JP2009287505A - 自動二輪車用パワーユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】機関弁の作動態様を変更可能とした動弁装置と、該動弁装置の作動を制御する動弁制御装置とを有するエンジンのエンジン本体が車体フレームに搭載され、エンジン本体のクランクケースに変速機が収容される自動二輪車用パワーユニットにおいて、シリンダ軸線方向でのエンジン本体の小型化を可能とし、エンジン本体の上端部に配設される部品の配置上の自由度を高める。
【解決手段】動弁制御装置81がクランクケース26の後面に取付けられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、機関弁の作動態様を変更可能とした動弁装置と、該動弁装置の作動を制御する動弁制御装置とを有するエンジンのエンジン本体が車体フレームに搭載され、前記エンジン本体のクランクケースに変速機が収容される自動二輪車用パワーユニットに関する。
動弁装置の作動態様を変更させるための動弁制御装置が、エンジン本体におけるヘッドカバーに設けられるものが、特許文献1で知られている。
特開2003−003811号公報
ところが、上記特許文献1で開示されるもののように、ヘッドカバーに動弁制御装置が設けられる構成では、シリンダ軸線に沿う方向でエンジン本体が大型化してしまう。特に、特許文献1で開示されるもののように、動弁制御装置が備える電動モータの軸線がシリンダ軸線に沿う方向に設定されていると、シリンダ軸線方向でエンジン本体がより大型化してしまい、エンジン本体の上方に燃料タンクが配置される場合には、燃料タンクの上下位置も上昇して自動二輪車が上下方向で大型化してしまう。またヘッドカバーには、点火プラグを挿入するための挿入孔が設けられることがあり、点火プラグの整備性を確保するためには、動弁制御装置および挿入孔が重ならないように配慮する必要があり、動弁制御装置の配置に制約がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、シリンダ軸線方向でのエンジン本体の小型化を可能とし、エンジン本体の上端部に配設される部品の配置上の自由度を高めた自動二輪車用パワーユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、機関弁の作動態様を変更可能とした動弁装置と、該動弁装置の作動を制御する動弁制御装置とを有するエンジンのエンジン本体が車体フレームに搭載され、前記エンジン本体のクランクケースに変速機が収容される自動二輪車用パワーユニットにおいて、前記動弁制御装置が前記クランクケースの後面に取付けられることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記車体フレームが備える左右一対のピボットプレートに、後輪を軸支するスイングアームが支軸を介して揺動可能に支承され、前記支軸の前方に前記動弁制御装置が配置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、前記動弁制御装置が前記支軸よりも上方に配置されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明の構成に加えて、前記動弁制御装置が、平面視で一対の前記ピボットプレート間に配置されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成に加えて、前記動弁制御装置が、側面視で前記ピボットプレートと重なる位置に配置されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、複数の前記動弁制御装置が、車体フレームの幅方向中心を通って前後に延びる車体中心線に対して対称的に配置されることを特徴とする。
さらに請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記動弁制御装置が備える駆動手段の長手方向を前記クランクケースの後面に沿わせるようにして、該動弁制御装置がクランクケースの後面に取付けられることを特徴とする。
なお実施例の吸気弁46および排気弁47が本発明の機関弁に対応し、実施例の電磁開閉弁85が本発明の駆動手段に対応する。
請求項1記載の発明によれば、動弁制御装置がクランクケースの後面に取付けられるので、シリンダ軸線方向でエンジンの小型化を図ることができ、エンジン本体の上端部に配設される部品の配置上の自由度を増大することができる。また前方からの飛び石や泥水等が動弁制御装置に当たるのをクランクケースで効果的に抑止することができる。
また請求項2記載の発明によれば、スイングアームをピボットプレートに揺動可能に支承する支軸の前方に動弁制御装置が配置されるので、支軸およびクランクケース間のデッドスペースを有効に利用して動弁制御装置を配置することができる。
請求項3記載の発明によれば、動弁制御装置が、支軸の前方かつ上方に配置されるので下方からの飛び石や泥水等が、動弁制御装置に当たるのをスイングアームの前部で効果的に抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、支軸およびクランクケース間であって両ピボットプレート間に生じるデッドスペースを有効に利用して動弁制御装置を配置することができる。
請求項5記載の発明によれば、側面視でピボットプレートと重なる位置に動弁制御装置が配置されるので、側方からの飛び石等が動弁制御装置に当たるのをピボットプレートで効果的に抑止することができる。
請求項6記載の発明によれば、複数の動弁制御装置が、車体中心線の両側に対称的に配置されるので、パワーユニットの重量が車体中心線に対して左右いずれかに偏ってしまうことを防止することができる。
さらに請求項7記載の発明によれば、動弁制御装置が備える駆動手段の長手方向がクランクケースの後面に沿うので、クランクケースの後面からの駆動手段の後方への突出を抑え、エンジンの前後長が長くなるのを回避することができる。またエンジンの後方にある部品をクランクケースの後面側により近づけるようにして自動二輪車の前後長を短くすることもできる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の左側面図、図2はパワーユニットを左側から見た一部切欠き側面図、図3は車体フレームの一部およびパワーユニットを図2の3矢視方向から見た平面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は吸気側弁作動態様変更機構の縦断面図、図6は図3の6−6線断面図である。
先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11および操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後ろ下がりに延びる左右一対のメインフレーム14…と、ヘッドパイプ13および両メインフレーム14…の前部に連なってメインフレーム14…から下方に延びる左右一対のエンジンハンガ15…と、両メインフレーム14…の後部から下方に延びる左右一対のピボットプレート16…と、後ろ上がりに延びて前記両メインフレーム14…の後部に連結される左右一対のシートレール17…とを備える。
前記ピボットプレート16には、後輪WRを軸支するスイングアーム18の前部が支軸107を介して上下に揺動可能に支承されており、このスイングアーム18および前記ピボットプレート16の下部間にはリンク機構19が設けられ、該リンク機構19の一部を構成する部材と前記ピボットプレート16の上部との間にリヤクッションユニット20が設けられる。
前輪WFおよび後輪WR間で前記車体フレームFにはパワーユニットPが搭載されており、このパワーユニットPの出力軸21は、チェーン伝動手段22を介して後輪WRに連動、連結される。而して前記チェーン伝動手段22は、前記出力軸21に固定される駆動スプロケット108と、前記後輪WRに固定される被動スプロケット109と、駆動スプロケット108および被動スプロケット109に巻き掛けられる無端状のチェーン110とから成る。
また前記パワーユニットPの上方で前記メインフレーム14…には燃料タンク23が搭載され、該燃料タンク23の後方に配置される乗車用シート24が前記シートレール17…で支持される。
図2および図3において、前記パワーユニットPは、たとえば4気筒の直列多気筒であるエンジンEと、該エンジンEの出力を段階的に変速する変速機Mとを備えるものであり、エンジンEのエンジン本体25は、車体フレームFの幅方向に沿う軸線を有するクランクシャフト30を回転自在に支承するクランクケース26と、該クランクケース26の前側上部に結合されるシリンダブロック27と、該シリンダブロック27に結合されるシリンダヘッド28と、該シリンダヘッド28に結合されるヘッドカバー29とを備える。
前記クランクケース26は、上部クランクケース半体26aおよび下部クランクケース半体26bが相互に結合されて成るものであり、前記シリンダブロック27は上部クランクケース半体26aに一体に形成される。
前記シリンダブロック27の前部には、前記エンジンハンガ15…の下部に取付けられるブラケット31…が設けられ、前記クランクケース26における上部ケース半体26aの後側上部には前記ピボットプレート16…の上部に取付けられるブラケット32…が設けられ、前記クランクケース26における下部ケース半体26bの後側下部には前記ピボットプレート16…の下部に取付けられるブラケット33…が設けられる。またクランクシャフト30に始動用回転動力を付与し得るスタータモータ105がシリンダブロック27の前側下部に配設される。
前記変速機Mは、前記クランクシャフト30から回転動力が伝達される入力軸35と、前記出力軸21との間に択一的に確立可能な複数変速段の歯車列が設けられて成るものであり、入力軸35および出力軸21の軸線を前記クランクシャフト30の軸線と平行にして前記クランクシャフト30よりも後方側でクランクケース26内に収容される。
図4において、前記シリンダブロック27には、クランクシャフト30の軸線に沿う方向に並列配置される4つのシリンダボア36A,36B,36C,36Dが設けられており、それらのシリンダボア36A〜36Dのシリンダ軸線Cは前上がりに傾斜している。各シリンダボア36A〜36Dにはピストン37…が摺動可能に嵌合されており、それらのピストン37…はコネクティングロッド38…を介して前記クランクシャフト30に連接される。
シリンダブロック27およびシリンダヘッド28間には、前記シリンダボア36A〜36Dにそれぞれ摺動可能に嵌合されるピストン37…の頂部を臨ませる燃焼室39…が各気筒毎に形成される。またシリンダヘッド28には前記燃焼室39…に通じ得る吸気ポート40…および排気ポート41…が各気筒毎に設けられ、前記吸気ポート40…は前記シリンダヘッド28の後部側面に開口され、前記排気ポート41…は前記シリンダヘッド28の前部側面に開口される。
シリンダヘッド28の後部側面には吸気装置42が接続されており、この吸気装置42は、前記各吸気ポート40…に個別に連なるスロットルボディ43…と、各スロットルボディ43…の上方に配置されるとともにスロットルボディ43…が共通に接続されるエアクリーナ44とを備え、各スロットルボディ43…には、吸気ポート40…に向けて燃料を噴射する燃焼噴射弁45…が付設される。また前記エアクリーナ44は、図1で示すように燃料タンク23で覆われるように配置される。
シリンダヘッド28には、各気筒毎に一対ずつの機関弁である吸気弁46…および一対ずつの排気弁47…が開閉作動可能に配設され、各吸気弁46…は弁ばね48…でそれぞれ閉弁方向に付勢され、各排気弁47…は弁ばね49…でそれぞれ閉弁方向に付勢される。
シリンダヘッド28およびヘッドカバー29間には、前記吸気弁46…および排気弁47…を開閉駆動する動弁装置50が収容されており、該動弁装置50は、吸気側カムシャフト51および排気側カムシャフト52と、吸気側カムシャフト51に設けられる吸気側動弁カム53…および吸気弁46…間に介装される吸気側バルブリフタ54…と、前記排気側カムシャフト52に設けられる排気側カム55…および排気弁47…間に介装される排気側バルブリフタ56…とを備える。
前記吸気側カムシャフト51および排気側カムシャフト52は、シリンダヘッド28に締結されるホルダ59と、該ホルダ59に締結されるカムホルダ60とで回転自在に支承されており、吸気側カムシャフト51および排気側カムシャフト52と、前記クランクシャフト30との間には、無端状のカムチェーン115を用いた調時伝動装置116が設けられ、クランクシャフト30からの回転動力が前記調時伝動装置116を介して1/2の減速比で吸気側カムシャフト51および排気側カムシャフト52に伝達される。また前記吸気側バルブリフタ54…および排気側バルブリフタ56…は前記ホルダ59に摺動可能に嵌合される。
ところで、直列4気筒のうち気筒配列方向に沿う両端の気筒は、気筒休止状態となり得る気筒であり、前記気筒配列方向に沿う中央部の2つの気筒は、機関の運転中は常時作動する気筒であり、前記動弁装置50のうち気筒配列方向に沿う両端の気筒に対応する部分の吸気側バルブリフタ54…および排気側バルブリフタ56…には、吸気弁46…および排気弁47…を閉弁休止して気筒休止状態とするための吸気側および排気側弁作動態様変更機構57…,58…が内蔵される。
図5において、吸気側弁作動態様変更機構57は、吸気側バルブリフタ54に摺動可能に嵌合されるピンホルダ61と、吸気側バルブリフタ54の内面との間に油圧室62を形成してピンホルダ61に摺動可能に嵌合されるスライドピン63と、油圧室62の容積を縮少する方向にスライドピン63を付勢するばね力を発揮してスライドピン63およびピンホルダ61間に設けられる戻しばね64と、スライドピン63の軸線まわりの回転を阻止するようにスライドピン63に係合してピンホルダ61に挿通されるストッパピン65とを備える。
ピンホルダ61の外周には環状溝66が設けられており、吸気側バルブリフタ54の軸線と直交する軸線を有して一端を前記環状溝66に開口せしめるとともに他端を閉塞した有底の摺動孔67がピンホルダ61に設けられる。またピンホルダ61には、弁ばね48で閉弁方向に付勢された吸気弁46におけるステム46aの先端部を挿通せしめる挿通孔68と、該挿通孔68との間に摺動孔67を挟む延長孔69とが、吸気弁46におけるステム46aの先端部を収容可能として同軸に設けられる。バルブリフタ42の閉塞端側で延長孔69の端部を塞ぐ円盤状のシム70がピンホルダ61に嵌合され、このシム70に当接する突部71が吸気側バルブリフタ54の閉塞端内面中央部に一体に設けられる。
ピンホルダ61の摺動孔67にはスライドピン63が摺動自在に嵌合される。このスライドピン63の一端と吸気側バルブリフタ54の内面との間には、環状溝66に通じる油圧室62が形成され、スライドピン63の他端と摺動孔67の閉塞端との間に形成されるばね室72内には戻しばね64が収納される。
スライドピン63の軸方向中間部には、前記挿通孔68および延長孔69に同軸に連なり得る収容孔73が前記ステム46aの先端部を収容可能として設けられ、該収容孔73の挿通孔68側の端部は、挿通孔68に対向してスライドピン63の下部外側面に形成される平坦な当接面74に開口される。而して当接面74はスライドピン63の軸線方向に沿って比較的長く形成されるものであり、収容孔73は、当接面74の油圧室62側の部分に開口される。
このようなスライドピン63は、油圧室62の油圧により該スライドピン63の一端側に作用する油圧力と、戻しばね64によりスライドピン63の他端側に作用するばね力とが均衡するようにして軸方向に摺動するものであり、油圧室62の油圧が低圧であるときの非作動時には、収容孔73を挿通孔68および延長孔69の軸線からずらせて前記ステム46aの先端を当接面74に当接させるようにストッパピン65に当接するまで図5の右側に移動し、油圧室62の油圧が高圧になった作動状態では、挿通孔68に挿通されている前記ステム46aの先端部を収容孔73および延長孔69に収容せしめるように図5の左側に移動する。
而してスライドピン63がその収容孔73を挿通孔68および延長孔69に同軸に連ならせる位置に移動したときには、吸気側カム53から作用する押圧力によって吸気側バルブリフタ54が摺動するのに応じてピンホルダ61およびスライドピン63も吸気側バルブリフタ54とともに吸気弁46側に移動するが、前記ステム46aの先端部が収容孔73および延長孔52に収容されるだけで吸気側バルブリフタ54およびピンホルダ61から吸気弁46に開弁方向の押圧力が作用することはなく、吸気弁46は休止したままとなる。またスライドピン63がその当接面74に前記ステム46aの先端部を当接させる位置に移動したときには、吸気側カム53から作用する押圧力によって吸気側バルブリフタ54が摺動するのに応じたピンホルダ61およびスライドピン63の吸気弁46側への移動に伴い吸気弁46に開弁方向の押圧力が作用するので、吸気側カム53の回転に応じて吸気弁46が開閉作動する。
シリンダヘッド28に取付けられたホルダ59には吸気側バルブリフタ54…を摺動自在に支承すべく該吸気側バルブリフタ54…を嵌合せしめる支持孔76…が設けられており、この支持孔76…の内面には、環状凹部77…が吸気側バルブリフタ54…を囲繞するようにして設けられ、吸気側バルブリフタ54…には、該吸気側バルブリフタ54…の支持孔76…内での摺動にかかわらず前記環状凹部77…を前記環状溝66…に連通させる連通孔78…が複数ずつ設けられる。また吸気側バルブリフタ54…およびシリンダヘッド28間には、吸気側バルブリフタ54…を吸気側カム53…に当接させる方向に付勢するばね80…が設けられる。
排気側バルブリフタ56…に内蔵される排気側弁作動態様変更機構58も、上述の吸気側弁作動態様変更機構57と同様に構成され、高圧の油圧が作用したときに排気弁47…を閉弁休止させる状態と、作用する油圧が低下したときに排気弁47…を開閉作動せしめる状態とを切換可能である。
すなわち動弁装置50は、吸気側弁作動態様変更機構57…および排気側弁作動態様変更機構58…の作動制御によって、直列4気筒のうち気筒配列方向に沿う両端の気筒に対応する部分の吸気弁46…および排気弁47…を開閉作動せしめる状態と、それらの吸気弁46…および排気弁47…を閉弁休止して気筒休止とする状態とを切換えることが可能である。
前記気筒配列方向に沿う両端の気筒に対応する部分の吸気側弁作動態様変更機構57…および排気側弁作動態様変更機構58…の作動は、動弁制御装置81,81で制御されるものであり、それらの動弁制御装置81,81は、図2および図3で示すように、スイングアーム18の前部をピボットプレート16…に揺動可能に支承する支軸107よりも前方かつ上方に配置されるようにして、クランクケース26の後面に取付けられる。
図6において、動弁制御装置81は、クランクケース26の後面に取付けられるスプール弁84と、該スプール弁84に取付けられる駆動手段としての電磁開閉弁85とで構成される。
スプール弁84は、入口ポート88および出口ポート89を有してクランクケース26の後面に締結される弁ハウジング86と、該弁ハウジング86に摺動可能に嵌合されるスプール弁体87とを備える。
弁ハウジング86には、一端を閉じるとともに他端を開放した有底の摺動孔90が穿設されており、該摺動孔90の他端開口部を閉じるキャップ91が弁ハウジング86に嵌合される。またスプール弁体87は、前記摺動孔90に摺動可能に嵌合されており、スプール弁体87と、前記摺動孔90の一端閉塞部との間にはばね室92が形成され、スプール弁体87の他端およびキャップ91間にはパイロット室93が形成される。ばね室92には、パイロット室93の容積を縮少する側にスプール弁体87を付勢するばね94が収納される。
前記入口ポート88および出口ポート89は、摺動孔90の軸線に沿う一端から他端側に向けて順に間隔をあけた位置で摺動孔90の内面に開口するようにして弁ハウジング86に設けられており、スプール弁体87には、入口ポート88および出口ポート89間を連通可能な環状凹部95が設けられる。而して図6で示すようにスプール弁体87が、パイロット室93の容積を最小とする位置に移動しているときには、スプール弁体87は入口ポート88および出口ポート89間を遮断する状態にある。
入口ポート88にはオイルフィルタ96が装着され、弁ハウジング86には、入口ポート88および出口ポート89間を連通するオリフィス孔97が穿設される。したがってスプール弁体87が図6で示すように入口ポート88および出口ポート89間を遮断する位置にあっても、入口ポート88および出口ポート89間はオリフィス孔97を介して連通されており、入口ポート88に供給された作動油がオリフィス孔97で絞られて出口ポート89側に流れることになる。
また弁ハウジング86には、入口ポート88および出口ポート89間を遮断する位置にスプール弁体87が在るときのみ環状凹部95を介して出口ポート89に通じる解放ポート98が穿設され、この解放ポート98はクランクケース26内に開放する。
弁ハウジング86には、入口ポート88に常時連通する通路99が設けられ、この通路99は、パイロット室93に通じて弁ハウジング86に穿設される接続孔100に、電磁開閉弁85を介して接続される。したがって電磁開閉弁85が開弁作動したときにパイロット室93に油圧が供給され、このパイロット室93内に導入された油圧の油圧力によりスプール弁体87がパイロット室93の容積を増大する側に駆動されることにより、入口ポート88および出口ポート89間がスプール弁体87の環状凹部95を介して連通されるとともに出口ポート89および解放ポート87間を遮断する。
ところで、クランクケース26内には、図4で示すように、オイルポンプ117が収納されており、無端状のチェーン118を用いた伝動機構119によって変速機Mの入力軸35からの回転動力がオイルポンプ117に伝達される。而してオイルストレーナ120を介してオイルポンプ117に吸入されたオイルは、前記クランクケース26に設けられる通路101を介して、前記動弁制御装置81におけるスプール弁84の入口ポート88に供給される。また前記スプール弁84の出口ポート89は、前記クランクケース26、シリンダブロック27、シリンダヘッド28およびホルダ59に設けられた通路102を介して、前記吸気側および排気弁作動態様変更機構57…,58…の環状凹部77…に連通される。
オイルポンプ117および動弁制御装置81間を結ぶ前記通路101は、オイルポンプ117からクランクケース26の後面側に延び、さらにクランクケース26の後面に沿って上方に延びるようにしてクランクケース26に設けられる。また動弁制御装置81および吸気側および排気弁作動態様変更機構57,58間を結ぶ前記通路102は、クランクケース26の後面に沿って上方に延び、次いでクランクケース26の上面に沿ってて前方に延び、次いでシリンダブロック27およびシリンダヘッド28の後面に沿って上方に延び、さらにホルダ59内を吸気側および排気弁作動態様変更機構57,58側に延びるようにして、クランクケース26、シリンダブロック27、シリンダヘッド28およびホルダ59に設けられる。
動弁制御装置81の電磁開閉弁85が開弁作動すると、入口ポート88および出口ポート89間が連通することで吸気側および排気側弁作動態様変更機構57…,58…の油圧室62…に高圧の油圧が作用して、吸気側および排気弁作動態様変更機構57…,58…が吸気弁46…および排気弁47…を閉弁休止するように作動し、動弁制御装置81の電磁開閉弁85が閉弁した状態では、入口ポート88および出口ポート89間が遮断するとともに出口ポート89が解放ポート87に連通することで前記油圧室62…の油圧が解放され、吸気側および排気側弁作動態様変更機構57…,58…のスライドピン46…は、吸気弁46…及び排気弁47…を開閉作動せしめる位置に移動することになる。
前記動弁制御装置81,81は、それらの動弁制御装置81…が備える電磁開閉弁85…の長手方向をクランクケース26の後面に沿わせるようにしてクランクケース26の後面に取付けられるものであり、平面視では図3で示すように左右一対のピボットプレート16…間に配置され、側面視では図1および図2で示すようにピボットプレート16…と重なるとともにチェーン伝動手段22のチェーン110に重なる位置に配置される。
しかも一対の動弁制御装置81,81は、図3で示すように、車体フレームFの幅方向中心を通って前後に延びる車体中心線CBに対して対称的に配置される。
またリンク機構19の一部を構成する部材とピボットプレート16の上部との間に設けられるリヤクッションユニット20は、スイングアーム18の前部に設けられる透孔121を貫通するようにして前記車体中心線CB上でクランクケース26の後方に配置されるのであるが、一対の動弁制御装置81,81は、車幅方向での前記リヤクッションユニット20の幅Wよりも大きな間隔を相互間にあけるようにして、前記車体中心線CBに対して対称的に配置される。このような両動弁制御装置81,81の配置によると、エンジンEの後方から動弁制御装置81…のメンテナンス作業を行う際に、リヤクッションユニット20が邪魔になることがなく、作業性を高めることができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、動弁装置50の作動を制御する動弁制御装置81,81が、クランクケース26の後面に取付けられるので、シリンダ軸線Cに沿う方向でエンジンEの小型化を図ることができ、エンジン本体25の上端部に配設される部品の配置上の自由度を増大することができる。また前方からの飛び石や泥水等が動弁制御装置81…に当たるのをクランクケース26で効果的に抑止することができる。
また動弁制御装置81…が、スイングアーム18の前部をピボットプレート16…に揺動可能に支承する支軸107よりも前方で、クランクケース26の後面に取付けられるので、支軸107およびクランクケース26間のデッドスペースを有効に利用して動弁制御装置81…を配置することができる。しかも動弁制御装置81…は、前記支軸107よりも上方に配置されるので、下方からの飛び石や泥水等が、動弁制御装置に当たるのをスイングアームの前部で効果的に抑制することができる。
また動弁制御装置81…が、平面視で一対のピボットプレート16…間に配置されているので、支軸107およびクランクケース26間であって両ピボットプレート16…間に生じるデッドスペースを有効に利用して動弁制御装置81…を配置することができる。
また動弁制御装置81…が、側面視で前記ピボットプレート16…と重なる位置に配置されるので、側方からの飛び石等が動弁制御装置81…に当たるのをピボットプレート16…で効果的に抑止することができる。
また一対の動弁制御装置81…が、車体フレームFの幅方向中心を通って前後に延びる車体中心線CBに対して対称的に配置されるので、パワーユニットPの重量が車体中心線CBに対して左右いずれかに偏ってしまうことを防止することができる。
さらに動弁制御装置81…が備える電磁開閉弁85…の長手方向がクランクケース26の後面に沿うように配置されるので、クランクケース26の後面からの動弁制御装置81…の後方への突出を抑え、エンジンEの前後長が長くなるのを回避することができる。またエンジンEの後方にある部品をクランクケース26の後面側により近づけるようにして自動二輪車の前後長を短くすることもできる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では、気筒配列方向に沿う両端の気筒を気筒休止状態とするためにそれらの気筒休止状態となり得る気筒に個別に対応した一対の動弁制御装置81,81を用いるようにしたが、気筒休止状態となり得る2つの気筒に単一の動弁制御装置81を用いるようにしたパワーユニットであっても本発明を適用することができる。
また気筒休止ではなく、常時開閉作動する吸気弁および排気弁の開閉作動特性を変化させるようにした動弁装置や、常時開閉作動する吸気弁または排気弁の開閉作動特性を変化させるようにした動弁装置の作動を動弁制御装置で制御するようにしたものにも本発明を適用することができる。
自動二輪車の左側面図である。 パワーユニットを左側から見た一部切欠き側面図である。 車体フレームの一部およびパワーユニットを図2の3矢視方向から見た平面図である。 図2の4−4線断面図である。 吸気側弁作動態様変更機構の縦断面図である。 図3の6−6線断面図である。
符号の説明
16・・・ピボットプレート
18・・・スイングアーム
22・・・動力伝達手段であるチェーン伝動手段
25・・・エンジン本体
26・・・クランクケース
30・・・クランクシャフト
46・・・機関弁である吸気弁
47・・・機関弁である排気弁
50・・・動弁装置
81・・・動弁制御装置
85・・・駆動手段である電磁開閉弁
107・・・支軸
CB・・・車体中心線
E・・・エンジン
F・・・車体フレーム
M・・・変速機
P・・・パワーユニット

Claims (7)

  1. 機関弁(46,47)の作動態様を変更可能とした動弁装置(50)と、該動弁装置(50)の作動を制御する動弁制御装置(81)とを有するエンジン(E)のエンジン本体(25)が車体フレーム(F)に搭載され、前記エンジン本体(25)のクランクケース(26)に変速機(M)が収容される自動二輪車用パワーユニットにおいて、前記動弁制御装置(81)が前記クランクケース(26)の後面に取付けられることを特徴とする自動二輪車用パワーユニット。
  2. 前記車体フレーム(F)が備える左右一対のピボットプレート(16)に、後輪(WR)を軸支するスイングアーム(18)が支軸(107)を介して揺動可能に支承され、前記支軸(107)の前方に前記動弁制御装置(81)が配置されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用パワーユニット。
  3. 前記動弁制御装置(81)が前記支軸(107)よりも上方に配置されることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車用パワーユニット。
  4. 前記動弁制御装置(81)が、平面視で一対の前記ピボットプレート(16)間に配置されることを特徴とする請求項2または3記載の自動二輪車用パワーユニット。
  5. 前記動弁制御装置(81)が、側面視で前記ピボットプレート(16)と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項4記載の自動二輪車用パワーユニット。
  6. 複数の前記動弁制御装置(81)が、車体フレーム(F)の幅方向中心を通って前後に延びる車体中心線(CB)に対して対称的に配置されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用パワーユニット。
  7. 前記動弁制御装置(81)が備える駆動手段(85)の長手方向を前記クランクケース(26)の後面に沿わせるようにして、該動弁制御装置(81)がクランクケース(26)の後面に取付けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動二輪車用パワーユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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