JPH0661435U

JPH0661435U - 刃物に対する切削油供給装置

Info

Publication number: JPH0661435U
Application number: JP1194293U
Authority: JP
Inventors: 成人前田
Original assignee: Matsuura Machinery Corp
Current assignee: Matsuura Machinery Corp
Priority date: 1993-02-05
Filing date: 1993-02-05
Publication date: 1994-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】工作用に用いる刃物に対し、十分な切削油を
供給し、且つ高速回転の場合においても、供給している
切削油の回転方向への飛散及びこれに基づく衝射すべき
刃先の位置からのずれを軽減できる構成による刃物の切
削油供給装置を提供すること。【構成】工作用刃物を保持しているツールホルダー内
において、該刃物を保持している先端部の内側に、油溜
め部を設け、該油溜め部は保持している刃物の回転方向
に沿った円弧状をなし、且つ油の注出口において、刃先
方向に狭幅となるテーパ状を形成し、これによって刃先
に十分な量の切削油を供給し、且つ刃物の軸の全周囲に
切削油を分散させた状態として、切削油の回転方向への
飛散を防止する刃物に対する切削油供給装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工作機械等において使用され、ツールホルダー内に保持されている刃物に対する切削油の供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

工作機械による金属の切削においては、切削による切粉の除去、切削面の面粗度の向上、刃物の寿命の延長等を目的として、刃物に対する切削油が供給されている。

【０００３】このような切削油の供給を行う為、従来の供給装置としては、図１に示すような外部からノズル４を使って供給する方式が存在する。

【０００４】しかしこの方式では、別途ノズル４を設ける為、刃物２の移動に伴い、ノズル４の移動も必要とされ、操作に煩雑であり、また余計な空間を占めることから、複数の隣接した刃物の操作には不向きである。

【０００５】別の従来技術として、図２に示すような、ツールホルダー１の先端部周囲において切削油突出口３３を設け、そこから刃先２１の方向に向けて切削油を突出させる方式が存在するが、このような複数個の突出孔から油を抽出させる方式では、刃先２１に当たる油の量自体が少なく、十分切削油の機能を果たすことができない。

【０００６】これに加え、切削油がツールホルダー１の先端部から突出する部位は、刃物２の周囲に接していない為、ツールホルダー１及び刃物２が回転した場合には、回転に伴って突出した油が、回転方向に沿った移動を行う為、到達すべき刃先２１の位置からずれてしまい、特に回転が高速になるにしたがって、このような傾向が著しくなり、ひいては切削油による前記機能を果たし得ないとの欠点を免れない。

【０００７】又、この方式では、刃物２の長さに応じて、切削油の突出方向が異なるにも拘らず、各刃物２においてこのような突出方向を調整することが実際には極めて困難である。

【０００８】別の従来技術として、図３に示すような、ツールホルダー１の刃物２を保持している支軸において、複数個の切削油の突出口３３を設け、刃物２の軸表面を通して切削油を供給する方式が存在するが、この方式においても、複数個の突出口から油を供給するだけでは、十分な切削油の供給は不可能であり、この方式においても、ツールホルダー１の回転によって供給すべき油が回転方向にずれる為、突出した切削油が到達すべき刃物２の位置からずれるとの欠点を免れることができない（但し、図３に示す構成においては、切削油突出口３３の位置は、図２に示す場合に比し回転中心に近い為、切削油が回転方向に沿った移動を行う程度が図２に示す場合に比し少なく、前記の如き欠点の程度は少ない結果となっている。）。

【０００９】図３に示す従来技術の構成では、このような欠点を免れる為に、刃物２の軸に切削油が通過する溝を設けることが行われているが、当該溝を設けること自体煩雑であり、且つこのような溝によって、前記の欠点を十分克服できる訳ではない。

【００１０】

【考案が解決を必要とする課題】

上記の如き各従来技術の欠点に鑑み、本考案は、十分な切削油を突出させると共に、高速回転の場合においても、切削油が回転方向にずれて、刃先２１に当たらないという欠点を是正した刃物２に対する切削油供給装置を提供する点にある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の課題を達成する為、本考案の構成は、工作用刃物を保持しているツールホルダー内において、該刃物を保持している先端部の内側に、油溜め部を設け、該油溜め部は保持している刃物の回転方向に沿った円弧状をなし、且つ油の注出口において、刃先方向に狭幅となるテーパ状を形成していることに基づく刃物に対する切削油供給装置からなる。

【００１２】

【考案の作用】

図４（ａ）、（ｂ）は、本考案の実施例の基本構成を示す。

【００１３】これらの図面からも明らかなように、本考案においては、刃物２を保持するツールホルダー１において、該刃物２の周囲に円弧状をなす油溜め部３２を設けており、しかも切削油突出口３３もまた刃物２の回転方向に沿った円弧状をなしている。

【００１４】この為、大量の切削油が、刃物２の表面に沿って突出されることになる。

【００１５】他方、図４（ａ）からも明らかなように、切削油突出口３３は、刃先２１の方向に向かって狭幅とするテーパ状をなしていることから、突出した切削油は必然的に刃物２の表面軸に衝射され、これによって切削油は刃物２の軸全周囲面にわたって分散しながら刃先２１に向かうことになる。

【００１６】この為、ツールホルダー１及び刃物２が回転したとしても、切削油自体は図４（ｃ）に示すように、刃物２の軸全周囲面にわたって分布していることから、喩え刃物２が回転したとしても、切削油同士の粘性によって保持され、切削油が回転方向に四散する危険性は極めて少なくなる。

【００１７】

【実施例】

前述の図４（ａ）、（ｂ）は、当該ツールホルダー１自体の内部に油溜め部３２及び油突出部を設けた実施例を示すが、図５（ａ）、（ｂ）は、コレットチャックとしてツールホルダー１及びこれと刃物２との間に介在するコレット１１を設け、該コレット１１内に油溜め部３２及び切削油突出口３３を設けた実施例を示す。

【００１８】但し、その作用原理は、図４（ａ）、（ｂ）の場合と全く同様である。

【００１９】

【考案の効果】

以上の如き構成による本考案においては、円弧に沿ってほぼ刃物の全周から切削油を突出させることができるので、十分な量による切削油の供給が可能である。

【００２０】そして、刃物を交換する際、図２に示す従来技術のようなノズルの方向を修正する作業も不要であり、図３に示す従来技術の場合のように、刃物の根本から刃先に至るまでの溝を加工する必要がない。

【００２１】このように、本考案の刃物に対する切削油供給装置においては、刃先に常時十分な量の切削油が供給される為、刃物の寿命も従来より長く維持することができるので、本考案の価値は絶大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】：側面図外部のノズルを用いて切削油を供給する従来技術の構成
を示す。

【図２】：軸方向側断面図コレットチャックの内部を通して、支軸端面より刃先に
切削油を供給する従来技術の構成を示す。

【図３】：軸方向側断面図コレットチャックの内部を通し、支軸から直線方向に刃
物の周囲に沿って切削油を供給する従来技術の構成を示
す。

【図４】（ａ）、（ｂ）：軸方向側断面図及び回転方向
側断面図本考案の実施例の構成を示す。

【図４】（ｃ）：回転方向断面図本考案において、切削油が刃物の軸方向の全面にわたっ
て分布した状況を示す。

【図５】（ａ）、（ｂ）：軸方向側断面図及び回転方向
側断面図本考案の実施例の構成を示す。１：ツールホルダー１１：コレット２：刃物２１：刃先３１：切削油供給通路３２：油溜め部３３：切削油突出口４：ノズル５：突出して行く切削油

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】工作用刃物を保持しているツールホルダ
ー内において、該刃物を保持している先端部の内側に、
油溜め部を設け、該油溜め部は保持している刃物の回転
方向に沿った円弧状をなし、且つ油の注出口において、
刃先方向に狭幅となるテーパ状を形成していることに基
づく刃物に対する切削油供給装置。
【請求項２】ツールホルダーとこれによって保持され
る刃物との間にコレットを介在させ、コレット内に油溜
め部及び油注出口を設けたことを特徴とする請求項１記
載の刃物に対する切削油供給装置。
【請求項３】ツールホルダー自体に油溜め部及び油注
出口を設けたことを特徴とする請求項１記載の刃物に対
する切削油供給装置。