JP2010041748A - モータ制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータが高速に回転する場合であっても、モータに過電流が流れることがなく、継続した正常運転を行うことが可能なモータ制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】
d軸電流指令生成器16は、バス電圧検出器4からバス電圧Ebusを入力すると共に、電流制御器12からd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力する。そして、バス電圧Ebusからインバータ5の出力電圧指令を生成し、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*からインバータ5の出力電圧を算出し、インバータ5の出力電圧の偏差がゼロになるようにPI制御を行い、インバータ5の出力電力が飽和状態にならないような負のd軸電流指令id*を生成する。そして、生成したd軸電流指令id*を電流制御器12に出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置及び制御方法に関し、特に、インバータの出力電圧が飽和状態になることを防止し、継続した正常運転を実現する技術に関する。
図6は、従来のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。この従来のモータ制御装置200は、インバータ66の出力電圧及び電流の増加を抑制すると共に、インバータ66の容量の増加を抑制するためのものであり、速度指令生成器61、速度制御器62、q軸電流指令生成器63、d軸電流指令生成器64、電流制御器65、インバータ66、減算器67、カウンタ52及び微分器53を備えている(特許文献1の図1を参照)。
減算器67は、速度指令生成器61からモータ51の速度指令ω*を入力すると共に、微分器53からモータ51の回転速度ωを入力し、速度指令ω*と回転速度ωとの間の速度偏差を算出し、速度制御器62に出力する。
速度制御器62は、減算器67から速度偏差を入力し、PI制御により、速度偏差がゼロになるようにトルク指令T*を算出し、q軸電流指令生成器63に出力する。q軸電流指令生成器63は、速度制御器62からトルク指令T*を入力し、トルク指令T*に応じたq軸電流指令iq*を、例えば比例関係になるように算出し、電流制御器65に出力する。
d軸電流指令生成器64は、インバータ66の出力電圧が所定の値以下になるように、d軸電流指令id*を算出し、電流制御器65に出力する。例えば、d軸電流指令生成器64は、q軸電流指令生成器63からq軸電流指令iq*を入力し(図示せず)、q軸電流指令iq*に基づいて、インバータ66の出力電圧が所定の値以下になるように、d軸電流指令id*を算出する(特許文献1の図3及び段落0007及び0008を参照)。このように、d軸電流指令id*は、所定の条件の下で、抑制された値になるように算出されるから、トルクの増加だけでなく、インバータ66の出力電圧の増加を抑制することができる。
電流制御器65は、q軸電流指令生成器63からq軸電流指令iq*を、d軸電流指令生成器64からd軸電流指令id*を、微分器53から回転速度ωを、カウンタ52から位相角θを入力し、出力電圧指令信号を算出し、インバータ66へ出力する。インバータ66は、電流制御器65から出力電圧指令信号を入力し、PWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、出力電圧及び出力周波数が制御され、交流電力をモータ51へ供給する。これにより、インバータ66の出力電圧が所定の値以下になるように制御され、モータ51の速度制御が行われる。
特開平11−178399号公報
図6に示した従来のモータ制御装置200では、モータ51を高速度で回転させた場合、モータ51の誘起電圧が高くなる。このため、インバータ66の出力電圧を高くする必要があり、これに伴って、インバータ66の入力電圧であるバス電圧も高くする必要がある。
しかしながら、インバータ66に供給されるバス電圧は、インバータ66の前段に設置されるコンバータ及び元電源の電圧によって決定されるため、その上限値には限界がある。つまり、モータ51を高速度で回転させる場合、インバータ66のバス電圧が低いときには、モータ51の高速回転に見合ったインバータ66の出力電圧をモータ51へ供給することができず、インバータ66の出力電圧は飽和状態(オーバサチュレーション)になってしまう。インバータ66の出力電圧が飽和状態になると、モータ51の端子電圧は必要とする電圧に達しないから、モータ51には過電流が流れて異常が発生し、継続した正常運転を行うことができなくなる。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータが高速に回転する場合であっても、モータに過電流が流れることがなく、継続した正常運転を行うことが可能なモータ制御装置及び制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によるモータ制御装置は、所定の演算によりd軸電流指令を生成し、モータの回転速度が所定の速度になるようにq軸電流指令を生成し、インバータの出力電流を座標変換してd軸電流及びq軸電流を生成し、前記d軸電流指令及びd軸電流に基づいてd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令及びq軸電流に基づいてq軸電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータをPWM制御し、前記インバータにより、バス電圧を変換して前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置において、前記インバータのバス電圧を検出するバス電圧検出手段と、前記インバータの出力電圧が、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいて生成可能な出力電圧よりも低くなるように、d軸電流指令を生成するd軸電流指令生成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるモータ制御装置は、前記d軸電流指令生成手段が、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成し、前記インバータの出力電圧が出力電圧指令に一致するように、d軸電流指令を生成することを特徴とする。
また、本発明によるモータ制御装置は、前記d軸電流指令生成手段が、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータの出力電圧を生成し、前記インバータの出力電圧指令と出力電圧との間の偏差がゼロになるようにPI制御を行い、負のd軸電流指令を生成することを特徴とする。
また、本発明によるモータ制御方法は、所定の演算によりd軸電流指令を生成し、モータの回転速度が所定の速度になるようにq軸電流指令を生成し、インバータの出力電流を座標変換してd軸電流及びq軸電流を生成し、前記d軸電流指令及びd軸電流に基づいてd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令及びq軸電流に基づいてq軸電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータをPWM制御し、前記インバータにより、バス電圧を変換して前記モータへ交流電力を供給するモータ制御方法において、前記インバータのバス電圧を検出するステップと、前記インバータの出力電圧が、前記検出したバス電圧に基づいて生成可能な出力電圧よりも低くなるように、d軸電流指令を生成するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明によるモータ制御方法は、前記検出したバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成するステップと、前記インバータの出力電圧が出力電圧指令に一致するように、d軸電流指令を生成するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明によるモータ制御方法は、前記検出したバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成するステップと、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータの出力電圧を生成するステップと、前記インバータの出力電圧指令と出力電圧との間の偏差を算出するステップと、前記算出した偏差がゼロになるようにPI制御を行い、負のd軸電流指令を生成するステップと、を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、モータが高速に回転する場合であっても、インバータの出力電圧が所定の電圧値になるように、d軸電流指令を生成するようにした。これにより、インバータの出力電圧は、飽和状態には至らない所定の電圧値になるように制御されるから、インバータの出力電圧が飽和状態になることがなく、モータに過電流が流れることがない。したがって、継続した正常運転を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の特徴は、モータが高速に回転する場合であっても、インバータの出力電圧(モータ端子電圧)が所定の電圧値になるように、d軸電流指令(励磁電流指令)id*を生成することにある。本発明の実施形態では、インバータの出力電圧をバス電圧EbusのP倍にするための出力電圧指令を演算し、インバータ出力電流Iに基づいて出力電圧現在値を演算し、出力電圧指令と出力電圧現在値とを用いて、負のd軸電流指令id*を生成する。ここで、バス電圧EbusのP倍の電圧値(出力電圧指令、最大モータ端子電圧指令)は、インバータの出力電圧が飽和状態にならないようにするために設定される上限値である。つまり、バス電圧EbusのP倍の電圧値は、インバータの出力電圧が、バス電圧Ebusに基づいて生成可能な出力電圧よりも低くなるようにするための上限値である。インバータの出力電圧がバス電圧EbusのP倍に制御されている限り、インバータの出力電圧は飽和状態になることがない。また、インバータの出力電圧が飽和状態にあるとは、インバータの容量不足が原因となって、インバータからモータを制御するために必要な交流電力を供給することができず、出力電圧が上昇できない状態をいう。言い換えると、入力側のバス電圧Ebusから生成可能な出力電圧を越えた電圧が要求されているが、入力側のバス電圧Ebusから生成可能な出力電圧しか供給できない状態をいう。一方、q軸電流指令iq*をトルク指令T*に基づいて生成する。このようにして生成したd軸電流指令id*とq軸電流指令iq*とを用いて、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を生成し、インバータをPWM制御してモータを速度制御する。
〔モータ制御装置の構成〕
まず、モータ制御装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態によるモータ制御装置を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。このモータ制御システムは、3相交流電力を供給する電源1と、電源1から供給された3相交流電力を用いて、後述するモータ7が所定の速度で回転するようにモータ駆動のための交流電力を供給するモータ制御装置20と、モータ制御装置20から供給された交流電力によって回転するモータ7と、モータ7の回転に伴ってパルス信号を出力するパルスジェネレータ8とを備えて構成されている。モータ7は、例えば、永久磁石同期モータである。
モータ制御装置20は、コンバータ2、平滑用コンデンサ3、バス電圧検出器4、インバータ5、電流検出器6、カウンタ9、PWMパルス発生器10、微分器11、電流制御器12、q軸電流指令生成器13、速度制御器14、速度指令生成器15、d軸電流指令生成器16及び減算器17を備えている。以下、モータ制御装置20の構成について詳細に説明する。
コンバータ2は、電源1から交流電力を入力し、交流電力を直流電力に変換する。平滑用コンデンサ3は、コンバータ2により変換された直流電力を平滑する。ここで、平滑用コンデンサ3の一端はコンバータ2の出力正極端子及びインバータ5の入力正極端子に接続され、他端はコンバータ2の出力負極端子及びインバータ5の入力負極端子に接続される。バス電圧検出器4は、平滑用コンデンサ3とインバータ5との間の電圧を検出する。バス電圧検出器4により検出される電圧はインバータ5の入力電圧(バス電圧Ebus)であり、d軸電流指令生成器16に出力される。
インバータ5は、コンバータ2から平滑用コンデンサ3を介して直流電力を入力すると共に、PWMパルス発生器10からゲート信号を入力し、ゲート信号に基づいて直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ7へ供給する。すなわち、インバータ5は、DC−AC電力変換を行うPWMインバータ回路を備え、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子のゲートに入力されるゲート信号により、コレクタ−エミッタ間の導通/遮断を制御する。つまり、スイッチング素子のゲートをゲート信号によりオン/オフ動作させて交流電力を生成し、モータ7へ供給する。
電流検出器6は、インバータ5の出力電流(インバータ出力電流I)を検出する。電流検出器6により検出されたインバータ出力電流Iは、電流制御器12に出力される。
カウンタ9は、パルスジェネレータ8からモータ7の回転に伴うパルス信号を入力し、パルス信号をカウントし、カウント値から位相角θを算出し、位相角θをPWMパルス発生器10、微分器11及び電流制御器12に出力する。
微分器11は、カウンタ9からモータ7の位相角θを入力し、位相角θを時間微分して回転速度ωを算出し、回転速度ωを減算器17に出力する。速度指令生成器15は、速度指令ω*を生成して減算器17に出力する。速度指令ω*は、予め設定されていてもよい。減算器17は、速度指令生成器15から速度指令ω*を入力すると共に、微分器11から回転速度ωを入力し、速度指令ω*から回転速度ωを減算し、その結果を速度偏差として速度制御器14に出力する。
速度制御器14は、減算器17から速度偏差を入力し、速度偏差がゼロになるように、例えば、PI制御によりトルク指令T*を算出し、トルク指令T*をq軸電流指令生成器13に出力する。
q軸電流指令生成器13は、速度制御器14からトルク指令T*を入力し、トルク指令T*に応じたq軸電流指令iq*を、例えば比例関係になるように算出し、q軸電流指令iq*を電流制御器12に出力する。
電流制御器12は、電流検出器6からインバータ出力電流Iを、カウンタ9から位相角θをそれぞれ入力すると共に、d軸電流指令生成器16からd軸電流指令id*を、q軸電流指令生成器13からq軸電流指令iq*をそれぞれ入力し、電流制御によりd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を生成し、PWMパルス発生器10及びd軸電流指令生成器16に出力する。具体的には、電流制御器12は、電流検出器6からインバータ出力電流IとしてU相電流及びW相電流を入力し、カウンタ9から位相角θを入力し、位相角θを用いて3相軸からd軸及びq軸への座標変換を行い、d軸電流id及びq軸電流iqを算出する。そして、電流制御器12は、d軸電流指令id*からd軸電流idを減算し、得られたd軸電流偏差がゼロになるようにPI制御を行い、d軸電圧指令vd*を算出して出力する。また、電流制御器12は、q軸電流指令iq*からq軸電流iqを減算し、得られたq軸電流偏差がゼロになるようにPI制御を行い、q軸電圧指令vq*を算出して出力する。
PWMパルス発生器10は、電流制御器12からd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力すると共に、カウンタ9から位相角θを入力し、ゲート信号を生成してインバータ5に出力する。具体的には、PWMパルス発生器10は、電流制御器12からd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力し、カウンタ9から位相角θを入力し、位相角θを用いてd軸及びq軸から3相軸への座標変換を行い、電圧指令(U相電圧指令、V相電圧指令及びW相電圧指令)を算出する。そして、PWMパルス発生器10は、算出した電圧指令(U相電圧指令、V相電圧指令及びW相電圧指令)に基づいて6個のゲート信号を生成し、インバータ5に出力する。このようにして生成されたゲート信号に基づいて、インバータ5は交流電力をモータ7へ供給し、モータ7の速度制御が行われる。
d軸電流指令生成器16は、電流制御器12からd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力すると共に、バス電圧検出器4からバス電圧Ebusを入力し、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*から算出したインバータ5の出力電圧が、バス電圧Ebusから算出した所定の電圧値になるように、負のd軸電流指令id*を生成して電流制御器12に出力する。d軸電流指令生成器16の詳細については後述する。
〔d軸電流指令生成器〕
次に、図1に示したd軸電流指令生成器16について詳細に説明する。図2は、d軸電流指令生成器16の構成を示すブロック図である。このd軸電流指令生成器16は、演算器161〜165を備えている。演算器161,164は、インバータ出力電圧の指令を演算するための演算器であり、演算器162,163は、インバータ出力電圧の現在値を演算するための演算器であり、演算器164,165は、インバータ出力電圧の偏差がゼロになるようにd軸電流指令id*を演算するための演算器である。また、演算器161と演算器164の一部により、最大モータ端子電圧指令部が構成される。
演算器161は、バス電圧検出器4からバス電圧Ebusを入力し、バス電圧EbusをP倍して、得られた電圧指令E*を演算器164に出力する。この電圧指令E*は、インバータ出力電圧の指令、すなわちモータ端子電圧の最大値を演算するために用いられる。
演算器162は、電流制御器12からd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力し、(I1×G1+I2×G2)の演算、すなわち、(vd*+vq*)の演算を行い、演算結果を演算器163に出力する。
演算器163は、演算器162から演算結果(vd*+vq*)を入力し、√(vd*+vq*)の演算を行い、演算結果を電圧フィードバックv*として演算器161に出力する。この電圧フィードバックv*である√(vd*+vq*)の値は、d軸のd軸電圧指令vd*と、これに垂直な軸であるq軸のq軸電圧指令vq*とを合成した大きさであるから、3相軸における電圧指令(インバータ出力電圧の指令)に対応する値であるといえる。つまり、電圧フィードバックv*は、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*がインバータ出力電流Iから算出された値であるから、インバータ出力電圧の現在値であるといえる。
演算器164は、演算器161から電圧指令E*を入力すると共に、演算器163から電圧フィードバックv*(インバータ出力電圧の現在値)を入力し、(E*−v*)の演算を行い、演算結果であるインバータ出力電圧の偏差を演算器165に出力する。この電圧指令E*の値は、インバータ出力電圧の指令であり、モータ端子電圧の最大値である。つまり、この値が、所定の電圧値となる。ここで、Pは予め設定されるパラメータであり、P<1とする。この場合、インバータ出力電圧は、バス電圧のP倍の電圧値に制御される。Pを1より小さい値に設定することにより、インバータ出力電圧が変動しても、インバータ5の出力電圧が飽和状態にならないように(インバータ5のバス電圧Ebusに基づいて生成可能な出力電圧を越えないように)余裕をもつことができる。すなわち、Pの値は、インバータ出力電圧の応答性を考慮した余裕値となる。
最大モータ端子電圧指令部は、バス電圧検出器4からバス電圧Ebusを入力し、バス電圧EbusにPを乗算し、インバータ出力電圧の指令(最大モータ端子電圧指令)を生成する。
演算器165は、演算器164からインバータ出力電圧の偏差を入力し、この偏差がゼロになるようにPI制御を行い、d軸電流指令id*を演算して出力する。この場合、d軸電流指令id*が0よりも大きいときは、演算したd軸電流指令id*の代わりに0を出力し、d軸電流指令id*が−1よりも小さいときは、演算したd軸電流指令id*の代わりに−1を出力する。ここで、Kpは比例定数であり、Tiは積分定数であり、これらのパラメータは予め設定されている。
〔vq*=0のときの制御系〕
次に、q軸電圧指令vq*が0(vq*=0)のときの制御系について説明する。図3は、vq*=0のときの制御系を説明する図である。図1及び図2においてq軸電圧指令vq*を0とした場合、d軸電流指令id*及びd軸電圧指令vd*の制御系は、図3に示すようなフィードバック制御系で表すことができる。図3において、d軸電流指令生成器16は、インバータ出力電圧の現在値がd軸電流idを介して反映されたd軸電圧指令vd*をフィードバックし、電圧指令E*とd軸電圧指令vd*との偏差がゼロになるようにPI制御を行い、すなわち、インバータ出力電圧の指令とインバータ出力電圧の現在値との偏差がゼロになるようにフィードバック制御を行い、d軸電流指令id*を演算する。
電流制御器12は、d軸電流idをフィードバックし、d軸電流指令id*とd軸電流idとの偏差がゼロになるようにPI制御を行い、d軸電圧指令vd*を演算する。ここで、Kiは比例定数であり、Teは積分定数であり、これらのパラメータは予め設定されている。そして、モータ7等を介して、d軸電流idが生成される。ここで、rはモータ巻線の抵抗値を示す。
このように、d軸電流指令生成器16は、バス電圧EbusのP倍の値をインバータ5の出力電圧指令として設定し、インバータ出力電流Iをフィードバックして算出したd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*からインバータ5の出力電圧現在値を算出し、インバータ5の出力電圧現在値が出力電圧指令になるように、負のd軸電流指令id*を生成して出力するようにした。すなわち、フィードバック制御の演算過程において、d軸電流指令id*が負の値に生成される。これにより、インバータ5の出力電圧は、バス電圧EbusのP倍程度に抑えられるから、モータ7の基底回転数を越える高速回転運転を行う場合であっても、飽和状態になることがなく、モータ7に過電流が流れることがない。また、インバータ5のバス電圧Ebusが不測の事態により低下した場合であっても、d軸電流指令id*は、バス電圧Ebusに基づいたインバータ5の出力電圧指令とインバータ5の出力電圧現在値との間の偏差がゼロになるように、低下したバス電圧Ebusに従って生成される。これにより、インバータ5の出力電圧は飽和状態になることがなく、モータ7に過電流が流れることがない。したがって、異常が発生することがなく、継続した正常運転を行うことが可能となる。
〔モータ制御装置の処理〕
次に、図1に示したモータ制御装置20の処理について説明する。まず、d軸電流指令id*の演算処理について説明する。図4は、d軸電流指令id*の演算処理を示すフローチャートである。このd軸電流指令id*の演算処理は、図1においてd軸電流指令生成器16により行われる。
d軸電流指令生成器16は、バス電圧検出器4からバス電圧Ebusを入力し、このバス電圧Ebusからインバータ出力電圧の指令を演算する(ステップS501)。具体的には、図2において、d軸電流指令生成器16の演算器161及び演算器164によって、電圧指令E*がインバータ出力電圧の指令となる。
d軸電流指令生成器16は、インバータ出力電流Iが反映されたd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*から、インバータ出力電圧の現在値を演算する(ステップS502)。具体的には、図2において、d軸電流指令生成器16の演算器162〜164によって、電圧フィードバックv*がインバータ出力電圧の現在値となる。
d軸電流指令生成器16は、インバータ出力電圧の偏差を演算する(ステップS503)。図2では、演算器164が、(E*−v*)の演算を行ってインバータ出力電圧の偏差を演算する。
d軸電流指令生成器16は、インバータ出力電圧の偏差がゼロになるように、PI制御により負のd軸電流指令id*を演算する(ステップS504)。図2では、演算器165が負のd軸電流指令id*を演算する。
このように、d軸電流指令id*は、d軸電流指令生成器16によって、インバータ出力電圧がその入力電圧であるバス電圧のP倍程度になるように演算される。
次に、q軸電流指令iq*の演算処理について説明する。図5は、q軸電流指令iq*の演算処理を示すフローチャートである。このq軸電流指令iq*の演算処理は、図1において速度指令生成器15、減算器17、速度制御器14及びq軸電流指令生成器13により行われる。
減算器17は、速度指令生成器15からの速度指令ω*と微分器11からの回転速度ωとを入力し、モータ7の速度偏差を演算する(ステップS601)。速度制御器14は、モータ7の速度偏差がゼロになるように、PI制御によりトルク指令T*を演算する(ステップS602)。
q軸電流指令生成器13は、速度制御器14により演算されたトルク指令T*から、トルク指令T*に応じたq軸電流指令iq*を、例えば比例関係になるように演算する(ステップS603)。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施形態では、図1及び図2に示したd軸電流指令生成器16が、インバータ出力電流Iによりd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を介して、インバータ5の出力電圧を算出するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。インバータ5の出力電圧を、電圧検出器により直接測定するようにしてもよい。
本発明の実施形態によるモータ制御装置を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 d軸電流指令装置の構成を示すブロック図である。 vq*=0のときの制御系を説明する図である。 d軸電流指令id*の演算処理を示すフローチャートである。 q軸電流指令iq*の演算処理を示すフローチャートである。 従来のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 電源
2 コンバータ
3 平滑用コンデンサ
4 バス電圧検出器
5,66 インバータ
6 電流検出器
7,51 モータ
8 パルスジェネレータ
9,52 カウンタ
10 PWMパルス発生器
11,53 微分器
12,65 電流制御器
13,63 q軸電流指令生成器
14,62 速度制御器
15,61 速度指令生成器
16,64 d軸電流指令生成器
17,67 減算器
20,200 モータ制御装置
161〜165 演算器
id* d軸電流指令(励磁電流指令)
iq* q軸電流指令(トルク電流指令)
id d軸電流
iq q軸電流
vd* d軸電圧指令
vq* q軸電圧指令
v* 電圧フィードバック
vd d軸電圧
vq q軸電圧
E* 電圧指令
Ebus バス電圧
I インバータ出力電流
θ 位相角
ω* 速度指令
ω 回転速度
T* トルク指令
Kp,Ki 比例定数
Ti,Te 積分定数

Claims (6)

  1. 所定の演算によりd軸電流指令を生成し、モータの回転速度が所定の速度になるようにq軸電流指令を生成し、インバータの出力電流を座標変換してd軸電流及びq軸電流を生成し、前記d軸電流指令及びd軸電流に基づいてd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令及びq軸電流に基づいてq軸電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータをPWM制御し、前記インバータにより、バス電圧を変換して前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置において、
    前記インバータのバス電圧を検出するバス電圧検出手段と、
    前記インバータの出力電圧が、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいて生成可能な出力電圧よりも低くなるように、d軸電流指令を生成するd軸電流指令生成手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記d軸電流指令生成手段は、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成し、前記インバータの出力電圧が出力電圧指令に一致するように、d軸電流指令を生成することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記d軸電流指令生成手段は、前記バス電圧検出器により検出されたバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータの出力電圧を生成し、前記インバータの出力電圧指令と出力電圧との間の偏差がゼロになるようにPI制御を行い、負のd軸電流指令を生成することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 所定の演算によりd軸電流指令を生成し、モータの回転速度が所定の速度になるようにq軸電流指令を生成し、インバータの出力電流を座標変換してd軸電流及びq軸電流を生成し、前記d軸電流指令及びd軸電流に基づいてd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令及びq軸電流に基づいてq軸電圧指令を生成し、前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータをPWM制御し、前記インバータにより、バス電圧を変換して前記モータへ交流電力を供給するモータ制御方法において、
    前記インバータのバス電圧を検出するステップと、
    前記インバータの出力電圧が、前記検出したバス電圧に基づいて生成可能な出力電圧よりも低くなるように、d軸電流指令を生成するステップと、
    を有することを特徴とするモータ制御方法。
  5. 請求項4に記載のモータ制御方法において、
    前記検出したバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成するステップと、
    前記インバータの出力電圧が出力電圧指令に一致するように、d軸電流指令を生成するステップと、
    を有することを特徴とするモータ制御方法。
  6. 請求項4に記載のモータ制御方法において、
    前記検出したバス電圧に基づいてインバータの出力電圧指令を生成するステップと、
    前記d軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてインバータの出力電圧を生成するステップと、
    前記インバータの出力電圧指令と出力電圧との間の偏差を算出するステップと、
    前記算出した偏差がゼロになるようにPI制御を行い、負のd軸電流指令を生成するステップと、
    を有することを特徴とするモータ制御方法。
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