JP2010241759A - 安定性に優れた医薬組成物 - Google Patents

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Yuichiro Ikeuchi
裕一郎 池内
Takeshi Nakao
武司 中尾
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Abstract

【課題】比較的高い保存温度及び湿度下にて安定なマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物の提供を目的とする。
【解決手段】マレイン酸フルボキサミンと、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤のうち少なくとも1種以上からなり、賦形剤は糖アルコール、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプンのうちから選択使用し、崩壊剤はカルメロースを使用し、結合剤はアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースのうちから選択使用し、滑沢剤は硬化油、ステアリン酸及びその塩、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムのうちから選択使用するものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マレイン酸フルボキサミンを含有する経口固形製剤の経時的に安定な医薬組成物に関する。
マレイン酸フルボキサミンは、5−Methoxy−4’−trifluoromethylvalerophenone (E)−O−2−aminoethyloxime monomaleateと認められる公知の選択的セロトニン再取り込み阻害剤である。
マレイン酸フルボキサミンを含有する製剤はすでに上市されており、日本ではデプロメール錠(明治製菓株式会社)、ルボックス錠(アステラス製薬株式会社)の商品名で販売されている。
また欧州や米国でも販売されている。
マレイン酸フルボキサミン自身の経時的安定性は良好である。
しかし、本発明者らは、日本で市販されている錠剤について、純度試験を実施したところ、購入時ですでに0.87%もの総分解物量が認められた。
従って、使用する添加剤によっては製剤中の分解物が生成する問題が生じる可能性がある薬物であることが想定された。
本発明は以上のような技術的背景の下、比較的高い保存温度及び湿度下にて安定なマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物の提供を目的とする。
本願発明者らは、マレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物を製する際に、原体の安定性と同程度な製剤安定性を維持できる添加剤を見出すことを目的として、特定の添加剤がマレイン酸フルボキサミンの分解に与える影響を鋭意検討した。
その結果、賦形剤として糖アルコール、トウモロコシデンプン、崩壊剤としてカルメロース、結合剤としてアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、滑沢剤として硬化油、ステアリン酸及びその塩、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択された添加剤を主たる配合物とすることにより、比較的高い温度及び湿度の条件下において経時的な分解物の増加を抑えることが出来ることを見出した。
本発明における医薬組成物とは、主に経口固形製剤を製するのに用いられる組成物をいい、経口固形製剤としては散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などを指し、これらの剤形を製する際の工程は限定されることなく用いることができる。
たとえば、散剤であればマレイン酸フルボキサミンに対し、滑沢剤を混合するか、賦形剤と滑沢剤を混合することで製することができるし、細粒剤、顆粒剤であれば、賦形剤、崩壊剤、結合剤を混合し適切な造粒機にて造粒することで製することができる。
また、錠剤であれば、上記造粒品に滑沢剤を混合し打錠することで製することが可能である。
カプセル剤であれば、上記造粒品に滑沢剤を混合しカプセル充填することで製することができる。
このように製する剤形により添加剤を単独で用いることもできるし、組合せ選択使用することも可能である。
また、必要に応じて、これらの添加剤以外にも安定性を損なわない範囲で他の添加剤を用いることができる。
たとえば、コーティング剤、光沢化剤、可塑剤、帯電防止剤、流動化剤、甘味剤、懸濁化剤、界面活性剤などが例として挙げられる。
特に、コーティング剤成分に関しては、分解を促進する添加剤であっても、その添加剤がフィルムコーティングにのみ用いられるのであれば、影響は少ない。
例えば、ヒプロメロースは、核錠中に配合した場合、マレイン酸フルボキミサンの分解を促進するが、フィルムコーティング中にのみ含まれるのであれば、分解物生成は促進されない。
マレイン酸フルボキサミンとの接触面積が少ないため、分解促進の影響を受けにくいものと考える。
本発明における各添加剤の配合量は、製する剤形により異なるが、製剤全体に対して、賦形剤は10〜50%、結合剤として0.5〜10%、崩壊剤として1〜50%、滑沢剤として0.5〜5%を配合することが望ましい。
ここで糖アルコールを賦形剤として用いる場合には、D−マンニトール、マルチトール、エリスリトールからなる群より選択された1種または2種以上であることが好ましく、ステアリン酸及びその塩を滑沢剤として用いる場合は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムからなる群より選択された1種または2種以上であることが好ましい。
本発明に係るマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物は、賦形剤として糖アルコール、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、崩壊剤としてカルメロース、結合剤としてアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、滑沢剤として硬化油、ステアリン酸及びその塩、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択された添加剤を単独又は複合的に用いることで経時的な分解物の増加を抑えることができる。
以下、実施例、比較例、試験例を挙げてさらに本発明を説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。
なお、以下に示される用語「部」とは、重量部を表したものである。
(賦形剤の配合適性を確認する実験)
賦形剤としてマルチトール、エリスリトール、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、無水リン酸水素カルシウムを選択し、マレイン酸フルボキサミンと混合後、圧縮成形し試料とした。
各試料を密閉したガラスビンに入れ、50℃にて保存し、保存1週間目の総分解物量をHPLCにて測定した。
以下の実施例および比較例にて、具体的に試料調製方法を示す。
マレイン酸フルボキサミン50部およびマルチトール(粉末マルチトールG−3、東和化成工業株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびエリスリトール(エリスリトール 微粉100M、日研化成株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびD−マンニトール(PEARLITOL 200SD、ロケットジャパン株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびトウモロコシデンプン(日食コーンスターチW、日本食品化工株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて重量450mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびD−マンニトール(マンニットP、東和化成工業株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて重量450mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例1)
マレイン酸フルボキサミン50部および結晶セルロース(セオラスPH−302、旭化成ケミカルズ株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例2)
マレイン酸フルボキサミン50部およびバレイショデンプン(精製乾燥殺菌馬澱、松谷化学工業株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例3)
マレイン酸フルボキサミン50部およびヒドロキシプロピルスターチ(HPS−101、フロイント産業株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて重量86mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例4)
マレイン酸フルボキサミン50部および無水リン酸水素カルシウム(協和化学工業株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて重量450mgとなるよう圧縮成形した。
表1にマレイン酸フルボキミサン50部に対する各賦形剤の配合量と総分解物生成量(50℃、1週間保存)を示す。
Figure 2010241759
表1に示した賦形剤と組み合わせた試料では、マルチトール、エリスリトール、D−マンニトール、トウモロコシデンプンでは分解物の生成は0.2%未満であり、その他の賦形剤と組み合わせた試料では、分解物の生成は0.2%以上認められた。
これらの結果から、賦形剤としてマルチトール、エリスリトール、D−マンニトール、トウモロコシデンプンの配合が分解物を抑制する働きがあることが認められた。
(結合剤の配合適性を確認する実験)
結合剤としてアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、部分アルファ化デンプン、ヒプロメロースを選択し、マレイン酸フルボキサミンと混合後、圧縮成形し試料とした。
各試料を密閉したガラスビンに入れ、50℃にて保存し、保存1週間目の総分解物量をHPLCにて測定した。
以下の実施例および比較例記載の方法で試料調製した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびアルファ化デンプン(アミコールC、日澱化学株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量450mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)5部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量550mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例5)
マレイン酸フルボキサミン50部およびポビドン(コリドン90F、BASF社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量450mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例6)
マレイン酸フルボキサミン50部および部分アルファ化デンプン(PCS、旭化成ケミカルズ株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量450mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例7)
マレイン酸フルボキサミン50部およびヒプロメロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)5部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量550mgとなるよう圧縮成形した。
表2にマレイン酸フルボキミサン50部に対する各結合剤の配合量と総分解物生成量(50℃、1週間保存)を示す。
Figure 2010241759
表2に示した結合剤と組み合わせた試料では、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースで分解物の生成は0.2%未満であり、その他の結合剤と組み合わせた試料では、分解物の生成は0.2%以上認められた。
これらの結果から、結合剤としてアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースの配合が分解物を抑制する働きがあることが認められた。
(崩壊剤の配合適性を確認する実験)
結合剤としてカルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンを選択し、マレイン酸フルボキサミンと混合後、圧縮成形し試料とした。
各試料を密閉したガラスビンに入れ、50℃にて保存し、保存1週間目の総分解物量をHPLCにて測定した。
以下の実施例および比較例記載の方法で試料調製した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびカルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)40部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量450mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例8)
マレイン酸フルボキサミン50部および低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH11、信越化学工業株式会社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて、重量86mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例9)
マレイン酸フルボキサミン50部およびクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol、FMC社製)36部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて、重量86mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例10)
マレイン酸フルボキサミン50部およびクロスポビドン(ポリプラスドンINF−10、ISP社製)5部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量550mgとなるよう圧縮成形した。
表3にマレイン酸フルボキミサン50部に対する各崩壊剤の配合量と総分解物生成量(50℃、1週間保存)を示す。
Figure 2010241759
表3に示した崩壊剤と組み合わせた試料では、カルメロースで分解物の生成は0.2%未満であったが、それ以外の崩壊剤では、分解物の生成は0.2%以上認められた。
これらの結果から、崩壊剤としてカルメロースの配合が分解物を抑制する働きがあることが認められた。
(滑沢剤の配合適性を確認する実験)
滑沢剤として硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素を選択し、マレイン酸フルボキサミンと混合後、圧縮成形し試料とした。
各試料を密閉したガラスビンに入れ、50℃にて保存し、保存1週間目の総分解物量をHPLCにて測定した。以下の実施例および比較例記載の方法で試料調製した。
マレイン酸フルボキサミン50部および硬化油(ラブリワックス101、フロイント産業株式会社製)4部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて、重量54mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびステアリン酸(ステアリン酸 NAA−180P1、日本油脂株式会社製)4部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて、重量54mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム 植物性、太平化学産業株式会社製)3部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量530mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム−S、日本油脂株式会社製)3部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量530mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびタルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)3部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量530mgとなるよう圧縮成形した。
マレイン酸フルボキサミン50部およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)3部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量530mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例11)
マレイン酸フルボキサミン50部およびショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−20、第一工業製薬株式会社製)4部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径6mmの標準R型杵にて、重量54mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例12)
マレイン酸フルボキサミン50部および軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製)1部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量510mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例13)
マレイン酸フルボキサミン50部および軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製)1部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量510mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例14)
マレイン酸フルボキサミン50部および含水二酸化ケイ素(カープレックス#67、塩野義製薬株式会社製)1部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量510mgとなるよう圧縮成形した。
(比較例15)
マレイン酸フルボキサミン50部および含水二酸化ケイ素(カープレックス#1120、塩野義製薬株式会社製)1部を混合し、打錠用粉末を得た。
この打錠用粉末を径11mmの標準R型杵にて、重量510mgとなるよう圧縮成形した。
表4にマレイン酸フルボキミサン50部に対する各滑沢剤の配合量と総分解物生成量(50℃、1週間保存)を示す。
Figure 2010241759
表4に示した滑沢剤と組み合わせた試料では、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムで分解物の生成は0.2%未満であったが、それ以外の滑沢剤では、分解物の生成は0.2%以上認められた。
(各種添加剤との組合せた実験)
各種添加剤単独での配合適性において良好な結果が得られた成分を組み合わせて錠剤化したときの安定性について調査した。
対象として、結合剤としてポビドン、崩壊剤としてクロスポビドンを添加した錠剤を製し、安定性の違いを比較した。
また、フィルムコーティングによる安定性への影響も検討した。
以下の実施例および比較例にて検討製剤の処方・製法を示す。
マレイン酸フルボキサミン50部及びD−マンニトール(マンニットP、東和化成工業株式会社製)12部をハイスピードミキサーLFS−GS−1(深江パウテック株式会社製)に投入し、そこにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)の7.5%(w/w)水溶液8部と精製水1部を加えて撹拌造粒した。
造粒が完了したら流動層造粒機FL−mini(フロイント産業株式会社製)で流動層乾燥し、さらにそれを22メッシュの篩で整粒した。
得られた顆粒62.6部にD−マンニトール(PEARLITOL 200SD、ロケットジャパン株式会社製)6.8部、カルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)15部及びステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム 植物性、太平化学産業株式会社製)1.6部を添加・混合し、打錠用顆粒を得た。
この打錠用顆粒を打錠して、重量86mg、径6mmの標準R型を有する錠剤を製造した。
精製水53.3部に酸化チタン(TIPAQUE A−100、石原産業株式会社製)0.4部、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)0.2部及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成株式会社製)0.06部を分散させ、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)3.4部を加えて溶解させたコーティング液を調製し、実施例15で得た錠剤に定法に従ってコーティングを施し(1錠あたり固形分量として4mgをコーティング)、コーティング錠を得た。
マレイン酸フルボキサミン50部、カルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)15部及びアルファ化デンプン(アミコールC、日澱化学株式会社製)1部をバーチカルグラニュレーターVG−05(株式会社パウレック製)に投入し、そこに精製水22部を加えて撹拌造粒した。
造粒が完了したら流動層造粒機MP−01(株式会社パウレック製)で流動層乾燥し、さらにそれを30メッシュの篩で整粒した。
得られた顆粒66部にD−マンニトール(PEARLITOL 200SD、ロケットジャパン株式会社製)18.2部及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)1.8部を添加・混合し、打錠用顆粒を得た。
この打錠用顆粒を打錠して、重量86mg、径6mmの標準R型を有する核錠を製造した。
精製水53.3部に酸化チタン(TIPAQUE A−100、石原産業株式会社製)0.4部、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)0.2部及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成株式会社製)0.06部を分散させ、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)3.4部を加えて溶解させたコーティング液を調製し、先に得られた核錠に定法に従ってコーティングを施し(1錠あたり固形分量として4mgをコーティング)、コーティング錠を得た。
精製水26.6部に酸化チタン(TIPAQUE A−100、石原産業株式会社製)0.2部、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)0.1部及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成株式会社製)0.03部を分散させ、さらにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)1.7部を加えて溶解させたコーティング液を調製し、実施例17で得られた核錠に定法に従って1層目のコーティングを施した(1錠あたり固形分量として2mgをコーティング)。
精製水26.6部に酸化チタン(TIPAQUE A−100、石原産業株式会社製)0.2部、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)0.1部及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成株式会社製)0.03部を分散させ、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)1.7部を加えて溶解させたコーティング液を調製し、1層目のコーティングを施した先の錠剤に定法に従ってコーティングを施した(1錠あたり固形分量として2mgをコーティング)。
マレイン酸フルボキサミン50部、D−マンニトール(マンニットP、東和化成工業株式会社製)10.4部、カルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)5部及びアルファ化デンプン(アミコールC、日澱化学株式会社製)0.6部をバーチカルグラニュレーターVG−05(株式会社パウレック製)に投入し、そこに精製水13部を加えて撹拌造粒した。
造粒が完了したら流動層造粒機MP−01(株式会社パウレック製)で流動層乾燥し、さらにそれを30メッシュの篩で整粒した。
得られた顆粒66部にD−マンニトール(PEARLITOL 200SD、ロケットジャパン株式会社製)8.2部、カルメロース(NS−300、ニチリン化学工業株式会社製)10部及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)1.8部を添加・混合し、打錠用顆粒を得た。
この打錠用顆粒を打錠して、重量86mg、径6mmの標準R型を有する核錠を製造した。
精製水53.3部に酸化チタン(TIPAQUE A−100、石原産業株式会社製)0.4部、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製)0.2部及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成株式会社製)0.06部を分散させ、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)3.4部を加えて溶解させたコーティング液を調製し、先に得られた核錠に定法に従ってコーティングを施し(1錠あたり固形分量として4mgをコーティング)、さらにカルナウバロウを振りかけて艶出しをおこない、コーティング錠を得た。
(比較例16)
マレイン酸フルボキサミン50部、D−マンニトール(マンニットP、東和化成工業株式会社製)28.4部及びクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)4部をハイスピードミキサーLFS−GS−1(深江パウテック株式会社製)に投入し、そこにポビドン(プラスドンK29/32、ISP社製)の16%(w/w)水溶液10部と精製水7部を加えて撹拌造粒した。
造粒が完了したら流動層造粒機FL−mini(フロイント産業株式会社製)で流動層乾燥し、さらにそれを30メッシュの篩で整粒した。
得られた顆粒84部にステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム−S、日本油脂株式会社製)4部を添加・混合し、打錠用顆粒を得た。
この打錠用顆粒を打錠して、重量88mg、径6mmの標準R型を有する錠剤を製造した。
(試験例) 各種保存条件下におけるマレイン酸フルボキサミンの安定性評価
本発明製剤を50℃で密閉ガラスビン、ないしは40℃・75%RHでポリプロピレン袋で保存し、一定期間経過した後に、HPLCにより分解物含量の測定をおこなった。
(結果)
実施例および比較例の処方、総分解物量を表5に示した。
本実験に用いたマレイン酸フルボキサミン原体中の分解物含量は0.11%である。
実施例で製した錠剤の総分解物量は0.15〜0.17%で、著しい増加は認められなかった。
この結果は分解物生成抑制に効果のある添加剤を組み合わせて使用しても問題ないことを示唆している。
一方、結合剤にポビドン、崩壊剤にクロスポビドンを用いた比較例16は、0.29%の総分解物が認められ、保存中に増加することが認められた。
不安定化要因となる添加剤を含んでいる場合、分解物の明らかな増加が起きてしまうことを示唆している。
Figure 2010241759

Claims (4)

  1. マレイン酸フルボキサミンと、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤のうち少なくとも1種以上からなり、
    賦形剤は糖アルコール、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプンのうちから選択使用し、
    崩壊剤はカルメロースを使用し、
    結合剤はアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースのうちから選択使用し、
    滑沢剤は硬化油、ステアリン酸及びその塩、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムのうちから選択使用するものであることを特徴とするマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物。
  2. 賦形剤を10〜50%、結合剤を0.5〜10%、崩壊剤を1〜50%、滑沢剤を0.5〜5%含有することを特徴とする請求項1記載のマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物。
  3. 糖アルコールが、D−マンニトール、マルチトール、エリスリトールからなる群より選択された1種または2種以上である請求項1又は2に記載のマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物。
  4. ステアリン酸及びその塩が、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムからなる群より選択された1種または2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載のマレイン酸フルボキサミン含有医薬組成物。
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