JP2010071462A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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智昭 牧野
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山本  憲
Minoru Suzuki
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Yuichi Ito
雄一 伊藤
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Abstract

【課題】外周係合部材保持部を、ケーシングの内部に新たに設ける場合に、支持剛性が不足して振動することを防止することが可能なインホイールモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】インホイールモータ駆動装置21の減速部Bは、ケーシング22と、ケーシング22の内部に配置された入力軸25と、入力軸25に結合した偏心部材25a,25bと、内周が偏心部材25a,25bの外周に相対回転可能に取り付けられ、公転運動を行う公転部材26a,26bと、公転部材26a,26bの自転運動を生じさせる外周係合部材27と、公転部材26a,26bの自転運動を取り出す出力軸28と、ケーシング22の内部に取り付けられて外周係合部材27を支持する外周係合部材保持部45と、ケーシング22の内壁と外周係合部材保持部45の外周面との間に弾性変形しつつ介挿されて、外周係合部材保持部を径方向内側に押圧する押圧部材とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置の外周係合部材の支持構造に関する。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特開2008−44537号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載されているインホイールモータ駆動装置は、駆動モータと、この駆動モータから駆動力を入力されて回転数を減速して車輪側に出力する減速機と、減速機の出力軸と結合する車輪のハブ部材とが同軸かつ直列に配列されている。この減速機はサイクロイド減速機構であり、従来の減速機として一般的な遊星歯車式減速機構と比較して高減速比が得られる。したがって、駆動モータの要求トルクを小さくすることができ、インホイールモータ駆動装置のサイズおよび重量を低減することができるという点で頗る有利である。また、このサイクロイド減速機構は、外周係合部材がケーシングに針状ころ軸受によって回転自在に支持されている。したがって、公転部材と外周係合部材との接触抵抗を大いに低減することができ、減速機のトルク損失を防止することができる点で頗る有利である。
特開2008−44537号公報
このサイクロイド減速機構のケーシングは、その軸線方向一方側で駆動モータのケーシングと締結固定され、軸線方向他方側でハブ部材のケーシングと固定される。また、サイクロイド減速機構の外周係合部材は、ピン形状であり、インホイールモータ駆動装置の軸線と平行に支持されて、公転部材の外周に係合する。また、組立の都合上、サイクロイド減速機構のケーシングを軸線方向に2分割しておき、外周係合部材および公転部材をケーシングの内部に配設して、これら2つのケーシングを接合する必要がある。ここで、外周係合部材の軸線方向一方側を支持する一方側のケーシングと、外周係合部材の軸線方向他方側を支持する他方側のケーシングとを、位置関係につき精度良く組立てるのは困難であり、外周係合部材の延在方向が、軸線と僅かに不平行となる虞がある。軸線に対する平行度が悪いと、外周係合部材と公転部材との間で点接触によるエッジロードが作用して、サイクロイド減速機構の片摩耗および耐久性低下が懸念される。
このため、ケーシングの内壁に取り付けられて、外周係合部材の両端を共通に支持する外周係合部材保持部を、新たに設けることが考えられる。この外周係合部材保持部によれば、一方側ケーシングと他方側ケーシングとの組立精度に依存することなく、外周係合部材の延在方向を、軸線と平行にすることが可能である。
ところで、組立の都合上、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外壁とを完全に密着させることは困難であり、設計においてケーシングと外周係合部材保持部との間に隙間を持たせることが考えられる。
しかしながら、この環状隙間を設ける場合、以下のような問題が懸念される。第1に、外周係合部材保持部を径方向に支持しないばかりでなく、サイクロイド減速機構の振動の原因にさえなる。第2に、サイクロイド減速機構の軽量化を目指してケーシングをアルミニウムなどの軽金属で形成するとともに外周係合部材保持部を炭素鋼で形成する場合、異なる物性の材料が隣接するため、線膨張係数の違いによりケーシングと外周係合部材保持部との間の隙間が開いてしまい、サイクロイド減速機構が振動する原因となる。
本発明の目的は、外周係合部材保持部をケーシング内部に新たに設ける場合であっても、サイクロイド減速機構の振動を好適に防止することができるインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、モータ側回転部材を回転駆動するモータ部と、前記モータ側回転部材の回転を減速して車輪側回転部材に伝達する減速部と、前記車輪側回転部材に固定連結された車輪ハブとを備えることを前提とする。そして減速部は、減速部の外郭であるケーシングと、一端がケーシングの内部に配置された入力軸と、入力軸の軸線から偏心して入力軸の一端に結合した円盤形状の偏心部材と、内周が偏心部材の外周に相対回転可能に取り付けられ、入力軸の回転に伴って軸線を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の外周部に係合して公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、公転部材の自転運動を取り出す出力軸と、軸線を中心とするリング形状であって、ケーシングの内部に取り付けられて外周係合部材を支持する外周係合部材保持部と、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間に弾性変形しつつ介挿されて、外周係合部材保持部を径方向内側に押圧する押圧部材とを有する。
かかる本発明によれば、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間に弾性変形しつつ介挿されて、外周係合部材保持部を径方向内側に押圧する押圧部材を備えることから、外周係合部材保持部を径方向に支持することが可能になる。したがって、ケーシング内部に外周係合部材保持部を新たに設ける場合であっても、振動の懸念を解消することができる。
本発明は一実施形態に限定されるものではなく、押圧部材はゴム製であってもよく、あるいは金属で形成された金属製部材であってもよい。かかる実施形態によれば、金属製であることから耐久性が向上する。
本発明は一実施形態に限定されるものではなく、金属製部材は環状隙間の1箇所あるいは2箇所に設けられてもよいが、好ましい実施形態として金属製部材は周方向に少なくとも3箇所以上で介挿される。これにより、外周係合部材保持部を軸線と同軸に配置するよう支持することができる。
好ましくは、金属製部材は、軸線と平行に延びるスプリングピンである。あるいは、軸線と平行に延びる断面V字形状のピンである。これらのピンは、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間に、容易に弾性変形しつつ介挿されることが可能であり、簡易な構成で振動の懸念を解消することができる。
好ましくは、ケーシングの内壁は金属製部材と係合する凹部を備える。ケーシングの内壁に代えて、あるいはケーシングの内壁とともに、外周係合部材保持部の外周面は金属製部材と係合する凹部を備える。これにより、金属製部材を容易に配置することができる。また、ケーシングに対する外周係合部材保持部の相対回動を抑制することができる。
本発明は一実施形態に限定されるものではなく、外周係合部材保持部の外周面は隙間を介してケーシングの内壁と対面し、押圧部材は高分子材料で形成された高分子材料製部材であってもよい。かかる実施形態によれば、振動抑制効果の大きい高分子材料、例えば低反発素材、等で形成された押圧部材を用いることで、減速部から発生する振動を高分子材料製部材で吸収することができる。
また、高分子材料製部材は弾性変形しつつ介挿されているので、外周係合部材保持部を減速部の回転軸線に一致するよう支持力を発揮する。したがって、減速部の振動の発生を抑制することができる。
本発明は一実施形態に限定されるものではないが、ケーシングの内壁および外周係合部材保持部の外周面に、軸線方向に延びて高分子材料製部材を受け入れる溝がそれぞれ形成されてもよい。かかる実施形態によれば、減速部の回転方向の振動を吸収することができる。
溝の断面形状は特に限定されないが、好ましい実施形態として溝は、軸線と直角な断面がV字形状である。かかる実施形態によれば、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間で高分子材料製部材に作用する周方向のせん断荷重を緩和することが可能になり、高分子材料製部材の耐久性が向上する。
あるいは他の実施形態として溝は、軸線と直角な断面がアーチ形状である。ここでアーチ形状は、放物曲線であってもよいし、カテナリーであってもよい。またゴシックアーチ形状であってもよい。
好ましい実施形態として溝は、ケーシングの内壁と溝との境界、および外周係合部材保持部の外周面と溝との境界に面取り部を有する。かかる実施形態によれば、ケーシングの内壁と溝との境界、および外周係合部材保持部の外周面と溝との境界が角張らないことから、これらの境界から高分子材料製部材に周方向のせん断荷重が作用することを回避することができる。
好ましい実施形態として高分子材料製部材は、溝に沿って延び、断面形状が円形である。かかる実施形態によれば、高分子材料製部材がケーシングの内壁と溝との境界、および外周係合部材保持部の外周面と溝との境界に接触せず、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間で高分子材料製部材に作用する周方向のせん断荷重を分散することが可能になる。
好ましい実施形態として減速部は、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間に介挿される金属製部材をさらに有する。かかる実施形態によれば、信頼性が向上する。
好ましい実施形態としてケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との隙間は、外周係合部材保持部の振動の軸線直角方向成分よりも大きい。かかる実施形態によれば、高分子材料製部材は減速部の振動を効率よく吸収することができる。また外周係合部材保持部が振動してケーシングの内壁と当接せず、異音を防止できる。
このように本発明は、ケーシングの内壁と外周係合部材保持部の外周面との間に弾性変形しつつ介挿されて、外周係合部材保持部を径方向内側に押圧する押圧部材とを備える。したがって、外周係合部材保持部を径方向に好適に支持することが可能になり、ケーシング内部に外周係合部材保持部を新たに設ける場合であっても、振動の懸念を解消することができる。
本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 同実施例における減速部の横断面図である。 図2の一部を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 図2の一部になる変形例を拡大して示す図である。 本発明の変形例を拡大して示す図である。 本発明の他の実施例であって、減速部の横断面図である。 図11の一部になる比較例を拡大して示す図である。 図11の一部を拡大して示す図である。 図11の一部になる変形例を拡大して示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施例のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。図2は、本実施例のインホイールモータ駆動装置の横断面図である。
車両の床下に取り付けられて車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備える。そして軸線O方向にモータ部A、減速部B、車輪ハブ軸受部Cの順で直列配置される。モータ部Aと減速部Bとはケーシング22に収納され、車輪ハブ軸受部Cはケーシング22に回転自在に支持される。ケーシング22の外壁はナックル、サスペンション等を介して、例えば電気自動車のホイールハウジング内に取り付けられる。あるいは鉄道車両の台車に取り付けられる。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されるステータ23と、ステータ23の内側に軸方向に開いた隙間を介して対向配置される円盤形状のロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ側回転部材25とを備えるアキシャルギャップモータである。
モータ側回転部材25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて配置され、減速部Bの入力軸に相当する。そして、減速部B内部に配置される一端が偏心部材25a,25bと結合する。このモータ側回転部材25は、他端がロータ24と嵌合すると共に、減速部Bの両端で転がり軸受36a,36bによって支持される。さらに、2つの円盤形状の偏心部材25a,25bは、偏心運動による遠心力で発生する振動を互いに打ち消し合うために、周方向180°位相を変えて設けられている。
減速部Bは、偏心部材25a,25bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板26a,26bと、曲線板26a,26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン27と、曲線板26a,26bの自転運動を車輪側回転部材28に伝達する運動変換機構と、これらの部材を内部に収容する減速部ケーシング22bとを備える。ケーシング22の一部である減速部ケーシング22bは、筒状であって、軸線O方向の一方側で、モータ部Aのケーシング22と嵌合し、他方側で、車輪ハブ軸受部Cのケーシング22cと結合する。
車輪側回転部材28は、減速部Bから車輪ハブ軸受部Cにかけて配置され、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aは減速部Bにあって、フランジ部28aの端面には、車輪側回転部材28の回転軸線Oを中心とする円周上の等間隔に内ピン31を固定する孔28hが形成されている。軸部28bはフランジ部28aから車輪ハブ軸受部Cに亘って延び、軸部28bの外径面には、車輪ハブ32が固定されている。
図2を参照して、曲線板26aは、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26aの自転軸心Xを中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26aの中心Xに設けられており、曲線板26aの内周になる。曲線板26aは、偏心部材25aの外周に相対回転可能に取り付けられる。
曲線板26aは、転がり軸受41によって偏心部材25aに対して回転自在に支持されている。この転がり軸受41は、内輪部材42と、外輪部材43と、内輪部材42の外側軌道面および外輪部材43の内側軌道面の間に配置される複数のころ44と、周方向で隣り合うころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。あるいは転がり軸受41は深溝玉軸受であってもよい。
内輪部材42の内周は偏心部材25aの外周面に嵌合し、内輪部材42の外周はころ44の内側軌道面になる。外輪部材43の内周はころ44の外側軌道面になり、外輪部材43の外周は曲線板26aの貫通孔30bの内周に嵌合する。曲線板26bについても同様である。
外ピン27は、モータ側回転部材25の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。自転軸心Xは回転軸線Oから偏心している。そして、曲線板26a,26bが公転運動すると、外周の曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。
なお、ケーシング22に配設された外ピン27は、ケーシング22や減速部Bの減速部ケーシング22bに直接保持されているわけではなく、減速部ケーシング22bの内壁に嵌合固定されている外ピン保持部45に保持されている。より具体的には、軸線方向両端部を外ピン保持部45に設けられた針状ころ軸受27aによって回転自在に支持されている。このように、外ピン27を外ピン保持部45に回転自在に取り付けることにより、曲線板26a,26bとの係合による接触抵抗を低減することができる。
外周係合部材保持部としての外ピン保持部45は、軸線Oを中心とするリング形状であって、円筒部46と、円筒部の軸線方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部47,48とを備える。そして、外ピン保持部45は、ケーシング22の内壁に取り付けられている。円筒部46の外周面と減速部ケーシング22bとの間には、外ピン保持部45の回転を防止する回り止めピン49が取り付けられる。
リング部47,48には、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔47h,48hが設けられている。外ピン保持孔47h,48hは、それぞれモータ側回転部材25の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受27aの外輪27gを保持する。また、リング部47の外ピン保持孔47hとリング部48の外ピン保持孔48hは周方向同位置に設けられて互いに対面する。外ピン保持部45をケーシング22に取り付けると、互いに対面する外ピン保持孔47h,48hの中心軸線は、モータ側回転部材25の回転軸線Oと平行になる。
これにより外ピン保持部45は、外ピン27をモータ側回転部材25の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔47h,48hを同時加工で同軸に形成することができるので、外ピン保持孔47hの中心と外ピン保持孔48hの中心とを一致させるのは比較的簡単である。
インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、ケーシング22b,22cを含むケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピン保持部45は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図3は、図2のDで示す領域を拡大して示す図である。減速部ケーシング22bの内壁と外ピン保持部45の外周面との間には、スプリングピン51を周方向等間隔に複数介挿する。スプリングピン51は軸線Oと平行に延在する金属製の管状部材(金属製部材)であって、一部にスリット51sが形成されて断面C字状である。減速部ケーシング22bの内壁には、スプリングピン51と係合する係合溝52が形成されている。軸線Oと平行に延在する係合溝52は、半円断面であり、スプリングピン51の外径とほぼ同じである。外ピン保持部45の外周面には、スプリングピン51と係合する係合溝53が形成されている。軸線Oと平行に延在する係合溝53は、半円断面であり、スプリングピン51の外径とほぼ同じである。スプリングピン51はこれら係合溝52,53の中に弾性変形しつつ介挿され、スリット51sの幅が狭くなるよう、元の形状より縮径している。このためスプリングピン51は元の形状に戻ろうとして、これら係合溝52,53を径方向に押圧する。スプリングピン51は、スプリングに用いられるばね鋼など、弾力性を発現する金属製であることから、ゴムと比較して大きなヤング率である。
インホイールモータ駆動装置21の組立の際に、モータ部Aと減速部Bとの接合面から、減速部ケーシング22bの内壁と外ピン保持部45の外周面との間へ、スプリングピン51を軸線Oと平行に挿入するとよい。
スプリングピン51は周方向に少なくとも3箇所配置され、外ピン保持部45を軸線Oに向かって径方向に押圧する。このため、外ピン保持部45を減速部ケーシング22b内部の中央、すなわち軸線Oの位置、に支持する力が径方向に作用し、外ピン保持部45の支持剛性を高くして、外ピン保持部45の振動を防止することができる。本実施例では、図2に示すように周方向等間隔に6箇所でスプリングピン51を備える。
また本実施例の減速部Bが高温になり、減速部ケーシング22bと外ピン保持部45との線膨張係数の違いにより、減速部ケーシング22bの内壁と外ピン保持部45の外周面との隙間が増加する場合であっても、スプリングピン51が外ピン保持部45を押圧し続けることから、外ピン保持部45の支持剛性を高くして、外ピン保持部45の振動を防止することができる。したがって本実施例によれば、軽量化のためにケーシング22を軽金属製にする場合であっても、振動の防止に有利である。
次に本発明の各変形例を順次説明する。図4〜図10は本発明の変形例を示す縦断面図であって、図2のD領域を拡大するものである。
図4に示す変形例では、係合溝53を断面長方形とする。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例と同じである。図4の変形例であってもスプリングピン51が係合溝52,53を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図5に示す変形例では、係合溝52および係合溝53を断面長方形とする。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例と同じである。図5の変形例であってもスプリングピン51が係合溝52,53を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図6に示す変形例では、スプリングピン51をV字断面とし、係合溝52および係合溝53を断面長方形とし、他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例と同じである。スプリングピン51の断面における中心部51cの角度は、鋭角60度であるが、直角であっても鈍角であってもよい。両側縁51kを周方向に一致させ、両側縁51kの中央から中心部51cまでを径方向に一致させて配置し、安定性を良くする。具体的には、スプリングピン51の断面における両側縁51kを外ピン保持部45の外周面に接触させ、中心部51cを減速部ケーシング22bの内壁に接触させ、外ピン保持部45と減速部ケーシング22bとの間に断面V字状のスプリングピン51を弾性変形しつつ介挿する。図6の変形例であってもスプリングピン51が係合溝52,53を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図7に示す変形例では、外ピン保持部45の外周面に係合溝を設けない。代わりに、減速部ケーシング22bの内壁にスプリングピン51のほぼ全体を収容する深さの係合溝52を設ける。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例と同じである。係合溝52は径方向外方に向けて刻設されたU字断面であって、係合溝52の深さはスプリングピン51の外径よりも僅かに浅い。このためスプリングピン51は外ピン保持部45の外周面と接触し、外ピン保持部45と減速部ケーシング22bとの間に弾性変形しつつ介挿される。図7の変形例であってもスプリングピン51が外ピン保持部45の外周面および係合溝52を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図8に示す変形例では、スプリングピン51をV字断面とし、外ピン保持部45の外周面に係合溝を設けない代わりに、減速部ケーシング22bの内壁にスプリングピン51のほぼ全体を収容する深さの係合溝52を設け、係合溝52を断面長方形とする。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例および図6に沿って説明した変形例と同じである。図8の変形例であってもスプリングピン51が外ピン保持部45の外周面および係合溝52を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図9に示す変形例では、減速部ケーシング22bの内壁に係合溝を設けない。代わりに、外ピン保持部45の外周面にスプリングピン51のほぼ全体を収容する深さの係合溝53を設ける。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例と同じである。係合溝53は径方向内方に向けて刻設されたU字断面であって、係合溝53の深さはスプリングピン51の外径よりも僅かに浅い。このためスプリングピン51は減速部ケーシング22bの内壁と接触し、外ピン保持部45と減速部ケーシング22bとの間に弾性変形しつつ介挿される。図9の変形例であってもスプリングピン51が係合溝53および減速部ケーシング22bの内壁を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
図10に示す変形例では、減速部ケーシング22bの内壁に係合溝を設けない。代わりに、外ピン保持部45の外周面にスプリングピン51のほぼ全体を収容する深さの係合溝53を設ける。そして、係合溝53を断面長方形とする。スプリングピン51は断面V字形であり、断面における両側縁51kを減速部ケーシング22bの内壁に接触させ、中心部51cを外ピン保持部45の係合溝53の底面に接触させ、外ピン保持部45と減速部ケーシング22bとの間に断面V字状のスプリングピン51を弾性変形しつつ介挿する。他の基本構成は図1〜図3に沿って説明した実施例および図6に沿って説明した変形例と同じである。図10の変形例であってもスプリングピン51が係合溝53および減速部ケーシング22bの内壁を押圧して、外ピン保持部45の支持剛性を高くすることができる。
なお、図6、図8、図10の変形例では、断面V字状のスプリングピン51の姿勢を、径方向内外で逆向きにしてもよい。
説明を図1および図2に戻すと、減速部Bの運動変換機構は、車輪側回転部材28に保持された複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される。内ピン31は、車輪側回転部材28の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が車輪側回転部材28に固定されている。曲線板26a,26bとの摩擦抵抗を低減するために、内ピン31に係る曲線板26a,26bの貫通孔30aの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受31aが設けられている。一方、貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受31aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。内ピン31は、外ピン27よりも内径側にあり、曲線板26a,26bの貫通孔30aと係合する内側係合部材である。
車輪ハブ軸受部Cは、車輪側回転部材28に固定連結された車輪ハブ32と、車輪ハブ32を回転自在に保持する車輪ハブ軸受33と、車輪ハブ軸受33を支持するケーシング22cとを備える。ケーシング22の一部である車輪ハブ軸受部ケーシング22cは、筒状であって、減速部Bの減速部ケーシング22bと締結される。車輪ハブ軸受33は複列アンギュラ玉軸受である。車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aとフランジ部32bとを有する。フランジ部32bにはボルト32cによって図示しない駆動輪が固定連結される。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理を詳しく説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ側回転部材25が回転すると、曲線板26a,26bはモータ側回転部材25の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a,26bの曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板26a,26bをモータ側回転部材25の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔30aに挿通される内ピン31は、貫通孔30aの内径よりも十分に細く、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの孔壁面と当接する。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが車輪側回転部材28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、軸線Oと同軸に配置された車輪側回転部材28は、減速部Bの出力軸として曲線板26a,26bの自転を取り出し、モータ側回転部材25の回転が減速部Bによって減速されて車輪側回転部材28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン27の数をZ、曲線板26a,26bの波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図2に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン27を外ピン保持部45に対して回転自在とし、内ピン31の曲線板26a,26bに当接する位置に針状ころ軸受31aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
本実施例に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車に採用することにより、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車を得ることができる。
また、本実施例においては、減速部Bの曲線板26a,26bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、本実施例における運動変換機構は、車輪側回転部材28に固定された内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ32に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、車輪側回転部材に形成された穴との係合で構成される運動変換機構であってもよい。
なお、本実施例における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、本実施例における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
さらに、本実施例の構成にブレーキを加えることもできる。例えば、図1の構成において、ケーシング22を軸方向に延長してロータ24の図中右側に空間を形成し、ロータ24と一体的に回転する回転部材と、ケーシング22に回転不能にかつ軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動させるシリンダとを配置して、車両停止時にピストンと回転部材とを嵌合させてロータ24をロックするパーキングブレーキであってもよい。
または、ロータ24と一体的に回転する回転部材の一部に形成されたフランジおよびケーシング22側に設置された摩擦板をケーシング22側に設置されたシリンダで挟むディスクブレーキであってもよい。さらに、この回転部材の一部にドラムを形成すると共に、ケーシング22側にブレーキシューを固定し、摩擦係合およびセルフエンゲージ作用で回転部材をロックするドラムブレーキを用いることができる。
また、本実施例において、曲線板26a,26bを支持する軸受41として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
また、本実施例においては、モータ部Aにケーシングに固定されるステータと、ステータの内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータとを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが径方向に開いた隙間を介して対面するよう配置されるラジアルギャップモータであってもよい。
さらに、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
次に本発明の他の実施例を説明する。図11は本発明の他の実施例を示す横断面図である。図12は、図11にEで示す領域を拡大して示す図であって、本発明と対比される比較例を表す。図13は、図11にEで示す領域を拡大して示す図である。これから説明する他の実施例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。他の実施例では、減速部ケーシング22bの内壁と外ピン保持部45の外周面との間に、高分子材料製部材61を周方向等間隔に複数介挿する。高分子材料製部材61は軸線Oと平行に延在する円柱形状の部材であり、高分子材料で形成される。
高分子材料は、振動を吸収する材料、例えばゴム、合成樹脂、シリコン樹脂、合成繊維等が望ましい。高分子材料製部材61は、減速部ケーシング22bの内壁と外ピン保持部45の外周面とに挟圧されて圧縮側に弾性変形し、外ピン保持部45の外周面を内径方向へ押圧する。振動を吸収する材料として、圧縮状態から時間をかけて緩慢に原形へ復元する低反発素材が考えられる。
減速部ケーシング22bの内壁には、軸線O方向に延びて高分子材料製部材61を受け入れる溝52が形成される。外ピン保持部45の外周面には、軸線O方向に延びて高分子材料製部材61を受け入れる溝53が形成される。
高分子材料製部材61は、溝52,53と係合して、減速部Bの回転方向(周方向)の振動を吸収することができる。また、高分子材料製部材61は、溝52,53と係合して外ピン保持部45の回転を防止することから、図2に示す回り止めピン49を省略することができる。
ところで減速部Bが25の回転を減速して28に伝達する間、外ピン保持部45は外ピン27から周方向の反力を受ける。このため、溝52,53の断面形状が半円形であって、ケーシング内壁と外ピン保持部外周面との環状隙間62の隙間幅が極めて小さい場合、図12に矢印で示すように周方向のせん断力が高分子材料製部材61に一部に集中作用する。
そこで、図13に示すように、断面半円形状の溝52と減速部ケーシング22bの内壁との境界に面取り部63を形成する。面取り部63は膨らみを帯び、溝52とケーシング内壁とを滑らかに接続する。これにより、周方向せん断力が高分子材料製部材61の一部に集中することを緩和できる。
なお面取り部63は、かかる丸みを帯びた形状の他、図示はしなかったが平面を帯びた面取りであってもよい。
また、図13に示すように、外ピン保持部45の外径を減速部ケーシング22bの内径よりも充分小さくして、環状隙間62の隙間幅を充分大きくする。これにより、周方向せん断力が高分子材料製部材61の一部に集中することを緩和できる。
なお本実施例では、環状隙間62の好ましい隙間幅を、想定される外ピン保持部45の振動の軸線Oに対する直角方向成分よりも大きくする。これにより、高分子材料製部材61は減速部Bの振動を効率よく吸収することができる。また外ピン保持部45が振動して減速部ケーシング22bの内壁と当接せず、異音を防止できる。
また周方向せん断力が高分子材料製部材61の一部に集中しないよう、溝53の断面を、図13に示すようにV字形状にする。これにより、周方向せん断力および径方向押圧力を図13に矢印で示す向きの合力に変換することができる。この合力は圧縮力であることから、高分子材料製部材61の一部に周方向せん断力が集中せず、高分子材料製部材61の耐久性が向上する。
この点につき詳細に説明すると、高分子材料製部材61は、断面V字形状の溝53に沿って延び、その断面形状が円形である。このため、高分子材料製部材61はV字の両翼になる溝53の左側面および右側面とそれぞれ接触し、かかる2つの接触箇所から圧縮力を受ける。したがって、断面V字形状の溝と断面円形の高分子材料製部材61との組み合わせにより、周方向せん断力を効果的に分散できるのである。
また、図示はしなかったが、溝53の断面形状をアーチ形状にしてもよい。ここでアーチ形状は、放物曲線であってもよいし、カテナリーであってもよい。またゴシックアーチ形状であってもよい。アーチ形状の場合も、高分子材料製部材61は溝53の右側面および左側面とそれぞれ接触し、かかる2つの接触箇所から圧縮力を受ける。したがって、断面アーチ形状の溝と断面円形の高分子材料製部材61との組み合わせにより、周方向せん断力を効果的に分散できるのである。
また、図示はしなかったが、周方向等間隔に複数設けられた高分子材料製部材61の一部を、金属製部材に代替してもよい。高分子材料製部材と金属製部材とを併用することによって、信頼性が向上する。
次に高分子材料製部材61を受け入れる溝53の変形例を説明する。図14は本発明の変形例を示す縦断面図であって、図11のE領域を拡大するものである。図14に示す変形例では、V字溝53の角度を大きくする。これにより、高分子材料製部材61はV字の中央部で溝53と接触する。すなわち図14に矢印で示すように、V字の角度が小さな図13の実施例と比較して、押圧力の入力位置を内径側にして、減速部ケーシング22bから遠ざけることが可能になり、周方向せん断力の集中を一層緩和することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
21 インホイールモータ駆動装置、22,22b ケーシング、23 ステータ、24 ロータ、25 モータ側回転部材、25a,25b 偏心部材、26a,26b 曲線板、27 外ピン、28 車輪側回転部材、31 内ピン、32 車輪ハブ、33 車輪ハブ軸受、41 転がり軸受、45 外ピン保持部、46 円筒部、47,48 リング部、49 回り止めピン、51 スプリングピン(金属製部材)、51s スリット、52,53 係合溝、61 高分子材料製部材、62 環状隙間、63 面取り部。

Claims (15)

  1. モータ側回転部材を回転駆動するモータ部と、前記モータ側回転部材の回転を減速して車輪側回転部材に伝達する減速部と、前記車輪側回転部材に固定連結された車輪ハブとを備え、
    前記減速部は、減速部の外郭であるケーシングと、
    一端が前記ケーシングの内部に配置された入力軸と、
    前記入力軸の軸線から偏心して入力軸の一端に結合した円盤形状の偏心部材と、
    内周が前記偏心部材の外周に相対回転可能に取り付けられ、前記入力軸の回転に伴って前記軸線を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記公転部材の外周部に係合して前記公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、
    前記公転部材の自転運動を取り出す出力軸と、
    前記軸線を中心とするリング形状であって、前記ケーシングの内部に取り付けられて前記外周係合部材を支持する外周係合部材保持部と、
    前記ケーシングの内壁と前記外周係合部材保持部の外周面との間に弾性変形しつつ介挿されて、外周係合部材保持部を径方向内側に押圧する押圧部材とを有する、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記押圧部材は金属で形成された金属製部材である、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記金属製部材は周方向に少なくとも3箇所以上で介挿される、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記金属製部材は前記軸線と平行に延びるスプリングピンである、請求項2または3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記金属製部材は前記軸線と平行に延びる断面V字形状のピンである、請求項2または3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記ケーシングの内壁は前記金属製部材と係合する凹部を備える、請求項4または5に記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記外周係合部材保持部の外周面は前記金属製部材と係合する凹部を備える、請求項4〜6のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 前記外周係合部材保持部の外周面は隙間を介して前記ケーシングの内壁と対面し、
    前記押圧部材は高分子材料で形成された高分子材料製部材である、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  9. 前記ケーシングの内壁および前記外周係合部材保持部の外周面に、軸線方向に延びて前記高分子材料製部材を受け入れる溝がそれぞれ形成される、請求項8に記載のインホイールモータ駆動装置。
  10. 前記溝は、軸線と直角な断面がV字形状である、請求項9に記載のインホイールモータ駆動装置。
  11. 前記溝は、軸線と直角な断面がアーチ形状である、請求項9に記載のインホイールモータ駆動装置。
  12. 前記溝は、前記ケーシングの内壁と溝との境界、および前記外周係合部材保持部の外周面と溝との境界に面取り部を有する、請求項9〜11のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  13. 前記高分子材料製部材は、前記溝に沿って延び、断面形状が円形である、請求項10〜12のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  14. 前記減速部は、前記ケーシングの内壁と前記外周係合部材保持部の外周面との間に介挿される金属製部材をさらに有する、請求項8〜13のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  15. 前記隙間は、前記外周係合部材保持部の振動の軸線直角方向成分よりも大きい、請求項8〜14のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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