JP2010241877A - 液状フェノール系硬化剤、組成物、硬化物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、液状フェノール系硬化剤、組成物、硬化物及びその用途に関する。さらに詳しくは、オルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン縮合物とオレフィン化合物の混合物でなるエポキシ樹脂硬化剤、該硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、それを硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物とその用途に関する。
エポキシ樹脂の硬化剤としてこれまでに用いられている化合物には、アミン類、酸無水物類、ポリアミド類、イミダゾール類、メルカプタン類、フェノール類などがあり、中でもフェノール系硬化剤は種類に富み大きな一群を成している。とりわけ近年では、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途拡大に伴い、液状または低粘度型のフェノール系硬化剤のニーズも高まっている。
一般にフェノール系硬化剤はフェノール性水酸基の水素結合のため固形の性状を示すことが多く、高結晶性のものとなるとエポキシ樹脂組成物に対し相溶しにくくエポキシ樹脂組成物の流動性を低下させる。このためフェノール系硬化剤を上記用途とするためのアプローチとして、フェノール系硬化剤の水酸基による水素結合を防止あるいは阻害する手段が用いられる。たとえば、フェノール性水酸基を部分的または完全にアシル基またはシリル基で保護したフェノール誘導体(特許文献1〜5参照)や、フェノール性水酸基のオルソ位に置換基を導入する手段などが用いられている(特許文献6参照)。
しかしながらこれらは、流動性の賦与のために導入されているオルソ位の置換基の存在や水酸基を保護しているその構造のため、一般に硬化が遅く高いガラス転移温度の硬化物が得られにくいという難点があった。このため多官能型のフェノール系硬化剤を添加するなどの手段が改善策としてとられているが、組成物粘度の上昇や吸水率の上昇など特性面に悪影響を及ぼすケースが多く、液状フェノール系硬化剤におけるこれら課題の解決と流動性の維持の両立は困難であった。
本発明は、液状フェノール系硬化剤における上記課題の解決と流動性の維持の両立を実現する液状フェノール系硬化剤を創出するものである。すなわち本発明は、硬化が早く高いガラス転移温度の硬化物が得られとともに、流動性に優れた液状フェノール系硬化剤を提供する。
また本発明は、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用である、該硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化してなるエポキシ樹脂硬化物を提供するものである。
また本発明は、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用である、該硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化してなるエポキシ樹脂硬化物を提供するものである。
本発明は、下記一般式(1)で示されるオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物および下記一般式(2)で示されるオレフィン化合物との混合物でなるエポキシ樹脂硬化剤を提供する。
また本発明は、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用な、前記硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物を提供する。
本発明により、新規な液状のフェノール系エポキシ樹脂硬化剤が提供される。
本発明により、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用な、前記硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物が提供される。
本発明により提供されるエポキシ樹脂組成物は低粘度であり、これを硬化することにより高いガラス転移温度のエポキシ樹脂硬化物が提供される。
本発明により、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用な、前記硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物が提供される。
本発明により提供されるエポキシ樹脂組成物は低粘度であり、これを硬化することにより高いガラス転移温度のエポキシ樹脂硬化物が提供される。
本発明で使用されるオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物は公知の方法で合成することができる(例えば特開2000−169537号公報)。その合成において、オルソアリルフェノール、フェノール、ホルマリンの各原料の仕込み比に応じて水酸基当量、粘度などの性状が変化し、ひいては本発明が与えるエポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂硬化物にも影響を与える。特に液状封止材、アンダーフィル剤などの用途を想定すると、実用上好適な特性を与えうるホルマリン縮合物の水酸基当量の範囲は100〜150g/eq、30℃時粘度が2500mPa・s以下とするのがよい。
上記のホルマリン共縮合物に混合される前記一般式(2)で示されるオレフィン化合物における置換基R1〜R4に該当する炭素数1〜15の炭化水素基の具体的な例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ベンジル、トリフルオロメチル、2−エトキシエチルなどの置換または非置換のアルキル基、フェニル、2−、3−または4−メチルフェニル、2−、3−または4−エチルフェニル、2−、3−または4−イソプロピルフェニル、2−、3−または4−イソブチルフェニル、2−、3−または4−tert−ブチルフェニル、2−、3−または4ベンジルフェニル、2−、3−または4−クロロフェニル、2−、3−または4−エトキシエチルフェニル、2−、3−または4−フェニルフェニル、2−、3−または4−メチルスルフィニルフェニル、α−またはβ−ナフチルなどの置換または非置換のアリール基などが挙げられる。
mおよびnは、mが0〜3、nが2〜5であって、m+nが5以下の整数となる範囲内であることが好ましい。液状封止材、アンダーフィル剤などの用途のためには、好ましくは、mが0〜2、nが2〜3、さらに好ましくは、mが0、nが2であることが望ましい。
前記一般式(2)で表わされるオレフィン化合物の具体的な例としては、オルソジビニルベンゼン、メタジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼン、オルソジイソプロペニルベンゼン、メタジイソプロペニルベンゼン、パラジイソプロペニルベンゼン、1,2,3−トリビニルベンゼン、1,2,4−トリイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリ(2−フェニルビニル)ベンゼン、1,2−ジビニル−3−メチルベンゼン、1,3−ジビニル−4−フェニルベンゼン、1,4−ジビニル−2−シクロヘキシルベンゼン、1,2,3,4−テトラビニルベンゼン、1,2−ジビニル−3,5−イソプロペニルベンゼンなどを挙げることができる。特にエポキシ樹脂組成物に高流動性を賦与する場合には、常温下で液状のものが好ましく、具体的にはオルソジビニルベンゼン、メタジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼン、オルソジイソプロペニルベンゼン、メタジイソプロペニルベンゼン、パラジイソプロペニルベンゼンなどが例示される。
ホルマリン共縮合物とオレフィン化合物は任意の比率で混合することができるが、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途のためには、上記のホルマリン縮合物の水酸基1当量に対し、オレフィン化合物のオレフィン基が0.25〜2.5当量の割合で存在する混合比率とするのがよい。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、ホルマリン縮合物とオレフィン化合物でなり、ホルマリン共縮合物とオレフィン化合物との単純な混合によって得ることができる。混合温度はホルマリン共縮合物およびオレフィン化合物の種類にもよるが、たとえば0〜200℃の範囲とするのがよい。ホルマリン縮合物およびオレフィン化合物が固体の場合、あるいは混合物が高粘度である場合には50〜200℃の温度範囲とするのがよい。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤に好適な硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化に用いられる公知の硬化促進剤より適宜選択して用いることができるが、エポキシ樹脂組成物としたときの長期安定性、および硬化物の高いガラス転移温度の観点から、スルホン酸の金属塩の使用が好ましい。
スルホン酸の金属塩としては、スカンジウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、イットリウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジシクロペンタジエニルチタントリフルオロメタンスルホン酸塩、ジシクロペンタジエニルジルコニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジシクロペンタジエニルハフニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジブチル錫メタンスルホン酸塩、ジブチル錫トリフルオロメタンスルホン酸塩、ジブチル錫パラトルエンスルホン酸塩、ジフェニル錫メタンスルホン酸塩、ジフェニル錫トリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニル錫パラトルエンスルホン酸塩などを例示することができる。
硬化促進剤は、本発明のエポキシ樹脂硬化剤に添加する方法、あるいはエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂を混合してエポキシ樹脂組成物としたものに添加する方法のいずれでもよい。硬化促進剤の添加量は本発明のエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して0.001〜10.0重量部とするのがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を含有する。本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アミノフェノールのトリグリシジル化物等が挙げられる。常温下で液状のエポキシ樹脂組成物とする用途に対しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アミノフェノールのトリグリシジル化物の使用が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク、窒化硼素、窒化珪素等が挙げられる。無機充填材は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜90重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が、特に液状封止などの用途において常温下で液状をすることが、好ましい態様である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明のエポキシ樹脂組成物を得て、そのエポキシ樹脂組成物が固形であれば、溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。エポキシ樹脂組成物が液状のものは、ディスペンス法、注型法、印刷法などの公知の封止方法により、同様の加熱温度で硬化物とすることができる。
特に常温で液状の本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度は、その配合内容や用途にもよるが、常温周辺の温度での使用の観点から、無機充填剤を含まないときの50℃時の粘度として、5000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下であることが望ましい。
また本発明のエポキシ樹脂組成物を、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
前記したような特徴を有する本発明のエポキシ樹脂組成物は、液状封止材、アンダーフィル材、接着剤、積層材料、塗料、レジストなどの用途に好適に使用されるものである。
以下に実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
(参考例)
硬化剤1(オルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物)の調製
フェノール117.6g(1250ミリモル)、2-アリルフェノール503.2g(3750ミリモル)、37%-ホルマリン81.2g(1000ミリモル)の混合物を60℃に加熱後、蓚酸二水和物2gを添加して2時間かけながら95℃まで昇温した。そのあとさらに蓚酸二水和物2gを添加して95℃で3時間保持した。反応終了後、減圧留去によりオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物232.9gを得た(30℃粘度:900mPa・s、水酸基当量:135g/eq)。これを硬化剤1とした。
硬化剤1(オルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物)の調製
フェノール117.6g(1250ミリモル)、2-アリルフェノール503.2g(3750ミリモル)、37%-ホルマリン81.2g(1000ミリモル)の混合物を60℃に加熱後、蓚酸二水和物2gを添加して2時間かけながら95℃まで昇温した。そのあとさらに蓚酸二水和物2gを添加して95℃で3時間保持した。反応終了後、減圧留去によりオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物232.9gを得た(30℃粘度:900mPa・s、水酸基当量:135g/eq)。これを硬化剤1とした。
(実施例1)硬化剤2の調製
前述のオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン縮合物77.4g、メタジイソプロペニルベンゼン22.6gを常温下で0.5時間攪拌して混合物を得た。得られた混合物の30度時粘度は、140mPa・sであり、水酸基当量は175g/eqであった。ホルマリン共縮合物とオレフィンの混合比は、ホルマリン共縮合物の水酸基1当量に対し、オレフィン化合物のオレフィン基が0.5当量の混合比である。得られた混合物を硬化剤2とする。
前述のオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン縮合物77.4g、メタジイソプロペニルベンゼン22.6gを常温下で0.5時間攪拌して混合物を得た。得られた混合物の30度時粘度は、140mPa・sであり、水酸基当量は175g/eqであった。ホルマリン共縮合物とオレフィンの混合比は、ホルマリン共縮合物の水酸基1当量に対し、オレフィン化合物のオレフィン基が0.5当量の混合比である。得られた混合物を硬化剤2とする。
(実施例2)硬化剤3の調製
前述のオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物63.1g、メタジイソプロペニルベンゼン36.9gを常温下で0.5時間攪拌して混合物を得た。得られた混合物の30度時粘度は40mPa・sであり、水酸基当量は214g/eqであった。ホルマリン共縮合物とオレフィンの混合比は、ホルマリン共縮合物の水酸基1当量に対し、オレフィン化合物のオレフィン基が1.0当量の混合比である。得られた混合物を硬化剤3とする。
前述のオルソアリルフェノールとフェノールのホルマリン共縮合物63.1g、メタジイソプロペニルベンゼン36.9gを常温下で0.5時間攪拌して混合物を得た。得られた混合物の30度時粘度は40mPa・sであり、水酸基当量は214g/eqであった。ホルマリン共縮合物とオレフィンの混合比は、ホルマリン共縮合物の水酸基1当量に対し、オレフィン化合物のオレフィン基が1.0当量の混合比である。得られた混合物を硬化剤3とする。
(比較例1)
参考例で得られた硬化剤1、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:168g/eq)、スカンジウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を表1に示す割合で配合し、充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得た。これを用いて組成物粘度およびゲル化時間を測定した。またエポキシ組成物を120℃下で1時間、150℃下で1時間、さらに180℃下で3時間加熱してガラス転移温度測定用のテストピースを作成した。結果を表1に示す。
参考例で得られた硬化剤1、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:168g/eq)、スカンジウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を表1に示す割合で配合し、充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得た。これを用いて組成物粘度およびゲル化時間を測定した。またエポキシ組成物を120℃下で1時間、150℃下で1時間、さらに180℃下で3時間加熱してガラス転移温度測定用のテストピースを作成した。結果を表1に示す。
本発明における物性の測定は下記の方法によって行った。
(1)組成物粘度
ICI溶融粘度計により、硬化剤とエポキシ樹脂の溶融混合物の50℃時の粘度を測定した。
(2)ゲル化時間
150℃熱板上でゲル化が観測されるまでの時間を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
TMAにより得られる線膨張係数の変曲点をガラス転移温度とした。
(1)組成物粘度
ICI溶融粘度計により、硬化剤とエポキシ樹脂の溶融混合物の50℃時の粘度を測定した。
(2)ゲル化時間
150℃熱板上でゲル化が観測されるまでの時間を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
TMAにより得られる線膨張係数の変曲点をガラス転移温度とした。
(実施例3)
比較例1における硬化剤1の代わりに実施例1で得られた硬化剤2を用い、表1のような配合とした以外は、比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1における硬化剤1の代わりに実施例1で得られた硬化剤2を用い、表1のような配合とした以外は、比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
比較例1の硬化剤1の代わりに実施例2で得られた硬化剤3を用い、表1のような配合とした以外は、比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1の硬化剤1の代わりに実施例2で得られた硬化剤3を用い、表1のような配合とした以外は、比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5〜6)
実施例4におけるスカンジウムトリフルオロメタンスルホン酸塩の代わりにジシクロペンタジエニルジルコニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を効果促進剤として表1の配合量で使用量した以外は、比較例と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4におけるスカンジウムトリフルオロメタンスルホン酸塩の代わりにジシクロペンタジエニルジルコニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を効果促進剤として表1の配合量で使用量した以外は、比較例と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の硬化剤が、これを含むエポキシ樹脂組成物を低粘度化し、これを硬化することにより高いガラス転移温度の硬化物を与えることがわかる。その傾向はオレフィン化合物の含有率が高いほど顕著である。また、硬化物のガラス転移温度は用いる硬化促進剤によっても依存する。硬化促進剤の量に関しては、使用量が少ない場合は硬化時間が長くなるが、ある程度高温のガラス転移温度を有する硬化物を与えることができる。この場合、本発明の硬化剤によりエポキシ樹脂組成物は高流動性の特色を発揮したものととらえることができる。
本発明により、新規な液状のフェノール系エポキシ樹脂硬化剤が提供される。
本発明が与えるエポキシ樹脂硬化剤は、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用な高流動性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明により提供されるエポキシ樹脂組成物を硬化することにより、高いガラス転移温度を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
本発明が与えるエポキシ樹脂硬化剤は、液状封止材、アンダーフィル剤などの用途に有用な高流動性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明により提供されるエポキシ樹脂組成物を硬化することにより、高いガラス転移温度を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
Claims (12)
- 前記のホルマリン縮合物の水酸基当量が100〜150g/eqである請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記のホルマリン縮合物の30℃時粘度が2500mPa・s以下である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- オレフィン化合物がジビニルベンゼンである請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- オレフィン化合物がジイソプロペニルベンゼンである請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記ホルマリン縮合物とオレフィン化合物の混合比率が、ホルマリン縮合物の水酸基1eqに対し、オレフィン化合物のオレフィン基が0.25〜2.5当量の割合で存在する比率である請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 硬化促進剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記の硬化促進剤が、スルホン酸の金属塩である請求項7に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂組成物。
- 常温下で液状を呈することを特徴とする請求項9に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 液状封止材、アンダーフィル材、接着剤、積層材料、塗料およびレジストのいずれかに用いるものである請求項9または10に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項9〜11のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物。
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KR20210031648A (ko) | 2018-07-17 | 2021-03-22 | 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 | 신규한 폴리아실옥시메틸-4,4'-아실옥시비페닐 화합물 |
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