JP4098166B2 - パイル用無杼織機の捨て耳カッターの駆動方法 - Google Patents

パイル用無杼織機の捨て耳カッターの駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布移動式のパイル用無杼織機に備えられている捨て耳カッターの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
布移動式のパイル用無杼織機は、織布を移動させることにより織前を移動させ、織前と筬打ち位置に位置する筬とが接触するファーストピック位置(第1の位置)と、ファーストピック位置から織布の巻取方向に離間するルーズピック位置(第2の位置)とに移動させる。
【0003】
パイル用無杼織機に備えられる捨て耳カッターは、織機のフレームに組み付けられていると共に、織布と反給糸側のキャッチコードとの間に配置されている。
【0004】
そのような、捨て耳カッターは、全製織期間(非パイル組織製織期間及びパイル組織製織期間)を通じて同一の周期(例えば、2ピック毎に1回)で駆動される。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかし、織機は、パイル組織製織期間においては、織前を所定の移動パターンに基づいてファーストピックの位置とルーズピックの位置とに移動させる。織前がファーストピック位置に位置する時も切断動作が行われ、その場合、緯糸は、織布と共に移動して捨て耳カッターの緯糸切断領域外にあることから、切断されない。このため、織前がファーストピック位置からルーズピック位置に移動した状態においては、捨て耳カッターの緯糸切断領域に位置する緯糸の数が多くなり、緯糸切断領域に位置しているそれらの緯糸を一度に確実に切断することができない、という切断ミスが生じやすく、次回の切断動作では、ますます多くの緯糸が切断されることになり、ますます切断ミスが生じる。また、一度に多くの緯糸を切断するので、捨て耳カッターの刃も早急に摩耗して切断性能が低下し、早期に取り替えを必要とする。
【0006】
また、一度に多くの緯糸を切断することができる大型の捨て耳カッターを用いることも考えられる。しかし、捨て耳カッターに高速の切断動作をさせると、捨て耳カッターの慣性力が大きくなり、大型の捨て耳カッター駆動装置が必要になる。
【0007】
本発明の目的は、緯糸の切断ミスの発生を抑えると共に、効率よく捨て耳カッターを駆動することにある。
【0008】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る、第1及び第2の捨て耳カッターの駆動方法は、織前を、筬打ち位置に位置する筬と接触する第1の位置と、前記第1の位置から織布の巻取方向に離間する第2の位置とに移動させる布移動式のパイル用無杼織機の捨て耳カッターの駆動方法に適用される。
【0009】
本発明の駆動方法は、パイル組織製織期間のうち、少なくとも定常パイル組織製織期間において、前記織前が前記第2の位置に位置しているときのみに切断動作を行う前記捨て耳カッターを所定の周期で駆動させることを含む。ここで、定常パイル組織製織期間とは、パイル組織製織期間のうち非パイル組織製織期間から切り替わり直後の期間に続く期間である。
【0010】
本発明の駆動方法は、さらに、パイル組織製織期間のうち、非パイル組織製織期間から切り替わり直後の初期パイル組織製織期間において、前記織前が前記第2の位置に位置しているときに定常パイル組織製織期間よりも短い周期で捨て耳カッターが駆動されることを含む。
【0011】
本発明によれば、定常パイル組織製織期間に、織前が第2の位置に位置しているときのみに緯糸を切断させるから、捨て耳カッターが駆動されるときは、緯糸が織布と共に巻取方向に移動しており、捨て耳カッターの緯糸切断領域に常に存在する。このため、捨て耳カッターにより緯糸を確実に切断することができる。
【0012】
本発明によれば、さらに、初期パイル組織製織期間には、非パイル組織製織期間からの移行に伴って多くの緯糸がまとまって捨て耳カッターの切断領域に進出するが、切断周期を短くすることにより、早急に緯糸を切断でき、長期間にわたり未切断緯糸が切断領域にあることによる更なる切断ミスの発生をなくすことができる。
【0013】
本発明の駆動方法において、非パイル組織製織期間中は、前記パイル組織製織期間とは異なる1緯入れ当たり切断動作回数で前記捨て耳カッターを駆動させてもよい。
【0014】
本発明の駆動方法においては、前記パイル組織製織期間中の前記捨て耳カッターの切断動作周期が緯糸種に応じて設定され、前記パイル組織製織期間中、前記緯糸種の情報に基づいて前記切断動作周期が変更されてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施例において、「前後方向」とは、経糸の送り出しによる経糸の移動方向をいい、移動方向の上流側を「後」、下流側を「前」とし、「左右方向」とは、緯糸の飛走方向をいう。また、「前方」とは、前後方向において織布が製織され巻き取られていく方向をいい、「後方」とは、前後方向において前方と反対方向をいう。
【0016】
図1から図5を参照するに、布移動式のパイル用無杼織機10は、捨て耳カッター12を、左右方向における織機10の反給糸側、すなわち、織布14とキャッチコード16との間に備えている。
【0017】
図1及び図2に示すように、織機10は、複数の綜絖枠(図示せず)を上下方向に移動させることにより、複数の経糸18及び複数のキャッチコード16を上下の群に分けて開口を形成し、その開口に緯糸20を緯入れし、緯入れされた緯糸20を筬22により織前24に筬打ちして織布14を製織する。
【0018】
製織された織布14は、服巻ロールによる送り出し速度にしたがって巻取ビーム(図示せず)に巻き取られる。キャッチコード16は、経糸18に対し、緯糸到達側(反緯入れ側)の織り端に位置する。
【0019】
織機10は、主軸26を回転させるための主軸モータ28と、主軸26の回転角度θを常時検出するエンコーダ30と、主軸26の回転角度θに基づいて主軸モータ28を制御する主制御装置32を含む。
【0020】
エンコーダ30は、主軸26の回転角度θを常時検出し、検出された回転角度θをカッター駆動装置34の駆動制御装置36及び主制御装置32に回転角度信号S1として出力する。
【0021】
主制御装置32は、供給される回転角度信号S1並びに現在の緯糸の種類(緯糸種)及び製織すべき組織に基づいて主軸26が最適な速度となるように主軸モータ28を制御するために、回転指令信号S2を主軸モータ28に出力すると共に、開口装置、緯入れ装置、経糸送出装置、布移動装置等の他の機械装置に所定の制御信号を出力する。
【0022】
織機10は、パイル組織を形成するために、織前24を、筬打ち時(主軸26の回転角度θが0°のとき)に筬22に接触するファーストピック位置(第1の位置)42と、ファーストピック位置42から前方に離間するルーズピック位置(第2の位置)44(図2参照)とに移動させる布移動機構(図示せず)を有している。布移動機構は、主制御装置32からの制御信号に基づいて制御される。
【0023】
捨て耳カッター12は、パイル用無杼織機10のフレーム38に組み付けられている捨て耳カッター装置46に備えられている。また、捨て耳カッター12は、ルーズピック位置44に対し前方に配置されている。
【0024】
捨て耳カッター12は、固定刃48と可動刃50とが鋏状に交差して、緯糸20を切断する切断領域を固定刃48及び可動刃50により形成している。切断領域は、織布14とキャッチコード16との間の部分において、1以上の緯糸20を固定刃48及び可動刃50間に受け入れるように、位置されている。
【0025】
切断領域は、通常開放されており、可動刃50が捨て耳カッター装置46に備えられているカッター駆動装置34のステッピングモータ54によって所定のタイミングで駆動されることにより、閉じて、切断領域に入り込んでいる1以上の緯糸20を切断する。
【0026】
カッター駆動装置34は、ステッピングモータ54に加え、設定器56と駆動制御装置36とを含む。ステッピングモータ54は、捨て耳カッター専用のモータである。
【0027】
設定器56には、緯糸種毎及びパイル組織と非パイル組織との製織期間毎の捨て耳カッター12の駆動時期及び周期が予め設定されている。駆動制御装置36は、後に説明するように、設定器に設定されている駆動時期及び周期を基に、捨て耳カッター12を駆動させる指令を出力する。
【0028】
テンプル台58には、リングテンプル60とラック62とが組み付けられている。テンプル台58は、スライドガイド64を介して織布14の移動方向に往復移動可能にフレーム38に組み付けられている。
【0029】
リングテンプル60は、その回転軸線が左右方向に伸びると共に、その先端が織布14側に向くように、左右方向へ伸びる軸線の周りに回転可能にテンプル台58に支持されている。
【0030】
テンプル台58を前後方向に往復運動させるテンプル駆動装置66は、サーボモータ68と、サーボモータ68の出力軸に組み付けられたピニオンギア70とを含む。ピニオンギア70は、テンプル台58に組み付けられたラック62と噛合している。
【0031】
サーボモータ68は、ピニオンギア70を回転させて、ラック62を移動させて、リングテンプル60を織前24のファーストピック位置42とルーズピック位置44との距離と同じ距離だけ、布移動機構と同期して往復運動させる。
【0032】
図4及び図5を参照するに、緯糸20は、非パイル組織用として緯糸Cを、パイル組織用として緯糸A及び緯糸Bを用いている。この実施形態では、緯糸A,B,Cは、緯糸Cが最も太く、次いで緯糸Bが太く、そして緯糸Aが最も細い関係にある。
【0033】
図4及び図5のいずれにおいても、製織期間(製織パターン)は、パイル組織を形成しない非パイル組織製織期間と、非パイル組織製織期間に続くパイル組織製織期間とに分けられている。
【0034】
パイル組織製織期間は、さらに、非パイル組織製織期間に続き切り替わり直後の初期パイル組織製織期間と、初期パイル組織製織期間に続く定常パイル組織製織期間とに分けられている。
【0035】
図4及び図5に示すように、捨て耳カッター12の動作周期は、緯糸種毎及び製織期間毎に異なる。
【0036】
いずれの製織期間においても、織機は、以下のように動作する。
【0037】
緯糸20は、メインノズル(図示しない)により経糸18の開口及びキャッチコード16の開口に緯入れされる。緯入れされた緯糸20は、筬22によって織前24に筬打ちされる。これにより、織布14が製織される。
【0038】
緯糸20の先端は、それが複数のキャッチコード16の開口内に緯入れされ、キャッチコード16の開口運動により、キャッチコード16間に挟持されて保持される。
【0039】
筬打ちは、緯入れのたびに行われる。しかし、織前は、非パイル組織製織期間においてはファーストピック位置に維持されるが、本実施形態の3ピックパイル組織では、パイル組織製織期間においてはルーズピック位置44に2回、その後にファーストピック位置42に1回維持するように前後方向に1回往復移動される。
【0040】
上記のことから、パイル組織製織期間においては、筬打ちは、ルーズピック位置44で2回、その後にファーストピック位置42で1回行われる。
【0041】
筬打ちされた緯糸20の先端はキャッチコード16に保持された状態で、織布14の移動にともなって捨て耳カッター12の切断領域に移動される。
【0042】
捨て耳カッター12は、ステッピングモータ54により、次に説明するように、製織期間及び緯糸種に個々に対応する切断パターンで駆動され、一度に1以上の緯糸20を切断する。
【0043】
主制御装置32は、エンコーダ30からの回転角度信号S1に基づき、所定の主軸26の回転角度θで、組織信号S4と緯糸種の情報としての糸種信号S3を駆動制御装置36に出力する。主制御装置32には、設定器56から緯糸種と製織期間毎の切断角度信号S5と周期信号S6が予め入力されている。主制御装置32は、入力された糸種信号S3と組織信号S4から捨て耳カッター12の駆動時期と駆動周期を決定し、エンコーダ30からの回転角度信号S1に基づき、緯糸種と製織期間に最適の時期と周期で、切断動作信号S7をステッピングモータ54に出力する。
【0044】
本実施形態では、非パイル組織製織期間において、緯糸Cに対する捨て耳カッター12の駆動時期及び駆動周期は、それぞれ、主軸26の回転角度θが60°のとき及び主軸26が360°回転する毎(すなわち、主軸26が1回転する毎)に設定されている。
【0045】
定常パイル組織製織期間において、捨て耳カッター12は、織前24がルーズピック位置44に位置している時のみに駆動されるように設定される。ファーストピック位置42に位置している緯糸20の筬打ちによるパイル形成から次のファーストピック位置42に位置している緯糸20の筬打ちによるパイル形成までの1パイル形成期間を単位切断周期として緯糸種毎に切断動作の駆動周期が設定される。
【0046】
捨て耳カッター12は、緯糸Aの単位切断周期(主軸26が3回転する毎)において1回だけ切断動作が行われる。すなわち、緯糸Aの単位切断周期において、捨て耳カッター12の駆動時期は、織前24が1番目のルーズピック位置44に位置しているときの筬打ち後の主軸26の回転角度θが60°のときのみに設定されている。捨て耳カッター12の駆動周期は、主軸26が1080°回転する毎(すなわち主軸26が3回転する毎)と見なすこともできる。
【0047】
捨て耳カッター12は、緯糸Bの単位切断周期(主軸26が3回転する毎)において2回の切断動作が行われる。すなわち、緯糸Bの単位切断周期において、捨て耳カッター12の駆動時期は、織前24が1番目と2番目のルーズピック位置44に位置しているときの筬打ち後の主軸26の回転角度θが60°のときに設定されている。
【0048】
緯糸Bの駆動周期は、主軸26が360°回転する毎(すなわち主軸26が1回転する毎)と主軸26が720°回転する毎(すなわち主軸26が2回転する毎)の繰り返しと見なすこともできる。
【0049】
また初期パイル組織製織期間において、緯糸Bの駆動時期は、織前24が1番目のルーズピック位置44に位置しているときの筬打ち後の主軸26の回転角度θが60°のときから主軸26が180°回転する毎(すなわち、主軸26の回転角度θが60°及び240°のとき)に設定されており、初期パイル組織製織期間の駆動周期は180°と設定されている。換言すると、初期パイル組織製織期間の駆動周期は、定常パイル組織製織期間における駆動周期の1080°よりも短く設定されると共に、織前24がファーストピック位置42に位置している時も駆動される。
【0050】
単位切断周期として複数の1パイル形成期間を単位切断周期としてもよい。
【0051】
例えば、捨て耳カッター12の切断動作は、1番目の1パイル形成期間では、織前24が1番目のルーズピック位置44に位置しているときの筬打ち後の主軸26の回転角度θが60°のとき、2番目の1パイル形成期間では、織前24が2番目のルーズピック位置44に位置しているときの筬打ち後の主軸26の回転角度θが60°のときに行われ、2つの1パイル形成期間を単位切断周期としてもよい。
【0052】
なお、太い等の切断されにくい緯糸20を用いる製織期間ほど、切断の周期を短く設定されて、パイル形成期間における切断回数を多くされる。
【0053】
次に、図3、図4及び図5を参照して、捨て耳カッター12の動作を説明する。この例においては、非パイル組織製織期間は緯糸Cを用い、パイル組織製織期間は緯糸A及び緯糸Bを用いる。
【0054】
先ず、非パイル組織製織期間において、織機10は、非パイル組織(ボーダ組織)を製織する。この間、織前24はファーストピック位置42に維持される。
【0055】
主制御装置32は、非パイル組織用の緯糸20として緯糸Cを緯入れノズルから噴射させると共に、非パイル組織の組織信号S4及び緯糸Cの糸種信号S3を駆動制御装置36に出力し、さらに制御信号をサーボモータ68に出力する。
【0056】
非パイル組織製織期間において、駆動制御装置36は、組織信号S4が非パイル組織を表していることから、製織期間を非パイル組織製織期間として扱う。
【0057】
これにより、サーボモータ68は、ピニオンギア70を回転させ、ラック62及びテンプル台58を介してリングテンプル60を、織前24がファーストピック位置42になる位置に移動させる。また、リングテンプル60の移動と同期して図示しない布移動機構により織布14が移動され、織前24がファーストピック位置42に移動される。
【0058】
非パイル組織製織期間においては、織前24がファーストピック位置42に維持された状態で、緯入れのたびに筬打ちが行われる。
【0059】
捨て耳カッター12は、主軸26の回転角度θが60°のときに毎回駆動されて緯糸20を切断する。切断周期は、主軸26の回転角度θが360°とパイル組織製織期間における周期よりも短く、これにより、非パイル組織製織期間においては、緯糸20を確実に切断することができる。
【0060】
織機10は、非パイル組織の製織が完了すると、緯糸20を緯糸Aとする初期パイル組織を製織する。この初期パイル組織製織期間は、図4に示す例においては、非パイル組織製織期間の終了後から1つのパイルを形成するまでの期間程度(3ピックの期間)とされている。
【0061】
初期パイル組織製織期間において、主制御装置32は、パイル組織用の緯糸20として緯糸Aを緯入れノズルから噴射させると共に、パイル組織を製織する旨の組織信号S4及び緯糸Aの糸種信号S3を駆動制御装置36に出力し、さらに制御信号をテンプル駆動装置66のサーボモータ68に出力する。
【0062】
駆動制御装置36は、組織信号S4が非パイル組織から定常パイル組織に切り替わったことから、パイル組織の製織の最初の期間(図4に示す例では、1パイル形成期間)を初期パイル組織製織期間として扱う。
【0063】
サーボモータ68は、主制御装置32から供給される制御信号に基づいて、布移動機構による前後方向への織前の移動と同期してテンプル台58及びリングテンプル60を移動させる。織前24は、実施例が3ピックパイル組織であり、1パイル形成期間においてファーストピック位置42に1回及びルーズピック位置44に2回維持される。
【0064】
非パイル組織からパイル組織に移行した初期パイル組織製織期間では、織前24のルーズピック位置44への移動に伴って、多数本の緯糸20が捨て耳カッター12の緯糸切断領域に進出する。また、一般にパイル組織は、非パイル組織よりも緯糸密度が低く織布14の1ピック当たりの巻取速度が大きいので、緯糸切断領域には多くの非パイル組織の緯糸20が進出し、さらに、非パイル組織に用いられる緯糸20(すなわち緯糸C)はパイル組織に用いられる緯糸20(すなわち緯糸A)よりも太くて切断が困難である。
【0065】
したがって、初期パイル組織製織期間には、切断困難な緯糸20が多数本、緯糸切断領域に進出し、切断ミスが生じやすい。本実施形態では、初期パイル組織製織期間において、駆動時期を主軸26の回転角度θが60°及び240°、駆動周期を180°と設定することにより、駆動周期を定常パイル組織製織期間におけるよりも短く設定して進出した緯糸20を早急に切断し、未切断の緯糸20が、緯糸切断領域に長く留まり長期間にわたって切断ミスの原因となるを防止している。
【0066】
なお、本実施形態では初期パイル組織製織期間において、織前24がファーストピック位置42に位置するときも切断動作が行われ、緯糸20は緯糸切断領域外に在るため実際には切断されない。しかし、初期パイル組織製織期間は短期間であり、初期パイル組織製織期間の無効な切断動作により、捨て耳カッター12の有効動作率が低下したり、刃やカッター駆動装置34の摩耗が増大したりすることがない。
【0067】
次いで、主制御装置32は、初期パイル組織製織期間の製織が終了すると、定常パイル組織製織期間の製織に移行する。
【0068】
定常パイル組織製織期間において、主制御装置32は、定常パイル組織を製織する旨の組織信号S4を駆動制御装置36に出力する。
【0069】
駆動制御装置36は、信号S1,S3,S4,S5,S6に基づいて切断動作信号S7をステッピングモータ54に出力する。
【0070】
緯糸Aを用いる定常パイル組織製織期間においては、3ピック毎に捨て耳カッター12が駆動されることから、捨て耳カッター12の切断可能領域に位置する緯糸20の数が非パイル組織製織期間のときの緯糸20の数より多い。
【0071】
駆動制御装置36は、織前24がファーストピック位置42からルーズピック位置44に移動した直後のクランク角60°のときに緯糸20を切断すべく切断動作信号S7をステッピングモータ54に出力する。
【0072】
織前24がルーズピック位置44に移動するとき、未切断の3本前後の緯糸20は、捨て耳カッター12の切断領域に確実に入り込む。これにより、切断領域に入り込んだ緯糸20は確実に切断される。
【0073】
主制御装置32は、緯糸Aを用いる定常パイル組織製織期間の製織が終了すると、緯糸Bを用いるパイル組織製織の製織に移行する。
【0074】
駆動制御装置36は、主制御装置32からの緯糸Bに対応する糸種信号S3に基づき織前24がファーストピック位置42からルーズピック位置44に移動した直後の主軸26の回転角度θが60°のときと次の回転角度θが60°のときに緯糸20を切断すべく切断動作信号S7をステッピングモータ54に出力する。
【0075】
これにより、緯糸Bは緯糸Aより太くて切断されにくいが、1パイル形成期間における捨て耳カッター12の駆動回数が多くなり1回当たりの切断本数が少なくなるから、捨て耳カッター12の切断領域に入り込んだ緯糸20は確実に切断される。
【0076】
以上の捨て耳カッター12を、ステッピングモータ54で駆動させる代わりに、他の駆動装置で駆動させてもよい。そのような装置として、流体圧で駆動するもの、ロータリーソレノイド等をあげることができる。
【0077】
織機10の主軸26や他の駆動装置(例、電動筬打ち装置)の回転軸の回転運動を変換する運動変換装置を捨て耳カッター12の駆動装置として用いてもよい。この場合、最初の実施形態の運動変換装置としては、例えば、織前24がファーストピック位置42に位置するときにクラッチ機構により捨て耳カッター12の切断動作を停止させ、無効な切断動作をなくす装置であってもよい。
【0078】
テンプル台58は、サーボモータ68の駆動力により前後方向に移動されるとして説明したが、主軸モータ28により駆動される布移動機構に連結して駆動させてもよい。
【0079】
非パイル組織製織期間中も、パイル組織製織期間と同様に、緯糸種類情報に基づいて切断周期を変更してもよい。例えば、緯糸Cから細い緯糸Dに替わった場合、切断動作を1回/1ピックから1回/2ピックに変更してもよい。
【0080】
捨て耳カッター12の動作周期は、捨て耳カッター12自体の性能、緯糸20の切断の容易性、1パイル当たりの緯入れ(ピック)回数等により決定されるから、これらに応じて定まる所定の周期とすればよい。
【0081】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る捨て耳カッターの第1の実施例を示す概略図である。
【図2】 図1に示す捨て耳カッターの別の状態を示す概略図である。
【図3】 図1に示す捨て耳カッターを備える織機のブロック線図である。
【図4】 図1に示す捨て耳カッターの動作を示すタイミングチャート図である。
【図5】 図1に示す捨て耳カッターの他の動作を示すタイミングチャート図である。
【符号の説明】
S1 回転角度信号
S2 回転指令信号
S3 糸種信号
S4 組織信号
S5 切断角度信号
S6 周期信号
S7 切断動作信号
10 パイル用無杼織機
12 捨て耳カッター
14 織布
16 キャッチコード
18 経糸
20 緯糸
22 筬
24 織前
26 主軸
28 主軸モータ
30 エンコーダ
32 主制御装置
34 カッター駆動装置
36 駆動制御装置
38 フレーム
42 ファーストピック位置
44 ルーズピック位置
46 捨て耳カッター装置
48 固定刃
50 可動刃
54 ステッピングモータ
56 設定器
58 テンプル台
60 リングテンプル
62 ラック
64 スライドガイド
66 テンプル駆動装置
68 サーボモータ
70 ピニオンギア

Claims (4)

  1. 織前を、これが、筬打ち位置に位置する筬と接触する第1の位置と、前記第1の位置から織布の巻取方向に離間する第2の位置とに移動させる布移動式のパイル用無杼織機の捨て耳カッターの駆動方法であって、
    パイル組織製織期間のうち、少なくとも定常パイル組織製織期間において、前記織前が前記第2の位置に位置しているときに切断動作を行うべく前記捨て耳カッターを所定の周期で駆動させ、非パイル組織製織期間から切り替わり直後の初期パイル組織製織期間において、前記織前が前記第2の位置に位置しているときに前記所定の周期よりも短い周期で前記捨て耳カッターが駆動されることを含む、パイル用無杼織機の捨て耳カッターの駆動方法。
  2. 前記捨て耳カッターを専用のアクチュエータで駆動させる、請求項1に記載の方法。
  3. 非パイル組織製織期間中は、前記パイル組織製織期間とは異なる1緯入れ当たり切断動作回数で前記捨て耳カッターを駆動させることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記パイル組織製織期間中の前記捨て耳カッターの切断動作周期が緯糸種に応じて設定され、前記パイル組織製織期間中、前記緯糸種に基づいて切断動作の周期が変更されることを含む、請求項1,2又は3に記載の方法。
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