JP2010236620A - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents

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忍 金子
Yoshimaro Asakura
良磨 朝倉
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Abstract

【課題】簡単な構造で、制動解除時の摩擦パッドをディスクロータから確実に離間させることができると共に、摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したことを知らせることができるパッドリテーナを備えた車両用ディスクブレーキを提供する。
【解決手段】パッドリテーナ10のパッド戻し部10cは、リテーナ部10aの反ディスクロータ側から細長片をディスクロータ側に円弧状に曲げ戻して弾性ループ部10bを形成し、細長片の先端側をさらにディスクロータ方向へ延出し、先端部を反ディスクロータ側方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成する。パッド戻し部10cの先端部をディスクロータ側にさらに延出し、摩擦パッド6のライニング6cの摩耗検知部10fを形成する。パッドガイド溝3dと耳片6bとの間に、パッド戻し部10cと摩耗検知部10fの作動を許容する空間部Eを形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や自動二輪等の車両に用いられる車両用ディスクブレーキに係り、詳しくは、キャリパ支持腕のパッドガイド溝で、摩擦パッドの裏板耳片を支承するパッドリテーナの構造に関する。
従来、摩擦パッドの裏板の両側部にそれぞれ突設している耳片を、一対のキャリパ支持腕に対向形成されたパッドガイド溝に支承させて、摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に支持するディスクブレーキでは、一般に、パッドガイド溝と耳片との間に金属製の薄板で形成したパッドリテーナを介装している。このパッドリテーナには、前記パッドガイド溝のディスク半径方向内側面に当接する内側片と、該内側片に連続して形成され、摩擦パッドの耳片をディスク半径方向外側に付勢すると共に、前記摩擦パッドを反ディスクロータ方向に付勢するパッド戻し部とを備えたものがあり、該パッド戻し部は、裏板の耳片近傍に別途取り付けられたライニングの摩耗検知部材を反ディスクロータ側に付勢することによって、摩擦パッドを反ディスクロータ側に付勢していた(例えば、特許文献1参照。)。
また、パッドリテーナのパッド戻し部を、リテーナ部の反ディスクロータ側から延出する細長片をS字状に折曲してキャリパ支持腕の外面に当接させるS字状挟着部と、該S字状挟着部の先端側に連続する長円形状に湾曲させた戻しばね部と、該戻しばね部の先端側をディスクロータ側に向けて直線状に延出すると共に先端側を溝開口部側に折曲して耳片のディスクロータ側面に当接させる戻し力付与部とで形成し、該戻し力付与部の先端部をディスクロータ側に折曲して、摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したことを知らせる摩耗検知部としたものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−200409号公報 特開平8−42608号公報
しかし、上述の特許文献1のものでは、摩擦パッドを反ディスクロータ方向に付勢するパッド戻し部を備えたパッドリテーナと、摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したことを知らせる摩耗検知部材とを別々に形成して、それぞれ取り付けることから、部品点数や組み付け工数が増加し、コストが嵩む虞があった。
また、上述の特許文献2のものでは、細長片を折曲してパッド戻し部のS字状挟着部と戻しばね部と戻し力付与部と摩耗検知部とをそれぞれ形成するもので、構造が複雑で製作工程が多くなりコストが嵩むと共に、戻しばね部がキャリパボディから大きく突出することから、キャリパボディの周辺に配置されるブレーキホースやワイヤー等の他の部材と接触し、変形や破損の虞があり好ましくなかった。また、耳片をパッドガイド溝に組み付けた際に、リテーナ部と戻し力付与部とが面同士で当接することから、戻しばね部による付勢力が充分に発揮されないことがあった。
そこで本発明は、簡単な構造で、制動解除時の摩擦パッドをディスクロータから確実に離間させることができると共に、摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したことを知らせることができるパッドリテーナを備えた車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、車体に固設されるキャリパブラケットに、ディスクロータの外縁をディスク軸方向に跨ぐ一対のキャリパ支持腕を延設し、該キャリパ支持腕に、ディスク半径方向外側面とディスク半径方向内側面と当該両側面を結ぶ対向面とを有するコ字状のパッドガイド溝を対向して設け、前記ディスクロータを挟んで配置される摩擦パッドの裏板両側部に耳片をそれぞれ突設し、該耳片を前記パッドガイド溝にパッドリテーナを介して支承し、前記パッドリテーナは、前記ディスクロータ両側のパッドガイド溝に敷設される一対のリテーナ部と、前記ディスクロータの外縁を跨いで、前記一対のリテーナ部を繋ぐ連結片と、前記摩擦パッドを反ディスクロータ方向に付勢するパッド戻し部とを備えた車両用ディスクブレーキにおいて、前記パッド戻し部は、リテーナ部の反ディスクロータ側から細長片をディスクロータ側に円弧状に曲げ戻して弾性ループ部を形成し、細長片の先端側をさらにディスクロータ方向へ延出し、先端部を反ディスクロータ側方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成され、前記パッド戻し部の先端部をディスクロータ側にさらに延出して、前記摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したときに前記ディスクロータと接触して摩耗検知音を発する摩耗検知部を形成すると共に、前記パッドガイド溝と前記耳片との間に、前記パッド戻し部と摩耗検知部の作動を許容する空間部を形成したことを特徴としている。
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、パッド戻し部は、リテーナ部の反ディスクロータ側から弾性ループ部を介してディスクロータ方向へ曲げ戻して延出する細長片の先端部を、反ディスクロータ側方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成するだけの簡単な構造であり、また、パッド戻し部の先端部をディスクロータ側に延出するだけで摩耗検知部を形成することができ、パッドリテーナの製造工程を減少させながら、制動解除時の摩擦パッドをディスクロータから確実に離間させることができると共に、パッドリテーナで摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したことを知らせることができ、別途、摩耗検知部材を設ける必要がなくなり、部品点数を減少させることができコストの低減化を図ることができる。
さらに、戻しばね部と摩耗検知部とは、パッドガイド溝と耳片との間に設けられた空間部によって、確実に作動することができると共に、戻しばね部は、リテーナ部と面同士で当接することがないことから、戻しばね部による付勢力が充分に発揮され、制動解除時に摩擦パッドを確実にディスクロータから離間させることができる。また、摩擦パッドのライニングが摩耗し、摩擦パッドが徐々にディスクロータ側へ進出すると、耳片がパッド戻し部の先端側に移動し、摩耗検知部を前記空間部からディスクロータ側に徐々に突出させ、ライニングが摩耗限界に達した際にはディスクロータと摺接して、摩耗検知音を発生させることができる。さらに、パッドリテーナを組み付けると、弾性ループ部がパッドガイド溝の反ディスクロータ側に突出するが、キャリパボディから大きく突出することがないので、他の部材と接触して変形や破損する虞がない。
本発明の一形態例を示す車両用ディスクブレーキの拡大断面平面図である。 同じく拡大断面正面図である。 同じくパッドリテーナの斜視図である。 図8のIV-IV断面図である。 図8のV-V断面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの一部断面平面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの一部断面背面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの正面図である。
図1乃至図8は本発明の車両用ディスクブレーキの一形態例を示す図で、矢印Aは車両前進時に前輪と一体に回転するディスクロータの回転方向であり、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
この車両用ディスクブレーキ1は、車輪と一体に回転するディスクロータ2と該ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット3のキャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるキャリパボディ5と、該キャリパボディ5の作用部5aと反作用部5bとの内側で、ディスクロータ2を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド6,6とからなっている。
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に配設される上述の作用部5a及び反作用部5bと、これらをディスクロータ2の外縁を跨いで連結するブリッジ部5cとからなっていて、作用部5aには、ディスクロータ2側を開口したシリンダ孔7が設けられている。シリンダ孔7には、有底円筒状のピストン8が収容され、ピストン8は、シリンダ孔底部の液圧室9に供給される圧液によって、シリンダ孔7をディスクロータ方向へ移動するようになっている。また、作用部5aの側部には、車体取付け腕5d,5dが突設されており、各車体取付け腕5dの先端には、それぞれ上述のスライドピン4が、取付けボルトにて突設されている。
キャリパ支持腕3a,3aは、キャリパブラケット3の両側部から、ブリッジ部5cの両側を挟みながらディスクロータ2の外縁をディスク軸方向に跨ぎ、さらにディスクロータ2の他側部で、反作用部5bの側壁に沿ってディスク中心方向へ延びる形状となっている。キャリパ支持腕3a,3aの先端部は、タイロッド3bにて連結されていて、制動トルクのかかる両支持腕3a,3aの剛性力を高めている。
各キャリパ支持腕3aには、上述のスライドピン4を収容するガイド孔3cが穿設され、また双方のキャリパ支持腕3a,3aには、ディスクロータ2のそれぞれの側部で互いに向き合う4つのパッドガイド溝3dが設けられている。各パッドガイド溝3dは、ディスク半径方向外側面3eとディスク半径方向内側面3fと両側面3e,3fを結ぶ対向面3gとを有するコ字状に形成されている。また、パッドガイド溝3d,3dのディスク半径方向外側には、前記ディスク半径方向外側面3eと平行方向の取付面3hを有するパッドリテーナ取付部3i,3iが設けられている。
各摩擦パッド6は、裏板6aの両側部に耳片6b,6bが突設され、また、裏板6aの一側面にはライニング6cが貼着されている。耳片6b,6bは、双方のディスク回転方向端面6d,6dを、ディスク半径方向外側の突出長さが、ディスク半径方向内側の突出長さよりも短くなる段付き形状に形成し、ディスク回入側と回出側のパッドガイド溝3d,3dに、それぞれパッドリテーナ10を介して支承される。
上記パッドリテーナ10は、ディスク回入側又はディスク回出側で、ディスクロータ両側のパッドガイド溝3d,3dに敷設される一対のリテーナ部10a,10aと、リテーナ部10a,10aの反ディスクロータ側に設けられた弾性ループ部10b,10bを介してディスクロータ側に延出したパッド戻し部10c,10cと、キャリパ支持腕3aのパッドリテーナ取付部3i,3iの取付面3h,3hに当接する取付片10d,10dと、ディスクロータ2の外縁を跨いで、取付片10d,10dの上部を繋ぐ連結片10eと、パッド戻し片10c,10cの先端部を延出して形成した摩耗検知部10f,10fとからなっている。
各リテーナ部10aは、摩擦パッド6の耳片6bを挟んでディスク半径方向の内外に向き合う内側片10g及び外側片10hと、これら両片10g,10hをパッドガイド溝3d,3dの奥部で繋ぐ奥側片10iとからなっている。
各弾性ループ部10bは、奥側片10iのディスク半径方向外側部分から、反ディスクロータ側に延出した細長片を、ディスクロータ側に円弧状に曲げ戻して形成され、パッド戻し部10cは、弾性ループ部10bの曲げ戻し端から、さらにディスクロータ方向へ延出させた前記細長片の先端部を反奥側片10i方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成され、摩耗検知部10fは、パッド戻し部10cの先端部から、さらに前記細長片をディスクロータ方向へ延出させて形成されている。前記パッド戻し部10cは、摩擦パッド6の耳片6bが、ライニング6cの新品時からフル摩耗するまでを移動する距離に足りる長さを有すると共に、パッド戻し部10cに連続する摩耗検知部10fは、ライニング6cが摩耗限界に達した際に、ディスクロータに摺接する長さを有している。
各外側片10hは、先端部をパッドリテーナ取付部3iの先端面に沿って曲げ戻し、パッドリテーナ取付部3iのディスク半径方向外側面方向へ延出させて前記取付片10dを弾性変形可能に形成し、外側に向かって弾性変形した状態の取付片10dと外側片10hとでパッドリテーナ取付部3iを挟持するようにしている。また、各内側片10gの反ディスクロータ側と外側片10hの反ディスクロータ側とには、差込みガイド片10kがそれぞれ外開きに設けられており、摩擦パッド6の耳片6bを容易に差し込めるようにしている。さらに、外側片10hに形成される差込みガイド片10kには、摩擦パッド6をキャリパ支持腕3aに仮組みした状態で、耳片6bの反ディスクロータ側に配置され、耳片6bがパッドガイド溝3dから脱落することを防止する脱落防止用突部10mがディスク半径方向内側に突出している。
各内側片10gは、先端側がディスク半径方向外側に向けて漸次傾斜して形成されると共に、先端部のディスクロータ側がディスク半径方向外側に向けて漸次傾斜して形成され、耳片6bをディスク半径方向外側と、反ディスクロータ側とに付勢する構造となっている。
このように形成されたパッドリテーナ10は、取付片10d,10dと外側片10h,10hとでパッドリテーナ取付部3iを挟持してキャリパ支持腕3aに取り付けられ、各リテーナ部10aの外側片10hと内側片10gとが、各パッドガイド溝3dのディスク半径方向外側面3eとディスク半径方向内側面3fとにそれぞれ当接させて敷設され、奥側片10iが対向面3gに当接させて敷設される。この取り付けにより、各弾性ループ部10bがキャリパ支持腕3aの反ディスクロータ側にそれぞれ配設されると共に、各パッド戻し部10cが、弾性ループ部10bよりディスクロータ方向に、漸次パッドガイド溝3dの反ディスクロータ側に向けて湾曲しながら傾斜してそれぞれ配設され、各摩耗検知部10f,10fが、パッド戻し部10cの先端部から、さらにディスクロータ方向に延出する。
各摩擦パッド6は、裏板6aの耳片6b,6bがディスク回入・回出側のパッドガイド溝3d,3dの反ディスクロータ側から、差込みガイド片10k,10kに形成した脱落防止用突部10m,10mを押し上げながらパッドガイド溝3d,3dにそれぞれ挿入される。耳片6b,6bがパッドガイド溝3d,3dの所定位置まで挿入されると、脱落防止用突部10m,10mが初期位置に復帰し、耳片6b,6bの反ディスクロータ側にそれぞれ配置される。
耳片6b,6bを上述のように対向するパッドガイド溝3d,3dに挿入した後の状態では、耳片6b,6bのディスク回転方向端面6d,6dがパッド戻し部10c,10cと当接し、該パッド戻し部10cを奥側片10i側へ押圧した状態となり、また、耳片6b,6bのディスク回転方向端面6d,6dのディスク半径方向外側と奥側片10iとの間には空間部Eが形成される。さらに、耳片6b,6bのディスク半径方向内側面6e,6eが内側片10g,10gをパッドガイド溝3d,3dのディスク半径方向内側面3f,3f側へ押圧した状態となる。
そして、このような初期状態で摩擦パッド6,6が新品である際には、図1の想像線に示すように、両パッド戻し部10c,10cは、空間部Eを通って空間部Eから裏板6aのディスクロータ側に突出し、充分に湾曲した状態で保持され、摩耗検知部10f,10fとディスクロータ2とは離間した状態となっている。
本形態例は上述のように形成されており、運転者の制動操作によって、昇圧した作動液が液圧室9に供給されると、ピストン8がシリンダ孔7を前進して、作用部5a側の摩擦パッド6を、矢印A方向に回転するディスクロータ2の一側面に押圧する。次にこの反力によって、キャリパボディ5がスライドピン4,4に案内されながら、作用部5a方向へ移動し、反力爪5eが反作用部5b側の摩擦パッド6を、ディスクロータ2の他側面へ押圧する。
このとき、各摩擦パッド6の耳片6b,6bは、ディスク半径方向外側面6f,6fがリテーナ部10a,10aの外側片10h,10hに案内され、耳片6b,6bのディスク半径方向内側面6e,6eが、内側片10g,10gをディスク半径方向内側面3f側に押し付けながら、パッドガイド溝3d,3d内を円滑に移動する。内側片10g,10gは、耳片6b,6bによって、ディスク半径方向内側面3f側に押し付けられながらも、内側片10g,10gの弾発力によって、耳片6b,6bのディスク半径方向外側面6f,6fを前記パッドガイド溝3d,3dのディスク半径方向外側面3e,3e側に押圧すると共に、耳片6b,6bを反ディスクロータ側に押圧する。
これにより、耳片6b,6bのディスク半径方向外側面6f,6fがパッドガイド溝3d,3dのディスク半径方向外側面3e,3eに常時押し付けられるため、制動時に耳片6b,6bがパッドガイド溝3d,3d内でガタつくことがなく、ガタつきによる各摩擦パッド6の打音を抑え、ブレーキ鳴きを有効に抑制することができる。
一方、上述の制動操作を解除して、ピストン8と反力爪5eとが制動開始前の位置へ後退すると、弾性ループ部10b,10bとパッド戻し部10c,10cの弾発力により、パッド戻し部10c,10cに当接している耳片6b,6bを反ディスクロータ側へ押圧し、各摩擦パッド6をディスクロータ2の側面から強制的に離間させる。これにより、各摩擦パッド6の引き摺りを防止し、ディスクロータ2の摩耗により発生するジャダの抑制や、ブレーキ鳴きの抑制を有効に図ることができる。
さらに、摩擦パッド6のライニング6cが摩耗してくると、摩擦パッド6は、徐々にディスクロータ2側へ進出し、耳片6b,6bが、パッド戻し部10c,10cの先端側に当接するため、弾性ループ部10b,10bからの弾発力は低下するものの、パッド戻し部10c,10cが、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成されていることから、この低下した弾発力を補うことができ、ライニング6cの摩耗状態に関わらず、摩擦パッド6を確実にディスクロータ2の側面から離間させ、摩擦パッドのガタつきを抑えることができる。また、このように摩擦パッド6は、ライニング6cが摩耗して、徐々にディスクロータ2側へ進出するのに伴って、ディスク回転方向端面6dがパッド戻し部10cを奥側片10i側に押圧する。これに伴って、摩耗検知部10f,10fの先端がディスクロータ2に徐々に近付き、ライニング6cが摩耗限界に達した際には、図1の実線に示されるように、摩耗検知部10f,10fとディスクロータ2とが摺接して摩耗検知音を発生させる。
このように、対向面3g,3g及び奥側片10i,10iと前記ディスク回転方向両端面6d,6dのディスク半径方向外側との間に空間部Eがそれぞれ形成されていることにより、パッド戻し部10c,10cと摩耗検知部10f,10fとを良好に作動させることができる。さらに、この構造により、制動時に各耳片6bのディスク回転方向端面6dのディスク半径方向外側は、パッドガイド溝3dの対向面3gと当接せず、各耳片6bのディスク回転方向端面6dのディスク半径方向内側のみがパッドガイド溝3dの対向面3gと当接して制動トルクを伝達することから、特に、負荷の小さいブレーキ操作を行う際に、ディスク回入側の摩擦パッドの浮き上がりを抑制することができ、ブレーキ鳴きの発生を抑制することができる。また、パッド戻し部10c,10cは、細長片を反奥側片10i方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成した簡単な構造で、摩耗検知部10fも、パッド戻し部10cの先端部から、さらに細長片をディスクロータ方向へ延出させただけの簡単な構造であることから、部品点数の減少とパッドリテーナの製造工程の減少とを図ることができ、製造コストを低減化させることができる。また、パッドリテーナ10の外側片10hに形成された差込みガイド片10kには、脱落防止用突部10mが設けられ、摩擦パッド6を仮組みした状態で脱落防止用突部10mが耳片6bの反ディスクロータ側に突出することから、仮組み状態の摩擦パッド6がパッドガイド溝3dから脱落することを防止し、組み付け性の向上を図ることができる。また、パッドリテーナ10は、組み付けられた状態で、弾性ループ部10bと内側片10gの先端部と差込みガイド片10kがキャリパボディ5から僅かに突出する程度で、パッド戻し部がキャリパボディ5から大きく突出することがないので、パッドリテーナ10が他の部材と接触して変形や破損する虞がない。
なお、本発明は上述の形態例のように、リテーナ部の奥側片にパッド戻し部を連続して形成するものに限らず、パッドガイド溝のディスク半径方向内側面に沿うように形成した内側片にパッド戻し部を連続して形成し、このパッド戻し部の先端に摩耗検知部を設けることもできる。また、連結片や取付片の形状や、差込みガイド片の形状及び形成箇所は任意である。さらに、摩擦パッドの耳片のディスク回転方向端面を段付き形状にしてパッドガイド溝の対向面との間に空間部を設けるもの限らず、耳片のディスク回転方向端面を平面状に形成し、パッドガイド溝の対向面を段付き形状にすると共に、パッドリテーナの奥側片も対向面に沿うように段付き形状にして、パッド戻し部が作動できる空間部を設けることもできる。また、内側片は、先端側がディスク半径方向外側に向けて漸次傾斜して形成されるだけで、ディスクロータ側に向けて漸次ディスク半径方向外側に傾斜させていなくてもよく、外側片の差込みガイド片に脱落防止用突部を設けていないものでもよい。
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…タイロッド、3c…ガイド孔、3d…パッドガイド溝、3e…ディスク半径方向外側面、3f…ディスク半径方向内側面、3g…対向面、3h…取付面、3i…パッドリテーナ取付部、4…スライドピン、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…反作用部、5c…ブリッジ部、5d…車体取付け腕、5e…反力爪、6…摩擦パッド、6a…裏板、6b…耳片、6c…ライニング、6d…ディスク回転方向端面、6e…ディスク半径方向内側面、6f…ディスク半径方向外側面、7…シリンダ孔、8…ピストン、9…液圧室、10…パッドリテーナ、10a…リテーナ部、10b…弾性ループ部、10c…パッド戻し部、10d…取付片、10e…連結片、10f…摩耗検知部、10g…内側片、10h…外側片、10i…奥側片、10k…差込みガイド片、10m…脱落防止用突起

Claims (1)

  1. 車体に固設されるキャリパブラケットに、ディスクロータの外縁をディスク軸方向に跨ぐ一対のキャリパ支持腕を延設し、該キャリパ支持腕に、ディスク半径方向外側面とディスク半径方向内側面と当該両側面を結ぶ対向面とを有するコ字状のパッドガイド溝を対向して設け、前記ディスクロータを挟んで配置される摩擦パッドの裏板両側部に耳片をそれぞれ突設し、該耳片を前記パッドガイド溝にパッドリテーナを介して支承し、前記パッドリテーナは、前記ディスクロータ両側のパッドガイド溝に敷設される一対のリテーナ部と、前記ディスクロータの外縁を跨いで、前記一対のリテーナ部を繋ぐ連結片と、前記摩擦パッドを反ディスクロータ方向に付勢するパッド戻し部とを備えた車両用ディスクブレーキにおいて、前記パッド戻し部は、リテーナ部の反ディスクロータ側から細長片をディスクロータ側に円弧状に曲げ戻して弾性ループ部を形成し、細長片の先端側をさらにディスクロータ方向へ延出し、先端部を反ディスクロータ側方向に向けて傾斜させると共に、延出方向に沿って湾曲状に反り返らせて形成され、前記パッド戻し部の先端部をディスクロータ側にさらに延出して、前記摩擦パッドのライニングが摩耗限界に達したときに前記ディスクロータと接触して摩耗検知音を発する摩耗検知部を形成すると共に、前記パッドガイド溝と前記耳片との間に、前記パッド戻し部と摩耗検知部の作動を許容する空間部を形成したことを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016050601A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 日信工業株式会社 車両用ディスクブレーキ

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