JP2009258211A - 導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法および除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レジスト被膜を除去後の剥離液を、細孔径2〜5nmであって、分画分子量が1000〜4000のセラミックフィルターを用いて膜濾過することにより、レジスト被膜を該剥離液から取り除き、導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去に再使用する。
【選択図】図1
Description
この導電性高分子は、導電性、光の透過性、発光性に優れるのみならず、フィルム成膜性、薄膜性、フレキシブル性にも優れており、電解コンデンサー、帯電防止膜、高分子EL、太陽電池、透明導電膜等への実用化の開発が行われている。
また、導電性高分子をポリマーフィルムの表面に薄く成膜することにより、透明性を保ったまま静電気を防止することができるため、使い勝手の良い帯電防止フィルムや帯電防止容器として使用できる。
本発明者らは、導電性高分子の表面抵抗を上昇させない方法として、特定の剥離液を使用することを見出して特許出願したが、かかる方法によっても、レジストの除去を重ねることにより剥離液中にレジスト成分が溶解・分散し、除去速度を低下させる。このため、適切な除去速度を維持するためには、剥離液の交換を頻繁に行なわなければならにという問題があった。
さらに、かかる導電性高分子の表面抵抗は、レジスト除去を低温でおこなうことにより抑制できるが、除去速度が低下し生産性が悪くなるという問題が生じた。
しかし、この方法では、蒸留のために装置が必要であるばかりか、加熱が必要なためにランニングコストが高く、混合液の場合には沸点によって液組成が変化してしまうというという問題があった。
また、導電性高分子のパターニングにドライフィルムレジストを用いると、ドライフィルムレジストの除去に使用するアルカリ成分が、導電性高分子の導電性に悪影響を与えるばかりでなく、除去に際してドライフィルムレジストが膨潤して導電性高分子を基板から脱落させてしまう問題点があり、ドライフィルムレジストは使用できない。
すなわち、本発明は以下に記載するものである。
[1]導電性高分子膜上のレジスト被膜に剥離液を接触させて該レジスト膜を除去した後、剥離液に含まれるレジスト被膜の成分を濾過処理することにより剥離液から取り除き、レジスト被膜成分を取り除いた剥離液を導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去に再使用することを特徴とする導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
[2]剥離液が、化学構造中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含み且つ窒素原子を含まない非プロトン性有機溶剤(a)、化学構造中に窒素原子を有し且つ第一級アミン化合物、第二級アミン化合物及び有機第4アンモニウム塩以外の有機溶剤(b)、よりなる群から選択された少なくとも1つの有機溶剤を含むことを特徴とする[1]に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
[3]非プロトン性有機溶剤(a)が、ジメチルスルホキシド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、および、γ−ブチロラクトンよりなる群から選択された少なくとも1つの非プロトン性有機溶剤であり、有機溶剤(b)が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミドよりなる群から選択された少なくとも1つの有機溶剤である[1]または[2]に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
[4]剥離液に含まれるレジスト被膜の成分をセラミックフィルターで膜濾過処理する、[1]〜「3」のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト膜被膜の除去方法。
[5]濾過処理が、細孔径2〜5nmであって、分画分子量が1000〜4000のセラミックフィルターを用いておこなう膜濾過である、[1]〜[4]のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
[6]濾過処理が、クロスフロー濾過方法を用いておこなう膜濾過である、[1]〜[5]のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
[7]剥離液を用いて導電性高分子膜のレジスト被膜を除去する装置であって、除去されたレジスト被膜の成分を含む剥離液を膜濾過処理することにより剥離液中のレジスト被膜成分を取り除き、レジスト被膜成分を取り除いた剥離液を、導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去に再使用する、[1]〜[6]のいずれか一に記載の除去方法に用いる導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去装置。
[8]膜濾過処理が、平均細孔径2〜5nmであって、分画分子量が1000〜4000のセラミックフィルターを用いたクロスフロー濾過処理である、[7]記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去装置。
本発明の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法は、以下の工程を含んでいる。
・ 剥離液によってパターニングした導電性高分子膜上のレジスト被膜、例えばポジ形フォトレジスト膜を剥離、溶解して除去する工程。
・ レジスト被膜の成分の溶解及び/又は分散した剥離液を、濾過装置で処理して剥離液よりレジスト被膜成分を除去する工程。
・ 濾過後の剥離液を再度、パターニングした導電性高分子膜上のレジスト被膜の剥離、溶解による除去に再使用する工程。なお、剥離液を再利用する際には、除去工程でロスする場合があるため、必要により新品の剥離液を適量加えても良い。
また、本発明の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去装置は、上記除去方法に対応し、下記の構成よりなる。
(A)剥離液を貯蔵する剥離液貯蔵手段(本貯蔵手段は(B)の後に置いても良い)。
(B)剥離液をパターニングした導電性高分子膜上のレジスト被膜に接触させてレジスト被膜を除去するための剥離手段。なお、導電性高分子膜は剥離液との接触の後にメタノール、エタノール等のアルコールや超純水で洗浄しても良い。
(C)除去後の剥離液を濾過処理する濾過手段。
(D)濾過後に剥離液を再使用するための貯蔵手段。なお、本貯蔵手段は(A)の貯蔵手段と兼用しても良い。
かかる非プロトン性有機溶剤(a)としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、スルホラン類、ジメチルスルホン等のジアルキルスルホン類、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン類、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のアルキロラクトン類、ジグライム、トリグライム等のエーテル類、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジメトキシエタン等が例示される。これらの非プロトン性有機溶媒(a)は、単独でも2種以上を混合して用いても良い。
乾燥性がよく、安全性が高く取扱しやすい点から、好ましくは、ジアルキルスルホキシド、炭酸アルキレン、アルキロラクトンから選択された一種以上の化合物であり、より好ましくは、ジメチルスルホキシド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトンから選択された一種以上の化合物であり、更に好ましくは、ジメチルスルホキシド、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンから選択された一種以上の化合物である。
かかる有機溶剤(b)としては、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等のN−アルキルピロリドン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のジアルキルカルボアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示される。取り扱いの容易さと安全性の点から、好ましくは、N−アルキルピロリドン、ジアルキルカルボアミドから選択された一種以上の化合物であり、より好ましくは、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選択された一種以上の化合物である。
これらの有機溶媒(b)は、単独でも2種以上を混合して用いても良い。
かかる混合物は、導電性高分子よりレジスト被膜の除去性がよく、導電性高分子の表面抵抗を高めない、つまり導電性を悪くせず、基板と導電性高分子の密着性も悪くしない点で好ましい。
非プロトン性有機溶剤(a)と有機溶剤(b)の割合は、(a)/(b)=99〜10/1〜90(質量比)が好ましく、(a)/(b)=70〜20/30〜80(質量比)がより好ましい。
その他に、アキレス(株)から商品名「STポリ」で市販されるポリピロール、東洋紡績(株)から商品名「PETMAX」で市販されるスルホン化ポリアニリン、マルアイ(株)から商品名「SCS−NEO」で市販されるポリアニリンも本発明に使用できる。
特許流通促進事業として特許流通支援チャートの平成13年度化学6「有機導電性ポリマー」に記載されている導電性高分子も本発明に使用できる。
好ましい導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、商品名として「BAYTRON P」、「BAYTRON PH」、「BAYTRON PH500」、「BAYTRON P AG」、「BAYTRON P HCV4」、「BAYTRON FE」、「BAYTRON F HC」として知られているものが例示される。
当該フォトレジストは、紫外線を照射した部分が現像液に溶解するポジ型と紫外線を照射した部分が現像液に不溶化するネガ型があり、どちらのタイプのレジストも使用可能であるが、低分子に分解される点や剥離による除去のし易さの点から、ポジ形が好ましい。
一方、ネガ型レジストとしては、(4)光反応・酸又はラジカル発生化合物、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂を含有するタイプ等が例示される。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、アクリル樹脂、スチレンとアクリル酸の共重合体、ポリビニルフェノール等が挙げられ、中でもノボラック樹脂やポリビニルフェノールが好ましい。このアルカリ可溶性ノボラック樹脂については特に制限はなく、従来ポジ型フォトレジスト組成物において被膜形成用物質として慣用されているもの、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等の芳香族ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒド等のアルデヒド類とをシュウ酸またはp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒の存在下に縮合させたものを用いることができる。
好ましくは、ポリヒドロキシ芳香族化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルもしくは1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルが挙げられ、更に好ましくは、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンもしくは2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンもしくは2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルもしくは1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルが挙げられる。
一方、該温度より高いと、導電性高分子の表面抵抗値が上昇し、導電性が悪化する。
フィルターの平均細孔径が小さく、分画分子量が小さすぎるものは、濾液がフィルタ−を通過し難くなるため、十分な濾過速度が得られない。また平均細孔径が大きく、分画分子量が大きすぎるものは、レジスト成分の除去率が小さいため、フィルタ−を通過した濾液中のレジスト成分濃度が高くなって、処理液のレジスト成分の濃度を低減することができない。
なお、本発明においては、
D=4V/A (式1)
(ただし、細孔を円筒形であると仮定して、全細孔容積(V=πD2L/4)を全細孔表面積(A=πDL)で除した値(D=4V/Aを平均細孔径と定義する。)
ここで、Vは全細孔の容積の合計値、Lは平均細孔深さであり、いずれも水銀圧入式細孔分布形で測定できる。分画分子量の決定には分子量既知のポリエチレングリコ−ルを用いて、「その膜で90%以上阻止できるポリエチレングリコ−ル(水溶液)の最小分子量」をダルトン表示として定義する。
上記フィルターの形状は、平板型、チューブラー型、スパイラル型などのいずれでも使用することができる。耐圧性を高めるために、該フィルターに、他の材質のサポ−トを接触させても良い。
なお、フィルターで濾過を行うときに差圧をかけることにより濾過速度を大きくすることができる。本発明では、0.1MPa〜3MPaの差圧を加えて濾過することが好ましく、さらに好ましくは0.2MPa〜2MPaである。
クロスフロー濾過では、フィルター面と平行方向にレジスト成分を含んだ濃縮側の剥離液が流れるために、フィルター上に濃縮されたレジスト成分が析出・堆積して厚いケ−キが形成する事態を防ぐことができる。したがって、濾過工程を流れる剥離液は、フィルター面と平行方向に一定以上の流速を持つことが望ましい。最適な流速は、剥離液に加える圧力や剥離液の組成、温度などによって変化するが、本発明においては、フィルター面に並行する方向の剥離液の流速として、0.1m/s以上、20m/s以下が好ましい。0.1m/s未満ではフィルターが目詰まりを起こしやすく、20m/sを越えるとエネルギーのロスが大きくなる。さらに好ましくは0.5m/s以上、10m/s以下である。
剥離液のフィルター通過後の流速は特に限定するものではなく、剥離液の濾過速度に従って決まる流速で流出する。
剥離液中のレジスト被膜の成分濃度は、加熱乾燥残分によって測定するが、本発明のように連続装置でリアルタイムの濃度を知る必要がある場合は、誘電率や電導度などの電気的測定や、屈折率・赤外線透過率などの光学的測定等も適宜使用できる。これらの方法によって得られた剥離液中のレジスト被膜の成分濃度を、システム中の回収剥離液の抜き出し速度や、新液の添加速度、濾過圧力、クロスフロー流速などに反映さることによって、剥離液中のレジスト濃度を好ましい範囲に保ったまま連続してレジスト被膜の除去処理を続けることができる。
本濾過処理を用いたレジスト被膜の除去は、バッチ処理でも、連続処理でも可能であるが、疲労した剥離液を抜き出しつつ、新液を加えることができる連続処理が好ましい。
導電性高分子には、その特徴であるフレキシブル性を発揮するために折り曲げ可能な基板が一般的に使用されるが、連続処理であればロールtoロールの処理が可能となり、生産効率が向上するからである。バッチ処理では、ロールの途中でレジスト被膜の除去処理を中断しなければならなくなり、生産効率を高めることができない。
基板としてポリエチレンテレフタレート(PET)シートを選び、その表面に導電性高分子として商品名「BAYTRON PH500」(商品名、エイチ・シー・スタルク(株)製、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を主成分とする)を用いて500nm程度の薄膜を作製したものをテスト基板とした。
次いで、ポジ形フォトレジストとして、ナフトキノンジアジド化合物とノボラック樹脂を含むレジストである商品名「TRP−43」(東亞合成(株)製)をスピンコーターを用いてコートし、90℃で15分プリベークをおこなって、膜厚5μmのレジスト層を形成した。
このレジスト層を露光装置(HI−TECH CO.,LTD 製 型式THE−106SM)を用いてマスクパターンを介して300mJ/cm2で露光し、0.5重量%水酸化カリウム(KOH)水溶液にて現像し、水洗後、乾燥してレジスト回路パターンを形成した。
回路パターンを形成したレジスト被膜をマスクとして、10質量%の硝酸セリウムアンモニウムと10質量%の硝酸の混合物であるエッチング液を用いて、30℃にて1分間導電性高分子をエッチング処理し、水洗して導電性高分子のパターンを形成した。
660分運転後に抜き出した剥離液の量は660kgであった。1分あたりの剥離液使用量は1kgであり、除去性はまったく劣化しなかった。
なお、レジスト被膜を除去後のテスト基板は、イオン交換水に10℃で1分間浸漬し洗浄した。
上記の剥離液とテスト基板について、以下の試験をおこなった。結果を表1に記載した。
○レジスト剥離液中のレジスト成分濃度
レジスト剥離液をサンプリングし、150℃で1時間真空乾燥し、乾燥残分を測定して剥離液中のレジスト濃度とした。
○除去性
乾燥後のテスト基板を目視および300倍の光学顕微鏡で観察し、導電性高分子の上に除去できずに残存しているレジスト被膜の有無を観察した。
評価は、◎:レジスト残りなし、○:1〜5%未満の面積でレジスト残りあり、△:5%以上の面積でレジスト残りあり、×:剥離・除去できず、の4段階でおこなった。
○密着性
レジスト被膜に線幅100μmのライン&スペースを切った後、導電性高分子膜をエッチィングし、次いで剥離液にて該レジスト被膜を除去して、テスト基板の導電性高分子膜ラインを100倍の光学顕微鏡で観察し、ラインの異状具合を調べた。
評価は、○:100μmライン異常なし、△:ライン移動または一部剥離、×:ライン消失、の3段階でおこなった。
○表面抵抗試験
テスト基板に存在する5cm×5cmの角部分を切り出し、表面抵抗計(株式会社ダイアインスツルメントの商品名ロレスターGP)で表面抵抗を測定し、導電性の低下の目安とした。
実施例1において濾過を行わず新液の追加(同量の抜き出し)も行わなかった以外は実施例1と同じように除去を行い、剥離液の性能とテスト基板の性能とを調べた。結果を表2に記載した。なお、使用した剥離液は、剥離槽のみに投入し、その量は実施例1と同じく30kgとした。
60分で除去性が悪くなり、表面抵抗の測定が不能となった。除去性が悪化しなかったのは4分までであり、その時点で、除去性の低下を防ぐために剥離液の全量を交換すると、必要な1分あたりの剥離液の使用量は7.5(=30/4)kgとなった。
比較例1において剥離液と洗浄するイオン交換水の温度を70℃とした以外は実施例1と同じように除去を行い、剥離液の性能とテスト基板の性能を調べた。結果を表3に記載した。
処理温度の上昇によって除去性は改善されたが、剥離槽中のレジスト成分の濃度に関係なく、導電性高分子の表面抵抗の増加率が大きくなった。
実施例1において剥離液の新液を加えなかった以外は、実施例1と同じように除去を行い、剥離液の性能とテスト基板の性能とを調べた。結果を表4に記載した。なお、使用した剥離液の量について、剥離槽と貯留槽の剥離液の総量は、実施例1と同じく30kgとした。除去性が悪化しないのは、30分であり、その時点で剥離液を全量交換すると、1分あたりの剥離液の使用量は1(=30/30)kgであった。
実施例2において平均細孔径2nm、ポリエチレングリコールで測定した分画分子量が1000のセラミックフィルターを用いた以外は実施例1と同じように除去を行い、剥離液の性能とテスト基板の性能とを調べた。結果を表5に記載した。除去性が低下しないのは60分以上あり、その時点で剥離液を全量交換すると、1分あたりの剥離液の使用量は<0.5(<30/60)kgである。
実施例2において平均細孔径10nm、ポリエチレングリコールで測定した分画分子量が10000のセラミックフィルターを用いた以外は実施例2と同じように除去を行い、剥離液の性能とテスト基板の性能とを調べた。結果を表6に記載した。
除去性が劣化しないのは5分であり、その時点で剥離液を全量交換すると、1分あたりの剥離液の使用量は6(=30/5)kgである。
実施例1において分画分子量が2000のポリアミドフィルターとした以外は実施例1と同じように除去を行ったが、運転開始5分後に貯蔵槽液(フィルターを通過する前の剥離液)の処理液側に対する差圧が急激に減少し、差圧を印加できなくなったため、試験を中断した。フィルターを検査したところ中空糸が破れていた。
実施例1において剥離液の種類を表7とした以外は実施例1と同じように除去を行い、試験開始後120分後における剥離液の性能とテスト基板の性能を調べた。結果を表7に記載した。
実施例4において、表8に記載したように2種類の剥離液を1/1の質量比で混合した以外は実施例4と同じように除去を行い、試験開始後120分後に於ける、剥離液の性能とテスト基板の性能を調べた。結果を表8に記載した。
本発明の除去方法および除去装置は、ITOの代わりに、電解コンデンサー、帯電防止膜、高分子EL、太陽電池、透明導電膜等の製造に使用できる。
2 剥離槽
3 貯蔵槽
4 循環ポンプ
5 回収液
6 処理液
7 オーバーフロー
Claims (8)
- 導電性高分子膜上のレジスト被膜に5〜60℃の剥離液を接触させて該レジスト膜を除去した後、剥離液に含まれるレジスト被膜の成分を濾過処理することにより剥離液から取り除き、レジスト被膜成分を取り除いた剥離液を導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去に再使用することを特徴とする導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
- 剥離液が、化学構造中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含み且つ窒素原子を含まない非プロトン性有機溶剤(a)、化学構造中に窒素原子を有し且つ第一級アミン化合物、第二級アミン化合物及び有機第4アンモニウム塩以外の有機溶剤(b)、よりなる群から選択された少なくとも1つの有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
- 非プロトン性有機溶剤(a)が、ジメチルスルホキシド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、および、γ−ブチロラクトンよりなる群から選択された少なくとも1つの非プロトン性有機溶剤であり、有機溶剤(b)が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミドよりなる群から選択された少なくとも1つの有機溶剤である請求項1または2に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
- 剥離液に含まれるレジスト被膜の成分をセラミックフィルターで膜濾過処理する、請求項1〜3のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト膜被膜の除去方法。
- 濾過処理が、細孔径2〜5nmであって、分画分子量が1000〜4000のセラミックフィルターを用いておこなう膜濾過である、請求項1〜4のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
- 濾過処理が、クロスフロー濾過方法を用いておこなう膜濾過である、請求項1〜5のいずれか一に記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去方法。
- 剥離液を用いて導電性高分子膜のレジスト被膜を除去する装置であって、除去されたレジスト被膜の成分を含む剥離液を膜濾過処理することにより剥離液中のレジスト被膜成分を取り除き、レジスト被膜成分を取り除いた剥離液を、導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去に再使用する、請求項1〜6のいずれか一の除去方法に用いる導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去装置。
- 膜濾過処理が、平均細孔径2〜5nmであって、分画分子量が1000〜4000のセラミックフィルターを用いたクロスフロー濾過処理である、請求項7記載の導電性高分子膜上のレジスト被膜の除去装置。
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