JP2010026314A - 光学表示ユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハーフカット後の搬送過程での光学フィルム部材の剥離を生じることなく、かつ、キャリアフィルムの剥離を良好に行うことを可能とする光学表示ユニットの製造方法を提供することにある。
【解決手段】粘着剤層を介して光学フィルム部材に設けられた第1キャリアフィルムを剥離して当該光学フィルム部材の検査をし、第2キャリアフィルムを前記粘着剤層を介して前記光学フィルム部材に貼り合わせ、当該キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断し、当該第2キャリアフィルムを剥離しつつ、当該切断された光学フィルム部材を前記粘着剤層を介して光学表示ユニットに貼り合わせる光学表示ユニットの製造方法であって、第2キャリアフィルムを前記光学フィルム部材に貼り合わせる前に、当該第2キャリアフィルムの貼り合わせ面を表面処理することを特徴とすることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】粘着剤層を介して光学フィルム部材に設けられた第1キャリアフィルムを剥離して当該光学フィルム部材の検査をし、第2キャリアフィルムを前記粘着剤層を介して前記光学フィルム部材に貼り合わせ、当該キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断し、当該第2キャリアフィルムを剥離しつつ、当該切断された光学フィルム部材を前記粘着剤層を介して光学表示ユニットに貼り合わせる光学表示ユニットの製造方法であって、第2キャリアフィルムを前記光学フィルム部材に貼り合わせる前に、当該第2キャリアフィルムの貼り合わせ面を表面処理することを特徴とすることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学フィルム部材を粘着剤層を介して貼り合せた光学表示ユニットの製造方法に関する。
本出願人は、一方面に保護フィルムを設け、多方面にキャリアフィルムを設けた帯状の偏光フィルムを繰り出し、当該キャリアフィルムを剥離してから、偏光フィルムの欠点検査を行ない、その後、再びキャリアフィルムを偏光フィルムに貼り合せ、次いで、キャリアフィルムを残して偏光フィルム及び保護フィルムを切断し(ハーフカットと称する)、次いでキャリアフィルムをナイフエッジで剥離しつつ偏光フィルム(保護フィルム付き)を送りだし、当該偏光フィルムを液晶パネルに貼り合わせる光学部材貼合せ方法について創作した(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の構成の場合、偏光フィルムを切断する際に、偏光フィルムの搬送を停止させ、レーザ装置においてハーフカットする必要があることから、レーザ装置の前後に、偏光フィルムの連続搬送を維持しつつ切断位置での搬送を停止させるためにダンサローラが配置されている。ハーフカットされた偏光フィルムはキャリアフィルム上に粘着剤層を介して貼り合わされているにすぎず、ダンサローラや搬送用のガイドローラに掛け渡され、搬送される過程において、偏光フィルムが粘着剤層から剥離することが考えられる。特に、検査前にキャリアフィルムを剥離し、検査後に再びキャリアフィルムを貼り合わせた構成の場合に、再び貼り合わせたキャリアフィルムと偏光フィルム(粘着剤層)との粘着結合力が弱いため、例えば、ローラに接して搬送方向が変更する際(例えば90度の角度で搬送方向が変更するような場合)や、ハーフカット切断位置がローラに接した状態で停止しているような場合等に、新たなキャリアフィルムから偏光フィルムがその切断位置で剥離する問題がある(図6参照)。
一方、再びキャリアフィルムを貼り合わせる際に、ローラ対で当該キャリアフィルムと偏光フィルムを挟み込み圧力を作用させる。このローラ対の圧力を強くすれば粘着結合力も向上するが、一方で粘着剤層の均一な厚みを変形させてしまい、はみ出し等の別の問題を生じるため好ましくない。
また、キャリアフィルムと偏光フィルムとが強く粘着結合していては、後段の工程において、キャリアフィルムを好適に剥離させることができなくなり、偏光フィルムと液晶パネルの貼り合わせを行なえない(図7参照)。すなわち、ハーフカット後の搬送過程での偏光フィルムの剥離を生じることなく、かつ、剥離手段でのキャリアフィルムの剥離を良好に行うために、再び設けるキャリアフィルムと偏光フィルムとの粘着結合力をコントロールする必要がある。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ハーフカット後の搬送過程での光学フィルム部材の剥離を生じることなく、かつ、剥離手段でのキャリアフィルムの剥離を良好に行うことを可能とする光学表示ユニットの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至ったものである。
本発明の光学表示ユニットの製造方法は、
粘着剤層を介して光学フィルム部材に設けられた第1キャリアフィルムを剥離して当該光学フィルム部材の検査をし、第2キャリアフィルムを前記粘着剤層を介して前記光学フィルム部材に貼り合わせ、当該キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断し、当該キャリアフィルムを剥離しつつ、当該切断された光学フィルム部材を前記粘着剤層を介して光学表示ユニットに貼り合わせる光学表示ユニットの製造方法であって、
前記第2キャリアフィルムを前記光学フィルム部材に貼り合わせる前に、当該第2キャリアフィルムの貼り合わせ面を表面処理することを特徴とする。
粘着剤層を介して光学フィルム部材に設けられた第1キャリアフィルムを剥離して当該光学フィルム部材の検査をし、第2キャリアフィルムを前記粘着剤層を介して前記光学フィルム部材に貼り合わせ、当該キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断し、当該キャリアフィルムを剥離しつつ、当該切断された光学フィルム部材を前記粘着剤層を介して光学表示ユニットに貼り合わせる光学表示ユニットの製造方法であって、
前記第2キャリアフィルムを前記光学フィルム部材に貼り合わせる前に、当該第2キャリアフィルムの貼り合わせ面を表面処理することを特徴とする。
この構成によれば、光学フィルム部材の検査前に第1キャリアフィルムを剥離し、当該検査後に第2キャリアフィルムを貼り合わせ、次いで、検査結果に応じてハーフカットをする構成において、第2キャリアフィルムを貼り合わせる前に、第2キャリアフィルムの貼り合わせ面に対し、表面処理を施している。この表面処理を施すことで、第2キャリアフィルムと粘着剤層との粘着結合力が大きくなる。よって、搬送途中における光学フィルム部材の剥がれが生じることがない。また、剥離手段における第2キャリアフィルムの剥離も良好になる。第2キャリアフィルムとして、第1キャリアフィルムを再利用する構成としてもよい。
上述の剥離手段としては、例えば、ナイフエッジ形状を有していることが好ましい。また、剥離手段は、例えば、複数のローラの組み合わせで構成されていてもよく、当該ローラの直径を小さくして、ナイフエッジ先端形状に近づけて、ナイフエッジ先端形状と同様の作用を実現させることができる。
第2キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断する場合に、光学フィルム部材の欠点情報に基づいて、切断位置を調整するように制御することが好ましい。欠点情報は、切断前に欠点検査をして得られた情報である。
また、本発明において、前記表面処理は、プラズマ処理、オゾン処理、およびコロナ処理から選択されることを特徴とする。特に簡単な装置構成と表面処理の簡便性からコロナ処理が好ましい。
また、本発明において、第2キャリアフィルムと光学フィルム部材は、
式f=r/E’(rは第2キャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)
であるとき、当該式が、
f=2.0×10−4〜1.5×10−3
であることを特徴とする。
式f=r/E’(rは第2キャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)
であるとき、当該式が、
f=2.0×10−4〜1.5×10−3
であることを特徴とする。
また、本発明は、第2キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材(および粘着剤層)を切断するための切断手段と、切断手段による切断処理において、当該切断位置で光学フィルム部材を停止させるために、当該切断手段の少なくとも搬送方向下流側に配置されるダンサー部と、第2キャリアフィルムを剥離するための剥離手段と、を備えている。ダンサー部は1つあるいは複数のダンサローラを備えている。そして、第2キャリアフィルムと光学フィルム部材とは、式f=r/E’(rは第2キャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)の関係で表される。当該式fが2.0×10−4〜1.5×10−3の範囲であれば、光学フィルム部材が搬送途中で第2キャリアフィルムから剥離せず、剥離手段で好適に第2キャリアフィルムから剥離することになる。よって、ハーフカット後の搬送過程での光学フィルム部材の剥離を生じることなく、かつ、光学フィルム部材からの第2キャリアフィルムの剥離を良好に行うことができる光学表示ユニットの製造方法を提供することができた。
また、「欠点」は、例えば、表面又は内部の汚れ、傷、異物をかみ込んだ打痕状のひねったような特殊状欠点(クニックと称されることがある)、気泡、異物等を意味している。
本発明の実施形態について以下に説明する。図1に光学表示ユニットの製造方法の一例のフローチャートを示す。図2に光学表示ユニットの製造システムの一例の主要構成を示す。図3に本発明に係る製造ラインの一例の構成について示す。図4に光学フィルム部材を光学表示ユニットに貼り合わせる動作について示す。図5に光学フィルム部材の構成例について示す。図6に切断後の搬送過程において光学フィルム部材が第2キャリアフィルムから剥離する状態について示す。図7にナイフエッジ先端において光学フィルム部材が剥離せず巻き込まれ先端が潰れる状態について示す。
(光学表示ユニット)
まず、本発明に用いられる光学表示ユニットは、例えば、液晶セルのガラス基板ユニット、有機EL発光体ユニット等が挙げられる。
まず、本発明に用いられる光学表示ユニットは、例えば、液晶セルのガラス基板ユニット、有機EL発光体ユニット等が挙げられる。
(光学フィルム部材)
本発明の光学フィルム部材は、偏光子フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、それらフィルムの2以上の組み合わせ積層フィルムが例示される。これら光学フィルム部材の表面には、保護用の透明フィルムが積層される場合がある。また、光学フィルム部材の一方表面には、光学表示ユニットに貼り付けられるように、粘着剤が形成され、この粘着剤を保護するためのキャリアフィルム(以下では離型フィルムと称することがある)が設けられる。また、光学フィルム部材のその他方表面には、粘着剤を介して表面保護フィルムが設けられる。以下において、表面保護フィルムおよびキャリアフィルムが積層された光学フィルム部材をシート製品と称することがある。
本発明の光学フィルム部材は、偏光子フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、それらフィルムの2以上の組み合わせ積層フィルムが例示される。これら光学フィルム部材の表面には、保護用の透明フィルムが積層される場合がある。また、光学フィルム部材の一方表面には、光学表示ユニットに貼り付けられるように、粘着剤が形成され、この粘着剤を保護するためのキャリアフィルム(以下では離型フィルムと称することがある)が設けられる。また、光学フィルム部材のその他方表面には、粘着剤を介して表面保護フィルムが設けられる。以下において、表面保護フィルムおよびキャリアフィルムが積層された光学フィルム部材をシート製品と称することがある。
(製造フローチャート)
(1)第1ロール原反準備工程(図1、S1)。長尺の第1シート製品を第1ロール原反として準備する。第1ロール原反の幅は、光学表示ユニットへの貼り合わせサイズに依存している。図5に示すように、第1シート製品F1の積層構造は、第1光学フィルムF11と、第1キャリアフィルムF12と、表面保護フィルムF13とを有する。第1光学フィルムF11は、第1偏光子F11aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第1フィルムF11bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第2フィルムF11cとで構成されている。また、光学フィルムには、その保護フィルムが一方面にのみ構成されていてもよく、その他方面を粘着剤層を介して離型フィルムで保護するように構成することができる。
(1)第1ロール原反準備工程(図1、S1)。長尺の第1シート製品を第1ロール原反として準備する。第1ロール原反の幅は、光学表示ユニットへの貼り合わせサイズに依存している。図5に示すように、第1シート製品F1の積層構造は、第1光学フィルムF11と、第1キャリアフィルムF12と、表面保護フィルムF13とを有する。第1光学フィルムF11は、第1偏光子F11aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第1フィルムF11bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第2フィルムF11cとで構成されている。また、光学フィルムには、その保護フィルムが一方面にのみ構成されていてもよく、その他方面を粘着剤層を介して離型フィルムで保護するように構成することができる。
第1、第2フィルムF11b、F11cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第2フィルムF11cは、第1粘着剤F14を介して光学表示ユニット面側に貼り合わされる。第1フィルムF11bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第1キャリアフィルムF12は、第2フィルムF11cと第1粘着剤層F14を介して設けられている。また、表面保護フィルムF13は、第1フィルムF11bと粘着剤層F15を介して設けられている。第1、第2フィルムF11b、F11cの具体的構成は後述する。以下において、偏光子と偏光子保護フィルムとの積層構造を偏光板と称することがある。
(2)搬送工程(図1、S2)。準備され設置された第1ロール原反から第1シート製品F1を繰り出し、下流側に搬送する。第1シート製品F1を搬送する第1搬送装置12は、例えば、ニップローラ対、テンションローラ、回転駆動装置、アキュムレート装置(ダンサー部A1、A2を有する)、センサ装置、制御装置等で構成されている。なお、別実施形態としてダンサー部A1が省略され、この場合、切断処理で第1シート製品F1を停止させる場合に、第1切断装置16の搬送方向上流側を切断処理にあわせて間欠搬送する構成になる。
(3)第1キャリアフィルム除去工程(図1、S3)。第1検査前剥離装置13は、搬送されてきた第1シート製品F1から第1キャリアフィルムF12を剥離し、第1キャリアフィルムF12を巻取装置131に巻き取る構成である(図3参照)。巻取装置131の巻取り速度は制御装置1によって制御されている。第1キャリアフィルムF12を剥離する剥離機構としては、例えば、図3に示すようにローラ対で挟みこみ一方のローラで光学フィルム部材にテンションをかけ、その他方のローラで第1キャリアフィルムF12を巻きかけて剥離する構成が例示できる。また、別実施例として、先端が先鋭なナイフエッジ部を有し、このナイフエッジ部に第1キャリアフィルムF12を巻き掛けて反転移送することにより、第1キャリアフィルムF12を剥離すると共に、第1キャリアフィルムF12を剥離した後の第1シート製品F1を搬送方向に搬送するように構成することができる。
(4)第1検査工程(図1、S4)。第1キャリアフィルムF12が剥離された後の第1シート製品F1(光学フィルム部材)の欠点を第1欠点検査装置14を用いて検査する。ここでの欠点検査方法としては、第1シート製品F1の両面に対し、透過光、反射光による画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸とクロスニコルとなるように配置して画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸と所定角度になるように配置して画像撮影・画像処理する方法が挙げられる。なお、画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
そして、第1欠点検査装置14は、第1キャリアフィルムF12に内在する位相差および、第1キャリアフィルムF12に付着または内在する異物や傷等の欠点を考慮する必要がなく、光学フィルム部材(第1光学フィルムF11)の欠点検査を行なえる。第1欠点検査装置14で得られた欠点の情報は、その位置情報(例えば、位置座標)とともに紐付けされて、制御装置1に送信され、後述する第1切断装置16による切断方法に寄与させることができる。
(5)第2キャリアフィルム貼合工程(図1、S5)。第1フィルム貼合装置15は、ロール対を備え、新たな第2キャリアフィルムH12を、第1粘着剤層F14を介して、第1光学フィルムF11に貼り合せる。ロール対で、第2キャリアフィルムH12と第1シート製品F1を挟みながら圧力調整しつつ貼り合わせる。この貼り合せに際し、気泡等の泡がみが生じないように行なうことが、平面性維持のため好ましい。
第2キャリアフィルムH12は、回転ローラ151から繰り出される。繰り出された第2キャリアフィルムH12は、第1表面処理装置40によって、その貼り合わせ面に対し表面処理が施される。表面処理方法は、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理が例示され、特にコロナ処理が装置構成の観点から好ましい。コロナ処理等の表面処理は、第2キャリアフィルムH12の貼り合わせ面全体に施すことが好ましいが、長尺方向に沿って平行に複数の帯状に表面処理を施しても良い。表面処理される処理時間等は、第2キャリアフィルムH12と光学フィルム部材(粘着剤層)との粘着結合力によって設定される。粘着結合力は、T剥離法の試験によって評価される。
第2キャリアフィルムの貼り合わせ面に表面処理を施すことで、粘着剤層との結合力が向上し、例えば図6に示すようにダンサー部A2のロール122や第1搬送装置12のロール121で、第1シート製品F1が、第2キャリアフィルムH12から剥離することがない。さらに、図7に示すように、ナイフエッジ部171の先端部で第1シート製品F1が第2キャリアフィルムH12から剥離せずに巻き込まれるようなことがなく、スムーズにベロだしがなされる。
そして、以下の式fが2.0×10−4〜1.5×10−3の範囲の場合に、光学フィルム部材が搬送途中で剥離せず、かつナイフエッジ部171で好適に剥離することが後述する実験から確かめられた。
(式1)f=r/E’・・・(1)
(rはキャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)
(式1)f=r/E’・・・(1)
(rはキャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)
(6)第1切断工程(図1、S6)。第1切断装置16は、第2キャリアフィルムH12を切断せずに、表面保護フィルムF13、粘着剤層F15、第1光学フィルムF11および第1粘着剤層F14を所定サイズに切断する。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッター、その他の公知の切断手段等が挙げられる。第1欠点検査装置14で得られた欠点の情報に基づいて、欠点を避けるように切断するように構成される。これにより、第1シート製品F1の歩留まりを大幅に向上できる。欠点を含む第1シート製品F1は、後述する第1排出装置19によって排出され、光学表示ユニットWには貼り付けされないように構成される。
(7)良品判定(図1、S7)。第1欠点検査装置14による欠点検査の結果、良品か否かが判定される。良品判定の判定基準は予め設定され、例えば、所定面積あたりの欠点数、欠点サイズ、欠点の種類によって設定される。
(8)第1光学フィルム貼合工程(図1、S8−1)。欠点検査で良品判定された第1シート製品F1の貼り合わせ処理が行なわれる。図4に示すように、第1シート製品F1(光学フィルム部材)は、ナイフエッジ171に沿って搬送され(図4(a)参照)、次いで、第1シート製品F1(光学フィルム部材)の先端は、ナイフエッジ171の先端からベロだし(剥離)する(図4(b)参照)。次いで、ベロだしされた第1シート製品F1と光学表示ユニットWが同期搬送され、押さえローラ181と案内ローラ182のロール対によって第1シート製品F1と光学表示ユニットWは挟みこまれ圧力が作用されて貼り合わされる(図4(c)参照)。なお、第1シート製品F1は、横倒し状態の光学表示ユニットWの天井面側に貼り合わせてもよく、床側面に貼り合わせてもよい。図3では第1シート製品F1は、横倒し状態の光学表示ユニットWの天井面側に貼り合わせさている。これにより、第1光学フィルムが光学表示ユニットの一方面に貼り合わされる。
第1剥離装置17を用いて第2キャリアフィルムH12を除去しながら(剥離工程)、第1貼合装置18を用いて当該第2キャリアフィルムH12が除去された第1光学フィルムF11を第1粘着剤層F14を介して光学表示ユニットWに貼り合わせる。貼り合せに際し、後述するように、第1光学フィルムF11と光学表示ユニットWをロール対(押えローラ181、案内ローラ182)で挟んで圧着する。
(9)第1光学フィルム排除工程(図1、S8−2)。欠点検査で不良品判定された第1シート製品F1の排除処理が行なわれる。排除処理の構成例は後述する。
(10)また、光学表示ユニットWは、付着、汚れ等が予め除去されていることが好ましい。付着、汚れ等が除去された後、光学表示ユニットWは、搬送機構によって、第1貼合装置18まで搬送される(ステップS8へ)。
以上の一連の製造工程において、光学表示ユニットWの一方面に第1光学フィルムF11が貼り合わされた。以下では、その他面に第2光学フィルムF21を貼り合わる製造工程について説明する。
(11)第2ロール原反準備工程(図1、S11)。長尺の第2シート製品F2を第2ロール原反として準備する。図5の示すように、第2シート製品F2の積層構造は、第1シート製品F1と同様の構成であるが、これに限定されない。第2シート製品F2は、第2光学フィルムF21と、第3キャリアフィルムF22と、表面保護フィルムF23とを有する。第2光学フィルムF21は、第2偏光子21aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第3フィルムF21bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第4フィルムF21cとで構成されている。また、光学フィルムには、その保護フィルムが一方面にのみ構成されていてもよく、その他方面を粘着剤層を介して離型フィルムで保護するように構成することができる。
第3、第4フィルムF21b、F21cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第4フィルムF21cは、第2粘着剤層F24を介して光学表示ユニット面側に貼り合わされる。第3フィルムF21bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第3キャリアフィルムF22は、第4フィルムF21cと第2粘着剤層F24を介して設けられている。また、表面保護フィルムF23は、第3フィルムF21bと粘着剤層F25を介して設けられている。
(12)搬送工程(図1、S12)。準備され設置された第2ロール原反から第2シート製品F2を繰り出し、下流側に搬送する。第2シート製品を搬送する第2搬送装置22は、例えば、ニップローラ対、テンションローラ、回転駆動装置、アキュムレート装置(ダンサー部を有する)、センサ装置、制御装置等で構成されている。
(13)第3キャリアフィルム除去工程(図1、S13)。第2検査前剥離装置23は、搬送されてきた第2シート製品F2から第2キャリアフィルムF22を剥離し、第2キャリアフィルムF22を巻取装置(不図示)に巻き取る構成である。巻取装置の巻取り速度は制御装置1によって制御されている。第3キャリアフィルムF22を剥離する剥離機構としては、例えば、第1キャリアフィルムF12を剥離する剥離機構と同様の機構が例示される。
(14)第2検査工程(図1、S14)。第3キャリアフィルムF22が剥離された後の第2シート製品F2(光学フィルム部材)の欠点を第2欠点検査装置24を用いて検査する。ここでの欠点検査方法は、上述した第1欠点検査装置による方法と同様である。
(15)第4キャリアフィルム貼合工程(図1、S15)。第2フィルム貼合装置25は、ロール対を備え、新たな第4キャリアフィルムH22を、第2粘着剤層F24を介して、第2光学フィルムF21に貼り合せる。ロール対で、第4キャリアフィルムH22と第2シート製品F2を挟みながら圧力調整しつつ貼り合わせる。この貼り合せに際し、気泡等の泡がみが生じないように行なうことが、平面性維持のため好ましい。なお、第4キャリアフィルムとして、第3キャリアフィルムを再利用してもよい。
第4キャリアフィルムH22は、回転ローラから繰り出される。繰り出された第4キャリアフィルムH22は、第2表面処理装置41によって、その貼り合わせ面に対し表面処理が施される。表面処理方法は、上記の表面処理方法と同様である。
(16)第2切断工程(図1、S16)。第2切断装置26は、第4キャリアフィルムH22を切断せずに、表面保護フィルムF23、粘着剤層F25、第2光学フィルムF21および第2粘着剤層F24を所定サイズに切断する。切断手段は上記の第1切断装置16の方法と同様である。第2欠点検査装置24で得られた欠点の情報に基づいて、欠点を避けるように切断するように構成される。これにより、第2シート製品F2の歩留まりが大幅に向上する。欠点を含む第2シート製品F2は、後述する第2排出装置29によって排出され、光学表示ユニットW1には貼り付けされないように構成される。
(17)良品判定(図1、S17)。第2欠点検査装置24による欠点検査の結果、良品か否かが判定される。良品判定の判定基準は予め設定され、例えば、所定面積あたりの欠点数、欠点サイズ、欠点の種類によって設定される。
(18)第2光学フィルム貼合工程(図1、S18−1)。欠点検査で良品判定された第2シート製品F2の貼り合わせ処理が行なわれる。第2シート製品F2は、横倒し状態の光学表示ユニットW1の天井側面に貼り合わされる。これにより、光学表示ユニットの両面に光学フィルムが形成される。
第2剥離装置27を用いて第4キャリアフィルムH22を除去しながら(剥離工程)、第2貼合装置28を用いて当該第4キャリアフィルムH22が除去された第2光学フィルムF21を第2粘着剤層F24を介して光学表示ユニットW1に貼り合わせる。なお、第2光学フィルムF21を光学表示ユニットW1に貼り合せる前に、搬送機構の搬送方向切り替え機構によって光学表示ユニットW1を90度回転させ、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係にする場合がある。貼り合せに際し、後述するように、第2光学フィルムF21と光学表示ユニットW1をロール対(281、282)で挟んで圧着する。以上によって、光学表示ユニットWの一方面に第1光学フィルムF11が、その他面に第2光学フィルムF21が貼り合わされ、両面に光学フィルムが設けられた光学表示ユニットW12を製造することができる。
(19)第2光学フィルム排除工程(図1、S18−2)。欠点検査で不良品判定された第2シート製品F2(すなわち第2光学フィルム)の排除処理が行なわれる。排除処理の構成例は後述する。
(20)また、両面に光学フィルムを貼り合わせた光学表示ユニットW12に対し、目視検査あるいは、公知の検査装置を用いて検査を行なってもよい。なお、この検査工程は省略される場合もある。
(21)上記の検査結果に応じて、光学表示ユニットW12の良品判定がなされる。良品判定された光学表示ユニットW12は、次の実装工程に搬送される。不良品判定された場合、リワーク処理が施され、新たに光学フィルムが貼られ、次いで検査され、良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分される。なお、検査工程がない場合この良品判定、リワーク処理等は行なわず、実装工程に移行する。
以上の一連の製造工程において、第1光学フィルムF11貼合工程と第2光学フィルムF21貼合工程とを連続した製造ラインで実行することによって、光学表示ユニットを好適に製造することができる。また、上記各工程を工場内から隔離した隔離構造内部で行なうことで、清浄度が確保された環境で光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせることができ、高品質の光学表示ユニットを製造することができる。
(実施形態の製造方法を実現する好適な製造システム)
以下に、実施形態の製造方法を実現する好適な製造システムの一例について説明する。
以下に、実施形態の製造方法を実現する好適な製造システムの一例について説明する。
図3は、第1シート製品F1を光学表示ユニットWに貼り合わせる製造ラインの一例について示す。図4は、第1剥離装置17、第1貼付装置18の一例について示す。図3に示すアキュムレータ装置のダンサー部A1,A2は、それぞれ単数に限定されず、複数設置されていてもよい。
第1切断装置16は、第1シート製品F1をその床面側から吸着保持する保持テーブルを配置し、レーザ装置を第1シート製品F1の天井面側から下方に備える。第1シート製品F1の幅方向にレーザを走査させるように平行移動し、最下部の第2キャリアフィルムH12を残して第1光学フィルムF11、第1粘着剤層F14、表面保護フィルムF13、粘着剤層F15をその搬送方向に所定ピッチで切断(以下、適宜「ハーフカット」という)する。第1シート製品F1を保持テーブルで吸着する場合に、その下流側と上流側の第1シート製品F1の連続搬送を停止しないように、搬送機構のアキュムレート装置は上下垂直方向に移動するように構成されている。この動作も制御装置1の制御による。これにより、第1切断装置16からダンサー部A2のローラ122までの搬送過程では、第1シート製品は停止しているが、アキュムレート装置のダンサー部A1の上流側と、アキュムレート装置のダンサー部A2の下流側では第1シート製品F1は連続して搬送されている。
第1貼合装置18は、上記切断処理後に、第1剥離装置17によって第2キャリアフィルムH12が剥離された第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を、第1粘着剤層F14を介して光学表示ユニットWに貼り合せる。第1検査装置14による検査で良品判定された第1シート製品F1のみが、光学表示ユニットWと貼り合わされる。良品判定された第1シート製品F1と光学表示ユニットWが貼り合わせ位置に同期して搬送される。図4に示すように、第1シート製品F1および光学表示ユニットWのそれぞれの先端部分が重なり合うように搬送される。これは、制御装置1が、第1搬送装置12(アキュムレート装置を含む)および搬送機構を連動するように制御し実現している。
図4に示すように、貼り合せる場合に、押さえローラ181、案内ローラ182によって、第1光学フィルムF11を光学表示ユニットW面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ181、案内ローラ182の押さえ圧力、駆動動作は、制御装置1によって制御される。
第1剥離装置17の剥離機構171としては、先端が先鋭なナイフエッジ部を有し、このナイフエッジ部に第2キャリアフィルムH12を巻き掛けて反転移送することにより、第2キャリアフィルムH12を剥離(スムーズに第1シート製品F1のベロだしをして剥離)すると共に、第2キャリアフィルムH12を剥離した後の第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を光学表示ユニットW面に送り出すように構成される。剥離された第2キャリアフィルムH12はロール220に巻き取られる。ロール220の巻取り制御は、制御装置1によって制御される。
貼合せ機構としては、押さえロ一ラ181とそれに対向して配置される案内ローラ182とから構成されている。案内ローラ182は、モータにより回転駆動するゴムローラで構成され、当該ローラを昇降可能とする駆動機構を備えて配備されている。また、その直上方にはモータにより回転駆動する金属ローラからなる押さえローラ181が、当該ローラを昇降可能とする駆動機構を備えて配備されている。光学表示ユニットWを貼合せ位置に送り込む際には押さえローラ181は、貼り合わせ位置から離れるように移動しローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラ182および押さえローラ181は、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。なお、光学表示ユニットWは、各種洗浄装置によって洗浄され、搬送機構によって搬送される構成である。この搬送機構の搬送制御も制御装置1の制御による。
第2切断装置26は、欠点検査後に、第4キャリアフィルムH22を切断せずに、第2光学フィルムF21、表面保護フィルム25、第2粘着剤層F24、粘着剤層F25を所定サイズに切断する。第2切断装置26は、例えばレーザ装置である。第2欠点検査処理で検出された欠点の位置座標に基づいて、第2切断装置26は、欠点部分を避けるように所定サイズに切断する。すなわち、欠点部分を含む切断品は不良品として後工程で第2排出装置29によって排出される。あるいは、第2切断装置26は、欠点の存在を無視して、連続的に所定サイズに切断してもよい。この場合、後述の貼り合せ処理において、当該部分を貼り合せずに除去するように構成できる。この場合の制御も制御装置1の機能による。
また、第2切断装置26は、第2シート製品F2を天井面側から吸着保持する保持テーブルを配置し、レーザ装置を第2シート製品F2の床面側に備える。第2シート製品F2の幅方向にレーザを走査させるように平行移動し、最上部の第4キャリアフィルムH22を残して第2光学フィルムF21、第2粘着剤層F24、表面保護フィルムF23、粘着剤層F25をその搬送方向に所定ピッチで切断する。第2シート製品F2を保持テーブルで吸着する場合に、その下流側と上流側の第2シート製品F2の連続搬送を停止しないように、搬送機構のアキュムレート装置は上下垂直方向に移動するように構成されている。この動作も制御装置1の制御による。これにより、第2切断装置26から下流側のダンサー部までの搬送過程では、第2シート製品F2は停止しているが、第2切断装置26の上流側のアキュムレート装置のダンサー部の上流側と、第2切断装置26から下流側のアキュムレート装置のダンサー部の下流側では第2シート製品F2は連続して搬送されている。
第2貼合装置28は、切断処理後に、第2剥離装置27によって第4キャリアフィルムH22が剥離された第2シート製品F2(第2光学フィルムF21)を、第2粘着剤層F24を介して光学表示ユニットW1に貼り合せる。貼り合せる場合に、押さえローラ(不図示)、案内ローラ(不図示)によって、第2光学フィルムF21を光学表示ユニットW1面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ、案内ローラの押さえ圧力、駆動動作は、制御装置1によって制御される。第2検査装置24によって、良品判定された第2シート製品F2のみが、光学表示ユニットW1と貼り合わされる。良品判定された第2シート製品F2と光学表示ユニットW1が貼り合わせ位置に同期して搬送される。図4と同様に、第2シート製品F2および光学表示ユニットW1のそれぞれの先端部分が重なり合うように搬送される。これは、制御装置1が、第2搬送装置22(アキュムレート装置を含む)および搬送機構を連動するように制御し実現している。
第2剥離装置27の剥離機構271は、上述の第1剥離装置17の剥離機構と同様に構成できる。貼合せ機構も上述の貼合わせ機構と同様に構成する。
第1、第2シート製品が貼り合わせされた光学表示ユニットW12は、検査装置30に搬送される。検査装置30は、搬送されてきた光学表示ユニットW12の両面に対し検査を実行する。検査装置30の光源は、光学表示ユニットW12の下面側から垂直に照射し、その透過光像を検査装置30のCCDカメラによって画像データとして撮像する。また、光源を所定角度で光学表示ユニットW12表面を照射し、その反射光像をCCDカメラによって画像データとして撮像するように構成できる。これら画像データから欠点が画像処理して解析され、良品判定がなされる。
それぞれの装置の動作タイミングは、例えば、所定の位置にセンサを配置して検知する方法で算出され、または、搬送装置や搬送機構の回転部材をロータリーエンコーダ等で検出するようにして算出される。制御装置1は、ソフトウエアプログラムとCPU、メモリ等のハードウエア資源との協同作用によって実現されてもよく、この場合プログラムソフトウエア、処理手順、各種設定等はメモリが予め記憶されている。また、専用回路やファームウエア等で構成できる。また、制御装置1は、それぞれの装置を一括して制御する構成であるが、これに制限されず、それぞれの装置ごとに制御部を設け、制御装置1からの指令に応じて、それぞれの装置の制御部がそれぞれの装置の動作を制御するように構成することもできる。
(排出装置の実施例)
不良品判定されたシート製品を排出する排出装置について説明する。第1、第2排出装置19、29は、ロボットアームを有して構成される。ロボットアームは、排出部材(不良品として判定された第1シート製品:切断された部材に相当する)の両面を挟持し、回収容器まで移動し、回収容器上で排出部材を開放するように構成できる。
不良品判定されたシート製品を排出する排出装置について説明する。第1、第2排出装置19、29は、ロボットアームを有して構成される。ロボットアームは、排出部材(不良品として判定された第1シート製品:切断された部材に相当する)の両面を挟持し、回収容器まで移動し、回収容器上で排出部材を開放するように構成できる。
(実施例)
上記の製造システムを用い、以下の実験を行なった。ナイフエッジ部171の先端形状は、曲率半径2mmの先端R形状である。貼合装置での偏光板(光学フィルム部材に相当する)の搬送速度は15m/分である。切断装置による間欠搬送における初速度は5m/分である。偏光板の曲げ弾性率(E)は、JIS K 7203の試験方法によって測定される。厚み(t)は偏光板の厚みである。剥離力(r)は、N/50mmでのT剥離法による試験方法によって測定される。fはr/E’で算出され、E’は曲げ弾性率(E)(N/mm2)×厚み(t)で算出される。
上記の製造システムを用い、以下の実験を行なった。ナイフエッジ部171の先端形状は、曲率半径2mmの先端R形状である。貼合装置での偏光板(光学フィルム部材に相当する)の搬送速度は15m/分である。切断装置による間欠搬送における初速度は5m/分である。偏光板の曲げ弾性率(E)は、JIS K 7203の試験方法によって測定される。厚み(t)は偏光板の厚みである。剥離力(r)は、N/50mmでのT剥離法による試験方法によって測定される。fはr/E’で算出され、E’は曲げ弾性率(E)(N/mm2)×厚み(t)で算出される。
搬送過程における偏光板の第2キャリアフィルムからの剥離は、「ターン/R走行性」の欄に示す。表2において、ターン/R走行性はf=1.1×10−4以下では偏光板が第2キャリアフィルムから剥離したが(剥離不良:×として表示)、f=4.4×10−4以上では剥離しなかった(○として表示)。ナイフエッジ部171での剥離性は、「剥離バー剥離性」の欄に示す。表2において、剥離バー剥離性はf=1.8×10−3以上ではベロだしがなされず、偏光板の先端が潰れてしまったが(剥離不良:×として表示)、f=1.3×10−3以下ではスムーズにベロだしがなされた(剥離良好:○として表示)。すなわち、両方を満足するfは、4.4×10−4以上1.3×10−3以下の範囲であることが分かった。
また、偏光板の搬送速度を0m/分を超えて30m/分以下に変更しておこなったが、上記fの範囲と同様であった。また、第2キャリアフィルムの構成、厚みを変更して行なったが上記fの範囲と同様であった。また、コロナ処理に代わり、プラズマ処理やオゾン処理によっても上記fの範囲を満足させることができる。
また、偏光板、粘着剤層、第2キャリアフィルムの固体差を考慮し、fの範囲を上述の4.4×10−4以上1.3×10−3以下の範囲よりも、2.0×10−4以上1.5×10−3以下の範囲にすることが好ましい。
前記においても、第1光学フィルム、第2光学フィルムを形成する偏光子、および偏光子の片側または両側に用いられるフィルムについては一部説明しているが、一般的には、以下の材料を例示できる。
(偏光子)
ポリビニルアルコール系フィルムの染色、架橋、延伸の各処理は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各処理の順番も任意でよい。なお、ポリビニルアルコール系フィルムとして、膨潤処理を施したポリビニルアルコール系フィルムを用いてもよい。一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素や二色性色素を含む溶液に浸漬し、ヨウ素や二色性色素を吸着させて染色した後洗浄し、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中で延伸倍率3倍〜7倍で一軸延伸した後、乾燥する。ヨウ素や二色性色素を含む溶液中で延伸した後、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中でさらに延伸(二段延伸)した後、乾燥することにより、ヨウ素の配向が高くなり、偏光度特性が良くなるため、特に好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムの染色、架橋、延伸の各処理は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各処理の順番も任意でよい。なお、ポリビニルアルコール系フィルムとして、膨潤処理を施したポリビニルアルコール系フィルムを用いてもよい。一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素や二色性色素を含む溶液に浸漬し、ヨウ素や二色性色素を吸着させて染色した後洗浄し、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中で延伸倍率3倍〜7倍で一軸延伸した後、乾燥する。ヨウ素や二色性色素を含む溶液中で延伸した後、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中でさらに延伸(二段延伸)した後、乾燥することにより、ヨウ素の配向が高くなり、偏光度特性が良くなるため、特に好ましい。
偏光子とその保護層である透明の偏光子保護フィルムとの接着処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層等として形成されるが、その水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができる。
(偏光子保護層:偏光子保護フィルム)
偏光子の片側又は両側に設ける偏光子保護層には、適宜な透明フィルムを用いることができる。例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。
偏光子の片側又は両側に設ける偏光子保護層には、適宜な透明フィルムを用いることができる。例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。
前記透明保護フィルムは、接着剤を塗工する前に、偏光子との接着性を向上させるために、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、ケン化処理、カップリング剤による処理などがあげられる。また適宜に帯電防止層を形成することができる。
本発明による光学フィルムは、実用に際して各種光学層を積層した多層積層構造の光学フィルムも例示できる。その光学層については特に限定されるものではないが、例えば、前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面(前記接着剤塗布層を設けない面)に対して、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした表面処理を施したり、視角補償等を目的とした配向液晶層を積層する方法があげられる。また、反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板(λ板)を含む)などの液晶表示装置等の形成に用いられる光学フィルムを1層または2層以上貼りあわせたものもあげられる。
(位相差板)
偏光子に積層される光学フィルムの一例として位相差板が挙げられる。位相差板としては、高分子材料を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。延伸処理は、例えばロール延伸法、長間隙沿延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などにより行うことができる。延伸倍率は、一軸延伸の場合には1.1〜3倍程度が一般的である。位相差板の厚さも特に制限されないが、一般的には10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
偏光子に積層される光学フィルムの一例として位相差板が挙げられる。位相差板としては、高分子材料を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。延伸処理は、例えばロール延伸法、長間隙沿延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などにより行うことができる。延伸倍率は、一軸延伸の場合には1.1〜3倍程度が一般的である。位相差板の厚さも特に制限されないが、一般的には10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
前記高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
(粘着剤)
本発明による偏光板や、前記の積層光学フィルム部材には、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層が設けられる。その粘着層は、特に限定されるものではないが、アクリル系等の従来に準じた適宜な粘着剤にて形成することができる。吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨脹差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる画像表示装置の形成性等の点により、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとすることができる。粘着層は必要に応じて必要な面に設ければよく、例えば、偏光子と偏光子保護層からなる偏光板について言及するならば、必要に応じて、偏光子保護層の片面または両面に粘着層を設ければよい。
本発明による偏光板や、前記の積層光学フィルム部材には、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層が設けられる。その粘着層は、特に限定されるものではないが、アクリル系等の従来に準じた適宜な粘着剤にて形成することができる。吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨脹差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる画像表示装置の形成性等の点により、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとすることができる。粘着層は必要に応じて必要な面に設ければよく、例えば、偏光子と偏光子保護層からなる偏光板について言及するならば、必要に応じて、偏光子保護層の片面または両面に粘着層を設ければよい。
(キャリアフィルム)
前記粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にキャリアフィルム(セパレータと称することがある。)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
前記粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にキャリアフィルム(セパレータと称することがある。)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
このセパレータが設けられた面と反対面の偏光板には、表面保護フィルムが弱粘着剤を介して形成される。その目的は、傷防止、汚染防止等が主目的である。表面保護フィルムとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
(液晶表示装置)
本発明の光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル(光学表示ユニットに相当する。)と光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
本発明の光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル(光学表示ユニットに相当する。)と光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
F1 第1シート製品
F2 第2シート製品
F11 第1光学フィルム
F12 第1キャリアフィルム
F14 第1粘着剤層
F21 第2光学フィルム
F22 第3キャリアフィルム
F24 第2粘着剤層
H12 第2キャリアフィルム
H22 第4キャリアフィルム
W 光学表示ユニット
1 制御装置
40 第1表面処理装置
41 第2表面処理装置
F2 第2シート製品
F11 第1光学フィルム
F12 第1キャリアフィルム
F14 第1粘着剤層
F21 第2光学フィルム
F22 第3キャリアフィルム
F24 第2粘着剤層
H12 第2キャリアフィルム
H22 第4キャリアフィルム
W 光学表示ユニット
1 制御装置
40 第1表面処理装置
41 第2表面処理装置
Claims (3)
- 粘着剤層を介して光学フィルム部材に設けられた第1キャリアフィルムを剥離して当該光学フィルム部材の検査をし、第2キャリアフィルムを前記粘着剤層を介して前記光学フィルム部材に貼り合わせ、当該キャリアフィルムを切断せずに光学フィルム部材を切断し、当該キャリアフィルムを剥離しつつ、当該切断された光学フィルム部材を前記粘着剤層を介して光学表示ユニットに貼り合わせる光学表示ユニットの製造方法であって、
前記第2キャリアフィルムを前記光学フィルム部材に貼り合わせる前に、当該第2キャリアフィルムの貼り合わせ面を表面処理することを特徴とする光学表示ユニットの製造方法。 - 前記表面処理は、プラズマ処理、オゾン処理、およびコロナ処理から選択されることを特徴とする請求項1に記載の光学表示ユニットの製造方法。
- 前記第2キャリアフィルムと光学フィルム部材は、
式f=r/E’(rは第2キャリアフィルムの剥離力(N/50mm、T剥離法)、E’は曲げ応力であり、E’=曲げ弾性率E(N/mm2、JIS K 7203試験法)×光学フィルム部材の厚みt(mm)。)
であるとき、当該式が、
f=2.0×10−4〜1.5×10−3
であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学表示ユニットの製造方法。
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