JP2010132840A - 接着シート用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高熱伝導性絶縁フィラー(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)と、
シート化剤(D)と、
を含有する接着シート用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
パワーモジュールや液晶ドライバー、各種CPU、MPU等の半導体チップ、あるいはそれらを実装する基板等の放熱性を高めるために、高熱伝導性材料の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、固形エポキシ樹脂を溶剤に溶解させ、高熱伝導性の無機質充填剤を混合し、その後、薄膜状にして溶剤を揮発させて得られる接着シート(シート状接着剤)及びその接着シートから製造された高熱伝導性材料が開示されている。
[1]
高熱伝導性絶縁フィラー(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)と、
シート化剤(D)と、
を含有する接着シート用エポキシ樹脂組成物。
[2]
前記高熱伝導性絶縁フィラー(A)は有機樹脂で被覆した金属粉末である、上記[1]記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
[3]
前記金属粉末の金属種がアルミニウムである、上記[2]記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
[4]
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)は、コア(K)と、前記コア(K)を被覆するシェル(S)とを少なくとも有するマイクロカプセル型潜在性硬化剤であり、
前記シェル(S)は、少なくともその表面に波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基(x)、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基(y)、及び波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基(z)を有し、
前記シェル(S)中の前記結合基(x)の濃度(Cx)の前記結合基(x)、(y)及び(z)の合計の濃度(Cx+Cy+Cz)に対する比(Cx/(Cx+Cy+Cz))が0.50以上0.75未満である、上記[1]〜[3]のいずれか記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
[5]
有機溶剤(E)をさらに含有する、上記[1]〜[4]のいずれか記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
[6]
上記[1]〜[5]のいずれか記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物から形成された接着シート。
[7]
上記[6]記載の接着シートを加熱硬化させて得られる接着シート硬化物。
[8]
上記[6]記載の接着シートと金属片とからなる放熱部材。
本実施形態の接着シート用エポキシ樹脂組成物は、
高熱伝導性絶縁フィラー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)と、シート化剤(D)と、を含有する。以下、各成分について説明する。
高熱伝導性絶縁フィラーとしては、例えば、Al2O3(アルミナ)、MgO、BN、AlN、Al(OH)3、Mg(OH)3、SiC、及び有機樹脂で被覆した金属粉末等が挙げられ、中でも、高い熱伝導率及び絶縁性を有する接着シート硬化物を作製し得る観点から、有機樹脂で被覆した金属粉末が好ましい。
[金属粉末]
上記有機樹脂で被覆した金属粉末の金属粉体として使用できる金属の種類としては、熱伝導性に優れる傾向にあるため、銅、銀、アルミニウム、銅とタングステンとの合金、銅とモリブデンとの複合材等が好ましく、製造コスト、入手容易性や熱伝導性の観点から、アルミニウムがより好ましい。
上記金属粉末を被覆する有機樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、架橋型樹脂等が使用可能であり、中でも、機械的強度が良好となる傾向にあるため、架橋型樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
架橋型樹脂としては、特に限定されず、例えば、架橋型アクリル樹脂、架橋型ポリプロピレン、架橋型ポリエチレン等の架矯型ポリオレフィン樹脂、架橋型ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂硬化物、架橋型シリコーン樹脂、架橋型シリコーンゴム、架橋型フッ素樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、機械的強度が良好となる傾向にあるため、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、架橋型アクリル樹脂が好ましく、架橋型アクリル樹脂がより好ましい。
架橋型アクリル樹脂としては、例えば、特公平1−49746に記載された樹脂等が挙げられる。架橋型アクリル樹脂は、例えば、1分子中に重合性二重結合を3個以上有する単量体を必須成分として、必要に応じてラジカル重合性不飽和カルボン酸、ラジカル重合性二重結合を有する燐酸エステル単量体から選ばれる1種又は複数種のラジカル重合性化合物を反応させて得ることができる。
エポキシ樹脂(B)としては、モノエポキシ化合物、多価エポキシ化合物又はそれらの混合物等が挙げられる。
本実施の形態の接着シート用エポキシ樹脂組成物は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)を含む。樹脂組成物中にマイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)を含有することにより、エポキシ樹脂組成物の保存安定性や、その樹脂組成物から形成される未硬化の接着シートの保存安定性が、マイクロカプセル型潜在性硬化剤以外の硬化剤を使用した場合と比較して良好となる。その効果は、特に樹脂組成物に溶剤を使用した場合(以下、樹脂組成物と溶剤との混合溶液を「ワニス」とも称する)に顕著となる傾向がある。
コア(K)は、下記の条件(1)〜(3)を満たす粒子を出発材料として形成されることが好ましい。
(1) アミン系硬化剤を主成分とし、
(2) 水を前記アミン系硬化剤100質量部に対し0.05〜3質量部含み、
(3) メジアン径で定義される平均粒径が0.3μmを超えて12μm以下である。
まず、条件(1)について説明する。
アミン系硬化剤としては、アミンアダクト系、変性ポリアミン系、脂肪族ポリアミン系、複素環式ポリアミン系、脂環式ポリアミン系、芳香族アミン系、ポリアミドアミン系、ケチミン系、ウレタンアミン系等の通常使用されるアミン系硬化剤が挙げられる。中でも、低分子アミン化合物(a1)とアミンアダクトからなるアミン系硬化剤が好ましい。
低分子アミン化合物(a1)としては、少なくとも1個の一級アミノ基及び/又は二級アミノ基を有するが三級アミノ基を有さない化合物と、少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基を有する化合物等が挙げられる。
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノアミン類;2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等のアミノメルカプタン類;N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒドラジド類等が挙げられる。
アミンアダクトとしては、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、尿素化合物、イソシアネート化合物、及びエポキシ樹脂(e1)からなる群より選択される1種と、アミン化合物(a2)との反応により得られるアミノ基を有する化合物等が挙げられる。
全塩素量は、以下の方法により測定することができる。
エポキシ樹脂組成物を、キシレンを用いて、エポキシ樹脂が無くなるまで洗浄と濾過を繰り返す。次にろ液を100℃以下で減圧留去し、エポキシ樹脂を得る。得られたエポキシ樹脂試料1〜10gを滴定量が3〜7mLになるよう精秤し、25mLのエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1規定KOHのプロピレングリコール溶液25mLを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定した滴定量から計算する。
試料3gを50mLのトルエンに溶解し、これに0.1規定KOHのメタノール溶液20mLを加えて15分間煮沸した後、硝酸銀水溶液で滴定した滴定量から計算する。
エポキシ樹脂(e1)とアミン化合物(a2)との反応により得られるアミンアダクトは、未反応のアミン化合物(a2)を低分子アミン化合物(a1)として流用できるという点でも好ましい。
コア(K)を形成するための出発材料となる粒子は、水を、主成分であるアミン系硬化剤100質量部に対して0.05〜3質量部含むことが好ましい。水の含有量は、通常の水分量の定量方法、例えば、電量滴定を利用するカールフィッシャー法や、TCD(Thermal Conductivity Detector)検出器によるガスクロマトグラフィー法、化学反応を起こし水分量に応じて発生する水素ガス量による定量法等により測定できる。
コア(K)を形成するための出発材料である粒子の粒径は、メジアン径で定義される平均粒径が0.3μmを超えて12μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm〜10μm、さらに好ましくは1.5μm〜5μmである。出発材料である粒子の平均粒径が12μm以下であると、均質な硬化物が得られる傾向にあり、0.3μmを超えると、粒子間で凝集が起こりにくく、薄いシェルの形成が容易となる傾向にある。ここで、平均粒径とは、レーザー回析・光散乱法で測定されるストークス径をいう。
シェル(S)は、波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基(x)と波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基(y)及び波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基(z)を少なくとも表面に有し、かつ、結合基(x)の濃度Cxの結合基(x)、(y)、(z)の合計の濃度Cx+Cy+Czに対する比Cx/(Cx+Cy+Cz)が、0.50以上0.75未満であることが好ましい。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)は、エポキシ樹脂(e3)と混合されたマスターバッチの形態、即ち、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物として配合することもできる。
本実施の形態の接着シート用エポキシ樹脂組成物は、シート化剤(D)を含む。シート化剤(D)の具体例としては、フェノキシ樹脂、固形エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム、ポリメチルメタクリレートパウダー、コアとして架橋ポリブチルアクリレートあるいは架橋ポリスチレンを有し、ポリメチルメタクリレートをシェルとするコアシェル型パウダー等のポリメチルメタクリレート系パウダー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のパウダー等が挙げられ、中でも、接着性と機械強度に優れた接着シート硬化物が得られる傾向にあるため、フェノキシ樹脂、アクリルゴムが好ましい。これらの樹脂類は単独又は必要に応じて2種以上を併用することもできる。
本実施形態の接着シート用エポキシ樹脂組成物には、必要に応じてマイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)以外の硬化剤を配合することができる。そのような硬化剤としては、前述のコア(K)を形成するための出発材料となる粒子に含まれるアミン系硬化剤やその他のエポキシ樹脂用硬化剤(h1)の例として挙げたものの他、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として使用されるあらゆるものが挙げられる。特に、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤、及びグアニジン系硬化剤よりなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂用硬化剤が好ましい。
本実施形態の接着シート用エポキシ樹脂組成物から、既存の方法により、接着シートを作製することができる。例えば、高熱伝導性絶縁フィラー(A)、エポキシ樹脂(B)、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)、シート化剤(D)、及び有機溶剤(E)をノンバブリングニーダーで混合して得られたワニスを、例えば、厚さ50μmの剥離用ポリエチレンテレフタレート基材に溶剤が乾燥後に厚さ30μmとなるように塗布する。次いで、溶剤を乾燥させることにより、常温では不活性であり、加熱することにより潜在性硬化剤の作用により接着性を発揮する接着シートを得ることができる。
(1)エポキシ当量
1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量(g)であり、JIS K−7236に従って求めた。
試料1gを25mLのエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1規定KOHのプロピレングリコール溶液25mLを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定した。
マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物を、キシレンを用いて、エポキシ樹脂が無くなるまで洗浄と濾過を繰り返した。次に、濾液を100℃以下で減圧留去し、エポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂試料1〜10gを滴定量が3〜7mLになるよう精秤し、25mLのエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1規定KOHのプロピレングリコール溶液25mLを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定した。
エポキシ樹脂のジオール末端不純成分を、以下の方法により分析して定量した。東ソー製高速液体クロマトグラフィ(AS−8021、検出器UV−8020、以下HPLC)及び、カラムとしてミリポア社製のノバパックC−18を使用した。移動相は水/アセトニトリル=70/30〜0/100にグラジェントをかけた。なお、検出波長は254nmとした。HPLC分析を行い両方の末端構造の違いによる分離条件を選定して、分離液について切り替え弁を使用して分取した。分取した分離液をフラクションごとに減圧、留去し、残渣をMSで分析した。MSスペクトルにより、基準ピークの質量数に18の差があるもの同士について、18小さいものを基本構造成分、18大きいものをジオール末端不純成分とした。HPLC分析チャート上のジオール末端不純成分ピークの強度を示す面積と、基本構造成分を示すピーク強度の面積比でエポキシ樹脂中の基本構造成分に対するジオール末端不純成分の含有量を求めた。
粒子粉末として4mgを0.1質量%界面活性剤(三井サイテック(株)製、「エアロゾルOT−75」)のシクロヘキサン溶液32gに入れ、超音波洗浄器(本田電子(株) 「MODEL W−211」)で5分超音波照射して分散した。このときの超音波洗浄器内の水温は19±2℃に調整しておいた。得られた分散液を一部取り、粒度分布計(堀場製作所(株)製 「HORIBA LA−920」)にて粒度分布測定を行い、これに基づくメジアン径により平均粒径を求めた。
マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤を、キシレンを用いて、エポキシ樹脂が無くなるまで洗浄と濾過を繰り返した後、キシレンが無くなるまでシクロヘキサンで洗浄と濾過を繰り返した。その後、シクロヘキサンを濾別し、50℃以下の温度でシクロヘキサンを完全に除去乾燥して、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物からマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤を分離した。
このようにして得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤の表面の吸光度を、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)社製「FT/IR−410」)を用いて測定した。
予め、以下の手順で検量線を作成した。
波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基(x)を有するモデル化合物(1)、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基(y)を有するモデル化合物(2)、及び波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基(z)を有するモデル化合物(3)として以下のものを用いた。
なお、モデル化合物(1)、(2)、(3)及び標準物質であるテトラメチルこはく酸ニトリルは、いずれも東京化成の試薬グレードを用いた。
次に、(6)と同様にしてマスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物から分離したマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤を40℃で真空乾燥してその質量を求めた。
そして、真空乾燥したマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤を、メタノールを用いて、エポキシ樹脂硬化剤がなくなるまで洗浄と、ろ過を繰り返し、50℃以下の温度でメタノールを完全に除去乾燥して、シェルだけを分離した。このシェルを40℃で真空乾燥して、質量を測定し、結合基の濃度比測定用サンプルを得た。
該濃度比測定用サンプル3gに、標準物質であるテトラメチルこはく酸ニトリルを10mg加えて、メノウ乳鉢で粉砕混合後、その混合物を2mgとKBr粉末50mgとともに粉砕して錠剤成型機を用いてFT/IR測定用錠剤を作成した。本錠剤を用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)社製「FT/IR−410」)により赤外線スペクトルを得た。
得られたスペクトルチャートの面積と予め作成した検量線より、結合基(x)、(y)、(z)のサンプル中の濃度を求めて、マイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤1kg当たりの結合基量とその濃度比を求めた。
(7)と同様にして分離したシェルに対して、Bruker社製DSX400(磁場:400MHz)を使用し、観測測定核種13C、パルスプログラムCPSELTICS、パルス条件(繰り返し時間5秒、プロトンの90度パルス5.2マイクロ秒、コンタクト時間1ミリ秒)、マジックアングルスピニング5000Hzの条件で測定した。メタクリル酸メチルポリマーのC13核磁気共鳴スペクトルをモデル合成物として、165から175ppmに現れるエステル基のカルボニル炭素によるピーク高さと、28から38ppmに現れるメチレン鎖のピーク高さの比が、モデル化合物と比較して10分の1以下であ
る場合、エステル基のカルボニル炭素がないと判定し、これに基づいてエステル結合の有無を判定した。
マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物を40℃で1週間保存した前後の粘度を測定し、粘度上昇倍率で評価した。保存後の粘度上昇率が10倍以上又はゲル化した場合を×、5倍以上10倍未満を△、2倍以上5倍未満を○、2倍未満を◎とした。なお、粘度は、25℃でBM型粘度計(TOKIMEC社製「VISCOMETER」)を使用して測定した。
マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物80部をトルエン15部、メチルイソブチルケトン5部と混合したサンプルを調製し、40℃で6時間加温し、加温後のサンプルの粘度を測定した。粘度が200mPa・s以下のものを◎、200〜1000mPa・sのものを○、1000〜20000mPa・sのものを△、20000〜2000000mPa・sのものを×、2000000mPa・s以上のものを××とした。
マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物を30℃湿度85%の恒温恒湿状態で6時間保持した後、40℃で1週間保存した前後の粘度を測定し、粘度上昇倍率で評価した。保存後の粘度上昇率が10倍以上又はゲル化した場合を×、5倍以上10倍未満を△、2倍以上5倍未満を○、2倍未満を◎とした。なお、粘度は、25℃でBM型粘度計を使用して測定した。
接着シート用エポキシ樹脂組成物の溶液(ワニス)を40℃で6時間加温し、加温後のサンプルの粘度が加温前の5倍未満の場合を○、5倍以上10倍未満の場合を△、5倍以上の場合を×とした。
接着シートを40℃で1週間保存した前後の単位質量当たりの発熱量を示差走査熱量測定装置(SII社製、「DSC220」)で測定し、保存前の発熱量に対して保存後の発熱量の割合が70%以上の場合を○、50%以上70%未満の場合を△、50%未満の場合を×とした。
接着シート硬化物の熱伝導性を室温にてレーザフラッシュ法により(アルバック理工社製、「TC−7000」)測定した。すなわち、測定した熱拡散率α、比熱Cp、密度σから、以下の式、K=α×Cp×σより熱伝導率を求めた。
JISK69llに従って接着シート硬化物の体積抵抗率を測定した。
体積抵抗率が1x1010Ω・cm以上の場合を○、1x1010Ω・cm未満の場合を×とした。
接着シート硬化物の表面を目視で観察し、光沢のある場合を○、光沢がない場合を×、光沢はあるが凝集物が見られるものを△とした。
未硬化の接着シートを2枚の試験片(25mmx100mmx1.6mm)に接着面積が25mmx10mmとなる様に挟み、油圧成型機(東邦マシナリー社製、「TM−10」)を用いて1kg/cm2の圧力で加圧しながら加熱硬化してせん断接着試験片を得た。得られた試験片を用いてJIS−K6850に従って測定した。5N/mm2以上の場合を○、0.5N/mm2以上5N/mm2未満の場合を△、0.5N/mm2未満の場合を×とした。
幅10mm、厚さ50ミクロンのフィルムを引っ張り試験機(島津製作所社製「AGS−H」)にて2mm/分の速度で測定し、強度が200gf/cm以上の時を○、50gf/cm以上200gf/cm未満の場合を△、50gf/cm未満の場合を×とした。
1000mLの三つ口フラスコに、アルミニウムペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製M601、金属分65.2%、平均粒径11μm)及びミネラルスピリット400gを加え、窒素ガスを導入しながら攪拌し、系内の温度を80℃に昇温した。次いで、アクリル酸0.375gを添加し80℃で30分攪拌を続けた。次いでトリメチロールプロパントリメタクリレート7.5gとアゾビスイソブチロニトリル0.75gを添加し、80℃で5時間重合した。重合終了後、常温まで放冷し、このスラリーをろ過し、有機樹脂被覆アルミニウムを含むペースト(AL1)を得た。ペースト(AL1)の不揮発分(JIS−K−5910に準拠)は51.0質量%であった。アルミニウム金属分100質量部に対する被覆樹脂量は11.4質量部であった。アルミニウム金属量と被覆樹脂量の結果より、アクリル酸、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルの99%以上がアルミニウム金属表面に付着したものと推定される。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185g/当量、全塩素量1400ppm、以下「エポキシ樹脂(e1)−1」という。)1.5当量と、2−エチル−4−メチルイミダゾール1当量(活性水素換算)を、n−ブタノールとトルエンの1/1混合溶媒中(樹脂分50%)で、80℃で反応させた。その後、減圧下で2−エチル−4−メチルイミダゾールを、その含有量が10ppm未満になるまで溶媒と共に留去し、25℃で固体のアミンアダクトを得た。
上記方法により得られたアミンアダクト99.1質量部を溶融し、これに0.9質量部の2−エチル−4−メチルイミダゾールを均一に混合し、アミン系硬化剤1を得た。
エポキシ樹脂(e1)−1 1当量、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量470g/当量、全塩素量1300ppm、以下「エポキシ樹脂(e1)−2」という。)1当量と、トリエチレンテトラミン2当量を、2−プロパノールとトルエンの1/2混合溶媒中(樹脂分50%)で、80℃で反応させた。その後、減圧下で溶媒を留去した。
上記方法により得られたアミン系硬化剤2は、25℃で固体で、アミンアダクトを主成分とし、トリエチレンテトラミンを0.3質量%含有していた。
エポキシ樹脂(e1)−2 0.5当量、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215g/当量、全塩素量1500ppm)1当量と、N―メチルピペラジン1.8当量を、2−プロパノール/トルエン/プロピレングリコールモノメチルエーテルを1/1/1混合溶媒中(樹脂分50%)で、80℃で反応させた。その後、減圧下で溶媒を留去した。
上記方法により得られたアミン系硬化剤3は、25℃で固体で、アミンアダクトを主成分とし、N―メチルピペラジンを0.8質量%含有していた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(e1)−1 1.5当量と、2−メチルイミダゾール1.2当量を、n−ブタノールとトルエンの1/1混合溶媒中(樹脂分50%)で、80℃で反応させた。その後、減圧下で溶媒を留去した。
上記方法により得られたアミン系硬化剤4は、25℃で固体で、アミンアダクトを主成分とし、2―メチルイミダゾールを0.4質量%含有していた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(e1)−1 1当量と、2−メチルイミダゾール0.7当量を、n−ブタノールとトルエンの1/1混合溶媒中(樹脂分50%)で、80℃で反応させた。その後、減圧下で溶媒を留去した。
上記方法により得られたアミン系硬化剤5は、25℃で固体で、アミンアダクトを主成分とし、2―メチルイミダゾールを0.5質量%含有していた。
アミン系硬化剤1を旋回式粉砕機を用いて粉砕して、25℃で固体の平均粒径2.5μmの粒子c−1(コア)を得た。粒子c−1中の含有水分量は、粒子c−1 100質量部に対して、0.6質量部であった。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量175g/当量、ジオール末端不純成分/基本構造成分=0.08)、全塩素量1400ppm、以下「エポキシ樹脂(e3)−1」という。)200質量部に、前記粒子c−1 100質量部、水1.5質量部、トリレンジイソシアネート(TDI)7質量部を加え、40℃で攪拌しながら3時間反応を続けた。その後、50℃で8時間反応させ、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物1を得た。
上記方法により得られたマスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物1を、キシレンを用いてマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤を分離し、FT−IR測定によりその表面を分析したところ、1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有することが確認された。
また、モデル化合物(1)、(2)、(3)の分析チャート、及び標準物質とモデル化合物より作成した検量線を用いて、シェル中の結合基(x)、(y)、(z)の含有量及び濃度比を測定し、結果を表−1に示した。
また、分離したシェルのC13核磁気共鳴スペクトル測定を行い、シェルに含まれる樹脂がエステル結合を有しないことを確認した。
アミン系硬化剤2を(旋回式粉砕機)を用いて粉砕して、平均粒径2.0μmの粒子c−2を得た。粒子c−2中の含有水分量は粒子c−2 100質量部に対して、1.2質量部であった。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、前記粒子c−2 100質量部、水1.5質量部、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製MR−200)5質量部を加え、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物の調製1と同様にして、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物2を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤2は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有しないことが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
アミン系硬化剤3を(旋回式粉砕機)を用いて粉砕して、平均粒径1.9μmの粒子c−3を得た。この粒子c−3中の含有水分量は粒子c−3 100質量部に対して、0.7質量部であった。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、粒子c−3 100質量部、水1.0質量部、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)5質量部加え、40℃で攪拌しながら3時間反応を続けた。その後、環状ホウ酸エステル化合物(L)を0.5質量部加え、さらに50℃で8時間反応させ、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤3を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤3は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有しないことが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
アミン系硬化剤4を旋回式粉砕機を用いて粉砕して、平均粒径3.5μmの粒子c−4を得た。このc−4中の含有水分量は粒子c−4 100質量部に対して、1.0質量部であった。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、粒子c−4 100質量部、水0.5質量部、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製MR−200)7質量部加え、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物の調製1と同様にして、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物4を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤4は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有しないことが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
アミン系硬化剤5を旋回式粉砕機を用いて粉砕して、平均粒径15.5μmの粒子c−5を得た。この粒子c−5中の含有水分量はc−5 100質量部に対して、4.1質量部であった。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、粒子c−5 100質量部、水0.5質量部、トリレンジイソシアネート(TDI)3質量部を加え、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物の調製1と同様にして、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物5を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤5は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有しないことが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
アミン系硬化剤5を旋回式粉砕機を用いて粉砕して、平均粒径3.1μmの粒子を得た。この粒子c−6を乾燥させ、含有水分量をc−6 100質量部に対して、2.5質量部に調整したものをc−7とした。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、エポキシ樹脂用硬化剤粒子c−7 100質量部、活性水素化合物としてポリエステル型ポリオールである三井武田ケミカル製のDiol−400を1.0質量部、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)7質量部を加え、40℃で攪拌しながら3時間反応を続けた。その後、環状ホウ酸エステル化合物(L)を0.2質量部加え、さらに50℃で8時間反応させ、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤6を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤6は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有することが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
アミン系硬化剤5を旋回式粉砕機を用いて粉砕して、平均粒径15.5μmの粒子c−8を得た。この粒子c−8中の含有水分量はc−8 100質量部に対して、3.2質量部であった。
製造例2−1で用いたのと同じエポキシ樹脂(e3)−1 200質量部に、粒子c−8 100質量部、水8質量部、トリレンジイソシアネート(TDI)20質量部を加え、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物の調製1と同様にして、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物7を得た。
上記方法により得られたマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤7は、その表面が波数1630〜1680cm−1と波数1680〜1725cm−1、1730〜1755cm−1に吸収を有し、シェルにエステル結合を有しないことが確認された。また、シェルの結合基(x)、(y)、(z)の含有量と、その濃度比は表−1に示すとおりであった。
有機樹脂被覆アルミニウムを含むペースト(AL1)、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHH」)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製AER250)、酢酸エチル、マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物を表−2に示す割合で配合して得られた一液性エポキシ樹脂組成物をポリエステルフィルム上に塗布し、70℃で酢酸エチルを乾燥除去し、未硬化の接着シートを得た。得られた未硬化の接着シートの特性を表−2に示した。
また、得られた未硬化の接着シートを180℃1時間加熱硬化して接着シート硬化物を得た。得られた接着シート硬化物の特性を表−2に示した。
樹脂被覆アルミニウムを含むペースト(AL1)、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHH」)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製AER250)、酢酸エチルを表−2に示す割合で混合後、酢酸エチルを留去して得られた樹脂組成物にマスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物を配合して得られた一液性エポキシ樹脂組成物をアプリケーターでポリエステルフィルム上に塗布して未硬化の接着シートを得た。得られた未硬化の接着シートの特性を表−2に示した。
また、得られた未硬化の接着シートを180℃1時間加熱硬化して接着シート硬化物を得た。得られた接着シート硬化物の特性を表−2に示した。
接着シートの硬化条件を120℃で1時間とした以外は、それぞれ実施例5及び実施例7と同様にして接着シート硬化物を得た。得られた接着シート硬化物の特性を表−3に示した。
表−2に示す割合で実施例1−8と同様にして一液性エポキシ樹脂組成物を得た。次に実施例1−8と同様にして乾燥除去し未硬化の接着シートを得、実施例と同様にして接着シート硬化物を得た。それらの特性を表−2に示した。
非マイクロカプセル型潜在性硬化剤としてAITI(2,4−ジアミノ―6―(2−メチル―1―イミダゾリルエチル)−1、3、5−トリアジン・イソシアヌル酸付加物)を使用した以外は実施例9及び10と同様にして一液性エポキシ樹脂組成物を得た。更に実施例9及び10と同様にして接着シート硬化物を得た。得られた接着シート硬化物の特性を表−3に示した。
LEDを搭載した片面プリント配線板の裏面に、実施例1と比較例4で作製した未硬化の接着シートを用いて放熱アルミフィンを接着しLEDを点灯させた。30分後のLED周囲のプリント配線板の表面温度を測定したところ、実施例1のシートを使用したものは比較例4のシートを使用したものと比較して20℃低温であった。
実施例1で作製した接着シート硬化物をアドバンテスト社製TR4131電磁遮蔽試験装置を用いてアースをとりながら100MHzで電磁波のシールド性のテストをしたところ、30dBの減衰率を示し、電磁波シールド性を確認した。
本発明の接着シートを用いることにより、放熱性に優れた放熱部材及び電磁波シールド材を提供することができる。
Claims (8)
- 高熱伝導性絶縁フィラー(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)と、
シート化剤(D)と、
を含有する接着シート用エポキシ樹脂組成物。 - 前記高熱伝導性絶縁フィラー(A)は有機樹脂で被覆した金属粉末である、請求項1記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
- 前記金属粉末の金属種がアルミニウムである、請求項2記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
- 前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤(C)は、コア(K)と、前記コア(K)を被覆するシェル(S)とを少なくとも有するマイクロカプセル型潜在性硬化剤であり、
前記シェル(S)は、少なくともその表面に波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基(x)、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基(y)、及び波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基(z)を有し、
前記シェル(S)中の前記結合基(x)の濃度(Cx)の前記結合基(x)、(y)及び(z)の合計の濃度(Cx+Cy+Cz)に対する比(Cx/(Cx+Cy+Cz))が0.50以上0.75未満である、請求項1〜3のいずれか1項記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。 - 有機溶剤(E)をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の接着シート用エポキシ樹脂組成物から形成された接着シート。
- 請求項6記載の接着シートを加熱硬化させて得られる接着シート硬化物。
- 請求項6記載の接着シートと金属片とからなる放熱部材。
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