JP2010031717A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】尿素水から生成される固形物の堆積を抑制すると共に良好な排気浄化効率を確保可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2屈曲部32a,32bを有した連通路32により上流側ケーシング30と下流側ケーシング34とを連通し、下流側ケーシング34内にはアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒40を収容する。上流側ケーシング30から連通路32に流入する排気中には、尿素水インジェクタ44から尿素水を噴射する。第1屈曲部32aによって流動方向が変更される前の排気の一部が、第1屈曲部32aにおける連通路32の内側壁面に達する前に衝突する位置に、衝突した排気の流動方向を第1屈曲部32aの下流側に向けて変更する衝突板50を設けることにより、排気中に含まれる尿素水と連通路32の内側壁面との衝突を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は排気浄化装置に関し、特にアンモニアを還元剤としてアンモニア選択還元型NOx触媒に供給するために、排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段を備えた排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等のエンジンから排出される排気中には、大気汚染物質であるパティキュレートやNOx(窒素酸化物)などが含まれている。
そこでパティキュレートについては、エンジンの排気通路にパティキュレートフィルタを設け、排気中に含まれるパティキュレートをパティキュレートフィルタで捕集し、大気中にパティキュレートが放出されないようにする技術が従来より知られている。
またNOxについては、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設し、還元剤としてアンモニアをアンモニア選択還元型NOx触媒に供給することにより、NOxを選択還元して排気を浄化するようにした排気浄化装置が知られている。ここで用いられるアンモニア選択還元型NOx触媒では、上流側の排気中に尿素水が供給され、この尿素水が排気の熱により加水分解して生じたアンモニアが供給される。そして、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型NOx触媒によって促進されることによりNOxの還元が行われ、排気が浄化される。
このように、排気浄化装置に所望の排気浄化機能を発揮させるために、複数の排気浄化手段を採用するのが一般的であり、排気浄化手段を収容するためのケーシングは、採用する排気浄化手段に応じて複数に分割される場合がある。そして、例えば上述のようにパティキュレートの捕集及びNOxの還元を効率的に行うため、パティキュレートフィルタ及びアンモニア選択還元型NOx触媒を組み合わせ、排気浄化装置として用いるようにしたものが特許文献1などによって提案されている。
特許文献1の排気浄化装置は、上流側ケーシングと、上流側ケーシングの下流側に配設されて連通路で上流側ケーシングと連通された下流側ケーシングとで構成される。上流側ケーシング内には前段酸化触媒が収容されると共に、この前段酸化触媒の下流側にパティキュレートフィルタが収容されている。なお、前段酸化触媒は、排気中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成し、このNOによってパティキュレートフィルタの連続再生を行うために使用される。
一方、下流側ケーシング内にはアンモニア選択還元型NOx触媒が収容されると共に、このアンモニア選択還元型NOx触媒の下流側にアンモニア選択還元型NOx触媒から流出したアンモニアを無害化するための後段酸化触媒が収容されている。
そして、上流側ケーシングと下流側ケーシングとを連通する連通路には、連通路内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタが設けられている。尿素水インジェクタから噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒に還元剤として供給される。
このように、複数の排気浄化手段を収容するためにケーシングを2つに分割した場合、両ケーシングを連通するための連通路が設けられる。例えば、車両に搭載されたエンジンに用いられる排気浄化装置の場合には、車両搭載機器のレイアウトの都合上、上流側ケーシングと下流側ケーシングとは必ずしも直線的に配置されるわけではないため、連通路には両ケーシングの配置に対応して屈曲部が設けられる場合がある。
特開2007−162487号公報
ところが、このような屈曲部を有した連通路が用いられる排気浄化装置において、連通路内を流動する排気中に尿素水が供給された場合、排気中で霧化した尿素水が屈曲部において連通路の内側壁面に衝突しやすくなる。連通路の内側壁面温度は連通路の外壁部分が外気に触れているため、内部を流動する排気の温度に比べて低くなっている。このため、排気中で霧化した尿素水が連通路の内側壁面に衝突すると、壁面上で液化した後、水分の蒸発によって固形の尿素などの固形物が生成され、連通路の内側壁面に堆積してしまうという問題がある。このような固形物が連通路に堆積すると、連通路における排気の流動抵抗が増大してエンジンの運転効率が低下するばかりでなく、アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるアンモニアの量が不足して、アンモニア選択還元型NOx触媒による排気浄化効率が低下するという問題が生じる。
このような問題を回避するためには、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させ、比較的高い排気温度でのみ尿素水を供給することにより、連通路の内側壁面に霧化した尿素水が衝突しても液化しにくくすると共に、堆積した固形物が再びガス化して消滅しやすくする必要がある。しかしながら、このように尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させると、尿素水を供給可能なエンジンの運転領域が狭まるため、アンモニア選択還元型NOx触媒に十分なアンモニアを供給することができなくなり、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率が低下してしまうという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、尿素水から生成される固形物の堆積を抑制すると共に良好な排気浄化効率を確保可能な排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する排気浄化手段を収容した第1ケーシングと、上記第1ケーシングの下流側の上記排気通路に介装された第2ケーシングと、屈曲部を有して上記第1ケーシングと上記第2ケーシングとを連通し、上記第1ケーシングから排出された排気を上記第2ケーシングに案内する連通路と、上記第2ケーシング内に収容され、アンモニアを還元剤として上記排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、上記連通路を介し上記第1ケーシングから上記第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、上記屈曲部によって流動方向が変更される前の上記排気の少なくとも一部が、上記屈曲部における上記連通路の内側壁面に達する前に衝突する位置に設けられて、衝突した排気の流動方向を上記屈曲部の下流側に向けて変更する衝突板とを備えることを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、第1ケーシング内を通過した排気は、連通路を通って第2ケーシング内に流入する。このとき、尿素水供給手段が連通路を通って第1ケーシングから第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する。排気中に供給された尿素水は排気の熱によって加水分解し、アンモニアが生成される。こうして生成されたアンモニアは、下流側ケーシング内のアンモニア選択還元型NOx触媒に流入し、アンモニア選択還元型NOx触媒では、排気中のアンモニアを還元剤として排気中のNOxが選択還元されることにより排気が浄化される。
尿素水供給手段から供給されて霧化した尿素水を含む排気の少なくとも一部は、屈曲部における連通路の内側壁面に達する前に屈曲部に設けられた衝突板に衝突し、衝突板によって屈曲部の下流側に向けて流動方向が変更される。このとき連通路の内側壁面は、外壁面と外気との接触などの理由により排気温度に比べて温度が低下しているが、屈曲部を通過する排気の少なくとも一部は、このような衝突板との衝突により、温度の低い屈曲部の内側壁面に接することなく第2ケーシングへ向けて流動する。従って、屈曲部を通過する際に、排気中に含まれる尿素水の連通路内側壁面への衝突に伴う尿素などの固形物の析出が抑制される。また、衝突板は連通路内を流動する排気に晒されているので、衝突板の温度は排気温度にほぼ等しくなり、排気中の尿素水が衝突板に衝突しても排気中の尿素水に大きな温度低下を生じることはない。この結果、尿素水を含む排気が屈曲部を通過する際に、屈曲部内における尿素などの固形物の堆積を確実に抑制することができる。
また、上記排気浄化装置において、上記衝突板は、一方の面側と他方の面側との間で排気の流通を可能とする複数の連通孔を備えていてもよい(請求項2)。
排気浄化装置をこのように構成した場合には、衝突板によって排気の流動方向が変更される際に、排気の一部が衝突板に設けられた複数の連通孔を介して衝突板の一方の面側と他方の面側との間で流動する。従って、このような衝突板では、排気が衝突する面とは反対側となる面に接する排気の量が、連通孔を有さない衝突板に比して増大するので、衝突板の両面が排気によって効果的に排気に晒されることになる。従って、エンジン始動の際などにおいて、衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。
更に上記排気浄化装置において、上記連通孔は、上記排気の流動方向において上記衝突板の所定の上流端側領域と所定の下流端側領域とにのみ設けられてもよい(請求項3)。
排気浄化装置をこのように構成した場合にも、衝突板によって排気の流動方向が変更される際に、その一部は衝突板の所定の上流端側領域に設けられた連通孔を介し、衝突板の排気が衝突する面側とは反対の面側に流入する。また、衝突板の排気が衝突する面側とは反対の面側に流入した排気の少なくとも一部は、衝突板の所定の下流端側領域に設けられた連通孔を介し、衝突板の排気が衝突する面側に流入する。このような連通孔を介した排気の流動により、衝突板の両面が効果的に排気に晒される。従って、エンジン始動の際などにおいて、衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。更に、衝突板の中間部分には連通孔が設けられていないので、衝突板によって排気の流動方向を屈曲部の下流側に向けて効果的に変更することができる。
或いは、上記排気浄化装置において、上記衝突板は、一方の面側と他方の面側との間で排気の流通を可能とする網目状のメッシュ部材を備えていてもよい(請求項4)。
排気浄化装置をこのように構成した場合には、衝突板によって排気の流動方向が変更される際に、その一部が衝突板を構成する網目状のメッシュ部材を介して衝突板の一方の面側と他方の面側との間で流動する。従って、この場合にも衝突板の両面が効果的に排気に晒され、エンジン始動の際などにおいて、衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。
また、上記排気浄化装置において、上記連通路が複数の屈曲部を有する場合、上記衝突板は、上記連通路の屈曲部のうち最も上流側の屈曲部に設けられてもよい(請求項5)。
屈曲部に衝突板が設けられない場合、前述したように、排気中で霧化した尿素水は屈曲部において連通路の内側壁面に衝突して熱を奪われることにより固形物となるため、特に最初に衝突した部分に固形物が生成されやすい。そこで、連通路が複数の屈曲部を有する場合に、最も上流側の屈曲部に衝突板を設けることにより、排気中に含まれる尿素水の連通路への衝突に伴う尿素水からの固形物の生成及び堆積が良好に抑制される。
また、上記排気浄化装置において、上記第1ケーシングは筒状をなし、上記第2ケーシングは筒状をなすと共に、上記第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置され、上記連通路は、一端が上記第1ケーシングの側壁に接続され、他端が上記第2ケーシングの側壁に接続されていてもよく、上記尿素水供給手段は、上記第1ケーシングに接続された上記連通路内に向けて尿素水を噴射するようにしてもよい(請求項6)。
このように構成された排気浄化装置の場合、一端が第1ケーシングの側壁に接続された連通路は、屈曲部によって屈曲することにより、第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置された第2ケーシングの側壁に他端が接続される。
本発明の排気浄化装置によれば、霧化した尿素水を含んで屈曲部を通過する排気の少なくとも一部が衝突板と衝突することにより、排気温度より低い温度の屈曲部の内側壁面に接することなく第2ケーシングへ向けて流動するので、屈曲部を通過する際に排気中に含まれる尿素水の連通路内側壁面に対する衝突が抑制される。また衝突板の温度は、衝突板が排気に晒されることにより排気温度とほぼ等しくなっているので、排気中の尿素水が衝突板に衝突しても大きな温度低下を生じることはない。この結果、尿素水を含む排気が屈曲部を通過する際に、屈曲部内における尿素などの固形物の堆積を確実に抑制することができる。
従って、尿素水から生成される固形物の堆積防止のために尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、尿素水の供給が可能なエンジンの運転領域を狭めずにすむ。また、尿素水からの尿素などの固形物の生成に伴うアンモニア選択還元型NOx触媒へのアンモニアの供給量不足を防止することができる。この結果、アンモニア選択還元型NOx触媒に必要とされるアンモニア供給量を確保することが可能となり、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を良好に維持することができる。
また、請求項2の排気浄化装置のように衝突板に複数の連通孔を設けた場合には、このような衝突板において、排気が衝突する面とは反対側となるの面に接する排気の量が、連通孔などを介した排気の流動を行わない衝突板に比して増大するので、衝突板が効果的に排気に晒される。従って、エンジン始動の際などにおいて、衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。
また、請求項3の排気浄化装置のように衝突板の所定の上流端側領域と所定の下流端側領域とにのみ連通孔を設けるようにした場合にも、連通孔を流動する排気によって衝突板を効果的に排気に晒すことができるので、エンジン始動の際などに衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。更に、衝突板の中間部分には連通孔が設けられていないので、衝突板によって排気の流動方向を屈曲部の下流側に向けて効果的に変更することができる。
また、請求項4の排気浄化装置のように衝突板を網目状のメッシュ部材で構成する場合にも、このような衝突板において、排気が衝突する面とは反対側となる面に接する排気の量が、メッシュ部材などを介した排気の流動を行わない衝突板に比して増大するので、衝突板が効果的に排気に晒される。従って、エンジン始動の際などにおいて、衝突板の温度を速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持することができる。
また、請求項5の排気浄化装置によれば、連通路が複数の屈曲部を有する場合に、排気中で霧化した尿素水から固形物が生成されやすい、最も上流側の屈曲部に衝突板を設けるようにしたので、排気中に含まれる尿素水の連通路内側壁面への衝突に伴う尿素水からの固形物の生成及び堆積を良好に抑制することができる。
また、請求項6の排気浄化装置によれば、第2ケーシングが第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置されると共に、連通路の一端が第1ケーシングの側壁に接続され、他端が第2ケーシングの側壁に接続されているので、連通路は比較的屈曲の度合いが大きい屈曲部を有することになる。屈曲の度合いが大きいほど、連通路内側壁面への尿素水の衝突による固形物の生成の可能性が増大するため、このような連通路を有した排気浄化装置に対して本発明は特に有効である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用された4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は、車両駆動用の動力源として車両(図示せず)に搭載されている。エンジン1は、各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えている。エンジン1では、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料が、各気筒に設けられた燃料噴射弁4に供給され、各燃料噴射弁4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20は、ターボチャージャ8のタービン8b及び排気絞り弁26を経由して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と機械的に連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置28は、筒状をなす上流側ケーシング(第1ケーシング)30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通されて筒状をなす下流側ケーシング(第2ケーシング)34とで構成される。上流側ケーシング30内には、前段酸化触媒36が収容されると共に、この前段酸化触媒36の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。これら前段酸化触媒36及びフィルタ38は、本発明の排気浄化手段に相当する。
フィルタ38は、排気中のパティキュレートを捕集してエンジン1の排気を浄化するために設けられる。フィルタ38はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。
前段酸化触媒36は排気中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成するので、このように前段酸化触媒36とフィルタ38とを配置することにより、フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されたNOと反応して酸化し、これによってフィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
一方、下流側ケーシング34内には、排気中のアンモニアを還元剤として、排気中のNOx(窒素酸化物)を選択還元して排気を浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒(以下SCR触媒という)40が収容されると共に、このSCR触媒40の下流側にはSCR触媒40から流出したアンモニアを排気中から除去するための後段酸化触媒42が収容されている。この後段酸化触媒42は、フィルタ38の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能も有している。
なお、上流側ケーシング30のフィルタ38下流側には、フィルタ38から流出して連通路32へと流入する排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)44が設けられており、図示しない尿素水タンクから尿素水インジェクタ44に対して尿素水が供給されるようになっている。また、尿素水インジェクタ44の近傍には、フィルタ38から流出して連通路32に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ46が設けられている。
尿素水インジェクタ44及び排気温度センサ46は、図1に示されるように、円筒状の上流側ケーシング30の周面から中心軸線に近づく方向に形成された段部に装着されている。このような位置に尿素水インジェクタ44及び排気温度センサ46を装着することにより、排気温度センサ46の排気温度検出点を、フィルタ38から流出する排気の中央部分に近づけて排気温度の検出精度を向上させると共に、尿素水インジェクタ44から噴射された尿素水がフィルタ38から流出する排気中にできるだけ均等に拡散するようにしている。
尿素水インジェクタ44から噴射された尿素水は排気中で霧化し、排気の熱により加水分解してアンモニアとなってSCR触媒40に供給される。SCR触媒40は、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。なお、このときアンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒40から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒42によって排気中から除去されるようになっている。
図1に示される排気後処理装置28は、上方から見たときの上流側ケーシング30及び下流側ケーシング34の配置に対応するものとなっており、車両への搭載の都合により、下流側ケーシング34は、筒状をなす上流側ケーシング30の中心軸線に対して側方に配置されている。
連通路32の上流側端部は、フィルタ38よりも下流側となる位置の上流側ケーシング30の側壁に設けられた流出部30aを介して上流側ケーシング30の側壁に接続されている。一方、連通路32の下流側端部は、SCR触媒40よりも上流側となる位置の下流側ケーシング34の側壁に設けられた流入部34aを介して下流側ケーシング34の側壁に接続されている。そして、連通部32には、このような接続を可能とするために、第1屈曲部32a及び第1屈曲部32aより下流側の第2屈曲部32bの2つの屈曲部を有している。
後段酸化触媒42よりも下流側となる位置の下流側ケーシング34の側壁には、流入部34aの延設方向に対して平面視で逆方向に延設された流出部34bが設けられており、下流側ケーシング34内を通過した排気を大気中に放出するためのテールパイプ48が、流出部34bを介して下流側ケーシング34の側壁に接続されている。従って、排気管20及びテールパイプ48が本発明における排気通路に相当するものとなる。
尿素水インジェクタ44は、上流側ケーシング30の流出部30aに対向する位置に装着されており、図1中に一点鎖線で示すように、尿素水の噴射方向が連通路32に向けられている。連通路32の外側壁面が外気に晒されていることから、連通路32の内側壁面は、内部を流動する排気の温度に比して低い温度にあり、排気中で霧化している尿素水が連通路32の内側壁面に衝突すると、温度の低下により尿素水が再び液化して連通路32の内側壁面に付着する可能性がある。内側壁面に付着した尿素水からは、尿素水の水分が排気の熱で蒸発することにより、尿素など(以下では総称して尿素という)の固形物が析出し、連通路32の内側壁面に堆積する。
そこで本実施形態では、フィルタ38から流出した後に連通路32内に流入して下流側ケーシング34に向けて流動する排気に対し、上述のようにして連通路32内に向けて尿素水インジェクタ44から尿素水を噴射することにより、噴射された尿素水が連通路32の内側壁面に衝突するのをできるだけ回避するようにして、連通路32の内側壁面への尿素の固形物の堆積を抑制している。
また、連通路32は第1屈曲部32a及び第2屈曲部32bの2つの屈曲部を有しており、排気がこれら第1及び第2屈曲部32a,32bを通過する際には、排気が第1及び第2屈曲部32a,32bによって流動方向を変更するのに伴い、排気中で霧化した尿素水が第1及び第2屈曲部32a,32bの内側壁面に衝突する可能性がある。このような衝突が生じた場合、排気中で霧化している尿素水は衝突した連通路32の内側壁面で液化し、上述したように尿素の固形物が析出して内側壁面に堆積していくことになる。特に第1屈曲部32aは、連通路32の複数の屈曲部のうちで最も上流側に位置するため、排気中に含まれる尿素水の多くが最初に第1屈曲部32aにおいて連通路32の内側壁面に衝突する可能性がある。従って、第1屈曲部32aは連通路32の中でも尿素の堆積しやすい箇所となりうる。
このような連通路32内における尿素の固形物の析出及び堆積が継続すると、連通路32における排気流動抵抗が増大し、エンジン1の排圧が増大してエンジン1の運転効率が低下する上、SCR触媒40に供給されるアンモニアの量が必要量より減少してSCR触媒40によるNOxの選択還元が十分に行われなくなるおそれがある。そこで本実施形態では、第1屈曲部32a及び第2屈曲部32bの2つの屈曲部のうち、上述のように尿素の固形物が最も析出しやすい第1屈曲部32aにおいて、連通路32内に詳細を後述する衝突板50を設け、第1屈曲部32aにおける連通路32の内側壁面への尿素水の衝突を抑制するようにしている。
なおエンジン1は、エンジン1の運転に必要とされる量の燃料を燃料噴射弁4から各気筒に供給するための燃料供給制御、及びSCR触媒40に必要とされる量の尿素水を尿素水インジェクタ44から供給するための尿素水供給制御など、エンジン1の運転性能や排気浄化性能を良好に維持するための制御全般を行うECU52が設けられている。これらの制御を行うため、ECU52の入力側には、吸気量センサ16及び排気温度センサ46のほか、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ54、及びアクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ56などの各種センサ類が接続されている。一方、ECU52の出力側には、上記の各種制御の対象として、燃料噴射弁4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26及び尿素水インジェクタ44などの各種デバイスが接続されている。
ECU52が行う尿素水供給制御については、既に広く知られているものであるので、ここではその詳細な説明を省略するが、ECU52は排気温度センサ46の検出値に基づき、排気中に尿素水を支障なく供給可能な排気温度であると判定した場合に、各種センサの検出値などから求めたエンジン1からのNOx排出量に基づき、SCR触媒40に必要とされる量の尿素水を供給するよう、尿素水インジェクタ44を制御する。
次に、連通路32の第1屈曲部32aに設けられた衝突板50について、図2及び図3に基づき詳細に説明する。なお、図2は衝突板50が設けられた連通路32の第1屈曲部32a及びその周辺部分を示す概略断面図であり、図3は図2中のIII−III線に沿う概略断面図である。
連通路32は、内部を排気が流動する内管32cと、この内管32cの外側に設けられて外壁面が外気に触れている外管32dとからなる二重管で構成される。内管32cと外管32dとの間には空気層が形成されており、内管32c内を流動する排気の熱が外気中に逃げにくい構造となっている。図2に示されるように平板状の衝突板50は、連通路32内を流動する排気が第1屈曲部32aにおける内管32cの内壁面に達する前に衝突可能な位置に設けられる。そして、図3に示されるように衝突板50は、内管32cの径方向の断面で見た場合に、内管32cの円形をなす内壁面の2箇所に掛け渡されるように設けられることにより、その両面側に空間が形成されるようになっている。また、衝突板50の上流端50a及び下流端50bは、それぞれ内管32cの内壁面との間に間隙を有している。
尿素水インジェクタ44から供給されて霧化した尿素水を含み、全体的な流動方向を図2中の矢印Aの方向として第1屈曲部32aに流入する排気の大部分は、衝突板50の第1の面50cに衝突することにより、第1屈曲部32aの下流側の方向である矢印Bの方向に全体的な流動方向が変更されて第1屈曲部32aから流出するようになっている。このとき、第1屈曲部32aに流入する残りの排気は衝突板50の上流端50aと内管32cの内壁面との間隙を介して衝突板50の第2の面50dと内管32cの内壁面との間の空間に流入し、衝突板50の下流端50bと内管32cの内壁面との間隙を介して第1屈曲部32aの下流側に向け流出する。
第1屈曲部32aにおいて、前述したように内管32cは内管32cと外管32dとの二重管構造によって外気と直接接触することはないものの、外管32dの外壁面が外気と接しているので、内管32cの内壁面は排気温度に比べて温度が低下している。しかし、上述したように、第1屈曲部32aに流入する排気の大部分は、衝突板50の第1の面50cに衝突することにより流動方向を変更されて第1屈曲部32aから流出するので、第1屈曲部32aを通過する際の排気中の尿素水と、排気温度より低い温度の第1屈曲部32aの内壁面との衝突が大きく抑制される。
また、衝突板50は第2の面50dと第1屈曲部32aにおける内管32cの内壁面との間に空間を有しており、上述したように第1の面50c及び第2の面50dがそれぞれ排気に晒されるので、衝突板50はエンジン1の始動後速やかに排気温度近くまで昇温され、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に維持される。このため、排気中に含まれる尿素水が衝突板50に衝突しても大きな温度低下を生じることはない。
この結果、尿素水インジェクタ44から供給されて霧化した尿素水を含む排気が第1屈曲部32aを通過する際に、第1屈曲部32a内や衝突板50における尿素の固形物の堆積を確実且つ良好に抑制することができる。
従って、ECU52が行う尿素水インジェクタ44からの尿素水の供給制御では、尿素水から生成される固形物の第1屈曲部32aにおける堆積防止を目的として、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、従来の尿素水供給制御に比して、尿素水の供給を可能とするエンジン1の運転領域を拡大することができる。また、尿素水からの尿素などの固形物の生成に伴うSCR触媒40へのアンモニアの供給量不足を防止することができる。この結果、SCR触媒40に必要なアンモニア供給量を適切に確保することが可能となり、SCR触媒40の排気浄化効率を良好に維持することができる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば衝突板については上記実施形態で用いた衝突板50以外にも様々な衝突板を用いることができる。
そこで、衝突板を様々に変形した例を、図面に基づき以下に説明する。まず、上記実施形態の第1変形例について、図4乃至図6を用いて説明する。なお、上記実施形態で用いられた部材と実質的に同じ部材については、上記実施形態の対応する部材と同じ符号を用いて詳細な説明は省略するものとし、上記実施形態と相違する部分を中心に詳細に説明する。
図4は、第1変形例において衝突板150が設けられた連通路32の第1屈曲部32a及びその周辺部分を示す概略断面図である。また、図5は図4中のV−V線に沿う概略断面図であり、図6は衝突板150の平面図である。
第1変形例で用いられる衝突板150は、外形形状及び第1屈曲部32aに設けられる位置について、上記実施形態で用いた衝突板50と同一である。上記実施形態では衝突板50が単なる平板状の部材であったが、第1変形例では、排気が衝突する面である第1の面150cの側と、その反対側の面である第2の面150dの側との間で排気の流動を可能とする複数の連通孔152が衝突板150に設けられている点で、上記実施形態の衝突板50と相違している。図6に示されるように連通孔152は、衝突板150の周縁部分を除くほぼ全面にわたって等間隔に設けられている。
尿素水インジェクタ44から供給されて霧化した尿素水を含む排気は、全体的な流動方向を図4中の矢印Aの方向として第1屈曲部32aに流入し、その大部分が衝突板150の第1の面150cに達する。第1の面150cに達した排気の一部は、上述した実施形態と同様に、衝突板150の第1の面150cに衝突することにより、全体的な流動方向が第1屈曲部32aの下流側の方向である矢印Bの方向に変更されて第1屈曲部32aから流出する。また第1の面150cに達した排気の残部は、連通孔152を介して第2の面150d側に流動し、衝突板150の上流端150aと内管32cの内壁面との間隙を介して衝突板150の第2の面150dと内管32cの内壁面との間の空間に流入した排気と合流する。更に、衝突板150の第2の面150dと内管32cの内壁面との間の空間を流動する排気の一部は、連通孔152を介して衝突板150の第1の面150c側へと流動する。
従って、衝突板150では第2の面150dに接する排気の量が、連通孔152を有さない場合に比して増大するので、衝突板150をエンジン1の始動後速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度にほぼ等しい温度に良好に良好に維持することができる。また、衝突板150をこのように構成した場合においても、第1屈曲部32aを通過する際に排気が衝突板150と衝突して流動方向が変更されることにより、排気中の尿素水と排気温度より低い温度を有した第1屈曲部32aの内壁面との衝突が抑制される。
この結果、第1変形例においても、尿素水インジェクタ44から供給された尿素水を含む排気が第1屈曲部32aを通過する際に、第1屈曲部32a内や衝突板150における尿素の固形物の堆積を確実且つ良好に抑制することができる。
従って、ECU52が行う尿素水インジェクタ44からの尿素水の供給制御では、尿素水から生成される固形物の第1屈曲部32aにおける堆積防止を目的として、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、従来の尿素水供給制御に比して、尿素水の供給を可能とするエンジン1の運転領域を拡大することができる。また、尿素水からの尿素などの固形物の生成に伴うSCR触媒40へのアンモニアの供給量不足を防止することができる。この結果、SCR触媒40に必要なアンモニア供給量を適切に確保することが可能となり、SCR触媒40の排気浄化効率を良好に維持することができる。
上記第1変形例では、複数の連通孔152を衝突板150のほぼ全面にわたり、等間隔で配置するようにしたが、連通孔152の配置はこれに限定されるものではなく、例えば間隔を不均一にしてもよい。また、連通孔152を円形以外の形状としてもよい。
以下では、連通孔の配置が上記第1変形例とは異なる衝突板を用いた第2変形例について、図7及び図8を用いて説明する。なお、前述の実施形態で用いた部材と実質的に同じ部材については、上記実施形態の対応する部材と同じ符号を用いて詳細な説明は省略するものとし、前述の実施形態及び上記第1変形例と相違する部分を中心に詳細に説明する。
図7は、第2変形例において衝突板250が設けられた連通路32の第1屈曲部32a及びその周辺部分を示す概略断面図であり、図8は衝突板250の平面図である。
第2変形例で用いられる衝突板250は、外形形状及び第1屈曲部32aに設けられる位置について、前述の実施形態で用いた衝突板50及び上記第1変形例で用いた衝突板150と同一である。第2変形例では、複数の連通孔252の配置が第1変形例の衝突板150と相違している。即ち、図8に示されるように連通孔252は、衝突板250の上流端250a側の所定領域である上流端側領域250e、及び衝突板250の下流端250b側の所定領域である下流端側領域250fのみに設けられ、上流端側領域250eと下流端側領域250fとの間の中間領域250gには連通孔252が設けられていない点で第1変形例の衝突板150と相違する。
このような衝突板250が設けられた第2変形例では、上述した第1変形例と同様に第1の面250cと第2の面250dとの間で相互に連通孔252を介した排気の流動が生じるものの、連通孔252が設けられない中間領域250gでは、衝突板250の第1の面250cに達した排気が全て衝突板250に衝突することにより第1屈曲部32aの下流側に向けて偏向される。
このような連通孔252を介した第2の面250d側への排気の流動により、衝突板250をエンジン1の始動後速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度とほぼ等しい温度に良好に維持することができる。更に、衝突板250では連通孔252が設けられない中間領域250gを設けることにより、排気の流動方向を第1屈曲部32aの下流側の方向に向けて効果的に変更することが可能となる。
この結果、第2変形例においても、尿素水インジェクタ44から供給された尿素水を含む排気が第1屈曲部32aを通過する際に、第1屈曲部32a内や衝突板250における尿素の固形物の堆積を確実且つ良好に抑制することができる。
従って、ECU52が行う尿素水インジェクタ44からの尿素水の供給制御では、尿素水から生成される固形物の第1屈曲部32aにおける堆積防止を目的として、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、従来の尿素水供給制御に比して、尿素水の供給を可能とするエンジン1の運転領域を拡大することができる。また、尿素水からの尿素などの固形物の生成に伴うSCR触媒40へのアンモニアの供給量不足を防止することができる。この結果、SCR触媒40に必要なアンモニア供給量を適切に確保することが可能となり、SCR触媒40の排気浄化効率を良好に維持することができる。
なお、第1変形例では衝突板150のほぼ全面に連通孔152を設ける一方で、第2変形例では上流端側領域250e及び下流端側領域250fのみに連通孔252を設けるようにしたが、連通孔の数や位置により衝突板によって偏向される排気の量や、排気が衝突する面(第1の面)とは反対側となる面(第2の面)側に流動する排気の量を調整することが可能である。従って、予め実験などにより連通路32内における排気の流動特性や尿素水からの固形物の生成状況などを把握し、連通孔の数や位置を適正に設定することもできる。
上記第1及び第2変形例では、複数の連通孔152を衝突板150に設けるようにしたが、第1の面側と第2の面側との間の排気の流動は、連通孔以外の手段によって行うようにしてもよく、その一例を第3変形例として以下に説明する。なお、前述の実施形態で用いた部材と実質的に同じ部材については、上記実施形態の対応する部材と同じ符号を用いて詳細な説明は省略するものとし、前述の実施形態、並びに上記第1及び第2変形例と相違する部分を中心に詳細に説明する。
図9は、第3変形例に用いられる衝突板350の平面図である。この衝突板350は、外形形状及び第1屈曲部32aに設けられる位置について、前述の実施形態で用いた衝突板50、上記第1変形例で用いた衝突板150、及び第2変形例で用いた衝突板250と同一である。衝突板350は、第1及び第2変形例で設けられた複数の連通孔に代えて、図9に示されるように網目状のメッシュ部(メッシュ部材)352が設けられる。
このように衝突板350を構成した場合においても、衝突板350によって排気の流動方向が変更される際に、その一部が衝突板350を構成する網目状のメッシュ部352を介して衝突板350の一方の面側と他方の面側との間で流動する。従って、衝突板350の両面が効果的に排気に晒され、衝突板350をエンジン1の始動後速やかに排気温度近くまで昇温することができると共に、その後も排気温度とほぼ等しい温度に良好に維持することができる。また、第1屈曲部32aを通過する際に排気が衝突板350と衝突して流動方向が変更されることにより、排気中の尿素水と排気温度より低い温度を有する第1屈曲部32aの内壁面との衝突が抑制される。
この結果、第3変形例においても、尿素水インジェクタ44から供給された尿素水を含む排気が第1屈曲部32aを通過する際に、第1屈曲部32a内や衝突板350における尿素の固形物の堆積を確実且つ良好に抑制することができる。
従って、ECU52が行う尿素水インジェクタ44からの尿素水の供給制御では、尿素水から生成される固形物の第1屈曲部32aにおける堆積防止を目的として、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、従来の尿素水供給制御に比して、尿素水の供給を可能とするエンジン1の運転領域を拡大することができる。また、尿素水からの尿素などの固形物の生成に伴うSCR触媒40へのアンモニアの供給量不足を防止することができる。この結果、SCR触媒40に必要なアンモニア供給量を適切に確保することが可能となり、SCR触媒40の排気浄化効率を良好に維持することができる。
なお、第3変形例では、衝突板350のほぼ全面にわたって網目状のメッシュ部352を設けるようにしたが、メッシュ部を設ける領域については必要に応じて任意に変更可能である。例えば、前述した第2変形例のように、衝突板350の上流端側及び下流端側のそれぞれの所定領域にのみメッシュ部を設けるようにしてもよい。また、第1及び第2変形例のような連通孔と第3変形例のようなメッシュ部とを組み合わせて用いるようにしてもよい。
衝突板の変形例についての説明は以上の通りであるが、本発明は前述した実施形態、或いは上記第1乃至第3変形例に限定されるものではなく、更に種々変更可能である。
例えば、前述した実施形態及び第1乃至第3変形例では連通路32を二重管構造としたが、単一管構造の連通路を採用した場合においても、本発明を適用して同様の効果を得ることが可能である。
また、前述した実施形態及び第1乃至第3変形例では、第1屈曲部32a及び第2屈曲部32bのうち、最も上流側の第1屈曲部32aにのみ衝突板を設けるようにしたが、第2屈曲部32bにも同様の衝突板を設けてもよい。更に、3つ以上の屈曲部を有した連通路を用いる場合にも、本発明を適用することが可能である。この場合にも、最も上流側の屈曲部にのみ同様の衝突板を設けてもよいし、上流側から所定個数の屈曲部、或いは全ての屈曲部に同様の衝突板を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上流側ケーシング30の中心軸線に対して側方に下流側ケーシング34を配置するようにした排気後処理装置28に本発明を適用したが、これらケーシングの配置はこれに限定されるものではない。例えば、上流側ケーシングの中心軸線の方向に下流側ケーシングを配置し、屈曲部を有した連通路で両ケーシングを連通するようにした排気後処理装置であっても、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、上流側ケーシング30内に前段酸化触媒36及びフィルタ38を収容すると共に、下流側ケーシング34内にSCR触媒40及び後段酸化触媒42を収容するようにしたが、それぞれのケーシング内に収容される排気浄化のための部材は、これに限定されるものではなく、下流側ケーシング内にSCR触媒を収容すると共に、上流側ケーシングから屈曲部を有した連通路を介し下流側ケーシングに向けて流動している排気中に尿素水を供給するようにした排気後処理装置であれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、エンジン1を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジン1の気筒数及び形式についてはこれに限定されるものではなく、尿素水を供給してSCR触媒で排気中のNOxの選択還元を行うようにしたエンジンであれば同様に本発明を適用可能である。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンシステムの全体構成図である。 図1の排気浄化装置における連通路の要部を示す概略断面図である 図2中のIII−III線に沿う概略断面図である。 第1変形例について、連通路の要部を示す概略断面図である。 図4中のV−V線に沿う概略断面図である。 図4の第1変形例に用いられる衝突板の平面図である。 第2変形例について、連通路の要部を示す概略断面図である。 図7の第2変形例に用いられる衝突板の平面図である。 第3変形例に用いられる衝突板の平面図である。
符号の説明
1 エンジン
20 排気管(排気通路)
30 上流側ケーシング(第1ケーシング)
32 連通路
32a 第1屈曲部
32b 第2屈曲部
34 下流側ケーシング(第2ケーシング)
36 前段酸化触媒(排気浄化手段)
38 パティキュレートフィルタ(排気浄化手段)
40 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
44 尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)
48 テールパイプ(排気通路)
50,150,250,350 衝突板
152,252 連通孔
250e 上流端側領域
250f 下流端側領域
352 メッシュ部(メッシュ部材)

Claims (6)

  1. エンジンの排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する排気浄化手段を収容した第1ケーシングと、
    上記第1ケーシングの下流側の上記排気通路に介装された第2ケーシングと、
    屈曲部を有して上記第1ケーシングと上記第2ケーシングとを連通し、上記第1ケーシングから排出された排気を上記第2ケーシングに案内する連通路と、
    上記第2ケーシング内に収容され、アンモニアを還元剤として上記排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
    上記連通路を介し上記第1ケーシングから上記第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    上記屈曲部によって流動方向が変更される前の上記排気の少なくとも一部が、上記屈曲部における上記連通路の内側壁面に達する前に衝突する位置に設けられて、衝突した排気の流動方向を上記屈曲部の下流側に向けて変更する衝突板と
    を備えることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記衝突板は、一方の面側と他方の面側との間で排気の流通を可能とする複数の連通孔を備えることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記連通孔は、上記排気の流動方向において上記衝突板の所定の上流端側領域と所定の下流端側領域とにのみ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 上記衝突板は、一方の面側と他方の面側との間で排気の流通を可能とする網目状のメッシュ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. 上記連通路は複数の屈曲部を有し、
    上記衝突板は、上記連通路の屈曲部のうち最も上流側の屈曲部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  6. 上記第1ケーシングは筒状をなし、
    上記第2ケーシングは筒状をなすと共に、上記第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置され、
    上記連通路は、一端が上記第1ケーシングの側壁に接続され、他端が上記第2ケーシングの側壁に接続されており、
    上記尿素水供給手段は、上記第1ケーシングに接続された上記連通路内に向けて尿素水を噴射することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
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