JPWO2015015962A1 - カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

カラーフィルタ用途において、微細で分散安定性の良いカラーフィルタ用有機顔料組成物、およびそれらを含有する高い光学濃度が得られるカラーフィルタを提供することを目的とする。ペリレン系有機顔料とスルホン酸基を含有する有機色素誘導体からなるカラーフィルタ用有機顔料組成物は、微細な粒子であっても分散安定性が高く、該カラーフィルタ用有機顔料組成物からなる遮光性の高いカラーフィルタを得ることが可能であることを見出した。

Description

本発明は、カラー液晶表示装置のカラーフィルタを形成するためのカラーフィルタ用顔料組成物および、カラーフィルタであり、特定の有機色素誘導体と共に微細化処理することで、微細化と分散安定性が両立され、従来よりも遮光性の高いカラーフィルタ用顔料組成物およびそれを用いたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置の分野において、カラーフィルタ基板とTFTアレイ基板を一体化させたカラーフィルタオンアレイ(COA)を導入した液晶パネルが注目を浴びている。COAを用いれば、上記二つの基板を用いた場合に行われる精密な位置合わせが不要となるとともに、カラーフィルタの赤、青、緑の各画素を限界にまで微細化することができるため、液晶パネルの高精細化が可能となる。
このようなCOA用の樹脂ブラックマトリックスについては、高い遮光性が必要とされるため、厚膜化が要求されている。しかし、樹脂ブラックマトリックスの膜厚が増大するにつれて、露光された部分での膜厚方向に対する架橋密度の差が拡大するため、高感度化を達成し良好な形状のブラックパターンを得ることが困難になる。また、高遮光化の手段として、遮光材を大量に使用することも試みられているが、遮光材としてカーボン等の導電性材料を使用した場合、ブラックマトリックスの比誘電率が高くなり体積抵抗が低下することにより、表示装置の信頼性を低下させるという問題があった。
このような欠点を解消するために、カーボンブラックに代えて、有彩色の有機顔料を黒色となる様に混合して得た黒色有機顔料組成物(有機ブラックマトリックス)を遮光材に用いる試みが最近活発に行われている。
特許文献1では、ある特定波長域において、最高光透過率を規定した樹脂ブラックマトリックスについて、ある特定の有機顔料を含んでなる遮光性感光性樹脂組成物の記載はあるものの、カーボンブラックと比較すると遮光性は、不十分であった。特許文献2には、可視光領域に光透過性を持つ有機顔料のうち、黄色顔料、青色顔料、及び紫色顔料の組み合わせ又は黄色顔料、赤色顔料及び青色顔料の組み合わせからなる擬似黒色化した混色有機顔料からなる遮光幕形成用着色樹脂組成物の記載があるものの、光学濃度(OD)が低く遮光性が十分ではなかった。特許文献3には、特定の比表面積以下である粒径の青色、黄色、赤色の各有機顔料を含有するブラックマトリックス用顔料組成物が提案されているが、同様にOD値が低く、十分な遮光性を得られていない。この様に、顔料の混合によりいくつかの発明が提案されてきているが、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるカラーフィルタのブラックマトリックスを含むカラーフィルタが得られないという問題があった。
特開2009−69822号公報 特開平9−302265号公報 特開2012−32697号公報
本発明が解決しようとする課題は、微細でかつ高光学濃度が得られるカラーフィルタ用有機顔料組成物、およびそれらを含有するカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、ペリレン系有機顔料とスルホン酸基を含有する有機色素誘導体からなるカラーフィルタ用有機顔料組成物は、微細な粒子で分散安定性が高く、該カラーフィルタ用有機顔料組成物からなる遮光性の高いカラーフィルタを得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ペリレン系有機顔料100部当たりスルホン酸基を含有する有機色素誘導体1〜15部を含有し、顔料の一次粒子径が20nm〜100nmであることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
また本発明は、前記ペリレン系有機顔料が、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド189、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32の少なくとも一つから選ばれることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
また本発明は、前記有機色素誘導体が銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物と併用する他の青色および赤色等の有機顔料組成からなるブラックマトリックスは、分散安定性に優れ、OD値の高い遮光性の優れるという格別顕著な技術的効果を奏する。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、ペリレン構造を有する有機顔料とスルホン酸基を有する有機色素誘導体をソルベントソルトミリングすることにより、微細な粒子を形成することが可能となり、青色、黄色、赤色等の有機顔料を併用することにより、黒色のカラーフィルタ用有機顔料組成物を構成する。得られた黒色のカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有するブラックマトリックスは、分散安定性に優れ、OD値の高い遮光性に優れたものである。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物において、有機顔料は、ペリレン構造を有するものであれば、如何なるものでも良い。
上記化学構造を有する有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド189、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32をあげることができる。また、それぞれの有機顔料は単独で用いることもできるし、混合して用いてもよく、少なくとも上記有機顔料一つから選ばれるものである。
微細化された有機顔料の一次粒子径は、好適には20〜150nmであり、高い遮光性を付与するために、さらに20〜100nmが好ましい。顔料の一次粒子経が150nmを超えると分散安定性が悪くなり、その結果、光散乱を起こしやすくなることが判明した。
本発明における有機顔料の一次粒子径とは、有機顔料組成物をシクロヘキサノン等の溶剤に分散させ、コロイド膜上に該分散液を塗布し、走査型電子顕微鏡(TEM)の画像を撮影する。得られた撮影画像の1000個の粒子サイズを計測し、その平均値を有機顔料の一次粒子径とした。
この様な従来よりも微細な有機顔料は、大別すると乾式粉砕、湿式粉砕のような粉砕方法により、微細化処理を行われるが、本発明で実施されているように、有機顔料に対して高い無機塩倍率により、長時間混練するソルベントソルトミリングが好適である。粒子の均一性と微小径化を両立できる有用な製造方法である。ソルベントソルトミリングにより処理された磨砕混合物は、洗浄、精製、乾燥工程を経て、本発明の有機顔料組成物となる。
このソルベントソルトミリングとは、有機顔料と、水溶性無機塩と親水性有機溶剤とを混練することを意味する。具体的には、有機顔料と、水溶性無機塩と、それを溶解しない親水性有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この混練において結晶型の変換等を意図する場合には、上記有機顔料として、混練後とは異なる結晶型の粗製顔料を混練の原料として用いることも出来る。
水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
また、当該無機塩の使用量は、有機顔料1重量部に対して8〜20重量部とするのが好ましく、10〜15重量部とするのがより好ましい。
水溶性有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得るものが好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1-メトキシ-2-プロパノール等を用いることができるが、エチレングリコール又はジエチレングリコールが好ましい。
当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、有機顔料1重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
混練温度は、30〜150℃の間で行うことが好ましい。本発明の有機顔料の場合、上記温度が80〜100℃の間が特に微細化および結晶性を調整する上で、特に好ましい。
この混練に用いる装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008公報に記載のプラネタリー型ミキサーである井上製作所株式会社製のトリミックス(商標名)や、特開平4−122778号公報に記載の連続式二軸押出機や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である浅田鉄工株式会社製のミラクルKCK等を用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、遊離金属、遊離金属イオン源を含んでいても良いが、それは出来るだけ少ない方が好ましい。この様な、遊離金属、遊離金属イオン源は、特開2008−308605公報に記載されているように酸類で洗浄を行うことができる。使用される酸類は、例えば、塩酸、硫酸を挙げることができ、塩酸や硫酸の濃度は、0.5%〜4%が好ましい。また、洗浄時の温度は、50〜90℃が好ましい。また、水を用いて洗浄してもよい。
本発明で用いられる有機色素誘導体は、スルホン酸基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体であればいかなる化学構造を有していても良い。スルホン酸基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体は、有機顔料をバインダおよび溶剤系において、分散性を向上するために添加する場合が多く、その効果は良く知られている。スルホン酸基の置換基数は、1分子あたり1〜4であり、好ましくは〇〇〜〇〇である。本発明で使用しているペリレン系有機顔料は、紫色の色相を有するため、同色系の有機色素誘導体が好ましいが、色相の異なる有機色素誘導体を使用することができる。具体的にはアゾ構造、ベンツイミダゾロン構造、キナクリドン構造、ジケトピロロピロール構造、フタロシアニン構造、ジオキサジンバイオレット構造等があり、その中でも好ましいのが、銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩である。スルホン酸と塩を形成する金属は、Ca、Na、K、Mg、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の一価又は二価の金属である。また、金属塩以外の塩を形成するもものとして、脂肪族アミン(NHR、NHR,[NR(R:炭素1〜20のアルキル基))等の有機アミン塩がある。
有機色素誘導体は、有機顔料100部当たり、1〜20部の範囲で含有する。色相、生産性を考慮するとさらに、1〜15部の範囲で含有することが好ましい。有機色素を添加する時期は、本発明で実施している有機顔料を微細化する工程で添加しても構わないし、微細化工程後、有機顔料を洗浄し精製した後に添加しても構わない。しかし、スルホン酸基有する又はその塩である有機色素誘導体による分散性効果の付与を考慮すると、微細化した後の有機顔料に処理することが好ましい。
有機色素誘導体の処理方法は、微細化後のペリレン系有機顔料に固体またはアルカリによる染料化し、酸性状態で有機顔料表面に吸着させる方法がある。固体の場合、微細化処理した有機顔料と水等の溶媒を含有したウェットケーキに添加する。アルカリによる有機色素誘導体の染料化は、通常pH8〜12で行われ、その後、微細化した有機顔料とスラリー中で混合、その後、系内を酸性、通常pH3〜5に調整し、有機顔料表面に有機色素誘導体を析出させる。また、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物を製造する上で、有機色素誘導体以外に各種添加剤を添加してもよい。具体的には、光又は熱硬化性樹脂、界面活性剤、分散剤、ロジン等をあげることができる。
本発明の有機顔料組成物と併用される有機顔料としては、青色有機顔料、黄色有機顔料、赤色有機顔料を併用することで遮光性を持たせることができる。これらの各色有機顔料としては、化学構造に基づけば、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。以下、本発明において使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
青色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
黄色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
赤色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
本発明においては、青色有機顔料、黄色有機顔料、赤色有機顔料だけを併用することもできるが、必要に応じて、緑色有機顔料、紫色有機顔料、橙色有機顔料、茶色有機顔料等を併用して色調調整しても良い。これら併用する他色有機顔料としても、平均一次粒子径が20〜100nmのものを用いることが好ましい。
併用するのに好適な青色、黄色、赤色以外の色の有機顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、C.I.ピグメントオレンジ38、71、C.I.ピグメントバイオレット23等を挙げることができる。
用いる有機顔料及びその組み合わせは、目的とするブラックマトリックスに求められている黒色度が得られれば良い。青色、黄色、赤色の三原色を減法混色することで黒色とすることは、当業者の技術常識に属することであり、それらの混合割合は特に制限されるものではない。しかしながら、例えば、青色、黄色、赤色の各色有機顔料の合計を質量換算で100%とした際、質量基準で各色33%を中心として、各色ともプラスマイナス7%で増減して併用することで、黒色を調整することができる。
こうして本発発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物と青色有機顔料、赤色有機顔料を含むブラックマトリックス用顔料組成物は、それぞれを任意の順序で混合することで容易に調製することができる。
本発明の着色組成物は、上記した各色有機顔料組成物と、樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するものである。着色組成物の作成方法としては、別々に各色有機顔料、有機溶剤、分散剤を分散した着色組成物を混合しても良いし、全有機顔料を一度に有機溶剤、分散剤と分散させても良い。
これら有機顔料組成物を有機溶剤中に分散させる場合、分散性の向上、及び分散安定性の向上のために、樹脂系分散剤が併用される。この樹脂系分散剤は、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有するものであり、後記する感光性組成物の調製に用いるアルカリ可溶性樹脂や、光重合性モノマーとは、別種のものである。
樹脂系分散剤としては、高分子鎖を有するもの、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレングリコールジエステル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、ポリエステル樹脂系分散剤及び/又はアクリル樹脂系分散剤が、分散性、耐熱性、耐光性の点で好ましい。
各種樹脂系分散剤の具体例としては、商品名で、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、EFKA(チバ(Ciba)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
樹脂系分散剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常30〜60部、好ましくは38〜50部である。
着色組成物の調製には、有機溶剤が用いられる。
ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec,t−)酢酸ブチル、ヘキセン、シェルTS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、n−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−等が挙げられる。
着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー方式でブラックマトリックスを形成するための感光性組成物を調製する際には、低粘度で塗工性、作業性、吐出性に優れたものとするために、少なくとも、着色組成物に含有させる有機溶剤としてはn−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)を用いることが好ましい。
着色組成物を調製するために、有機溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。しかしながら、本発明の着色組成物において、有機溶剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常300〜800部、好ましくは400〜600部用いることが好ましい。
着色組成物の調製に当たっては、必要に応じて、例えば各種の顔料誘導体等を併用することができる。顔料誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。
着色組成物は、上記した各色の有機顔料組成物、樹脂系分散剤及び有機溶剤を撹拌混合することにより調製することができる。必要であれば、ビーズやロッド等の各種粉砕メディアの存在下、必要時間に亘って振とうを行い、当該メディアを濾過等により分散させることで、調製することもできる。
着色組成物は、従来公知の方法でブラックマトリックス部の形成に使用することができる。
カラーフィルタの代表的な製造方法は、フォトリソグラフィー法であり、ブラックマトリックスは、本発明の着色組成物から調製された後記する感光性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、ブラックマトリックス部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法で、感光性組成物の硬化着色皮膜からなるブラックマトリックス部が透明基板上に形成される。RGBの各画素部も、より比表面積の大きな各色の有機顔料から調製された感光性組成物から、上記の様にして同様に調製することができる。
後記する感光性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した感光性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、感光性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。感光性組成物の露光、現像の後に、ブラックマトリックス或いは必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、感光性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタのブラックマトリックス部を形成するための感光性組成物は、本発明の着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを必須成分とし、これらを混合することで調製することが出来る。
ブラックマトリックス部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記感光性組成物を調製するに当たって、光重合性モノマーだけでなく、このアルカリ可溶性樹脂を併用することが不可欠である。アルカリ可溶性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記感光性組成物の製造方法としては、本発明の着色組成物を事前に調製してから、そこに、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤を加えて前記感光性組成物とする方法が一般的である。
感光性組成物の調製に使用するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は酸性を呈する水酸基を含む樹脂、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。尚、本発明において、(メタ)アクリルとの記載は、アクリルとメタクリルとを合わせた総称である。
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、イミド構造、スチレン及び(メタ)アクリル酸の各重合単位を含有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。
このアルカリ可溶性樹脂は、上記した、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有さないものであるが、一方で、アルカリに接触することで溶解する特徴を活かし、感光性組成物の未露光部分の除去の目的で専ら用いられる。
光重合性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス〔(メタ)アクリロキシエトキシ〕ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。上記同様に、(メタ)アクリレートとの記載は、アクリレートとメタクリレートとを合わせた総称である。
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、四官能〜六官能の(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、エタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
しかしながら、本発明の感光性組成物は、黒色であるため、硬化性に優れる光重合開始剤を用いることが好ましい。
光透過率に影響を及ぼさないアルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーを選択することにより、感光性組成物の硬化皮膜は、ブラックマトリックスに好適な、波長400〜800nmの範囲における最高光透過率が1%以下であり、波長800〜1100nmの近赤外線領域における光透過率80%とすることができる。
ブラックマトリックスの光透過率とは、ガラス基板等の透明基板上に形成された膜厚3μmのブラックマトリックス(硬化膜)について、樹脂ブラックマトリックスが形成されていない該基板を対照として、分光光度計により測定された光透過率をいう。
最高光透過率とは、特定の波長領域(範囲)における光透過率の中で最も大きな値を意味する。より詳しくは、特定の波長領域における光透過率曲線の最大値である。例えば、「波長400nm〜800nmの範囲における最高光透過率が1%以下である」とは、波長400nm〜800nmの範囲における光透過率曲線の最大値が1%以下であって、この範囲において光透過率が1%を超える領域がないことを意味する。
一方、「波長800nm〜1100nm」とは、いわゆる近赤外線領域を意味する。「波長800nm〜1100nmの近赤外線領域における光透過率が80%以上のブラックマトリックスとは、すなわち、近赤外線長領域においては光の吸収が小さく、光透過率が高いブラックマトリックスである。
近赤外線領域における光透過率が大きいほど、ブラックマトリックスは、発熱源であるTFT素子における発熱を発散しやすくなる。このため、TFT素子においてはオン電流やオフ電流の増加も少なく、熱暴走を起こし難くなる。
また、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上かつ誘電率5以下となるようにすれば、漏れ電流によるTFT素子(薄膜トランジスタからなるスイッチング素子)の短絡を低減することができ、TFT素子のスイッチングが正確に伝達され、液晶の駆動の乱れも低減することができる。
体積抵抗率とは、物質の絶縁性の尺度であり、単位体積あたりの電気抵抗である。体積抵抗率は、例えば、社団法人電気学会「電気学会大学講座 電気電子材料−基礎から試験法まで−」(株式会社オーム社、2006年、第223頁〜第230頁)等に記載されている手法により測定することができる。
誘電率とは、いわゆる比誘電率を意味し、物質の誘電率と真空の誘電率の比である。誘電率は、例えば、社団法人電気学会「電気学会大学講座 電気電子材料−基礎から試験法まで−」(株式会社オーム社、2006年、第233頁〜第243頁)等に記載されている手法により測定することができる。
この様な特性の本発明の感光性組成物は、本発明の着色組成物100部当たり、アルカリ可溶性樹脂と光重合性モノマーの合計が3〜20部、光重合性モノマー1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じて、さらに上記した着色組成物の調製に用いた有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してブラックマトリックス部を形成するための感光性組成物を得ることが出来る。
フォトリソグラフィー方式でブラックマトリックスを形成させるには、本発明の感光性組成物を低粘度で塗工性、作業性に優れたものとするために、少なくとも、質量換算で不揮発分は5〜20%となるように調製することが好ましい。
現像液としては、公知慣用のアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂が含まれていることから、アルカリ水溶液での洗浄がブラックマトリックス部の形成に効果的である。本発明の感光性組成物の優れた耐熱性は、この様なアルカリ洗浄後に焼成を行なうカラーフィルタの製造方法において発揮される。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるブラックマトリックス部の製造方法について詳記したが、本発明の感光性組成物を使用して調製されたブラックマトリックス部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(PhotovoltaicElectrodeposition)法等の方法で形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、赤色有機顔料、緑色有機顔料、青色有機顔料ならびに本発明の着色組成物を使用して得た各色の感光性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリックスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
本発明の感光性組成物から得られるブラックマトリックス部は、上記した青色、黄色、赤色の各有機顔料が黒色となる様に含まれたものであり、一見すると、各色の感光性組成物を混合して黒色感光性組成物を調製した場合と、同様のブラックマトリックスが得られるかの様に思われるが、本発明では、感光性組成物とする以前の段階である着色組成物の調製時に、予め、各色の有機顔料が混合される結果、より均一な混合が達成され、より優れた特性のブラックマトリックスが得られる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、いずれも質量基準である。
[実施例1]
<顔料のソルトミリング工程>
<顔料のソルトミリング工程>
Irgazin Violet 129(Ciba Speciality社製C.I.ピグメントバイオレット29)100部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール200部をステンレス製1Lニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で7時間混練した。つぎにこの混合物を2リットルの温水に投入し、30分間攪拌してスラリー状とし、比電導度150μS/cm以下となるまで濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、ウェットケーキ(W−1)を得た。
<顔料へのスルホン酸有機色素誘導体処理工程>
ウェットケーキ(W−1)(固形分30%)を顔料分が100部になるようにビーカーヘ取り、水3500部を加えて充分にリスラリー化した。引き続き、5部の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を含む水酸化ナトリウム水溶液を前記顔料スラリー中に添加し、1時間攪拌後、塩酸を添加してスラリーのpHを7まで戻して、顔料の表面に析出させた。そのまま1時間保持後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、顔料組成物(P−1)を得た。
<着色組成物の作製工程>
顔料組成物(P―1)5.1部、FASTOGEN BLUE EP−CF(DIC株式会社製C.I.ピグメントブルー15:6)5.59、Symuler Fast Yellow4119(DIC株式会社製C.I.ピグメントイエロー139)4.31部、樹脂系分散剤としてPB−821(味の素ファインテクノ株式会社製、ポリエステル樹脂系分散剤)4.5部、プロピレングリコールモノメチルアセテート73.75gの混合物に0.2〜0.3mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントコンディショナーで2時間分散し、着色組成物(A−1)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製工程>
着色組成物(A−1)100部、アルカリ可溶性樹脂(B)としてメタクリル酸/こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合質量比=25/10/30/20/15、Mw=12,000、Mn=6,500)5部、光重合性モノマー(C)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、光重合開始剤(D)としてエタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)を1部、および有機溶剤(E)としてジプロピレングリコールジメチルエーテル25重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部、3−メトキシブチルアセテート75重量部、シクロヘキサノン50重量部を混合して、感光性樹脂組成物(X−1)を調製した。
<ブラックマトリックスの作製工程>
10cm角のガラス基板(日本電気硝子製カラーフィルタ用ガラス板「OA−10」)を信越化学製シランカップリング剤「KBM−603」の1%希釈液に3分間浸漬し、10秒間水洗して、エアーガンで水切り後、110℃のオーブンで5分間乾燥した。このガラス基板上に、上記にて調製した感光性樹脂組成物(X−1)をスピンコーターを用いて塗布した。1分間真空乾燥後、ホットプレート上で90℃にて90秒間加熱乾燥し、乾燥膜厚約3.5μmの塗布膜を得た。その後、塗布膜側から、15μm幅の細線パターンマスクを介して画像露光を施すもの(パターン1)と、マスクを介さずに全面に露光を施すもの(パターン2)との2通りの露光を行った。露光条件は、それぞれ3kW高圧水銀灯を用い50mJ/cm2(i線基準)とした。次いで、0.05%の水酸化カリウムと0.08%のノニオン性界面活性剤(花王製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、23℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄しブラックマトリックス(B−1)を得た。なお、シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗布膜が溶解除去される時間の1.5倍とした。
[実施例2]
実施例1のスルホン酸誘導体処理工程において、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体5部を12部に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−2)を作製した。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−2)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−2)を調製した。
[実施例3]
実施例1のソルトミリング工程において、Irgazin Violet 129をIndo Fast Briliant Scarlet R−6335(DIC株式会社製C.I.ピグメントレッド123)に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−3)を作製した。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−3)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−3)を調製した。
[実施例4]
実施例1のソルトミリング工程において、Irgazin Violet 129をIrgazin Red 179(Ciba Speciality社製C.I.ピグメントレッド179)に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−4)を作製した。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−4)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−4)を調製した。
[実施例5]
実施例1のソルトミリング工程において、Irgazin Violet 129をIndo Fast Briliant Scarlet R−6500(DIC株式会社製C.I.ピグメントレッド190)に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−5)を得た。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−5)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−5)を調製した。
[実施例6]
実施例1のソルトミリング工程において、Irgazin Violet 129をIrgazin Red BPT(Ciba Speciality社製C.I.ピグメントレッド224)に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−6)を得た。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−6)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−6)を調製した。
(比較例1)
実施例1の顔料のソルトミリング工程および顔料へのスルホン酸有機色素誘導体処理をせず、着色組成物の作製工程において、顔料組成物(P−1)をIrgazin Violet 129をそのまま使用した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−7)を得た。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−7)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−7)を調製した。
(比較例2)
実施例1のスルホン酸誘導体処理工程において、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体5部を0部に変更した以外は、実施例1と同条件で着色組成物(A−8)を得た。着色組成物(A−1)を着色組成物(A−8)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、ブラックマトリックス(B−8)を調製した。
実施例、比較例で作製したブラックマトリックスのOD値を、実施例1のOD値を100に換算して、表1に記載した。また、得られた橙色顔料組成物の一次粒子径も併せて記載した。
以上より、本発明の顔料組成物は、一次粒子径が小さく、該顔料組成物を含有するブラックマトリックスは、従来よりもOD値が向上することが明らかとなった。
Figure 2015015962
本発明で用いられる有機色素誘導体は、スルホン酸基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体であればいかなる化学構造を有していても良い。スルホン酸基を有する又は、スルホン酸塩である有機色素誘導体は、有機顔料をバインダおよび溶剤系において、分散性を向上するために添加する場合が多く、その効果は良く知られている。スルホン酸基の置換基数は、1分子あたり1〜4である。本発明で使用しているペリレン系有機顔料は、紫色の色相を有するため、同色系の有機色素誘導体が好ましいが、色相の異なる有機色素誘導体を使用することができる。具体的にはアゾ構造、ベンツイミダゾロン構造、キナクリドン構造、ジケトピロロピロール構造、フタロシアニン構造、ジオキサジンバイオレット構造等があり、その中でも好ましいのが、銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩である。スルホン酸と塩を形成する金属は、Ca、Na、K、Mg、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の一価又は二価の金属である。また、金属塩以外の塩を形成するもものとして、脂肪族アミン(NHR、NHR,[NR(R:炭素1〜20のアルキル基))等の有機アミン塩がある。

Claims (4)

  1. ペリレン系有機顔料100部当たりスルホン酸基を含有する有機色素誘導体1〜15部を含有し、顔料の一次粒子径が20nm〜100nmであることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  2. 前記ペリレン系有機顔料が、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド189、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32の少なくとも一つから選ばれることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  3. 前記有機色素誘導体が銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
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