JP2010013531A - フォトレジスト用樹脂の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精製前のフォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液中に含まれる、樹脂の重合の際に副生したオリゴマーや低分子量のポリマー、目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマーを効果的に除去することができ、分子量分布が狭く且つ残留金属濃度の低いフォトレジスト用樹脂を得ることができるフォトレジスト用樹脂の精製方法を提供する。
【解決手段】本フォトレジスト用樹脂の精製方法は、フォトレジスト用樹脂と溶剤とを含有する樹脂溶液におけるフォトレジスト用樹脂の精製を、カラムクロマトグラフィー(充填剤;例えば、シリカゲル等の無機材料)により行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、フォトレジスト用樹脂の精製方法に関する。更に詳しくは、本発明は、精製前のフォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液中に含まれる、樹脂の重合の際に副生したオリゴマーや低分子量のポリマー、目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマーを効果的に除去することができ、分子量分布が狭く且つ残留金属濃度の低いフォトレジスト用樹脂を得ることができるフォトレジスト用樹脂の精製方法に関する。
半導体素子や液晶表示素子の製造において、リソグラフィ技術の進歩により、急速に微細化が進行している。微細化するための方法としては、例えば、露光光の短波長化や、液浸露光法の利用が挙げられる。ところが、このような微細化方法において、従来のレジスト材料を使用した場合、形成されるレジストパターン表面に欠陥(ディフェクト)が生じやすいという問題がある。尚、「ディフェクト」とは、現像後のレジストパターンを上部から観察した際に検知される不具合全般のことをいう。
そして、近年では、更に高解像度のパターンニングが要求されるようになり、ディフェクトを無視することができなくなってきており、その改善が試みられている。このディフェクト要因には、フォトレジスト用樹脂を含有する溶液中に、樹脂の重合の際に副生するオリゴマーや低分子量のポリマー、目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマー、精製工程等の際に使用される薬品、装置、配管及びバルブ等から混入するゴミ、微粒子、金属成分等といった固形状の異物が存在することが挙げられる。
従って、前記樹脂を製造する際には、これらの不純物を除去する精製工程が必要であり、従来より、再沈殿による樹脂の精製工程を備える樹脂の製造方法や精製方法が各種知られている(例えば、特許文献1等参照)。更に、ディフェクト要因を除去する方法としては、レジスト用粗樹脂を活性炭及び珪藻土類と接触させる方法(特許文献2参照)等が提案されている。
特開2005−132974号公報 特開2006−126818号公報
しかしながら、前述のような方法を用いた場合、レジスト用樹脂の重合の際に副生するオリゴマーや低分子量のポリマー等の低分子量成分を除去することはできるが、目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマーを効果的に除去することはできず、前記ディフェクト発生の抑制効果が十分であるとはいえないのが現状である。
また、急速に微細化が進行している半導体素子や液晶表示素子の製造分野等においては、前記ディフェクト発生の抑制効果の更なる向上が求められている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、精製前のフォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液中に含まれる、樹脂の重合の際に副生したオリゴマーや低分子量のポリマー(低分子量成分)、目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマー(高分子量成分)を効果的に除去することができ、分子量分布が狭く且つ残留金属濃度の低いフォトレジスト用樹脂を得ることができるフォトレジスト用樹脂の精製方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、通常、再沈殿等の沈殿操作により精製が行われているフォトレジスト用樹脂の精製度合いをより向上させるために種々の精製方法を検討した。そして、鋭意検討の結果、フォトリソグラフィ分野においては金属成分混入の原因となると考えられている無機材料等の充填剤を充填して使用するカラムクロマトグラフィーにより樹脂の精製を行った場合に、意外にも、残留金属濃度を十分に低減することができると共に、低分子量成分及び高分子量成分を効果的に除去することができ、且つ分子量分布の狭い樹脂を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のとおりである。
[1]フォトレジスト用樹脂と溶剤とを含有する樹脂溶液における該フォトレジスト用樹脂の精製を、カラムクロマトグラフィーにより行うことを特徴とするフォトレジスト用樹脂の精製方法。
[2]前記カラムクロマトグラフィーに用いられる充填材が、無機材料である上記[1]に記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
[3]前記カラムクロマトグラフィーに用いられる充填材が、シリカゲルである上記[1]に記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
[4]前記カラムクロマトグラフィーに用いられる展開溶媒が、前記樹脂溶液に含まれる溶剤と同一である上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
本発明のフォトレジスト用樹脂の精製方法によれば、カラムクロマトグラフィーを用いているため、精製前のフォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液中に含まれる低分子量成分や高分子量成分を効果的に除去することができ、且つ残留金属濃度の低いフォトレジスト用樹脂を得ることができる。更には、所望の分子量の樹脂を含有するフラクション(画分)のみ選定することができるため、分子量分布の狭いフォトレジスト用樹脂を得ることができる。そのため、このように精製されたフォトレジスト用樹脂を用いることで、ディフェクト要因の少ないフォトレジスト用樹脂含有溶液を容易に得ることができ、レジスト性能をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のフォトレジスト用樹脂の精製方法は、フォトレジスト用樹脂と溶剤とを含有する樹脂溶液における該フォトレジスト用樹脂(精製前のフォトレジスト用樹脂)の精製を、カラムクロマトグラフィーにより行うことを特徴とする。
本発明の精製に用いられる前記カラムクロマトグラフィーの種類は特に限定されない。具体的には、例えば、オープンカラムクロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィー、HPLC(High performance liquid chromatography)、GPC(Gas permeation chromatography)、イオン交換カラムクロマトグラフィー等が挙げられる。
前記カラムクロマトグラフィーに用いられる充填剤しては、無機材料を用いても有機材料を用いてもよく、金属含量の少ないものを用いることが好ましい。
前記無機材料としては、例えば、シリカゲル、化学修飾シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。
また、前記有機材料としては、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
これらの充填剤のなかでも、低分子成分と高分子成分をより高い分離能で分離させることができるという観点から、無機材料であることが好ましく、特にシリカゲルが好ましい。
前記充填剤がシリカゲルである場合、このシリカゲルの平均粒径は、10〜600μmであることが好ましく、より好ましくは20〜500μm、更に好ましくは25〜400μmである。尚、この平均粒径は、粒度分布測定装置(製品名「LASENTEC S400」)により測定することができる。
また、シリカゲルの細孔容積は、0.7〜1.8mL/mLであることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.5mL/mL、更に好ましくは1.0〜1.3mL/mLである。尚、この細孔容積は、自動比表面積/細孔分布測定装置(製品名「トライスター3000」)により測定することができる。
また、シリカゲルの比表面積は、300〜2000m/gであることが好ましく、より好ましくは400〜1500m/g、更に好ましくは500〜1000m/gである。尚、この比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置(製品名「トライスター3000」)により測定することができる。
前記カラムクロマトグラフィーにおいて、前記充填剤により形成されるカラムの高さ(固定相の長さ)は特に限定されないが、通常、100〜7000mmであり、好ましくは150〜6000mm、更に好ましくは200〜5000mmである。このカラム高さが100〜7000mmである場合には、低分子量成分及び高分子量成分を効果的に除去することができ、且つ展開溶剤の量を最小限に抑えることができるため好ましい。
また、前記カラムの径(固定相の径)は特に限定されないが、通常、10〜800mmであり、好ましくは15〜600mm、更に好ましくは20〜500mmである。このカラム径が10〜800mmである場合には、一度に大量のポリマー溶液を、効率的に精製処理することができるため好ましい。
前記カラムクロマトグラフィーに用いられる展開溶剤は、精製前の樹脂溶液の成分や前記充填剤の種類等によって適宜選定される。具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。特に、この展開溶剤は、精製前の樹脂溶液に含まれる溶剤と同一であることが好ましい。
尚、これらの展開溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記展開溶剤の毎分当たりの流量(線速度、cm/分)は、0.1〜12.0cm/分であることが好ましく、より好ましくは0.15〜10.0cm/分、更に好ましくは0.2〜8.0cm/分である。
また、前記カラムクロマトグラフィーによる精製工程は、5〜80℃で行うことが好ましく、より好ましくは10〜60℃、更に好ましくは15〜50℃である。
本発明におけるフォトレジスト用樹脂(精製前)と溶剤とを含有する前記樹脂溶液は、例えば、重合性化合物を溶剤の存在下で重合させる工程により調製することができる。
前記重合性化合物としては、通常、レジスト形成用の感放射線性樹脂組成物、多層レジストにおける上層膜や下層膜(反射防止膜等)を形成するための樹脂組成物等のフォトリソグラフィに使用される樹脂組成物に含まれるフォトレジスト用樹脂(重合体)の製造に用いられるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(単量体)を挙げることができる。
ここで、例えば、レジスト形成用のポジ型感放射線性樹脂組成物に含まれる重合体は、少なくとも、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる化学構造を有する繰り返し単位、より具体的には、非極性置換基が酸によって解離してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する化学構造を有する繰り返し単位(1)と、半導体基板等の基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(2)とを必須成分としており、必要に応じて、溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(3)を含んで構成されている。
前記酸によって分解してアルカリ可溶性となる繰り返し単位(1)は、従来レジストとして一般的に用いられている化学構造を意味し、酸によって分解してアルカリ可溶性になる化学構造を有する単量体を重合させるか、或いは、アルカリ可溶性の化学構造を有する単量体を重合させた後、アルカリ可溶性の化学構造におけるアルカリ可溶性基を有する置換基(アルカリ可溶性基)を、アルカリに溶解せず酸によって解離する基(酸解離性保護基)で保護することにより得ることができる。
酸によって分解してアルカリ可溶性になる化学構造を有する単量体としては、アルカリ可溶性置換基を含有する重合性化合物に、酸解離性保護基が結合した化合物を挙げることができ、例えば、非極性の酸解離性保護基で保護されたフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等のヒドロキシスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、2−トリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカルボン酸類;p−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)スチレン、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアクリレート、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルトリフルオロメチルアクリレート、5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)メチル−2−ノルボルネン等のヒドロキシフルオロアルキル基を有する重合性化合物等が挙げられる。
また、前記酸解離性の保護基としては、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基等の含酸素炭化水素基等が挙げられる。
アルカリ可溶性の化学構造を有する単量体を重合させた後、アルカリ可溶性の化学構造におけるアルカリ可溶性基を、酸解離性保護基で保護する場合は、前記のアルカリ可溶性基を有する化合物をそのまま重合反応に用い、その後、酸触媒のもとでビニルエーテルやハロゲン化アルキルエーテル等のアルカリに溶解しない置換基を与える化合物と反応させることにより、酸解離性保護基を導入することができる。反応に用いる酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、強酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。
また、基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(2)を与える単量体としては、例えば、極性基としてフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物等を挙げることができ、具体的には、例えば、アルカリ可溶性基を含有する重合性化合物として前記説明したヒドロキシスチレン類やエチレン性二重結合を有するカルボン酸類、ヒドロキシフルオロアルキル基を有する重合性化合物、及び、これらに更に極性基が置換した単量体のほか、ノルボルネン環、テトラシクロドデセン環等の脂環構造に極性基が結合した単量体等を挙げることができる。
置換基として繰り返し単位(2)に導入される前記極性基としては、ラクトン構造を含むものが特に好ましく、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン等のラクトン構造を含む置換基が挙げられる。
また、ラクトン構造以外の極性基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基等のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
更に、必要に応じて含有される、レジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(3)を与える単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデン等のエチレン性二重結合を有する芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメチルアクリル酸、ノルボルネンカルボン酸、2−トリフルオロメチルノルボルネンカルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカルボン酸に酸安定性非極性基が置換したエステル化合物;ノルボルネン、テトラシクロドデセン等のエチレン性二重結合を有する脂環式炭化水素化合物等が挙げられる。
また、前記カルボン酸にエステル置換する酸安定性非極性置換基の例としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、2−アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基等が挙げられる。
これらの単量体は、繰り返し単位(1)、(2)及び(3)のそれぞれにおいて、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト形成用のポジ型感放射線性樹脂組成物に含まれる重合体中の各繰り返し単位の組成比は、レジストとしての基本性能を損なわない範囲で選択することができる。即ち、一般に、繰り返し単位(1)は10〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜60モル%である。また、繰り返し単位(2)の組成比は30〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜90モル%であるが、同一の極性基を有する単量体単位については、70モル%以下とすることが好ましい。更に、繰り返し単位(3)の組成比は、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは40モル%以下である。
一方、多層レジストにおける上層膜や下層膜(反射防止膜等)を形成するための樹脂組成物に含まれる重合体は、前述のレジスト形成用のポジ型感放射線性樹脂組成物に含まれる重合体の化学構造から、酸で分解してアルカリ可溶性になる繰り返し単位(1)を除いた化学構造のポリマーが使用される。重合体中の各繰り返し単位の組成比は特に限定されず、塗膜の使用目的により適宜調整される。一般には、繰り返し単位(2)の組成比は10〜100モル%の範囲から選択され、繰り返し単位(3)の組成比は0〜90モル%の範囲から選択される。
更に、前記多層レジストにおける上層膜や下層膜を反射防止膜として使用する場合には、前記重合体は、架橋点と、フォトリソグラフィにおいて照射される放射線を吸収する化学構造とを含む必要があり、架橋点としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の、エステル結合やウレタン結合等により架橋可能な反応性の置換基が挙げられる。架橋点となる反応性置換基を含有する単量体としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類の他、これまで例示してきた重合性化合物に前記水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の反応性置換基が置換した単量体を適宜用いることができる。
放射線を吸収する化学構造は、使用する放射線の波長により異なるが、例えばArFエキシマレーザー光に対しては、ベンゼン環及びその類縁体を含む化学構造が好適に用いられる。この様な化学構造を含む単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン等のスチレン類及びその誘導体;置換又は非置換のフェニル(メタ)アクリレート、置換又は非置換のナフタレン(メタ)アクリレート、置換又は非置換のアントラセンメチル(メタ)アクリレート等のエチレン性二重結合を有する芳香族含有エステル類等が挙げられる。この放射線を吸収する化学構造を有する単量体は、極性基の有無により前記繰り返し単位(2)又は(3)のどちらとして導入されてもよいが、放射線を吸収する化学構造を有する単量体としての組成比は10〜100モル%の範囲から選択されることが好ましい。尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
また、前記重合性化合物の重合方法は特に限定されず、溶液重合等の公知の方法を用いることができる。
前記フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液は、例えば、重合開始剤を使用し、更には必要に応じて連鎖移動剤を使用し、前述の重合性化合物(即ち、重合性不飽和単量体)を適当な溶媒中で重合させることにより得ることができる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート等の有機過酸化物等のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、4,4−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メルカプトブタン等のチオール化合物を挙げることができる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記重合開始剤及び連鎖移動剤の使用量は、重合反応に用いる原料モノマー(重合性化合物)や重合開始剤、連鎖移動剤の種類、重合温度、重合溶剤、重合方法、精製条件等の製造条件により適宜調整することができる。
一般に、重合体の重量平均分子量が高すぎると、塗膜形成時に使用される溶媒やアルカリ現像液への溶解性が低くなる傾向にある。一方、重量平均分子量が低すぎると、塗膜性能が悪くなる傾向にある。そのため、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)は、2000〜40000の範囲になるよう調整することが好ましく、より好ましくは3000〜30000である。
また、重合反応に用いられる溶剤(重合溶剤)としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶剤の使用量は特に限定されないが、通常、単量体1質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。溶剤の使用量が少なすぎる場合には、単量体が析出したり高粘度になりすぎて重合系を均一に保てなくなったりするおそれがある。一方、溶剤の使用量が多すぎる場合には、原料モノマーの転化率が不十分であったり、得られる重合体の分子量を所望の値まで高めることができなかったりするおそれがある。
また、前記重合における反応条件は特に限定されないが、反応温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃である。また、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
このようにして得られる樹脂溶液の濃度(固形分濃度)は、1〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
[1]フォトレジスト用樹脂(精製前)を含有する樹脂溶液の調製
5000mLのジムロート管のある三口フラスコに、重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)865gをいれて十分に窒素置換した後、スリーワンモーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。その後、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(NLM)355g、及び2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(MAdMA)470gをMEK1680gに溶かした溶液と、アゾビスイソブチロニトリル14.8gをMEK74gに溶かした溶液と、をそれぞれ滴下漏斗により3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間熟成した後、室温まで冷却して、樹脂溶液を調製した。
高速液体クロマトグラフィを用いて測定した結果、モノマーの転化率は90%であった。また、得られた樹脂について、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.73であった。
尚、本実施例におけるMw及びMnは、以下のように測定した値である。
東ソー(株)製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
[2]フォトレジスト用樹脂の精製
(実施例1)
前記[1]で得られた樹脂溶液80g(樹脂濃度;約25質量%)を、シリカゲル(ムロマチテクノス社製、商品名「Muromac 60」、粒度範囲;100〜200μm、見掛密度;0.35〜0.45g/mL、水分含有率;15.0%以下、比表面積;650〜750m/g、細孔容積;1.05〜1.25mL/mL、最頻度半径;55〜75Å、pH;5.0〜7.0)が充填剤として充填されたオープンカラム管(カラム高さ;1000mm、カラム径;30mm)の上部に仕込んだ。次いで、カラム管の上端より、展開溶剤(溶離液)としてMEKを8.3mL/分の流量で連続して流し、口径0.5μmのメンブレンフィルターを介して、カラム下端より処理液を採取した。尚、初期溶出液200gは廃棄し、その後に溶出した溶出液150gを実施例1の樹脂溶液として採取した。
また、高速液体クロマトグラフィを用いて測定した結果、採取した樹脂溶液に含まれる樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.1質量%であった。更に、精製樹脂の分子量分布は1.42であった。
(比較例1)
前記[1]で得られた樹脂溶液80g(樹脂濃度;約25質量%)にメタノール400gを加えて再沈殿を実施した。得られた凝集物を濾過した後、回収し、更にメタノール80gを用いて洗浄(リパルプ)する操作を2回繰り返し、樹脂溶液を精製した。この際、精製に使用した溶剤(メタノール)の全量は560gであった。また、高速液体クロマトグラフィを用いて測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.1質量%であった。更に、精製樹脂の分子量分布は1.45であった。
[3]実施例の評価(残留金属濃度)及びその結果
前記[2]で得られた実施例1及び比較例1の各樹脂溶液(精製後)について、樹脂濃度が25質量%となるまでエバポレーターを用いてメチルエチルケトンを減圧留去し、ICP−MS(使用機器:Perkin Elmer ELAN DRC plus)を用いて、表1に示す種類の残留金属濃度を測定した。その結果を表1に併記する。
尚、樹脂溶液中の樹脂分を半導体レジストとして使用する際には、各残留金属の濃度が通常10ppb以下に低減されていることが好ましい。
Figure 2010013531
表1によれば、カラムクロマトグラフィーにより精製を行った実施例1の樹脂溶液では、意外にも残留金属濃度を低く抑えることができることが確認できた。また、カラムクロマトグラフィーにより、所定のフラクション(目的の分子量の樹脂が含有された画分)を選択することができ、樹脂の重合の際に副生したオリゴマーや低分子量のポリマー等の低分子量成分、及び目的とする重量平均分子量よりも高分子量のポリマーを効果的に除去することができ、分子量分布の狭い樹脂が得られた。
これに対して、再沈殿により精製を行った比較例1の樹脂溶液では、沈殿溶媒として使用したメタノール中の金属成分がポリマー中に混入してしまい、残留金属濃度が高かった。また、再沈殿による精製では、低分子量成分は除去されるが、目的よりも高分子量のポリマーを除去することはできないため、精製樹脂の分子量分布が実施例1よりも大きかった。

Claims (4)

  1. フォトレジスト用樹脂と溶剤とを含有する樹脂溶液における該フォトレジスト用樹脂の精製を、カラムクロマトグラフィーにより行うことを特徴とするフォトレジスト用樹脂の精製方法。
  2. 前記カラムクロマトグラフィーに用いられる充填材が、無機材料である請求項1に記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
  3. 前記カラムクロマトグラフィーに用いられる充填材が、シリカゲルである請求項1に記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
  4. 前記カラムクロマトグラフィーに用いられる展開溶媒が、前記樹脂溶液に含まれる溶剤と同一である請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の精製方法。
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