JP2010202166A - パワートレーンの制御装置 - Google Patents

パワートレーンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010202166A
JP2010202166A JP2009053169A JP2009053169A JP2010202166A JP 2010202166 A JP2010202166 A JP 2010202166A JP 2009053169 A JP2009053169 A JP 2009053169A JP 2009053169 A JP2009053169 A JP 2009053169A JP 2010202166 A JP2010202166 A JP 2010202166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
inertia phase
automatic transmission
engine
threshold value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009053169A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Otsuki
浩之 大槻
Atsushi Ayabe
篤志 綾部
Tomohiro Asami
友弘 浅見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009053169A priority Critical patent/JP2010202166A/ja
Publication of JP2010202166A publication Critical patent/JP2010202166A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】制御上の目標値までトルクを減少できないことによる悪影響を低減する。
【解決手段】イナーシャ相におけるトルクダウン量がトルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さいか否かは、イナーシャ相が開始する前に判断される。トルクダウン量がしきい値よりも小さい場合、点火時期を遅角することによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少される。トルクダウン量がしきい値以上である場合、スロットル開度を小さくすることによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少される。あるいは、トルクダウン量がしきい値以上である場合、小さい場合に比べて、オートマチックトランスミッションの摩擦係合要素の係合力が増大される。
【選択図】図14

Description

本発明は、パワートレーンの制御装置に関し、特に、係合する摩擦係合要素の組合せを変更することにより変速する自動変速機と、自動変速機の変速中に、イナーシャ相においてトルクが減少するように制御される内燃機関とが設けられたパワートレーンを制御する技術に関する。
従来より、複数の摩擦係合要素のうちの係合される摩擦係合要素の組合せを変更することにより変速する自動変速機が知られている。自動変速機の変速は、トルク相およびイナーシャ相を経て完了する。イナーシャ相においては、ショックを小さくするなどの目的のために、自動変速機に連結されたエンジンの出力トルクが低減される。たとえば、点火時期を遅角することによりエンジンのトルクダウンが行われ得る。
ところが、点火時期を遅角量が過剰になると失火が起こり得る。したがって、失火を防ぐために点火時期の遅角量は、失火が起こらない範囲内に制限される。失火が起こらない範囲で点火時期を遅角しても要求されたトルクダウン量を実現できない場合には、点火時期の遅角とは異なる方法によりエンジンのトルクダウンが実現される。
特開平5−164225号公報(特許文献1)は、点火時期の遅角量が限界値になったら、フューエルカットを実行してエンジンのトルクダウンを実現することを開示する。
特開平5−164225号公報
しかしながら、実際に点火時期の遅角量が限界値に達してから点火時期の遅角以外の方法によりトルクダウンを実行した場合には、好ましい時期よりも遅れてトルクが減少され得る。そのため、所望の値までエンジントルクが減少されない期間が生じ得る。したがって、自動変速機に入力されるトルクが制御上の目標値よりも大きくなり、自動変速機の耐久性などに悪影響を与え得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、制御上の目標値までトルクを減少できないことによる悪影響を低減することができるパワートレーンの制御装置を提供することである。
第1の発明に係るパワートレーンの制御装置は、係合する摩擦係合要素の組合せを変更することにより変速する自動変速機と、自動変速機の変速中に、イナーシャ相において出力トルクが減少するように制御される内燃機関とが設けられたパワートレーンの制御装置である。制御装置は、内燃機関から出力されるトルクおよび自動変速機に入力されるトルクのうちのいずれか一方のトルクのイナーシャ相における減少量の目標値を、自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に設定するための手段と、目標値がしきい値よりも小さいか大きいかを、自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に判断するための手段と、目標値がしきい値よりも小さい場合、目標値に応じて内燃機関の点火時期をイナーシャ相中に遅角するための手段と、目標値がしきい値よりも大きい場合、目標値がしきい値よりも小さい場合とは異なる態様でパワートレーンをイナーシャ相中に制御するための制御手段とを備える。
この構成によると、イナーシャ相におけるトルクの減少量(トルクダウン量)の目標値がしきい値よりも小さい場合、失火しない範囲で点火時期を遅角すれば、目標値だけトルクを減少させることができると考えられる。したがって、目標値がしきい値よりも小さい場合、目標値に応じて内燃機関の点火時期がイナーシャ相中に遅角される。これにより、速やかに所望の値までトルクを減少することができる。一方、目標値がしきい値よりも大きい場合、失火が起こらない範囲で点火時期を遅角しても目標値だけトルクを減少させることができないと考えられる。この場合、目標値がしきい値よりも小さい場合とは異なる態様でパワートレーンがイナーシャ相中に制御される。たとえば、吸入空気量を減少することによって、目標値だけトルクが減少されたりし得る。また、変速に要する時間を短縮するために自動変速機の摩擦係合要素の変速中の係合力を高くすることによって、トルクが制御上の目標値よりも過剰になる期間が短くされる。イナーシャ相におけるトルクの減少量の目標値がしきい値よりも小さいか大きいかは、イナーシャ相が開始する前に判断される。そのため、トルクの減少量の目標値がしきい値よりも大きい場合に好適な態様でパワートレーンを制御するか否かを、イナーシャ相が開始する前に決定することができる。よって、イナーシャ相が開始した時点で、トルクの減少量の目標値がしきい値よりも大きい場合に好適な制御を速やかに実行することができる。その結果、制御上の目標値までトルクを減少できないことによる悪影響を低減することができるパワートレーンの制御装置を提供することができる。
第2の発明に係るパワートレーンの制御装置においては、第1の構成に加え、内燃機関には、吸入空気量を調整する調整機構が設けられる。制御手段は、目標値がしきい値よりも大きい場合、目標値がしきい値よりも小さい場合に比べて、内燃機関の吸入空気量が減少するように調整機構を制御するための手段を含む。
この構成によると、吸入空気量を減少することによって、点火時期の遅角量を失火しない範囲に制限しつつ、目標値だけトルクを減少することができる。
第3の発明に係るパワートレーンの制御装置においては、第1の構成に加え、制御手段は、目標値がしきい値よりも大きい場合、目標値がしきい値よりも小さい場合に比べて、摩擦係合要素の変速中の係合力が大きくなるように制御するための増大手段とを含む。
この構成によると、自動変速機の摩擦係合要素の変速中の係合力を高くすることによって、変速に要する時間を短縮することができる。そのため、変速中においてトルクが好適になるように定められた制御上の目標値よりも大きいトルクによって摩擦係合要素に悪影響を及ぼし得る期間を短くすることができる。
第4の発明に係るパワートレーンの制御装置においては、第3の構成に加え、増大手段は、目標値としきい値との差が大きいほど、摩擦係合要素の変速中の係合力がより大きくなるように制御するための手段を有する。
この構成によると、実現されない減少量が大きいほど、より変速時間が短縮される。これにより、制御上の目標値よりも大きいトルクによって摩擦係合要素に悪影響を及ぼし得る可能性が高いほど、変速に要する時間をより短くすることができる。
第5の発明に係るパワートレーンの制御装置においては、第1〜4のいずれかの構成に加え、イナーシャ相が開始するときの内燃機関の出力軸回転数および吸入空気量を、自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に予測するための手段と、イナーシャ相が開始するときの内燃機関の出力軸回転数の予測値および吸入空気量の予測値から、しきい値を、自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に算出するための手段とをさらに備える。
この構成によると、失火しない点火時期の遅角量の範囲は、内燃機関の出力軸回転数および吸入空気量に依存することを考慮して、内燃機関の出力軸回転数の予想値および吸入空気量の予測値から、しきい値が算出される。これにより、失火しない点火時期の遅角量の範囲を示すしきい値を精度よく算出することができる。
車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションのプラネタリギヤユニットを示すスケルトン図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションの油圧回路を示す図である。 第1の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 エンジン回転数NEおよびトルク要求量を示す図である。 変速線図を示す図である。 エンジン回転数NE、トルク要求量、係合油圧および解放油圧を示す図である。 エンジン回転数NE、トルク要求量および点火時期を制御することにより実現されるトルク要求量を示す図である。 エンジン回転数NE、トルク要求量、点火時期を制御することにより実現されるトルク要求量およびスロットル開度を制御することにより実現されるトルク要求量を示す図である。 第1の実施の形態においてエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第1の実施の形態においてECT−ECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 エンジン回転数NE、トルク要求量、吸入空気量の予想値およびトルクダウン量の限界値を示すしきい値(失火ガード値)を示す図である。 トルク要求量、点火時期を制御することにより実現されるトルク要求量、スロットル開度を制御することにより実現されるトルク要求量および実際に実現されるトルクを示す図である。 第2の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 トルク要求量および係合油圧を示す図である。 第2の実施の形態においてECT−ECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、第1の実施の形態におけるパワートレーン100について説明する。パワートレーン100が設けられた車両は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、FR以外の車両であってもよい。
パワートレーン100は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ2100と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、プロペラシャフト5000と、デファレンシャルギヤ6000とを含む。このパワートレーン100は、ECU(Electronic Control Unit)8000により制御される。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気にイグニッションプラグ1002で着火して、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。エンジン1000の駆動力により、オルタネータおよびエアコンディショナーなどの補機1004が駆動される。なお、エンジン1000の代わりにもしくは加えて、動力源にモータを用いるようにしてもよい。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ2100を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変える。
オートマチックトランスミッション2000から出力された駆動力は、プロペラシャフト5000およびデファレンシャルギヤ6000を介して、左右の後輪7000に伝達される。
ECU8000には、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、ブレーキペダル8012の踏力センサ8014と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024と、油温センサ8026と、エアフローメータ8028とがハーネスなどを介して接続されている。
シフトレバー8004の位置(ポジション)は、ポジションスイッチ8006により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。踏力センサ8014は、ブレーキペダル8012の踏力(運転者がブレーキペダル8012を踏む力)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量(エンジン1000の出力)が調整される。
なお、電子スロットルバルブ8016の代わりにもしくは加えて、吸気バルブ(図示せず)や排気バルブ(図示せず)のリフト量や開閉する位相を変更することにより、エンジン1000に吸入される空気量を調整するようにしてもよい。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NI(トルクコンバータ2100のタービン回転数NT)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
油温センサ8026は、オートマチックトランスミッション2000の作動や潤滑に用いられるオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の温度(油温)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
エアフローメータ8028は、エンジン1000の吸入空気量を検出し、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、踏力センサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024、油温センサ8026、エアフローメータ8028などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポ
ジションであることにより、オートマチックトランスミッション2000のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は後輪7000に駆動力を伝達し得る。なおDレンジにおいて、8速ギヤ段よりも高速のギヤ段を形成可能であるようにしてもよい。形成するギヤ段は、車速とアクセル開度とをパラメータとして実験等により予め作成された変速線図に基づいて決定される。
図1に示すように、ECU8000は、エンジン1000を制御するエンジンECU8100と、オートマチックトランスミッション2000を制御するECT(Electronic Controlled Transmission)−ECU8200とを含む。
エンジンECU8100とECT−ECU8200とは、互いに信号を送受信可能であるように構成される。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸2102を有するトルクコンバータ2100に接続されている。
プラネタリギヤユニット3000は、フロントプラネタリ3100と、リアプラネタリ3200と、C1クラッチ3301と、C2クラッチ3302と、C3クラッチ3303と、C4クラッチ3304と、B1ブレーキ3311と、B2ブレーキ3312と、ワンウェイクラッチ(F)3320とを含む。
フロントプラネタリ3100は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構である。フロントプラネタリ3100は、第1サンギヤ(S1)3102と、1対の第1ピニオンギヤ(P1)3104と、キャリア(CA)3106と、リングギヤ(R)3108とを含む。
第1ピニオンギヤ(P1)3104は、第1サンギヤ(S1)3102および第1リングギヤ(R)3108と噛合っている。第1キャリア(CA)3106は、第1ピニオンギヤ(P1)3104が公転および自転可能であるように支持している。
第1サンギヤ(S1)3102は、回転不能であるようにギヤケース3400に固定される。第1キャリア(CA)3106は、プラネタリギヤユニット3000の入力軸3002に連結される。
リアプラネタリ3200は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。リアプラネタリ3200は、第2サンギヤ(S2)3202と、第2ピニオンギヤ(P2)3204と、リアキャリア(RCA)3206と、リアリングギヤ(RR)3208と、第3サンギヤ(S3)3210と、第3ピニオンギヤ(P3)3212とを含む。
第2ピニオンギヤ(P2)3204は、第2サンギヤ(S2)3202、リアリングギヤ(RR)3208および第3ピニオンギヤ(P3)3212と噛合っている。第3ピニオンギヤ(P3)3212は、第2ピニオンギヤ(P2)3204に加えて、第3サンギヤ(S3)3210と噛合っている。
リアキャリア(RCA)3206は、第2ピニオンギヤ(P2)3204および第3ピニオンギヤ(P3)3212が公転および自転可能であるように支持している。リアキャリア(RCA)3206は、ワンウェイクラッチ(F)3320に連結される。リアキャリア(RCA)3206は、1速ギヤ段の駆動時(エンジン1000から出力された駆動力を用いた走行時)に回転不能となる。リアリングギヤ(RR)3208は、プラネタリギヤユニット3000の出力軸3004に連結される。
ワンウェイクラッチ(F)3320は、B2ブレーキ3312と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチ(F)3320のアウターレースはギヤケース3400に固定され、インナーレースはリアキャリア(RCA)3206に連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、前進1速〜8速のギヤ段と、後進1速および2速のギヤ段が形成される。
図3の作動表から明らかなように、たとえば前進3速ギヤ段から前進4速ギヤ段へアップシフトする際、C3クラッチ3303が係合状態から解放状態にされるとともに、C4クラッチ3304が解放状態から係合状態にされる。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイド(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイド(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイド(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイド(以下、SL(4)と記載する)4240と、SL5リニアソレノイド(以下、SL(5)と記載する)4250と、SLTリニアソレノイド(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、C1クラッチ3301、C2クラッチ3302およびC3クラッチ3303に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3312に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3301に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3302に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、C3クラッチ3303に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、C4クラッチ3304に供給される油圧を調圧する。SL(5)4250は、B1ブレーキ3311に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検出されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、SL(5)4250およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3312に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、Rレンジ圧が供給される。
図5を参照して、ECU8000についてさらに説明する。なお、以下に説明するECU8000の機能は、ハードウエアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。
ECU8000のエンジンECU8100は、トルク制御部8110と、しきい値算出部8120とを含む。トルク制御部8110は、ECT−ECU8200から要求されるトルクに対応したトルクがエンジン1000から出力されるように、イグニッションプラグ1002による点火時期および電子スロットルバルブ8016のスロットル開度などを制御する。
また、トルク制御部8110は、オートマチックトランスミッション2000の変速中に、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを低減するために、ECT−ECU8200からエンジン1000の出力トルク(エンジントルク)を低減するように要求された場合には、点火時期を遅角したり、スロットル開度を小さくしたりすることにより出力トルクが低下するように制御する。
点火時期を遅角するか、スロットル開度を小さくするかは、ECT−ECU8200からの要求(指令)に従って決定される。
しきい値算出部8120は、エンジン1000の失火を起こさずに点火時期を遅角することができるトルクダウン量の限界値(失火ガード値)を示すしきい値を、オートマチックトランスミッション2000の変速中にイナーシャ相が開始する前に算出する。
たとえば、エンジン回転数NEおよび吸入空気量をパラメータとして予め定められたマップに従って、トルクダウン量の限界値を示すしきい値が算出される。なお、トルクダウン量の限界値を算出する方法はこれに限らない。
本実施の形態においては、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値を用いて、トルクダウン量の限界値を示すしきい値が算出される。
イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値は、イナーシャ相が開始する前に、ECT−ECU8200により算出される。イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値の算出方法は、後で説明する。
ECU8000のECT−ECU8200は、トルク要求部8210と、変速制御部8220と、油圧制御部8230と、判断部8240と、遅角部8250と、制御態様変更部8252と、予想部8260とを含む。
トルク要求部8210は、アクセル開度などに基づいて、エンジン1000の出力トルクの目標値、言い換えると、オートマチックトランスミッション2000がエンジン1000に対して要求するトルク要求量を設定する。
また、トルク要求部8210は、オートマチックトランスミッション2000の変速(たとえばアップシフト)中のイナーシャ相における、エンジン1000のトルクダウン量を、イナーシャ相が開始する前に設定する。トルクダウン量は、出力トルクの減少量の目標値を表わす。たとえば、図6に示すように、イナーシャ相が開始するとトルクダウン量だけトルク要求量が減少される。
なお、エンジン1000の出力トルクの目標値をトルク要求量として算出する代わりに、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクの目標値をトルク要求量として算出するようにしてもよい。
図5に戻って、変速制御部8220は、車速およびアクセル開度をパラメータとした変速線図にしたがって、アップシフトまたはダウンシフトを行なう。図7に示すように、変速線図においては、変速の種類(変速前のギヤ段と変速後のギヤ段の組合わせ)毎にアップシフト線およびダウンシフト線が設定される。
図5に戻って、油圧制御部8230は、摩擦係合要素(クラッチ3301〜3304およびブレーキ3311〜3312)に供給する油圧を制御する。図8に示すように、時間T1においてECT−ECU8200から変速指令が出力されると(変速が開始されると)、アップシフトにより係合状態から解放状態にされる摩擦係合要素に供給される油圧(以下、解放油圧とも記載する)が低下される。その後、アップシフトにより解放状態から係合状態にされる摩擦係合要素に供給される油圧(以下、係合油圧とも記載する)が増大される。
図5に戻って、判断部8240は、設定されたトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい(少ない)か、大きい(多い)かを、オートマチックトランスミッション2000が変速中にイナーシャ相が開始する前に判断する。
遅角部8250は、設定されたトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい場合、図9に示すように、点火時期を制御することにより実現されるトルク要求量がイナーシャ相において小さくなるように要求(指令)する。すなわち、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することよって、エンジントルクをイナーシャ相中に減少することが要求される。したがって、イナーシャ相において点火時期を遅角するようにエンジン1000が制御される。
制御態様変更部8252は、設定されたトルクダウン量がトルクダウン量の限界値を示すしきい値以上である場合、トルクダウン量がしきい値より小さい場合とは異なる態様でエンジン1000を制御するように要求する。すなわち、設定されたトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい場合と大きい場合とで異なる態様で、パワートレーン100がイナーシャ相中に制御される。
設定されたトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも大きい場合、図10に示すように、点火時期を制御することにより実現されるトルク要求量がイナーシャ相において小さくなるように要求されることに加えて、スロットル開度を制御することにより実現されるトルク要求量がイナーシャ相において小さくなるように要求される。すなわち、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することに加えてスロットル開度を小さくすることによって、エンジントルクをイナーシャ相中に減少することが要求(指令)される。したがって、イナーシャ相において点火時期が遅角されるとともに、スロットル開度が小さくなるようにエンジン1000の電子スロットルバルブ8016が制御される。なお、点火時期を遅角することに代えて(点火時期を遅角せずに)、スロットル開度を小さくすることによりエンジン1000のトルクダウンを行なうようにしてもよい。
図5に戻って、予想部8260は、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値を算出する。たとえば、エンジン回転数NEの変化率に、変速を開始してからイナーシャ相が開始するまでの時間を乗じてエンジン回転数NEの変化量を算出し、算出された変化量をエンジン回転数NEの実測値に加えることによって、エンジン回転数NEの予想値が算出される。
同様に、吸入空気量の変化率に、変速を開始してからイナーシャ相が開始するまでの時間を乗じて吸入空気量の変化量を算出し、算出された変化量を吸入空気量の実測値に加えることによって、吸入空気量の予想値が算出される。
変速を開始してからイナーシャ相が開始するまでの時間は、実験およびシミュレーションなどの結果に基づいて、エンジン回転数NEおよび変速の種類(変速前後のギヤ段の組合せ)をパラメータとしたマップとして予め作成される。
なお、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値を算出する方法はこれらに限らない。
図11を参照して、オートマチックトランスミッション2000の変速(たとえばアップシフト)中にエンジンECU8100が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU8100は、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値を、ECT−ECU8200から受信する。
S102にて、エンジンECU8100は、エンジン1000の失火を起こさずに点火時期を遅角することができるトルクダウン量の限界値を示すしきい値(失火ガード値)を、オートマチックトランスミッション2000の変速中にイナーシャ相が開始する前に算出する。
S104にて、エンジンECU8100は、トルクダウン量の限界値を示すしきい値を、ECT−ECU8200に送信する。
S106にて、エンジンECU8100は、ECT−ECU8200から要求されるトルク要求量に対応したトルクがエンジン1000から出力されるように、イグニッションプラグ1002による点火時期および電子スロットルバルブ8016のスロットル開度などを制御する。
図12を参照して、ECT−ECU8200が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、ECT−ECU8200は、変速(たとえばアップシフト)するか否かを変速線図に基づいて判断する。変速すると判断されると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理はS200に戻される。
S202にて、ECT−ECU8200は、変速するように解放油圧および係合油圧を制御する。
S204にて、ECT−ECU8200は、オートマチックトランスミッション2000の変速中のイナーシャ相における、エンジン1000のトルクダウン量を、イナーシャ相が開始する前に設定する。
S206にて、ECT−ECU8200は、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値を、イナーシャ相が開始する前に算出する。
S208にて、ECT−ECU8200は、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値をエンジンECU8100に送信する。
S210にて、ECT−ECU8200は、トルクダウン量の限界値を示すしきい値を、エンジンECU8100から受信する。
S212にて、ECT−ECU8200は、トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい(少ない)か否かを、オートマチックトランスミッション2000が変速中にイナーシャ相が開始する前に判断する。
トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい場合(S212にてYES)、処理はS220に移される。トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値以上である場合(S212にてNO)、処理はS230に移される。
S220にて、ECT−ECU8200は、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少するようにエンジンECU8100に対して要求(指令)する。
S230にて、ECT−ECU8200は、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することに加えてスロットル開度を小さくすることによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少するようにエンジンECU8100に対して要求(指令)する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、オートマチックトランスミッション2000の変速中の制御態様について説明する。
変速すると判断されると(S200にてYES)、変速するように解放油圧および係合油圧が制御される(S202)。本実施の形態においては、アップシフトすると判断されたと想定する。
図13に示すように、イナーシャ相が開始する前の時間T2において、イナーシャ相におけるエンジン1000のトルクダウン量が設定される(S204)。さらに、イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値が算出される(S206)。
イナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値は、エンジンECU8100に送信(公開)される(S208)。
エンジンECU8100がイナーシャ相が開始するときのエンジン回転数NEの予想値ならびに吸入空気量の予想値をECT−ECU8200から受信すると(S100)、エンジン1000の失火を起こさずに点火時期を遅角することができるトルクダウン量の限界値を示すしきい値が、オートマチックトランスミッション2000の変速中にイナーシャ相が開始する前に算出される(S102)。
トルクダウン量の限界値を示すしきい値は、ECT−ECU8200に送信(公開)される(S104)。
ECT−ECU8200が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値をエンジンECU8100から受信すると(S210)、トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さいか否かが、オートマチックトランスミッション2000の変速中にイナーシャ相が開始する前に判断される(S212)。
トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい場合(S212にてYES)、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少するようにエンジンECU8100に対して要求がなされる(S220)。
この場合、ECT−ECU8200から要求されるトルクダウン量だけイナーシャ相中にエンジントルクが減少するように、イグニッションプラグ1002による点火時期が遅角される(S106)。これにより、応答性よくエンジントルクを減少することができる。
一方、図14に示すように、トルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値以上である場合(S212にてNO)、要求されたトルクダウン量だけエンジントルクが減少するように点火時期を遅角すると、エンジン1000の失火が起こりうる。この場合、失火を防止するために、点火時期の遅角量は、トルクダウン量の限界値に制限される。
そこで、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することに加えてスロットル開度を小さくすることによって、エンジントルクがイナーシャ相において減少するように、エンジンECU8100に対して要求がなされる(S230)。
この場合、ECT−ECU8200から要求されるトルクダウン量だけイナーシャ相中にエンジントルクが減少するように、イグニッションプラグ1002による点火時期が遅角されるともに、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度が小さくされる(S106)。
これにより、図14において実線で示すように、点火時期の遅角では不足したエンジントルクの減少量を、スロットル開度を小さくすることにより補うことができる。そのため、失火を起こさずに、要求通りにエンジントルクを減少することができる。
トルクダウン量がトルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さいか否かは、イナーシャ相が開始する前に判断されるので、イナーシャ相におけるエンジン1000の制御態様を、イナーシャ相が開始する前に決定することができる。そのため、イナーシャ相が開始した時点で、スロットル開度が小さくなるように制御を速やかに開始することができる。その結果、制御上の目標値までトルクを減少できないことによる悪影響を低減することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、イナーシャ相におけるトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値以上である場合に点火時期を遅角することに加えてスロットル開度を小さくする代わりに、オートマチックトランスミッション2000の摩擦係合要素に供給される油圧を増大する点で、前述の第1の実施の形態と相違する。その他の構造は、前述の第1の実施の形態を同じである。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰返さない。
図15を参照して、本実施の形態におけるECU8000について説明する。なお、以下に説明するECU8000の機能は、ハードウエアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。また、前述の第1の実施の形態と同じ構成については、同じ番号を付してある。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰返さない。
本実施の形態の遅角部8270は、設定されたトルクダウン量が、トルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さいか大きいかにかかわらず、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することよって、エンジントルクをイナーシャ相中に減少することを要求(指令)する。すなわち、イナーシャ相中のエンジン1000のトルクダウンが要求された際には、トルクダウン量がしきい値よりも小さい場合であっても大きい場合であっても、イナーシャ相において、エンジン1000の失火が起こらない範囲で点火時期が遅角される。
制御態様変更部8272は、設定されたトルクダウン量がトルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも大きい場合、図16において実線で示すように、トルクダウン量がしきい値よりも小さい場合に比べてオートマチックトランスミッション2000の摩擦係合要素に供給される油圧を増大し、係合力を増大する。たとえば、イナーシャ相以後の係合油圧が、トルクダウン量としきい値との差に応じて増大される。トルクダウン量としきい値との差が大きいほど、係合油圧がより増大される。すなわち、トルクダウン量としきい値との差が大きいほど、アップシフトによって解放状態から係合状態にされる摩擦係合要素のイナーシャ相以後の係合力が増大される。
トルクダウン量としきい値との差は変速中に常時監視される。したがって、トルクダウン量としきい値との差が変速中に変化した場合、摩擦係合要路の係合力はトルクダウン量としきい値との差に応じて変更される。
図17を参照して、本実施の形態においてECT−ECU8200が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、前述の第1の実施の形態におけるプログラムと同じ処理には、同じステップ番号を付してある。エンジンECU8100は、前述の第1の実施の形態と同じプログラムを実行する。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰返さない。
S232にて、ECT−ECU8200は、イグニッションプラグ1002による点火時期を遅角することによって、エンジントルクがトルクダウン量の限界値だけイナーシャ相において減少するようにエンジンECU8100に対して要求(指令)する。
S234にて、ECT−ECU8200は、トルクダウン量がトルクダウン量の限界値を示すしきい値よりも小さい場合に比べて、オートマチックトランスミッション2000の摩擦係合要素に供給される油圧を増大し、係合力を増大する。
このようにすれば、変速(アップシフト)に要する時間を短縮することができる。そのため、変速中においてトルクが好適になるように定められた制御上の目標値よりも大きいトルクによって摩擦係合要素に悪影響を及ぼし得る期間を短くすることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1000 エンジン、1002 イグニッションプラグ、2000 オートマチックトランスミッション、2100 トルクコンバータ、3000 プラネタリギヤユニット、3301 C1クラッチ、3302 C2クラッチ、3303 C3クラッチ、3304 C4クラッチ、3311 B1ブレーキ、3312 B2ブレーキ、4000 油圧回路、8000 ECU、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 ブレーキペダル、8014 踏力センサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ、8026 油温センサ、8028 エアフローメータ、8100 エンジンECU、8110 トルク制御部、8120 値算出部、8200 ECT−ECU、8210 トルク要求部、8220 変速制御部、8230 油圧制御部、8240 判断部、8250,8270 遅角部、8252,8272 制御態様変更部、8260 予想部。

Claims (5)

  1. 係合する摩擦係合要素の組合せを変更することにより変速する自動変速機と、前記自動変速機の変速中に、イナーシャ相において出力トルクが減少するように制御される内燃機関とが設けられたパワートレーンの制御装置であって、
    前記内燃機関から出力されるトルクおよび前記自動変速機に入力されるトルクのうちのいずれか一方のトルクのイナーシャ相における減少量の目標値を、前記自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に設定するための手段と、
    前記目標値がしきい値よりも小さいか大きいかを、前記自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に判断するための手段と、
    前記目標値がしきい値よりも小さい場合、前記目標値に応じて前記内燃機関の点火時期をイナーシャ相中に遅角するための手段と、
    前記目標値が前記しきい値よりも大きい場合、前記目標値がしきい値よりも小さい場合とは異なる態様で前記パワートレーンをイナーシャ相中に制御するための制御手段とを備える、パワートレーンの制御装置。
  2. 前記内燃機関には、吸入空気量を調整する調整機構が設けられ、
    前記制御手段は、前記目標値に応じて前記内燃機関の吸入空気量が減少するように前記調整機構を制御するための手段を含む、請求項1に記載のパワートレーンの制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記目標値がしきい値よりも小さい場合に比べて前記摩擦係合要素の変速中の係合力が大きくなるように制御するための増大手段を含む、請求項1に記載のパワートレーンの制御装置。
  4. 前記増大手段は、前記目標値と前記しきい値との差が大きいほど、前記摩擦係合要素の変速中の係合力がより大きくなるように制御するための手段を有する、請求項3に記載のパワートレーンの制御装置。
  5. イナーシャ相が開始するときの前記内燃機関の出力軸回転数および吸入空気量を、前記自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に予測するための手段と、
    イナーシャ相が開始するときの前記内燃機関の出力軸回転数の予測値および吸入空気量の予測値から、前記しきい値を、前記自動変速機の変速中にイナーシャ相が開始する前に算出するための手段とをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載のパワートレーンの制御装置。
JP2009053169A 2009-03-06 2009-03-06 パワートレーンの制御装置 Withdrawn JP2010202166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009053169A JP2010202166A (ja) 2009-03-06 2009-03-06 パワートレーンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009053169A JP2010202166A (ja) 2009-03-06 2009-03-06 パワートレーンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010202166A true JP2010202166A (ja) 2010-09-16

Family

ID=42964080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009053169A Withdrawn JP2010202166A (ja) 2009-03-06 2009-03-06 パワートレーンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010202166A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4400617B2 (ja) パワートレーンの制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4678444B2 (ja) 車両の制御装置
JP4281767B2 (ja) 車両の制御装置
KR20090028508A (ko) 자동 변속기의 제어 장치 및 제어 방법, 그 제어 방법을 실행하기 위해 컴퓨터를 지시하는 프로그램 및 프로그램이 기록되는 저장 매체
JP4165591B2 (ja) 車両の制御装置
JP4893405B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
KR100901677B1 (ko) 차량의 제어 장치 및 제어 방법
JP4929929B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体
JP4281766B2 (ja) 車両の制御装置
JP2010202166A (ja) パワートレーンの制御装置
JP4983820B2 (ja) パワートレーンの制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4946999B2 (ja) 車両の制御装置
JP4811195B2 (ja) 車両の制御装置
JP2008208930A (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体、車両の駆動装置。
JP2009168215A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP4816330B2 (ja) 車両の制御装置
JP4983819B2 (ja) パワートレーンの制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4900522B2 (ja) パワートレーンの制御装置および制御方法
JP4811198B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4770644B2 (ja) 車両の制御装置
JP5181565B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータに実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP2008038613A (ja) 車両の制御装置
JP2010210064A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP2009097619A (ja) 自動変速機の制御装置および制御方法
JP2007327520A (ja) パワートレーンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120605