JP2009533232A - 切刃保持体及びフライスカッタヘッド - Google Patents

Abstract

フライスカッタヘッドに固定するための切刃保持体であって、シャフト形のピンと、切削面と逃げ面とから形成された副切刃縁を備えた切刃が内部に溶接されたヘッドとから成る形式のものに関する。
本発明によれば前記副切刃縁に隣接しかつ逃げ面の上に配置された面取り部が外方へそれぞれ０に減少する面取り部幅で設けられている。

Description

本発明はフライスカッタヘッドに固定するための切刃保持体であって、シャフト状のピンと、切削面と逃げ面とによって形成された副切刃縁を有する切刃が内部にろう付けされたヘッドとから成る形式のものに関する。

さらに本発明は基体の切欠きに挿入された複数の切刃保持体を有し、該切刃保持体に各切刃がろう付けされており、該切刃保持体がそれぞれ楔体を介して軸方向に調節可能でかつクランプエレメントによってフライスヘッドに固定可能である形式のフライスヘッドに関する。

前記形式のフライスヘッドは原理的にはＤＥ４００３８６２号明細書によって公知である。切刃保持体のための切欠きは当該明細書に記載したカッタヘッドの場合にはその基体の一方の端面からその回転軸線に対し平行に、周面から間隔をおいて延びている。この場合には使用されたカッタブレードの切刃は基体の端面を越えてわずかにしか突出していない。さらに緊締に役立つ円形楔の軸線はそれぞれカッタブレードを保持するカッタブレード保持体の軸線に対し傾いて位置している。さらにそれぞれ別の円形楔が各カッタブレードを軸方向で調節するためにディファレンシャルねじと共に設けられ、基体の周面から半径方向内方へ延びる切欠き内に配置されている。軸方向の調節と軸方向で外方に向けられた緊締とのためには幾何学的に同じ円形楔が使用される。このカッタヘッドの利点はカッタブレード保持体を受容する切欠きの位置が基体の回転軸に対して平行であることに基づき軸方向のコンポーネントなしで半径方向に向けられた遠心力しか発生しないことである。この力は、切欠きが基体の外周に直接的に存在するのではなく、外周から間隔をおいて半径方向内方へ位置しているので良好に受止めることができる。したがってこのカッタヘッドはきわめて高い回転数とその際に生じる遠心力とのためにも適している。有利な形式で、半径方向のコンポーネントとの重畳なしでカッティングエレメントの微調節が軸受方向で可能である。

公知技術では自動車のクランク軸は研削又はベルト研削で仕上げ加工され、その際に研削が必要性に基づき冷却潤滑材を使用して実施されていたのに対し、適当なフライス工具の開発に基づきクランク軸の研削はフライス加工法によって交替されるようになった。クランク軸の構成形態に基づき偏心的な工具の設置で軸方向の送りのない、直角な回転フライスが使用される。この場合には工具は支承座の付与形態に基づき工具副切刃だけによって生ぜしめられる下降運動を実施する。この場合には工作物に対して工具は、副切刃の作用の間、支承座の全頂線がカバーされることが保証されるように当付けられなければならない。仕上げようとする支承座直径は前記頂線によって生ぜしめられる。方法的な条件から副切刃の中央の領域は他の領域よりも長時間作用しており、この結果、切刃は中央の領域では外側の領域よりも高い摩耗を示す。

直角な回転フライスに関する詳細は例えばＤＥ１０２００４０２２３６０Ａ１号に記載されている。しかし、軸方向の送りなしで偏心的に工具を当付けて行なう直角な回転フライスは決定的な欠点を有している。この方法では工具副切刃が下降操作を実施するという事実に基づき最小の切刃欠陥もしくは工具摩耗は即座に、達成しようとする形態と表面質とに不具合な影響を及ぼす。特に異なって構成された工具摩耗は早期の形状偏差をもたらす。

本発明の課題は前述の欠点を除き、特に形状の正確な工作物加工とできるだけ長い耐用時間とが共に保証される切刃形態を見出すことである。さらに本発明の別の課題は本発明の前記課題の解決に適したフライスカッタヘッドを提供することである。

最初に述べた課題は請求項１の切刃保持体によって解決された。切刃保持体は本発明によれば副切刃縁に境界を接し、逃げ面の上に配置された、それぞれ外方へ０に減少する面取り部幅を有する面取り部を有している。

さらに本発明の課題は請求項１０記載のフライスカッタヘッドであって、互いに等間隔の角度寸法で配置された３つの切刃保持体を有するフライスカッタによって解決された。

本発明による面取り部のない公知技術に基づく切刃保持体は切刃中央、つまり切刃と工作物との接触時間が最長である個所にて高い初期摩耗を示した。これに対し著しく短い切削作用を有する縁側にある領域はわずかな逃げ面摩耗しか示さなかった。これに対し、本発明による切刃保持体を使用した場合には高い初期の逃げ面摩耗を有するデグレッシーブな摩耗領域ははっきりと短縮された。したがって逃げ面摩耗が直線的に行なわれる領域は相応に延長された。

以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。

図１から３までに示したフライスヘッドは主として、基体１０と該基体１０内にろう付けされた３つの切刃保持体１１とから成り、切刃保持体１１にはそれぞれ切刃１２がろう付けされている。切刃保持体１１はそれぞれ長手方向軸線１３に対し平行に配置された孔２２（図３を参照）に挿入されている。ほぼ半径方向にもしくは半径方向に軽く傾けられて、別の孔が基体１０に配置されている。この孔内には楔体１４が配置され、該楔体１４は調整ねじ１５、有利には２条ねじ山ねじを介して半径方向に移動可能である。

図５から判るように楔体１４は基体の半径平面に対し斜めに延びる楔面１６を有している。したがって楔体１４が半径方向に移動した場合に切刃保持体１１はその長手方向軸線に沿って、つまり軸方向に移動可能である。切刃保持体をクランプするためにはクランプ部材１８が役立つ。このクランプ部材１８は中央に配置され、３つのクランプ面１９を有している。このクランプ面１９は切刃保持体１１の対応するクランプ面に接触する。クランプ部材１８はねじ２１、有利には２条ねじ山ねじとして構成されたねじ２１で固定されることができる。クランプ部材１８は図示の場合にはそれぞれ１つの平らな面２０を有する３つの切刃保持体１１を固定するために用いられている。クランプ部材１８の構成とクランプ面１９のトライアングル形の配置とによって切刃１２と切刃保持体１１との互いに１２０°の角度をおいた正確な配向が達成される（図１を参照）。各切刃保持体１１は円形楔とそれに所属するねじ１５とによって軸方向で調節されることができる。切刃保持体、ひいてはカッタの軸平行な配向のためには孔２２が用いられる。面２３は、切刃保持体１１と孔２２との間に線接触が生じないことを保証するのに役立つ。図４に示されているように切刃保持体１１も傾斜した面２４を有している。この面２４の傾きはクランプ部材の面１９の傾きに相当している。

選択的に、正確に嵌合する孔の代わりに、外に位置する緊締リングを軸方向中央に配置されたクランプ部材と関連して使用し、その間に切刃保持体１１が固定可能であることもできる。この場合には緊締リングは基体１０の上に螺合されるか又は収縮嵌めされる。

本発明の詳細は特に図７，９及び１０に示されている。これらの図には切刃もしくは切刃製造が拡大されて示されている。図８には内及び外の切刃領域が中央の切刃領域に対して屈曲されている好適な実施形態を示している。

前摩耗面取り部として用いられる面取り部２９の課題は、方法にとって特徴的な摩耗像を必要なコンカーブな内に向かって延びる切刃急降下を考慮して模造することである。これによってデグレッシーブな摩耗経過は短縮される。いわゆる直線的な摩耗領域が制定される。必要なコンカーブな内方へ延びる切刃急降下を考慮して切刃に前摩耗面取り部が切削されないとすると、デグレッシーブな摩耗領域にて形状偏差が生じ、ひいては形状偏差による耐久時間の終わりが生じるものと想われる。

本発明による切刃形状に達するためには切刃２５の逃げ面は逃げ角を維持したもとで屋根形に研削されるか（大きな半径と短い切刃長さの場合）刃は図９に示されているようにコンベックスに、有利には約９００ｍｍである半径Ｒで研削される。

図９の構成によって、切刃のもっとも低い点に対するもっとも高い点２７に対し４μｍの間隔が与えられる。第２の作業行程で逃げ面２８の上に面取り部２９が研削される。その際、切刃の急降下する角度が維持されると、図１０に示された面取り部の構成形態が生じる。この面取り部は切刃２５のほぼ中央で４μｍの最大幅を有している。この面取り部は切刃縁２５の端部までもしくはそのすぐ前で終わる場所まで延びている。この場合、面取り部２９は連続的に幅狭く、０ｍｍの幅で両側で終っている。したがってこの面取り部は１０°の逃げ角のもとで配置された、屋根形又はコンベックスに構成された逃げ面の円弧状の断面から得られる。切削角は統一的に０°である。切刃１２は工具の回転軸線に対し９０°の急降下角度でもしくはそれよりわずかに小さい角度でコンカーブに研削され、これによって点２７の４μｍの大きさの上昇が生じる。この処置によって公知技術によって公知である切刃保持体の場合に生じる図１１による曲線３０による摩耗経過の代わりに、摩耗経過３１が得られる。この摩耗経過３１においてはデグレッシーブな初期摩耗領域が適当な時間短縮されることで直線的な摩耗領域が著しく延長されている。

図８に示された変化実施例においては、２ｍｍの幅αに亙って５°曲げられた副切刃部分が延在し、この副切刃部分には、回転軸線１３に対し平行に位置する長手方向軸線２６に垂直に配置された副切刃部分２５ｂが続いている。内側に位置する側では同様に５°傾けられた副切刃部分２５ｃが続いている。

図８による付加的に選ばれた前摩耗面取り部で準備された切刃の屈曲された外領域（ツイン切取り部）によって意図的に、内側と外側との切刃領域が切刃接触領域から取り出される。ツイン切取り部を備えていない切刃の場合にはこの領域に、より高い逃げ面摩耗が生じる。方法的に最高の逃げ面領域が生じる中央の切刃領域においては３つの切刃は一緒に切削する。摩耗作業は必要とされるコンベックスなクランク軸支承部の形のために活用される。

３つの切刃保持体を有するフライスカッタヘッドの斜視図。 図１のフライスカッタヘッドをワイヤフレーム形式で示した図。 切刃保持体なしでフライスカッタヘッドを長手方向に断面した図。 切刃保持体の側面図。 軸方向に調節するための楔体とクランプ部材とに対する切刃保持体の相対位置を示した原理図。 切刃保持体の別の側面図。 範囲Ａの拡大図。 図４による切刃の拡大図。 図４による別の切刃の拡大図。 切刃の逃げ面の平面図。 摩耗曲線の概略図。

符号の説明

１０ 基体、 １１ 切刃保持体、 １２ 切刃、 １３ 長手方向軸線、 １４ 楔体、 １５ 調整ねじ、 １６ 楔面、 １８ クランプ部材、 １９ クランプ面、 ２０ 面、 ２１ ねじ、 ２２ 孔、 ２３ 面、 ２４ 面、 ２５ 切刃、 ２７ 点、 ２８ 逃げ面、 ２９ 面取り部、 ３０ 曲線、 ３１ 摩耗経過

Claims (10)

1. フライスカッタヘッドに固定するための切刃保持体であって、シャフト状のピンと、切削面と逃げ面とから形成された副切刃縁（２５）を備えた切刃が内部に溶接されたヘッドとから成る形式のものにおいて、前記副切刃縁（２５）に隣接しかつ前記逃げ面に配置された面取り部（２９）を有し、該面取り部（２９）が外へそれぞれ０へ減少する面取り部幅を有していることを特徴とする、切刃保持体。
2. 前記面取り部（２９）が前記副切刃縁（２５）に対し、ほぼ中央に配置されている、請求項１記載の切刃保持体。
3. 最大の面取り部幅が≦１０μｍ、有利には≦４μｍである、請求項１又は２記載の切刃保持体。
4. 最大の面取り部幅が両側へ連続的に０μｍに減少しかつ／又は面取り部（２９）が副切刃幅全体に亙って延在している、請求項１から３までのいずれか１項記載の切刃保持体。
5. 前記面取り部（２９）が２つの連続する研削行程で、すなわち、前記切刃縁に隣接する逃げ面領域（２８）をコンベックスに又は屋根形に第１の研削を行いかつ次いでこの逃げ面領域を部分的に平滑研磨することで形成されている、請求項１から４までのいずれか１項記載の切刃保持体。
6. コンベックスに研磨された逃げ面領域の半径がＲ＝９００ｍｍ±１００ｍｍである、請求項５記載の切刃保持体。
7. 逃げ角が１０°±２°である、請求項１から６までのいずれか１項記載の切刃保持体。
8. 屈曲された切刃を有し、この場合、中央の切刃部分（２５ｂ）がピン長手方向軸線に対して直角にかつこれに側方で接続した切刃部分領域（２５ａ，２５ｃ）が中央の切刃部分（２５ｂ）に対し≦１０°、有利には≦５°の角度で傾斜させられている、請求項５記載の切刃保持体。
9. 中央の切刃部分領域（２５ｂ）に対する半径方向外にある屈曲した切刃部分領域（２５ａ）の長さの比が２：３及び／又は半径方向外にある副切刃部分領域（２５ａ）に対する半径方向内にある屈曲された切刃部分領域（２５ｃ）の長さの比が２：１である、請求項８記載の切刃保持体。
10. 基体の切欠きに挿入された複数の切刃保持体を有し、該切刃保持体にそれぞれ切刃がろう付けされており、切刃保持体がそれぞれ楔体を介して軸方向に調節可能でかつフライスヘッドにクランプエレメントで固定可能である形式のものにおいて、請求項１から９までのいずれか１項記載の２つの切刃保持体が互いに等角度寸法で配置されていることを特徴とする、フライスカッタヘッド。

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