JP2009292312A - 複合ブレーキの協調制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車速低下時回生制動終了制御が、変速中の駆動輪速変動により滑らかでなくなるのを回避しつつ、低車速域で確実に回生制動が終了して摩擦制動へ移行可能とする。
【解決手段】減速を伴うt1〜t2の変速中、駆動輪速Vwdeに基づく回生制動力制限値TmLmtde、および、従動輪速Vwdnに基づく回生制動力制限値TmLmtdnを求めるが、車速低下に対するTmLmtdeの絶対値低下割合よりもTmLmtdnの絶対値低下割合を大きなものとし、TmLmtde TmLmtdnのうち、絶対値が小さい方を、回生制動力の制限に資する。
【選択図】図5

Description

本発明は、伝動系のモータ/ジェネレータによる回生制動と、液圧式や電磁式などのブレーキ装置による摩擦制動との2種類の制動により目標制動力を発生させるようにした複合ブレーキの協調制御装置、
特に、車速低下に伴う回生制動から摩擦制動への移行をスムーズに行わせる協調制御装置に関するものである。
この種の複合ブレーキは、回生制動を最大限利用し、目標制動力に対する制動力不足分を摩擦制動に補う協調制御を旨とし、エネルギー効率を高め得る。
ところで、モータ/ジェネレータの回転速度に対するトルク特性は、回転速度が低くなるにつれトルク値が大きくなるよう変化するも、低回転域においては略同じトルク値に保たれるフラット特性であることから、この低回転域では回生制動の制御精度が悪くなることを主たる原因として、また、この低回転域ではもともと回転速度が低くて回生制動によるエネルギー回収効率が低下することもあり、
この低回転域、従って低車速域では、回生制動を利用せず、摩擦制動のみにより目標制動力を実現するのが常である。
しかし、上記の根拠に基づいて決まる低回転域(低車速域)に入ってから、回生制動力を零にし、その分を摩擦制動力に上乗せするのでは、回生制動から摩擦制動への切り替えを滑らかに行うタイミング制御が困難であり、当該切り替えによるショックの発生を免れない。
そこで従来、車速低下に伴う回生制動から摩擦制動への切り替え時における協調制御技術として、例えば特許文献1に記載のような協調制御技術が開示されている。
この協調制御技術は、上記の低回転域(低車速域)に入る手前から、車速の低下につれ回生制動力を徐々に制限して小さくすると共に、その分だけ摩擦制動力を徐々に増大することにより回生制動から摩擦制動への移行を行わせるというものである。
かかる協調制御技術によれば、上記の低回転域(低車速域)に入る時に回生制動から摩擦制動への移行を完了させておくため、理論的には、車速低下に伴う回生制動から摩擦制動への切り替えを滑らかに遂行させることができる。
特開2004−196064号公報
しかし、原動機として少なくともモータ/ジェネレータを搭載し、該モータ/ジェネレータと、駆動輪である前輪または後輪との間を変速機により駆動結合可能にした、ハイブリッド車両や電気自動車のような電動車両であっては、
回生制動中に上記の変速機が変速を行って車輪駆動力が一時的に変化した場合、この駆動力変化に伴う駆動輪速変化が、回生制動力制限量(回生制動力制限値)および摩擦制動力の変化を惹起し、上記した車速低下時における回生制動から摩擦制動への移行を滑らかに行うことができないという問題を生ずる。
かといって特許文献1に記載のように、上記の制御に際し、駆動輪速の代わりに従動輪の車輪速(従動輪速)を車速として用いる場合、
駆動輪の制動スリップによる駆動輪速の低下時に(前記低車速域に入った時に)、摩擦制動への移行を完了させ得ないという問題を生ずる。
本発明は、駆動輪速を車速として求めた駆動輪速基準回生制動力制限値、および、従動輪速を車速として求めた従動輪速基準回生制動力制限値の一方のみに基づき車速低下に伴う回生制動力の制限を行う限り、上記の問題の一方が発生するのを禁じ得ないとの観点から、
これら駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値間に所定の差を持たせて、これら駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値を使い分けることにより、上記の問題のいずれをも生ずることのないようにした複合ブレーキの協調制御装置を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による複合ブレーキの協調制御装置は、請求項1に記載のごとく、
原動機として少なくともモータ/ジェネレータを搭載し、該モータ/ジェネレータと、駆動輪である前輪または後輪との間を変速機により駆動結合可能にした電動車両であって、
該車両の運転状態や走行状態に応じて決まる目標制動力を、前記モータ/ジェネレータによる回生制動およびブレーキ装置による摩擦制動の協働により実現するが、車速の低下につれ回生制動力を制限して小さくすることにより摩擦制動へ移行するようにした車両の複合ブレーキにおいて、
前記駆動輪である前輪または後輪の駆動輪速を前記車速として前記制限のための駆動輪速基準回生制動力制限値を求めると共に、従動輪である後輪または前輪の従動輪速を前記車速として前記制限のための従動輪速基準回生制動力制限値を求め、この際、
車速低下に対するこれら駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値の低下割合間に相対的に、駆動輪速基準回生制動力制限値の低下割合よりも従動輪速基準回生制動力制限値の低下割合が大きくなるような差を持たせる回生制動力制限値演算手段と、
該手段で求めた駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値のうち、小さい方の回生制動力制限値を、回生制動力の前記制限に資する回生制動力制限値選択手段とを設けたことを特徴とするものである。
かかる本発明の構成によれば、
変速機の変速などに起因した駆動輪速の変化に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値の変化程度では、駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値よりも小さくなることはなく、従動輪速基準回生制動力制限値に基づく回生制動力の制限が行われることとなって、
変速などに起因した駆動輪速の変化に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値の変化が、車速低下に伴う回生制動から摩擦制動への滑らかな移行を妨げるという前者の問題を回避することができる。
一方で、駆動輪の制動スリップによる駆動輪速の低下で、回生制動を終了して摩擦制動への移行を完了させるべき前記の低車速域になった時は、駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値よりも小さくなり、駆動輪速基準回生制動力制限値に基づく回生制動力の制限が行われることになる。
よって、駆動輪の制動スリップによる駆動輪速の低下で前記の低車速域になった時は、確実に回生制動を終了して摩擦制動への移行を完了させることができ、当該低車速域になったにもかかわらず、回生制動から摩擦制動への移行を完了させ得ないという後者の問題も解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる複合ブレーキの協調制御装置を搭載したフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両(電動車両)のパワートレーンを、その制御系とともに示し、1はエンジン、2FL,2FRはそれぞれ左右前輪(左右従動輪)、3RL,3RRはそれぞれ左右後輪(左右駆動輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機4をタンデムに配置し、エンジン1(詳しくはクランクシャフト1a)からの回転を自動変速機4の入力軸4aへ伝達する軸5に結合してモータ/ジェネレータ6(原動機)を設ける。
モータ/ジェネレータ6は、ハウジング内に固設した環状のステータ6aと、このステータ6a内に所定のエアギャップを持たせて同心に配置したロータ6bとよりなり、運転状態の要求に応じ、モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機4間に配置する。
モータ/ジェネレータ6は、ロータ6bの中心に上記の軸5を貫通して結着し、この軸5をモータ/ジェネレータ軸として利用する。
かかるモータ/ジェネレータ6およびエンジン1間、詳しくは、モータ/ジェネレータ軸5とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ7を介挿し、この第1クラッチ7によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ6間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ7は、伝達トルク(クラッチ締結)容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク(クラッチ締結)容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ6および自動変速機4間は、モータ/ジェネレータ軸5と変速機入力軸4aとの直接結合により相互に直結させる。
自動変速機4は、周知の遊星歯車組式自動変速機と同様なものであるが、これからトルクコンバータを排除して、その代わりにモータ/ジェネレータ6を変速機入力軸4aに直接結合したものとし、
複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結させたり、解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機4は、入力軸4aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸4bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪3RL,3RRへ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機4は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
なおハイブリッド車両にあっては、モータ/ジェネレータ6および駆動輪3RL,3RR を切り離し可能に結合する第2クラッチ9が必要であるが、
本実施例においてはこの第2クラッチ9を自動変速機4の前、若しくは、後に追加して新設する構成を採用せず、
この代わりに第2クラッチ9として、自動変速機4内に既存する前記した変速摩擦要素のうち、前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素を流用する。
ちなみに、第2クラッチ9として用いる自動変速機4内に既存の前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素はもともと、前記した第1クラッチ7と同様、伝達トルク容量(クラッチ締結容量)を連続的に変更可能なものである。
かように、第2クラッチ9として自動変速機4内に既存の前進変速段選択用の変速摩擦要素(発進用摩擦要素)または後退変速段選択用の変速摩擦要素(発進用摩擦要素)を流用する場合、第2クラッチ9が以下に説明するモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を対応変速段への変速により動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
以下、図1につき上述したパワートレーンのモード選択機能を説明する。
図1に示したパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ7を解放し、自動変速機4を第2クラッチ9の締結により動力伝達可能状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ6を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ6からの出力回転のみが変速機入力軸4aに達することとなり、自動変速機4が当該入力軸4aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸4bより出力する。
変速機出力軸4bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪3RL,3RRに至り、車両をモータ/ジェネレータ6のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や大負荷走行時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ7を締結させると共に、自動変速機4を第2クラッチ9の締結により動力伝達可能状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ6からの出力回転の双方が変速機入力軸4aに達することとなり、自動変速機4が当該入力軸4aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸4bより出力する。
変速機出力軸4bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪3RL,3RRに至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ6の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ6を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ6のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
以下、上記したハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ6、第1クラッチ7、および第2クラッチ9の制御システムを、図1に基づき概略説明する。
この制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ11を具え、該パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmと、第1クラッチ7の目標締結容量tTc1(第1クラッチ締結圧指令値tPc1)と、第2クラッチ9の目標締結容量tTc2(第2クラッチ締結圧指令値tPc2)とで規定する。
統合コントローラ11には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ13からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ14からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ15からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ16からの信号と、
モータ/ジェネレータ6用の電力を蓄電しておくバッテリ31の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ17からの信号と、
ブレーキペダル踏力に応じたマスターシリンダ液圧Pmを検出するマスターシリンダ液圧センサ18からの信号と、
左右前輪(左右従動輪)2FL,2FRおよび左右後輪(左右駆動輪)3RL,3RRの車輪速Vwを個々に検出する車輪速センサ群21からの信号とを入力する。
統合コントローラ11は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、第1クラッチ目標締結容量tTc1、および第2クラッチ目標締結容量tTc2をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ32に供給され、このエンジンコントローラ32は、センサ12で検出したエンジン回転数Neと目標エンジントルクtTeとから、エンジン回転数Neのもとで目標エンジントルクtTeを実現するためのスロットル開度制御や燃料噴射量制御などにより、エンジントルクが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御する。
目標モータ/ジェネレータトルクtTmはモータ/ジェネレータコントローラ33に供給され、このモータ/ジェネレータコントローラ33は、バッテリ31の電力をインバータ34により直流−交流変換して、またインバータ34による制御下でモータ/ジェネレータ6のステータ6aに供給し、モータ/ジェネレータトルクが目標モータ/ジェネレータトルクtTmに一致するようモータ/ジェネレータを制御する。
なお目標モータ/ジェネレータトルクtTmが、モータ/ジェネレータ6に回生制動作用を要求するようなものである場合、モータ/ジェネレータコントローラ33はインバータ34を介し、センサ17で検出したバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)との関連においてバッテリ31が過充電とならないような発電負荷をモータ/ジェネレータ6に与え、
モータ/ジェネレータ6が回生制動により発電した電力を交流−直流変換してバッテリ31に充電する。
かかるモータ/ジェネレータ6の回生ブレーキのみでは制動力が不足する場合、統合コントローラ11は、不足分の制動力を液圧ブレーキシステムで補うべく摩擦制動力指令値Tfを回生協調ブレーキ制御指令としてブレーキコントローラ35に供給する。
ブレーキコントローラ35は、回生協調ブレーキ制御指令がない場合(摩擦制動力指令値Tf=0の場合)、ブレーキペダル踏力に応じたマスターシリンダ液圧Pmを検出するマスターシリンダ液圧センサ18からの信号をもとに、各輪ブレーキユニットのブレーキ液圧を適切な前後輪制動力配分制御下でマスターシリンダ液圧Pmに応じた液圧に制御するが、
統合コントローラ11から回生協調ブレーキ制御指令(摩擦制動力指令値Tf>0)を受けるときブレーキコントローラ35は、摩擦制動力指令値Tf(>0)を液圧ブレーキシステムにより実現すべく各輪ブレーキユニットのブレーキ液圧を適切な前後輪制動力配分制御下で摩擦制動力指令値Tfに応じた液圧に制御する。
第1クラッチ目標締結容量tTc1は第1クラッチコントローラ36に供給され、この第1クラッチコントローラ36は、第1クラッチ目標締結容量tTc1に対応した第1クラッチ締結圧指令値tPc1と、センサ19で検出した第1クラッチ7の締結圧Pc1との対比により、第1クラッチ7の締結圧Pc1が第1クラッチ締結圧指令値tPc1となるよう第1クラッチ締結圧制御ユニット37を介して第1クラッチ7の締結圧を制御して第1クラッチ7の締結容量制御を行う。
第2クラッチ目標締結容量tTc2は変速機コントローラ38に供給され、
この変速機コントローラ38は、第2クラッチ目標締結容量tTc2に対応した第2クラッチ締結圧指令値tPc2と、センサ20で検出した第2クラッチ9の締結圧Pc2との対比により、第2クラッチ9の締結圧Pc2が第2クラッチ締結圧指令値tPc2となるよう第2クラッチ締結圧制御ユニット39を介して第2クラッチ9の締結圧を制御して第2クラッチ9の締結容量制御を行う。
なお変速機コントローラ38は、センサ15で検出した変速機出力回転数No(車速VSP)およびセンサ16で検出したアクセル開度APOから予定の変速マップをもとに、現在の運転状態に好適な変速段を求め、現在の変速段からこの好適変速段への自動変速をも行うものとし、
かかる現在の変速段から好適変速段への自動変速中は、当該変速中であることを示す変速中信号を統合コントローラ11へ供給する。
以上は、図1の制御システムが実行する通常制御の概要であるが、
本実施例においては図1における統合コントローラ11が、図示せざるブレーキペダルの踏み込みによる制動中、図2および図3に示す制御プログラムを実行して、複合ブレーキの協調制御を以下のように行うものとする。
図2は、複合ブレーキの協調制御に係わるメインルーチンを示し、図3は、当該メインルーチンにおいて求める、車速低下時回生制動力制限値の演算処理を示す。
図2のメインルーチンにおいては、先ずステップS11で、運転者がブレーキペダルの踏み込みにより要求している車両の目標制動力Tb(以下では、制動力を負値として説明する)を演算する。
かかる目標制動力Tbの演算に当たっては、センサ18で検出したマスターシリンダ液圧Pm(ブレーキペダルの踏み込みストロークでもよい)から、予定の目標制動力マップをもとに検索により求めてもよいし、勿論車両モデルを用いた演算により求めてもよい。
次のステップS12においては、車速VSPが前記した回生制動禁止低車速域まで低下する前に回生制動を徐々に制限して摩擦制動へ滑らかに移行させるための車速低下時回生制動力制限値TmLmtを、図3につき後述するごとくに算出する。
ステップS13においては、ステップS11で求めた目標制動力Tbと、ステップS12で求めた車速低下時回生制動力制限値TmLmtとを対比し、Tb<TmLmt(|Tb|>|TmLmt|)であるか否か(回生制動力を車速低下時回生制動力制限値TmLmtに制限すると、回生制動力のみでは目標制動力Tbに対し制動力不足となって不足分を摩擦制動に頼る必要があるか否か)をチェックする。
ステップS13でTb≧TmLmt(|Tb|≦|TmLmt|)であると判定する時は、つまり、回生制動力を車速低下時回生制動力制限値TmLmtに制限しても、回生制動のみにより目標制動力Tbを賄い得て摩擦制動が不要である時は、
制御をステップS14に進めて、回生制動力指令値Tmを目標制動力Tbと同じ値にし、このように定めた回生制動力指令値Tmを目標モータ/ジェネレータトルクtTmにセットする。
次いでステップS15において、摩擦制動力指令値Tfを0とする。
しかし、ステップS13でTb<TmLmt(|Tb|>|TmLmt|)であると判定する時は、つまり、回生制動力を車速低下時回生制動力制限値TmLmtに制限すると、回生制動力のみでは目標制動力Tbを賄いきれず制動力不足となって、不足分を摩擦制動に頼る必要がある時は、
制御をステップS16に進めて、回生制動力指令値Tmを車速低下時回生制動力制限値TmLmtと同じ値にし、このように定めた回生制動力指令値Tmを目標モータ/ジェネレータトルクtTmにセットする。
次のステップS17においては、上記のように定めた回生制動力指令値Tm(=TmLmt)と、ステップS11で求めた目標制動力Tbとから、回生制動のみでは目標制動力Tbに対して制動力不足となる制動力不足分(Tb−TmLmt)を求め、この制動力不足分(Tb−TmLmt)を摩擦制動力指令値Tfにセットする。
統合コントローラ11は、ステップS14およびステップS15、または、ステップS16およびステップS17で求めた、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(回生制動力指令値Tm)および摩擦制動力指令値Tfをそれぞれ、図1に示すようにモータ/ジェネレータコントローラ33およびブレーキコントローラ35へ出力する。
モータ/ジェネレータコントローラ33は、インバータ34を介し目標モータ/ジェネレータトルクtTm(回生制動力指令値Tm)に応じた発電負荷をモータ/ジェネレータ6に与え、回生制動力指令値Tmに対応した回生制動を行う。
モータ/ジェネレータ6が回生制動により発電した電力は、インバータ34を介し交流−直流変換してバッテリ31に充電し、モータ/ジェネレータ6の以後におけるモータ作動に供する。
ブレーキコントローラ35は、摩擦制動力指令値Tf>0(回生協調ブレーキ制御指令)に呼応して、摩擦制動力指令値Tfを液圧ブレーキシステムにより実現すべく、各輪ブレーキユニットのブレーキ液圧を適切な前後輪制動力配分制御下で摩擦制動力指令値Tfに応じた液圧に制御する。
ところで本実施例においては、図2のステップS12において求める車速低下時回生制動力制限値TmLmtの演算要領を、図3に示すごときものとして本発明の前記した目的を達成する。
なお車速低下時回生制動力制限値TmLmtは前記したとおり、車速VSPが前記した回生制動禁止低車速域まで低下する前に回生制動を徐々に制限して摩擦制動へ滑らかに移行させるための回生制動力制限値である。
かかる車速低下時回生制動力制限値TmLmtの演算に際し、統合コントローラ11は先ずステップS21において、センサ17で検出したバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)およびセンサ13で検出したモータ/ジェネレータ回転数Nmなどから決まる許容最大回生力Tmmax(負値)をマップ検索により読み込む。
次のステップS22においては、車輪速センサ群21で検出した各車輪速のうち左右駆動輪(左右後輪)3Rl,3RRの車輪速から両者の駆動輪速平均値Vwdeを算出し、
ステップS23においては、車輪速センサ群21で検出した各車輪速のうち左右従動輪(左右前輪)2Rl,2RRの車輪速から両者の従動輪速平均値Vwdeを算出する。
回生制動力制限値演算手段に相当するステップS24においては、駆動輪速平均値Vwdeを車速VSPとして見なした演算により駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtde(負値)を算出すると共に、従動輪速平均値Vwdnを車速VSPとして見なした演算により従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdn(負値)を算出する。
これら駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnはそれぞれ、前記した通り車速低下につれて回生制動を大きく制限するための制限値であることから、図4に例示するごとく車速VSP(駆動輪速平均値Vwde、従動輪速平均値Vwdn)の低下につれ徐々に絶対値が小さくなり、ついには零になるものとする。
しかし、これら駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの算出に当たっては、図4の実線および破線で対比して示すごとく、車速VSP(駆動輪速平均値Vwde、従動輪速平均値Vwdn)の低下に対するこれら駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合間に相対的に、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合よりも従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合が大きくなるような差を持たせる。
この差は、自動変速機4の変速に起因した駆動輪速平均値Vwdeの変動に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの変化によっても、該駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値を下回らないような差とする。
上記のように駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合および従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合間に差を設定するに当たっては、
駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を小さくする調整により、車速低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を、車速低下に対する従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合より小さくしてもよいし、
従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を大きくする調整により、車速低下に対する従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を、車速低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合より大きくしてもよいし、
駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を小さくする調整と、従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を大きくする調整との組み合わせにより、これら絶対値低下割合間に上記の差を設定してもよい。
図3のステップS25においては、図1に示す変速機コントローラ38からの変速中信号が有るか無いかにより、自動変速機4が変速中であるか否かをチェックする。
変速中でなければ、本発明が解決しようとする前記した課題を生じないことから、また、前記した通り駆動輪速に基づく車速低下時回生制動力制限の方が従動輪速に基づく車速低下時回生制動力制限よりも好ましいことから、
ステップS26において、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeを車速低下時回生制動力制限値TmLmtにセットする。
その後ステップS32において、当該車速低下時回生制動力制限値TmLmtを後述の制御に資するよう、車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)として記憶する。
ステップS25で変速中と判定するときは、ステップS27において、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeが従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnよりも大きい(|TmLmtde|<|TmLmtdn|)か否かをチェックする。
ステップS27でTmLmtde> TmLmtdn(|TmLmtde|<|TmLmtdn|)と判定する場合、つまり、従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnが駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeよりも大きい(|TmLmtde|>|TmLmtdn|)場合、
ステップS28において、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnのうち、絶対値が小さい方、つまり、回生制動を大きく制限する方の従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnを車速低下時回生制動力制限値TmLmtにセットする。
よってステップS28はステップS27と共に、本発明における回生制動力制限値選択手段を構成する。
その後ステップS32において、上記車速低下時回生制動力制限値TmLmtを後述の制御に資するよう、車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)として記憶する。
ステップS27で、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeが従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnよりも大きい(|TmLmtde|<|TmLmtdn|)と判定する場合、
制御をステップS29〜ステップS31に進め、基本的には駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnのうち、絶対値が小さい方、つまり、回生制動を大きく制限する方の駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeを車速低下時回生制動力制限値TmLmtにセットするが、
このとき本実施例においては、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeをそのまま車速低下時回生制動力制限値TmLmtにセットするのでなく、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeを以下のようにピークホールドして得られる回生制動力制限値を車速低下時回生制動力制限値TmLmtとする。
つまりステップS29において、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeと、前回ステップS32で記憶した車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)とを比較し、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeが車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)よりも大きい(|TmLmtde|<| TmLmt(前回値)|)か否かをチェックする。
TmLmtde> TmLmt(前回値)である(|TmLmtde|<| TmLmt(前回値)|である)と判定する場合、つまり、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeが車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)よりも零に近い場合、
ステップS30において、車速低下時回生制動力制限値TmLmtを駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeに更新し、
ステップS32において、この更新した車速低下時回生制動力制限値TmLmtを車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)として記憶する。
しかしステップS29でTmLmtde≦ TmLmt(前回値)である(|TmLmtde|≧| TmLmt(前回値)|である)と判定する場合、つまり、車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)が駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeよりも零に近い場合、
ステップS31において、車速低下時回生制動力制限値TmLmtをその前回値TmLmt(前回値)に保持し、
ステップS32において、この保持した車速低下時回生制動力制限値TmLmtを車速低下時回生制動力制限値TmLmt(前回値)として記憶する。
従って、ステップS29〜ステップS31はステップS27と共に、本発明における回生制動力制限値選択手段を構成する。
上記した本実施例になる複合ブレーキの協調制御装置によれば、
車両の運転状態や走行状態に応じて決まる目標制動力Tb(ステップS11)を、モータ/ジェネレータ6による回生制動および液圧ブレーキ装置による摩擦制動の協働により実現する間(ステップS16およびステップS17)、車速低下につれ回生制動力TmをTmLmtに制限して小さくすることにより摩擦制動へ移行するに際し、
駆動輪速Vwdeを車速として上記制限のための駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeを求めると共に、従動輪速Vwdnを車速として上記制限のための従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnを求めるが(ステップS24)、
車速低下に対するこれら駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合間に相対的に、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合よりも従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合が図4に例示するように大きくなるような差を持たせ、
これら駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnのうち、絶対値が小さい方の回生制動力制限値を、回生制動力の上記制限に資するような構成としたから、以下に説明するような作用効果を達成することができる。
図5にもとづき詳述するに、この図は、瞬時t1に現在の選択変速段から目標変速段への変速指令が発せられ、瞬時t2にこの目標変速段への変速が終了する変速中、駆動輪速平均値Vwdeおよび従動輪速平均値Vwdnの時系列変化により示すような車速低下を伴う減速時の動作タイムチャートである。
瞬時t1〜t2の変速中に求められる駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnは図示のように、車速(Vwde,Vwdn)の低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合よりも従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合が大きなものとなる。
瞬時t1〜t2の変速中はこれに起因した駆動輪速Vwdeの変化に伴って駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeも図示のごとくに変動する。
しかし、変速に起因した駆動輪速Vwdeの変化に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの変化程度では、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値よりも小さくなることはなく、従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnに基づく回生制動力の制限により、回生制動および摩擦制動の配分が実線で示すように行われることとなる。
このため、変速に起因した駆動輪速Vwdeの変化に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの変化が、車速(Vwde,Vwdn)の低下に伴う回生制動から摩擦制動への滑らかな移行を妨げるという問題を回避することができる。
一方で図5には示さなかったが、駆動輪の制動スリップによる駆動輪速Vwdeの低下で、この駆動輪速Vwdeが、回生制動を終了して摩擦制動への移行を完了させるべき低車速域になった時は、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値よりも小さくなり、上記した従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnに基づく回生制動力の制限に代わって、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeに基づく回生制動力の制限が行われることになる(ステップS29〜ステップS31)。
よって、駆動輪の制動スリップによる駆動輪速Vwdeの低下で上記の低車速域になった時は、確実に回生制動を終了して摩擦制動への移行を完了させることができ、当該低車速域になったにもかかわらず、回生制動から摩擦制動への移行を完了させ得ないという問題を生ずることもない。
なお、車速(駆動輪速平均値Vwde、従動輪速平均値Vwdn)の低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeおよび従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合間の差を前記したごとく、自動変速機4の変速に起因した駆動輪速平均値Vwdeの変動に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの変化によっても、該駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値を下回ることのない差とする場合、
上記した作用効果のうち、前者の作用効果をいかなる変速時に確実に達成することができる。
また、上記のように駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合および従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合間に差を設定するに当たっては、
駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を小さくする調整により、車速低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を、車速低下に対する従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合より小さくしてもよいし、
従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を大きくする調整により、車速低下に対する従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を、車速低下に対する駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合より大きくしてもよいし、
駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値低下割合を小さくする調整と、従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値低下割合を大きくする調整との組み合わせにより、これら絶対値低下割合間に上記の差を設定してもよく、
いずれの場合も、上記した前者の作用効果を確実に達成することができる。
なお本実施例では、駆動輪の制動スリップなどにより駆動輪速Vwdeが図6の瞬時t3におけるように大きく低下し、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値よりも小さくなる時、上記したとおり駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeに基づく回生制動力の制限を行うことになるが(ステップS27〜ステップS31)、
このとき、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeをそのまま車速低下時回生制動力制限値TmLmtにセットするのでなく、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeをステップS29およびステップS30につき前述したようにピークホールドして得られる回生制動力制限値を車速低下時回生制動力制限値TmLmtとして回生制動力指令値Tmとなすため、以下のような作用効果を達成することができる。
駆動輪速Vwdeが図6の瞬時t3におけるように大きく低下したとき、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeもその絶対値が図示のごとく従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値よりも小さくなる。
しかし、その後に駆動輪制動スリップの解消で駆動輪速Vwdeが図6の瞬時t3以後におけるごとく回復して、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が図示のごとく従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値より大きくなっても、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeを瞬時t3のピーク値(最も零に近い値)に保持して得られる回生制動力制限値を車速低下時回生制動力制限値TmLmtとして回生制動力指令値Tmの決定に供する。
このため回生制動力指令値Tmが瞬時t3以後は実線で示すごとく、駆動輪速Vwdeの回復に伴う駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値増大によっても、瞬時t3におけるピーク値に保たれ、時間の経過に伴い回生制動力指令値Tmの絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値以上となる瞬時t4以後、回生制動力指令値Tmは従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnに制限される。
以上の協調制御により本実施例においては、駆動輪制動スリップで駆動輪速Vwdeが図6の瞬時t3におけるごとく大きく低下し、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が図示のごとく従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値より小さくなっても、駆動輪制動スリップの解消で直ちに駆動輪速Vwdeが図6の瞬時t3以後におけるごとく回復して、駆動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdeの絶対値が図示のごとく従動輪速基準回生制動力制限値TmLmtdnの絶対値より大きくなるような場合は、
これに呼応した回生制動力の増大を行わせないこととなり、一時的な駆動輪速Vwdeの変化に伴う回生制動の頻繁な増減が行われる弊害をなくしつつ前記した作用効果を達成することができる。
なお本実施例では、駆動輪速として左右駆動輪3RL,3RRの車輪速平均値Vwdeを用い、従動輪速として左右従動輪2FL,2FRの車輪速平均値Vwdnを用いることから、左右駆動輪3RL,3RRの一方が制動スリップを生じたり、左右従動輪2FL,2FRの一方が制動スリップを生じた場合においても、前記した作用効果を確実に達成することができる。
本発明の一実施例になる複合ブレーキの協調制御装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御システムとともに示す線図的平面図である。 図1における統合コントローラが実行する複合ブレーキの協調制御に係わるメインルーチンを示すフローチャートである。 図2のメインルーチンにおいて演算する車速低下時回生制動力制限値の算出処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のサブルーチンにおいて演算する駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値の変化特性を示す特性線図である。 図1〜4に示す実施例の変速中における協調制御を示す動作タイムチャートである。 図1〜4に示す実施例の駆動輪制動スリップ時における協調制御を示す動作タイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2FL,2FR 左右前輪(左右従動輪)
3RL,3RR 左右後輪(左右駆動輪)
4 自動変速機
6 モータ/ジェネレータ(原動機)
7 第1クラッチ
9 第2クラッチ
11 統合コントローラ
12 エンジン回転センサ
13 モータ/ジェネレータ回転センサ
14 変速機入力回転センサ
15 変速機出力回転センサ
16 アクセル開度センサ
17 蓄電状態センサ
18 マスターシリンダ液圧センサ
21 車輪速センサ群
31 バッテリ
32 エンジンコントローラ
33 モータ/ジェネレータコントローラ
34 インバータ
35 ブレーキコントローラ
36 第1クラッチコントローラ
37 第1クラッチ締結圧制御ユニット
38 変速機コントローラ
39 第2クラッチ締結圧制御ユニット

Claims (7)

  1. 原動機として少なくともモータ/ジェネレータを搭載し、該モータ/ジェネレータと、駆動輪である前輪または後輪との間を変速機により駆動結合可能にした電動車両であって、
    該車両の運転状態や走行状態に応じて決まる目標制動力を、前記モータ/ジェネレータによる回生制動およびブレーキ装置による摩擦制動の協働により実現するが、車速の低下につれ回生制動力を制限して小さくすることにより摩擦制動へ移行するようにした車両の複合ブレーキにおいて、
    前記駆動輪である前輪または後輪の駆動輪速を前記車速として前記制限のための駆動輪速基準回生制動力制限値を求めると共に、従動輪である後輪または前輪の従動輪速を前記車速として前記制限のための従動輪速基準回生制動力制限値を求め、この際、
    車速低下に対するこれら駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合間に相対的に、駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合よりも従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合が大きくなるような差を持たせる回生制動力制限値演算手段と、
    該手段で求めた駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値のうち、絶対値が小さい方の回生制動力制限値を、回生制動力の前記制限に資する回生制動力制限値選択手段とを具備してなることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  2. 請求項1に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    前記回生制動力制限値演算手段は、前記駆動輪速基準回生制動力制限値の調整により、車速低下に対する該駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合を、車速低下に対する前記従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合よりも小さくするものであることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  3. 請求項1に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    前記回生制動力制限値演算手段は、前記従動輪速基準回生制動力制限値の調整により、車速低下に対する該従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合を、車速低下に対する前記駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合よりも大きくするものであることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    前記回生制動力制限値選択手段は、前記回生制動力の制限に資する駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値の使い分けを、前記変速機の変速中に実行するものであることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  5. 請求項4に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    車速低下に対する前記駆動輪速基準回生制動力制限値および従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値低下割合間における前記相対的な差は、前記変速機の変速に起因した駆動輪速基準回生制動力制限値の変化によっても、該駆動輪速基準回生制動力制限値の絶対値が従動輪速基準回生制動力制限値の絶対値を下回らない差であることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    前記回生制動力制限値選択手段は、前記駆動輪速基準回生制動力制限値が前記従動輪速基準回生制動力制限値よりも絶対値比較で小さくなった場合、該駆動輪速基準回生制動力制限値の最も零に近い値を回生制動の前記制限に資するものであることを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の、複合ブレーキの協調制御装置において、
    前記駆動輪速として、全駆動輪の車輪速平均値を用い、前記従動輪速として、全従動輪の車輪速平均値を用いるよう構成したことを特徴とする複合ブレーキの協調制御装置。
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