JP2010185549A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストン部材が摺動自在に嵌合される軸部の摩耗を抑え、ピストン部材の良好な摺動を長期にわたって維持する。
【解決手段】ピストン部材27が、主液室14内の液圧変動に伴って軸部28上をオリフィス空間25および加圧空間26の拡縮方向に摺動することでシェイクオリフィス31とシェイクオリフィス31よりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィス32とを切り替える防振装置10であって、軸部28は、オリフィス部材21と一体に形成された軸部本体28aと、この軸部本体28aの外周部に設けられ当該軸部本体28aを形成する材質よりも硬度が高い硬質層28bと、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関するものである。
この種の防振装置として、従来から、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材同士を弾性的に連結するゴム弾性体と、前記第1取付け部材の内部を、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室、および隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室に区画する筒状の仕切り部材と、が備えられ、仕切り部材に、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成された構成が知られている。
また、近年では、オリフィス通路に、シェイクオリフィスとシェイクオリフィスよりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィスとを備えさせ、入力振動の周波数や振幅、つまり主液室内の液圧の変動量に応じて、シェイクオリフィスとアイドルオリフィスとを切り替えることにより、シェイク振動の入力時には液体をシェイクオリフィス内で流通させる一方、アイドル振動の入力時には液体をアイドルオリフィス内で流通させる構成が提案されている。
このような防振装置として、例えば下記特許文献1には、仕切り部材に、その内部を、アイドルオリフィスの一部を構成しかつ副液室に連通したオリフィス空間と、アイドルオリフィスと隔離されかつ主液室に連通した加圧空間と、に区画するピストン部材と、オリフィス空間および加圧空間それぞれの拡縮方向に沿って延在し前記ピストン部材が摺動自在に嵌合された軸部と、が設けられた構成が提案されている。
そして、主液室内の液圧変動に伴ってピストン部材が軸部上を前記拡縮方向に摺動することで、シェイクオリフィスとアイドルオリフィスとを切り替えるようになっている。
特開2007−120598号公報
しかしながら、前記従来の防振装置では、主液室および副液室に例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等の比較的粘度の低い液体が充填されていることと相俟って、軸部の摩耗によりピストン部材の前記拡縮方向に沿った良好な摺動が妨げられるおそれがあった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ピストン部材が摺動自在に嵌合される軸部の摩耗を抑え、ピストン部材の良好な摺動を長期にわたって維持することができる防振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材同士を弾性的に連結するゴム弾性体と、前記第1取付け部材の内部を、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室、および隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室に区画する筒状の仕切り部材と、が備えられ、前記仕切り部材に、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成されるとともに、このオリフィス通路は、シェイクオリフィスとシェイクオリフィスよりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィスとを備え、前記仕切り部材には、その内部を、アイドルオリフィスの一部を構成しかつ前記副液室に連通したオリフィス空間と、アイドルオリフィスと隔離されかつ前記主液室に連通した加圧空間と、に区画するピストン部材と、オリフィス空間および加圧空間それぞれの拡縮方向に沿って延在し前記ピストン部材が摺動自在に嵌合された軸部と、が設けられ、前記ピストン部材が、主液室内の液圧変動に伴って前記軸部上を前記拡縮方向に摺動することで前記シェイクオリフィスとアイドルオリフィスとを切り替える防振装置であって、前記軸部は、仕切り部材と一体に形成された軸部本体と、この軸部本体の外周部に設けられ当該軸部本体を形成する材質よりも硬度が高い硬質層と、を備えていることを特徴とする。
この発明では、軸部が、仕切り部材と一体に形成された軸部本体と、この軸部本体の外周部に設けられ当該軸部本体を形成する材質よりも硬度が高い硬質層と、を備えているので、ピストン部材が硬質層上を前記拡縮方向に沿って摺動することになり、軸部本体上を摺動させる従来の構成と比べてこの軸部の耐摩耗性を向上することが可能になり、ピストン部材の前記拡縮方向に沿った良好な摺動を長期にわたって維持することができる。
ここで、前記硬質層は潤滑材を含有してもよい。
この場合、硬質層に潤滑材が含有されているので、ピストン部材が前述のように摺動したときに、このピストン部材と軸部との間に発生する摩擦力を低減することが可能になり、この軸部の耐摩耗性をより一層確実に向上することができる。
また、前記硬質層は、軸部本体に嵌合されたパイプであってもよい。
この場合、硬質層がパイプとなっているので、例えば、仕切り部材と一体に形成された軸部本体の外周面に化学的処理若しくは機械的処理を施すことにより前記硬質層を形成する場合と比べて、この防振装置を容易に形成することが可能になり、製造コストの上昇を抑えることができる。
この発明によれば、ピストン部材が摺動自在に嵌合される軸部の摩耗を抑え、ピストン部材の良好な摺動を長期にわたって維持することができる。
本発明に係る一実施形態として示した防振装置の縦断面図である。 図1に示す防振装置の一部拡大図であって、短絡連通孔が開放されオリフィス通路がアイドルオリフィスに切り替えられた状態を示すものである。 図1に示す防振装置の一部拡大図であって、ピストン部材により短絡連通孔が閉塞されオリフィス通路がシェイクオリフィスに切り替えられた状態を示すものである。 図1から図3に示す仕切り部材、ピストン部材および軸部の分解斜視図である。 図1から図4に示すオリフィス部材を三方向から見た斜視図である。 本発明に係る他の実施形態として示した防振装置の一部拡大縦断面図である。
以下、本発明に係る防振装置の一実施形態を、図1〜図5を参照しながら説明する。この防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材12と、これらの第1、第2取付け部材11、12同士を弾性的に連結する第1ゴム弾性体13と、第1取付け部材11の内部を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、共通軸と同軸に配置されている。以下、この共通軸を中心軸線Oという。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、第2取付け部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第1取付け部材11が振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
ここで、第1取付け部材11において前記中心軸線O方向の中間部には、その径方向の内側に向けて凹む絞り部11aが全周にわたって形成されている。そして、第1取付け部材11において、絞り部11aよりも前記中心軸線O方向の一端側に位置する一端開口部が第1ゴム弾性体13で閉塞され、絞り部11aよりも前記中心軸線O方向の他端側に位置する他端開口部がダイヤフラム19で閉塞されている。
ダイヤフラム19は上面視円形状に形成されている。また、このダイヤフラム19の外周縁部は、その全周にわたって嵌合筒19aの内周面に加硫接着されている。そして、この嵌合筒19aが、第1取付け部材11の他端開口部内に嵌合されることにより、ダイヤフラム19が第1取付け部材11に配設されている。
第2取付け部材12は柱状に形成されるとともに、第1取付け部材11の前記中心軸線O方向における一端開口部に配置されており、第1ゴム弾性体13は、第1取付け部材11の一端開口部と第2取付け部材12の外周面とに接着されて、第1取付け部材11を前記中心軸線O方向の一端側から閉塞している。
なお、第1ゴム弾性体13は、第1取付け部材11において絞り部11aよりも前記中心軸線O方向の一端側に位置する一端側部分11bの内周面の全域に接着されている。また、第2取付け部材12の一端面には雌ねじ部が形成されている。さらに、第2取付け部材12の軸方向一端部は、第1取付け部材11の前記中心軸線O方向における一端開口面よりも前記中心軸線O方向の外方に突出している。
以上の構成において、第1取付け部材11の内部のうち、ダイヤフラム19と第1ゴム弾性体13との間に位置する部分が、これらのダイヤフラム19および第1ゴム弾性体13によって液密に閉塞され、例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等の液体が充填された液室となっている。そして、この液室は、仕切り部材16によって、第1ゴム弾性体13を隔壁の一部に有しこの第1ゴム弾性体13の変形により内容積が変化する主液室14と、ダイヤフラム19を隔壁の一部に有しこのダイヤフラム19の変形により内容積が変化する副液室15と、に区画されている。
ここで、第1取付け部材11の内周面において、第1ゴム弾性体13が接着された前記一端側部分11bを除く全域がゴム膜18で被覆されている。
また、第1取付け部材11において絞り部11aよりも前記中心軸線O方向の他端側に位置する他端側部分11cには側面開口部が形成されており、この側面開口部が図示されない板状の第2ゴム弾性体で閉塞されている。さらに、第1ゴム弾性体13、ゴム膜18および第2ゴム弾性体は、例えば天然ゴム等を主成分とする同一のゴム材料で一体に形成されている。
仕切り部材16は、前記中心軸線O方向の一端側に向けて開口するように配置された有底筒状のオリフィス部材21と、オリフィス部材21の開口部を閉塞する円板状の弁体22と、オリフィス部材21に嵌合され弁体22を主液室14側から覆う押さえプレート23と、を備えている。
また、仕切り部材16には、主液室14と副液室15とを連通するオリフィス通路30が形成されるとともに、このオリフィス通路30は、シェイクオリフィス31とシェイクオリフィス31よりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィス32とを備えている。
オリフィス部材21の外周面には、その周方向および前記中心軸線O方向の双方に対して傾斜する方向に延びる周溝21a、21bが形成されている。なお、オリフィス部材21は、第1取付け部材11の前記他端側部分11c内に嵌合されており、周溝21a、21bは、前記径方向の外側から第1取付け部材11の内周面に被覆されたゴム膜18によって閉塞されている。
ここで、周溝21a、21bは、図4および図5に示されるように、その延在方向の途中位置で流路断面積が異なっており、主液室14側に位置する第1周溝21aと、副液室15側に位置し第1周溝21aよりも流路断面積が小さい第2周溝21bと、を備えている。本実施形態では、第1周溝21aの前記中心軸線O方向における大きさが第2周溝21bの前記中心軸線O方向における大きさよりも大きくなっており、前記径方向の大きさつまり深さは互いに同等になっている。そして、第1周溝21aの流路断面積は、車両のアイドリング運転時に発生するアイドル振動の周波数(例えば18Hz〜40Hz)および振幅(例えば±0.2mm以下)と対応するように設定されている。また、第1周溝21aの路長は、周溝21a、21b全体の路長の1/2倍以下で第2周溝21bの路長よりも短くなっている。
なお、オリフィス部材21の外周面には、第1周溝21aにおける主液室14側の端部からこのオリフィス部材21の前記中心軸線O方向における一端に至る第1連通路21cと、第2周溝21bにおける副液室15側の端部からこのオリフィス部材21の前記中心軸線O方向における他端に至る第2連通路21gと、が形成されている。なお、第1連通路21cは、前記第2ゴム弾性体に前記径方向で対向している。
ここで、第1周溝21aの底面における第2周溝21b側(副液室15側)の端部には、オリフィス部材21の内側に向けて開口する短絡連通孔24が形成されている。短絡連通孔24の正面視形状は、周溝21a、21bの延在方向に長いスロット形状となっており、その前記延在方向の大きさは、前記延在方向に直交する方向の大きさの2倍以上となっている。また、短絡連通孔24の開口面積は、第2周溝21bの流路断面積より大きくなっている。
さらに、オリフィス部材21の底壁部21dには、オリフィス部材21内と副液室15とを連通する流通開口21eが周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、この底壁部21dにおいて流通開口21eよりも前記径方向の内側に位置する径方向中央部21fは、図2および図3に示されるように、他の部分よりも副液室15側に向けて突出しかつ厚さが大きくなっている。
押さえプレート23において弁体22に臨む表面には、弁座開口23aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、押さえプレート23においてオリフィス部材21の前記第1連通路21cと対応する部分に、切欠き部23bが形成されている。これにより、第1周溝21aは、第1連通路21cおよび切欠き部23bを介して主液室14に連通している。
弁体22は、例えばNR、NBR等のゴム組成物により円板状に形成されており、押さえプレート23に当接する上面が平面状に形成されるとともに、この上面と反対側の下面が前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、主液室14側に向けて延びる傾斜面状に形成されている。この弁体22の上面は、押さえプレート23の下面に圧接し弁座開口23aを閉塞している。また、弁体22の外周縁部には、その厚さ方向に貫通する貫通孔22aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。さらに、押さえプレート23の弁座開口23aの前記径方向における外周縁は、弁体22の貫通孔22aの前記径方向における内周縁よりも前記径方向の内側に位置している。
そして、弁体22において、貫通孔22aよりも前記径方向の外側に位置する部分が、押さえプレート23およびオリフィス部材21により挟み込まれた状態で、貫通孔22aに前記径方向の内側に連なる部分が、主液室14から押さえプレート23の弁座開口23aを通して作用した液圧によって撓み変形するようになっている。
以上より、弁体22が、主液室14から押さえプレート23の弁座開口23aを通して作用した液圧により、前述のように副液室15側に向けて撓むと、主液室14の液体が、押さえプレート23の弁座開口23aおよび弁体22の貫通孔22aを通ってオリフィス部材21の内側(後述する加圧空間26内)に流入する一方、液体がこれとは逆にオリフィス部材21の内側から主液室14内に流入しようとしても、弁体22が押さえプレート23に圧接して前記弁座開口23aを閉塞することにより、この流入が阻止されるようになっている。つまり、弁体22は逆止弁となっている。
ここで、オリフィス部材21(仕切り部材16)には、その内部を、副液室15側のオリフィス空間25と主液室14側の加圧空間26とに区画するピストン部材27と、オリフィス空間25および加圧空間26それぞれの拡縮方向(図示の例では前記中心軸線O方向)に沿って延在しピストン部材27が摺動自在に嵌合された軸部28と、が設けられている。そして、ピストン部材27は、主液室14内の液圧変動に伴って軸部28上を前記拡縮方向に摺動することで短絡連通孔24を開閉するようになっている。
また、図示の例では、オリフィス部材21の内周面において底壁部21d側の端部には、ゴム材料でリング状に形成されたストッパ筒17が嵌合されている。これにより、ピストン部材27の、主液室14側の終端位置が弁体22で決められ、副液室15側の終端位置がストッパ筒17で決められるようになっている。
オリフィス空間25は、オリフィス部材21の底壁部21dに形成された流通開口21eを介して副液室15に連通している。また、加圧空間26は、弁体22に形成された貫通孔22aおよび押さえプレート23に形成された弁座開口23aを介して主液室14に連通している。
軸部28は、オリフィス部材21の底壁部21dに主液室14側に向けて立設されてその先端面が弁体22の下面に圧接している。図示の例では、軸部28は中実となっている。さらに、底壁部21dとピストン部材27との間にコイルスプリング33が配設されている。そして、このコイルスプリング33によりピストン部材27が主液室14側に向けて付勢されている。この付勢力は、アイドル振動の入力時における加圧空間26内の液圧に平衡する力よりも大きく、かつシェイク振動の入力時における加圧空間26内の液圧に平衡する力よりも小さくなっている。
以上の構成において、アイドル振動が作用し、図2に示されるように、弁体22が押さえプレート23の弁座開口23aを閉塞し、かつピストン部材27がコイルスプリング33の付勢力によって主液室14側に位置しているときには、短絡連通孔24は開放されており、この短絡連通孔24を通して第1周溝21aとオリフィス空間25とが互いに連通している。
これにより、主液室14内から押さえプレート23の切欠き部23bおよびオリフィス部材21の第1連通路21cを通って第1周溝21a内に流入した液体は、この第1周溝21aにおける第2周溝21b側の端部に達したときに、第2周溝21bよりも液体の流通抵抗が小さい短絡連通孔24を通ってオリフィス空間25内に優先的に流入し、前記流通開口21eを通って副液室15に到達する。また、副液室15内からオリフィス部材21の流通開口21e、オリフィス空間25および短絡連通孔24を介して第1周溝21aに流入した液体は、第2周溝21bよりも液体の流通抵抗が小さい第1周溝21aを優先的に通って、オリフィス部材21の第1連通路21cおよび押さえプレート23の切欠き部23bを介して主液室14に到達する。
すなわち、アイドル振動を減衰および吸収するアイドルオリフィス32は、押さえプレート23の切欠き部23b、オリフィス部材21の第1連通路21c、第1周溝21a、短絡連通孔24、オリフィス空間25および流通開口21eにより構成されている。
一方、シェイク振動(例えば、周波数が8Hz〜17Hzで振幅が±0.2mmよりも大きい)が作用して、弁体22が前述のように撓み変形し押さえプレート23の弁座開口23aを開放し、かつ主液室14内の液圧がこの弁座開口23aおよび弁体22の貫通孔22aを通して加圧空間26に作用すると、この液圧によってピストン部材27が図3に示されるように軸部28上を副液室15側に向けて摺動してオリフィス部材21に形成された短絡連通孔24を閉塞する。これにより、第1周溝21aとオリフィス空間25との連通が遮断され、液体は、押さえプレート23の切欠き部23b、オリフィス部材21の第1連通路21c、第1周溝21a、第2周溝21bおよび第2連通路21gを介して主液室14と副液室15との間を往来する。
すなわち、シェイク振動を減衰および吸収するシェイクオリフィス31は、押さえプレート23の切欠き部23b、オリフィス部材21の第1連通路21c、第1周溝21a、第2周溝21bおよび第2連通路21gにより構成されている。
そして、本実施形態では、軸部28は、オリフィス部材21(仕切り部材16)と一体に形成された軸部本体28aと、この軸部本体28aの外周部に設けられ当該軸部本体28aを形成する材質よりも硬度が高い硬質層28bと、を備えている。
この硬質層28bは、軸部本体28aおよびオリフィス部材21が例えばADC12(JIS H5302)若しくはA5000系等のアルミニウム合金で一体に形成された場合には、軸部本体28aの外周面に硬質アルマイト処理(陽極酸化処理)が施されたり、あるいは軸部本体28aの外周面に粒径40μm〜200μmの金属粉体を100m/s以上の速度で吹き付けたり、または無電解ニッケルめっき処理が施されたりすること等によって形成される。なお、硬質層28bの硬度は400Hv以上となっている。
また、軸部本体28aおよびオリフィス部材21が例えばポリフェニルサルファイド(PPS)等の合成樹脂で一体に形成された場合には、硬質層28bは、軸部本体28aの外周面に例えば無電解ニッケルめっき処理が施されること等によって形成される。
なお、軸部28に嵌合されるピストン部材27は、例えば合成樹脂(ポリフェニルサルファイド(PPS)若しくはポリアセタール(POM)等)で形成される。
さらに、本実施形態では、硬質層28bは潤滑材を含有している。例えば、軸部本体28aの外周面に硬質アルマイト処理を施して硬質層28bを形成した場合、ポリ4フッ化エチレン若しくは二硫化モリブデン等の潤滑材で封孔処理を施して、硬質層28bの外周面上に開口する微小な空孔を前記潤滑材で埋めることで、硬質層28bに潤滑材が含有される。
以上説明したように、本実施形態による防振装置10によれば、軸部28が、オリフィス部材21(仕切り部材16)と一体に形成された軸部本体28aと、この軸部本体28aの外周部に設けられ当該軸部本体28aを形成する材質よりも硬度が高い硬質層28bと、を備えているので、ピストン部材27が硬質層28b上を前記拡縮方向に沿って摺動することになり、軸部本体28a上を摺動させる従来の構成と比べてこの軸部28の耐摩耗性を向上することが可能になり、ピストン部材27の前記拡縮方向に沿った良好な摺動を長期にわたって維持することができる。
また、硬質層28bに潤滑材が含有されているので、ピストン部材27が前述のように摺動したときに、このピストン部材27と軸部28との間に発生する摩擦力を低減することが可能になり、この軸部28の耐摩耗性をより一層確実に向上することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態で示した軸部28に代えて、図6に示されるように、オリフィス部材21と一体に形成された軸部本体28aの外周面に、これらのオリフィス部材21および軸部本体28aを形成する材質よりも硬度が高い材質からなるパイプ(硬質層)34bが嵌合された軸部34を採用してもよい。つまり、前記硬質層28bに代えてパイプ34bを採用してもよい。
このパイプ34bは、例えば焼入れ処理を施したS45C若しくはSUS420、またはSUS304若しくはSUS305等で形成されている。
なお、これらの材質に代えて、パイプ34bを、図1から図5で示した実施形態と同様に、例えばADC12若しくはA5000系等のアルミニウム合金で形成してもよいし、あるいはPPS等の合成樹脂で形成してもよい。前者の場合には、前記実施形態と同様に、パイプ34bの外周面に硬質アルマイト処理を施したり、あるいはパイプ34bの外周面に粒径40μm〜200μmの金属粉体を100m/s以上の速度で吹き付けたり、または無電解ニッケルめっき処理を施す。これらのうち、硬質アルマイト処理を施した場合には、前記実施形態と同様に、パイプ34bの外周面に前記潤滑材を用いて封孔処理を施すのが好ましい。また、後者の場合には、前記実施形態と同様に、パイプ34bの外周面に例えば無電解ニッケルめっき処理等を施す。
本実施形態による防振装置10によれば、軸部本体28aの外周面にパイプ34bが嵌合されているので、図1から図5で示した前記実施形態と同様の作用効果を有するのに加え、例えば、オリフィス部材21(仕切り部材16)と一体に形成された軸部本体28aの外周面に化学的処理若しくは機械的処理を施すことにより前記硬質層28bを形成する場合と比べて、この防振装置10を容易に形成することが可能になり、製造コストの上昇を抑えることができる。
また、仕切り部材16の形態は前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
さらに、仕切り部材16に、弁体22を副液室15側から支持する受けプレートを設けてもよい。そして、この受けプレートにおいて弁体22に臨む表面に、連通開口を周方向に間隔をあけて複数形成し、この連通開口の前記径方向における両端縁同士の間に、弁体22の貫通孔22aの前記径方向における内周縁を位置させてもよい。
ピストン部材が摺動自在に嵌合される軸部の摩耗を抑え、ピストン部材の良好な摺動を長期にわたって維持することができる。
10 防振装置
11 第1取付け部材
12 第2取付け部材
13 ゴム弾性体(第1ゴム弾性体)
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
21 オリフィス部材
25 オリフィス空間
26 加圧空間
27 ピストン部材
28、34 軸部
28a 軸部本体
28b、34b 硬質層
30 オリフィス通路
31 シェイクオリフィス
32 アイドルオリフィス

Claims (3)

  1. 振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、
    振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、
    これらの両取付け部材同士を弾性的に連結するゴム弾性体と、
    前記第1取付け部材の内部を、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室、および隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室に区画する筒状の仕切り部材と、が備えられ、
    前記仕切り部材に、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成されるとともに、このオリフィス通路は、シェイクオリフィスとシェイクオリフィスよりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィスとを備え、
    前記仕切り部材には、その内部を、アイドルオリフィスの一部を構成しかつ前記副液室に連通したオリフィス空間と、アイドルオリフィスと隔離されかつ前記主液室に連通した加圧空間と、に区画するピストン部材と、オリフィス空間および加圧空間それぞれの拡縮方向に沿って延在し前記ピストン部材が摺動自在に嵌合された軸部と、が設けられ、
    前記ピストン部材が、主液室内の液圧変動に伴って前記軸部上を前記拡縮方向に摺動することで前記シェイクオリフィスとアイドルオリフィスとを切り替える防振装置であって、
    前記軸部は、仕切り部材と一体に形成された軸部本体と、この軸部本体の外周部に設けられ当該軸部本体を形成する材質よりも硬度が高い硬質層と、を備えていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置であって、
    前記硬質層は潤滑材を含有していることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置であって、
    前記硬質層は、軸部本体に嵌合されたパイプであることを特徴とする防振装置。
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