JP2008127997A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元剤供給手段から供給した還元剤の霧化・拡散を促進して、還元触媒の各部位に均等に還元剤を供給し、もって良好なNOx浄化性能を実現できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】上流側ケーシング31内に酸化触媒34及びDPF35を収容し、下流側ケーシング32内にSCR触媒40及び酸化触媒41を収容し、両ケーシング31,32をパイプ33bにより接続する。上流側ケーシング31内のDPF35の下流側に噴霧拡散室36を形成して、尿素の噴射ノズル38及び排ガスに旋回流を生起させるフィン装置37を設ける。パイプ33b内に比較して場の温度が高く、且つ通路断面積が大きくて噴射距離Lを確保できる噴霧拡散室36内に尿素水溶液を噴射することにより霧化・拡散を促進する。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンと称する)の排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路に還元剤供給手段を設けて下流側の還元触媒に還元剤を供給する排気浄化装置に関するものである。
この種の還元剤を利用して排ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置としては、例えばSCR触媒(選択還元型NOx触媒)を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1の技術は、ディーゼルエンジンを搭載した油圧ショベルやブルドーザ等の建設機械への適用を想定したものであり、比較的全長の短い車両の特徴を考慮して、上流側のパティキュレート捕集用のDPFと下流側の尿素脱硝触媒(SCR触媒)とを並列に配置して連通室により連通させ、全体として略コ字形状をなすように構成している。尿素噴射用の供給部、及び噴射された尿素水溶液を撹拌するフローガイドは連通部に設けられ、DPFを流通した排ガス中に供給部から尿素水溶液が噴射されてフローガイドにより排ガスと撹拌された後、尿素脱硝触媒で尿素が加水分解されたNH(アンモニア)を利用してNOxの還元作用が奏される。
ところが、トラックやバス或いは小型商用車等では上記建設機械とは別の制約があり、これに起因して排気浄化装置にも異なる特性が要求される。これらの車両では比較的全長が長いことから排気浄化装置をコ字形状に構成する必要はない反面、車両のフレーム、エンジンやトランスミッション等のパワートレイン、或いは後輪のアクスル等を避けて排気浄化装置の各構成要素を配置する必要がある。
そこで、一般的な構成として、図3に示すように、上流側の前段酸化触媒34及びDPF35と下流側のSCR触媒40及び後段酸化触媒41とを分離して独立したケーシング31,32に収容し、これらのケーシング31,32を小径のパイプ33a〜33cで接続して排気通路を構成している。特許文献1の供給部に相当する尿素の噴射ノズル38、及びフローガイドに相当する旋回流を生起させるためのフィン装置37はSCR触媒40の上流側に設ける必要があることから、これらの噴射ノズル38及びフィン装置37は上記パイプ33bの箇所に設置され、パイプ33b内で排ガス中に尿素水溶液が噴射されると共に、フィン装置37により旋回流が生起されて尿素水溶液の霧化・拡散の促進を図っている。
特開2005−155404号明細書
しかしながら、上記のように噴射ノズル38及びフィン装置37をパイプ33b内に設置した場合には、尿素水溶液の霧化・拡散を十分に促進できないという問題が生じた。
即ち、エンジンの排ガスは前段酸化触媒34やDPF35を収容したケーシング31からパイプ33b内に流入したときに大幅に温度低下することから、尿素水溶液はそれほど高温でない雰囲気中に噴射されて十分な霧化が期待できない。さらに通路断面積が小さなパイプ33b内では噴射された尿素水溶液が僅かな噴射距離Lでパイプ内壁に衝突することも、霧化不良の要因になる。
結果として図3に示す構成では、尿素水溶液の霧化・拡散が不足してSCR触媒36の各部位に均等にNHを供給できず、良好なNOx浄化性能を実現することができないという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、還元剤供給手段から供給した還元剤の霧化・拡散を促進して、還元触媒の各部位に均等に還元剤を供給でき、もって良好な浄化性能を実現することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて、内部に酸化触媒を収容した上流側ケーシングと、排気通路の上流側ケーシングの下流側に配設されて、上流側ケーシングに対し管路を介して接続され、内部に還元触媒を収容した下流側ケーシングと、上流側ケーシングの酸化触媒の下流側に設けられて、上流側ケーシング内に還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えたものである。
従って、上流側ケーシング内に還元剤供給手段から還元剤が供給され、還元剤は管路を経て下流側ケーシングに案内されて内部の還元触媒による浄化作用に利用される。
還元触媒としては、例えば尿素またはアンモニアを利用して排ガス中のNOxを還元するSCR触媒(選択還元型NOx触媒)や排ガス中のNOxを吸蔵する吸蔵型NOx触媒が適用され、SCR触媒の場合には、還元剤供給手段から還元剤として尿素またはアンモニアを供給することにより、供給した尿素またはアンモニアを利用してSCR触媒上で排ガス中のNOxが還元され、吸蔵型NOx触媒の場合には、吸蔵型NOx触媒のNOx吸蔵量が所定の閾値に達したときに、還元剤供給手段から還元剤として燃料を供給することにより、供給した燃料を利用してNOx触媒上からNOxが放出還元される。
何れの原理にしても還元触媒に良好な浄化作用を発揮させるには、還元剤の霧化・拡散を促進して還元触媒の各部位に均等に還元剤を供給する必要があり、そのためには霧化の良好な高温雰囲気中に還元剤を噴射すると共に、還元剤の噴霧を遮ることなく長い噴射距離(噴射エネルギをもって還元剤の噴霧が移動する噴射軸方向の距離)を確保することが望ましい。
本発明では、還元剤を供給するためのスペースとして酸化触媒を収容する上流側ケーシングを利用しており、上流側ケーシング内は下流側の管路内と比較して場の温度が高くて良好な霧化が期待でき、且つ管路内に比較して通路断面積が大きいことから還元剤の噴射距離も十分に確保できるため、還元剤の霧化・拡散を促進可能となる。
請求項2の発明は、請求項1において、上流側ケーシング内の酸化触媒と還元剤供給手段との間に、還元剤供給手段に近接して排ガス中のパティキュレートマターを捕集するウォールフロー式のフィルタが配設されたものである。
従って、還元剤供給手段の上流側に熱容量が大きいフィルタを配置することにより、内燃機関の運転状態に応じて排ガス温度が変動しても還元剤供給手段の位置では極端な温度低下が抑制され、これにより還元剤の霧化・拡散が一層促進される。
請求項3の発明は、請求項1または2において、上流側ケーシング内の還元剤供給手段の近接位置に、上流側ケーシング内を流通する排ガスを撹拌する撹拌手段を設けたものである。
従って、上流側ケーシング内を流通する排ガスが撹拌手段により撹拌されることで、排ガス中に噴射された還元剤の霧化・拡散が一層促進される。そして、撹拌手段としては、例えばフィンを利用したフィン装置により排ガスに旋回流を生起させる手法が採られるため、ある程度の排圧上昇は避けられないが、通路断面積が大きい上流側ケーシング内に撹拌手段を設けることで、排圧増大が最小限に抑制される。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、場の温度が高く且つ通路断面積が大きい上流側ケーシングに還元剤供給手段を設けることにより、霧化の良好な高温雰囲気中に還元剤を噴射すると共に還元剤の噴射距離を十分に確保し、もって還元剤の霧化・拡散を促進して還元触媒の各部位に均等に還元剤を供給して良好な浄化性能を実現することができる。
請求項2の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、還元剤供給手段の上流側に熱容量が大きいフィルタを配置して排ガス温度の変動を抑制し、もって還元剤の霧化・拡散を一層促進することができる。
請求項3の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1または2に加えて、通路断面積が大きい上流側ケーシング内に撹拌手段を設けることにより、排圧増大による燃費悪化等の弊害を最小限に抑制することができる。
以下、本発明をディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列6気筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド4が装着され、吸気マニホールド4に接続された吸気通路5には、上流側よりエアクリーナ6、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、インタクーラ8、アクチュエータ9aにより開閉駆動される吸気絞り弁9が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド10が装着され、排気マニホールド10には上記コンプレッサ7aと同軸上に連結されたターボチャージャ7のタービン7bを介して排気通路11が接続されている。
エンジン1の運転中においてエアクリーナ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気絞り弁9、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド10を経てタービン7bを回転駆動した後に排気通路11を経て外部に排出される。
一方、吸気マニホールド4と排気マニホールド10とはEGR通路17により接続され、EGR通路17にはアクチュエータ18aにより開閉駆動されるEGR弁18及びEGRクーラ19が設けられている。エンジン1の運転中にはEGR弁18の開度に応じて排気マニホールド10側から吸気マニホールド4側に排ガスの一部がEGRガスとして還流される。
吸気マニホールド4にはアクチュエータ20aにより開閉駆動されるスワール弁20が各気筒の吸気ポートに対応して設けられ、各スワール弁20の閉弁時には筒内にスワール流が生起される。
上記排気通路11には本発明の排気浄化装置が設けられ、排気浄化装置は上流側ケーシング31及び下流側ケーシング32内に収容されている。基本的に両ケーシング31,32及び図示しない消音器は、細いパイプ33a〜33cを介して相互に接続され、これらの各部材により排気通路11が構成されている。排気通路11の上流側から順に述べると、上記ターボチャージャ7のタービン7bには第1パイプ33aを介して上流側ケーシング31が接続され、上流側ケーシング31は第2パイプ33bを介して下流側ケーシング32と接続されている。下流側ケーシング32は第3パイプ33cを介して消音器と接続され、消音器の後端は大気に開放されている。
上流側ケーシング31及び下流側ケーシング32は、共に車両の前後方向に延びる略円筒形状をなしている。両ケーシング31,32の排ガスが流通する通路断面積は、排気浄化装置の各構成要素を収容するために上記パイプ33a〜33cの通路断面積と比較して格段に大きく設定されており、パイプ33a〜33cとの間の段差は排ガスの流通抵抗を低減すべくテーパ状に形成されている。
上流側ケーシング31は、内部の上流側に前段酸化触媒34が収容されると共に、下流側にウォールフロー式のDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)35が収容され、後述するようにDPF35は排ガス中のパティキュレート(以下、PMと称する)を捕集する作用を奏する。上流側ケーシング31は、DPF35の収容位置から同一断面形状を維持したまま後方に延設されており、その結果、上流側ケーシング31内のDPF35の下流側には空間が形成され、以下、この空間を噴霧拡散室36と称する。
噴霧拡散室36内には排ガスに旋回流を生起させるためのフィン装置37(撹拌手段)が設置されている。本実施形態のフィン装置37は、上流側ケーシング31の内周壁に立設された多数のフィン37aにより構成されており、各フィン37aが排ガス流通方向に対して周方向に所定角度をなすことにより、上流側ケーシング31の中心軸線を中心とした旋回流を生起させる原理を採っている。
但し、フィン装置37の構成はこれに限ることはなく任意に変更可能である。また、撹拌手段としては排ガスに旋回流を生起させるものに限らず、例えば上記特許文献1に記載されたフローガイドのように旋回流を生起させずに排ガスの撹拌作用を奏するものであってもよい。
上流側ケーシング31の外周壁の一側にはフィン装置37の下流側に位置するように噴射ノズル38(還元剤供給手段)が設置され、噴射ノズル38は、図示しないタンクから圧送される尿素水溶液を還元剤として噴霧拡散室36内に任意に噴射可能に構成されている。噴射ノズル38の噴射方向は排ガス流通方向に対して直交するように設定されると共に、上流側ケーシング31の中心部に指向するように設定されている。また、フィン装置37と噴射ノズル38との間には温度センサ39が設置され、温度センサ39により噴霧拡散室36内の温度が検出される。
一方、下流側ケーシング32は、内部の上流側にSCR触媒40(還元触媒)が収容されると共に、下流側に後段酸化触媒41が収容されており、後述するようにSCR触媒40は排ガス中のNOxを浄化する作用を奏する。
以上のように本実施形態の排気浄化装置は構成されているが、触媒等を収容した上流側ケーシング31及び下流側ケーシング32はかなりの設置スペースを要することから、車両のフレーム、エンジンやトランスミッション等のパワートレイン、或いは後輪のアクスル等を避けるように離間して配置され、相互に第2パイプ33bにより接続されたレイアウトを採っている。
一方、上記吸気絞り弁9、排気絞り弁12、EGR弁18、スワール弁20の各アクチュエータ9a,12a,18a,20a、燃料噴射弁2、燃料ノズル14、噴射ノズル38、温度センサ39等はECU51(電子コントロールユニット)に接続され、センサ類からの検出情報に基づいてECU51により駆動制御される。例えばECU51は機関回転速度や負荷等のエンジン1の運転状態に基づいて燃料噴射弁2の噴射量、噴射圧、噴射時期を制御してエンジン1を運転すると共に、アクチュエータ18aによりEGR弁18の開度を制御してEGR還流量を調整し、アクチュエータ20aによりスワール弁20の開度を制御してスワール流を調整する。
また、ECU51はDPF35の強制再生のためのポスト噴射、或いはSCR触媒40によるNOx浄化のための噴射ノズル38からの尿素供給等を制御しており、以下、これらのDPF35によるパティキュレートの浄化作用及びSCR触媒40によるNOxの浄化作用について述べる。
DPF35は排ガス中のPMを捕集する作用を奏し、エンジン1の排ガス温度が比較的高い運転状態では、前段酸化触媒34の酸化作用により排ガス中のNOからNO2が生成されて、NO2の酸化反応によりDPF35に捕集されたPMが連続的に焼却除去されることで、DPF35の再生が図られる。一方、このような連続再生作用が得られない運転状態が継続したときには、ECU51によりメイン噴射の後にポスト噴射が適宜実行され、前段酸化触媒34上に供給された燃料の酸化反応の熱によりDPF15を昇温し、PMを燃焼除去することでDPF35が強制的に再生される。なお、強制再生でのPM燃焼の際に生じるCOは後段酸化触媒41によりCO2に酸化される。
また、SCR触媒40はNOx浄化のためにNH(アンモニア)の供給を要するため、ECU51はエンジン1の運転状態や温度センサ39の検出値等に基づき、噴射ノズル38からの尿素水溶液の噴射量を制御する。噴射された尿素水溶液は排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてNHを生成し、このNHによりSCR触媒40上では排ガス中のNOxが無害なNに還元されてNOxの浄化が行われる一方、このときの余剰NH3が後段酸化触媒41によりNOに酸化される。
なお、SCR触媒40の上流側に尿素をNHに加水分解する作用を奏する加水分解触媒を配置してもよいし、或いは、噴射ノズル38から尿素水溶液に代えてアンモニア水溶液を噴射するようにしてもよい。
そして、本実施形態では上流側ケーシング31に形成した噴霧拡散室36に噴射ノズル38を設け、この噴霧拡散室36内に噴射ノズル38から尿素水溶液を噴射しているため、以下の作用効果が得られる。
まず、SCR触媒40にNOx浄化性能を発揮させるには、尿素水溶液の霧化・拡散を促進してSCR触媒40の各部位に均等にNHを供給する必要があり、そのためには霧化の良好な高温雰囲気中で尿素水溶液を噴射すると共に、尿素水溶液の噴霧を遮ることなく長い噴射距離L(噴射エネルギをもって尿素水溶液の噴霧が移動する噴射軸方向の距離)を確保することが望ましい。
ここで、上流側ケーシング31の噴霧拡散室36内は、下流側の第2パイプ33b内等と比較して本来場の温度が高い傾向がある。図2は排気浄化装置の各位置a〜fでの過渡モード運転時の平均温度を図1の構成図と対応させて示した図であり、前段酸化触媒34の入口温度aに対して出口温度bは、前段酸化触媒43の酸化作用及び前段酸化触媒43の熱容量の作用によって上昇し、DPF35を通過後の噴霧拡散室36内の温度cも略同等に保たれているのに対し、その下流側の第2パイプ33b内の温度dはかなり低下していることが判る。よって、図3に示す従来技術のように尿素の噴射ノズル38を第2パイプ33bに配置した場合に比較して、噴射ノズル38を噴霧拡散室36に配置した本実施形態では、霧化の良好な高温雰囲気中に尿素水溶液が噴射されることになる。
しかも、上流側ケーシング31内において噴射ノズル38の上流側に位置するDPF35は大きな熱容量を有して、下流側の噴霧拡散室36内の温度変動を抑制する作用を奏することから、エンジン1の運転状態に応じて排ガス温度が変動しても噴射ノズル38の位置では極端な温度低下が抑制される。以上の温度的な要因により、噴射ノズル38から噴霧拡散室36内に噴射された尿素水溶液が良好に霧化・拡散される。
また、前段酸化触媒34やDPF35を収容する上流側ケーシング31は第2パイプと比較して格段に通路断面積が大きく、尿素水溶液が噴射ノズル38から広い噴霧拡散室36内に向けて噴射されることから元々噴射距離Lを確保し易い。しかも、噴射ノズル38による尿素水溶液の噴射方向が下流側ケーシング31の中心部に指向していることから、噴霧拡散室36内のスペースが噴射距離Lの確保のために最大限に利用される。その結果、十分な尿素水溶液の噴射距離Lを確保でき、この噴射距離Lに関する要因も尿素水溶液の霧化・拡散に大きく貢献する。
結果として、本実施形態の排気浄化装置によれば、尿素水溶液の霧化・拡散を十分に促進してSCR触媒40の各部位に均等にNHを供給でき、もって良好なNOx浄化性能を実現することができる。
一方、本実施形態では、噴射ノズル38のみならずフィン装置37も通路断面積の大きな噴霧拡散室36内に配置しており、フィン装置37の設置スペースに余裕が生じることに起因して、尿素水溶液の良好な霧化・拡散と排圧増加の抑制とを高次元で両立できるという利点も得られる。
即ち、排ガスに強い旋回流を生起可能なようにフィン装置37のフィン形状を設定すると、尿素水溶液の霧化・拡散には好適な反面、排圧が増大する傾向となり、逆に排圧増大を抑制すべく旋回流を弱めるようにフィン形状を設定すると、尿素水溶液の霧化・拡散が不十分になり、両者はトレードオフの関係にある。図3に示す従来の排気浄化装置では、元々通路断面積の小さなパイプ33b内がフィン装置37の設置によりさらに狭められて排圧増大を引き起こし易い一方、フィン装置37自体が小型な上に形状も制限されるため、それほど強い旋回流は期待できず、両者の要件を低次元でしか両立できない。
これに対して本実施形態では噴霧拡散室36内に大型のフィン装置37を配置しているため、フィン装置37の設置後も噴霧拡散室36の通路断面積は十分に確保できると共に、フィン装置37の大型化やフィン形状の最適化により強い旋回流を生起でき、両者の要件を高次元で両立できる。従って、排圧増加による燃費悪化等の弊害を最小限に抑制した上で、強い旋回流により尿素水溶液の霧化・拡散を促進してNOx浄化性能を一層向上することができる。この作用効果は撹拌手段としてフィン装置37を用いた場合に限らず、例えば撹拌手段として上記特許文献1に記載されたフローガイドを設けた場合でも、広い噴霧拡散室36内にフローガイドを配置することで、上記フィン装置37の場合と同様の利点を得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、NOx浄化用にSCR触媒40を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置に具体化したが、還元剤の供給を要する還元触媒を備えたエンジンであればこれに限ることはない。例えば排ガス中のNOxを吸蔵する吸蔵型NOx触媒を排気通路に備え、吸蔵したNOxをNOx触媒から放出還元するために、還元剤として燃料を排気通路内に噴射するNOxパージを定期的に実行する必要があるエンジンに適用してもよい。この場合には図1においてSCR触媒40を吸蔵型NOx触媒に置換した構成となるが、上流側ケーシング31の噴霧拡散室36内に燃料供給用の噴射ノズルを配置することで、上記実施形態と同様に燃料の霧化・拡散を促進できる作用効果が得られる。
また、上記実施形態では、フィン装置37を噴射ノズル38の上流側に配置したが、噴射ノズル38とフィン装置37との位置関係はこれに限定されず、逆にフィン装置37に対して噴射ノズル38を上流側に配置してもよいし、フィン装置37を省略してもよい。
実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。 排気浄化装置の各位置a〜fでの平均温度を図1の構成図と対応させて示した図である。 パイプにフィン装置及び噴射ノズルを配置した従来技術の排気浄化装置を示す構成図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
11 排気通路
31 上流側ケーシング
32 下流側ケーシング
33b 第2パイプ
34 前段酸化触媒
35 DPF(フィルタ)
37 フィン装置(撹拌手段)
38 噴射ノズル(還元剤供給手段)
40 SCR触媒(還元触媒)

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて、内部に酸化触媒を収容した上流側ケーシングと、
    上記排気通路の上記上流側ケーシングの下流側に配設されて、該上流側ケーシングに対し管路を介して接続され、内部に還元触媒を収容した下流側ケーシングと、
    上記上流側ケーシングの上記酸化触媒の下流側に設けられて、該上流側ケーシング内に還元剤を供給する還元剤供給手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記上流側ケーシング内の上記酸化触媒と上記還元剤供給手段との間には、該還元剤供給手段に近接して排ガス中のパティキュレートマターを捕集するウォールフロー式のフィルタが配設されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記上流側ケーシング内の還元剤供給手段の近接位置に、該上流側ケーシング内を流通する排ガスを撹拌する撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気浄化装置。
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