JPH11178399A - 永久磁石式同期モータの制御方法 - Google Patents

永久磁石式同期モータの制御方法

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JPH11178399A
JPH11178399A JP9361772A JP36177297A JPH11178399A JP H11178399 A JPH11178399 A JP H11178399A JP 9361772 A JP9361772 A JP 9361772A JP 36177297 A JP36177297 A JP 36177297A JP H11178399 A JPH11178399 A JP H11178399A
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Hiroshi Nagase
長瀬  博
Hideki Nihei
秀樹 二瓶
Takanori Nakada
孝則 中田
Noboru Arahori
荒堀  昇
Shunsuke Mitsune
三根  俊介
Akihiro Nokita
昭浩 軒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの出力電圧、電流の増加を小さくし、
インバータの容量およびモータの絶縁耐圧の増加を抑制
することにある。 【解決手段】 可変電圧、可変周波数の電力変換器66
によって駆動される永久磁石式同期モータ51の制御方
法であって、トルク指令T*から変換した前記モータの
磁界と直角方向の電流成分(q軸電流成分)Iq*に基
づいて前記モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流
成分)Id*を求め、前期モータの定格速度付近の端子
電圧が高くなる領域から前記d軸電流成分Id*を前記
モータのトルクT*に応じて制御し、前記端子電圧の上
昇を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型強力な永久磁
石を界磁に利用した永久磁石式同期モータの制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】小型強力な永久磁石を界磁に利用した同
期モータは、小型化が可能であり、また、モータを含む
駆動装置が小型化でき、効率が向上するメリットがあ
る。モータのトルクを制御するには、モータの磁極位置
に対応し、磁界方向(d軸)と直角方向の電流成分(q
軸電流成分)を制御して行う。この技術は、中野著「サ
ーボ技術とパワーエレクトロニクス」(共立出版199
4年9月発行)94〜95頁に記されている。また、直
流モータと同様の目的で、同期モータでも規定速度より
速度が上昇するにしたがって、界磁弱めをするために、
d軸電流を制御する方法もある。この技術は、例えば特
開平8−182398号公報に記載されている。しか
し、同期モータには電機子反作用がある。そのため、あ
る回転速度で運転していても負荷が増加するにしたがっ
て、電圧が上昇する。この現象は上記従来の制御方法の
いずれにも生ずる。特に、定格トルクよりも負荷が大き
いときなどでは、電圧上昇が顕著になる。このため、定
格速度付近で運転するとき、モータを制御するインバー
タの可出力電圧は、負荷の増加による電圧増加に対応で
きるように大きくしなければならない。この結果、イン
バータの容量を増加させたり、モータの絶縁耐圧を上げ
なければならない、という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題点に鑑み、モータの出力電圧、電流の増加を小さく
し、インバータの容量およびモータの絶縁耐圧の増加を
抑制するに好適な永久磁石式同期モータの制御方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、永久磁石式
同期モータの定格速度付近の端子電圧が高くなる領域か
ら前記モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流成
分)を前記モータのトルクに応じて制御し、前記端子電
圧の上昇を抑制することによって、解決される。ここ
で、d軸電流成分は、トルク指令から変換した前記モー
タの磁界と直角方向の電流成分(q軸電流成分)に基づ
いて前記端子電圧が所定値以下になるように演算する。
また、d軸電流成分は、トルク指令が小さいときは零で
あり、ある値を越すと、徐々に出力の絶対値が大きくな
るパターンと、前記モータの回転速度が小さいときは零
であり、ある値を越すと、徐々に出力の絶対値が大きく
なるパターンとを用い、前記端子電圧が所定値以下にな
るように演算する。また、永久磁石式同期モータの定格
速度付近の端子電圧が高くなる領域から前記端子電圧の
上昇を抑制するように前記モータの電機子電流の大きさ
と位相を前記モータのトルクに応じて制御することによ
って、解決される。また、永久磁石式同期モータのトル
ク指令に応じて設定した端子電圧と、実際に検出したモ
ータの端子電圧または前記モータを駆動する電力変換器
の動作から予測演算したモータの端子電圧に基づいてd
軸電流成分を求め、前期モータの定格速度付近の端子電
圧が高くなる領域から前記d軸電流成分を前記モータの
トルクに応じて制御し、前記端子電圧の上昇を抑制する
ことによって、解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は、本発明の一実施形態による永久
磁石式同期モータの制御方法を示す。図1において、5
1は永久磁石式同期モータであり、その回転軸は負荷
(図示せず)に接続され、さらに、位置検出器52、速
度検出器53に接続される。位置検出器52は、レゾル
バやエンコーダなどが用いられ、同期モータ51の電機
子と永久磁石界磁の相対的位置、すなわち、回転角を検
出する。速度検出器53は、エンコーダなどが用いら
れ、同期モータ51の回転速度を検出する。図示の例で
は、位置検出器52、速度検出器53を機能に分け、別
記したが、実際にはレゾルバやエンコーダなど同一の機
器により構成してもよい。さらに、位置検出器52は、
端子電圧などから推定して構成してもよい。いま、速度
指令装置61から速度指令ω*が出力されると、速度検
出器53の出力信号ωとの偏差Δωが速度制御装置62
に入力される。速度制御装置62は、この偏差Δωに応
じて働き、その出力信号は同期モータ51のトルク指令
信号T*になる。速度制御装置62の出力信号T*は、q
軸電流指令装置63に入力され、q軸電流指令装置63
ではトルク指令信号T*に応じたq軸電流指令Iq*が演
算される。q軸電流指令Iq*は、同期モータ51の電
機子電流ベクトルの磁界方向と直交する成分の指令であ
り、電流制御装置65に入力される。一方、d軸電流指
令装置64は、後述するような方法により、d軸電流指
令Id*を演算する。d軸電流指令Id*は、同期モータ5
1の電機子電流ベクトルの磁界と同方向成分の指令であ
り、その指令信号の主たる目的は、同期モータ51のト
ルクだけでなく、出力電圧の増加を抑制制御するための
指令信号を出すことにある。d軸電流指令信号Id*も電
流制御装置65に入力される。電流制御装置65は、位
置検出器52からの信号をもとに、実際の電流が指令通
りに流れるように制御し、その出力はインバータ66に
出力電圧指令信号として入力される。インバータ66で
は、電流制御装置65からの電圧指令信号により、PW
M制御が実行され、インバータ66の出力電圧、出力周
波数が制御される。インバータ66によるPWM制御
は、電圧指令信号の瞬時値と三角波状の搬送波信号との
比較または周知の空間ベクトル形のPWM制御により実
行される。インバータ66のパワー素子はPWM信号に
基づいて制御される。このようにして、同期モータ51
に流れる電流が制御され、トルクと端子電圧が制御され
る。
【0006】図2は、図1の制御の原理を示す電流、電
圧のベクトル図である。図2において、 I:電機子電流 Id,Iq:Iのd、q軸成分 E0:無負荷誘起電圧 Et:端子電圧 xd,xq:d、q軸のリアクタンス xd=xad+xl、xq=xaq+xl xad,xaq,xl:d、q軸電機子反作用リアクタ
ンス、もれリアクタンス である。図2より、同期モータの出力Pは、
【数1】 P∝EtIcosφ =EtIcos(θ+δ) =EtI(cosθ・cosδ−sinθ・sinδ) =Etcosδ・Icosθ−Etsinδ・Isinθ =(E0+xdId)Iq−xqIq・Id =E0・Iq+(xd−xq)Id・Iq (数1) となる。すなわち、トルクTは、
【数2】 T=P/ω ∝ΦIq+(Ld−Lq)Id・Iq (数2) と表わされる。ここで、 ω:モータ軸の回転角速度、ω=ω1/(p/2) ω1:電気的回転角周波数 p:モータの極数 Φ:磁束 Ld,Lq:d、q軸のインダクタンス であり、
【数3】 E0=kω1Φ (数3) k:定数
【数4】 xd=ω1Id、 xq=ω1Iq (数4) である。このとき、同期モータ51が円筒機の場合、L
d=Lq=Lであるから、トルクTは、
【数5】 T∝ΦIq (数5) のように表わされる。この結果、トルクTは、電流のq
軸成分Iqのみに比例する。したがって、トルクを制御
するには、電流のq軸成分Iqだけを制御すればよいこ
とが分かる。次に、同期モータ51の端子電圧Etは、
図2のベクトルから、
【数6】 である。(数6)から、モータが一定速度で回転してい
るとき、端子電圧Etは、d軸電流成分を零としても、
q軸電流成分により変化する。すなわち、トルクを増加
するために、電流成分Iqを増加させると、端子電圧E
tは増加することが分かる。このとき、(数6)からd
軸電流成分Idを負に制御すると、電圧のd軸成分の大
きさが小さくなるので、ベクトル和としての端子電圧は
抑制できることも分かる。
【0007】図3は、上記の原理を応用したq軸電流指
令装置63、d軸電流指令装置64の構成例を示す。図
示の構成はモータが円筒機の場合であり、q軸電流指令
装置631は速度制御装置62からのトルク指令T*を
(数5)の原理でq軸電流指令Iq*に変換する。d軸
電流指令装置641は、速度制御装置62からのトルク
指令T*により、q軸電流指令Iq*が定まるので、(数
6)に基づいて端子電圧Etが所定の値以下になるよう
に、d軸電流指令Id*を演算する。ここで、端子電圧
Etは所定値以下になればよいことから、(数6)から
分かるように、定格速度以下で回転していて、Id=0
でも端子電圧Etが所定値より高くならないとき、Id
=0のままでよいのは云うまでもない。また、図3で
は、d軸電流指令装置641の入力はq軸電流指令装置
631からとしているが、速度制御装置62からトルク
指令T*を直接受け、前記演算を行ってもよい。なお、
ここで、端子電圧Etは一定値でも、後述する図5
(a)のように、負荷トルクに応じて変化させてもよ
い。このように、d軸電流指令を制御すると、端子電圧
Etの大きさがある範囲に収まるので、モータの絶縁耐
圧や、インバータの出力電圧の可制御範囲を小さくする
ことができる。特に、モータが最高回転付近でインバー
タの出力電圧に余裕がないとき、効果的であり、インバ
ータの出力容量を低減することができる。こうして得ら
れた電流指令Iq*、Id*は、電流指令装置65に入力
される。
【0008】なお、具体的な構成例として、q軸電流指
令装置631はゲインでよい。また、d軸電流指令装置
641は端子電圧を定め、(数6)から得られるIdを
演算してもよく、予め演算してパターンとして持ってい
てもよい。また、簡易的には単たるゲインとしてもよ
い。さらに、d軸電流指令装置641は、あるトルク以
上から指令を出すように働かせてもよい。一例として、
略定格トルクまでは零に保ち、定格以上の過負荷のとき
に負の指令を出力するようにすると、電圧、電流の最大
値を適正な値にすることができ、インバータの容量低減
に特に効果がある。また、上記説明では、モータを円筒
機の例で説明したが、突極機でも同様であり、(数
2)、(数6)の関係からq軸、d軸の電流指令を演
算、パターンまたは簡易的な方法により指令することが
できる。
【0009】図4は、電流制御装置65の具体的構成例
を示す。本例の基本構成は周知であり、例えば、電気学
会論文誌D、117巻、5号(1997年7月)、53
9頁、図5に記載されている。図4の構成は、図2のベ
クトル図からd、q軸の電圧成分を演算し、さらに、
d、q軸の電流の指令と実際値との偏差に応じて働くA
CR−d、qを備える。また、図4の構成は、電機子抵
抗Raをさらに考慮する。図4の演算の構成を簡単に説
明する。(数6)から分かるように、q軸の電圧指令E
q*は、
【数7】 Eq*=kω1Φ+ω1LdId* +RaIq*+(ACR−q出力) (数7) となる。(数7)でq軸の電圧指令Eq*を求めるに当
って、ACR−qの出力を加算するのは、モータのパラ
メータΦ、Ld、Raの設定値と実際値の誤差により、
q軸の電圧指令Eq*が所定値と相違するのを防止する
ためである。q軸の電流指令Iq*とその実際値Iqの
偏差をとって補正を行うと、精度のよい電流制御ができ
る。一方、d軸の電圧指令Ed*は、
【数8】 Ed*=−ω1LqIq*+RaId*+(ACR−d出力) (数8) となる。(数8)でACR−dの出力を加算するのは、
(数7)の場合と同様である。Id/Iq演算651
は、位置検出器52からの界磁磁極位置(電気的回転
角)に応じた正弦または余弦信号を基準に、三相の瞬時
電流検出値iu、iv、iw(電流検出器は図示せず)
から電流の成分Id、Iqを検出する。電流制御装置6
5の出力は、d、q軸の電圧指令信号Ed*、Eq*であ
る。インバータ66のPWM制御を実行する際、正弦波
の瞬時値電圧指令信号が必要なときは、演算651の逆
演算を行えばよい。この演算は周知なので省略する。
【0010】図5は、このような制御の有無による特性
を示す。(a)は本発明の制御を行ったときの特性例、
(b)は本発明の制御を行わず、d軸分の電流は零と
し、q軸分の電流制御のみをトルクに応じて行う従来の
制御の特性例を示す。(a)の例は、d軸電流指令Id
をトルク指令T*のaまで零のままとし、トルク指令T*
のaからトルクに比例して負の指令を増加させる。q軸
電流Iqは(数5)から分かるようにトルクに比例させ
る。d軸電流をこのように制御すると、d、q軸電流成
分のベクトル和である電機子電流Iは、Iqよりやや増
加するものの、端子電圧Etは無負荷時からほとんど増
加しない。このため、インバータ出力電圧の可変範囲を
必要最低限度の適切なものにすることができる。この結
果、インバータの容量の増加を抑えることができる。一
方、(b)の例のように、d軸分を零にすると、端子電
圧Etは速度の増加とともに増大する。この結果、イン
バータの出力電圧は大きなものが必要になり、その結
果、インバータの容量が増大する。以上のように、本実
施形態によれば、モータ端子電圧Etが負荷(トルク)
の増加によらず上昇しないので、インバータ容量を低減
することができ、また、モータの絶縁耐圧も増加させな
い。このため、小型かつ経済的な制御システムを提供す
ることが可能になる。なお、上記の例では、トルク指令
aからd軸電流指令を負に与えているが、トルク零から
指令を与えてもよい。また、d軸電流指令量は同期モー
タ51のモータ定数によって変わることは云うまでもな
い。
【0011】図6は、図3に示した構成例とは別のq軸
電流指令装置63、d軸電流指令装置64の構成例を示
す。図6において図3と同一番号は同一対象物を示す。
図6の構成例は、d軸電流指令を回転速度に応じて変え
る例であり、d軸電流指令装置642の詳細構成例を示
す。モータの端子電圧Etは回転速度によって変わるの
で、d軸電流指令をさらに回転速度に応じて変える。d
軸電流指令装置642は、トルク指令T*に応じた信号
を出すパターン装置6421、回転速度に応じた信号を
出すパターン装置6422、パターン装置6421と6
422の積をとる掛算装置6423から構成する。掛算
装置6423の出力はd軸電流指令信号Id*となる。
パターン装置6421の出力は、トルク指令が小さいと
きは零であり、ある値を越すと、徐々に出力の絶対値が
大きくなる。パターン装置6422の出力は、速度が小
さいときは零であり、ある値を越すと、徐々に出力の絶
対値が大きくなる。このようにすると、d軸電流指令信
号Id*は、単にトルク指令T*に応じた信号になるだけ
なく、速度にも応じた値になる。すなわち、速度が低い
ときはd軸電流指令信号Id*は零であり、ある速度以
上からトルクに応じて徐々にd軸電流指令信号Id*を
出す。こうすると、d軸電流指令信号Id*が出される
のは定格速度に近く、さらに負荷が大きいときだけにな
る。このため、速度が低いときは、電流値が小さいの
で、インバータの電流容量も下げることができる。
【0012】図7は、本発明の他の実施形態を示す。図
7において図1と同一番号は同一対象物を示す。本実施
形態は、端子電圧を検出し、その端子電圧指令にしたが
ってd軸電流指令信号Id*を出す点に特徴がある。端
子電圧指令装置67は、トルク指令T*に応じて端子電
圧を設定する。端子電圧の設定は、例えば図5(a)の
ように決める。電圧検出器68は、インバータ66の出
力電圧すなわち同期モータ51の端子電圧を検出する。
d軸電流指令装置642は端子電圧指令装置67と電圧
検出器68の出力信号に応じて働く。d軸電流指令装置
642の出力はd軸電流指令信号Id*となる。d軸電
流指令装置642は、端子電圧指令装置67からの端子
電圧指令信号と、電圧検出器68からの端子電圧検出信
号との偏差をとり、d軸電流指令信号Id*を出すよう
にフィードバック系を構成する。このようにすると、実
際の端子電圧は精度よく指令値に追従する。そのため、
端子電圧は所定値を越えることがないので、インバータ
66の可出力電圧範囲の余裕を小さくすることができ、
さらに、インバータの出力容量を低減することができ
る。なお、本実施形態では、同期モータ51の端子電圧
を電圧検出器68により検出して求めたが、インバータ
66の動作から出力電圧を予測演算できるので、実際値
を検出せずに、端子電圧を求めることができる。また、
d軸電流指令Id*はフィードバック系を構成して演算
したが、端子電圧指令に基づいて直接演算してもよい。
さらに、端子電圧が所定値を越えようとするときのみ、
d軸電流指令を出力すればよく、これ以外では零のまま
でよい。
【0013】以上説明した本発明の実施形態は、すべて
電流のd、q軸成分を指令するように構成したが、図2
のベクトル図から分かるように、電流の大きさと位相を
指令し、制御するようにしても構成することができる。
【0014】次に、図8は、本発明をエレベータに応用
した実施形態を示す。図8において図1と同一番号は同
一対象物を示す。同期モータ51の軸端にシーブ2を接
続し、シーブ2に巻付けられたロープ4を介して乗りか
ご1とカウンタウエイト3を接続する。同期モータ51
すなわちシーブ2の回転にしたがって、乗りかご1は昇
降する。図1の実施形態による制御方法は、図8に示す
エレベータのような定トルク負荷特性をもつ駆動系に適
用すると、効果があり、特に、過負荷が要求されるよう
な駆動系に適用すると、さらに効果が大きい。なお、こ
のような駆動系に、図1の実施形態だけでなく、図7の
実施形態を含む前記のすべての形態が適用できるのは云
うまでもない。また、演算は、全ての実施形態において
マイクロコンピュータを用いて実施してよいことも云う
までもない。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
モータのトルクに応じてd軸電流を制御することによっ
て、また、モータの電機子電流の大きさと位相を制御す
ることによって、モータ端子電圧の大きさの増加を抑制
するので、モータの出力電圧、電流の増加を小さくする
ことができ、この結果、インバータ容量およびモータの
絶縁耐圧の増加を抑制することが可能になる。このた
め、制御システム全体を小型かつ経済的に構築すること
ができる。また、モータの端子電圧を検出または予測演
算し、その端子電圧指令に基づいてd軸電流指令信号を
求めることにより、実際の端子電圧は精度よく端子電圧
指令値に追従するので、モータの端子電圧は所定値を越
えることがなく、インバータの可出力電圧範囲の余裕を
小さくすることができ、さらに、インバータの出力容量
を低減することができる。また、本発明による制御方法
は、エレベータのような定トルク負荷特性をもつ駆動系
に適用すると、効果があり、特に、過負荷が要求される
ような駆動系に適用すると、さらに効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による永久磁石式同期モー
タの制御方法を示す図
【図2】図1の制御原理を説明するためのベクトル図
【図3】図1のq軸電流指令装置、d軸電流指令装置の
構成例
【図4】図1の電流制御装置の具体的構成例
【図5】本発明による特性例を示す図
【図6】図1のq軸電流指令装置、d軸電流指令装置の
別の構成例
【図7】本発明の他の実施形態
【図8】本発明の応用例
【符号の説明】
51…同期モータ、52…位置検出器、52…速度検出
器、63、631…q軸電流指令装置、64、641、
642…d軸電流指令装置、6421…トルク指令に応
じた信号を出すパターン装置、6422…回転速度に応
じた信号を出すパターン装置、6423…掛算装置、6
5…電流制御装置、66…インバータ、67…端子電圧
指令装置、68…電圧検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒堀 昇 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 三根 俊介 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 軒田 昭浩 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変電圧、可変周波数の電力変換器によ
    って駆動される永久磁石式同期モータの制御方法であっ
    て、前期モータの定格速度付近の端子電圧が高くなる領
    域から前記モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流
    成分)を前記モータのトルクに応じて制御し、前記端子
    電圧の上昇を抑制することを特徴とする永久磁石式同期
    モータの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記d軸電流成分
    は、トルク指令から変換した前記モータの磁界と直角方
    向の電流成分(q軸電流成分)に基づいて前記端子電圧
    が所定値以下になるように演算することを特徴とする永
    久磁石式同期モータの制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記d軸電流成分
    は、トルク指令が小さいときは零であり、ある値を越す
    と、徐々に出力の絶対値が大きくなるパターンと、前記
    モータの回転速度が小さいときは零であり、ある値を越
    すと、徐々に出力の絶対値が大きくなるパターンとを用
    い、前記端子電圧が所定値以下になるように演算するこ
    とを特徴とする永久磁石式同期モータの制御方法。
  4. 【請求項4】 可変電圧、可変周波数の電力変換器によ
    って駆動される永久磁石式同期モータの制御方法であっ
    て、前期モータの定格速度付近の端子電圧が高くなる領
    域から前記端子電圧の上昇を抑制するように前記モータ
    の電機子電流の大きさと位相を前記モータのトルクに応
    じて制御することを特徴とする永久磁石式同期モータの
    制御方法。
  5. 【請求項5】 可変電圧、可変周波数の電力変換器によ
    って駆動される永久磁石式同期モータの制御方法であっ
    て、トルク指令に応じて設定した端子電圧と、実際に検
    出したモータの端子電圧または前記電力変換器の動作か
    ら予測演算したモータの端子電圧に基づいて前記モータ
    の磁界と同方向の電流成分(d軸電流成分)を求め、前
    期モータの定格速度付近の端子電圧が高くなる領域から
    前記d軸電流成分を前記モータのトルクに応じて制御
    し、前記端子電圧の上昇を抑制することを特徴とする永
    久磁石式同期モータの制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項から請求項5のいずれかの永久磁
    石式同期モータの制御方法であって、定トルク負荷特性
    をもつ駆動系に適用することを特徴とする永久磁石式同
    期モータの制御方法。
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