JP2010285115A - ワイパピボット構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】事故発生時に歩行者を保護し頭部傷害を低減可能としたワイパピボット構造。
【解決手段】ワイパピボット部1を、ワイパピボット支持部によってワイパ締め付けブラケットに固定させる。ワイパピボット支持部の中間部には溝部を設け、下方へ向けて所定値以上の荷重が加わった場合に破断可能な構造とする。ワイパピボット部1のピボット軸が、ワイパ締め付けブラケットの上方に回動軸51を備えるセグメント5の基端部52に固定され、回動可能である。セグメント5の中間部には、ワイパピボット部1に車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、基端部52と回動軸51との間で折曲可能な溝部54を備える。そして、所定値以上の荷重がワイパピボット部1に加わった時には、ワイパピボット支持部8が破断すると共に、セグメント5の中間部53が折曲してワイパピボット部1が回動しながらカウル空間部内へと移動する。
【選択図】図6
【解決手段】ワイパピボット部1を、ワイパピボット支持部によってワイパ締め付けブラケットに固定させる。ワイパピボット支持部の中間部には溝部を設け、下方へ向けて所定値以上の荷重が加わった場合に破断可能な構造とする。ワイパピボット部1のピボット軸が、ワイパ締め付けブラケットの上方に回動軸51を備えるセグメント5の基端部52に固定され、回動可能である。セグメント5の中間部には、ワイパピボット部1に車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、基端部52と回動軸51との間で折曲可能な溝部54を備える。そして、所定値以上の荷重がワイパピボット部1に加わった時には、ワイパピボット支持部8が破断すると共に、セグメント5の中間部53が折曲してワイパピボット部1が回動しながらカウル空間部内へと移動する。
【選択図】図6
Description
この発明は、ワイパピボット構造にかかり、詳細には、事故発生時に歩行者を保護し頭部傷害を低減可能としたワイパピボット構造に関する。
ワイパピボットは、ワイパの動作起点となる部位であり、自動車のフロントガラスの外部下方に、通常は左右に位置されている。そしてワイパピボットは、歩行者保護の観点から、衝撃が加わった時に衝撃を吸収出来る構造とすることが望まれる。
このように、衝撃などの過度の力が加わった時に、ワイパピボット自らが移動等できるものとして、例えば、特許文献1に開示する発明が有った。図7は、特許文献1の発明を示す、上方向からの斜視説明図であり、図8は、図7に示すワイパ装置を車両前方側から見た断面説明図を示している。
特許文献1に開示する発明では、図7に示すように、ワイパピボットであるピボットホルダ116とピボットホルダ118とが、フロントガラス112の下方で、車両左右に位置するように固定されている。そして、連結フレーム120が、ピボットホルダ116とピボットホルダ118とを連結してる。
一方、カウル114には、ブラケット156を、連結フレーム120の略中央位置となるように固定してある。このブラケット156には、更にフック146を固定してある。フック146は、連結フレーム120を上方から固定可能に設置している。
そして、左側のピボットホルダ116は、図8に示すように、ピボットホルダ支持部116Aとワイパモータ支持部116Bとを備えており、ピボットホルダ116の取付部116Cはカウル114に形成した取付座部114Aに、ボルト等の固定部材122で固定されている。また、ピボットホルダ116の取付部116Cとピボットホルダ支持部116Aとの境には、脆弱部123を形成してある。そして、ピボットホルダ支持部116Aに所定値以上の力が車体上下方向(ピボットシャフト121の軸方向)に作用した場合に、脆弱部123が破断するような構造となっている。
ピボットホルダ118も、ピボットホルダ116と同様な構造であり、ピボットホルダ支持部118Aを備えて、ピボットホルダ支持部118Aの車幅方向内側には、車体への取付部118Bが形成されている。ピボットホルダ118の取付部118Bはカウル114に形成した取付座部114Bに、ボルト等の固定部材127で固定されており、ピボットホルダ118の取付部181Bとピボットホルダ支持部118Aとの境には脆弱部128を形成してある。そして、ピボットホルダ支持部118Aに所定値以上の力が車体上下方向(ピボットシャフト130の軸方向)に作用した場合に、脆弱部128が破断するようになっている。
上記のように、特許文献1に開示された発明では、連結フレーム120をフック146およびブラケット156でカウル114に固定しているので、降雪時のワイパ作動状態では連結フレーム120が車体斜め上側後方へ移動するのを阻止できると共に、外部からピボットホルダ116およびピボットホルダ118へ衝撃が作用した場合には連結フレーム120は車体斜め下側後方へ移動可能となっている。そして、連結フレーム120が、大きな力によって下方へ大きく移動されたときや、ピボットホルダ116およびピボットホルダ118に、下方側へと大きな力が加わった時には、脆弱部123および脆弱部128が破断してワイパピボットであるピボットホルダ116およびピボットホルダ118がカウル114内となる下方へと移動可能な構造となっている。
従って、図9に示すように、通常時には、カウル114の中間に位置しているワイパピボットの下端116Xが、衝撃が加わって脱落したときには、116Yの位置となる。
尚、114Cは、カウルルーバであり、200は保護インパクタであり、EFはエンジンフードである。
図9は、特許文献1に開示する発明のワイパピボット部分を、車両左側から右側方向へ見た断面説明図であるが、該図から明らかなように、図8に示すワイパピボットであるピボットホルダ116が上方からの衝撃などにより、脆弱部123が破断して下方へ移動するためには、図9に示すカウル114内に、ワイパピボットであるピボットホルダ116の設置位置を上方にしておくか、カウル114の下方に余分なスペースXを確保しておかなければならないという問題点を有した。
そして、予めワイパピボットであるピボットホルダ116の設置位置を上方にしておくと、車両の外観意匠上好ましくなかったり、ワイパ装置による走行時の風切り音の発生などの問題があった。
また、カウル114の下方へ余剰スペースXを確保すると言うことは、他の部品の設置等の自由が無くなることを意味しており、やはり、設計自由度を欠いてしまうと言う問題点を有した。
この発明は、上記問題点に鑑み、ワイパピボットを好ましい位置に設置した状態でカウル内に余剰スペースを設けることなく、ワイパピボットが衝撃発生時に下方へ移動可能なワイパピボット構造を提供する。
この発明では、上記問題点を解決するためのワイパピボット構造として、カウル内に配置されるワイパピボットと、ワイパピボットを固定させるワイパピボット固定部と、通常時には、前記ワイパピボットをワイパピボット固定部に支持し、前記ワイパピボットに車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、前記ワイパピボットが下方へ移動するのを妨げないワイパピボット支持部と、前記ワイパピボット固定部の上方に位置し、一端が前記ワイパピボットのピボット軸と連結される基端部であり、他端が該ピボット軸を回動させる回動端であり、中間部はワイパピボットに車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、前記基端部と前記回動端との間で折曲可能な脆弱部であるセグメントとを備える。
従って、この発明では、下方への過剰な衝撃が加わった際に、従来から備わっていたワイパピボットを車両本体へ取付支持している支持部の破断作用に加え、ワイパピボットを回動させるセグメントをも折曲可能な構造とすることで、ワイパピボットが下方へ移動する際に、脆弱部の折曲点を中心に回動しながら下方へ移動可能となるので、カウル内下方に、ワイパピボットが移動可能となるための余剰スペースを、ワイパピボットが単に下方へ平行移動するよりも少なすることが可能となる。
1は、図1に示すように、実施の形態であるワイパピボット部である。ワイパピボット部1は、車両のエンジンフード2とフロントウィンドー3との間に設けるカウル4内に位置される。
図2は、実施の形態の平面視説明図である。図2に示すとおり、エンジンフード2のフロントウィンドー3側には、カウル4が有り、エンジンフード2とフロントウィンドー3との間にはカウル空間部41が車両下方側へと開口している。
ワイパピボット部1は、ワイパ装置Aの一部であり、ワイパ(図示せず)を2本備えている場合には、通常車両の左右に間隔を空けて設けてある。そして、ワイパピボット部1は、ピボット軸11がワイパ(図示せず)と連結されており、ピボット軸11が左右方向へ回動することでワイパ(図示せず)を揺動可能である。
尚、ワイパ装置Aは、通常使用されているワイパ装置の機能と同様のワイパー機能を備えており、ワイパモータA1を備え、ワイパモータA1の回転を揺動運動に変換させる動力部A2、動力部A2の揺動運動をワイパピボット部1へ伝達させるモータリンクA3を備えて、モータリンクA3の先端とワイパピボット部1のピボット軸11とを連結させるセグメント5を備えており、モータリンクA3の揺動運動をセグメント5へ伝達し、セグメント5が揺動することでピボット軸11を回動可能である。また、左右のワイパピボット部1は、セグメント5相互をピボットリンク7によって連結し、左右のピボット軸11を同時に揺動可能な構造となっている。以下、車両右側のワイパピボット部1を例に説明する。
セグメント5は、板状体からなり、一端がピボット軸11と固定されており、ピボット軸11を中心に回転可能である。そして、セグメント5の他端はモータリンクA3の一端と連結され、モータリンクA3が移動することで、セグメント5がピボット軸11を中心に揺動してピボット軸11を回動させる。車両右側のセグメント5は、回動端側の軸部51が、車両左側のセグメント5の回動端側の軸部51とピボットリンク7によって連結されており、車両左側のセグメント5を揺動可能である。
また、セグメント5の回動端側の軸部51は、車両にワイパピボット部1を固定するためにカウル4へ設けてあるワイパ締め付けブラケット42の上方に位置されている。尚、軸部51は、ワイパ締め付けブラケット42の上方でなくとも良く、軸部51が下方へ若干移動されて当接した際に、ワイパピボット部1を固定するカウル4など軸部51の移動を阻害可能な部位の上方であれば、軸部51の位置はどこでもよい。
図4は、ワイパピボット部1の側面視断面説明図である。図中矢示Frは、車両前方側を示し、矢示UPRは車両上方側を示している(各図共通)。また、図中点線で示すのは、通常位置であり、実線で示すのは、ワイパピボット部1へ衝撃が加わった時の初期段階を示している。図4に示すように、セグメント5は、軸部51と反対側の端部が、ワイパピボット部1のピボット軸11と連結固定される基端部52であり、回動軸51と基端部52との間は、中間部53である。中間部53は、プレート状に形成されており、中間部53の回動軸51側である軸側53aとピボット側53bとの間には、回動軸51と基端部52との方向と交差するように脆弱部である溝部54を穿設してある。この溝部54は、ワイパピボット部1側に加わる荷重が所定値以上となった場合に溝部54を中心に中間部53が折曲可能に穿設されている。
尚、この実施の形態では、脆弱部を溝部54によって構成したが、溝状ではなく、例えば、溝部54に相当する部分を中空にして肉薄にするなど、他の手法によっても良く、所定値以上の荷重によって中間部53が折曲出来ればどの様な構造であってもよい。
図2に示す8は、ワイパピボット支持部である。ワイパピボット支持部8は、カウル4に設けてあるワイパ締め付けブラケット42とワイパピボット部1との間を連結固定するステーであり、従来同様に、ワイパピボット支持部8の中間部には、セグメント5の中間部同様に溝部等を設けて脆弱部を形成し、やはり所定値以上の荷重が加わると該脆弱部で破断するような構造である。ワイパピボット支持部8の脆弱部構造は従来同様である。
上記のような構造を備えるワイパピボット構造Aでは、ワイパピボット部1へ衝撃等によって下方に向け荷重が加わると、ワイパピボット支持部8は、従来同様に中間に設けた脆弱部から破断し、ワイパピボット部1やセグメント5が下方へ移動する。すると、ワイパピボット構造Aは、図4に示すように、点線で示す位置に有ったワイパピボット部1、セグメント5等が白抜き矢示に示す下方へ移動され、ワイパピボット部1’セグメント5’の位置へと移動する。
そして、該移動によってセグメント5の軸部51がカウル4のワイパ締め付けブラケット42に当接すると、セグメント5の移動はカウル4によって規制されるので、セグメント5の移動は終了される。
一方、ワイパピボット部1は、下方への動作が規制されないので、更に下方へ移動しようとする。この時、荷重が、セグメント5の中間部に設けた脆弱部である溝部54を折曲させるのに足りる大きさ以上の場合には、図5(b)に示すように、セグメント5の中間部53が溝部54で折曲される。
セグメント5の中間部53が折曲すると、ワイパピボット部1は、図6に点線で示した位置から、セグメント5の基端部52を中心に回転することとなる。
すると、図3に点線で示すように、保護用インパクタ6が、カウル4のカウル空間部41内はへ入り込むように移動し、ワイパピボット部1もワイパピボット部1’で示す位置へと移動することとなる。尚、保護用インパクタ6は、カウル空間部41内へ移動する際に、フード、カウル、フロントウィンドーを変形させるが、図3では、それぞれの位置を説明するため変形させないで図示してある。
そして、図3に示すように、ワイパピボット部1が回転しながらカウル空間部41内に入り込むことで、従来のようにワイパピボット部1が回転しないでカウル空間部41内に入り込んだ場合と比べ、カウル空間部41の下方端をスペースZ分だけ上方へ移動させても従来同様にワイパピボット部1をカウル空間部41内に移動させることが可能となる。
この発明は、自動車のワイパ装置に適用可能である。
1 ワイパピボット部
2 エンジンフード
3 フロントウィンドー
4 カウル
41 カウル空間部
42 ワイパ締め付けブラケット
5 セグメント
51 回動軸
52 基端部
53 中間部
53a 軸側
53b ピボット側
54 溝部
6 保護用インパクタ
7 ピボットリンク
8 ワイパピボット支持部
2 エンジンフード
3 フロントウィンドー
4 カウル
41 カウル空間部
42 ワイパ締め付けブラケット
5 セグメント
51 回動軸
52 基端部
53 中間部
53a 軸側
53b ピボット側
54 溝部
6 保護用インパクタ
7 ピボットリンク
8 ワイパピボット支持部
Claims (1)
- カウル内に配置されるワイパピボットと、
ワイパピボットを固定させるワイパピボット固定部と、
通常時には、前記ワイパピボットをワイパピボット固定部に支持し、前記ワイパピボットに車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、前記ワイパピボットが下方へ移動するのを妨げないワイパピボット支持部と、
前記ワイパピボット固定部の上方に位置し、一端が前記ワイパピボットのピボット軸と連結される基端部であり、他端が該ピボット軸を回動させる回動端であり、中間部はワイパピボットに車体下方へ向かって所定値以上の荷重が加わった場合に、前記基端部と前記回動端との間で折曲可能な脆弱部であるセグメントと、
を備えるワイパピボット構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009141702A JP2010285115A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | ワイパピボット構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009141702A JP2010285115A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | ワイパピボット構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010285115A true JP2010285115A (ja) | 2010-12-24 |
Family
ID=43541162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009141702A Pending JP2010285115A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | ワイパピボット構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010285115A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017043324A1 (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | アスモ 株式会社 | ワイパ装置 |
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-
2009
- 2009-06-12 JP JP2009141702A patent/JP2010285115A/ja active Pending
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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