JP2011009269A - 圧電材料、積層型圧電素子及びその製造方法、ユニット接合積層型圧電素子 - Google Patents

圧電材料、積層型圧電素子及びその製造方法、ユニット接合積層型圧電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】変位性能に優れた圧電材料、積層型圧電素子及びその製造方法、並びにユニット接合積層型圧電素子を提供すること。
【解決手段】一般式(1):(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3で表される圧電材料である。一般式(1)は、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、c+d+e+f+g=1、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009という関係を満足する。また、この圧電材料からなる圧電体層21と電極配設層22、23を交互に複数積層して構成したセラミック積層体20と、その側面に形成された一対の側面電極28、29とを有する積層型圧電素子2及びその製造方法である。また、積層型圧電素子2を積層方向に複数接合して構成したユニット接合積層型圧電素子1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧の印加により伸縮可能な圧電材料、該圧電材料を圧電体層とする積層型圧電素子及びその製造方法、並びに該積層型圧電素子をさらに積層してなるユニット接合積層型圧電素子に関する。
燃料噴射弁の駆動源及び各種電装品等には、圧電素子を用いたアクチュエータが用いられている。
一般に、圧電素子に用いられる圧電材料には、ABO3で表されるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系材料等のペロブスカイト型化合物が用いられてきた。圧電材料には、変位量の大きな材料が望まれており、これまで特定組成の複合酸化物からなる様々な圧電材料が開発されている。
変位量の大きな圧電材料を得るためには、PZT結晶の分域壁の移動度を高めることが重要であると考えられている。
分域壁の移動度はPbが配置しているAサイトの欠陥量に依存し、例えばPZTのBサイトを価数の大きな元素で置換すると、電荷補償によりAサイトに欠陥が生じて変位量を増大させることができる。その一例として、Pbの一部をLaで置換し、MnO2を1.0重量%以下することにより、圧電特性を改善した組成物が開発されている(特許文献1参照)。
特公平8−728号公報
しかしながら、従来の圧電材料は、アクチュエータの用途によってはその変位性能が未だ充分ではなかった。特に、内燃機関の燃料噴射弁向けの駆動源等の用途においては、より高い変位性能が要求されていた。また、Mnを含有する圧電材料においては、副生成物が生成し、圧電特性の経時変化が大きくなり、安定な圧電特性を示すことができないという問題があった。そのため、Mnを含有する圧電材料においては、特性安定のためのさらなる対策を講じる必要があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、変位性能に優れた圧電材料、積層型圧電素子及びその製造方法、並びにユニット接合積層型圧電素子を提供しようとするものである。
第1の発明は、一般式(1):(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3で表される圧電材料であって、
0.90≦a+b≦0.98、
0.03≦b≦0.08、
c+d+e+f+g=1、
0.980≦c+d≦0.998、
0.45≦d≦0.48、
0.001≦e+f≦0.01、及び
0.001≦g≦0.009
という関係を満足することを特徴とする圧電材料にある(請求項1)。
第2の発明は、電圧の印加により伸縮可能な圧電材料からなる圧電体層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に複数積層して構成したセラミック積層体、及び該セラミック積層体の側面に形成された一対の側面電極を有する積層型圧電素子において、
上記圧電体層は、上記第1の発明の上記圧電材料を主成分とすることを特徴とする積層型圧電素にある(請求項2)。
第3の発明は、電圧の印加により伸縮可能な圧電材料からなる圧電体層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に積層して構成したセラミック積層体、及び該セラミック積層体の側面に形成された一対の側面電極を有する積層型圧電素子の製造方法において、
Pb源、Sr源、Zr源、Ti源、Y源、Nb源、及びSb源を、一般式(1):(PbaSrb)(ZrcTid(YeNbfSbg))O3(ただし、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、c+d+e+f+g=1、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009)という配合割合で混合して原料混合物を作製する原料調合工程と、
上記原料混合物を温度1000℃以下で仮焼して仮焼粉を得る仮焼工程と、
上記仮焼粉に少なくともバインダを加えて混合してシート状に成形することにより成形体シートを得るシート成形工程と、
上記成形体シート上に、導電性金属を含有する電極材料を印刷して電極印刷シートを得る電極印刷工程と、
上記電極印刷シートを複数積層して積層体を作製する積層工程と、
上記積層体を脱脂する脱脂工程と、
該脱脂工程後の上記積層体を焼成して上記セラミック積層体を得る焼成工程と、
上記セラミック積層体に、上記側面電極を形成する側面電極形成工程とを有することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法にある(請求項3)。
第4の発明は、上記第2の発明の積層型圧電素子、又は上記第3の発明の製造方法により得られる上記積層型圧電素子を積層方向に複数接合して構成したユニット接合積層型圧電素子にある。
上記第1の発明において、上記圧電材料は、一般式ABO3で表されるPZT系材料からなり、上記一般式(1)で表される特定の組成を有している。
そのため、上記圧電材料は、優れた変位性能を示すことができる。また、上記圧電材料は、副生成物を生成して圧電特性の安定性を低下させるMnを含有していない。そのため、上記圧電材料は、上述の優れた変位性能等の圧電特性を長期間安定して発揮することができる。
上記一般式(1)においては0.03≦b≦0.08である。即ち、Srの添加によりAサイトのPb結晶に欠陥が生成し、分域壁の移動度が高まり、変位性能を向上させることができる。
b<0.03の場合には、上記圧電材料のキュリー温度が例えば300℃以下にまで低下するおそれがある。その結果、例えば自動車の内燃機関等の高温環境下に上記圧電材料を適用することが困難になるおそれがある。一方、b>0.08の場合には、変位性能が低下するおそれがある。好ましくは、bは0.03以上がよく、0.07以下がよい。
また、上記一般式(1)においては、0.90≦a+b≦0.98、c+d+e+f+g=1である。即ち、上記一般式(1)においては、Bサイトに対するAサイトの配合比を少なくしてある。そのため、上記一般式(1)で表される化合物におけるPb欠陥を増やすことができる。その結果、分域壁の移動度が高まり、変位性能を向上させることができる。
a+b<0.90の場合には、上記圧電材料の製造時に温度1100℃以上という高温での焼成が必要になるおそれがある。そして、高温での焼成時には副生成物が生成し易くなり、この副生成物により変位性能の向上効果が充分に得られなくなるおそれがある。一方、a+b>0.98の場合には、欠陥量が小さくなり、変位性能の向上効果が充分に得られなくなるおそれがある。好ましくは、a+bは0.93以上がよく、0.96以下がよい。
また、上記一般式(1)においては、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009である。
即ち、BサイトにNb及びYを添加すると共に、さらにSbを添加している。よって、電荷補償により、Aサイトに欠陥を生じさせることができる。
特に、Ti(イオン半径:60.5pm)と置換し易いイオン半径を有するSb(イオン半径:61pm)は、Nbよりも電子吸引能が大(Nbの電気陰性度:1.6、Sbの電気陰性度:2.0(ポーリング))であり、結晶格子を緩和する効果がある。そのため、変位性能を向上させることができる。
e+f<0.001の場合には、欠陥量が小さくなり、変位性能の向上効果がほとんど得られなくなるおそれがある。一方、e+f>0.01の場合には、パイクロア相が残留し、変位性能が低下するおそれがある。好ましくは、e+fは0.003以上がよく、0.008以下がよい。
また、g<0.001の場合には、欠陥量が小さくなり、変位性能の向上効果がほとんど得られなくなるおそれがある。一方、g>0.009の場合には、異相が残留し、変位性能が低下するおそれがある。好ましくは、gは0.002以上がよく、0.008以下がよい。
c+d<0.980の場合には、異相が残留し、変位性能が低下するおそれがある。一方、c+d>0.998の場合には、欠陥量が小さくなり、変位性能の向上効果がほとんど得られなくなるおそれがある。
また、d<0.45の場合には、異相が残留し、変位性能が低下するおそれがある。一方、d>0.48の場合には、欠陥量が小さくなり、変位性能の向上効果がほとんど得られなくなるおそれがある。
このように、上記第1の発明によれば、変位性能に優れた圧電材料を提供することができる。
次に、上記第2の発明及び第3の発明においては、上記第1の発明の圧電材料からなる圧電体層を有する上記積層型圧電素子を得ることができる。
そのため、上記第1の発明の上記圧電材料の優れた特性を生かして、上記積層型圧電素子は優れた変位性能を発揮することができる。
また、上記第4の発明のユニット接合積層型圧電素子は、上記第2の発明の積層型圧電素子及び第3の発明の製造方法によって得られる積層型圧電素子をさらに積層してなる。そのため、上記ユニット接合積層型圧電素子は、上記積層型圧電素子の優れた変位性能を生かして、優れた変位性能を発揮することができる。
実施例1にかかる、ユニット接合積層型圧電素子の構造を示す説明図。 実施例1にかかる、積層型圧電素子の構造を示す説明図。 実施例1にかかる、積層型圧電素子の断面構造を示す説明図。 実施例1にかかる、第1電極印刷シートを形成する工程を示す説明図。 実施例1にかかる、第2電極印刷シートを形成する工程を示す説明図。 実施例1にかかる、消失材料印刷シートを形成する工程を示す説明図。 実施例1にかかる、電極印刷シート及び消失材料印刷シートを積層する工程を示す説明図。 実施例1にかかる、予備積層体の上面図。 実施例1にかかる、予備積層体の断面(図8のA−A断面)を示す説明図。 実施例1にかかる、中間積層体の断面構造を示す説明図。 実施例1にかかる、複数の積層型圧電素子を接合してユニット接合積層型圧電素子を作製する工程を示す説明図。 実施例1にかかる、積層型圧電素子の製造工程の概略を示す説明図。 実施例1にかかる、Sr量と変位量との関係を示す説明図。 実施例1にかかる、PbとSrの合計量と、変位量との関係を示す説明図。 実施例1にかかる、Sb量と変位量との関係を示す説明図。 実施例1にかかる、YとNbとの合計量と、変位量との関係を示す説明図。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明において、上記積層型圧電素子は、上記セラミック積層体と、該セラミック積層体の側面(積層方向と垂直な方向の面)に形成された一対の側面電極とを有する。
上記セラミック積層体は、上記一般式(1)で表される上記圧電材料からなる圧電体層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に複数積層して構成されている。
上記電極配設層は、上記電極部と、該電極部の外周端部が上記セラミック積層体の外周側面から内方に後退した電極非形成部を有することが好ましい。この場合には、積層方向に隣合う上記内部電極(電極部)に交互に電気的に導通する上記側面電極を容易に形成することができる。
上記セラミック積層体は、該セラミック積層体の側面から内方に凹むスリット状の領域に応力緩和部を有することが好ましい。
上記応力緩和部は、上記セラミック積層体において、上記圧電体層を構成する結晶粒子が積層方向に分離され、上記圧電体層よりも形状を容易に変化し得る部分である。
上記応力緩和部は、上記セラミック積層体の積層方向に累積する応力を緩和することができる。積層数が少ないと上記応力緩和部による応力緩和効果が小さくなってしまう。そのため、上記セラミック積層体は、20層以上の電極配設層を有することが好ましい。また、同様の理由から、上記応力緩和部は、積層方向に電極配設層10層以上50層以下の間隔を空けて形成されていることが好ましい。
上記応力緩和部が電極配設層10層未満の間隔で形成されている場合、又は電極配設層50層を超える間隔で形成されている場合には、いずれの場合においても上記応力緩和部による応力緩和効果が十分に得られなくなるおそれがある。
上記応力緩和部は、具体的には、例えばスリット状の空間(溝部)、スリット状の空間に上記圧電体層の上記圧電材料よりもヤング率の低い樹脂等の材料で充填した構造、上記圧電体層の上記圧電材料と同一材料をポーラス状に形成したスリット状の脆弱層、上記圧電体層の上記圧電材料とは異なるチタン酸鉛等の材料で形成したスリット状の脆弱層、又は分極や作動により意図的に発生させたクラック状のスリット等で形成することができる。
好ましくは、上記応力緩和部は、上記セラミック積層体の側面から内方に凹んだスリット状の溝部であることがよい。この場合には、比較的簡単に上記応力緩和部を形成することができる。
上記応力緩和部は、上記セラミック積層体の側面に形成される。上記応力緩和部は、例えば上記側面電極が形成される側の側面に部分的に形成することもできるが、上記セラミック積層体の外周面全周に渡って周方向に設けることもできる。
また、上記応力緩和部は、例えば焼成時に消失する消失材料を用いて形成することができる。
上記消失材料としては、例えば粉末状のカーボン粒子、樹脂粒子、又は、パウダー状の有機物粒子等を炭化させてなる炭化有機物粒子を用いることができる。
特に、上記消失材料として上記カーボン粒子を用いた場合には、熱による形状変化が少ないという上記カーボン粒子の特性を生かして、形状精度良く上記応力緩和部を形成することができる。
一方、上記消失材料として上記炭化有機物粒子を用いた場合には、上記応力緩和部を形成するためのコストを抑制することができる。
なお、上記有機物粒子としては、例えば樹脂材料を粉砕してなる粒子等がある。
炭化有機物粒子とは、上記有機物粒子が含有する水分の一部を除去することにより、ある程度炭化させて、流動性及び分散性が良好な微粒子の状態となった粒子をいう。
また、上記応力緩和部は、スリット状の領域を、上記積層型圧電素子の分極又は駆動時に亀裂が生じる材料によって形成し、上記積層型圧電素子の分極又は駆動時に亀裂を生じさせて形成しすることもできる。
また、上記応力緩和部を積層方向に挟む二つの上記電極配設層は、いずれも同じ側面電極に電気的に導通されていることが好ましい。より好ましくは、正極側の側面電極に電気的に接続されていることが好ましい。
この場合には、上記積層型圧電素子の耐久性を向上させることができる。
次に、上記積層型圧電素子の製造にあたっては、上記原料調合工程と、上記仮焼工程と、上記シート成形工程と、上記電極印刷工程と、上記積層工程と、上記脱脂工程と、上記焼成工程と、上記側面電極形成工程とを行う。
上記原料調合工程においては、Pb源、Sr源、Zr源、Ti源、Y源、Nb源、及びSb源を、一般式(1):(PbaSrb)(ZrcTid(YeNbfSbg))O3(ただし、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、c+d+e+f+g=1、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009)という配合割合で混合して原料混合物を作製する。
このような配合割合で上記原料混合物を調整することにより、後述の焼成工程後に上記一般式(1)で表される上記圧電材料からなる上記圧電体層を形成することができる。
Pb源、Sr源、Zr源、Ti源、Y源、Nb源、及びSb源等の各元素源は、それぞれPb、Sr、Zr、Ti、Y、Nb、又はSbを少なくとも含有する酸化物又は複合酸化物等の化合物を採用することができる。
上記仮焼工程においては、上記原料混合物を温度1000℃以下で仮焼して仮焼粉を得る。
上記仮焼工程における加熱温度(仮焼温度)が1000℃を超える場合には、主構成材料のPbが蒸発・気化し組成ずれが生じ所望組成の圧電材料が得られなくなるおそれがある。また、原料混合物を加熱して所望組成の圧電材料を得るための最低合成温度という観点から上記仮焼温度は800℃以上が好ましい。より好ましくは、上記仮焼温度は、850℃以上、950℃以下がよい。
上記シート成形工程においては、上記仮焼粉に少なくともバインダを加えて混合してシート状に成形することにより成形体シートを得る。
上記電極印刷工程においては、上記成形体シート上の例えば上記電極部を形成する領域に、導電性金属を含有する電極材料を印刷して電極印刷シートを得る。このとき、上記電極部の外周に電極材料を印刷しない上記電極非形成部を形成することができる。
また、上記応力緩和部を形成する場合には、上記成形体シートに、上記消失材料を印刷し消失材料印刷シートを得る。
次いで、上記積層工程においては、上記電極印刷シートを複数積層して積層体を作製する。このとき、上記応力緩和部を形成する場合には、所望の間隔で、上記電極印刷シート間に上記消失材料印刷シートを積層する。その後、上記脱脂工程においては、上記積層体を脱脂する。
次に、上記焼成工程においては、該脱脂工程後の上記積層体を焼成する。
これにより、上記成形体シートが焼結して上記圧電材料で構成された上記圧電体層が形成されると共に、上記電極材料を印刷した領域に上記電極部が形成される。その結果、上記圧電体層と上記電極配設層とが交互に複数積層された上記セラミック積層体を得ることができる。
また、上記消失材料印刷シートを積層した場合には、上記焼成工程において上記消失材料が消失し、上記応力緩和部(溝部)を形成することができる。
上記側面電極形成工程においては、上記セラミック積層体に、上記側面電極を形成する。上記側面電極は、例えば、Ag、Ag合金等の導電性金属を焼付けることにより形成することができる。このようにして上記積層型圧電素子を得ることができる。
また、上記積層型圧電素子を積層方向に複数接合することにより、上記ユニット接合積層型圧電素子を形成することができる。
具体的には、上記積層型圧電素子を積層方向に積み重ねると共に、接合部を接着剤等により接合する。これにより、上記ユニット接合積層型圧電素子を得ることができる。
上記積層型圧電素子及び上記ユニット接合積層型圧電素子は、例えば燃料噴射弁等に用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1〜図16を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例においては、複数の積層型圧電素子2が積層方向に接合されてなるユニット接合積層型圧電素子1を製造する。各積層型圧電素子2は、その積層方向の端部で互いに接合されており、積層型圧電素子2間には接合部15が形成されている。
図2及び図3に示すごとく、積層型圧電素子2は、複数の圧電体層21と複数の電極配設層22、23とを交互に積層してなるセラミック積層体20と、その積層方向に垂直な面である側面に形成された一対の側面電極28、29とを有する。電極配設層22、23は、その電極部221、231において、それぞれいずれか一方の側面電極28、29に電気的に接続している。
図2及び図3に示すごとく、各電極配設層22、23は、電極非形成部222、232において、電極配設層22、23を挟む上下の圧電体層21との境界が無くなっている。即ち、圧電体層21と電極配設層22,23とは完全な層状構造で積層しているわけではない。しかし、本明細書においては、便宜上、セラミック積層体20内において、電極配設層22、23の電極部221、231を水平方向(積層方向と垂直な方向)に延長させた平面に電極非形成部222、232が存在し、電極部221、231と電極非形成部222、232とからなる電極配設層22、23が圧電体層21と積層構造を形成しているものとして取り扱う。したがって、各圧電体層21は、隣接する2つの電極配設層22、23に挟まれた領域となる。
圧電体層21は、一般式(1):(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3で表され、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、c+d+e+f+g=1、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009という関係を満足する圧電材料からなる。
セラミック積層体20の両端には、他よりも厚みの大きな圧電体層210(ダミー層210)が形成されている。
また、セラミック積層体20は、側面より内方に凹むスリット状の応力緩和部25(溝部25)を有する。本例において、応力緩和部25は、セラミック積層体20の側面より内方に凹むスリット状の溝部であり、セラミック積層体20の側面全周に渡って周方向に形成されている。
また、応力緩和部25を挟んで隣り合う2つの電極配設層22の電極部221は、いずれも正極側の側面電極28に電気的に接続されている。その他の電極配設層22、23は、電極部221、231において、交互に異なる側面電極28、29に電気的に接続されている。
図1に示すごとく、ユニット接合積層型圧電素子1においては、各セラミック積層体20の同じ側面に形成された側面電極28、29同士をそれぞれ電気的に接続する外部電極18、19が形成されている。
なお、図1〜図3においては、図面作成の便宜のため、実際の積層数を省略した形式で積層型圧電素子を示してある。
本例の積層型圧電素子の製造にあたっては、原料調合工程、仮焼工程、シート成形工程、電極印刷工程、積層工程、脱脂工程、焼成工程、及び側面電極形成工程を行う。
原料調合工程においては、Pb源、Sr源、Zr源、Ti源、Y源、Nb源、及びSb源を、一般式(1):(PbaSrb)(ZrcTid(YeNbfSbg))O3(ただし、c+d+e+f=1、0.90≦a+b≦0.97、0.03≦b≦0.08、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.01)という配合割合で混合して原料混合物を作製する。
仮焼工程においては、上記原料混合物を温度1000℃以下で仮焼して仮焼粉を得る。
シート成形工程においては、上記仮焼粉に少なくともバインダを加えて混合してシート状に成形することにより成形体シートを得る。
電極印刷工程においては、成形体シート210上の上記電極部を形成する領域41に、導電性金属を含有する電極材料220、230を印刷して電極印刷シート31、32を得る(図4及び図5参照)。
積層工程においては、電極印刷シート31、32を複数積層して積層体40(4)を作製する(図7参照)。その後、上記脱脂工程においては、上記積層体を脱脂する。
次に、上記焼成工程においては、該脱脂工程後の上記積層体を焼成してセラミック積層体20を得る(図2及び図3参照)。
上記側面電極形成工程においては、セラミック積層体20に、側面電極28、29を形成する(図2及び図3参照)。
また、本例においては、応力緩和部を形成するために、消失材料印刷工程を行う。
消失材料印刷工程においては、成形体シート210上における最終的に応力緩和部となる部分に、焼成によって消失する消失材料250を印刷し、消失材料印刷シート33を形成する。そして、上記積層工程においては、所定枚数積層した電極印刷シート31、32間に消失材料印刷シート33を配設して積層体40を作製する(図7参照)。
以下、本例の積層型圧電素子の製造方法につき、図1〜図10、及び図12を用いて詳細に説明する。本例においては、図12に示す工程図の調合1から側面電極焼付けまで行うことにより、積層型圧電素子を得る。
<原料調合工程>
まず、圧電材料となるジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等のセラミック原料粉末を準備した。具体的には、出発原料としてPb34、SrCO3、ZrO2、TiO2、Y23、Nb25及びSb23を準備し、これらの出発原料を上記一般式(1)(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3で示される組成となるような化学量論比で秤量した。次いで、湿式にて混合及び粉砕を行った後、温度120℃で乾燥した。
<仮焼工程>
次に、原料混合物を温度850℃で7時間仮焼した。次いで、仮焼粉をらいかい機にて粗粉砕した。次いで、仮焼粉をパールミルにより湿式粉砕し、この仮焼粉の粉砕物(粒径(D50値):0.65±0.05μm)を乾燥した。
<成形工程>
次に、仮焼粉に、溶剤、バインダ、可塑剤、及び分散剤等を加えてボールミルにより混合し、得られた仮焼粉のスラリーを真空装置内で撹拌機により撹拌しながら真空脱泡し、さらに粘度調整した。
次いで、ドクターブレード法により、仮焼粉のスラリーをキャリアフィルム上に塗布し、厚さ80μmの長尺の成形体シート(グリーンシート)を成形した。このグリーンシートを所定の大きさに切断して、幅広のグリーンシートを作製した(シート成形)。
なお、グリーンシートの成形方法としては、本例で用いたドクターブレード法のほか、押出成形法やその他種々の方法を採用することができる。
<電極印刷工程>
次に、電極印刷工程では、図4及び図5に示すごとく、グリーンシート210上に電極部となる電極材料220,230を印刷し、第1電極印刷シート31及び第2電極印刷シート32の2種類の電極印刷シートを作製した(電極印刷)。
以下に、電極印刷シートの作製についてさらに説明する。
図4に示すごとく、第1電極印刷シート31の作製に当たっては、グリーンシート210上の印刷領域41において、最終的に電極部となる部分に電極材料220を印刷した。これにより、第1電極印刷シート31を形成した。
また、図5に示すごとく、第2電極印刷シート32の形成に当たっては、第1電極印刷シートと同様に、グリーンシート210上の印刷領域41において、電極部となる部分に電極材料230を印刷した。これにより、第2電極印刷シート32を形成した。
第1電極印刷シート及び第2電極印刷シートにおいては、電極材料220、230が印刷領域41内のそれぞれ異なる端部に露出するように電極材料220、230の印刷を行った。
なお、本例では、電極材料として、ペースト状のAg/Pd合金を用いた。また、上記以外にも、Ag、Pd、Cu、Ni等の単体、Cu/Ni等の合金を用いることができる。
<消失材料印刷工程>
次に、セラミック積層体20の側面に応力緩和部25(図2及び図3参照)を設けるため、図6に示すごとく、消失材料印刷シート33を形成する消失材料印刷工程を行った。
同図に示すごとく、グリーンシート210上の印刷領域41において、最終的に応力緩和部となる部分に焼成によって消失する消失材料250を印刷した。これにより、消失材料印刷シート33を作製した。
本例では、消失材料としてカーボン粒子よりなる材料を用いた。また、カーボン粒子以外にも、炭化有機物粒子を用いることもできる。この炭化有機物粒子は、粉末状の有機物粒子を炭化して得ることができるほか、炭化させた有機物を粉砕して得ることもできる。さらに、上記有機物としては、樹脂等の高分子材料等を用いることができる。
また、電極印刷工程及び消失材料印刷工程においては、後述の積層及び切断工程により複数の積層体を作製するために、一枚のグリーンシート上に複数の電極材料220、230及び消失材料250を印刷した。
また、切断工程において切断される部分を避けるように、図4〜図6に示すごとく間隙42を空けて、電極材料220、230及び消失材料層250の印刷を行った。つまり、グリーンシート210上の隣接する印刷領域41の間に間隙42を設けて印刷を行った。
<積層工程>
次に、図7に示すごとく、第1電極印刷シート31、第2電極印刷シート32、及び消失材料印刷シート33を所定の順序で各印刷領域41を積層方向に揃えて積層した。
このとき、第1電極印刷シート31及び第2電極印刷シート32を交互に積層し、上記応力緩和部を形成したい位置に消失材料印刷シート33を挿入して積層した。
具体的には、本例においては、第1電極印刷シート31と第2電極印刷シート32との積層構造11層毎に消失材料印刷シート33を積層し、第1電極印刷シート31及び第2電極印刷シート32とが合計で95枚となるように積層した。
このとき、第1電極印刷シート31と第2電極印刷シート32とはその電極材料220,230が交互に印刷領域41の対向する端面に露出するように積層した。ただし、消失材料印刷シート33を隣接して挟む2つの電極印刷シートについては、電極材料の形成パターンが同じ印刷シート(第1電極印刷シート31)を用い、印刷領域41の対向する2つの端面のうち同じ端面に電極材料220が露出するように積層した。すなわち、図9に示すごとく、消失材料印刷シート33の上下には、後述の切断工程後に電極材料220が同じ側面に露出するような向きで第1電極印刷シート31を配置した。
また、積層体の両端には、電極材料や消失材料を印刷していないグリーンシート210を積層した。そして、このようにして積層したシートを100℃で加熱すると共に積層方向に50MPaで加圧し、予備積層体40を形成した。なお、図7においては、図面作成の便宜のため、実際の積層数を省略した形式で予備積層体を示してある。
次に、図8〜図10に示すごとく、形成した予備積層体を切断位置43に沿って積層方向に切断し、中間積層体4を形成した(切断工程)。
なお、予備積層体40の切断は、中間積層体4ごとに切断してもよいし、複数の中間積層体4を含んで切断してもよい。本例においては、中間積層体4ごとに切断し、各電極材料220、230及び消失材料層250が中間積層体4の側面に露出するように切断を行った。
なお、図9及び図10においては、図面作成の便宜のため、実際の積層数を省略した形式で予備積層体及び中間積層体を示してある。
<脱脂工程>
次に、中間積層体のグリーンシートに含有されているバインダ樹脂を90%以上加熱除去した(脱脂)。加熱は、80時間かけて徐々に500℃まで昇温して10時間保持した。
<焼成工程>
次に、脱脂した中間積層体を焼成した。焼成は、温度1070℃まで18時間かけて徐々に昇温させ、2時間保持後、徐々に冷却することで行った。
このようにして、図2及び図3に示すごとく、圧電体層21と電極配設層22、23とが交互に積層されてなり、スリット状の応力緩和部25を有するセラミック積層体20を得た。
<側面電極形成工程>
そして、焼成後、全面研磨を行って縦6mm×横6mm×高さ4.4mmのセラミック積層体20を作製し、その両側面を挟むように、一対の側面電極28、29を焼付けた。
このとき、各電極配設層22、23の電極部221、222は、それぞれ交互に異なる側面の側面電極28、29に電気的に接続される。ただし、応力緩和部25を挟む2つの電極配設層22の電極部221は、同じ側の側面電極28に電気的に接続される。そして、本例においては、応力緩和部を挟む2つの電極配設層22の電極部221が接続されている側の側面電極28を正極とした。
以上のようにして、図2及び図3に示すごとく、複数の圧電体層21と複数の電極配設層22、23とを交互に積層してなるセラミック積層体20と、その側面に形成された応力緩和部25と、一対の側面電極28、29とを有する積層型圧電素子2を作製した。
次に、このようにして得られた積層型圧電素子を複数接合し、ユニット接合積層型圧電素子を作製する。
まず、積層型圧電素子を接合させる接着剤として、シリコーン樹脂系接着剤を準備した。このシリコーン樹脂系接着剤は、ビニル基を含有する直鎖状のオルガノポリシロキサンをシリコーンゴム組成物の主剤として含有し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋剤として含有する。本例においては、シリコーン樹脂系接着剤として硬化後の接着強度が1.3MPa以上のものを採用した。
図11に示すごとく、積層型圧電素子2の接合面に厚さ1μm以下で接着剤5を塗布し、積層型圧電素子2同士を積層方向に接合した。本例においては、6個の積層型圧電素子2を接合させた。その後、積層方向から圧力をかけて圧着させ、温度180℃で1時間保持して接着剤を硬化させた。
このようにして、積層型圧電素子2が積層方向に6個接合されたユニット接合積層型圧電素子1を作製した。なお、図11においては、図面作成の便宜のため、ユニット接合積層型圧電素子内の積層型圧電素子の数を省略して示すと共に、積層型圧電素子内の圧電体層の数及び応力緩和部を省略してある。
また、同図に示すごとく、積層型圧電素子2の接合後に、各積層型圧電素子2に形成された正極側の側面電極28同士を電気的に導通させる外部電極18と、負極側の側面電極29同士をそれぞれ電気的に導通させる外部電極19を形成した。外部電極28、29は、Ag等の導電性金属を焼付けることにより形成した。
このようにして、図1に示すごとく、積層型圧電素子2が複数接合されてなるユニット接合積層型圧電素子1を作製した。
本例においては、原料調合工程における配合を変えて、組成の異なる複数の圧電材料で構成する圧電体層を形成した。
具体的には、まず、一般式:(Pb0.94Srb)(Zr0.529Ti0.454(Y0.0025Nb0.0025Sb0.006))O3におけるbの値(Sr量)を変えて出発原料を秤量し、その他は上述と同様の操作を行って11種類のユニット接合積層型圧電素子(試料E1〜E7及び試料C1〜C4)を作製した。bの値を後述の表1に示す。
また、一般式:(PbaSr0.05)(Zr0.529Ti0.454(Y0.0025Nb0.0025Sb0.006))O3におけるa+0.05の値(Pb+Sr量)を変えて出発原料を秤量し、その他は上述と同様の操作を行って13種類のユニット接合積層型圧電素子(試料E8〜E16及び試料C5〜C8)を作製した。a+0.05の値を後述の表2に示す。
また、一般式:(Pb0.94Sr0.05)(Zr0.529Ti0.454(Y0.0025Nb0.0025Sbg))O3におけるgの値(Sb量)を変えて出発原料を秤量し、その他は上述と同様の操作を行って14種類のユニット接合積層型圧電素子(試料E17〜E25及び試料C9〜C13)を作製した。gの値を後述の表3に示す。
また、一般式:(Pb0.94Sr0.05)(Zr0.529Ti0.454(YeNbfSb0.006))O3におけるe+fの値(Y+Nb量、ただしe:f=1:1)を変えて出発原料を秤量し、その他は上述と同様の操作を行って14種類のユニット接合積層型圧電素子(試料E26〜E35及び試料C14〜C17)を作製した。e+fの値を後述の表4に示す。
次に、上記のようにして得られたユニット接合積層型圧電素子(試料E1〜E35及び試料C1〜C17)について、変位量を測定した。
具体的には、積層方向に500Nの荷重をかけながら各試料(ユニット接合積層型圧電素子)に150Vの電圧を印加した。このときの各試料の変位は、レーザー変位計により測定した。測定は2点について行い、これらの平均をもって各試料の変位量とした。
なお、変位量の測定は室温で行うが、予め各試料を駆動している状態で20程度エージングした後に測定を行った。その結果を表1〜4及び図13〜図16に示す。
Figure 2011009269
Figure 2011009269
Figure 2011009269
Figure 2011009269
表1〜表4及び図13〜図16に示すごとく、一般式(1):(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3(c+d+e+f+g=1、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009)で表される組成の圧電材料で構成する圧電体層を形成した試料E1〜試料E35は、40μm以上という大きな変位量を示し、変位性能に優れていた。これに対し、上述の組成の範囲外にある試料C1〜試料C17は、変位性能が不充分であった。
したがって、本例によれば、一般式(1)で表される圧電材料は、優れた変位性能を示すことができ、かかる圧電材料を用いた積層型圧電素子及びユニット接合積層型圧電素子は、実用上優れた変位性能を発揮できることがわかる。
1 ユニット接合積層型圧電素子
15 接合部
18 外部電極
19 外部電極
2 積層型圧電素子
21 圧電体層
22 電極配設層
23 電極配設層
25 応力緩和部
28 側面電極
29 側面電極

Claims (4)

  1. 一般式(1):(PbaSrb){ZrcTid(YeNbfSbg)}O3で表される圧電材料であって、
    0.90≦a+b≦0.98、
    0.03≦b≦0.08、
    c+d+e+f+g=1、
    0.980≦c+d≦0.998、
    0.45≦d≦0.48、
    0.001≦e+f≦0.01、及び
    0.001≦g≦0.009
    という関係を満足することを特徴とする圧電材料。
  2. 電圧の印加により伸縮可能な圧電材料からなる圧電体層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に複数積層して構成したセラミック積層体、及び該セラミック積層体の側面に形成された一対の側面電極を有する積層型圧電素子において、
    上記圧電体層は、上記請求項1に記載の上記圧電材料を主成分とすることを特徴とする積層型圧電素子。
  3. 電圧の印加により伸縮可能な圧電材料からなる圧電体層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に積層して構成したセラミック積層体、及び該セラミック積層体の側面に形成された一対の側面電極を有する積層型圧電素子の製造方法において、
    Pb源、Sr源、Zr源、Ti源、Y源、Nb源、及びSb源を、一般式(1):(PbaSrb)(ZrcTid(YeNbfSbg))O3(ただし、0.90≦a+b≦0.98、0.03≦b≦0.08、c+d+e+f+g=1、0.980≦c+d≦0.998、0.45≦d≦0.48、0.001≦e+f≦0.01、及び0.001≦g≦0.009)という配合割合で混合して原料混合物を作製する原料調合工程と、
    上記原料混合物を温度1000℃以下で仮焼して仮焼粉を得る仮焼工程と、
    上記仮焼粉に少なくともバインダを加えて混合してシート状に成形することにより成形体シートを得るシート成形工程と、
    上記成形体シート上に、導電性金属を含有する電極材料を印刷して電極印刷シートを得る電極印刷工程と、
    上記電極印刷シートを複数積層して積層体を作製する積層工程と、
    上記積層体を脱脂する脱脂工程と、
    該脱脂工程後の上記積層体を焼成して上記セラミック積層体を得る焼成工程と、
    上記セラミック積層体に、上記側面電極を形成する側面電極形成工程とを有することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  4. 請求項2に記載の上記積層型圧電素子、又は請求項3に記載の製造方法により得られる上記積層型圧電素子を積層方向に複数接合して構成したユニット接合積層型圧電素子。
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