JP2010264669A - 射出成形方法および射出成形金型装置 - Google Patents

射出成形方法および射出成形金型装置 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形部品にフィルムを貼り合わせるとき、樹脂射出成形と同じ工程で、フィルムの破れがなく貼り合わせることを可能にする。
【解決手段】キャビティプレート203に設けたキャビティ入れ子202を、キャビティプレート203とコアプレート209とのパーティング面よりもコアプレート方向に突出させてフィルム201に接触させた後、フィルム201を伸ばして予備成形させると共に、キャビティ入れ子202をヒータ207で加熱して、フィルム201を軟化させて伸ばしやすい状態にし、さらにエア吸引する。この状態でフィルム201をキャビティ入れ子202に密着させながら成形する。これによりフィルム201を破れがない状態で成形部品に貼り合わせることができる射出成形が行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型にて射出成形を行い、樹脂成形部品を製作するとき、射出成形と同時に、射出成形品の表面にフィルムを貼り合わせる射出成形方法、および射出成形金型装置に関するものである。
射出成形によって得られた樹脂部品の表面に加飾を施す場合、塗装により色や模様付けを行うのが一般的である。しかしながら、デザイン性の多様化、あるいは塗装による環境問題などにより、塗装に代わる加飾工法が求められている。
そこで近年、デザインが印刷されたフィルムを樹脂部品に貼り合わせる工法が注目を集めてきている。これらのフィルムに対する加飾は、印刷にて行われているため、木目調や大理石調など、従来の塗装ではできなかったデザインを表現することが可能である。また、フィルムの表面に凹凸を付けることにより、木目調などの手触り感も表現することができる。
これらのフィルムを樹脂成形部品に貼り合わせる方法としては、フィルムを貼り合わせる樹脂成形部品と同じ形状に、真空成形工法などを用いてフィルム単品を予備成形し、その後、そのフィルムを射出成形金型内に挿入し、フィルムと一緒に射出成形を行い、フィルムと樹脂を熱溶着にて接合させる方法が採用されている。
しかしながら、前記方法では、フィルムを予備成形する工程が必要なため、近年では、射出成形金型内で、射出成形と同時に成形品の表面にフィルムを貼り合わせる取り組みがなされている。
以下、従来の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図10は射出成形金型内で射出成形とフィルムの貼り合わせとを同時に行う方法に採用される金型の断面図である。
成形樹脂部品に貼り合わせるフィルム101を、ベースプレート103に設けられて金型を構成するキャビティプレート102とコアプレート104との間に挿入する。その後、金型を閉じてキャビティプレート102とコアプレート104を接触させ、樹脂挿入口105から樹脂を流し込んで、樹脂を成形させる。それと同時に、コアプレート104側の樹脂挿入口105から流し込まれる樹脂により、フィルム101をキャビティプレート102面に押し付けてフィルム成形し、熱溶着によりフィルムを成形樹脂に貼り合わせる。
しかしながら、流し込まれる高温の樹脂圧で、成形と同時に数秒の短時間でフィルム101を成形するため、フィルム101が伸びきれない状態となる。また、キャビティプレート102とコアプレート104とにより、成形品となる周囲のフィルム部分を挟んでしまい、フィルム101の成形と共に、外周部のフィルム101が成形品の方向に移動しないため、フィルム101の破れが発生する。この発生箇所としては、特に、樹脂成形品のコーナ部や曲面形状になっている部分において顕著である。
そこで、図11に示すように、キャビティプレート102とベースプレート103を貫通するエア吸引孔106を設け、フィルム101がキャビティプレート102とコアプレート103の間に配された後、図12(a)に示すように、エア吸引孔106からエアを吸引することにより、フィルム101をキャビティプレート102に密着させ、射出成形前にフィルム101の予備成形が行われるようにした構成のものがある。
このようにすることにより、射出成形前に貼り合わせる形状にフィルム101を予備成形することができるため、射出成形と同時にフィルム101の成形を行う場合と比べ、フィルム101の破れが少なく、また樹脂に密着し易くなるので、貼り合わせ強度も強くなる(特許文献1参照)。
特開2008−105415号公報
しかしながら、図11,図12(a)に示すようなエア吸引孔106からエアを吸引することによりフィルム101を予備成形する方法であっても、いくつかの問題が発生する。
まず、エア吸引孔106からエアを吸引して、フィルム101をキャビティプレート102に密着させると、図12(b)に示すように、エア吸引孔106の形状に沿って、フィルム101に変形部分108が発生する。エア吸引孔106の孔直径がフィルム101の厚みの半分以下であれば、大きな変形は発生しない。
しかしながら、フィルムの厚みは0.1mm〜0.3mmが一般的であるので、エア吸引孔106を、その半分以下の直径の孔に加工することは困難である。また、前記変形が発生しなくても、エア吸引孔106の孔の圧痕は発生する。特に、鏡面状態のフィルムであると顕著に発生する。
エア吸引孔の加工性を考慮して、厚いフィルムを使用することも考えられるが、フィルムが厚くなればなるほど、フィルムの成形性は悪くなる。フィルムの成形性を向上させるため、フィルムをキャビティプレート面へ密着させるには、エア吸引孔が多ければ多いほど密着性がよいが、その分、エア吸収孔の加工が大変となる。樹脂成形品が大きければ、エア吸引孔も多く必要である。
エアでフィルムを予備成形する場合、図12に示すように、フィルム101をキャビティプレート102のコーナ部107面に密着させることは難しい。エアでキャビティプレート102にフィルム101を密着させる力よりも、フィルム101が反発する力の方が強いため、完全にフィルムを伸ばしきることができず、コーナ部107でのフィルム浮きが発生してしまう。また、エアの吸引方向におけるフィルム101の密着力はかなり大きいが、吸引方向と直角方向(側壁面)への密着力は弱くなってしまう。
フィルム101をエアで吸引する場合、フィルム101はキャビティプレート102の表面に密着しておく必要がある。少しでも浮きが発生していると、そこからエアが漏れて、フィルム101の成形ができなくなってしまう。
フィルム101をキャビティプレート102の表面に密着させるため、図13に示すように、金型にフィルム押え109を設けることは可能である。ただし、この場合、フィルムの樹脂成形部の外周を拘束するため、エア吸引と同時にフィルム101が樹脂成形品の方向へ移動しないため、フィルム破れの原因となる。
伸び特性が悪いフィルムは、フィルム成形時にフィルムを外周から移動させる必要がある。ただし、フィルムを樹脂成形品の外周から、樹脂成形品の中央方向へ移動させると、フィルムが中心方向へ集まってくるため、樹脂成形品の外周部分のフィルムにしわが発生する。
図14に前記方法で、エア吸引することでフィルムを予備成形し、その後、射出成形してフィルムを貼り合わせた場合の樹脂成形品の一部断面図を示す。樹脂111の表面にフィルム101が貼られているが、フィルムコーナ部110に破れが発生し、また、エア吸引していた部分には、107のような変形が発生する。
結局、従来のエアを吸引させる方法では、フィルムを変形させずに、所定の形状に予備成形させることは難しい。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、射出成形金型内で射出成形とフィルムの貼り合わせとを同時に行うときに、フィルムが破れることなく予備成形させることができ、また成形樹脂部品とフィルムとを密着させることにより、成形樹脂品にフィルムを破れることなく貼り合わせることができる射出成形方法および射出成形金型装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の射出成形方法は、成形品の表側となるキャビティ側金型と成形品の裏側となるコア側金型との間にフィルムを供給し、前記キャビティ側金型と前記コア側金型とのいずれか一方に設けた入れ子を、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との合わせ面となるパーティング面方向へ移動させ、さらに前記入れ子を加熱しながら前記フィルムを吸着し、かつ前記入れ子を移動させることにより前記フィルムを伸ばし、その後、前記入れ子を後退させることによって成形した前記フィルムが存在するキャビティを形成し、前記キャビティの前記フィルム表面に樹脂を射出することにより、フィルムが貼り合わされた成形品を成形することを特徴とする。
また、本発明の射出成形金型装置は、成形品の表側となるキャビティ側金型と、成形品の裏側となるコア側金型と、前記キャビティ側金型と前記コア側金型とのいずれか一方に設けられて、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との合わせ面となるパーティング面方向へ移動可能な入れ子と、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との間にフィルムを供給するフィルム供給部と、前記入れ子に設けられて前記フィルムを加熱する加熱部と、前記入れ子に設けられて前記フィルムを吸着する吸着部とを備え、前記フィルム供給部により前記キャビティ側金型と前記コア側金型間にフィルムを供給し、前記入れ子をパーティング面方向へ移動させ、さらに前記入れ子を加熱しながら前記フィルムを吸着し、かつ前記入れ子を移動させることにより前記フィルムを伸ばし、その後、前記入れ子を後退させることによって成形した前記フィルムが存在するキャビティを形成し、前記キャビティの前記フィルム表面に樹脂を射出することにより、フィルムが貼り合わされた成形品を成形することを特徴とする。
前記構成の本発明によれば、入れ子を、キャビティ側金型とコア側金型との合わせ面(パーティング面)よりも突出させてフィルムに接触させ、フィルムに接触させた後、フィルムを伸ばして予備成形させることができ、そのとき、入れ子をヒータなどで加熱することにより、フィルムを軟化させてフィルムを伸ばしやすい状態にすることができる。さらに、入れ子に対してエア吸引などにより、フィルムを密着させながら成形を行うことができる。
本発明によれば、入れ子を、キャビティ側金型とコア側金型の合わせ面(パーティング面)よりも突出させて、入れ子によりフィルムを予備成形させる。このことにより、入れ子の凸形状部分にてフィルムをあらかじめ伸ばすため、従来、射出成形時の樹脂圧のみでフィルムを伸ばす場合は破れていた場合でも、フィルムの破れが発生することなく、フィルムを予備成形させることができる。
さらに、入れ子をヒータなどで加熱し、フィルムを軟化させることによりフィルムが伸び易くなり、フィルムの破れを生じることなくフィルム予備成形を行うことができる。
また、入れ子において、フィルムをエア吸引などにて密着させることができるため、入れ子とフィルムとがずれることなく、確実に成形を行うことができる。
このように、フィルムを予備成形させ、その後、樹脂を流し込んで予備成形されたフィルムと共に射出成形を行うことにより、フィルムの破れがなく、フィルムと樹脂成形品とが密着したフィルム付き樹脂成形品を得ることができる。
本発明の実施形態におけるフィルム予備成形,射出成形前の金型の状態を示す断面図 本実施形態におけるキャビティ入れ子とフィルムが接触した金型の状態を示す断面図 本実施形態におけるフィルムを予備成形した金型の状態を示す断面図 本実施形態におけるフィルムを予備成形した状態をフィルム送り方向から見た断面図 本実施形態におけるフィルムと押えプレートとの配置を示した平面図 本実施形態における射出成形前の金型の状態を示す断面図 本実施形態における射出成形後の金型の状態を示す断面図 本実施形態におけるフィルムを切断した金型の状態を示す断面図 本実施形態における一連の工程が終わり、樹脂成形部品を取り出すときの金型の状態を示す断面図 従来の射出成形と同時にフィルムを貼り合わせる金型の断面図 従来のエア吸引にてフィルムを予備成形させる金型の断面図 従来のエア吸引にてフィルムを予備成形させた金型の状態を示す断面図 従来のフィルム押えにてフィルムを押えた金型の状態を示す断面図 従来のフィルムの破れが発生した成形樹脂部品の断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態において樹脂成形部品を製作する場合、射出成形と同時に射出成形品の表面にフィルムを貼り合わせる射出成形金型装置の断面図であり、フィルム成形,射出成形前の状態を示している。
図1において、201はフィルム、202は多孔質材からなるキャビティ入れ子、202aはキャビティ入れ子202に貫通して設けられたエア吸引孔、203はキャビティプレート、204はキャビティプレート203を支持するプレート、205は受けピン、206はキャビティ入れ子202に連結された移動ピン、207はキャビティ入れ子202に内設されたヒータ、208は、キャビティプレート203とプレート204とを貫通して、キャビティ入れ子202とキャビティプレート203間に連通するエア吸引用の通孔、209はコアプレート、210は押えプレート、211はコアプレート209を支持するプレート、212は受けピン205に弾接するピン213を付勢するスプリングである。
本実施形態において、金型は、主にキャビティプレート203とプレート204にて構成されて成形樹脂製品の表側(意匠面側)となるキャビティ側金型と、主にコアプレート209とプレート211にて構成されて樹脂製品の裏側となるコア金型の部分に分かれる。キャビティ側金型とコア側金型が開いた状態のとき、成形樹脂部品の表面に貼り付けるフィルム201を、キャビティ側金型とコア側金型の間に挿入する。
フィルム201を挿入する方法としては、図1に示すように、図示しない搬送手段によりフィルム201のロール材をフィルム送り方向から巻き取り方向へ、成形ショットごとに自動的に間欠で送る方法、あるいは、樹脂成形品に貼り合わせる大きさよりも大きい形状に切断されたフィルム201を手動にて金型に貼り付ける方法も可能である。
次の工程を図2に示す。移動ピン206を駆動させてキャビティ入れ子202を、キャビティプレート203とコアプレート209との合わせ面(パーティング面)214となる位置よりも、コア金型側へ突出させ、キャビティ入れ子202の表面をフィルム201に当接させる。
ヒータ207によりキャビティ入れ子202を加熱し、キャビティ入れ子202を昇温させることにより、フィルム201を加熱させる。なお、ヒータ207だけではなく、温水,高温流体,高温蒸気などを、キャビティ入れ子202に形成した孔を移動させて、キャビティ入れ子202を昇温させるようにしてもよい。
キャビティ入れ子202でフィルム201を加熱させることにより、フィルム201が軟化し、フィルム201が伸びやすく変形しやすい状態となる。このときのフィルム201の加熱温度としては、樹脂の軟化が始まるガラス転移点温度付近に設定するのが望ましく、フィルム201がABS系であれば100℃程度、アクリル系であれば120℃程度が適切である。
また、フィルム201の加熱時間としては、フィルム201の厚みにもよるが、数十秒から1分程度が適切である。フィルム201の厚みが薄ければ短い時間で可能であり、厚ければ、その分長く必要である。ただし、長い時間加熱すると成形サイクルが長くなるので注意が必要である。
さらに、このとき、キャビティ入れ子202のエア吸引孔202aから、通孔208を通してエアを吸引することにより、フィルム201をキャビティ入れ子202に密着させることができる。フィルム201がキャビティ入れ子202に密着することにより、キャビティ入れ子202の熱が確実にフィルム201へ伝わる。
この場合、キャビティ入れ子202のエア吸引孔202aを、フィルム厚みの半分以上の直径とすると、フィルム201がエア吸引孔202aにならって変形してしまうので、半分以下の直径とすることが望ましい。
ただし、鏡面状態のフィルムの場合、フィルム厚みの半分以下の直径であっても、フィルムに孔跡が残ってしまうので、直径0.1mm以下の孔径にする必要がある。ただし、直径0.1mmの孔加工は難しく、また数多くの孔を加工するのはコスト的、時間的に現実的ではない。
本実施形態では、限られた数箇所に形成したエア吸引孔202aによって、フィルム201とキャビティ入れ子202とが部分的に吸着している状態であるため密着力が弱い。そこで、キャビティ入れ子202にエア吸引孔202aを形成する以外に、金属材料に無数の微細孔が含まれている多孔質状の材料によりキャビティ入れ子202を形成することも考えられる。このようにすることにより、数十ミクロンの孔が金属内部に空いている状態になるため、エアを通すことができ、また孔径も小さいのでフィルムへの影響もほとんどない。状況によっては、入れ子全体に多孔質状の材料を使用するのではなく、必要な部分のみに多孔質状の材料を使用するようにしてもよい。
このように、多孔質状の材料をキャビティ入れ子202に使用してエアを吸引することにより、キャビティ入れ子202とフィルム201が点での密着ではなく面として密着するため、密着強度が強力になり、キャビティ入れ子202とフィルム201とのずれを防止することができる。
次に、図3に示すように、キャビティ側金型とコア側金型を、押えプレート210と受けピン205とでフィルム201を挟む状態まで閉じ、キャビティ入れ子202と押えプレート210と受けピン205によりフィルム201を成形する。このとき、キャビティ入れ子202によってフィルム201を突き上げ、キャビティ入れ子202の凸形状部にてフィルム201を成形するため、従来難しかったフィルムコーナ部分においても、フィルムを伸ばすことができる。
図12に示すような、従来のフィルム予備成形方法(吸引して金型面にフィルムを密着させる)であると、コーナ部107においてフィルム101が金型に密着されず、金型とフィルム101に空間が発生してしまう。そのためフィルム101にしわが発生し、またフィルム101と金型がずれることにより、フィルム101に損傷を与える原因となる。
一方、本実施形態であれば、キャビティ入れ子202にてフィルム201を成形するため、コーナ部215となる場所などにおいて、フィルム201を確実に伸ばすことができる。さらに、キャビティ入れ子202は加熱され、フィルム201がガラス転移点温度になっており、軟化して伸ばされやすい状態となっているので、フィルム201は破れることなく成形される。また、フィルム201はエア吸着にてキャビティ入れ子202に面接触で密着しているので、成形中に位置ずれが発生することがなく、フィルム201のしわ,傷の発生を防止することができる。
このとき、押えプレート210はフィルム201に対して0.05〜0.5mmの隙間が設定されている。もし、押えプレート210でフィルム201を押えてしまい、フィルム成形時、フィルム201が中央部に寄せられることを抑制してしまうと、フィルム201の破れの原因となってしまう。
また、押えプレート210とフィルム201に大きな隙間を空けてしまうと、フィルム201が中央部に寄せられるときに、しわとなって破れの原因や外観不良になってしまう。押えプレート210とフィルム201間の隙間を適切に設定する方法としては、図4に示すように、押えプレート210に突起216を設けることが考えられる。
図4は金型をフィルムの送り方向から見た断面図、図5は押えプレート210とフィルム201の関係を示す平面図である。
図4,図5において、押えプレート210を全体として四角のリング状とし、樹脂成形部品の外周をフィルム201と隙間を設ける状態で拘束し、また、その隙間を確保するための突起部216を押えプレート210におけるフィルム201の幅の外側に設置する。その突起部216を受けピン205に当接させることにより、押えプレート210とフィルム201の隙間を確保することができるようにしている。
図3〜図5に示すような動作をさせることにより、フィルム201を破れることなく伸ばし、しわが発生しない状態でフィルム成形することができる。
その後、図6に示すように、キャビティプレート203とコアプレート209とが接触する状態まで金型を閉じ、その動作と同時に移動ピン206を移動させてキャビティ入れ子202を、キャビティプレート203とコアプレート209のパーティング面214より後退させる。このとき、通孔208よりエアを吸引させているので、キャビティ入れ子202に形成されたエア吸引孔202aからの吸引作用により、フィルム201がキャビティ入れ子202に密着されており、キャビティ入れ子202の後退の動作と共に、フィルム201は成形される樹脂に貼り合わされる正規の状態に成形される。
このようにキャビティ入れ子202と密着された状態でフィルム201が成形されるので、フィルム201がずれることなく成形され、しわや傷の発生も防止することができる。
また、図3に示す工程にて、フィルムコーナ部がキャビティ入れ子202の凸形状部分にて既に伸ばされているので、図6の工程でのフィルムコーナ部215の部分が、隙間なく金型表面に密着される。このとき、キャビティ入れ子202のエア吸引孔202aを通してエアを吸引させるが、前述したように、キャビティ入れ子202を多孔質状の材料で形成するようにしてもよい。この工程が終わった時点で、樹脂成形部品に貼り合わせる形状にフィルム201が成形される。
次に、図7に示すように、キャビティ入れ子202に貼り合わされたフィルム201と、コアプレート209との隙間に樹脂217を流し込んで射出成形を行い、樹脂部品を成形する。射出成形前の段階で、フィルム201はキャビティ入れ子202に密着されているため、射出成形の樹脂圧力でフィルム201の破れが発生することはない。射出成形が行われると同時に樹脂217とフィルム201が熱溶着し、フィルム201が樹脂217に貼り合わされる。
その次の工程を図8に示す。射出成形が終わり、射出成形樹脂部品が冷却固化された後、受けピン205が移動する。受けピン205と押えプレート210は接触しているので、受けピン205が移動すると同時に、スプリング212により押えプレート210はキャビティ側金型方向へ突出してくる。そのとき、キャビティプレート203のエッジ部分と、押えプレート210のエッジ部分が嵌合し、押えプレート210の外形に設けた切断部でフィルム201の切断が行われる。
その後、図9に示すように、キャビティ側金型とコア側金型を開くと、既にフィルム201が切断されているので、フィルム201が貼り付けられた樹脂成形部品218が取り出される。押えプレート210にてフィルム201の切断が行われ、その大きさはフィルム201の材料幅よりも小さいので、フィルム201のロール材としては、幅方向の両端面がつながって、樹脂製品部分が抜けた状態となる。
そのため、フィルム201のロール材を、樹脂の射出成形が終了した時点で、1工程分フィルムを巻き取り、新しいフィルムをキャビティ側金型とコア側金型の間に送り込むことができるため、連続してこれらの一連の動作を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、キャビティ側金型にキャビティ入れ子202を設け、キャビティ入れ子202を可動させるようにしたが、製品形状によっては、コア側金型にコア入れ子を設け、コア側金型を可動させることも可能である。
本発明を用いれば、複雑な形状をした成形樹脂部品であっても、加飾フィルムが破れることなく成形樹脂部品に貼り合わせることができる。従来では別工程にてフィルムを予備成形し、その後、射出成形にてフィルムを貼り合わせていたが、本発明では射出成形と同じ工程でフィルムを予備成形して、その後、射出成形を行うので、工程の短縮が可能である。その結果、加飾フィルムが貼り合わされ、複雑な形状をした成形樹脂部品を安価に提供することができるため、多種多様な射出成形に適用できる。
201 フィルム
202 キャビティ入れ子
202a エア吸引孔
203 キャビティプレート
204 プレート
205 受けピン
206 移動ピン
207 ヒータ
208 通孔
209 コアプレート
210 押えプレート
211 プレート
212 スプリング
213 ピン
214 パーティング面
215 フィルムコーナ部
216 突起部
217 樹脂
218 樹脂部品

Claims (14)

  1. 成形品の表側となるキャビティ側金型と成形品の裏側となるコア側金型との間にフィルムを供給し、前記キャビティ側金型と前記コア側金型とのいずれか一方に設けた入れ子を、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との合わせ面となるパーティング面方向へ移動させ、さらに前記入れ子を加熱しながら前記フィルムを吸着し、かつ前記入れ子を移動させることにより前記フィルムを伸ばし、その後、前記入れ子を後退させることによって成形した前記フィルムが存在するキャビティを形成し、前記キャビティの前記フィルム表面に樹脂を射出することにより、フィルムが貼り合わされた成形品を成形することを特徴とする射出成形方法。
  2. 射出成形を行う前に、前記フィルムを予備成形させ、前記フィルムをあらかじめ伸ばした後に射出成形を行うことを特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  3. 前記キャビティ側金型に設けられた前記入れ子を、前記パーティング面から前記コア側金型方向へ突出させることにより、前記フィルムを予備成形することを特徴とする請求項1または2記載の射出成形方法。
  4. 前記コア側金型に設けられた前記入れ子を、前記パーティング面から前記キャビティ側金型方向へ突出させることにより、前記フィルムを予備成形することを特徴とする請求項1または2記載の射出成形方法。
  5. 前記入れ子を加熱し、前記入れ子と前記フィルムを接触させて前記フィルムを軟化させて、前記フィルムの予備成形を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の射出成形方法。
  6. エア吸引により前記入れ子に前記フィルムを吸着させることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の射出成形方法。
  7. 射出成形を行う前に、前記キャビティ側金型から前記フィルムへ圧力を加え、前記フィルムを前記コア側金型へ密着させることにより、前記フィルムを予備成形することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の射出成形方法。
  8. 成形品の表側となるキャビティ側金型と、成形品の裏側となるコア側金型と、前記キャビティ側金型と前記コア側金型とのいずれか一方に設けられて、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との合わせ面となるパーティング面方向へ移動可能な入れ子と、前記キャビティ側金型と前記コア側金型との間にフィルムを供給するフィルム供給部と、前記入れ子に設けられて前記フィルムを加熱する加熱部と、前記入れ子に設けられて前記フィルムを吸着する吸着部とを備え、
    前記フィルム供給部により前記キャビティ側金型と前記コア側金型間にフィルムを供給し、前記入れ子をパーティング面方向へ移動させ、さらに前記入れ子を加熱しながら前記フィルムを吸着し、かつ前記入れ子を移動させることにより前記フィルムを伸ばし、その後、前記入れ子を後退させることによって成形した前記フィルムが存在するキャビティを形成し、前記キャビティの前記フィルム表面に樹脂を射出することにより、フィルムが貼り合わされた成形品を成形することを特徴とする射出成形金型装置。
  9. 前記キャビティ側金型に設けられた前記入れ子を、前記フィルムを予備成形するため前記キャビティ側金型に対してパーティング面から前記コア側金型方向へ突出可動に設けたことを特徴とする請求項8記載の射出成形金型装置。
  10. 前記コア側金型に設けられた前記入れ子を、前記フィルムを予備成形するため前記コア側金型に対してパーティング面から前記キャビティ側金型方向へ突出可動に設けたことを特徴とする請求項8記載の射出成形金型装置。
  11. 前記入れ子にエア吸引孔を設け、前記エア吸引孔の吸引により前記入れ子と前記フィルムを密着させながら前記フィルムを成形することを特徴とする請求項8〜10いずれか1項記載の射出成形金型装置。
  12. 前記入れ子の少なくとも一部を多孔質材にて形成し、多孔質部にてエア吸引を行わせて前記入れ子と前記フィルムを密着させながら前記フィルムを成形することを特徴とする請求項8〜10いずれか1項記載の射出成形金型装置。
  13. 前記フィルムを予備成形する場合、樹脂成形品と貼り合わせる部分の前記フィルムの外周を、前記フィルムと若干の隙間を確保しながらを押える機構を備えたことを特徴とする請求項8〜10記載の射出成形金型装置。
  14. 前記フィルムを押える機構に、射出成形されて前記フィルムを貼り合わせ後に、前記フィルムの外周を切断する切断部を設けたことを特徴とする請求項13記載の射出成形金型装置。
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