JP2010019273A - 変速機の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造によりピニオンシャフトとピニオンギアとの間に十分な潤滑油を供給することができる変速機の潤滑構造を提供する。
【解決手段】自動変速機1の潤滑構造は、キャリアプレート35の周方向縁部に設けられこのキャリアプレート35の周方向外方に向けて開いている開口部81a,81bと、この開口部81a,81bに入った潤滑油を受けるオイル受部83とを有するオイルレシーバー63と、オイル受部83内に設けられたオイル導入口79と、このオイル導入口79に連通し、ピニオンシャフト61内で延びてベアリングBに潤滑油を供給するオイルレシーバー油路65と、を備え、オイルレシーバー63は、キャリアプレート35が回転して開口部81a,81bが上方を向いているときにその周囲から垂れてきた潤滑油を受け止めて重力によってオイルレシーバー油路65に供給することが出来るようになっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、変速機の潤滑構造に関し、より具体的には、プラネタリギアを有する変速機の潤滑構造に関する。
従来から、変速機内にあるプラネタリギアの回転要素、特にピニオンギアのベアリングに潤滑油を供給して、その回転要素の回転時に生じる磨耗を防止する潤滑構造が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載された潤滑構造は、プラネタリギアのピニオンギアのピニオンシャフト内を軸線方向に延びる軸線方向油路及び軸線方向油路からピニオンシャフトのベアリングに向けて周方向に延びる周方向油路を設けるようになっている。これらの油路にはトルクコンバータ等の流体伝動装置の出力シャフトやキャリアプレート内の油路を通る潤滑油が供給されており、潤滑油は、出力シャフトやキャリアプレートが回転するときに発生する遠心力により軸線方向油路等を経てプラネタリギアのピニオンギアのベアリング等の回転要素に向けて飛散する。
特開2007−270865号公報
ところで、変速機を多段化する場合、例えばピニオンギアの回転数が他の回転要素よりも非常に高回転となることがある。そして、上述したような装置では、このような高回転には対応出来ず、ピニオンシャフトとピニオンギアとの間のベアリングに潤滑油が行き届きにくくなる、という問題があった。
また、ピニオンギアの回転数が低回転でも、ピニオンギアに連結されたキャリアプレートが停止している場合には、キャリアプレート内の流路を流れる潤滑油に遠心力が働かず、ピニオンシャフトとピニオンギアとの間のベアリングに潤滑が行き届きにくくなる、という問題があった。
これらの問題は、特にキャリアプレートが停止した際に出力シャフトより上方のベアリングで顕著となっていた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造によりピニオンシャフトとピニオンギアとの間に十分な潤滑油を供給することができる変速機の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明によれば、サンギアの周りで公転するピニオンギアと、このピニオンギアをベアリングを介して回転可能に支持しているピニオンシャフトと、このピニオンシャフトと固定されているキャリアプレートと、を有するプラネタリギアを備える変速機の潤滑構造であって、キャリアプレートの周方向縁部に設けられこのキャリアプレートの周方向外方に向けて開いている開口部と、この開口部に入った潤滑油を受けるオイル受部とを有するオイルレシーバーと、オイル受部内に設けられたオイル導入口と、このオイル導入口に連通し、ピニオンシャフト内で延びてベアリングに潤滑油を供給するオイルレシーバー油路と、を備え、オイルレシーバーは、キャリアプレートが回転して開口部が上方を向いているときにその周囲から垂れてきた潤滑油を受け止めて重力によって潤滑油をオイルレシーバー油路に供給することが出来るようになっていること、を特徴とする変速機の潤滑構造が提供される。
このような構成によれば、オイルレシーバーにより、キャリアプレートが回転してオイルレシーバーが上方を向いているときに、その周囲から垂れてきた潤滑油を受け止めることが出来るようになっており、受け止められた潤滑油がオイルレシーバー油路を通ってベアリングに供給される。従って、通常は、出力シャフトやキャリアプレート内の潤滑油が遠心力により供給されるだけであるが、本発明によれば、そのような潤滑油に加え、重力により上方から垂れてきた潤滑油も供給することが出来る。従って、例えばピニオンギアの回転数が他の回転要素よりも非常に高回転となり、或いは、ピニオンシャフトに取り付けられたキャリアプレートの回転が低回転となり或いは停止しても、ピニオンシャフトとピニオンギアとの間、及びその間にあるベアリングに十分な潤滑油を供給することが出来る。その結果、ピニオンギア、ピニオンシャフト及びベアリングの磨耗を防止したり、作動不良を防止したり、ベアリングの潤滑不良を防止することができる。さらに、キャリアプレートにオイルレシーバーを設けると共にオイルレシーバー油路を設けるだけで済むので、簡単な構造になる。
また、本発明の好ましい態様によれば、オイルレシーバーは、ピニオンギアに対応した位置に、略等間隔で複数個設けられている。
このような構成によれば、キャリアプレートがどのような状態で停止しても、少なくとも一つのオイルレシーバーが、上方から垂れてくる潤滑油を確実に受けることができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、オイル受部は、キャリアプレートの径方向内方から外方に向けて少なくとも2つに分岐し、その分岐したオイル受部はキャリアプレートの半径方向に対して斜めに延び、分岐したそれぞれのオイル受部に対して開口部が設けられている。
このような構成によれば、開口部が完全に真上を向いていない場合においても、キャリアプレートの半径方向に対して斜めに延びるオイル受け部により、開口部が、真上に対して左右いずれかの側で比較的上方に向けて開口するようになるので、上方から垂れてくる潤滑油をオイル受面によって確実に受けてオイル導入口に流し込ませることができる。
また、本発明において、好ましくは、プラネタリギアは、オイルレシーバーより外周側に設けられ、キャリアプレートの回転停止時においても回転するリングギアを有し、このリングギアの回転により飛散した潤滑油をオイルレシーバーで受けるようになっている。
このように構成された本発明においては、例えばキャリアプレートが停止しているときにおいても、リングギアはピニオンギア及びそのベアリングより外周側にあるので、そのリングギアの回転を利用して飛散した潤滑油をオイルレシーバーにより有効に受け止めて、ピニオンギア及びそのベアリングに潤滑油をより確実に供給することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、変速機は、互いに隣接して設けられるプラネタリギアを少なくとも2つ有し、オイルレシーバーは、一方のプラネタリギアの他方のプラネタリギアに対向する側のキャリアプレートに設けられ、この設けられたオイルレシーバーの外周側には、他方のプラネタリギアの所定の回転部材の回転により飛散した潤滑油を受けるために、キャリアプレートから延設されたオイルガイドが設けられている。
このように構成された本発明においては、オイルガイドを用いて、隣接するプラネタリギアの回転要素により飛散された潤滑油を受け止めることができる。そしてオイルガイドが受け止めた潤滑油は、オイルガイドをつたってオイルレシーバー内に垂れるため、ピニオンギア及びそのベアリングに潤滑油をより確実に供給することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、変速機の潤滑構造は、キャリアプレート内に設けられたキャリアプレート油路と、ピニオンシャフト内に設けられ、オイルレシーバー油路と平行に延び、キャリアプレート油路と連結されている軸線方向油路と、この軸線方向油路からピニオンシャフトの周面まで延びている径方向油路と、を有するシャフト内油路と、を備え、オイルレシーバー油路は、軸線方向油路よりも周方向内方に設けられている。
このように構成された本発明においては、オイルレシーバーの内径側端部をより内径側に設けることが可能になり、オイルレシーバーレイアウトの自由度を高めることが出来る。
このように、本発明によれば、簡単な構造によりピニオンシャフトとピニオンギアとの間に十分な潤滑油を供給することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる自動変速機1、及びその周辺部材を示すブロック図である。
自動変速機1は、例えば、オートマチックトランスミッション(AT)からなり、エンジン(図示せず)の出力軸3の出力を増幅させるトルクコンバータ5と、トルクコンバータ5の出力を複数の変速段に変速する変速機構7とを備える。そしてエンジン出力軸3の出力は、ポンプ9と、タービン11と、ステータ13とを備えるトルクコンバータ5で増幅され、出力シャフト15を介して変速機構7に入力される。
変速機構7は、互いに隣接する第1プラネタリギア17、第2プラネタリギア19、及び第3プラネタリギア21の3個のプラネタリギアを備える。この変速機構7は、各々のプラネタリギア17,19,21に含まれる回転要素の回転・停止を組み合わせることで、前進6速、及び後退速の変速段を作り出す。それぞれのプラネタリギア17,19,21は、出力シャフト15と接続可能なサンギア23,25,27と、サンギア23,25,27と噛み合うピニオンギア29,31,33と、ピニオンギア29,31,33を挟み込んで保持するキャリアプレート35,37,39と、ピニオンギア29,31,33と噛み合うリングギア41,43,45とを備える。ピニオンギア29,31,33は、ピニオンシャフト61(図3参照)に、ベアリングB(図3参照)を介して回転自在に支持され、ピニオンシャフト61は、キャリアプレート35,37,39に回転自在に取り付けられている。
また、自動変速機1は、プラネタリギア17,19,21の各回転要素と締結して回転を制御する摩擦締結要素としての、第1クラッチ47、第2クラッチ49、第1ブレーキ51、第2ブレーキ53、及び第3ブレーキ55を備える。第1クラッチ47は、第3プラネタリギア21のサンギア27と出力シャフト15とを接続し、又は切断すると共に、第2プラネタリギア19のサンギア25と出力シャフト15とを接続し、又は切断するようになっている。また、第2クラッチ49は、第2プラネタリギア19のキャリアプレート37と出力シャフト15とを接続し、又は切断するようになっている。
また、第1ブレーキ51、第2ブレーキ53、及び第3ブレーキ55は、それぞれ自動変速機1の変速機ケース57に固定された多板ブレーキからなり、回転要素と締結し、又は回転要素を解放するようになっている。具体的には、第1ブレーキ51は、第3プラネタリギア21のリングギア45、及び第2プラネタリギア19のキャリアプレート37を停止するようになっている。さらに第2ブレーキ53は、第2プラネタリギア19のリングギア43、及び第1プラネタリギア17のキャリアプレート35を停止し、第3ブレーキ55は、第1プラネタリギア17のリングギア41を停止するようになっている。また、第3プラネタリギアのリングギア45と、第2プラネタリギア19のキャリアプレート37は、ワンウェイクラッチ59によって回転方向が制限されている。
そしてこのような変速機構7では、所定の変速段を形成するために、複数の摩擦締結要素のうち、2つの摩擦締結要素に締結トルク容量を付加する。これによって各プラネタリギア17,19,21を構成する各ギアは、自転、公転、又は停止する。このとき、作動する摩擦締結要素と、変速段との関係は、表1に示すような関係となる。
Figure 2010019273
そして、このような摩擦締結要素、及び回転要素の駆動又は停止によって作り出された変速段は、カウンタドライブギア61を介して、ホイールの間に設けられた差動装置(図示せず)に出力される。
尚、本実施形態では変速機が、所謂通常のオートマチックトランスミッション(AT)であるものとして説明するが、その他に、オートメイテッドマニュアル変速機(ATM)、ツインクラッチ式の変速機、CVTやトロイダル式などの無段変速機などにおいてプラネタリギアを有する変速機が含まれる。
図2に、本実施形態による自動変速機1の断面図を示す。
図2に示すように、自動変速機1の第1プラネタリギア17、第2プラネタリギア19、及び第3プラネタリギア21が、変速機ケース57内に収容されている。変速機ケース57は、略筒状のケース本体57aと、このケース本体57aに取り付けられているエンドケース57bとを備える。そして、ケース本体57aは、一方の側に出力シャフト15が差し込まれ、他方の側にエンドケース57bが取り付けられるようになっている。そして、各プラネタリギア17,19,21が、エンドケース側から、第1プラネタリギア17、第2プラネタリギア19、及び第3プラネタリギア21の順で並んでいる。そして各々のプラネタリギア17,19,21のサンギア23,25,27が、出力シャフト15と同軸となるように配置されている。
出力シャフト15は、中空とされ、中空部には、自動変速機1用の潤滑油が流れるようになっている。そして、中空部を流れる潤滑油は、出力シャフト15の回転で生じた遠心力によって、自動変速機1内に飛散する。
図3は、本実施形態による第1プラネタリギア17近傍を拡大した断面図である。
図3に示すように、第1プラネタリギア17は、主に、サンギア23、サンギア23と噛み合っているピニオンギア29、ピニオンギア29をベアリングBを介して回転可能に支持するピニオンシャフト61が固定されると共にピニオンギア29をサンギア23の周りで公転させるキャリアプレート35、及びピニオンギア29と噛み合っているリングギア41を有している。尚、本実施形態では、5個のピニオンギア29を有するプラネタリギアを例に挙げているが、本発明によれば、ピニオンギアの個数は幾つでもよい。
ピニオンギア29の歯29aは、サンギア23の外歯23aと噛み合うようになっており、さらに、キャリアプレート35に設けられているピニオンシャフト61を軸として自転する。ピニオンギア29とピニオンシャフト61の間には、所定の間隙が設けられており、その間隙には、ベアリングBが配置されている。そして、本発明の目的は、このベアリングBが配置されたピニオンギア29とピニオンシャフト61の間に、十分な量の潤滑油を供給することにある。
ピニオンシャフト61内には、軸線方向に延びる2本の油路が設けられている。具体的には、ピニオンシャフト61内には、オイルレシーバー63から供給された潤滑油を、ピニオンシャフト61の周面に供給するオイルレシーバー油路65と、変速機ケース57の壁内に設けられたケース内油路67、及びキャリア内油路69を通って供給された潤滑油を、ピニオンシャフト61の周面に供給するシャフト内油路71と、が設けられている。
先ず、シャフト内油路71は、キャリア内油路69と連結されている軸線方向油路71aと、この軸線方向油路71aからピニオンシャフト61の周面まで延びている径方向油路71bとを有する。シャフト内油路71は、変速機ケース57の壁内に設けられているケース内油路67、及びキャリアプレート35内に設けられたキャリア内油路69を通って供給された潤滑油を、ピニオンギア29とピニオンシャフト61との間のベアリングBに供給するようになっている。ケース内油路67は、油圧制御装置(図示せず)を介して、オイルポンプ(図示せず)と接続されている。
また、ケース内油路67は、軸受部材73に設けられた孔73aを介して、キャリア内油路69と連結している。そして、ケース内油路67の端部と軸受部材73との間には、キャリア35の周方向に延びている油溝77が設けられている。また、キャリア内油路69は、キャリア35の内部を通ってシャフト内油路71と連結している。そしてケース内油路67を流れている潤滑油は、オイルポンプの圧力によって軸受部材73を介してキャリア内油路69に流れる。そしてキャリア内油路69の潤滑油は、キャリア35の回転で生じる遠心力によってシャフト内油路71に到達する。
次に、オイルレシーバー油路65は、オイル導入口79と連通し、ピニオンシャフト61内で延びてベアリングBに潤滑油を供給する。このオイルレシーバー油路65は、オイル導入口79から、軸線方向に延びている第1油路65aと、この第1油路65aからピニオンシャフト61の周面まで延びている第2油路65bとを有する。ここで、ピニオンシャフト61は、キャリアプレート35に固定されており、このキャリアプレート35は、隣接する第2プラネタリギア19のリングギア43と固定されている。そして、上述したように、第2速又は第6速において第2ブレーキ53が作動すると、キャリアプレート35は停止する。そしてキャリアプレート35が停止すると、ピニオンギア29は、サンギア23周りの公転を停止して、リングギア41、又はサンギア23の回転によって自転する。
オイルレシーバー油路65は、このような場合であっても、ピニオンギア29とピニオンシャフト61の間に十分な量の潤滑油を供給できるようになっている。第1油路65aの一端に設けられているオイル導入口79は、キャリアプレート35の表面に露出しているピニオンシャフト61の端部に設けられている。そして、オイル導入口79は、上方からの潤滑油を受けることができるオイルレシーバー63によって覆われている。そしてオイルレシーバー63内に流れ込んだ潤滑油は、オイル導入口79からピニオンシャフト61内の第1油路65a、及び第2油路65bを通じて、ピニオンギア29とピニオンシフト61との間に流れ出る。これにより、ピニオンギア29とピニオンシャフト61との間及びベアリングBに潤滑油が供給される。
図4に、本実施形態によるキャリアプレート35の立面図を示す。
同図に示すように、複数のオイルレシーバー63a,63b,・・・,63eが、キャリアプレート35の周方向縁部近傍に沿って設けられている。オイルレシーバー63a,63b,・・・,63eは、キャリアプレート35の円板面35aの縁部35bの近傍に設けられており、ピニオンシャフト61及びピニオンギア29に対応した位置に略等間隔に配置されている。尚、同図では、一例として、ピニオンギアの数と対応させて、5個のオイルレシーバー63a,63b,・・・,63eを図示しているが、オイルレシーバーの数はこれに限られるものではない。
オイルレシーバー63aは、キャリアプレート35が停止してキャリアプレート35の回転軸Xよりも上方にある場合に、上方から垂れてくる潤滑油を受け入れられるようになっている。図5に、本実施形態によるオイルレシーバー63aの拡大斜視図を示す。オイルレシーバー63aは、キャリアプレート35の周方向外方に向けて開いた開口部81a,81bと、開口部に入った潤滑油を受けるオイル受部83と、オイル受面85a,85bとを有する。
オイル受部83は、2つに分岐されて、略V字形に形成されており、分岐したオイル受部83は、キャリアプレート35の半径方向に対して斜めに延びている。そして、その分岐したオイル受部83は、各々キャリアプレート35の半径方向に対して斜めに延び、分岐したそれぞれのオイル受部83に対して開口部81a,81bが設けられる構成となっている。
さらに、開口部81a,81bは、キャリアプレート35の縁部に沿って設けられている。ここで、同図では、オイル受面85a,85bを有するオイルレシーバーの例を示しているため、開口部が中間で2つに分岐されて、開口部81aと開口部81bを形成しているが、オイル受面85a,85bを設けない場合には、1個の開口部を、キャリアプレート35の縁部に沿って連続的に開口させるようにしてもよい。
そしてオイル受部83の側壁83aは、その一端が開口部81aの外方の、他端が開口部81bの外方の縁をなすようになっている。そして、側壁83aの中央部は、キャリアプレート35の径方向と鋭角な角度で、その端部から、キャリアプレート35におけるオイル導入口79よりも周方向内方まで延びている。そして、キャリアプレート35の上方から垂れて側壁83aによって受けられた潤滑油は、側壁83aをつたって、オイル受部83内に設けられたオイル導入口79の方向へ流れる。
オイル受面85a,85bは、連続的に形成され、略V字形に形成されている。そして、オイル受面85aの一端は、オイル導入口79よりも周方向外方に位置する。そしてオイル受面85aは、その他端が側壁83aの一端に近接するように、キャリアプレート35の径方向に対して鋭角な角度で、オイル導入口79よりも周方向外方からキャリアプレート35の縁部近傍まで延びている。さらにオイル受面85bの一端は、オイル導入口79よりも周方向外方に位置し、オイル受面85bは、その他端が側壁83aの他端に近接するように、キャリアプレート35の径方向に対して鋭角な角度で、オイル導入口79よりも周方向外方からキャリアプレート35の縁部近傍まで延びている。そして側壁83aとオイル受面85a,85bとの間には、正面壁83bが渡されており、側壁83aとオイル受面85a,85bによって潤滑油の流路が形成されるようになっている。この正面壁83bは、オイル導入口79近傍において、キャリアプレート35の円板面35aの方向に傾斜しており、潤滑油を導入口79の方向に導くようになっている。
このようなオイルレシーバー63によれば、図4に示すように、キャリアプレート35の頂部と、キャリアプレート35の回転軸Xとの間の高さに位置しているオイルレシーバー63b、又は63eは、上から垂れてきた潤滑油をオイル受面85a,85bによって受け、オイル受部83内に流し込める。
尚、本実施形態では、オイルレシーバー63を2つに分岐してオイル受面を2面備えた構成としたが、オイル受面の数は、2面に限られるものではなく、オイル受面の数は、幾つでもよい。
上述のように、自動変速機1が2速又は6速の変速段を形成しているときには、キャリアプレート35は、第2ブレーキ53によって停止させられている。そしてキャリアプレート35が停止しているときは、ケース内油路67から流れ出ている潤滑油は、図4の矢印B1,B2で示すように、油溝77よりも上方には、殆ど流れず、油溝77に到達した潤滑油は、重力によって下方にあるピニオンシャフト61の方向に垂れる。そしてこのような場合には、自転しているピニオンギア29の潤滑油が不足する。しかしながら本発明の潤滑構造によれば、油溝77よりも上方にあるピニオンシャフト61には、リングギア41の回転によって汲み上げられ、飛散した潤滑油が、対応するオイルレシーバー63から供給されるため、十分な量の潤滑油を、ピニオンギア29に供給することができる。
次に本発明の第2の実施形態について、詳細に説明する。
第2の実施形態による潤滑構造は、オイルレシーバーの位置が第1の実施形態とは異なり、他の部分の構造は第1実施形態と同様である。ここでは、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図6は、第2の実施形態にかかる潤滑構造の断面図である。同図に示すように、オイルレシーバー101は、第2プラネタリギア19の側に設けられている。そして第2プラネタリギア19のリングギア43には、第1プラネタリギア17の方向に延設されているオイルガイド103が設けられている。
オイルガイド103は、キャリアプレート35の回転方向に所定の幅を有しており、一端はリングギア43と固定され、他端はキャリアプレート35と固定されている。そして、第2プラネタリギア19のピニオンギア31、リングギア43等によって飛散された潤滑油が、オイルガイド103をつたってオイルレシーバー101内に流れ、さらにオイルレシーバー油路105の軸線方向油路105aと径方向油路105bを通って、ピニオンギア29とピニオンシャフト61との間のベアリングBに流れる。
このように、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態によれば、ピニオンギア29とピニオンシャフト61との間に、十分な量の潤滑油を供給することができる。
本発明の各実施形態による作用を説明する。
先ず、本発明の実施形態によれば、オイルレシーバー63により、キャリアプレート35が回転してオイルレシーバー63が上方を向いているときにその周囲から垂れてきた潤滑油を受け止めることが出来るようになっており、受け止められた潤滑油がオイルレシーバー油路65を通ってベアリングBに潤滑油が供給される。従って、通常は、出力シャフト15やキャリアプレート35内の潤滑油が遠心力により供給されるだけであるが、本発明の実施形態によれば、そのような潤滑油に加え、上方から垂れてくる潤滑油も供給することが出来る。従って、例えばピニオンギア29の回転数が他の回転要素よりも非常に高回転となり、或いは、ピニオンシャフト61に取り付けられたキャリアプレート35の回転が低回転となり或いは停止しても、ピニオンシャフト61とピニオンギア29との間及びその間にあるベアリングBに十分な潤滑油を供給することが出来、その結果、ピニオンギア29、ピニオンシャフト61及びベアリングBの磨耗を防止したり、作動不良を抑制したり、ベアリングBの潤滑不良を防止することができる。これらの作用は、特に、重力により潤滑油が行き届きにくい、キャリアプレート35が停止した際に出力シャフト15より上方にあるピニオンギア29及びベアリングBで有効である。さらに、キャリアプレート35にオイルレシーバー63を設けると共にオイルレシーバー油路65を設けるだけで済むので、簡単な構造になる。
また、キャリアプレート35がどのような状態で停止しても、少なくとも一つのオイルレシーバー63が、上方から垂れてくる潤滑油を確実に受けることができる。
さらに、開口部81が完全に真上を向いていない場合においても、キャリアプレート35の半径方向に対して斜めに延びるオイル受け部83により、開口部81が、真上に対して左右いずれかの側で比較的上方に向けて開口するようになるので、上方から垂れてくる潤滑油をオイル受面によって、確実に受けてオイル導入口に流し込ませることができる。
さらに、例えばキャリアプレート35が停止しているときにおいても、リングギア41等はピニオンギア29及びそのベアリングBより外周側にあるので、そのリングギア41等の回転を利用して飛散した潤滑油をオイルレシーバー63により有効に受け止めて、ピニオンギア29及びそのベアリングBに潤滑油をより確実に供給することが出来る。
さらに、オイルガイド103を用いて、隣接するプラネタリギア(第2プラネタリギア19)の回転要素により飛散された潤滑油をオイルレシーバー63により有効に受け止めて、ピニオンギア29及びそのベアリングBに潤滑油をより確実に供給することが出来る。
さらに、第2プラネタリギア19のリングギア43の回転によって汲み上げられ、飛散した潤滑油を、オイルガイド103をつたってオイルレシーバー63に流し込ませることができる。すなわち、このような構成によっても、ピニオンシャフト61とピニオンギア29との間に十分な潤滑油を供給して、ピニオンギア29とピニオンシャフト61の磨耗を防止することができる。
さらに、オイルレシーバー63の内径側端部をより内径側に設けて、オイルレシーバー63のレイアウトの自由度を高めることが出来る。
第1の実施形態にかかる自動変速機、及びその周辺部材を示すブロック図である。 本発明の実施形態による自動変速機の断面図である。 本発明の実施形態による第1プラネタリギアの拡大断面図である。 本発明の実施形態によるキャリアプレートの立面図である。 本発明の実施形態によるオイルレシーバーの拡大斜視図である。 第2の実施形態にかかる潤滑構造の断面図である。
符号の説明
1 自動変速機
23 サンギア
29 ピニオンギア
35 キャリアプレート
61 ピニオンシャフト
63 オイルレシーバー
65 オイルレシーバー油路
71 オイル導入口
81 開口部
83 オイル受部

Claims (6)

  1. サンギアの周りで公転するピニオンギアと、このピニオンギアをベアリングを介して回転可能に支持しているピニオンシャフトと、このピニオンシャフトと固定されているキャリアプレートと、を有するプラネタリギアを備える変速機の潤滑構造であって、
    前記キャリアプレートの周方向縁部に設けられこのキャリアプレートの周方向外方に向けて開いている開口部と、この開口部に入った潤滑油を受けるオイル受部とを有するオイルレシーバーと、
    前記オイル受部内に設けられたオイル導入口と、
    このオイル導入口に連通し、前記ピニオンシャフト内で延びて前記ベアリングに潤滑油を供給するオイルレシーバー油路と、を備え、
    前記オイルレシーバーは、前記キャリアプレートが回転して前記開口部が上方を向いているときにその周囲から垂れてきた潤滑油を受け止めて重力によって潤滑油を前記オイルレシーバー油路に供給することが出来るようになっていること、
    を特徴とする変速機の潤滑構造。
  2. 前記オイルレシーバーは、前記ピニオンギアに対応した位置に、略等間隔で複数個設けられている、
    請求項1に記載の変速機の潤滑構造。
  3. 前記オイル受部は、前記キャリアプレートの径方向内方から外方に向けて少なくとも2つに分岐し、その分岐したオイル受部は前記キャリアプレートの半径方向に対して斜めに延び、分岐したそれぞれのオイル受部に対して前記開口部が設けられている、
    請求項1又は請求項2の何れかの項に記載の変速機の潤滑構造。
  4. 前記プラネタリギアは、前記オイルレシーバーより外周側に設けられ、前記キャリアプレートの回転停止時においても回転するリングギアを有し、このリングギアの回転により飛散した潤滑油を前記オイルレシーバーで受けるようになっている、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  5. 前記変速機は、互いに隣接して設けられるプラネタリギアを少なくとも2つ有し、
    前記オイルレシーバーは、一方のプラネタリギアのキャリアプレートにおける、他方のプラネタリギアに対向する側に設けられ、
    この設けられたオイルレシーバーの外周側には、他方のプラネタリギアの所定の回転部材の回転により飛散した潤滑油を受けるために、前記キャリアプレートから延設されたオイルガイドが設けられている、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  6. 前記キャリアプレート内に設けられたキャリアプレート油路と、
    前記ピニオンシャフト内に設けられ、前記オイルレシーバー油路と平行に延び、前記キャリアプレート油路と連結されている軸線方向油路と、
    この軸線方向油路から前記ピニオンシャフトの周面まで延びている径方向油路と、を有するシャフト内油路と、を備え、
    前記オイルレシーバー油路は、前記軸線方向油路よりも周方向内方に設けられている、
    請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の変速機の潤滑構造。
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