JP2010169202A - バルブ構造 - Google Patents

バルブ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2010169202A
JP2010169202A JP2009012925A JP2009012925A JP2010169202A JP 2010169202 A JP2010169202 A JP 2010169202A JP 2009012925 A JP2009012925 A JP 2009012925A JP 2009012925 A JP2009012925 A JP 2009012925A JP 2010169202 A JP2010169202 A JP 2010169202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
leaf valve
piston
leaf
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009012925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5324239B2 (ja
Inventor
Shusaku Nogami
修作 野上
Tatsuya Sukegawa
達也 助川
Hisato Imaeda
久人 今枝
Yukimasa Kobayashi
幸正 小林
Mitsuyuki Usuda
充幸 臼田
Isao Kuroiwa
功 黒岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2009012925A priority Critical patent/JP5324239B2/ja
Publication of JP2010169202A publication Critical patent/JP2010169202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5324239B2 publication Critical patent/JP5324239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】経済性を犠牲にせず、緩衝器におけるストローク長の確保が容易で車両における乗り心地を向上させることが可能なバルブ構造を提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポート2が形成されるバルブディスク1と、バルブディスク1に積層されるとともに環状であって内周が固定支持され外周側の撓みが許容されてポート2を開閉するリーフバルブ10と、ポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢してリーフバルブ10の撓みを抑制する附勢部材15とを備えたバルブ構造において、リーフバルブ10が複数の環状板10aを積層して構成されるとともに、任意の環状板10a間に内径が環状板10aの内径より大径に設定される環状のイニシャルリング11を介装したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
近年、特に、自動車の車体と車軸との間に介装される緩衝器にあっては、ピストン速度が低速領域にある場合には、ピストン速度に対して発生する減衰力の特性(減衰特性)の傾きを大きくして減衰力を立ち上げるようにし、ピストン速度が中高速領域にある場合のピストン速度に対して発生する減衰力の特性(減衰特性)の傾きを小さくし、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰力を極力低くすることが車両の乗り心地の向上に大きく寄与すると考えられるようになってきた。
また、緩衝器の減衰力は、緩衝器のピストン部等に具現化された減衰バルブによって緩衝器内の二つの作動室に差圧を生じさせることで発生されるが、この減衰バルブとしては、たとえば、ピストン部に設けたポートの出口端に内周が固定支持される環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、このようにリーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉するバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、上記した近年の要求を満たすことが難しい。そこで、これに対処するため、図3に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持するもののリーフバルブLの撓み剛性を低く設定するとともに、撓み剛性の低下による開弁圧の低下を防止するべくリーフバルブLを背面側から押圧してポートPoを閉じる方向にリーフバルブLを附勢するコイルスプリングSを設けたバルブ構造がある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−190716号公報(図1) 特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、特開2004−190716号公報に開示されたバルブ構造では、ピストン速度が低速領域における減衰力の立ち上がりが鈍く、ピストン速度が中高速領域における減衰係数の傾きも依然として高くて、このような構成を採用しても上記要求を満足させることができない。これを解消するためには、ピストン速度が中高速領域にある際のリーフバルブLの撓み量を大きくすればよい。そのためには、コイルスプリングSのバネ定数を低く設定しなくてはならないが、そうするとコイルスプリングSがリーフバルブLを附勢する初期荷重が低下して開弁圧の低下を招くので、コイルスプリングSの圧縮時の長さはそのままとしてコイルスプリングSの自然長を長くする必要があり、バルブ構造の全長が長くなって緩衝器のストローク確保の点で不利となるとともに、コストが高く経済性も犠牲になる。
また、図4に示すように、リーフバルブL’の内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブL’の内周をピストンロッドR’の外周に装着したガイド筒Gの外周に摺接させ、コイルスプリングS’でメインバルブMを介してリーフバルブL’の背面を附勢するバルブ構造が特開平9−291961号公報に開示されている。
このバルブ構造では、ピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブL’の外周側がリーフバルブL’に積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPo’を通過する作動油の圧力がリーフバルブL’に作用し、コイルスプリングS’の附勢力に抗してリーフバルブL’がメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができ、上記要求を満足できる減衰特性を実現できる。
しかしながら、この図4に示したバルブ構造にあっては、メインバルブMとリーフバルブL’との間に多数の間座を積層するようにしており、コストが高く部品点数が非常に多くなるとともに、ガイド筒Gの外周にリーフバルブL’や間座を装着するために組付加工時にガイド筒GとピストンPとの間に入り込んでしまうことがあって組付性に難があり、経済性に欠けるところがある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、経済性を犠牲にせず、緩衝器におけるストローク長の確保が容易で車両における乗り心地を向上させることが可能なバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクに積層されるとともに環状であって内周が固定支持され外周側の撓みが許容されてポートを開閉するリーフバルブと、ポートを閉塞する方向にリーフバルブを附勢してリーフバルブの撓みを抑制する附勢部材とを備えたバルブ構造において、リーフバルブが複数の環状板を積層して構成されるとともに、任意の環状板間に内径が環状板の内径より大径に設定される環状のイニシャルリングを介装したことを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、イニシャルバルブを設けることによってリーフバルブの開弁圧を調節することができ、ピストン速度が低速領域にあるときの減衰力を立ち上げることができ、中高速領域における減衰係数の傾きを小さくすることができる。
したがって、このバルブ構造によれば、緩衝器の減衰特性を車両のサスペンション用途に適するものとすることができ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、イニシャルバルブを従来のバルブ構造が具現化された減衰バルブに適用するだけで、上記効果を得ることができるので、製造コストの著しい上昇を招くことがなく、経済性が犠牲になることもない。
さらに、自然長の長いコイルスプリングを大きい圧縮比で圧縮して使用して、リーフバルブの開弁圧を確保する必要もないので、バルブ構造の全長が長尺化することがなく、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合を生じさせず、車両への搭載性が悪化することも無い。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。
以下、本発明のバルブ構造および緩衝器を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図2は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ピストンロッド5の先端に連結されて緩衝器内に上室41と下室42とを隔成し上記上室41と下室42とを連通するポート2を備えたバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の下室42側の端面に積層されるとともに内周が固定支持され外周側の撓みが許容されてポート2の下流を閉塞する環状のリーフバルブ10と、ポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢してリーフバルブの撓みを抑制する附勢部材たるコイルスプリング15と、リーフバルブ10を構成する複数の環状板10aのうち任意の環状板10a間に介装した環状のイニシャルリング11とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に設けられ緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成された環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1eを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
また、ピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端5aには、図1中上から順に、圧側のリーフバルブ100、間座101、バルブストッパ102、ピストン1、リーフバルブ10、イニシャルバルブ11および間座13が組み付けられ、ピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによって、これらピストンロッド5に組み付けられた各部材はピストンロッド5の段部5bとピストンナット4とで挟持されてピストンロッド5に固定される。なお、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、リーフバルブ等のバルブ構造を構成する部材をピストン1内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中上端からピストンナット4の図1中下端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる。
つづいて、リーフバルブ10は、環状に形成された板、すなわち、環状板10aを複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、この図1中上面を弁座1cに当接させてある。なお、弁座1cには、打刻されて形成される凹部1fが設けられており、当該凹部1fは、リーフバルブ10が弁座1cに着座した状態でオリフィスとして機能する。なお、オリフィスは、リーフバルブ10の外周に形成した切欠等によって設けるようにしてもよい。
上述のように、リーフバルブ10は、ピストン1とともにピストンロッド5に組み付けられることで内周側がピストンロッド5に固定支持されて外周側の撓みのみが許容されて、上記したポート2を閉塞することができるようになっている。
そして、この複数の環状板10aのうち任意の環状板10a間に、内径が環状板10aの内径より大径に設定されるとともに外径が同径に設定される環状のイニシャルリング11が介装されている。このイニシャルリング11は、環状板10aと同心配置されてイニシャルリング11より図1中下方となる背面側に積層されている各環状板10aに初期撓みを与えており、この初期撓みが与えられた環状板10aは、イニシャルリング11より図1中上方となる正面側に積層されている各環状板10aを弁座1cに着座させる方向へ附勢している。
さらに、イニシャルリング11は、図示するところでは、内周側になんら部品が配置されていないので、環状板10aに対して位置ずれを防止する手立てを設けておくと良く、たとえば、溶接や接着によって図中上下のうちいずれか一方の環状板10aに固定するようにしておけばよい。また、イニシャルリング11の位置ずれを防止する方策として、環状板10aより厚みが薄く、イニシャルリング11の内周に摺動自在に嵌合する、あるいは、遊嵌されるとともに内径を環状板10aと同じくして内周側がピストンロッド5に固定される環状板を設けるようにしてもよい。
つまり、イニシャルリング11が環状板10a間に存在することでリーフバルブ10の任意の環状板10aに初期撓みが与えられるので、リーフバルブ10が弁座1cから離座する開弁圧を大きくすることができるのである。
なお、リーフバルブ10の開弁圧は、イニシャルリング11の厚み(図1中では上下方向長さ)によって調節することができ、また、環状板10aの積層枚数が3枚以上である場合には、イニシャルリング11の介装箇所によっても初期撓みを与える環状板10aの枚数を変更できるので介装箇所によっても調節することができる。
また、イニシャルリング11の外径は、環状板10aの外径と同径でなくともよく小径に設定されても、大径に設定されても良いが、ピストン1の筒部1aの内周との間の環状隙間を狭めすぎて、流路面積が小さくなりすぎることがないように配慮される。さらに、リーフバルブ10を構成する環状板10aの枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、緩衝器に発生させる減衰特性によってイニシャルリング11を介装可能な2枚以上であればよく、イニシャルリング11の介装が可能であれば各環状板10aの外径も任意に設定することができる。
つづいて、ピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの上端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、ピストンナット4の小径部4cの外周には、摺動自在に環状のバルブ抑え部材14が装着されており、バルブ抑え部材14は、このバルブ抑え部材14とピストンナット4の鍔4bとの間に介装されるコイルスプリング15によってリーフバルブ10に当接している。したがって、リーフバルブ10は、バルブ抑え部材4を介して附勢部材たるコイルスプリング15によって附勢されて、撓みが抑制されている。
なお、図示したところでは、バルブ抑え部材14は、筒部14aと筒部14aの外周に設けた鍔部14bとを備え、鍔部14bでコイルスプリング15の下端を支持し、また、鍔部14bの下面をリーフバルブ10に当接させている。この実施の形態では、バルブ抑え部材14の軸方向に摺動長さが確保されており、ピストンナット4の小径部4cの外周を軸方向に移動する際に、がたついてスティックスリップを生じて小径部4cの外周を傷つけないように配慮されているが、その形状は任意である。
さらに、上記したところでは、附勢部材をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。また、この場合、ピストンナット4を筒状としてバルブ抑え部材14を摺動自在に装着しているが、ピストンナットと間座13との間に別途筒を介装して、この筒にバルブ抑え部材14を装着するようにしても良い。
このように構成されたバルブ構造では、リーフバルブ10が開弁するまでは、コイルスプリング15がリーフバルブ10を附勢する附勢力は変化せず一定であり、リーフバルブ10にはイニシャルバルブ11によって初期撓みが与えられており、リーフバルブ10はこの初期撓みによって自身を弁座1cに着座する附勢力を発揮している。
そして、緩衝器の伸長速度となるピストン速度が低速領域にある場合、リーフバルブ10は初期撓みを与えられているとともにコイルスプリング15によって附勢されて、上室41と下室42の差圧が開弁圧に達することがないので、リーフバルブ10は弁座1cに着座したままに維持される。
すると、作動油は、ピストン速度が低速のうちは、上述の弁座1cに打刻によって形成されるオリフィスとして機能する凹部1fを通過して、上室41から下室42へ移動することになる。したがって、このときの減衰特性は、図2中実線で示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きく、ピストン速度の上昇に対して速やかに立ち上がる特性となり、リーフバルブの内周を固定支持するとともにコイルスプリングでリーフバルブを附勢する従来のバルブ構造の減衰特性における減衰係数(図2中破線)に比較して減衰係数も大きくなる。
その後、ピストン速度が上昇して、ピストン1の速度が中高速領域に達すると、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなって、該力がコイルスプリング15の附勢力とリーフバルブ10の初期撓みに附勢力に打ち勝つと、リーフバルブ10の外周側が撓んで弁座1cから離座して開弁しポート2を開放する。
このように、リーフバルブ10が撓んで開弁した後は、リーフバルブ10は撓み量に応じてポート2を閉じる方向の附勢力を発揮し、コイルスプリング15も同様にリーフバルブ10が撓んだことによって下方へ押し下げられる変位量に応じてリーフバルブ10をポート2を閉じる方向へ附勢力を発揮することになる。
すなわち、開弁後は、リーフバルブ10の撓み量がリーフバルブ10の撓みのバネ定数とコイルスプリングのバネ乗数との合成のバネ定数に比例して増加することになり、合成のバネ定数はリーフバルブ10およびコイルスプリング15の個々のバネ定数より低くなるので、リーフバルブ10が開弁するピストン速度が中高速領域における減衰特性は、図2中の実線に示すように、低速領域における減衰係数より小さくなるが、低速領域で減衰力が立ち上がる分、中高速領域における減衰係数の傾きは、リーフバルブの内周を固定支持しするとともにコイルスプリングでリーフバルブを附勢する従来のバルブ構造の減衰特性における減衰係数(図2中破線)に比較して小さくなる。
よって、このバルブ構造によれば、緩衝器の減衰特性を車両のサスペンション用途に適するものとすることができ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、イニシャルバルブ11を従来のバルブ構造が具現化された減衰バルブに適用するだけで、上記効果を得ることができるので、製造コストの著しい上昇を招くことがなく、経済性が犠牲になることもない。
そして、ピストンロッド5の外周に直接にリーフバルブ10が装着される構造を採用しており、リーフバルブがピストンからリフトするバルブ構造に比較してピストンロッド5へのリーフバルブ10等の組付が容易となる。
さらに、自然長の長いコイルスプリング15を大きい圧縮比で圧縮して使用して、リーフバルブ10の開弁圧を確保する必要もないので、バルブ構造の全長が長尺化することがなく、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合を生じさせず、車両への搭載性が悪化することも無い。
さらに、コイルスプリング15のバネ定数を低く設定しても、リーフバルブ10の開弁圧をイニシャルリング11で調節することができ、リーフバルブ10の初期撓みによる附勢力で開弁圧の大部分を手当てするようにしておけば、コイルスプリング15の長尺化を避けることができ、ピストン速度が中高速領域にある場合の減衰係数をより一層小さくして、減衰特性を理想的なものとすることができ、経済性やストローク長を犠牲にすることなく車両における乗り心地をより一層向上できることになる。
なお、本実施の形態においては、減衰特性の変化を説明するために、ピストン速度に低速、中高速でなる区分を設けているが、これらの区分の境の速度はそれぞれ任意に設定することができる。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、緩衝器の圧力室と体積補償用のリザーバとを仕切るベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能するバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明のバルブ構造は、たとえば、緩衝器の減衰バルブに利用することができる。
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 筒部
1f 凹部
3 窓
4 ピストンナット
4a ピストンナットにおける筒部
4b ピストンナットにおける鍔
4c ピストンナットにおける小径部
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドにおける先端
5b ピストンロッドにおける段部
5c ピストンロッドにおける螺子部
13,101 間座
10 リーフバルブ
10a リーフバルブにおける環状板
11 イニシャルバルブ
14 バルブ抑え部材
14a バルブ抑え部材における筒部
14b バルブ抑え部材における鍔部
15 附勢部材たるコイルスプリング
40 シリンダ
41 上室
42 下室
100 圧側のリーフバルブ
102 バルブストッパ

Claims (2)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクに積層されるとともに環状であって内周が固定支持され外周側の撓みが許容されてポートを開閉するリーフバルブと、ポートを閉塞する方向にリーフバルブを附勢してリーフバルブの撓みを抑制する附勢部材とを備えたバルブ構造において、リーフバルブが複数の環状板を積層して構成されるとともに、任意の環状板間に内径が環状板の内径より大径に設定される環状のイニシャルリングを介装したことを特徴とするバルブ構造。
  2. 附勢部材がコイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
JP2009012925A 2009-01-23 2009-01-23 バルブ構造 Active JP5324239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009012925A JP5324239B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 バルブ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009012925A JP5324239B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 バルブ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010169202A true JP2010169202A (ja) 2010-08-05
JP5324239B2 JP5324239B2 (ja) 2013-10-23

Family

ID=42701541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009012925A Active JP5324239B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 バルブ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5324239B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014005923A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60102535U (ja) * 1983-12-20 1985-07-12 トキコ株式会社 油圧緩衝器
JPH09303468A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Yamaha Motor Co Ltd 油圧緩衝器
JPH11166573A (ja) * 1997-12-01 1999-06-22 Toyota Motor Corp ショックアブソーバ
JP2006194336A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造
JP2008202745A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器のバルブ構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60102535U (ja) * 1983-12-20 1985-07-12 トキコ株式会社 油圧緩衝器
JPH09303468A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Yamaha Motor Co Ltd 油圧緩衝器
JPH11166573A (ja) * 1997-12-01 1999-06-22 Toyota Motor Corp ショックアブソーバ
JP2006194336A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造
JP2008202745A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器のバルブ構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014005923A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造
US9228631B2 (en) 2012-06-27 2016-01-05 Kayaba Industry Co., Ltd. Damping valve

Also Published As

Publication number Publication date
JP5324239B2 (ja) 2013-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2019194167A1 (ja) バルブ及び緩衝器
WO2014002867A1 (ja) 減衰バルブ
JP5390866B2 (ja) バルブ
WO2014002839A1 (ja) 減衰バルブ
JP5324239B2 (ja) バルブ構造
JP2011064285A (ja) バルブ構造
JP2012167689A (ja) ベースバルブ構造
JP4733624B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5466607B2 (ja) バルブ構造
JP2012021567A (ja) バルブ構造
JP4909761B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2008106926A (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4839201B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5190888B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2007255585A (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP2010164121A (ja) バルブ構造
JP4726079B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2008215433A (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5132584B2 (ja) バルブ構造
JP4733625B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5165870B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5190889B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4777912B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4726080B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4750737B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130327

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130718

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5324239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350