JP5506534B2 - モータ駆動機構及びモータ制御装置 - Google Patents

モータ駆動機構及びモータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータ駆動機構及びモータ制御装置に関し、特に、バッテリ電圧に応答して弱め界磁制御を行うように構成されたモータ駆動機構及びモータ制御装置に関する。
永久磁石モータ、誘導モータその他の3相モータをベクトル制御によって運転する場合に広く使用される技術の一つが、弱め界磁制御である。弱め界磁制御とは、3相モータを高速で運転する場合にd軸電流(弱め界磁電流)を流すことによって3相モータの電機子巻線の誘起電圧を低下させる技術である。ベクトル制御が行われる場合、3相モータの回転数の増大に伴って電機子巻線の誘起電圧も上昇する。このとき、誘起電圧がインバータに接続された直流電源(例えばバッテリ)の電圧と比較して高くなりすぎると、q軸電流(トルク電流)が流せなくなってトルクが発生できなくなり、3相モータの運転ができなくなる。このような不具合を回避するために、d軸電流(弱め界磁電流)を流すことによって回転子の界磁の起磁力を実効的に低下させ、これにより誘起電圧を低下させるのが、弱め界磁制御の要点である。
3相モータに電力を供給するインバータにバッテリから直流電圧が供給されるように構成されたモータ駆動機構(例えば、電気自動車、ハイブリッドカーのようなモータ駆動車両)において弱め界磁制御を行う場合、d軸電流の大きさは、バッテリ電圧に応じて決定されることが好ましい。このような技術は、例えば、特開平7−107772号公報に開示されている。この公報に開示された永久磁石型同期モータの駆動制御装置は、バッテリ電圧を逐次に検出し、検出されたバッテリ電圧からインバータが出し得る最大モータ印加電圧Vmax(PWM変調度を100%とした場合にインバータから出力される電圧V)を算出する。当該駆動制御装置は、更に、トルク指令Trefとモータ回転数Nから電圧Vを最大モータ印加電圧Vmaxに一致させるような場合の弱め界磁電流指令I を算出する。弱め界磁電流指令I の算出においては、モータの各種の特性パラメータ(一次抵抗、電気子巻線のd軸インダクタンス、q軸インダクタンス)が使用される。インバータから出力される電圧Vを最大モータ印加電圧Vmaxに一致させるような弱め界磁電流指令I を算出することにより、効率低下や出力低下を防ぐことができる。
しかしながら、発明者の検討によれば、上記のような弱め界磁電流(d軸電流)の決定方法には改善の余地がある。特に重大なのは、インバータやモータの特性パラメータは運転状況(例えば、インバータ温度やモータ温度等)で変化するため、インバータやモータの特性パラメータを誤差なく設定することが困難である点である。インバータの特性パラメータに誤差が含まれると、バッテリ電圧から算出した最大モータ印加電圧Vmaxは不正確なものになる。また、モータの特性パラメータに誤差が含まれると、トルク指令Trefとモータ回転数Nから算出した弱め界磁電流指令I も、不正確なものになる。
特開平7−107772号公報
したがって、本発明の目的は、3相モータを運転するモータ駆動機構に対し、d軸電流(弱め界磁電流)をより適切に制御できるようなd軸電流の制御手法を提供することにある。
本発明の一の観点では、モータ駆動機構が、3相モータと、バッテリと、バッテリから直流電圧の供給を受けて3相の駆動電圧を3相モータに供給するインバータと、バッテリからインバータに供給される直流電圧を検出バス電圧として検出するバス電圧検出手段と、検出バス電圧に応答してインバータを制御するインバータコントローラとを具備する。インバータコントローラは、d軸電流指令とq軸電流指令を生成する電流指令生成手段と、d軸電流指令とq軸電流指令とに応答して、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とを生成する電圧指令生成手段と、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とに応答してu相デューティとv相デューティとw相デューティとを算出するデューティ算出手段と、算出されたu相デューティとv相デューティとw相デューティに応答してインバータを制御するインバータ制御手段とを備えている。電流指令生成手段は、検出バス電圧から参照バス電圧を算出すると共に、参照バス電圧に基づいてd軸電流指令とq軸電流指令とを生成する。電流指令生成手段は、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とが、それぞれ、u相デューティ、v相デューティ、w相デューティを最大値又は最小値にするリミット電圧に到達したか否かに応答して参照バス電圧を調節する。
電流指令生成手段は、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令の少なくとも一つが過去の所定期間にリミット電圧に到達した場合に参照バス電圧を減少させ、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令の全てが該所定期間にリミット電圧に到達しなかった場合に参照バス電圧を減少させることが好ましい。
電流指令生成手段が、参照バス電圧と3相モータのロータ回転数に応答して最大トルクを算出すると共にトルク指令と最大トルクから相対トルク指令を算出する場合、電流指令生成手段に、相対トルク指令とロータ回転数の組み合わせと、d軸電流指令とq軸電流指令との関係が記述された複数の電流テーブルが用意され、電流指令生成手段は、参照バス電圧に基づいて複数の電流テーブルのうちから選択電流テーブルを選択し、選択電流テーブルを用いて相対トルク指令とロータ回転数の組み合わせからd軸電流指令とq軸電流指令とを算出することが好ましい。
複数の電流テーブルと参照バス電圧との対応関係は、参照バス電圧が大きいほど、q軸電流指令が大きくなり、且つ、d軸電流指令の絶対値が小さくなるように定められることが好ましい。
参照バス電圧が、検出バス電圧とバス電圧補償値との和から算出される場合、バス電圧補償値は、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令の少なくとも一つが過去の所定期間にリミット電圧に到達した場合に減少され、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令の全てが当該所定期間にリミット電圧に到達しなかった場合に増大されることが好ましい。
本発明の他の観点では、バッテリから直流電圧の供給を受けて3相の駆動電圧を3相モータに供給するインバータを制御するためのモータ制御装置が、バッテリからインバータに供給される直流電圧を検出バス電圧として検出するバス電圧検出手段と、検出バス電圧に応答してインバータを制御するインバータコントローラとを具備する。インバータコントローラは、d軸電流指令とq軸電流指令を生成する電流指令生成手段と、d軸電流指令とq軸電流指令とに応答して、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とを生成する電圧指令生成手段と、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とに応答してu相デューティとv相デューティとw相デューティとを算出するデューティ算出手段と、算出されたu相デューティとv相デューティとw相デューティに応答してインバータを制御するインバータ制御手段とを備えている。電流指令生成手段は、検出バス電圧から参照バス電圧を算出すると共に、参照バス電圧に基づいてd軸電流指令とq軸電流指令とを生成する。電流指令生成手段は、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とが、それぞれ、u相デューティ、v相デューティ、w相デューティを最大値又は最小値にするリミット電圧に到達したか否かに応答して参照バス電圧を調節する。
本発明によれば、3相モータを運転するモータ駆動機構に対して、d軸電流(弱め界磁電流)をより適切に決定できるようなd軸電流の制御手法を提供することができる。
本発明の一実施形態のモータ駆動機構の構成を示すブロック図である。 図1のモータ駆動機構のインバータコントローラの構成/動作を示すブロック図である。 本実施形態におけるu相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwとu相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwとの対応関係を示すグラフである。 図3Aは、インバータコントローラの電流指令計算部において行われる演算を説明する概念図である。 図3Bは、インバータコントローラの電流指令計算部において行われる演算を説明する概念図である。 図3Cは、インバータコントローラの電流指令計算部において行われる演算を説明する概念図である。 図4は、インバータコントローラの電流指令計算部に用意される最大トルクテーブルの内容の例を示すグラフである。 図5は、インバータコントローラの電流指令計算部に用意される電流テーブルの内容の例を示すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態のモータ駆動機構1の構成を示すブロック図である。モータ駆動機構1は、永久磁石モータ2と、インバータ3と、バッテリ4と、エンコーダ5と、バス電圧検出部6と、電流検出部7と、インバータコントローラ8とを備えている。インバータ3は、バッテリ4から供給される直流電圧から3相の駆動電圧を生成し、生成した駆動電流を永久磁石モータ2に供給する。エンコーダ5は、永久磁石モータ2のロータ位置θを逐次に検出する。バス電圧検出部6は、バッテリ4からインバータ3に供給される直流電圧、即ち、インバータ3とバッテリ4とを接続するバスの電圧を検出する。バス電圧検出部6によって検出されたバスの電圧を、以下では、検出バス電圧v_battと記載する。電流検出部7は、インバータ3から永久磁石モータ2に供給される3相電流、即ち、u相電流Iu、v相電流Iv、w相電流Iwを計測する。インバータコントローラ8は、検出されたロータ位置θと検出バス電圧v_battと3相電流Iu、Iv、Iwとに応答して、インバータ3を制御する。このような構成のモータ駆動機構1は、例えば、電気自動車やハイブリッドカーの駆動輪を駆動する駆動系に用いられる。この場合、永久磁石モータ2が発生する駆動力が駆動輪に伝達される。
図2Aは、インバータコントローラ8の構成を示すブロック図である。インバータコントローラ8は、電流指令計算部11と、速度計算部12と、3相2相変換部13と、電流制御部14と、2相3相変換部15と、デューティ計算部16とを備えている。電流指令計算部11は、トルク指令Tと検出バス電圧v_battとロータ回転数ωとから、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqとを算出する。電流指令計算部11における演算については、後に詳細に説明する。速度計算部12は、エンコーダ5によって逐次に検出される永久磁石モータ2のロータ角度θから、ロータ回転数ωを計算する。3相2相変換部13は、計測された3相電流Iu、Iv、Iwに対して3相−2相変換を行い、インバータ3から永久磁石モータ2に供給される3相電流のd軸電流成分(即ち、d軸電流Id)とq軸電流成分(即ち、q軸電流Iq)を算出する。電流制御部14は、d軸電流指令Idとd軸電流Idとの差、及びq軸電流指令Iqとq軸電流Iqとの差に基づいてPI制御を行い、d軸電圧指令Vd及びq軸電圧指令Vqを算出する。2相3相変換部15は、d軸電圧指令Vd及びq軸電圧指令Vqに対して2相3相変換を行い、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwを生成する。
デューティ計算部16は、それぞれ、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwから、それぞれ、u相デューティDu(即ち、u相のPWM変調度)、v相デューティDv及びw相デューティDwを算出する。u相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwは、所定の下限値DMIN(典型的には0%)以上、且つ、所定の上限値DMAX(典型的には100%)以下の値をとる。
図2Bは、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwとu相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwとの対応関係を示すグラフである。
本実施形態では、u相電圧指令Vuが、リミット電圧−VLIM、VLIMに到達していない場合、即ち、−VLIM以上VLIM以下の範囲にある場合、u相デューティDuは、u相電圧指令Vuの増加と共に増加される。このとき、u相デューティDuは、u相電圧指令Vuの増加と共に下限値DMIN(典型的には0%)から上限値DMAX(典型的には100%)まで増加される。一方、u相電圧指令Vuが−VLIM未満の場合には、u相デューティDuが下限値DMINに固定され、u相電圧指令VuがVLIMを超える場合には、u相デューティDuが上限値DMAXに固定される。u相電圧指令Vuとu相デューティDuとの対応関係は、予め、デューティ計算部16に、例えばテーブルや演算式として設定される。
v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwについても同様である。v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwが−VLIM以上VLIM以下の範囲にある場合、v相デューティDv及びw相デューティDwは、それぞれ、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwの増加と共に増加される。このとき、v相デューティDv及びw相デューティDwは、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwの増加と共に下限値DMIN(典型的には0%)から上限値DMAX(典型的には100%)まで増加される。一方、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwが−VLIM未満の場合には、それぞれv相デューティDv及びw相デューティDwが下限値DMINに固定され、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令VwがVLIMを超える場合には、v相デューティDv及びw相デューティDwが上限値DMAXに固定される。v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwとv相デューティDv及びw相デューティDwがとの対応関係は、予め、デューティ計算部16に、例えばテーブルや演算式として設定される。
加えて、デューティ計算部16は、算出したu相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwに基づいて、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwをセットする動作を行う。詳細には、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwは、所定期間毎にリセットされる(詳細は後述する)。u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwがリセットされた後、u相デューティDuが下限値DMIN又は上限値DMAXに到達すると、u相デューティフラグflag_duがセットされる。同様に、v相デューティDv、w相デューティDwが下限値DMIN又は上限値DMAXに到達すると、それぞれ、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwがセットされる。u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwが一旦セットされた後は、リセットされるまでその状態が維持される。上述のように、各相のデューティの下限値DMIN又は上限値DMAXは、各相の電圧指令値のリミット電圧±VLIMに対応しているから、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwは、過去の所定期間の間にu相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達したか否かを表わすことになる。
デューティ計算部16は、算出したu相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwをインバータ3に供給することにより、インバータ3を制御する。また、u相デューティフラグflag_dv、v相デューティフラグflag_dv、u相デューティフラグflag_dvは、電流指令計算部11に送られ、電流指令計算部11における演算で使用される(詳細は後述する)。
インバータ3は、u相デューティDu、v相デューティDv及びw相デューティDwに応答したPWM制御によってパワートランジスタをオンオフし、永久磁石モータ2に供給される3相電圧を生成する。なお、図2Aでは、インバータコントローラ8の構成がブロックとして図示されているが、インバータコントローラ8は、同等の動作をするソフトウェア、ハードウェア、及びそれらの組み合わせによって実現可能であることに留意されたい。
本実施形態のモータ駆動機構1の一つの狙いは、弱め界磁制御を行う場合に、u相デューティDu、v相デューティDv、w相デューティDwが、ぎりぎりで上限値DMAXと下限値DMINに到達するようにd軸電流指令Idを決定することである。言い換えれば、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがぎりぎりでリミット電圧±VLIMに到達するように、d軸電流指令Idを決定することである。このようにd軸電流指令Idを決定すれば、高速運転時に、バッテリ4の電圧を最大限に利用するという条件の下でd軸電流指令Idを可能な限り小さくし、高効率で永久磁石モータ2を運転することができる。
d軸電流指令Idを最適に決定するために、本実施形態では、下記のような演算が電流指令計算部11によって行われる。図3A〜図3Cは、電流指令計算部11が、トルク指令Tと検出バス電圧v_battとロータ回転数ωとから、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqとを算出する手順を示す図である。電流指令計算部11は、次の3つの演算:(1)参照バス電圧vbの算出、(2)相対トルク指令Trの算出、及び、(3)d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqの最終的な算出を行う。
図3Aを参照して、参照バス電圧vbは、検出バス電圧v_battにバス電圧補償値vb_repairを加え、所定値Voffsetを減じることによって算出される。後述のように、参照バス電圧vbは、許容最大トルクT_max及びd軸電流指令Idとq軸電流指令Iqの算出に使用される。
ここで、本実施形態では、参照バス電圧vbの算出に使用されるバス電圧補償値vb_repairが、過去の所定時間の間に、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達したか否かに応じて調節される。より具体的には、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwの少なくとも一つがセットされている(本実施形態では“1”である場合)、バス電圧補償値vb_repairが前回値よりも所定値VONだけ減少される。そうでない場合、即ち、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwの全てがリセットされている場合(本実施形態では“0”である場合)、バス電圧補償値vb_repairが前回値よりも所定値VOFFだけ減少される。ただし、バス電圧補償値vb_repairには、上限値VH(>0)と下限値VL(<0)とが定められ、バス電圧補償値vb_repairは、VL以上VH以下の範囲で増減される。
このようにして調節されたバス電圧補償値vb_repairを用いて参照バス電圧vbを算出することにより、結果として、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがぎりぎりでリミット電圧±VLIMに到達するように参照バス電圧vbが算出されることになる。
バス電圧補償値vb_repairの更新と参照バス電圧vbの算出は、所定の時間間隔、例えば、1msec毎に行われる。参照バス電圧vbの算出とバス電圧補償値vb_repairの更新が完了すると、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwがリセットされ、同様の制御が再度行われる。
ここで、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwのリセットも、所定の時間間隔で行われることに留意されたい。これは、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwが、それぞれ、過去の所定時間の間にu相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達したか否かを示していることを意味している。即ち、過去の所定時間の間にu相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達した場合、それぞれ、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwがセットされる。一方、過去の所定時間の間にu相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達しなかった場合、それぞれ、u相デューティフラグflag_du、v相デューティフラグflag_dv、w相デューティフラグflag_dwはリセットのまま維持される。
図3Bに示されているように、このようにして算出された参照バス電圧vbが相対トルク指令Trの生成に使用される。詳細には、参照バス電圧vbと永久磁石モータ2のロータ回転数ωとから、最大トルクTmaxが算出される。一実施形態では、電流指令計算部11に、参照バス電圧vb及びロータ回転数ωの組み合わせと、それに対応する最大トルクTmaxの関係を記述した最大トルクテーブルが用意され、そのテーブルを用いて最大トルクTmaxが決定される。図4は、最大トルクテーブルの内容の例を示すグラフである。最大トルクTmaxは、ロータ回転数ωが0から限界回転数ωT_LIMまでの範囲では所定値に維持され、限界回転数ωT_LIMを超えるとロータ回転数ωの増加と共に徐々に減少される。ここで、限界回転数ωT_LIMは、参照バス電圧vbの増加と共に増加される。外部から与えられるトルク指令Tを、最大トルクTmaxで除算することにより、相対トルク指令Trが算出される。ただし、相対トルク指令Trは、100%以下に制限される。
このようにして算出された相対トルク指令Trは、図3Cに示されているように、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqの最終的な算出に使用される。詳細には、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqは、相対トルク指令Trと参照バス電圧vbとロータ回転数ωとから算出される。この算出のために、電流指令計算部11には、相対トルク指令Tr及びロータ回転数ωの組み合わせと、それに対応するd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqの関係を記述した電流テーブルが複数用意される。各電流テーブルは、参照バス電圧vbに対応づけられており、参照バス電圧vbは、当該複数の電流テーブルのうちから、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqの算出に実際に使用される電流テーブルを選択するために使用される。
図5は、電流指令計算部11に用意される電流テーブルの内容を示す図である。q軸電流指令Iqは、ロータ回転数ωが0から限界回転数ωIq_LIMまでの範囲では所定値に維持され、限界回転数ωIq_LIMを超えるとロータ回転数ωの増加と共に徐々に減少される。ここで、限界回転数ωIq_LIMは、相対トルク指令Trの増加と共に増加される。一方、d軸電流指令Id(の絶対値)は、ロータ回転数ωが0から限界回転数ωId_LIMまでの範囲では所定値に維持され、限界回転数ωId_LIMを超えるとロータ回転数ωの増加と共に徐々に増大される。ここで、限界回転数ωId_LIMは、相対トルク指令Trの増加と共に増加される。電流指令計算部11に用意される複数の電流テーブルは、対応する参照バス電圧vbが大きいほど限界回転数ωIq_LIM、ωId_LIMが大きくなるように定められている。言い換えれば、対応する参照バス電圧vbが大きいほど、q軸電流指令Iqが大きくなり、d軸電流指令Idが小さくなる。
参照バス電圧vbに基づいて複数の電流テーブルのいずれかが選択され、選択された電流テーブルを用いて相対トルク指令Tr及びロータ回転数ωの組み合わせに対応するd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqが得られる。得られたd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqは、電流制御部14に送られて電流制御に使用される。
以上に説明されているように、本実施形態では、バス電圧補償値vb_repair(即ち、参照バス電圧vb)が、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに到達したか否かに応じて調節され、これにより、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがぎりぎりでリミット電圧±VLIMにかかるように参照バス電圧vbが決定される。更に、そのように決定された参照バス電圧vbを用いてd軸電流指令Idが決定される。この結果、本実施形態のモータ駆動機構1は、弱め界磁制御が行われる際に、バッテリ4の電圧(検出バス電圧v_batt)を最大限に有効利用しながらd軸電流指令Idを可能な限り小さくし、高い効率で永久磁石モータ2を運転することができる。
このとき、本実施形態のモータ駆動機構1では、u相電圧指令Vu、v相電圧指令Vv及びw相電圧指令Vwがリミット電圧±VLIMに実際に到達しているか否かに応じて参照バス電圧vbが調節されるので、永久磁石モータ2やインバータ3の特性パラメータが運転状況(例えば、インバータ温度やモータ温度等)で変化しても、適正なd軸電流指令Idを算出することができる。
上記には本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されない。本発明の実施形態は、当業者に自明的な様々な変更がなされ得る。例えば、本実施形態のモータ駆動機構1は永久磁石モータ2を備えているが、永久磁石モータ2の代わりにベクトル制御によって運転可能な他の3相モータ(例えば、誘導モータ)を使用してもよい。
1:モータ駆動機構
2:永久磁石モータ
3:インバータ
4:バッテリ
5:エンコーダ
6:バス電圧検出部
7:電流検出部
8:インバータコントローラ
11:電流指令計算部
12:速度計算部
13:3相2相変換部
14:電流制御部
15:2相3相変換部
16:デューティ計算部

Claims (7)

  1. 3相モータと、
    バッテリと、
    前記バッテリから直流電圧の供給を受けて3相の駆動電圧を3相モータに供給するインバータと、
    前記バッテリから前記インバータに供給される直流電圧を検出バス電圧として検出するバス電圧検出手段と、
    前記検出バス電圧に応答して前記インバータを制御するインバータコントローラ
    とを具備し、
    前記インバータコントローラは、
    d軸電流指令とq軸電流指令を生成する電流指令生成手段と、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに応答して、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とを生成する電圧指令生成手段と、
    前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令とに応答してu相デューティとv相デューティとw相デューティとを算出するデューティ算出手段と、
    前記u相デューティと前記v相デューティと前記w相デューティに応答して前記インバータを制御するインバータ制御手段
    とを備え、
    前記電流指令生成手段は、前記検出バス電圧から参照バス電圧を算出すると共に、前記参照バス電圧に基づいて前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とを生成し、
    前記電流指令生成手段は、前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令とが、それぞれ、前記u相デューティ、前記v相デューティ、w相デューティを最大値又は最小値にするリミット電圧に到達したか否かに応答して前記参照バス電圧を調節する
    モータ駆動機構。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動機構であって、
    前記電流指令生成手段は、過去の所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の少なくとも一つが前記リミット電圧に到達した場合に前記参照バス電圧を減少させ、前記所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の全てが前記リミット電圧に到達しなかった場合に前記参照バス電圧を減少させる
    モータ駆動機構。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動機構であって、
    前記電流指令生成手段は、前記参照バス電圧と前記3相モータのロータ回転数に応答して最大トルクを算出すると共にトルク指令と前記最大トルクから相対トルク指令を算出し、
    前記電流指令生成手段には、前記相対トルク指令と前記ロータ回転数の組み合わせと、前記d軸電流指令と前記q軸電流指令との関係が記述された複数の電流テーブルが用意され、
    前記電流指令生成手段は、前記参照バス電圧に基づいて前記複数の電流テーブルのうちから選択電流テーブルを選択し、前記選択電流テーブルを用いて前記相対トルク指令と前記ロータ回転数の組み合わせから前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とを算出する
    モータ駆動機構。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動機構であって、
    前記複数の電流テーブルと前記参照バス電圧との対応関係は、前記参照バス電圧が大きいほど、前記q軸電流指令が大きくなり、且つ、前記d軸電流指令の絶対値が小さくなるように定められた
    モータ駆動機構。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のモータ駆動機構であって、
    前記参照バス電圧が、前記検出バス電圧とバス電圧補償値との和から算出され、
    前記バス電圧補償値は、前記所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の少なくとも一つが前記リミット電圧に到達した場合に減少され、前記所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の全てが前記リミット電圧に到達しなかった場合に増大される
    モータ駆動機構。
  6. バッテリから直流電圧の供給を受けて3相の駆動電圧を3相モータに供給するインバータを制御するためのモータ制御装置であって、
    前記バッテリから前記インバータに供給される直流電圧を検出バス電圧として検出するバス電圧検出手段と、
    前記検出バス電圧に応答して前記インバータを制御するインバータコントローラ
    とを具備し、
    前記インバータコントローラは、
    d軸電流指令とq軸電流指令を生成する電流指令生成手段と、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに応答して、u相電圧指令とv相電圧指令とw相電圧指令とを生成する電圧指令生成手段と、
    前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令とに応答してu相デューティとv相デューティとw相デューティとを算出するデューティ算出手段と、
    前記u相デューティと前記v相デューティと前記w相デューティに応答して前記インバータを制御するインバータ制御手段
    とを備え、
    前記電流指令生成手段は、前記検出バス電圧から参照バス電圧を算出すると共に、前記参照バス電圧に基づいて前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とを生成し、
    前記電流指令生成手段は、前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令とが、それぞれ、前記u相デューティ、前記v相デューティ、w相デューティを最大値又は最小値にするリミット電圧に到達したか否かに応答して前記参照バス電圧を調節する
    モータ制御装置。
  7. 請求項6に記載のモータ制御装置であって、
    前記電流指令生成手段は、過去の所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の少なくとも一つが前記リミット電圧に到達した場合に前記参照バス電圧を減少させ、前記所定期間において前記u相電圧指令と前記v相電圧指令と前記w相電圧指令の全てが前記リミット電圧に到達しなかった場合に前記参照バス電圧を減少させる
    モータ制御装置。
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