JP2009510279A - 空気式緯入れ装置を有する織機 - Google Patents

Abstract

織機は、空気式緯入れ装置を有している。緯糸（１０）用の案内通路（４０）を含む案内装置（４２）が割り当てられた筬（１２）を備え、前記案内通路（４０）は、前記筬（１２）と共に緯糸（１０）の挿入位置と筬打ち位置との間を揺動可能である。さらに、前記挿入位置に位置した前記案内通路（４０）に臨み、少なくとも２つの噴出ノズル（２２）を有する緯入れ装置（８）が配設されている。固定的に配設されたカッター（４６）は、挿入された緯糸（１０）を切断するのに用いられる。織機を改善すべく、前記噴出ノズル（２２）が、前記カッター（４６）に向けて水平方向（Ｑ）に揺動可能に設けられ、かつ、前記噴出ノズル（２２）を前記カッター（４６）に対して接離させるために電動駆動装置（２８）と連結されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前文に記載された空気式緯入れ装置を有する織機に関する。

この種の空気式緯入れ装置を有する織機は、例えば国際公開第９７／１３９０１号公報により公知である。織機が筬を有し、緯糸用の案内通路を備えた案内装置がこの筬に付設されている。案内通路は筬と共に緯糸の挿入位置と筬打ち位置との間で揺動可能である。さらに、噴出ノズルを備えた固定緯入れ装置が挿入位置の案内通路に向けて配置されており、この緯入れ装置は筬と独立して配置されているため、筬の運動を損なわず、かつ、筬の運動によってそれ自体の機能が損なわれることがない。挿入された緯糸を切断するカッターが設けられている。上記噴出ノズルは、上下方向に揺動可能に設けられ、ジャカード装置とリターンスプリングとによって駆動される。すなわち、ジャカード装置によって、いずれかの対の２つの噴出ノズルが案内通路の前に置かれ、いずれか１つの噴出ノズルが利用される。カッターは、挿入位置で挿入された緯糸を、噴出ノズル付近で切断するので、挿入された緯糸は、織前に至るまでクランプ装置により把持される必要がある。クランプ装置は筬に付設されており、筬と共に駆動される。しかし、クランプ装置は比較的複雑であるため故障し易い。しかも、ジャカード装置による噴出ノズルの高さ制御機構もやはり比較的複雑であり、限られた柔軟性と精度を有するに過ぎない。

国際公開第００／６３４７４号公報により公知の空気式緯入れ装置を有する織機では、噴出ノズルを選択可能に案内通路に対して位置決めするために、緯入れ装置の複数の噴出ノズルが、駆動装置によって上下方向に揺動可能に設けられている。この装置の欠点は、筬およびノズル用駆動装置に緯入れ装置が固定されていることである。そのため、駆動装置が複雑になるばかりか、緯入れ装置および筬と共に往復運動する構成により慣性モーメントが大きくなり、筬打ち頻度に不利益をもたらす。運動と関連した加速力および減速力は、緯入れ装置の安定性に対して不利に作用する。挿入された緯糸を切断するために緯入れ装置全体が筬と共に切断装置に対して駆動され、噴出ノズルが上下方向と交差する方向に揺動可能な余地はない。

独国特許出願公開第３０１４７７６号明細書により公知の空気式緯入れ装置を有する織機では、選択可能な噴出ノズルを筬の案内通路に対して位置決めするために、緯入れ装置の複数のノズルが上下方向および水平方向に揺動可能に設けられている。この装置においても、緯入れ装置は筬に付設されており、したがって、上述した種々の欠点がもたらされる。しかも、噴出ノズルの具体的駆動に関して具体的記載はなされておらず、いかなる切断装置との連動も示唆されていない。

本発明の課題は、先に述べた空気式緯入れ装置を有する織機を改良することであり、一方では、国際公開第９７／１３９０１号公報におけるようなクランプ手段を省略可能であるとともに、他方では、国際公開第００／６３４６４号公報におけるような筬の過負荷などの欠点を解消することにある。

上記課題は、本発明によれば請求項１の特徴部分の構成によって解決される。選択された噴出ノズルをカッターに対して正確に位置決めするために、噴出ノズルが、カッターに向けて水平方向に揺動可能に設けられ、かつ電動駆動装置と連結された構成により、挿入された緯糸は実質的にカッターに導入された場合にのみ切断される。これにより、挿入された緯糸の切断を、該緯糸の筬打ち領域で行なうことが可能となり、クランプ装置は不要になる。これにより、織機の構造が簡素になるばかりか、緯糸の挿入精度も向上することになる。

前記織機のさらに有利な諸構成が請求項２〜９に記載されている。

特に有利なのは請求項２の構成であり、それによれば、挿入された緯糸の切断が織布の織前の領域で行われるように前記駆動装置が構成されている。この構成では、緯糸が既に確実に組織されており、切断後における緯糸の位置ずれは不可能である。

請求項３に記載されるように、前記駆動装置が、前記噴出ノズルのそれぞれを前記案内通路に対して水平方向に略同軸に位置決めできるように構成されていれば、織機の精度および動作信頼性を改善できる。

特に、上下方向に配列された噴出ノズルが利用される場合、前記噴出ノズルが、水平方向と交差する上下方向にさらに揺動可能に設けられかつ駆動される請求項４の構成が有利である。このような駆動は周知のようにジャカード装置によって行うことができる。しかし、前記各噴出ノズルのそれぞれを前記案内通路に対して上下方向に位置決めするために、前記噴出ノズルが、前記上下方向用とは別の電動駆動装置に連結されている請求項５の構成は一層有利である。この構成は、請求項６に記載されるように、緯入れ装置が水平方向および上下方向に配列された複数の噴出ノズルを有する場合に、特に有利である。

前記電動駆動装置としては、例えば、請求項７に記載されるように、サーボモータ、直流モータ、または、特に交流モータが適している。

請求項８に記載されるように、織成パターンに応じた制御のための制御装置をさらに備え、該制御装置が、前記各電動駆動装置に接続されて前記各駆動装置を制御するように構成されていれば、作製されるべき織布のパターンに応じて異なる色または品質の緯糸を使用することができる。

糸切れの場合、切れた緯糸を排出しかつ新たな緯糸部分を引き寄せるために、請求項９に記載されるように、前記制御装置が、糸切れ時に緯糸をカッター内に移動させないように織機が構成されていることが好ましい。

以下、図面に基づいて織機の実施形態が詳細に説明される。

図１〜図４は、織機の緯入れ領域を概略図で示しており、本発明にとって重要な部品のみを示してある。織機の他の構成はすべて従来技術と同様である。

図１および図３は、織機の織成領域を示しており、この領域で経糸２は開口装置４、例えばジャカード装置によって杼口６を形成するように移動され、この杼口内に緯入れ装置８によって緯糸１０が挿入される。この緯糸１０が、筬１２によって織前１４で筬打ちされて織布１６が形成される。

緯入れ装置８は空気圧式に構成されており、ノズルブロック２０を有する。図示例ではノズルブロックが８つの噴出ノズル２２を有しており、これら噴出ノズルは、図４によれば水平方向Ｑに対をなして配置され、図２によれば、このような噴出ノズルの４対が上下方向Ｈに配列されている。ノズルブロック２２は垂直軸２４により水平方向Ｑに揺動可能に支持され、水平軸２６を中心として上下方向Ｈに揺動可能に支持されている。第１駆動装置２８はモータ３０を備え、このモータ３０には、リンク機構３２を介して噴出ノズル２２が連結されている。同様に、噴出ノズル２２を上下方向Ｈに揺動させるために第２駆動装置３４が配設されている。この第２駆動装置もモータ３６を備えており、このモータ３６には、別のリンク機構３８を介して噴出ノズル２２が連結されている。これら第１駆動装置２８とおよび２駆動装置３４は、基本的に、噴出ノズル２２を選択しかつ案内装置４２の案内通路４０と同軸に位置決めする機能を有している。この案内装置４２は、筬１２と協働して挿入された緯糸１０を案内する。リレーノズル４４は、挿入された緯糸を案内通路４０に沿って継続して移動させる。

さらに、第１駆動装置２８は、噴出ノズル２２を、織布１６の織前１４領域に配設された固定カッター４６に向けて移動させる機能を有し、図３および図４に示されるように、挿入された緯糸１０が実際に織前１４に筬打ちされた後に前記カッター４６が有効になるように構成されている。

第１、第２駆動装置２８、３４に接続された制御装置５０は、織成するパターンに必要な噴出ノズル２２を逐次選択し、この噴出ノズルから柄に必要な緯糸１０を送出するために、織機を、特に第１駆動装置２８および第２駆動装置３４を、織成パターンに応じて制御可能である。さらにこの制御装置は、挿入された緯糸が正確にカッター４６に導かれるように駆動装置２８、３４を制御する機能も有している。

緯入れ時における織機の織成領域を示す、緯入れ装置に対向する視点から見た図である。 図１の織機を示す正断面図である。 筬打ち・緯糸切断時における織機を示す図１に対応した図である。 図３の状態の織機を示す平面図である。

符号の説明

Ｈ 上下方向
Ｑ 水平方向
２ 経糸
４ 開口装置
６ 杼口
８ 緯入れ装置
１０ 緯糸
１２ 筬
１４ 織前
１６ 織布
２０ ノズルブロック
２２ 噴出ノズル
２４ 垂直軸
２６ 水平軸
２８ 第１駆動装置
３０ モータ
３２ リンク機構
３４ 第２駆動装置
３６ モータ
３８ リンク機構
４０ 案内通路
４２ 案内装置
４４ リレーノズル
４６ カッター
５０ 制御装置

Claims (9)

1. 空気式緯入れ装置を有する織機であって、緯糸（１０）用の案内通路（４０）を含む案内装置（４２）が割り当てられた筬（１２）を備え、前記案内通路（４０）は、前記筬（１２）と共に緯糸（１０）の挿入位置と筬打ち位置との間を揺動可能であり、さらに、前記挿入位置に位置した前記案内通路（４０）に臨み、少なくとも２つの噴出ノズル（２２）を有する緯入れ装置（８）が配設され、かつ、挿入された緯糸（１０）を切断するためのカッター（４６）が固定的に配設されたものにおいて、
   前記噴出ノズル（２２）を前記カッター（４６）に対して接離させるために、前記噴出ノズル（２２）が、前記カッター（４６）に向けて水平方向（Ｑ）に揺動可能に設けられ、かつ電動駆動装置（２８）と連結されていることを特徴とする織機。
2. 前記駆動装置（２８）は、挿入された緯糸（１０）の切断が織布（１６）の織前（１４）の領域で行われるように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の織機。
3. 前記駆動装置（２８）は、前記噴出ノズル（２２）のそれぞれを前記案内通路（４０）に対して水平方向（Ｑ）に略同軸に位置決めできるように構成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の織機。
4. 前記噴出ノズル（２２）は、前記水平方向（Ｑ）と交差する上下方向（Ｈ）にさらに揺動可能に設けられ、かつ駆動されることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の織機。
5. 前記各噴出ノズル（２２）のそれぞれを前記案内通路（４０）に対して上下方向（Ｈ）に位置決めするために、前記噴出ノズル（２２）が、前記上下方向（Ｈ）用とは別の電動駆動装置（３４）に連結されていることを特徴とする請求項４に記載の織機。
6. 前記緯入れ装置（８）が、水平方向（Ｑ）および上下方向（Ｈ）に配列された複数の噴出ノズル（２２）を有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の織機。
7. 前記各駆動装置（２８、３４）が、それぞれ、サーボモータ、直流モータ、または交流モータを備えていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の織機。
8. 織成パターンに応じた制御のための制御装置（５０）をさらに備え、該制御装置は、前記各電動駆動装置（２８、３４）に接続されて前記各駆動装置を制御するように構成されていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の織機。
9. 前記制御装置（５０）は、糸切れ時に緯糸（１０）をカッター（４６）内に移動させないように構成されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の織機。

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