー15:6よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。この場合、特定顔料の含有割合は、全着色剤中、好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%であり、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、全着色剤中、好ましくは40〜90質量%、さらに好ましくは50〜80質量%であり、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4及びC.I.ピグメントブルー15:6よりなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、全着色剤中、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
上記のような着色剤を用いることにより、輝度、コントラスト比及び色純度の高い画素、あるいは遮光性の高いブラックマトリックスを形成することができる。
本発明において、(A)着色剤の含有量は、透明性及び色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、全固形分中5〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがさらに好ましい。ここで固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
−(B)分散剤−
本発明の着色組成物に用いられる(B)分散剤は、特定分散剤、すなわち、上記式(1)で表される4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」ということがある。)、上記式(2)で表されるアミノ基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」ということがある。)、上記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」ということがある。)及び下記式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体を含有するものである。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル又はメタクリル」、「アクリレート又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味するものとする。
上記式(1)のR〜R及び上記式(2)のR〜Rで示される炭化水素基上の置換基のうち、鎖状の炭化水素基上の置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基等が挙げられる。また、環状の炭化水素基上の置換基としては鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R〜R及びR〜Rで示される鎖状の炭化水素基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
上記式(1)において、R〜Rのうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2011022542
(式(III)において、RはR〜Rのいずれかである。)
これらの環状構造は、さらに置換基を有していてもよい。
上記式(1)におけるR〜Rとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基が特に好ましい。
また、上記式(2)において、R及びRが互いに結合して環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2011022542
これらの環状構造は、さらに置換基を有していてもよい。
上記式(2)におけるR及びRとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が特に好ましい。
上記式(1)及び(2)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R13−基、−COO−R14−基(但し、R13及びR14は単結合、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である)等が挙げられ、好ましくは−COO−R14−基である。 また、上記式(1)において、対アニオンのYとしては、Cl、Br、I、ClO−、BF 、CHCOO、PF 等が挙げられる。
上記式(3)において、Rで示されるアルキル基上の置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基上の置換基としては鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。また、Rで示される鎖状の炭化水素基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
上記式(3)におけるRとしては、炭素数1〜8の鎖状のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基が特に好ましい。
上記式(4)において、R11としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。また、nは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
特定分散剤は、繰り返し単位(1)〜繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
特定分散剤において、繰り返し単位(1)の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。繰り返し単位(2)の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%である。繰り返し単位(3)の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。繰り返し単位(4)の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%である。各繰り返し単位をこのような割合で含有せしめることにより、分散性に優れた着色組成物を得ることができる。
特定分散剤は、繰り返し単位(1)〜繰り返し単位(4)を有する限り、特に限定されるものではないが、分散性をより高める点から、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を有するAブロックと、繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)を有するBブロックを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。また、該ブロック共重合体は、A−Bブロック共重合体又はB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。Aブロック中における繰り返し単位(1)/繰り返し単位(2)の共重合比は、好ましくは99/1〜50/50、より好ましく95/5〜70/30(質量比)である。
また、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよい。繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有割合は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜20質量%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
Bブロック中において、繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。特定分散剤がB−A−Bブロック共重合体である場合、繰り返し単位(3)を有し繰り返し単位(4)を有さないB1ブロックと、繰り返し単位(4)を有し繰り返し単位(3)を有さないB2ブロックからなる、B1−A−B2ブロック共重合体であってもよい。また、繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)は、1つのBブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Bブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。Bブロック中における繰り返し単位(3)/繰り返し単位(4)の共重合比は、好ましくは99/1〜50/50、より好ましくは99/1〜80/20(質量比)である。上記B1ブロック/B2ブロック比も同様である。
繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有割合は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜20質量%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
特定分散剤がA−Bブロック共重合体であっても、B−A−Bブロック共重合体であっても、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は、分散性の点から、10/90〜70/30、特に25/75〜55/45(質量比)であることが好ましい。
また、特定分散剤の酸価は、分散性の点から、低い方が好ましく、特に0mgKOH/gであることが好ましい。ここで酸価とは、分散剤固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
また、特定分散剤の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)で1000〜30,000の範囲が好ましい。Mwが小さすぎると、分散安定性が低下するおそれがあり、一方Mwが大きすぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性を付与した場合に、現像性が低下したり、スリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
特定分散剤は、公知の方法により製造することができるが、特定分散剤がブロック共重合体である場合、上記各繰り返し単位を導入する単量体を、リビング重合することにより製造することができる。リビング重合法としては、特開平9−62002号公報、特開2002−31713号公報や、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull.12,79 (1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Soc,109,4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載されている公知の方法を採用することができる。
特定分散剤を製造する際に用いる繰り返し単位(1)を導入する単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチル(4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。繰り返し単位(2)を導入する単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。繰り返し単位(1)は、繰り返し単位(2)を導入する単量体を重合した後、該重合体に塩化ベンジル等のハロゲン化炭化水素化合物を反応させ、部分的にアミノ基を4級化させることにより導入することもできる。
また、繰り返し単位(3)を導入する単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。繰り返し単位(4)を導入する単量体としては、例えば、ポリエチレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明においては、特定分散剤と共に、他の分散剤を併用することができる。他の分散剤としては、例えば、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース24000、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB823、アジスパーPB824、アジスパーPB827(味の素ファインテクノ株式会社製)等の市販の高分子分散剤が挙げられる。また、他の分散剤として、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等の色素誘導体が挙げられる。
本発明において、分散剤の含有量は特に限定されるものではないが、(A)着色剤100質量部に対して、好ましくは0.5〜70質量部、さらに好ましくは5〜50質量部である。また、特定分散剤の含有割合は、全分散剤中、好ましくは25質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。かかる態様で分散剤を含有せしめることにより、輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、且つ保存安定性、現像性にも優れた着色組成物を得ることができる。
−(C)バインダー樹脂−
本発明における(C)バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。なかでも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(c1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(c2)」という。)との共重合体が好ましい。
上記不飽和単量体(c1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの不飽和単量体(c1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(c1)と不飽和単量体(c2)の共重合体において、不飽和単量体(c1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(c1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色組成物を得ることができる。
また、上記不飽和単量体(c2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの如き不飽和カルボン酸エステル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(c2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(c1)と不飽和単量体(c2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
本発明におけるバインダー樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、1,000〜45,000、好ましくは3,000〜30,000である。Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方大きすぎると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
また、本発明におけるバインダー樹脂のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)の比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
本発明におけるバインダー樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
本発明において、バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、得られる着色組成物の保存安定性が低下したりするおそれがあり、一方多すぎると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
−(D)多官能性単量体−
本発明における(D)多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体である。
このような多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコールの如きアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートやそのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂の如きオリゴ(メタ)アクリレート;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレンの如き両末端ヒドロキシル重合体のジ(メタ)アクリレート;
トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン構造を有するポリ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
これらの多官能性単量体のうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物、ウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレート、並びにカプロラクトン構造を有するポリ(メタ)アクリレートが好ましい。3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ペンタエリスリトールトリメタクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
上記多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(D)多官能性単量体の含有量は、(C)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、特に20〜300質量部が好ましい。この場合、多官能性単量体の含有量が少なすぎると、十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、多官能性単量体の含有量が多すぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性を付与した場合に、アルカリ現像性が低下し、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
また、本発明においては、多官能性単量体の一部を、重合性不飽和結合を1個有する単官能性単量体に置き換えることもできる。
上記単官能性単量体としては、例えば、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートや、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムのほか、市販品として、M−5600(商品名、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。
これらの単官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における単官能性単量体の含有割合は、多官能性単量体と単官能性単量体の合計に対して、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。この場合、単官能性単量体の使用割合が多すぎると、硬化性が低下する傾向がある。
−(E)光重合開始剤−
本発明の着色組成物には、光重合開始剤を含有せしめることにより、着色組成物に感放射線性を付与することもできる。ここでいう「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
本発明に用いる(E)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(D)多官能性単量体及び場合により使用される単官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
本発明において、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
また、上記アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
また、上記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
また、上記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(D)多官能性単量体100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤等を挙げることができる。
−(F)溶媒−
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(D)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(D)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
上記溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
さらに、上記溶媒と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
上記高沸点溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる感放射線性組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、通常、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が望ましい。
本発明において、着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、例えば、(A)〜(D)成分を、(F)溶媒や任意的に加えられる他の成分と共に、混合することにより調製することができる。好ましい着色組成物の調製方法としては、(A)着色剤を(F)溶媒中、(B)分散剤の存在下で、場合により(C)成分の一部と共に、例えばビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色剤分散液とし、次いで、この着色剤分散液に、(C)〜(D)成分と、必要に応じてさらに追加の溶媒や他の成分を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成された着色層を備えるものである。
カラーフィルタを形成する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。すなわち、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、感放射線性着色組成物の塗膜を形成する。次いで、所定のパターンを有するフォトマスクを介して塗膜に放射線を露光し、現像して未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、各色の画素を得る。
具体的には、まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層を形成する。次いで、この基板上に、例えば、赤色の顔料が分散された感放射線性着色組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、赤色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
次いで、緑色又は青色の顔料が分散された各感放射線性着色組成物の液状組成物を用い、上記と同様にして、各液状組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び青色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
また、ブラックマトリックスは、本発明の着色組成物を用い、上記画素の形成の場合と同様にして形成することができる。
画素及び/又はブラックマトリックスを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
感放射線性着色組成物の液状組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜8.0μm、特に好ましくは0.2〜6.0μmである。
画素及び/又はブラックマトリックスを形成する際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/mが好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
また、カラーフィルタを形成する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法も知られている。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及びコントラスト比が高いため、特にTVを代表とするカラー液晶表素子に極めて有用である。
カラー液晶表示素子
本発明のカラー液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
分散剤の分析
分散剤B1
分散剤B1は顔料湿潤分散剤の市販品であり、変性アクリル系ブロック共重合体のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート/ブチルセルソルブ=1/1(質量比)溶液である(固形分濃度40質量%、酸価=0)。熱分解GC−MS、FT−IR測定、プロトンNMRにより、分散剤Bがメタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体(A/B=38/62)であることを確認した。各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=34/4/16/17/12/10/7(質量比)であった。
分散剤b1
分散剤b1は顔料湿潤分散剤の市販品であり、変性アクリル系ブロック共重合体のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート/ブチルセルソルブ=1/1(質量比)溶液である(固形分濃度40質量%、酸価=0)。熱分解GC−MS、FT−IR、プロトンNMR測定により、分散剤b1がメタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体(A/B=16/84)であることを確認した。各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=16/16/15/18/29/6(質量比)であった。
分散剤の合成
分散剤b2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート186質量部を仕込み、引き続きメチルメタクリレート27質量部、ブチルメタクリレート27質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート21質量部、ベンジルメタクリレート18質量部及びクミルジチオベンゾエート3.6質量部を仕込んで、30分間窒素置換した。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、この反応溶液に、AIBN1.0質量部及びジメチルアミノエチルメタクリレート35質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70質量部に溶解させ30分間窒素置換した溶液を添加し、60℃で24時間リビングラジカル重合することによりブロック共重合体の溶液を得た。
得られたブロック共重合体溶液に、塩化ベンジル25質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル50質量部を添加し、80℃で2時間反応を行い、分散剤b2を含む溶液を得た。分散剤b2は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート及びベンジルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体である。プロトンNMR測定の結果、各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート=34/4/18/18/14/12(質量比)であった。
分散剤b3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN1.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート186質量部を仕込み、引き続きメチルメタクリレート27質量部、ブチルメタクリレート27質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート19質量部、ベンジルメタクリレート16質量部、トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート16質量部及びクミルジチオベンゾエート3.6質量部を仕込んで、30分間窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、この反応溶液に、AIBN1.0質量部及びジメチルアミノエチルメタクリレート54質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート108質量部に溶解させ30分間窒素置換を行った溶液を添加し、60℃で24時間リビングラジカル重合することにより分散剤b3を含む溶液を得た。
分散剤b3は、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体である。プロトンNMR測定の結果、各繰り返し単位の共重合比は、ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=34/17/17/12/10/10(質量比)であった。
特定顔料の製造
特開2007−33579号公報に記載の方法に従って、以下の特定顔料(A1)及び特定顔料(A2)を製造した。
特定顔料(A1):上記式(II)で表される化合物が表1の(a)である特定顔料
特定顔料(A2):上記式(II)で表される化合物が表1の(b)である特定顔料
着色剤分散液の調製
調製例1
(A)着色剤としてC.I.ピグメントレッド254を3.75質量部、C.I.ピグメントレッド177を8.25質量部、特定顔料(A1)を3質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル=90/10(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−1)を調製した。
調製例2
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン7を6.75質量部、特定顔料(A2)を8.25質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル/プロピレングリコールモノメチルエーテル=80/20(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−2)を調製した。
調製例3
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36を9.6質量部、特定顔料(A2)を5.4質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=90/10(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−3)を調製した。
調製例4
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58を9.0質量部、特定顔料(A2)を6.0質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−4)を調製した。
比較調製例1
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b1を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−1)を調製した。
比較調製例2
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b2を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−2)を調製した。
比較調製例3
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b3を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−3)を調製した。
比較調製例4
調製例1において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値x=0.650での色度座標値yが顔料分散液(A−1)と同等になるよう調色した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−4)を調製した。
比較調製例5
調製例2において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−2)と同等になるよう調色した以外は、調製例2と同様にして、顔料分散液(a−5)を調製した。
比較調製例6
調製例3において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−3)と同等になるよう調色した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−6)を調製した。
比較調製例7
調製例3において、(B)分散剤として分散剤b2を使用した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−7)を調製した。
比較調製例8
調製例3において、(B)分散剤として、分散剤b2を3質量部(固形分換算)と、銅フタロシアニンのスルホン酸誘導体であるソルスパース12000(ルーブリゾール(株)社製)0.3質量部を使用した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−8)を調製した。
比較調製例9
調製例4において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−4)と同等になるよう調色した以外は、調製例4と同様にして、顔料分散液(a−9)を調製した。
(C)バインダー樹脂の合成
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15質量部、N−フェニルマレイミド20質量部、ベンジルメタクリレート55質量部、スチレン10質量部及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=16,000、Mn=7,000であった。このバインダー樹脂溶液を「樹脂溶液(C1)」とする。
実施例1
感放射線性着色組成物の調製
顔料分散液(A−1)100質量部、(C)バインダー樹脂として樹脂溶液(C1)10質量部(固形分換算)、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15質量部、(E)光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン4質量部と4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1質量部、及び(F)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度22%の液状組成物(CR1)を調製した。
液状組成物(CR1)について、下記の手順にしたがって、評価を行った。評価結果を表2に示す。
色度特性及びコントラスト比の評価
液状組成物(CR1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて回転数を変量して3枚塗布したのち、90℃のホットプレートで4分間プレベークを行って、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、1分間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、さらに220℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行って、評価用硬化膜を形成した。
得られた3枚の硬化膜について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。
また、硬化膜が形成された基板を2枚の偏向板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏向板を回転させ、輝度計LS−100(ミノルタ(株)製)により透過する光強度の最大値と最小値を測定した。そして、その最大値を最小値で割った値をコントラスト比とした。
測定結果より、色度座標値x=0.650での刺激値(Y)及びコントラスト比を求めた。評価結果を表2に示す。
保存安定性の評価
液状組成物(CR1)の調製日当日の粘度を、東京計器製E型粘度計を用いて測定した。また、液状組成物(CR1)を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で23℃にて14日間静置した後、東京計器製E型粘度計を用いて再度粘度を測定した。このとき、静置後粘度の調製日当日の粘度に対する増加率を算出し、増加率が5%未満の場合を「○」、5%以上10%未満の場合を「△」、10%以上の場合を「×」として評価した。評価結果を表2に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜9
実施例1において、顔料分散液の種類を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、液状組成物(CR2)〜(CR13)を調製した。
次いで、液状組成物(CR1)に代えてそれぞれ液状組成物(CR2)〜(CR13)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、赤色の液状組成物(CR5)〜(CR8)に関しては、色度座標値x=0.650での刺激値(Y)及びコントラスト比を、緑色の液状組成物(CR2)〜(CR4)及び(CR9)〜(CR13)に関しては色度座標値y=0.600での刺激値(Y)及びコントラスト比を、それぞれ求めた。評価結果を表2に示す。
Figure 2011022542
表1において、「R254」とはC.I.ピグメントレッド254を、「R177」とはC.I.ピグメントレッド177を、「G7」とはC.I.ピグメントグリーン7を、「G36」とはC.I.ピグメントグリーン36を、「G58」とはC.I.ピグメントグリーン58を、「Y150」とはC.I.ピグメントイエロー150を、「S12000」とはソルスパース12000をそれぞれ意味する。

Claims (8)

  1. (A)着色剤、(B)分散剤、(C)バインダー樹脂、並びに(D)多官能性単量体を含有する着色組成物であって、(A)着色剤が、下記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン及び下記式(II)で表される化合物で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位及び下記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合体を含有するものであることを特徴とする着色組成物。
    Figure 2011022542
    Figure 2011022542
    (式(II)において、Aは炭素原子又は窒素原子を示し、Rは水素原子、置換基を有してもよいフェニル基、又は窒素含有の複素環残基を示し、Rは炭素数1−6のアルキル基、水酸基、塩素原子、臭素原子、−NH、−NHR、−NH−R−NR、又は−NRを示し、Rは−NH−R−NR、又は−NRを示し、Rはメチレン基又は炭素数2−6のアルキレン基を示し、R、Rは共に炭素数1−6のアルキル基又は炭素数2−6のアルケニル基を示す。)
    Figure 2011022542
    (式(1)において、R〜Rは、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示し、R〜Rのうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは2価の連結基を示し、Yは対アニオンを示す。)
    Figure 2011022542
    (式(2)において、R及びRは、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示し、R及びRが互いに結合して環状構造を形成してもよい。Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは2価の連結基を示す。)
    Figure 2011022542
    (式(3)において、Rは鎖状もしくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
    Figure 2011022542
    (式(4)において、R10はエチレン基又はプロピレン基を示し、R11は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R12は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜20の整数を示す。)
  2. (B)分散剤が、上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位を有するAブロックと、上記式(3)で表される繰り返し単位及び上記式(4)で表される繰り返し単位を有するBブロックを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の着色組成物。
  3. (A)着色剤が、更にC.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである請求項1又は2に記載の着色組成物。
  4. (A)着色剤が、更にC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントグリーン58よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである請求項1又は2に記載の着色組成物。
  5. 更に(E)光重合開始剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
  8. (A)着色剤、(B)分散剤、並びに(F)溶媒を含有する着色剤分散液であって、(A)着色剤が、上記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン及び上記式(II)で表される化合物で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、上記式(1)で表される繰り返し単位、上記式(2)で表される繰り返し単位、上記式(3)で表される繰り返し単位及び上記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合体を含有するものであることを特徴とする着色剤分散液。
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