JP2011022542A - 着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)着色剤、(B)分散剤、(C)バインダー樹脂、並びに(D)多官能性単量体を含有する着色組成物であって、(A)着色剤が、アゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン等で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、側鎖に4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有するAブロックと、側鎖に4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さないBブロックを有するブロック共重合体を含有するものであることを特徴とする着色組成物。
【選択図】なし
Description
以上のような背景から、C.I.ピグメントイエロー150を用いるより輝度及びコントラスト比の高い画素を形成することができ、且つ色素誘導体を用いずとも安定性の良好な着色組成物の開発が強く求められている。
さらに本発明の目的は、上記着色組成物から形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
また、本発明は、上記着色剤、上記分散剤及び溶媒を含有する着色剤分散液を提供するものである。
したがって、本発明の着色組成物は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について説明する。
本発明の着色組成物に用いられる(A)着色剤は、特定顔料、すなわち、上記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体に対し、メラミン及び上記式(II)で表される化合物が包接された顔料を含有するものである。特定顔料は、例えば、特開2006−16506に記載の方法で製造することができる。
特定顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
他の着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、(A)着色剤の含有量は、透明性及び色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、全固形分中5〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがさらに好ましい。ここで固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
本発明の着色組成物に用いられる(B)分散剤は、特定分散剤、すなわち、上記式(1)で表される4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」ということがある。)、上記式(2)で表されるアミノ基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」ということがある。)、上記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」ということがある。)及び下記式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体を含有するものである。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル又はメタクリル」、「アクリレート又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味するものとする。
これらの環状構造は、さらに置換基を有していてもよい。
上記式(1)におけるR1〜R3としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基が特に好ましい。
上記式(2)におけるR5及びR6としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が特に好ましい。
上記式(3)におけるR8としては、炭素数1〜8の鎖状のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基が特に好ましい。
本発明における(C)バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。なかでも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(c1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(c2)」という。)との共重合体が好ましい。
不飽和単量体(c1)と不飽和単量体(c2)の共重合体において、不飽和単量体(c1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(c1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色組成物を得ることができる。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの如き不飽和カルボン酸エステル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(c2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、得られる着色組成物の保存安定性が低下したりするおそれがあり、一方多すぎると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
本発明における(D)多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体である。
このような多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコールの如きアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートやそのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂の如きオリゴ(メタ)アクリレート;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレンの如き両末端ヒドロキシル重合体のジ(メタ)アクリレート;
トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン構造を有するポリ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
上記多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記単官能性単量体としては、例えば、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートや、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムのほか、市販品として、M−5600(商品名、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。
これらの単官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の着色組成物には、光重合開始剤を含有せしめることにより、着色組成物に感放射線性を付与することもできる。ここでいう「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
本発明に用いる(E)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(D)多官能性単量体及び場合により使用される単官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤等を挙げることができる。
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(D)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(D)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
上記溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記高沸点溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成された着色層を備えるものである。
カラーフィルタを形成する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。すなわち、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、感放射線性着色組成物の塗膜を形成する。次いで、所定のパターンを有するフォトマスクを介して塗膜に放射線を露光し、現像して未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、各色の画素を得る。
具体的には、まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層を形成する。次いで、この基板上に、例えば、赤色の顔料が分散された感放射線性着色組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、赤色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
次いで、緑色又は青色の顔料が分散された各感放射線性着色組成物の液状組成物を用い、上記と同様にして、各液状組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び青色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
また、ブラックマトリックスは、本発明の着色組成物を用い、上記画素の形成の場合と同様にして形成することができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
感放射線性着色組成物の液状組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜8.0μm、特に好ましくは0.2〜6.0μmである。
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及びコントラスト比が高いため、特にTVを代表とするカラー液晶表素子に極めて有用である。
本発明のカラー液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
分散剤B1
分散剤B1は顔料湿潤分散剤の市販品であり、変性アクリル系ブロック共重合体のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート/ブチルセルソルブ=1/1(質量比)溶液である(固形分濃度40質量%、酸価=0)。熱分解GC−MS、FT−IR測定、プロトンNMRにより、分散剤Bがメタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体(A/B=38/62)であることを確認した。各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=34/4/16/17/12/10/7(質量比)であった。
分散剤b1は顔料湿潤分散剤の市販品であり、変性アクリル系ブロック共重合体のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート/ブチルセルソルブ=1/1(質量比)溶液である(固形分濃度40質量%、酸価=0)。熱分解GC−MS、FT−IR、プロトンNMR測定により、分散剤b1がメタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体(A/B=16/84)であることを確認した。各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=16/16/15/18/29/6(質量比)であった。
分散剤b2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート186質量部を仕込み、引き続きメチルメタクリレート27質量部、ブチルメタクリレート27質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート21質量部、ベンジルメタクリレート18質量部及びクミルジチオベンゾエート3.6質量部を仕込んで、30分間窒素置換した。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、この反応溶液に、AIBN1.0質量部及びジメチルアミノエチルメタクリレート35質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70質量部に溶解させ30分間窒素置換した溶液を添加し、60℃で24時間リビングラジカル重合することによりブロック共重合体の溶液を得た。
得られたブロック共重合体溶液に、塩化ベンジル25質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル50質量部を添加し、80℃で2時間反応を行い、分散剤b2を含む溶液を得た。分散剤b2は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート及びベンジルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体である。プロトンNMR測定の結果、各繰り返し単位の共重合比は、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート=34/4/18/18/14/12(質量比)であった。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN1.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート186質量部を仕込み、引き続きメチルメタクリレート27質量部、ブチルメタクリレート27質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート19質量部、ベンジルメタクリレート16質量部、トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート16質量部及びクミルジチオベンゾエート3.6質量部を仕込んで、30分間窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、この反応溶液に、AIBN1.0質量部及びジメチルアミノエチルメタクリレート54質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート108質量部に溶解させ30分間窒素置換を行った溶液を添加し、60℃で24時間リビングラジカル重合することにより分散剤b3を含む溶液を得た。
分散剤b3は、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びトリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するBブロックからなる、ブロック共重合体である。プロトンNMR測定の結果、各繰り返し単位の共重合比は、ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート=34/17/17/12/10/10(質量比)であった。
特開2007−33579号公報に記載の方法に従って、以下の特定顔料(A1)及び特定顔料(A2)を製造した。
特定顔料(A1):上記式(II)で表される化合物が表1の(a)である特定顔料
特定顔料(A2):上記式(II)で表される化合物が表1の(b)である特定顔料
調製例1
(A)着色剤としてC.I.ピグメントレッド254を3.75質量部、C.I.ピグメントレッド177を8.25質量部、特定顔料(A1)を3質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル=90/10(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−1)を調製した。
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン7を6.75質量部、特定顔料(A2)を8.25質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル/プロピレングリコールモノメチルエーテル=80/20(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−2)を調製した。
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36を9.6質量部、特定顔料(A2)を5.4質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=90/10(質量比)混合溶剤を固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−3)を調製した。
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58を9.0質量部、特定顔料(A2)を6.0質量部、(B)分散剤として特定分散剤である分散剤B1を3質量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを固形分濃度が18質量%となるよう用いて、ビーズミルにより混合・分散して、顔料分散液(A−4)を調製した。
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b1を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−1)を調製した。
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b2を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−2)を調製した。
調製例1において、(B)分散剤として分散剤b3を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−3)を調製した。
調製例1において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値x=0.650での色度座標値yが顔料分散液(A−1)と同等になるよう調色した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(a−4)を調製した。
調製例2において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−2)と同等になるよう調色した以外は、調製例2と同様にして、顔料分散液(a−5)を調製した。
調製例3において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−3)と同等になるよう調色した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−6)を調製した。
調製例3において、(B)分散剤として分散剤b2を使用した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−7)を調製した。
調製例3において、(B)分散剤として、分散剤b2を3質量部(固形分換算)と、銅フタロシアニンのスルホン酸誘導体であるソルスパース12000(ルーブリゾール(株)社製)0.3質量部を使用した以外は、調製例3と同様にして、顔料分散液(a−8)を調製した。
調製例4において、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントイエロー150を使用して、色度座標値y=0.600での色度座標値xが顔料分散液(A−4)と同等になるよう調色した以外は、調製例4と同様にして、顔料分散液(a−9)を調製した。
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、AIBN2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15質量部、N−フェニルマレイミド20質量部、ベンジルメタクリレート55質量部、スチレン10質量部及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=16,000、Mn=7,000であった。このバインダー樹脂溶液を「樹脂溶液(C1)」とする。
感放射線性着色組成物の調製
顔料分散液(A−1)100質量部、(C)バインダー樹脂として樹脂溶液(C1)10質量部(固形分換算)、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15質量部、(E)光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン4質量部と4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1質量部、及び(F)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度22%の液状組成物(CR1)を調製した。
液状組成物(CR1)について、下記の手順にしたがって、評価を行った。評価結果を表2に示す。
液状組成物(CR1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて回転数を変量して3枚塗布したのち、90℃のホットプレートで4分間プレベークを行って、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、1分間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、さらに220℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行って、評価用硬化膜を形成した。
また、硬化膜が形成された基板を2枚の偏向板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏向板を回転させ、輝度計LS−100(ミノルタ(株)製)により透過する光強度の最大値と最小値を測定した。そして、その最大値を最小値で割った値をコントラスト比とした。
測定結果より、色度座標値x=0.650での刺激値(Y)及びコントラスト比を求めた。評価結果を表2に示す。
液状組成物(CR1)の調製日当日の粘度を、東京計器製E型粘度計を用いて測定した。また、液状組成物(CR1)を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で23℃にて14日間静置した後、東京計器製E型粘度計を用いて再度粘度を測定した。このとき、静置後粘度の調製日当日の粘度に対する増加率を算出し、増加率が5%未満の場合を「○」、5%以上10%未満の場合を「△」、10%以上の場合を「×」として評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1において、顔料分散液の種類を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、液状組成物(CR2)〜(CR13)を調製した。
次いで、液状組成物(CR1)に代えてそれぞれ液状組成物(CR2)〜(CR13)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、赤色の液状組成物(CR5)〜(CR8)に関しては、色度座標値x=0.650での刺激値(Y)及びコントラスト比を、緑色の液状組成物(CR2)〜(CR4)及び(CR9)〜(CR13)に関しては色度座標値y=0.600での刺激値(Y)及びコントラスト比を、それぞれ求めた。評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- (A)着色剤、(B)分散剤、(C)バインダー樹脂、並びに(D)多官能性単量体を含有する着色組成物であって、(A)着色剤が、下記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン及び下記式(II)で表される化合物で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位及び下記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合体を含有するものであることを特徴とする着色組成物。
- (B)分散剤が、上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位を有するAブロックと、上記式(3)で表される繰り返し単位及び上記式(4)で表される繰り返し単位を有するBブロックを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の着色組成物。
- (A)着色剤が、更にC.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド254よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである請求項1又は2に記載の着色組成物。
- (A)着色剤が、更にC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントグリーン58よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものである請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 更に(E)光重合開始剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
- (A)着色剤、(B)分散剤、並びに(F)溶媒を含有する着色剤分散液であって、(A)着色剤が、上記式(I)で表されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体、メラミン及び上記式(II)で表される化合物で構成されるアゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料を含有するものであり、(B)分散剤が、上記式(1)で表される繰り返し単位、上記式(2)で表される繰り返し単位、上記式(3)で表される繰り返し単位及び上記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合体を含有するものであることを特徴とする着色剤分散液。
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