JP4263143B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動を発生する部材からの振動の伝達を防止する流体封入式の防振装置に係り、特に、自動車のエンジンマウント等に好適に用いられる防振装置に関する。
例えば、乗用車等の車両では、振動発生部となるエンジンと振動受け部となる車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置がエンジンから発生する振動を吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するような構造となっている。
この種の防振装置としては、幅広い周波数の振動に対応すべく、液体が封入され且つ液体の通路であるオリフィスの切り換えを可能とした構造の制御マウントとしての防振装置が従来から知られている。
つまり、この防振装置には、オリフィスの開閉状態を制御し、複数のオリフィス間で液体の通路を切り替える為の電気的なアクチュエータ若しくは電磁バルブ等が必要なだけでなく、これらアクチュエータや電磁バルブ等を入力振動の周波数等に基づいて動作させ、オリフィスを切り替えさせるコントローラが構造上、必要であった。しかし、これらアクチュエータ、電磁バルブ及びコントローラは、比較的高価なものである為、これらの部品は防振装置の製造コストを増大させる要因となっていた。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、入力振動の周波数に基づいてオリフィスの開閉状態を自動的に制御でき、しかも製造コストを効果的に低減できる防振装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、該弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室と、隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、液体が封入された副液室と、前記主液室と前記副液室とを連通する吸振用オリフィスと、内部が前記吸振用オリフィスの一部を形成すると共に前記副液室に常に連通した開放液室と前記吸振用オリフィスから隔離された閉鎖液室とに区画され、液体が封入されたシリンダ室と、前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ導入する圧力導入手段と、前記シリンダ室内に配設され、前記閉鎖液室内へ移動して前記開放液室を開放する開放位置と前記開放液室内へ移動して該開放液室を閉鎖する閉鎖位置との間で往復動可能とされたプランジャ部材と、前記プランジャ部材に設けられ、前記閉鎖液室と前記開放液室とを連通するプランジャ駆動用オリフィスと、前記プランジャ駆動用オリフィスを通して前記閉鎖液室から前記開放液室側へのみ液体を流出させ得る逆止弁と、前記プランジャ部材を前記閉鎖位置へ向かって付勢する付勢部材と、を有する防振装置であって、前記プランジャ駆動用オリフィス、前記逆止弁及び前記付勢部材により特定の周波数を有する共振振動に対応する液柱共振系を構成し、前記共振振動の入力に同期し、前記液柱共振系が前記プランジャ駆動用オリフィスを通して前記閉鎖液室と前記開放液室との間に液柱共振を発生させると共に、該液柱共振により前記開放液室と前記閉鎖液室との間に生じる液圧差により前記プランジャ駆動用オリフィス及び前記逆止弁を通して前記閉鎖液室から前記開放液室側へ液体を間欠的に流出させつつ、前記プランジャ部材を前記付勢部材の付勢力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置側へ間欠的に移動させることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明する。
請求項1の防振装置では、基本的に、第1及び第2の取付部材の何れか一方に連結された振動発生部側から振動が伝達されると、第1及び第2の取付部材間に配置された弾性体が弾性変形し、この弾性体の内部摩擦等に基づく制振機能によって振動が吸収され、振動受け部側へ伝達される振動が低減される。
また請求項1の防振装置では、プランジャ駆動用オリフィス、逆止弁及び付勢部材により特定の周波数を有する共振振動に対応する液柱共振系を構成し、共振振動の入力に同期し、液柱共振系がプランジャ駆動用オリフィスを通して閉鎖液室と前記開放液室との間に液柱共振を発生させると共に、この液柱共振により開放液室と閉鎖液室との間に生じる液圧差によりプランジャ駆動用オリフィス及び逆止弁を通して閉鎖液室から開放液室側へ液体を間欠的に流出させつつ、プランジャ部材を付勢部材の付勢力に抗して閉鎖位置から開放位置側へ間欠的に移動させる。
すなわち、請求項1の防振装置では、振動発生部から特定の周波数を有する共振振動が入力し、この共振振動により弾性体が変形するとと共に主液室内に液圧変化が生じると、この液圧変化が圧力導入手段により閉鎖液室内へ導入され、この圧力変化を駆動力として液柱共振系がプランジャ駆動用オリフィスを通して副液室に連通した開放液室と閉鎖液室との間を流通する液体の共振現象、すなわち液柱共振を発生させ、開放液室と閉鎖液室との間に生じる液圧差を徐々に増幅する。このとき、開放液室と閉鎖液室との間に生じる液圧差はプランジャ部材に対しては加振力として作用する。これにより、開放液室と閉鎖液室との間に生じる液圧差が付勢部材の付勢力を越えるまで増幅されると、共振振動の入力に同期して逆止弁がプランジャ駆動用オリフィスを開放及び閉鎖する開閉動作を繰り返すように作動すると同時に、プランジャ駆動用オリフィス及び逆止弁を通して閉鎖液室から開放液室側へ液体を間欠的に流出させつつ、プランジャ部材がシリンダ室内で付勢部材の付勢力に抗して閉鎖位置から開放位置側へ間欠的に移動する。
このとき、逆止弁が閉鎖液室から開放液室側へのみ液体を流出させ、開放液室から閉鎖液室側へは液体が流れないので、閉鎖液室内に封入された液圧の作用によりプランジャ部材の閉鎖位置側への移動が阻止される。
従って、共振振動の入力が一定時間以上に亘って続くと、プランジャ部材が閉鎖位置から開放位置へ移動して吸振用オリフィスの一部を形成する開放液室を開放することから、吸振用オリフィスを通して液体が主液室と副液室との間で流通可能になる。これにより、主液室内から吸振用オリフィス内に液体が流入することで、圧力変化及び粘性抵抗等が生じつつこのオリフィス内を液体が流通し、主液室と副液室との間で液体が相互に流通(液柱共振)するので、液体の液柱共振や粘性抵抗等によっても特定の周波数(共振周波数)を有する共振振動が低減されて、振動受け部側に共振振動がより一層伝達され難くなる。
一方、請求項1の防振装置では、吸振振動の入力後に、振動発生部から共振振動以外の振動、すなわち共振周波数以外の周波数を有する振動が伝達されると、液柱共振系が液柱共振を発生させないので、開放位置にあったプランジャ部材が付勢部材の付勢力により閉鎖位置に復帰して吸振用オリフィスの一部を形成する開放液室を閉鎖し、吸振用オリフィスを通して主液室と副液室との間で液体が流通しなくなる。
以上説明した請求項1の防振装置によれば、アクチュエータ、電磁バルブ及びコントローラ等が無くとも、入力振動の周波数に基づいてオリフィスの開閉状態を自動的に制御できるので、防振装置の防振性能を維持しつつ製造コストを低減することが可能となる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記圧力導入手段が、前記主液室と前記閉鎖液室とを連通し、前記共振振動の入力時に、前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ導入する圧力導入路であることを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記圧力導入手段が、前記主液室と前記閉鎖液室との間を区画する隔壁部に弾性変形可能となるように配設され、前記共振振動の入力時に、前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ伝達するメンブランであることを特徴とする。
また本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項1、2又は3記載の防振装置において、前記逆止弁が弁座及び弁体を有し、前記弁座を、前記プランジャ部材の前記開放液室内に面し、かつ前記連通路の開口端を含む部位に設け、前記弁体を弾性材料により形成すると共に、前記開放液室側から前記弁座に所定の弾性力で圧接させたことを特徴とする。
また本発明の請求項5に係る防振装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置において、前記共振振動が、車両のエンジンアイドリング時に主として発生するアイドル振動であることを特徴とする。
また本発明の請求項6に係る防振装置は、請求項5記載の防振装置において、前記吸振用オリフィスが2本存在し、前記開放液室により一部が形成された前記吸振用オリフィスが前記アイドル振動に対応する路長及び断面積を有するアイドルオリフィスとされ、他の吸振用オリフィスが前記アイドル振動に対して相対的に低い周波数を有するシェイク振動に対応して前記アイドルオリフィスよりも細く又は長く形成されて液体の流通抵抗が大きいシェイクオリフィスとされたこと特徴とする。
請求項6に係る防振装置の作用を以下に説明する。
請求項4の防振装置では、吸振用オリフィスが2つ存在し、開放液室により一部が形成され、プランジャ部材により開閉可能とされた吸振用オリフィスがアイドル振動に対応する路長及び断面積を有するアイドルオリフィスとされ、他の吸振用オリフィスがアイドル振動に対して相対的に低い周波数を有するシェイク振動に対応してアイドルオリフィスよりも細く又は長く形成されて液体の流通抵抗が大きいシェイクオリフィスとされている。
これにより、アイドルオリフィスでは低減できないような低い周波数のシェイク振動が入力した場合には、プランジャ部材によりアイドルオリフィスが閉鎖された状態となるが、シェイクオリフィスを通して主液室と副液室との間で液体が相互に流通するので、シェイク振動をシェイクオリフィス内における液体の液柱共振や粘性抵抗等によって低減できる。この結果、アイドル振動及びシェイク振動の何れの振動が入力しても、これらの振動を効果的に低減できるようになる。
尚、アイドルオリフィスが開放された状態では、振動入力時に主液室内からアイドルオリフィス及びシェイクオリフィスにそれぞれ液体が流入するが、シェイクオリフィスはアイドルオリフィスに比べて液体の流通抵抗が大きいので、液体の大部分はアイドルオリフィスを通して主液室と副液室との間を流通することになる。
以上説明したように、本発明の防振装置によれば、入力振動の周波数に基づいてオリフィスの開閉状態を自動的に制御でき、しかも製造コストを効果的に低減できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1及び図2には本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10には、その上部側に円筒状であって下端部に外周側に延出するフランジ部14を有した上部外筒金具12が設けられると共に、この上部外筒金具12の下側に円筒状であって段差部18を介して上端側よりも下端側が小径とされた下部外筒金具16が配置されている。下部外筒金具16の上端部にも、外周側へ延出するフランジ部20が形成されており、このフランジ部20上に上部外筒金具12のフランジ部14が載置され、このフランジ部14の外周側がフランジ部20の外周側を挟み込みむように内周側へかしめられることにより、上部外筒金具12と下部外筒金具16とが互いに連結固定されている。防振装置10は、下部外筒金具16がカップ状のホルダ金具(図示省略)内へ嵌挿されることにより、このホルダ金具を介して車両の車体側へ連結固定される。
下部外筒金具16の内周面には、円筒形状をしたゴム製の弾性体22の外周部が加硫接着されると共に、この弾性体22の外周部から上方へ延出する薄肉ゴム層24が加硫接着されている。弾性体22の内周側には円柱状の内筒金具26が配設されており、内筒金具26の外周面及び頂面部には弾性体22が加硫接着されている。内筒金具26には、その下端面から軸心Sに沿ってねじ穴28が穿設されている。このねじ穴28にはボルトがねじ込まれ、このボルトにより車両のエンジンとの連結用のブラケット(図示省略)の一端部が内筒金具26に固定される。
防振装置10内には、略肉厚円板状の仕切部材30が上部外筒金具12及び下部外筒金具16の内周側であって、弾性体22の上側に配設されている。仕切部材30は、下部外筒金具16及び上部外筒金具12に固定されると共に、上部外筒金具12及び下部外筒金具16の内周側の空間を軸方向に沿って2個の小空間に区画する。これら2個の小空間はそれぞれオイル、エチレングリコール等の液体が封入される主液室32及び副液室34とされる。主液室32は、下部外筒金具16、仕切部材30及び弾性体22により構成され、弾性体22の弾性変形に伴って内容積が拡縮する。
上部外筒金具12の内周面及び外周面には薄膜状のゴム膜36がそれぞれ加硫接着により被覆されており、このゴム膜36の上端部には、弾性変形可能なゴム製のダイヤフラム38の周縁部が全周に亘って接合されている。このダイヤフラム38は上部外筒金具12の上端側の開口を閉止して、副液室34の隔壁の一部を形成している。尚、ダイヤフラム38は、その外側(上側)の面が大気に開放されており、副液室34の内容積を拡縮するように変形可能とされている。
仕切部材30は、図3に示されるように、合成樹脂やアルミニウム等の金属材料により形成された略円筒状の上部オリフィス部材40と、アルミニウム等の金属材料により形成された円板状の下部オリフィス部材42とを備えている。上部オリフィス部材40は、下面側が開口した有底円筒状に形成されており、その上面側を閉止した頂板部44には、図3に示されるように扇状に形成された複数個(本実施形態では、4個)の開口部46が穿設されると共に、これら開口部46の内周側に肉厚のボス部48が形成されており、このボス部48には、その中心部に軸心Sに沿って貫通する嵌挿穴50が穿設されている。また上部オリフィス部材40には、その下端部に外周側へ延出する円環状のフランジ部52が形成されている。
図3に示されるように、下部オリフィス部材42には、中央側に上方へ向かって円形凸状に形成された嵌挿部54が形成されると共に、その外周部に上部オリフィス部材40のフランジ部52に対応する円環状のフランジ部56が形成されている。また下部オリフィス部材42には、嵌挿部54とフランジ部56との間に周方向へ延在する凹状の溝部58が全周に亘って形成されている。この溝部58の底面部には、周方向に沿って所定の部位に連通穴60が穿設されている。また下部オリフィス部材42には、その中心部に軸方向へ貫通する円穴状の圧力導入路61が穿設されている。この圧力導入路61は、主液室32と後述する閉鎖液室102とを連通し、外部からの振動入力時に弾性体22の弾性変形に伴って生じる主液室32内の液圧変化を閉鎖液室102内へ導入する。
図1に示されるように、仕切部材30では、下部オリフィス部材42の嵌挿部54が下方から上部オリフィス部材40の中空部内へ挿入されると共に、下部オリフィス部材42のフランジ部56が上部オリフィス部材40のフランジ部52へ突き当てられた状態とされる。これらのフランジ部52,56は、上部外筒金具12のフランジ部14と下部外筒金具16のフランジ部20との間に挟持される。これにより、上部オリフィス部材40と下部オリフィス部材42とが一体化されると共に、上部外筒金具12及び下部外筒金具16に対して固定される。このとき、上部外筒金具12が必要に応じて縮径するように内周側へ絞り込まれる。これにより、ゴム膜36を介して上部外筒金具12の内周面を上部オリフィス部材40の外周面へ所要の圧接力で圧接させることができる。
上部オリフィス部材40の下端側が下部オリフィス部材42により閉止されることにより、上部オリフィス部材40内には外部から区画された円柱状のシリンダ室62が形成される。このシリンダ室62内にも主液室32及び副液室34内と同一の液体が封入される。また、上部オリフィス部材40と下部オリフィス部材42とが一体化されることにより、下部オリフィス部材42の溝部58は、上部オリフィス部材40の底面部により上面側が閉止されて外部から区画された周方向へ細長い空間を形成する。一方、上部オリフィス部材40の底面部には、溝部58における連通穴60に対応する部位に仕切部(図示省略)が下方へ突出するように形成されており、この仕切部は溝部58内に挿入され、連通穴60に隣接する部位で溝部58の周方向に沿った一部を閉塞する。この溝部58内に形成される有端状の空間は、後述するシェイクオリフィス64及びアイドルオリフィス66の一部を構成する。
一方、上部オリフィス部材40には、図3に示されるように、その外周面に軸心Sを中心として螺旋状に延在する外周溝68が形成されており、この外周溝68は、上部オリフィス部材40の外周面を2周近くに亘って延在し、その外周側が上部外筒金具12の内周面に被覆されたゴム膜36により閉止される。また上部オリフィス部材40には、フランジ部52の内周側に隣接して軸方向へ貫通する下部連通穴70が穿設されると共に、頂板部44の外周縁部に軸方向へ貫通する上部連通穴72が切り欠れている。下部連通穴70は外周溝68の下端部を下部オリフィス部材42の溝部58の一端部に連通させ、また上部連通穴72は外周溝68の上端部を副液室34に連通させている。これにより、外周溝68と溝部58とは下部連通穴70を通して1本に繋がり、その両端部がそれぞれ上部連通穴72及び連通穴60を通して副液室34及び主液室32に接続される。
図3に示されるように、上部オリフィス部材40には、その外周壁部を径方向に沿って貫通する中間開口112が形成されており、この中間開口112は、外周溝68の下端部に対して手前側の部分とシリンダ室62とを互いに連通させている。ここで、下部連通穴70を通して1本に繋がった外周溝68と溝部58とは、全体としてシェイクオリフィス64を形成し、また外周溝68における下部連通穴70から中間開口112までの部分は、下部オリフィス部材42の溝部58と共にアイドルオリフィス66の一部を形成する。
図1に示されるように、仕切部材30には、その中心部に後述するプランジャ部材74を軸方向へ移動可能に支持するための軸部材76が配設されている。軸部材76は、アルミ合金、ステンレス等の金属により形成されている。軸部材76には、丸棒状の摺動軸78が形成されると共に、この摺動軸78の上端側に摺動軸78よりも大径の頭部80が形成され、さらに頭部80の上端部には、外周側へ延出する円板状のストッパ部82が一体的に形成されている。また軸部材76には、その中心部を軸方向に沿って貫通するセンターオリフィス84が形成されている。
軸部材76は、摺動軸78が上部オリフィス部材40の嵌挿穴50を通してシリンダ室62内へ挿入される。このとき、軸部材76は、頭部80が嵌挿穴50内へ圧入等により固定されると共に、ストッパ部82がボス部48の上面部に当接した状態とされる。これにより、摺動軸78がシリンダ室62内で軸心Sに沿って延在するように支持される。シリンダ室62内に支持された摺動軸78の先端面と下部オリフィス部材42の上面部との間には隙間が形成される。これにより、副液室34とシリンダ室62とは、軸部材76のセンターオリフィス84を通して互いに連通することになる。
図4に示されるように、仕切部材30のシリンダ室62内には、プランジャ部材74が軸方向に沿って移動可能に配設されている。プランジャ部材74は全体として肉厚円板状に形成されており、プランジャ本体86と、このプランジャ本体86に組み付けられる弁体90及び押え金具92とを備えている。プランジャ本体86は、軸方向に沿って移動する際の慣性力を抑制するために、ナイロン、ポリアセタール、PPS、フェノール樹脂等の樹脂材料により形成されて軽量化されており、その中心部には軸方向へ貫通する軸穴88が穿設されている。
プランジャ本体86の軸穴88内には、軸部材76の摺動軸78が相対的に摺動可能に挿入されている。これにより、プランジャ本体86は、シリンダ室62内で摺動軸78により軸心Sと同軸的なるように位置決めされると共に、軸方向に沿って移動可能に支持される。このとき、プランジャ本体86の外周面とシリンダ室62の内周面との間には隙間が形成され、これらの面間には直接的には摩擦が生じないようになっているが、これらの面間を通って実質的に液体が流通しないように隙間の幅が十分に狭いものになっている。
なお、プランジャ本体86が金属材料よりもヤング率が十分に小さい樹脂材料により形成されると共に、摺動軸78が金属材料により形成されていることから、これらの間に特に軸受等を配置しなくとも、プランジャ本体86と摺動軸78との間の摩擦抵抗を十分に小さくでき、プランジャ本体86を円滑に軸方向に沿って移動させることが可能になっている。また、これとは逆に、プランジャ本体86を金属材料により形成し、摺動軸78(軸部材76)を樹脂材料により形成しても、プランジャ本体86の移動を円滑化できる。これは、金属と比較して樹脂のヤング率が十分に小さく、樹脂が金属との組み合わせでは一定の自潤滑性を有することから、プランジャ本体86の摺動時に摺動軸78に対するかじりつき現象が生じ難くなることよる。
プランジャ本体86の上面中央部には、図3に示されるように円形凹状の弁体収納部96が形成されており、この弁体収納部96内には円板状の弁体90が収納されている。弁体90には中心部に円形の嵌挿穴97が穿設されており、この嵌挿穴97の内周側には、プランジャ本体86の中心部から突出するパイプ状の支持部87が嵌挿されている。弁体90は、中央部の肉厚が一定とされると共に、この肉厚一定の中央部よりも外周側の撓み部91の肉厚が外周側へ向かって徐々に薄くなっている。また弁体90はゴム等の弾性材料により形成されており、撓み部91の撓み方向への剛性が所定の大きさになるように厚さ、材質等が調整されている。
プランジャ部材74の押え金具92は、下方へ向かって開いたキャップ状に形成されており、プランジャ本体86上端部の外周側へ嵌挿されている。これにより、プランジャ本体86の弁体収納部96内に収納された弁体90は、その中央部付近が弁体収納部96の底面部と押え金具92との間に挟持され、軸方向に沿って僅かに圧縮された状態とされる。ここで、図3に示されるように、弁体収納部96の底面部は平面状の弁座98として構成されており、弁体収納部96内に収納された弁体90の撓み部91は、自然状態に対して所定量上方へ撓んだ変形状態に保持されており、これによる一定の復元力(予圧力)で弁座98に圧接している。また撓み部91と押え金具92の下面部との間には、内周側から外周側へ向かって幅広となる隙間が形成され、図4に示されるように、この隙間により撓み部91は弁座98から離間するように撓み変形可能とされている。
プランジャ部材74は、シリンダ室62の内部を軸方向(上下方向)に沿って2個の小液室に区画すると共に、図1に示される閉鎖位置と図2に示される開放位置との間で移動可能とされている。2個の小液室のうちプランジャ部材74の上側の小液室は、アイドルオリフィス66の一部を形成する開放液室100とされ、またプランジャ部材74の下側の小液室はアイドルオリフィス66から隔離された閉鎖液室102とされている。この閉鎖液室102と副液室34とは、軸部材76のセンターオリフィス84を通して互いに連通している。
プランジャ本体86には、図1及び図3に示されるように、弁体収納部96の底面部から閉鎖液室102側へ貫通する扇状の貫通口99が複数個(本実施形態では、4個)形成されている。また押え金具92の頂板部にも、扇状に形成された複数個(本実施形態では、4個)の連通口106が穿設されており、この連通口106は、上部オリフィス部材40に穿設された複数個の開口部46及び弁体90の撓み部91にそれぞれ面するように開口している。これにより、貫通口99、弁体収納部96及び連通口106は、開放液室100と閉鎖液室102とを繋ぐ連通路118(図4参照)を構成し、この連通路118内での液体の流通が弁体90及び弁座98からなる逆止弁により制御される。
具体的には、逆止弁は、図1に示されるように弁体90の撓み部91が弁座98に所定の与圧力で圧接している状態では、連通路118の一部を構成する貫通口99を閉止して閉鎖液室102と開放液室100との間における液体流通を阻止し、また図4に示されるように弁体90の撓み部91が上方へ撓み変形して弁座98から離間している状態では、連通路118の一部を構成する貫通口99を開放して閉鎖液室102から開放液室100側へのみ液体を流通可能とする。
図3に示されるように、プランジャ本体86には、その下面部における貫通口99の内周側に円柱状のばね受部108が環状に形成されており、このばね受部108は、プランジャ本体86の下面部と下部オリフィス部材42の上面部との間に介装されやコイルスプリング110の内周側へ嵌挿されている。コイルスプリング110は、ばね受部108と下部オリフィス部材42との間で圧縮状態とされており、プランジャ本体86を常に所定の付勢力で閉鎖位置側へ付勢している。
図1に示されるように、プランジャ部材74が閉鎖位置にあるときには、プランジャ部材74(プランジャ本体86)の外周面により上部オリフィス部材40の中間開口112が閉止される。これにより、主液室32と副液室34とは、上部オリフィス部材40の外周溝68及び下部オリフィス部材42の溝部58により構成されたシェイクオリフィス64のみを通して互い連通する。
また図2に示されるように、プランジャ部材74が閉鎖位置から開放位置へ移動すると、プランジャ部材74(プランジャ本体86)が上部オリフィス部材40の中間開口112を開放する。これにより、開放液室100が中間開口112を通して上部オリフィス部材40の外周溝68の中間部に接続され、開放液室100、外周溝68の中間開口112から下部連通穴70までの部分、及び下部オリフィス部材42の外周溝68からなるアイドルオリフィス66が開放状態となり、このアイドルオリフィス66を通して主液室32と副液室34とが互いに連通する。このとき、主液室32と副液室34とはシェイクオリフィス64を通しても互いに連通しているが、シェイクオリフィス64の路長がアイドルオリフィス66よりも長くなっている。このため、アイドルオリフィス66内における液体の流通抵抗が、シェイクオリフィス64内における液体の流通抵抗よりも十分に小さいものになり、主液室32内の液圧変化に伴って生じる主液室32と副液室34との間の液体の移動は、その大部分がアイドルオリフィス66を通して、すなわち実質的にはアイドルオリフィス66を通して行われる。
以上説明した防振装置10では、センターオリフィス84、逆止弁及びコイルスプリング110が特定の周波数を有する振動により液体の共振現象(液柱共振)を生じさせる液柱共振系として構成されている。
具体的には、外部から入力する振動がアイドル振動(例えば、18〜30Hz)である場合には、このアイドル振動の入力に同期し、前記液柱共振系がセンターオリフィス84を通して副液室34との間に液柱共振を発生させると共に、この液柱共振により副液室34に連通した開放液室100と閉鎖液室102との間に生じる液圧差によりセンターオリフィス84及び逆止弁を通して閉鎖液室102から開放液室100側へ液体を間欠的に流出させつつ、プランジャ部材74をコイルスプリング110の付勢力に抗して閉鎖位置から開放位置側へ間欠的に移動させる。なお、このようなアイドル振動は、主として車両のエンジンアイドリング時に発生する。また車両がある程度の高速走行している際には、アイドル振動よりも低周波数域の振動であるシェイク振動(例えば、9〜15Hz)が主として発生する。
次に、本発明の実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
防振装置10では、例えば、ブラケット(図示省略)を介して内筒金具26に連結されたエンジンが作動すると、エンジンの振動が内筒金具26を介して弾性体22に伝達される。このとき、弾性体22は吸振主体として作用し、弾性体22の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収し、ホルダ金具(図示省略)を介して外筒金具12,16に連結された車体側へ伝達される振動が低減される。
また本実施形態に係る防振装置10では、センターオリフィス84、逆止弁及びコイルスプリング110が特定の周波数を有する入力振動により液体の共振現象(液柱共振)を生じさせる液柱共振系として構成されており、この液柱共振系が、外部から入力する振動がアイドル振動である場合には、このアイドル振動の入力に同期し、センターオリフィス84を通して閉鎖液室102と副液室34との間に液柱共振を発生させると共に、この液柱共振により副液室34に連通した開放液室100と閉鎖液室102との間に生じる液圧差によりセンターオリフィス84及び逆止弁を通して閉鎖液室102から開放液室100側へ液体を間欠的に流出させつつ、プランジャ部材74をコイルスプリング110の付勢力に抗して閉鎖位置から開放位置側へ間欠的に移動させる。
すなわち、防振装置10では、外部からアイドル振動が入力し、このアイドル振動により弾性体22が変形するとと共に主液室32内に液圧変化が生じると、この液圧変化が圧力波として圧力導入路61を通って閉鎖液室102内へ導入され、この圧力変化を駆動力として液柱共振系がセンターオリフィス84を通して副液室34に連通した開放液室100と閉鎖液室102との間を流通する液体の共振現象、すなわち液柱共振を発生させ、開放液室100と閉鎖液室との間に生じる液圧差を徐々に増幅する。
このとき、開放液室100と閉鎖液室102との間に生じる液圧差はプランジャ部材74に対しては軸方向に沿った加振力として作用する。これにより、開放液室100と閉鎖液室102との間に生じる液圧差がコイルスプリング110の付勢力を越えるまで増幅されると、アイドル振動の入力に同期して弁体90の撓み部91が弁座98に対して離間及び圧接を繰り返すように撓み方向へ弾性変形すると同時に、センターオリフィス84及び逆止弁を通して閉鎖液室102から開放液室100側へ液体を間欠的に流出させつつ、プランジャ部材74がシリンダ室62内でコイルスプリング110の付勢力に抗して閉鎖位置から開放位置側へ間欠的に移動する。このとき、逆止弁が閉鎖液室102から開放液室100側へのみ液体を流出させ、開放液室100から閉鎖液室102側へは液体が流れないので、閉鎖液室102内に封入された液圧の作用によりプランジャ部材74の閉鎖位置側への移動が阻止される。
なお、下部オリフィス部材42に穿設された圧力導入路61の内径が大きすぎると、プランジャ部材74が開放位置へ移動した状態での主液室32内での液圧損失(液体リーク)が過大になり、防振性能を低下させる原因なる。このことから、圧力供給穴120の内径は、0.1mm以上で、防振装置10の軸心Sを中心とする外径の1/10以下の範囲で適宜設定される。
従って、アイドル振動の入力が一定時間以上に亘って続くと、プランジャ部材74が閉鎖位置から開放位置へ移動してアイドルオリフィス66の一部を形成する開放液室100を開放することから、アイドルオリフィス66を通して液体が主液室32と副液室34との間で流通可能になる。これにより、主液室32内からアイドルオリフィス66内に液体が流入することで、圧力変化及び粘性抵抗等が生じつつこのアイドルオリフィス66内を液体が流通し、主液室32と副液室34との間で液体が相互に流通(液柱共振)するので、液体の液柱共振や粘性抵抗等によってもアイドル振動が低減されて、振動受け部である車体側にアイドル振動がより一層伝達され難くなる。
一方、本実施形態に係る防振装置10では、アイドル振動の入力後に、外部からアイドル振動以外の振動(例えば、シェイク振動)が伝達されると、液柱共振系が液柱共振を発生させなくなくなるので、開放位置にあったプランジャ部材74がコイルスプリング110の付勢力により閉鎖位置に復帰してアイドルオリフィス66の一部を形成する開放液室100を閉鎖するので、アイドルオリフィス66を通して主液室32と副液室34との間で液体が流通しなくなる。このとき、プランジャ部材74の移動量に対応する液体がセンターオリフィス84を通って閉鎖液室102から副液室34内へ流出する。
また本実施形態に係る防振装置10では、主液室32と副液室34と繋ぐ吸振用オリフィスとしてアイドルオリフィス66及びシェイクオリフィス64の2つが存在し、シェイクオリフィス64がアイドルオリフィス66よりも長く形成されて液体の流通抵抗が大きくなっている。これにより、防振装置10では、アイドルオリフィス66では低減できないような低い周波数の振動(シェイク振動)が入力した場合には、プランジャ部材74によりアイドルオリフィス66の一部を構成する閉鎖液室102が閉鎖された状態となるが、シェイクオリフィス64を通して主液室32と副液室34との間で液体が相互に流通するので、このようなシェイク振動もシェイクオリフィス64内における液体の液柱共振や粘性抵抗等によって低減できる。この結果、防振装置10では、アイドル振動及びシェイク振動の何れの振動が外部から入力しても、これらの振動を効果的に低減できるようになる。
なお、本実施形態の防振装置10では、アイドルオリフィス66の一部がシェイクオリフィス64の一部と共用された構造になったいたが、アイドルオリフィスとシェイクオリフィスとを共用部分が存在しないそれぞれ独立したものにしても良い。この場合にも、シェイクオリフィスは、アイドルオリフィスよりも細く又は長く形成されて液体の流通抵抗が大きいものとされる。
また防振装置10では、逆止弁の弁体90を弾性材料により形成することで、この弁体90により液柱共振系の一部を構成していたが、このような弁体を液圧により実質的に弾性変形が生じない材料(例えば、金属、樹脂)により形成し、この弁体をコイルスプリング、板バネ、ゴムブッシュ等の弾性材により弾性的に支持し、弁座98へ所定の圧接力で圧接するようにしても良い。この場合にも、圧接力や弾性材の剛性等を適宜調整することにより、弁体を構成要素の一部とする液柱共振系が構成可能になる。
以上説明した本実施形態に係る防振装置10によれば、従来のオリフィス切換式の防振装置で必要とされたアクチュエータ、電磁バルブ及びコントローラ等を不要として装置の製造コストを大幅に低減できると共に、入力振動の周波数に基づいてアイドルオリフィス66及びシェイクオリフィス64それぞれの開閉状態を自動的に制御できるので、広い周波数範囲の入力振動を効果的に減衰吸収できる。
また、以上説明した防振装置10では、アイドル振動の入力時に、主液室32内の液圧変化を閉鎖液室102へ導入するために、下部オリフィス部材42に圧力導入路61を穿設していたが、このような圧力導入路61に代え、図5に示されるように、下部オリフィス部材42の中心部に開口部122を形成し、この開口部122に弾性変形可能なゴム製のメンブラン124を配設するようにしても良い。すなわち、このように下部オリフィス部材42にメンブラン124を設けることにより、振動入力に伴う主液室32内の圧力変化をメンブラン124の弾性変形により閉鎖液室102の液体へ伝達できるようになるので、入力振動に同期する圧力変化を閉鎖液室102内へ伝達し、この圧力変化によりセンターオリフィス84を通して液柱共振を発生させることができる。
また、以上説明した本実施形態に係る液柱共振系の構成要素と液柱共振の共振周波数との関係は、次の(a)〜(d)のように整理される。
(a)センターオリフィス84の断面積を縮小するに従って共振周波数は低くなり、センターオリフィス84の断面積を拡大するに従って共振周波数は高くなる。
(b)センターオリフィス84の路長を延長するに従って共振周波数は低くなり、センターオリフィス84の路長を短縮するに従って共振周波数は高くなる。
(c)弁体90における撓み部91の剛性を低くするに従って共振周波数は低くなり、撓み部91の剛性を高くするに従って共振周波数は高くなる。
(d)プランジャ部材74が開放位置に保持されるアイドルモードが維持される周波数の上限値及び下限値は、センターオリフィス84により生じる共振の強度と、コイルスプリング110のばね定数を調整することによりそれぞれ設定可能となる。
以上(a)〜(d)の記載から明らかなように、プランジャ本体86をコイルスプリング110に抗して移動させる液柱共振系の共振周波数は、アイドル振動以外の振動(例えば、シェイク振動)に設定することも可能である。このことから、本発明を適用した防振装置では、コイルスプリング110の付勢方向及び中間開口112の配置をそれぞれ変更すれば、シェイク振動の入力に同期して、液柱共振系により開放液室100と閉鎖液室102との間で液柱共振を発生させ、この液柱共振により生じる液圧差によりプランジャ本体86を開放位置から閉鎖位置へ移動させることも可能になる。
本発明に実施形態に防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図であり、プランジャ本体が閉鎖位置にある状態を示している。 本発明に実施形態に防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図であり、プランジャ本体が開放位置にある状態を示している。 図1に示される仕切部材及びプランジャ本体の構成を示す分解斜視図である。 図1に示される仕切部材及びランジャ本体の構成を示す軸方向に沿った断面図である。 (A)は図1に示される仕切部材の下部オリフィス部材ににメンブランを設けた場合の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 上部外筒金具(取付部材)
16 下部外筒金具(取付部材)
22 弾性体
26 内筒金具(取付部材)
32 主液室
34 副液室
38 ダイヤフラム
61 圧力導入路
62 シリンダ室
64 シェイクオリフィス(吸振用オリフィス)
66 アイドルオリフィス(吸振用オリフィス)
74 プランジャ部材
84 センターオリフィス(プランジャ駆動用オリフィス)
86 プランジャ本体
90 弁体
91 撓み部
98 弁座
100 開放液室
102 閉鎖液室
110 コイルスプリング(付勢部材)
124 メンブラン

Claims (6)

  1. 振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、
    前記弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、該弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室と、
    隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、液体が封入された副液室と、
    前記主液室と前記副液室とを連通する吸振用オリフィスと、
    内部が前記吸振用オリフィスの一部を形成すると共に前記副液室に常に連通した開放液室と前記吸振用オリフィスから隔離された閉鎖液室とに区画され、液体が封入されたシリンダ室と、
    前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ導入する圧力導入手段と、
    前記シリンダ室内に配設され、前記閉鎖液室内へ移動して前記開放液室を開放する開放位置と前記開放液室内へ移動して該開放液室を閉鎖する閉鎖位置との間で往復動可能とされたプランジャ部材と、
    前記プランジャ部材に設けられ、前記閉鎖液室と前記開放液室とを連通するプランジャ駆動用オリフィスと、
    前記プランジャ駆動用オリフィスを通して前記閉鎖液室から前記開放液室側へのみ液体を流出させ得る逆止弁と、
    前記プランジャ部材を前記閉鎖位置へ向かって付勢する付勢部材と、
    を有する防振装置であって、
    前記プランジャ駆動用オリフィス、前記逆止弁及び前記付勢部材により特定の周波数を有する共振振動に対応する液柱共振系を構成し、
    前記共振振動の入力に同期し、前記液柱共振系が前記プランジャ駆動用オリフィスを通して前記閉鎖液室と前記開放液室との間に液柱共振を発生させると共に、該液柱共振により前記開放液室と前記閉鎖液室との間に生じる液圧差により前記プランジャ駆動用オリフィス及び前記逆止弁を通して前記閉鎖液室から前記開放液室側へ液体を間欠的に流出させつつ、前記プランジャ部材を前記付勢部材の付勢力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置側へ間欠的に移動させることを特徴とする防振装置。
  2. 前記圧力導入手段が、前記主液室と前記閉鎖液室とを連通し、前記共振振動の入力時に、前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ導入する圧力導入路であることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記圧力導入手段が、前記主液室と前記閉鎖液室との間を区画する隔壁部に弾性変形可能となるように配設され、前記共振振動の入力時に、前記弾性体の弾性変形に伴って生じる前記主液室内の液圧変化を前記閉鎖液室内へ伝達するメンブランであることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 前記逆止弁が弁座及び弁体を有し、
    前記弁座を、前記プランジャ部材の前記開放液室内に面し、かつ前記連通路の開口端を含む部位に設け、
    前記弁体を弾性材料により形成すると共に、前記開放液室側から前記弁座に所定の弾性力で圧接させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の防振装置。
  5. 前記共振振動が、車両のエンジンアイドリング時に主として発生するアイドル振動であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置。
  6. 前記吸振用オリフィスが2本存在し、前記開放液室により一部が形成された前記吸振用オリフィスが前記アイドル振動に対応する路長及び断面積を有するアイドルオリフィスとされ、他の吸振用オリフィスが前記アイドル振動に対して相対的に低い周波数を有するシェイク振動に対応して前記アイドルオリフィスよりも細く又は長く形成されて液体の流通抵抗が大きいシェイクオリフィスとされたこと特徴とする請求項5記載の防振装置。
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