JP2010223009A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン11運転中に自動停止条件が成立するとエンジン11を自動停止させる自動停止制御を実行し且つエンジン11の自動停止後に再始動条件が成立するとエンジン11を自動再始動させる自動再始動制御を実行するアイドル制御手段42と、トルクコンバータ18の負荷TRQtcを演算する負荷演算手段43と、アイドル制御手段42によりエンジン11が自動再始動された際、トルクコンバータ負荷TRQtcに応じてエンジン11の出力を制御するエンジン制御手段44とを備えて構成する。
【選択図】図1
Description
また、以下の特許文献1においては、アイドルストップ制御によってエンジンを自動再始動させる際、車両に生じるショック(いわゆる始動ショック)を低減させ、且つ、エンジンの始動性を高めることを狙った技術が開示されている。
そして、この始動ショックを解消するための手法として、エンジンが自動再始動する場合には、一般的なエンジン始動時に比べ、燃料噴射量を低減させたり、或いは、点火時期を遅角させたりすることで、エンジントルクを低減させる手法が紹介されている(同文献の〔0005〕段落の記載参照)。
つまり、上記の特許文献1の技術では、エンジンの冷却水温が所定値よりも低い場合や、外気温が所定値よりも低い場合に、再始動中のエンジンのトルクを抑制するようにしているが、このような手法をトルクコンバータ付き自動変速機が搭載された車両に適用したとしても、エンジン始動性を確保しながら、乗員に違和感を与える事態を防ぐという課題を十分に解決することは現実問題として非常に難しいのである。
また、請求項4記載の本発明の車両の制御装置は、請求項1〜3いずれか1項の記載の内容において、前記エンジン制御手段は、前記自動停止再始動手段の該再始動制御の実行により前記エンジンが自動再始動された後少なくとも出力調整期間は前記トルクコンバータの負荷を上回るように前記エンジンの出力を制御することを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の車両の制御装置は、請求項4または5に記載の内容において、前記エンジン制御手段は、前記回転数検出手段により検出された前記エンジン回転数が目標回転数に達するまでの期間として設定された前記出力調整期間が経過するまで前記トルクコンバータの負荷を上回るように前記エンジンの出力を制御することを特徴としている。
また、時々刻々と変化するエンジン回転数に応じてエンジンの出力を制御することで、再始動したエンジンをよりきめ細やかに制御することが出来る。(請求項2)
また、温度によって変化する自動変速機の作動油の粘性を考慮してトルクコンバータの負荷を得ることで、より正確なエンジン制御を実現することが出来る。(請求項3)
また、自動再始動後のエンジンの回転数が適切に上昇しない事態、即ち、エンジン回転数の吹き上がり不良を抑制することが出来る。(請求項4)
また、自動再始動後のエンジンの回転数が過度に上昇する事態、即ち、エンジン回転数の過剰吹き上がりを抑制することが出来る。(請求項5)
また、エンジンの出力を調整する期間(即ち、出力調整期間)を所定の時間として設定することで、ドライバに違和感を与えることを抑制しながら、エンジン回転数の吹き上がり不良や過剰吹き上がりを抑制することが出来る。(請求項6)
また、エンジンの出力を調整する期間(即ち、出力調整期間)を、エンジン回転数が目標回転数に達するまでの期間として設定することで、ドライバに違和感を与えることを抑制しながら、エンジン回転数の吹き上がり不良や過剰吹き上がりを抑制することが出来る。(請求項7)
エンジン11は、ガソリンエンジンであって、このエンジン11によって生じた駆動力は、ATユニット12を介して車輪13に伝達されるようになっている。
また、このエンジン11には、エンジン回転数Neを検出する回転数センサ16が設けられている。なお、この回転数センサ16による検出結果Neも、ECU40により読み込まれるようになっている。
ATユニット12は、トルクコンバータ18および変速機構19を備えている。
トルクコンバータ18は、入力シャフト18Aがエンジン11のクランクシャフト11Aに接続され、出力シャフト18Bが変速機構19に接続されている。また、入力シャフト18Aの一端にはポンプインペラ21が設けられ、出力シャフト18Bの一端にはタービンランナ22が設けられている。そして、これらのポンプインペラ21とタービンランナ22との間には図示しないステータが設けられている。また、これらのポンプインペラ21とタービンランナ22とは図示しないATフルード(作動油)を介して接続されている。
このATユニット12には、ATフルードの温度Tfを検出する油温センサ23が設けられている。なお、この油温センサ23による検出結果Tfは、ECU40により読み込まれるようになっている。
また、車輪13の近傍には、車輪速センサ24が設けられている。この車輪速センサ24は、車輪13の回転速度Vwを検出するものであって、この検出結果VwはECU40によって読み込まれるようになっている。
キャリパ27はブレーキ油圧制御ユニット(ブレーキ装置)28から供給される油圧に応じてブレーキディスク13Aを挟んだり解放したりするようになっている。
また、この車両10のアクセルペダル31の近傍には、アクセルポジションセンサ32が設けられている。このアクセルポジションセンサ32は、ドライバによって踏込まれたアクセルペダル31の量(アクセルペダル踏み込み量)θaccを検出するものである。なお、このアクセルポジションセンサ32による検出結果は、ECU40により読み込まれるようになっている。
このECU40は、いずれも図示しないメモリおよびCPU(Central Processing Unit)を有する電子制御ユニットである。
また、このECU40のメモリには、いずれもソフトウェアとして、車速演算部41,アイドル制御部(自動停止再始動手段)42,トルクコンバータ負荷演算部(負荷演算手段)43およびエンジン制御部(エンジン制御手段)44が記録されている。さらに、このECU40のメモリには、容量係数マップ71も記録されている。
アイドル制御部42は、エンジン11に対する自動停止制御を実行したり、自動再始動制御を実行したりするものである。
ここで、自動停止制御とは、エンジン11の運転中に自動停止条件が成立するとエンジン11を自動停止させる制御である。一方、自動再始動制御とは、エンジン11の自動停止後に再始動条件が成立すると、エンジン11を再始動させる制御である。
条件(1): ストップランプスイッチ26がオンである
条件(2): 車速Vsがゼロである
条件(3): シフトレバーがドライブ(D)ポジションにある
また、アイドル制御部42は、以下の条件(4)が満たされれば、自動再始動条件が満たされたと判定するようになっている。
条件(4): ストップランプスイッチ26がオンからオフになる
トルクコンバータ負荷演算部43は、ATフルード温度Tfとエンジン回転数Neとに基づいて、エンジン11が自動再始動する場合におけるトルクコンバータ18の負荷トルク(トルクコンバータ負荷)TRQtcを演算するものである。具体的に、このトルクコンバータ負荷演算部43は、以下の式(A)を用いて、トルクコンバータ12の負荷トルクTRQtcを演算するようになっている。
ここで、Cはトルクコンバータの容量係数を示している。そして、トルクコンバータ負荷演算部43は、このトルクコンバータ容量係数Cを、油温センサ23によって検出されたATフルード温度Tfに基づいて得るようになっている。
この容量係数Cは、図2に示すように、速度比eに応じて変化する特性を有するとともに、ATフルード温度Tfに応じて変化する特性を有している。なお、速度比eとは、エンジン回転数Neに対するトルクコンバータ18のタービンランナ22の回転数Ntの比である。また、この図2中、鎖線Lc1で示すのはATフルード温度Tfが比較的低い場合における容量係数Cの特性線であり、実線Lc2で示すのはATフルード温度Tfが比較的高い場合における容量係数Cの特性線である。
そして、トルクコンバータ負荷演算部43は、エンジン11が自動再始動する際に油温センサ23によって検出されたATフルード温度Tfを、この容量係数マップ71に適用することで、容量係数Cを得るようになっている。
エンジン制御部44は、アイドル制御部42によりエンジン11が自動再始動された際、トルクコンバータ負荷演算部43により検出されたトルクコンバータ18の負荷トルクTRQtcと、回転数センサ16により検出されたエンジン回転数Neとをクランクシャフト11Aが180度回転する毎に読み込み、読み込んだエンジン回転数Neに応じてエンジン11の出力を制御するものである。
また、このエンジン制御部44は、回転数センサ16により検出されたエンジン回転数Neと、冷却水温度センサ17により検出された冷却水温度Twとを、ECU40のメモリに記録されているエンジンフリクションマップ(図示略)に適用することで、エンジン11の損失トルク(いわゆる、エンジンフリクション)TRQlossを演算するようになっている。
TRQeng ≦ TRQloss + TRQtc ・・・(B)
ここで、上式(B)が満たされる場合は、エンジン11がストールする可能性が高いため、エンジン制御部44は、以下の式(C)に示されるように、現在のエンジン燃焼トルクTRQengに対して第1補正トルクΔTRQ1を加えることで、目標とするエンジン11の出力トルク(目標エンジントルク)TRQtagを増大補正するようになっている。
その後、このエンジン制御部44は、回転数センサ16により検出されたエンジン回転数Neと、増大補正後の目標エンジントルクTRQtagとに基づいて、目標とするスロットルバルブ14の開度(目標スロットルバルブ開度)θTHtagを設定するようになっている。そして、エンジン制御部44は、スロットルバルブ開度θTHが、設定された目標スロットルバルブ開度θTHtagになるように、スロットルバルブ14を制御するようになっている。
ここで、上式(D)が満たされる場合、エンジン制御部44は、以下の式(E)に示されるように、現在のエンジン燃焼トルクTRQengから第2補正トルクΔTRQ2を差し引くことで、目標エンジントルクTRQtagを減少補正するようになっている。
TRQtag=TRQeng − ΔTRQ2 ・・・(E)
その後、このエンジン制御部44は、回転数センサ16により検出されたエンジン回転数Neと、減少補正後の目標エンジントルクTRQtagとに基づいて、目標スロットルバルブ開度θTHtagを設定し、且つ、設定された目標スロットルバルブ開度θTHtagになるように、スロットルバルブ14を制御するようになっている。
図4に示すように、まず、エンジン制御部44が、エンジン燃焼トルクTRQengの演算を行なう(ステップS11)。つまり、エンジン制御部44は、回転数センサ16により検出されたエンジン回転数Neと、インマニ圧センサ15により検出されたインマニ圧Pimとに基づいて、ECU40のメモリに記憶されているエンジン出力トルクマップ(図示略)に適用することで、エンジン11の燃焼トルクTRQengを得る。
そして、エンジン制御部44は、ステップS11で得られたエンジン燃焼トルクTRQengが、ステップS12で得られたエンジンフリクションTRQlossと、ステップS13で得られたトルクコンバータ負荷トルクTRQtcとの合計値以下であるか否か、即ち、上記の式(B)が満たされるか否かを判定する(ステップS14)。
ここで、エンジン制御部44が、エンジン11の回転速度が所定のアイドル目標回転数以上であると判定した場合には、エンジン燃焼トルクTRQengが、ステップS12で得られたエンジンフリクションTRQlossと、ステップS13で得られたトルクコンバータ負荷トルクTRQtcとの合計値を上回っているか否かを改めて判定する(ステップS17)。
このため、エンジン制御部44は、上記の式(E)に示すように、現在のエンジン燃焼トルクTRQengから第2補正トルクΔTRQ2を差し引くことで、目標エンジントルクTRQtagを減少補正する(ステップS18)。なお、このステップS17における目標エンジントルクTRQtagの減少補正は、少なくとも出力調整期間TPC(例えば、5[sec])継続されるようになっている。
また、クランクシャフト11Aが180度回転する毎に読み込まれたエンジン回転数Neに応じてエンジン11の出力を制御するようになっているので、エンジン回転数Neが時々刻々と変化しても、自動再始動後のエンジン11をよりきめ細やかに制御することが出来る。
また、エンジン燃焼トルクTRQengが、エンジンフリクションTRQlossとトルクコンバータ負荷トルクTRQtcとの合計値以下である場合、少なくとも出力調整期間TPC(例えば、5[sec])は、エンジンフリクションTRQlossとトルクコンバータ負荷トルクTRQtc合計値よりもエンジン燃焼トルクTRQengが大きくなるように、エンジン11の出力を制御するようになっている。これにより、自動再始動後、エンジン回転数Neが適切に上昇しない事態、即ち、エンジン回転数Neの吹き上がり不良が生じる事態を防ぐことが出来る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
また、エンジンがディーゼルエンジンである場合には、スロットルバルブ開度θTHの制御に代えて、燃料噴射量を制御するようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、変速機構が遊星歯車機構である場合を例にとって説明したが、これに限定するものではない。例えば、遊星歯車機構に代えて、CVT(Continuously Variable Transmission)機構を用いるようにしても良い。
条件(9): 車速Vsがゼロである
条件(10): シフトレバーがパーキング(P)またはニュートラル(N)ポジションにある
また、上述の実施形態においては、アイドル制御部42が、上記の条件(4)および(5)が満たされれば、自動再始動条件が満たされたと判定するようになっている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記の条件(9)および(10)が満たされたことにより、エンジン1が自動停止した場合には、以下の条件(11)および(12)が満たされると、自動再始動条件が満たされたと判定されるようにしても良い。
条件(11): ストップランプスイッチがオン
条件(12): シフトレバーがドライブ(D),リバース(R),セカンド(2nd)またはファースト(1st)ポジションに変更された
また、上述の実施形態では、図4のステップS14で示す判定と、ステップS17で示す判定とを両方実行する場合について説明したが、これに限定するものではなく、ステップS17における判定をスキップするようにしても良い。
12 ATユニット(自動変速機)
16 回転数センサ(回転数検出手段)
18 トルクコンバータ
23 油温センサ(油温検出手段)
42 アイドル制御部(自動停止再始動手段)
43 トルクコンバータ負荷演算部(負荷演算手段)
44 エンジン制御部(エンジン制御手段)
Ne エンジン回転数
TRQtc トルクコンバータ負荷
Tf ATフルード温度(自動変速機の作動油温)
TPC 出力調整期間
Claims (7)
- エンジンとトルクコンバータ付き自動変速機とが搭載された車両の制御装置であって、
前記エンジンの運転中に自動停止条件が成立すると前記エンジンを自動停止させる自動停止制御を実行し且つ前記エンジンの自動停止後に再始動条件が成立すると前記エンジンを自動再始動させる自動再始動制御を実行する自動停止再始動手段と、
前記トルクコンバータの負荷を演算する負荷演算手段と、
前記自動停止再始動手段により前記エンジンが自動再始動された際、前記負荷演算手段により検出された前記トルクコンバータ負荷に応じて前記エンジンの出力を制御するエンジン制御手段とを備える
ことを特徴とする、車両の制御装置。 - 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を備え、
前記エンジン制御手段は、
前記負荷演算手段により演算された前記トルクコンバータ負荷に加え、所定期間ごとに前記回転数検出手段により検出された前記エンジン回転数に応じて前記エンジンの出力を制御する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の制御装置。 - 前記自動変速機の作動油温を検出する油温検出手段を備え、
前記負荷演算手段は、
前記油温検出手段により検出された前記作動油温に基づき前記トルクコンバータ負荷を検出する
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の制御装置。 - 前記エンジン制御手段は、
前記自動停止再始動手段の該再始動制御の実行により前記エンジンが自動再始動された後少なくとも出力調整期間は前記トルクコンバータの負荷を上回るように前記エンジンの出力を制御する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記エンジン制御手段は、
前記回転数検出手段により検出された前記エンジン回転数が目標回転数より高く且つ前記負荷演算手段により検出された前記トルクコンバータ負荷がエンジン燃焼トルクを下回っている場合に、前記自動停止再始動手段の該再始動制御の実行により前記エンジンが自動再始動された後少なくとも出力調整期間は前記エンジンの出力を制限する
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記エンジン制御手段は、
所定の時間として設定された前記出力調整期間が経過するまで前記トルクコンバータの負荷を上回るように前記エンジンの出力を制御する
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の車両の制御装置。 - 前記エンジン制御手段は、
前記回転数検出手段により検出された前記エンジン回転数が目標回転数に達するまでの期間として設定された前記出力調整期間が経過するまで前記トルクコンバータの負荷を上回るように前記エンジンの出力を制御する
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の車両の制御装置。
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