JP2010030443A - 車両用減速制御装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用減速制御装置は、ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の車両位置と、GPS情報から得た車両位置との該車両の走行方向と直交する方向におけるY方向距離LYを得て(ステップS22)、そのY方向距離LYに応じて許容横加速度Yglmitを大きくする補正をする(ステップS28)。これにより、車両用減速制御装置は、減速制御のための目標減速度を小さくする。
【選択図】図5
Description
本発明は、カーブに対する車両の減速制御を適切に行うことである。
(第1の実施形態)
(構成)
第1の実施形態は、本発明に係る車両用減速制御装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、第1の実施形態を示す概略構成図である。同図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバである。通常、運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で制動流体圧を昇圧し、昇圧した制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7を介装している。
また、この車両は、前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出する加速度センサ16、ヨーレイトφ´を検出するヨーレイトセンサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmを検出するマスタシリンダ圧センサ20、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、設定旋回横加速度(旋回横加速度設定値Xgsselect)を選択するための選択スイッチ23を搭載している。例えば、選択スイッチ23をステアリングホイール21に設置している。これらセンサ等は、検出した検出信号、旋回横加速度設定値Xgsselect等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
同図に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニット等から各種データを読み込む。具体的には、ナビゲーション装置14が得た自車両位置(X0,Y0)、前方道路のノード情報(Xj,Yj,Lj)を読み込む。また、各センサ等が検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pm、旋回横加速度設定値Xgsselect、及び駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読み込む。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度である。また、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS3において、自車両前方の各ノード点の旋回半径を算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ前方道路のノード情報である各ノード点の座標(Xj,Yj)を基に、各ノード点の旋回半径を算出する。旋回半径の算出方法についてはいくつか挙げることができる。本実施形態では、下記(2)式により、連続する3つのノード点の座標(Xj−1,Yj−1)、(Xj,Yj)、(Xj+1,Yj+1)から、旋回半径Rjを算出する。
Rj=f1(Xj−1,Yj−1,Xj,Yj,Xj+1,Yj+1) ・・・(2)
ここでは、3点の座標(Xj−1,Yj−1)、(Xj,Yj)、(Xj+1,Yj+1)から旋回半径を算出する方法を示した。しかし、前後するノード点を結ぶ直線のなす角度を用いて、旋回半径を算出することもできる。また、ここでは、各ノード点の座標に基づいて旋回半径を算出している。しかし、地図データ内のノード情報として各ノード点の旋回半径を記憶させておいて、このステップS3でその値を検索するようにすることもできる。
ここで、本実施形態では、実際のカーブの旋回半径から設定される安全な車速以上の車速で該カーブを運転者が車両を走行させようとするのを防止することを目的としている。例えば、運転者の推測ミスにより、実際のカーブの旋回半径から設定される安全な車速以上の車速カーブを走行させようとしてしまう場合がある。このような目的から、目標ノード点は、自車両から直近で旋回半径Rjが極小値となるノード点にする。
続いてステップS5において、路面μ推定値を算出する。具体的には、下記(3)式に示すように、各輪に作用する制駆動力と各輪に発生するスリップ率との関係を基に、路面μ値Kμを算出する。
Kμ=f2(各輪の制駆動力,各輪のスリップ率) ・・・(3)
ここで、関数f2は、各輪に作用する制駆動力と各輪に発生するスリップ率との関係を基に、路面μ値Kμを算出するための関数である。例えば、実験値、理論値又は経験値を基に構築した関数である。
続いてステップS6において、許容横加速度Yglmitを設定する。具体的には、ステップS5で算出した路面μ値Kμを用いて、下記(4)式により許容横加速度Yglimtを算出する。
Yglimt=Ks・Kμ ・・・(4)
同図に示すように、先ず、ステップS21において、ナビゲーション装置14においてマッチング状態(マッチングしている状態)にあるか否かを判定する。マッチング状態とは、ナビゲーション装置14(そのモニタ)上の地図上で、その表示される道路上に自車両が位置されている表示状態である。また、マッチング状態には、実際に走行している道路と一致する地図上の道路上に自車両が位置されている状態の他、実際に走行している道路と異なる地図上の道路上に自車両が位置されている状態を含んでいる。なお、マッチング状態とは反対の表示状態を意味するものとしてマッチングフリー状態(マッチングしていない状態、マッチングオフ状態)がある。マッチングフリー状態とは、ナビゲーション装置14(そのモニタ)上の地図上で、どの道路上にも自車両が位置されていない表示状態である。このステップS21の判定処理で、マッチング状態にある場合、ステップS27に進む。また、マッチングフリー状態にある場合、該図5に示す処理(ステップS7の処理)を終了する。
続いてステップS22において、GPS情報から得た自車位置と、ナビゲーション装置14(ナビゲーション画面)上の自車位置との間の距離として、自車の進行方向(X方向)に対し直交方向(Y方向)の距離(以下、Y方向距離という。)を算出する。
S=√((x2−x1)2+(y2−y1)2)/(s/S)
s/S=m0(1+(y1 2+y1・y2+y2 2)/(6・R0 2・m0 2))
R0=α・√(1−e2)/(1−e2・sin2・φ0)
・・・(5)
LY=S×sinθ ・・・(6)
一方、単位方向ベクトルe*と誤差方向ベクトルS*との内積として、下記(7)式を得ることができる。
e*・S*=S×cosθ ・・・(7)
そして、前記(6)式及び(7)式から下記(8)式のように、Y方向距離LYを表すことができる。
LY=S×√(1−(e*・S*/S)2) ・・・(8)
ここで、所定のしきい値Yth,dYthは、実験値、経験値又は理論値として得られる。例えば、所定のしきい値Yth,dYthは適合パラメータである。
そして、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内に分岐点が存在した場合、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定する。
θ=cos−1((e*・S*)/S) ・・・(9)
そして、このように算出した自車両位置判定用角度θが所定のしきい値θth以上の場合(θ≧θth)、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定して、ステップS28に進む。また、自車両位置判定用角度θが所定のしきい値θth未満の場合(θ<θth)、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が高いと判定して、ステップS29に進む。
Vr=√(Ygho・|Rj|) ・・・(10)
この(10)式によれば、補正許容横加速度Yghoが大きくなるほど、目標車速Vrは大きくなる。
Xgs=(V2−Vr2)/(2・Lj)
=(V2−Yglmit・|Rj|)/(2・Lj) ・・・(11)
ここで、距離Ljは、目標車速Vrを算出した目標ノード点までの距離になる。また、目標減速度Xgsは減速側で正値となる。この(11)式によれば、目標車速Vrが大きくなるほど、又は補正許容横加速度Yghoが大きくなるほど、目標減速度Xgsは小さくなる。
警報非作動状態(Fwarn=OFF)
Xgs≧Xgswarn ・・・(12)
警報作動状態(Fwarn=ON)
Xgs≧Xgswarn−Khwarn ・・・(13)
Xgswarn=Xgswarn0 ・・・(14)
ここで、Xgswarn0は、警報開始判断設定値である。なお、警報として、警報用モニタ15により、表示及び音声又はブザー音を出力する。
制御非作動時(Fgensoku=OFF)
Xgs≧Xgsstart ・・・(15)
制御作動時(Fgensoku=ON)
Xgs≧Xgsstart−Khstart ・・・(16)
続いてステップS12において、各輪の目標制動液圧を算出する。具体的には、自動減速制御の開始判断をした場合(Fgensoku=ON)に、前記ステップS9で算出した目標減速度Xgsを用いて目標制御液圧を算出する。本実施形態では、運転者のブレーキ操作を考慮して目標制動液圧を算出する例を示す。
Pc=Kb・Xgs ・・・(17)
ここで、Kbはブレーキ諸元等より定まる定数である。この(17)式によれば、目標減速度Xgsが大きくなるほど、制御目標液圧Pcが大きくなる。そして、このように算出した制御目標液圧Pcに、運転者のブレーキ操作を加味して、各輪の目標制動液圧を算出する。具体的には、先ず、前輪用目標制動液圧Psfrを下記(18)式により算出する。
Psfr=max(Pm,Pc) ・・・(18)
Psrr=f3(Psfr) ・・・(19)
ここで関数f3(Psfr)は、最適な前後制動力配分となるように前輪の制動液圧Psfrから後輪の目標制動液圧Psrrを算出するための関数である。
続いてステップS13において、駆動輪の駆動力を算出する。具体的には、前記ステップS12で算出した制御目標液圧Pc及びアクセル開度Accを用いて、下記(20)式及び(21)式により目標駆動トルクTrqdsを算出する。
制御作動時(Fgensoku=ON)
Trqds=f4(Acc)−f5(Pc) ・・・(20)
制御非作動時(Fgensoku=OFF)
Trqds=f4(Acc) ・・・(21)
車両走行中、車両用減速制御装置は、各センサ等から各種データを読み込みつつ、その各種データを基に、車速V、自車両前方の各ノード点の旋回半径Rj及び目標ノード点を算出する(前記ステップS1〜ステップS4)。また、車両用減速制御装置は、路面μ推定値Kμを算出し、その算出した路面μ推定値Kμを基に、許容横加速度Yglmitを設定する(前記ステップS5、ステップS6)。そして、車両用減速制御装置は、許容横加速度Yglmitそのもの又は許容横加速度Yglmitの補正値として、補正許容横加速度Yghoを算出する(前記ステップS7)。
警報作動開始判断では、目標減速度Xgsが所定のしきい値Xgswarn、Xgswarn−Khwarnに達したとき、警報を作動させるようにしている(前記ステップS11)。また、制動作動開始判断では、目標減速度Xgsが所定のしきい値Xgsstart、Xgsstart−Khstartに達したとき、自動減速制御を作動させるようにしている(前記ステップS12)。そして、それら警報作動開始判断及び制動作動開始判断で用いる目標減速度Xgsを、目標車速Vrを基に得ている(前記ステップS9)。そして、その目標車速Vrを、補正許容横加速度Yghoを基に得ている(前記ステップS8)。目標減速度Xgsとの関係では、補正許容横加速度Yghoが大きくなるほど、目標減速度Xgsは小さくなる。
また、Y方向距離LYの微分値dYが所定のしきい値Ythよりも大きい場合(Y>Yth)、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定している(前記ステップS23)。これにより、補正許容横加速度Yghoを大きくしている(前記ステップS28)。このようなことから、Y方向距離LYの微分値dYが大きいときには、目標減速度Xgsが小さくなるから、警報や自動減速制御が作動し難くなる。
(1)この第1の実施形態では、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低くなるほど、警報や自動減速制御を作動し難くしている。すなわち、Y方向距離LYが大きくなるほど、警報や自動減速制御を作動し難くしている。つまり、警報や自動減速制御の作動タイミングが遅くなるようにしている。これに対して、そのようにして作動した自動減速制御において、その制御量を、Y方向距離LYが大きくなるほど小さくすることもできる。例えば、制御ゲインを小さくすることで、自動減速制御の制御量を小さくする。このような処理は、Y方向距離LYが大きくなるほど目標減速度Xgsを小さくする処理と等価である。
(4)この第1の実施形態では、GPS情報から得た車両位置を、実際に走行している車両の位置情報としている。これに対して、他の手段により、実際に走行している車両の位置情報を得ることができる。
なお、この第1の実施形態では、ナビゲーション装置14並びに制駆動力コントロールユニット8のステップS3及びステップS4の処理は、ナビゲーション装置が地図上に出力する道路形状を基に、車両が走行する道路前方のカーブを検出する前方カーブ検出手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS2の処理は、車速(自車両の車速)を検出する車速検出手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS8の処理は、前記前方カーブ検出手段が検出したカーブの大きさを基に、目標車速を算出する目標車速算出手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS9の処理は、前記車速検出手段が検出した自車速と前記目標車速算出手段が算出した目標車速とを基に、目標減速度を算出する目標減速度算出手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS12〜ステップS14の処理は、前記目標減速度算出手段が算出した目標減速度に応じて前記車両を減速制御する車速制御手段を実現している。また、GPS(GlobalPositioning System)による車両位置計測は、実際に走行している車両の位置情報を検出する車両位置検出手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS22の処理は、前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の第1の車両位置と、前記車両位置検出手段が検出した第2の車両位置との距離を得る距離取得手段を実現している。また、制駆動力コントロールユニット8のステップS28の処理は、前記距離取得手段が取得した距離が大きくなるほど、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をする補正手段を実現している。
(1)車両位置検出手段が、実際に走行している車両の位置情報を検出している。また、距離取得手段が、ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の第1の車両位置と、車両位置検出手段が検出した第2の車両位置との距離(Y方向距離LY)を得ている。そして、補正手段が、距離取得手段が取得した距離が大きくなるほど、車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をしている。これにより、そのような距離に応じて自動減速制御を作動し難くしたり、自動減速制御の制御量を小さくしたりすることができる。
(構成)
第2の実施形態は、本発明に係る車両用減速制御装置を搭載した後輪駆動車両である。第2の実施形態では、国道又は一般道等の道路種別情報(道路属性)を基に、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性を判定している。
図8は、第2の実施形態における許容横加速度の補正処理(前記ステップS7)の処理手順を示す。同図に示すように、ステップS31において、過去の進行路上(通過した走行路)のノード情報を基に、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性を判定する。このとき、第2の実施形態では、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内で道路種別が変化しているか否か判定する。ここで、所定の距離Lpassは、前記第1の実施形態の所定の距離Lpassと同じ値としたり、異なる値としたりすることができる。そして、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内で道路種別が変化している場合、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定する。すなわち例えば、現在位置のノード情報の道路種別が、所定の距離Lpass内のノード情報の道路種別と異なる場合、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定する。
この第2の実施形態では、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内で道路種別が変化している場合、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定している(前記ステップS31)。これにより、補正許容横加速度Yghoを大きくしている(前記ステップS28)。このようなことから、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内で道路種別が変化しているときには、目標減速度Xgsが小さくなるから、警報や自動減速制御が作動し難くなる。
(1)補正手段が、ナビゲーション装置が出力する道路種別情報が変化した位置を基準として所定の距離範囲内に車両が位置する場合、車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をしている。これにより、自動減速制御を作動し難くしたり、自動減速制御の制御量を小さくしたりしている。過去にナビゲーション装置が出力する道路種別情報が変化している場合、ナビゲーション装置が地図上に出力する車両が走行する道路が、該車両が実際に走行している道路である可能性が低いと考えられる。例えば、車両が同一の一般道路を走行し続けているのにもかかわらず、ナビゲーション装置が隣接する新設の高速道路を車両が走行している出力をする場合がある。このような場合でも、実際に走行していない走行路の情報から、カーブに対する減速制御で不必要に大きく車両が減速してしまうことを抑制できる。
(構成)
第3の実施形態は、本発明に係る車両用減速制御装置を搭載した後輪駆動車両である。第3の実施形態では、ナビゲーション装置におけるマッチング状態を基に、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性を判定している。
図10は、第3の実施形態における許容横加速度の補正処理(前記ステップS7)の処理手順を示す。同図に示すように、ステップS32において、過去の進行路上(通過した走行路)のノード情報を基に、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性を判定する。このとき、第3の実施形態では、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内でマッチングフリー状態があったか否かを判定する。ここで、所定の距離Lpassは、前記第1の実施形態や第2の実施形態の所定の距離Lpassと同じ値としたり、異なる値としたりすることができる。例えば、マッチングフリー状態があった場合、その情報をノード情報に対応させて記憶させている。
この第3の実施形態では、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内でマッチングフリー状態があった場合、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定している(前記ステップS32)。これにより、補正許容横加速度Yghoを大きくしている(前記ステップS28)。このようなことから、現在位置から既に通過した所定の距離Lpass内でマッチングフリー状態があったときには、目標減速度Xgsが小さくなるから、警報や自動減速制御が作動し難くなる。
(1)補正手段が、ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上に、該地図上に出力する車両が位置しないマッチングフリーの状態から、ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上に、該地図上に出力する車両が位置するマッチングしている状態に変化した位置を基準として所定の距離範囲内にある場合、車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をしている。これにより、自動減速制御を作動し難くしたり、自動減速制御の制御量を小さくしたりしている。過去にナビゲーション装置が地図上に出力する道路上に、該地図上に出力する車両が位置しないマッチングフリーの状態があった場合、ナビゲーション装置が地図上に出力する車両が走行する道路が、該車両が実際に走行している道路である可能性は低いと考えられる。例えば、ナビゲーション装置の地図上でマッチングフリーの状態からマッチング状態になった場合、そのマッチング状態にある道路が実際に車両が走行している道路ではない場合がある。このような場合でも、実際に走行していない走行路の情報から、カーブに対する減速制御で不必要に大きく車両が減速してしまうことを抑制できる。
(構成)
第4の実施形態は、本発明に係る車両用減速制御装置を搭載した後輪駆動車両である。第4の実施形態では、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性の過去の判定結果を基に、補正許容横加速度Yghoを算出している。
具体的には、前記ステップS7において、許容横加速度Yglmitの過去の補正履歴を基に、補正許容横加速度Yghoを算出している。すなわち、第1〜第3の実施形態では、Y方向距離LY等を基に、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性を判定している。そして、ナビゲーション装置14上の自車位置が実際に自車両が走行している道路上にある可能性が低いと判定した場合、許容横加速度Yglmitの補正値等として補正許容横加速度Yghoを算出している。
ステップS43では、許容横加速度Yglmitを維持する。すなわち、許容横加速度Yglmitを維持した補正許容横加速度Yghoに設定する。
(1)補正履歴記憶手段が、補正手段による補正履歴を補正した走行位置に対応させて記憶している。そして、補正手段が、補正履歴を基に、車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をしている。これにより、目標減速度を補正するための情報を得ることができないような場合でも、補正履歴により適切に目標減速度を補正できる。結果として、実際に走行していない走行路の情報から、カーブに対する減速制御で不必要に大きく車両が減速してしまうことを抑制できる。
Claims (10)
- ナビゲーション装置が地図上に出力する道路形状を基に、車両が走行する道路前方のカーブを検出する前方カーブ検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記前方カーブ検出手段が検出したカーブの大きさを基に、目標車速を算出する目標車速算出手段と、
前記車速検出手段が検出した自車速と前記目標車速算出手段が算出した目標車速とを基に、目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
前記目標減速度算出手段が算出した目標減速度に応じて前記車両を減速制御する車速制御手段と、
を備える車両用減速制御装置において、
実際に走行している車両の位置情報を検出する車両位置検出手段と、
前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の第1の車両位置と、前記車両位置検出手段が検出した第2の車両位置との距離を得る距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した距離が大きくなるほど、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をする補正手段と、
を備えることを特徴とする車両用減速制御装置。 - 前記距離取得手段は、前記第1の車両位置と、前記第2の車両位置との該車両の走行方向と直行する方向における距離を得ることを特徴とする請求項1に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段は、前記距離の増加割合を基に、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段は、前記車両の走行方向と、前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の前記第1の車両位置からみた前記車両位置検出手段が検出した前記第2の車両位置の方向とがなす角度を基に、前記車速制御手段で用いる目標減速度の補正をすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段は、前記車両が分岐点を通過してから所定の距離範囲内にある場合、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段は、前記ナビゲーション装置が出力する道路種別情報が変化した位置を基準として所定の距離範囲内に前記車両が位置する場合、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をすることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段は、前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上に、該地図上に出力する車両が位置しないマッチングフリーの状態から、前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上に、該地図上に出力する車両が位置するマッチングしている状態に変化した位置を基準として所定の距離範囲内にある場合、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記補正手段による補正履歴を、その補正をした走行位置に対応させて記憶する補正履歴記憶手段を備え、
前記補正手段は、前記補正履歴を基に、前記車速制御手段で用いる目標減速度を小さくする補正をすることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。 - 前記車速制御手段は、前記目標減速度が所定のしきい値以上になったとき、前記減速制御を作動させていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- ナビゲーション装置が地図上に出力する道路形状を基に、車両が走行する道路前方のカーブを検出し、
検出した自車速と検出したカーブの大きさを基に算出した目標車速とから目標減速度を算出するとともに、前記ナビゲーション装置が地図上に出力する道路上の車両位置と、実際に走行している車両の位置情報を検出する車両位置検出手段が検出した車両位置との距離が大きくなるほど、前記目標減速度を小さくする補正をし、
前記目標減速度に応じて前記車両を減速制御することを特徴とする車両用減速制御方法。
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