JP2001001363A - 射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機 - Google Patents
射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機Info
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 絞りが深い成形品に対しても装飾シートの転
写が可能とする。 【解決手段】 装飾シートＳを加熱して軟化させ、密閉
された空間を減圧することにより装飾シートＳを雌型キ
ャビティ面２４の表面形状に沿うようにして密着せしめ
て予備成形した後、両型２０，３０を閉じてから、雌雄
両型間に形成されるキャビティ空間に流動状態の樹脂を
射出して充填し、該樹脂を固化せしめると同時に装飾シ
ートＳを成形品表面に接着積層する射出成形同時加飾方
法において、シートクランプ５０で装飾シートＳを固定
することによりできた雌型キャビティ面２４と装飾シー
トＳとの間の密閉空間Ｖの気体温度を、外気温度より高
く且つ装飾シートＳの軟化温度より低い範囲の温度にす
る。装飾シートＳが全体的に伸びてその成形性が向上
し、従来よりも絞りが深い成形品に対する射出成形同時
加飾が可能となり、成形不十分により生じる不良を低減
できる。
写が可能とする。 【解決手段】 装飾シートＳを加熱して軟化させ、密閉
された空間を減圧することにより装飾シートＳを雌型キ
ャビティ面２４の表面形状に沿うようにして密着せしめ
て予備成形した後、両型２０，３０を閉じてから、雌雄
両型間に形成されるキャビティ空間に流動状態の樹脂を
射出して充填し、該樹脂を固化せしめると同時に装飾シ
ートＳを成形品表面に接着積層する射出成形同時加飾方
法において、シートクランプ５０で装飾シートＳを固定
することによりできた雌型キャビティ面２４と装飾シー
トＳとの間の密閉空間Ｖの気体温度を、外気温度より高
く且つ装飾シートＳの軟化温度より低い範囲の温度にす
る。装飾シートＳが全体的に伸びてその成形性が向上
し、従来よりも絞りが深い成形品に対する射出成形同時
加飾が可能となり、成形不十分により生じる不良を低減
できる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形品の成形
と同一工程でその樹脂成形品の表面に装飾シートを接着
積層して絵柄を形成する射出成形同時加飾方法及びそれ
に使用する射出成形機に関する。
と同一工程でその樹脂成形品の表面に装飾シートを接着
積層して絵柄を形成する射出成形同時加飾方法及びそれ
に使用する射出成形機に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、樹脂成形品の表面に絵柄を設
ける方法として、射出成形の雌雄両型間に装飾シートを
挿入し、両型を係合、型締した後、熔融樹脂をキャビテ
ィ内に射出充填し、樹脂成形品の表面に装飾シートを貼
り合わせる方法が一般的に行われている。具体的には、
雌型キャビティ面に吸気孔を設けておき、その雌型キャ
ビティ面の周縁のパーティング面にクランプで装飾シー
トを固定して当該装飾シートと雌型キャビティ面とで密
閉空間を形成し、該密閉空間を真空ポンプに接続した吸
気孔から排気して減圧することにより装飾シートを雌型
キャビティ面の表面形状に沿うようにして密着せしめて
予備成形した後、両型を閉じてから、雌雄両型間に形成
される密閉空間（キャビティ空間）に流動状態の樹脂を
射出して充填し、該樹脂を固化せしめると同時に装飾シ
ートを成形品表面に接着積層するものである（特公昭５
０−１９１３２号公報、特開平６−３１５９５０号公報
等に開示）。
ける方法として、射出成形の雌雄両型間に装飾シートを
挿入し、両型を係合、型締した後、熔融樹脂をキャビテ
ィ内に射出充填し、樹脂成形品の表面に装飾シートを貼
り合わせる方法が一般的に行われている。具体的には、
雌型キャビティ面に吸気孔を設けておき、その雌型キャ
ビティ面の周縁のパーティング面にクランプで装飾シー
トを固定して当該装飾シートと雌型キャビティ面とで密
閉空間を形成し、該密閉空間を真空ポンプに接続した吸
気孔から排気して減圧することにより装飾シートを雌型
キャビティ面の表面形状に沿うようにして密着せしめて
予備成形した後、両型を閉じてから、雌雄両型間に形成
される密閉空間（キャビティ空間）に流動状態の樹脂を
射出して充填し、該樹脂を固化せしめると同時に装飾シ
ートを成形品表面に接着積層するものである（特公昭５
０−１９１３２号公報、特開平６−３１５９５０号公報
等に開示）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の射出成形同時加飾方法においては、装飾シート
に対して均一に熱を与えるのが難しいため、最高温部に
おいて過熱によって局所的な柄伸びが生じない程度の熱
量しか装飾シートに与えられないという事情があった。
したがって、型の絞りが深い場合、成形品の表面形状に
よっては、装飾シートの成形中にキャビティ中央部にお
いてシート温度が低下し、型表面の形状に追従できない
ことがあり、絞りが深い成形品に対する装飾シートの転
写、或いはラミネートによる加飾ができないという問題
点があった。
た従来の射出成形同時加飾方法においては、装飾シート
に対して均一に熱を与えるのが難しいため、最高温部に
おいて過熱によって局所的な柄伸びが生じない程度の熱
量しか装飾シートに与えられないという事情があった。
したがって、型の絞りが深い場合、成形品の表面形状に
よっては、装飾シートの成形中にキャビティ中央部にお
いてシート温度が低下し、型表面の形状に追従できない
ことがあり、絞りが深い成形品に対する装飾シートの転
写、或いはラミネートによる加飾ができないという問題
点があった。
【０００４】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、絞りが深
い成形品に対しても装飾シートによる加飾が可能とした
射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機を
提供することにある。
されたものであり、その目的とするところは、絞りが深
い成形品に対しても装飾シートによる加飾が可能とした
射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機を
提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、開かれた雌雄一対の型の間に装飾シート
を挿入し、その装飾シートを雌型キャビティ面の周縁の
パーティング面にシートクランプで雌型キャビティ面と
装飾シートとの間を密閉するように固定した状態とし、
装飾シートを加熱して軟化させ、前記密閉された空間を
減圧することにより装飾シートを雌型キャビティ面の表
面形状に沿うようにして密着せしめて予備成形した後、
両型を閉じてから、雌雄両型間に形成されるキャビティ
空間に流動状態の樹脂を射出して充填し、該樹脂を固化
せしめると同時に装飾シートを成形品表面に接着積層す
る射出成形同時加飾方法において、シートクランプで装
飾シートを固定することによりできた雌型キャビティ面
と装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を、外気温度
より高く且つ装飾シートの軟化温度より低い範囲の温度
にすることを特徴としている。
め、本発明は、開かれた雌雄一対の型の間に装飾シート
を挿入し、その装飾シートを雌型キャビティ面の周縁の
パーティング面にシートクランプで雌型キャビティ面と
装飾シートとの間を密閉するように固定した状態とし、
装飾シートを加熱して軟化させ、前記密閉された空間を
減圧することにより装飾シートを雌型キャビティ面の表
面形状に沿うようにして密着せしめて予備成形した後、
両型を閉じてから、雌雄両型間に形成されるキャビティ
空間に流動状態の樹脂を射出して充填し、該樹脂を固化
せしめると同時に装飾シートを成形品表面に接着積層す
る射出成形同時加飾方法において、シートクランプで装
飾シートを固定することによりできた雌型キャビティ面
と装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を、外気温度
より高く且つ装飾シートの軟化温度より低い範囲の温度
にすることを特徴としている。
【０００６】そして、この射出成形同時加飾方法を実施
するに際しては、シートクランプで装飾シートを固定す
ることによりできた雌型キャビティ面と装飾シートとの
間の密閉空間の気体温度を上げるための加熱機構を設け
た射出成形機が使用される。
するに際しては、シートクランプで装飾シートを固定す
ることによりできた雌型キャビティ面と装飾シートとの
間の密閉空間の気体温度を上げるための加熱機構を設け
た射出成形機が使用される。
【０００７】この射出成形機は、加熱機構が、所定温度
の気体を出す加熱空気供給源と、前記気体を雌型キャビ
ティ面と装飾シートとの間の密閉空間に送るための通路
と、当該通路を加熱空気供給源と真空ポンプとの間で切
り換えるための切換弁と、前記密閉空間内の気圧を外気
圧と同一にするための通気孔と、当該通気孔を開閉する
ためのリーク弁とで構成される。
の気体を出す加熱空気供給源と、前記気体を雌型キャビ
ティ面と装飾シートとの間の密閉空間に送るための通路
と、当該通路を加熱空気供給源と真空ポンプとの間で切
り換えるための切換弁と、前記密閉空間内の気圧を外気
圧と同一にするための通気孔と、当該通気孔を開閉する
ためのリーク弁とで構成される。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１に本発明で使用する射出成形
機の一例を図示している。この射出成形機１０では、雌
型２０は、真空吸引成形に適用可能なように真空吸引孔
２１或いは真空吸引溝などが設けられた構造を有するも
のであり、雄型３０と合体させて射出成形により成形さ
れる成形品の形状の一部が雌型キャビティ面２４として
賦形されている。雄型３０は固定盤３１に固定されると
共にタイバー４０（計４本ある）にも固定されている。
一方、雌型２０は可動盤２２に固定され、可動盤２２は
タイバー４０に摺動可能に貫通されている。そして、雌
型２０の真空吸引孔２１は通路７０を介して切換弁７１
に繋がっており、この切換弁７１は通路７０を加熱空気
供給源Ｈと真空ポンプＰとの間で切り換えるようになっ
ている。また、雌型２０には通気孔７２が形成されてお
り、この通気孔７２にはこれを開閉するためのリーク弁
７３が設けられている。
機の一例を図示している。この射出成形機１０では、雌
型２０は、真空吸引成形に適用可能なように真空吸引孔
２１或いは真空吸引溝などが設けられた構造を有するも
のであり、雄型３０と合体させて射出成形により成形さ
れる成形品の形状の一部が雌型キャビティ面２４として
賦形されている。雄型３０は固定盤３１に固定されると
共にタイバー４０（計４本ある）にも固定されている。
一方、雌型２０は可動盤２２に固定され、可動盤２２は
タイバー４０に摺動可能に貫通されている。そして、雌
型２０の真空吸引孔２１は通路７０を介して切換弁７１
に繋がっており、この切換弁７１は通路７０を加熱空気
供給源Ｈと真空ポンプＰとの間で切り換えるようになっ
ている。また、雌型２０には通気孔７２が形成されてお
り、この通気孔７２にはこれを開閉するためのリーク弁
７３が設けられている。
【０００９】樹脂の射出に先立って装飾シートの予備成
形を行う。この予備成形を行うに際しては、まず、雌雄
両型間に挿入した装飾シートＳを受付チャック２３で挟
んで保持し、装飾シートＳを雌型２０のパーティング面
にシートクランプ５０にてキャビティ面２４の全周縁部
を押圧固定して、雌型キャビティ面２４と装飾シートＳ
とで密閉空間Ｖを形成せしめる。この状態が図１であ
る。
形を行う。この予備成形を行うに際しては、まず、雌雄
両型間に挿入した装飾シートＳを受付チャック２３で挟
んで保持し、装飾シートＳを雌型２０のパーティング面
にシートクランプ５０にてキャビティ面２４の全周縁部
を押圧固定して、雌型キャビティ面２４と装飾シートＳ
とで密閉空間Ｖを形成せしめる。この状態が図１であ
る。
【００１０】このように装飾シートＳにより密閉空間Ｖ
を形成した後、リーク弁７３を開くとともに、切換弁７
１により通路７０を加熱空気供給源Ｈに接続し、密閉空
間Ｖ内に加熱空気を供給する。そして、密閉空間Ｖの中
が所定温度の空気と入れ代わり、外気温度（室温）より
高く、且つ装飾シートのＶｉｃａｔ軟化温度（ＪＩＳＫ
７２０６）よりも低い温度とした後、両型間に挿入し
た熱盤６０で装飾シートＳを加熱軟化せしめてから、リ
ーク弁７３を閉じるとともに、切換弁７１により通路７
０を真空ポンプＰに接続し、雌型２０の真空吸引孔２１
を通して密閉空間Ｖ内の空気を吸引することで、図２か
ら図３に示すように装飾シートＳを雌型キャビティ面２
４に吸引密着させる。その際、密閉空間Ｖ内の気圧を一
気に大気圧から真空状態まで単調減少させてもよいが、
段階的に減少させるのが好ましい。また、熱盤は流体圧
シリンダー等の駆動機構により、雌雄両型間の空間と両
型外の空間との間を進退自在とされている。
を形成した後、リーク弁７３を開くとともに、切換弁７
１により通路７０を加熱空気供給源Ｈに接続し、密閉空
間Ｖ内に加熱空気を供給する。そして、密閉空間Ｖの中
が所定温度の空気と入れ代わり、外気温度（室温）より
高く、且つ装飾シートのＶｉｃａｔ軟化温度（ＪＩＳＫ
７２０６）よりも低い温度とした後、両型間に挿入し
た熱盤６０で装飾シートＳを加熱軟化せしめてから、リ
ーク弁７３を閉じるとともに、切換弁７１により通路７
０を真空ポンプＰに接続し、雌型２０の真空吸引孔２１
を通して密閉空間Ｖ内の空気を吸引することで、図２か
ら図３に示すように装飾シートＳを雌型キャビティ面２
４に吸引密着させる。その際、密閉空間Ｖ内の気圧を一
気に大気圧から真空状態まで単調減少させてもよいが、
段階的に減少させるのが好ましい。また、熱盤は流体圧
シリンダー等の駆動機構により、雌雄両型間の空間と両
型外の空間との間を進退自在とされている。
【００１１】このように装飾シートＳの予備成形を終え
てから、装飾シートＳの上端側を搬送用シートチャック
８０で挟持してシートカッター８１で装飾シートＳを幅
方向に切断する。シートカッター８１としては、刃物、
加熱線絛等が用いられる。図示の例ではシートカッター
８１は熱盤６０に設置してあり、熱盤６０を装飾シート
Ｓに接近させるのと連動して装飾シートＳを切断してい
るが、この他、シートカッターをシートクランプ５０に
設置してシートの押圧固定と連動させて装飾シートを切
断することもできる。しかる後、装飾シートＳを冷却せ
しめる。或いは、装飾シートＳの冷却を待たずに後述す
る樹脂の射出を行ってもよい。装飾シートＳを加熱軟化
せしめる熱盤６０としては、装飾シートＳと密着して接
触し、熱伝導にて加熱する接触加熱式のもの、或いは装
飾シートＳから離れた位置からの輻射熱、又は誘電加熱
にて加熱する非接触式（図１に示す熱盤６０はこの方
式）のもののいずれでもよい。
てから、装飾シートＳの上端側を搬送用シートチャック
８０で挟持してシートカッター８１で装飾シートＳを幅
方向に切断する。シートカッター８１としては、刃物、
加熱線絛等が用いられる。図示の例ではシートカッター
８１は熱盤６０に設置してあり、熱盤６０を装飾シート
Ｓに接近させるのと連動して装飾シートＳを切断してい
るが、この他、シートカッターをシートクランプ５０に
設置してシートの押圧固定と連動させて装飾シートを切
断することもできる。しかる後、装飾シートＳを冷却せ
しめる。或いは、装飾シートＳの冷却を待たずに後述す
る樹脂の射出を行ってもよい。装飾シートＳを加熱軟化
せしめる熱盤６０としては、装飾シートＳと密着して接
触し、熱伝導にて加熱する接触加熱式のもの、或いは装
飾シートＳから離れた位置からの輻射熱、又は誘電加熱
にて加熱する非接触式（図１に示す熱盤６０はこの方
式）のもののいずれでもよい。
【００１２】図３に示す如く装飾シートＳの予備成形を
終えた後、図４に示すように熱盤６０を雌雄両型間の外
部の待機位置（図示略）まで退避せしめ、流体圧シリン
ダー９０によりピストン９１を作動させることで、装飾
シートＳが密着したままの雌型２０をタイバー４０に摺
動させつつ雄型３０に合体させて型締めさせてから、両
型２０，３０によって形成されるキャビティＣ内に、流
動状態の成形品形成用樹脂Ｍを雄型のゲート３２を通し
て充填させて射出成形を行う。そして、射出した樹脂Ｍ
を固体化し、装飾シートＳと樹脂成形品とを接着し積層
せしめた後、図５に示すように雌雄両型２０，３０を開
き、装飾シートＳにより表面化粧の施された樹脂成形品
Ｎを型外に取り出す。なお、雌型２０と雄型３０は鉄等
の金属又はセラミックスにて形成される。
終えた後、図４に示すように熱盤６０を雌雄両型間の外
部の待機位置（図示略）まで退避せしめ、流体圧シリン
ダー９０によりピストン９１を作動させることで、装飾
シートＳが密着したままの雌型２０をタイバー４０に摺
動させつつ雄型３０に合体させて型締めさせてから、両
型２０，３０によって形成されるキャビティＣ内に、流
動状態の成形品形成用樹脂Ｍを雄型のゲート３２を通し
て充填させて射出成形を行う。そして、射出した樹脂Ｍ
を固体化し、装飾シートＳと樹脂成形品とを接着し積層
せしめた後、図５に示すように雌雄両型２０，３０を開
き、装飾シートＳにより表面化粧の施された樹脂成形品
Ｎを型外に取り出す。なお、雌型２０と雄型３０は鉄等
の金属又はセラミックスにて形成される。
【００１３】装飾シートとしては、基材シートを最低限
の要素とし、必要に応じて着色剤練込み、絵柄印刷、金
属薄膜形成等によって装飾処理を施したものを使用す
る。基材シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹
脂、ポリメチル（メタ）アクリレート、メチル（メタ）
アクリレート−ブチル（メタ）アクリレート共重合体等
のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ＡＢＳ
樹脂等の熱可塑性樹脂のシートからなり、厚さは通常２
０〜３００μｍ程度である。
の要素とし、必要に応じて着色剤練込み、絵柄印刷、金
属薄膜形成等によって装飾処理を施したものを使用す
る。基材シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹
脂、ポリメチル（メタ）アクリレート、メチル（メタ）
アクリレート−ブチル（メタ）アクリレート共重合体等
のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ＡＢＳ
樹脂等の熱可塑性樹脂のシートからなり、厚さは通常２
０〜３００μｍ程度である。
【００１４】基材シート或いは装飾処理自体に射出成形
品と十分な接着が得られない場合は、成形品側に接着剤
層を形成する。接着剤は、装飾シートと成形品の材料の
組合せに応じて選ぶ。例えば、ポリオレフィン樹脂の基
材シートとポリオレフィン樹脂成形品との組合せの場合
は、塩素化ポリオレフィン樹脂（塩素化ポリプロピレン
等）、アクリル樹脂の基材シートとポリオレフィン樹脂
成形品との組合せの場合は、基材シート上に２液硬化型
ウレタン樹脂層とその上に塩素化ポリオレフィン樹脂層
をこの順に形成する。
品と十分な接着が得られない場合は、成形品側に接着剤
層を形成する。接着剤は、装飾シートと成形品の材料の
組合せに応じて選ぶ。例えば、ポリオレフィン樹脂の基
材シートとポリオレフィン樹脂成形品との組合せの場合
は、塩素化ポリオレフィン樹脂（塩素化ポリプロピレン
等）、アクリル樹脂の基材シートとポリオレフィン樹脂
成形品との組合せの場合は、基材シート上に２液硬化型
ウレタン樹脂層とその上に塩素化ポリオレフィン樹脂層
をこの順に形成する。
【００１５】装飾シートとしては、ラミネートシート及
び転写シートの両タイプのものがいずれも使用できる。
ラミネートシートタイプの場合は、基材シートと装飾処
理を構成する絵柄印刷又は金属薄膜の層との接着力、或
いは基材シートと接着剤層との接着力を成形品の使用条
件下で剥離しない程度に強力なものとし、成形品製造用
樹脂と装飾シートとは一体化したまま使用される。一
方、転写シートタイプの場合は、基材シートと絵柄印刷
又は金属薄膜の層との接着力を容易に剥離可能な程度と
しておき、一旦装飾シートと成形品製造用樹脂とを接着
一体化した後、基材シートのみを剥離、除去して絵柄印
刷又は金属薄膜を成形品側に接着したまま残す。
び転写シートの両タイプのものがいずれも使用できる。
ラミネートシートタイプの場合は、基材シートと装飾処
理を構成する絵柄印刷又は金属薄膜の層との接着力、或
いは基材シートと接着剤層との接着力を成形品の使用条
件下で剥離しない程度に強力なものとし、成形品製造用
樹脂と装飾シートとは一体化したまま使用される。一
方、転写シートタイプの場合は、基材シートと絵柄印刷
又は金属薄膜の層との接着力を容易に剥離可能な程度と
しておき、一旦装飾シートと成形品製造用樹脂とを接着
一体化した後、基材シートのみを剥離、除去して絵柄印
刷又は金属薄膜を成形品側に接着したまま残す。
【００１６】雄型側のゲートから射出する流動状態の樹
脂は射出成形用の樹脂であり、実際には製品の要求物
性、コスト等により選択される。具体的には、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体（ＡＢＳ）、ポ
リスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、アクリル
樹脂等の樹脂を使用し、これを加熱熔融して射出し、冷
却して固体化させる場合と、ポリオールとイソシアネー
ト架橋剤とからなるポリウレタン樹脂、アミンを硬化剤
とするエポキシ樹脂、イソシアネート、有機スルホン酸
塩、過酸化ベンゾイル等を硬化剤とする不飽和ポリエス
テル等の２液反応硬化型樹脂の未硬化の液状組成分を射
出し、化学反応で固体化させる場合とがある。
脂は射出成形用の樹脂であり、実際には製品の要求物
性、コスト等により選択される。具体的には、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体（ＡＢＳ）、ポ
リスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、アクリル
樹脂等の樹脂を使用し、これを加熱熔融して射出し、冷
却して固体化させる場合と、ポリオールとイソシアネー
ト架橋剤とからなるポリウレタン樹脂、アミンを硬化剤
とするエポキシ樹脂、イソシアネート、有機スルホン酸
塩、過酸化ベンゾイル等を硬化剤とする不飽和ポリエス
テル等の２液反応硬化型樹脂の未硬化の液状組成分を射
出し、化学反応で固体化させる場合とがある。
【００１７】
【実施例】（実施例）ビカット軟化温度が１１０℃のア
クリル樹脂（ポリメチルメタクリレート系）シート（１
２５μｍ厚）の片面に木目柄の絵柄層とその上に接着剤
層を形成したものを装飾シートとして準備した。絵柄層
は、アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の１
対１重量比混合物をバインダーとし、これに弁柄、カー
ボンブラック、チタン白及びイソインドリノンを主体と
する顔料を混合してなるインキを使用して形成した。接
着剤層は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体からなる接着
剤を厚さ４μｍで塗工した。
クリル樹脂（ポリメチルメタクリレート系）シート（１
２５μｍ厚）の片面に木目柄の絵柄層とその上に接着剤
層を形成したものを装飾シートとして準備した。絵柄層
は、アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の１
対１重量比混合物をバインダーとし、これに弁柄、カー
ボンブラック、チタン白及びイソインドリノンを主体と
する顔料を混合してなるインキを使用して形成した。接
着剤層は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体からなる接着
剤を厚さ４μｍで塗工した。
【００１８】上記のように用意したラミネートシートタ
イプの装飾シートを用いて、図１に示す射出成形機によ
り成形同時加飾を行った。まず装飾シートＳを雌型２０
のパーティング面上にシートクランプ５０で押圧固定
し、装飾シートＳと雌型キャビティ面２４とで包囲され
る密閉空間Ｖを形成した。次いで、リーク弁７３を開放
した状態で、切換弁７１で通路７０を加熱空気供給源Ｈ
に接続して密閉空間Ｖ内に加熱空気を供給し、密閉空間
Ｖを１００℃の状態に保ってから、両型外より油圧シリ
ンダーの駆動により挿入した表面温度が３５０℃の赤外
線輻射型の熱盤６０を装飾シートＳから４０ｍｍの距離
に接近させて加熱を行った。そして、装飾シートＳの加
熱軟化が完了した時点で、密閉空間Ｖを外部と遮断すべ
くリーク弁７３を閉じた状態にし、切換弁７１で通路７
０を加熱空気供給源Ｈから真空ポンプＰに切り換え、真
空ポンプＰによる吸引を行って密閉空間Ｖ内の気圧を下
げ、図２から図３に示す如く、装飾シートＳを完全に雌
型キャビティ面２４に密着せしめ、予備成形を完了し
た。
イプの装飾シートを用いて、図１に示す射出成形機によ
り成形同時加飾を行った。まず装飾シートＳを雌型２０
のパーティング面上にシートクランプ５０で押圧固定
し、装飾シートＳと雌型キャビティ面２４とで包囲され
る密閉空間Ｖを形成した。次いで、リーク弁７３を開放
した状態で、切換弁７１で通路７０を加熱空気供給源Ｈ
に接続して密閉空間Ｖ内に加熱空気を供給し、密閉空間
Ｖを１００℃の状態に保ってから、両型外より油圧シリ
ンダーの駆動により挿入した表面温度が３５０℃の赤外
線輻射型の熱盤６０を装飾シートＳから４０ｍｍの距離
に接近させて加熱を行った。そして、装飾シートＳの加
熱軟化が完了した時点で、密閉空間Ｖを外部と遮断すべ
くリーク弁７３を閉じた状態にし、切換弁７１で通路７
０を加熱空気供給源Ｈから真空ポンプＰに切り換え、真
空ポンプＰによる吸引を行って密閉空間Ｖ内の気圧を下
げ、図２から図３に示す如く、装飾シートＳを完全に雌
型キャビティ面２４に密着せしめ、予備成形を完了し
た。
【００１９】次いで、熱盤６０を雌雄両型外の待機位置
（図示せず）まで退避させ、また切換弁７１で真空ポン
プ７０を遮断してから、図４の如く雌雄両型を閉じて型
締めし、両型間のキャビティ空間Ｃに雄型のゲート３２
から熔融した２２０℃のＡＢＳ樹脂を射出充填し、冷却
固化せしめた。この時の両型の温度は６０℃とした。続
いて、図５に示した如く両型を開いて表面に装飾シート
Ｓが積層一体化した成形品Ｎを取り出した。
（図示せず）まで退避させ、また切換弁７１で真空ポン
プ７０を遮断してから、図４の如く雌雄両型を閉じて型
締めし、両型間のキャビティ空間Ｃに雄型のゲート３２
から熔融した２２０℃のＡＢＳ樹脂を射出充填し、冷却
固化せしめた。この時の両型の温度は６０℃とした。続
いて、図５に示した如く両型を開いて表面に装飾シート
Ｓが積層一体化した成形品Ｎを取り出した。
【００２０】（比較例）密閉空間に加熱空気を供給しな
いで装飾シートの熱盤６０による加熱を行った以外は実
施例と同様にして加飾成形品を製造した。
いで装飾シートの熱盤６０による加熱を行った以外は実
施例と同様にして加飾成形品を製造した。
【００２１】実施例と比較例で得られた各加飾成形品に
ついて、装飾シートの成形品からの剥離の有無を目視で
チェックしたところ、比較例の成形品では装飾シートの
剥離が見られたが、実施例の成形品では装飾シートの剥
離は見られなかった。
ついて、装飾シートの成形品からの剥離の有無を目視で
チェックしたところ、比較例の成形品では装飾シートの
剥離が見られたが、実施例の成形品では装飾シートの剥
離は見られなかった。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
射出成形同時加飾を行うに際し、シートクランプで装飾
シートを固定することによりできた雌型キャビティ面と
装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を、外気温度よ
り高く且つ装飾シートの軟化温度より低い範囲の温度に
したことにより、装飾シートが全体的に伸びてその成形
性が向上し、従来よりも絞りが深い成形品に対する射出
成形同時加飾が可能となり、成形不十分により生じる不
良を低減させることができる。
射出成形同時加飾を行うに際し、シートクランプで装飾
シートを固定することによりできた雌型キャビティ面と
装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を、外気温度よ
り高く且つ装飾シートの軟化温度より低い範囲の温度に
したことにより、装飾シートが全体的に伸びてその成形
性が向上し、従来よりも絞りが深い成形品に対する射出
成形同時加飾が可能となり、成形不十分により生じる不
良を低減させることができる。
【図１】本発明で使用する射出成形機の一例を示す一部
破断図である。
破断図である。
【図２】装飾シートの予備成形途中の状態で示す射出成
形機の一部破断図である。
形機の一部破断図である。
【図３】装飾シートの予備成形を終えた状態で示す射出
成形機の一部破断図である。
成形機の一部破断図である。
【図４】装飾シートの予備成形を終えた後で成形用樹脂
を射出する様子を示す射出成形機の一部破断図である。
を射出する様子を示す射出成形機の一部破断図である。
【図５】射出成型後に雌雄両金型を開いて樹脂成形品を
取り出す様子を示す射出成形機の一部破断図である。
取り出す様子を示す射出成形機の一部破断図である。
１０ 射出成形機 ２０ 雌型 ２１ 吸引孔 ２２ 可動盤 ２３ 受付チャック ３０ 雄型 ３１ 固定盤 ３２ ゲート ４０ タイバー ５０ シートクランプ ６０ 熱盤 ７０ 通路 ７１ 切換弁 ７２ 通気孔 ７３ リーク弁 ８０ シートチャック ８１ シートカッター ９０ 流体圧シリンダー ９１ ピストン Ｓ 装飾シート Ｃ キャビティ Ｍ 成形品形成用樹脂 Ｎ 樹脂成形品 Ｖ 密閉空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ２９Ｃ 45/78 Ｂ２９Ｃ 45/78 Ｆターム(参考） 4F202 AA13 AD05 AD09 AF08 AF10 AG03 CA11 CB01 CB13 CB19 CB28 CK11 CN01 CN25 CP01 CQ01 CQ06 4F206 AA13 AD05 AD09 AF08 AF10 AG03 JA07 JB13 JB19 JB28 JF05 JF35 JN26 JN43 JQ81
Claims (3)
- 【請求項１】 開かれた雌雄一対の型の間に装飾シート
を挿入し、その装飾シートを雌型キャビティ面の周縁の
パーティング面にシートクランプで雌型キャビティ面と
装飾シートとの間を密閉するように固定した状態とし、
装飾シートを加熱して軟化させ、前記密閉された空間を
減圧することにより装飾シートを雌型キャビティ面の表
面形状に沿うようにして密着せしめて予備成形した後、
両型を閉じてから、雌雄両型間に形成されるキャビティ
空間に流動状態の樹脂を射出して充填し、該樹脂を固化
せしめると同時に装飾シートを成形品表面に接着積層す
る射出成形同時加飾方法において、シートクランプで装
飾シートを固定することによりできた雌型キャビティ面
と装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を、外気温度
より高く且つ装飾シートの軟化温度より低い範囲の温度
にすることを特徴とする射出成形同時加飾方法。 - 【請求項２】 請求項１に記載の射出成形同時加飾方法
に使用する射出成形機であって、シートクランプで装飾
シートを固定することによりできた雌型キャビティ面と
装飾シートとの間の密閉空間の気体温度を上げるための
加熱機構を設けたことを特徴とする射出成形機。 - 【請求項３】 加熱機構が、所定温度の気体を出す加熱
空気供給源と、前記気体を雌型キャビティ面と装飾シー
トとの間の密閉空間に送るための通路と、当該通路を加
熱空気供給源と真空ポンプとの間で切り換えるための切
換弁と、前記密閉空間内の気圧を外気圧と同一にするた
めの通気孔と、当該通気孔を開閉するためのリーク弁と
で構成される請求項２に記載の射出成形機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11172150A JP2001001363A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11172150A JP2001001363A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001001363A true JP2001001363A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15936502
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11172150A Pending JP2001001363A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 射出成形同時加飾方法及びそれに使用する射出成形機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001001363A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006063551A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Toppan Printing Co Ltd | 舗道用シート及び化粧方法 |
| JP2012101429A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Sanwa Create:Kk | 光拡散カバーの製造方法 |
| CN103722680A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-04-16 | 昆山德安模具设计有限公司 | 一种多功能注塑机 |
| CN106182574A (zh) * | 2015-05-28 | 2016-12-07 | Lg化学株式会社 | 模内成型装置及方法 |
| CN108340539A (zh) * | 2018-01-10 | 2018-07-31 | 吉利汽车研究院（宁波）有限公司 | 一种人机交互装置及面罩制作方法 |
| EP3524531B1 (de) | 2011-11-08 | 2020-07-08 | Störtebeker Braumanufaktur GmbH | Verfahren zum herstellen von getränkekisten aus kunststoff |
-
1999
- 1999-06-18 JP JP11172150A patent/JP2001001363A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006063551A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Toppan Printing Co Ltd | 舗道用シート及び化粧方法 |
| JP4525243B2 (ja) * | 2004-08-25 | 2010-08-18 | 凸版印刷株式会社 | 舗道用シート |
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| EP3524531B1 (de) | 2011-11-08 | 2020-07-08 | Störtebeker Braumanufaktur GmbH | Verfahren zum herstellen von getränkekisten aus kunststoff |
| EP3517453B1 (de) | 2011-11-08 | 2021-10-13 | Störtebeker Braumanufaktur GmbH | Verfahren zum herstellen von getränkekisten aus kunststoff |
| EP2776324B1 (de) * | 2011-11-08 | 2021-10-13 | Störtebeker Braumanufaktur GmbH | Verfahren zum herstellen von getränkekisten aus kunststoff |
| CN103722680A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-04-16 | 昆山德安模具设计有限公司 | 一种多功能注塑机 |
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| CN108340539A (zh) * | 2018-01-10 | 2018-07-31 | 吉利汽车研究院（宁波）有限公司 | 一种人机交互装置及面罩制作方法 |
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|
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|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090403 |