JP2009220760A - 熱遮断板 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム内に搭載された冷凍サイクル装置の構成機器の温度上昇を抑制できる熱遮断板を提供する。
【解決手段】車両走行用のエンジン31にて生じる熱から隔離された隔離空間21を形成するとともに、隔離空間21内に配置された冷凍サイクル装置の構成機器13、17をエンジン31にて生じる熱から保護する熱遮断板20に対して、車両走行風を流入させる導入口36から隔離空間21内へ流入した車両走行風を排出するスリット穴20aを形成する。これにより、車両走行時であっても、冷凍サイクル装置10の構成機器13、17を車両走行風によって冷却できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンルーム内に搭載された冷凍サイクル装置の構成機器を、車両走行用のエンジンにて生ずる熱から保護する熱遮断板に関する。
従来、例えば、特許文献1に、エンジンルーム内に搭載された構成機器(酸素センサ等)を、車両走行用のエンジンにて生ずる熱から保護する熱遮断板が開示されている。また、特許文献2には、車両用空調装置に適用される蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置のうち一部の構成機器が、エンジンルーム内に搭載されていることが開示されている。
特開2004−155391号公報 特開2007−307936号公報
上記の従来技術から、特許文献2のように、エンジンルーム内に搭載される冷凍サイクル装置の構成機器を、エンジンにて生ずる熱から保護するためには、特許文献1のように、冷凍サイクル装置の構成機器を、熱遮断板によってエンジンから熱的に隔離された隔離空間内に配置する手段が考えられる。
しかしながら、冷凍サイクル装置の構成機器を熱遮断板にて隔離すると、車両が走行していないアイドリング時には、エンジンからの熱による構成機器の温度上昇を抑制できるものの、車両走行時には、熱遮断板によって車両走行風の流通が遮断されてしまうので、構成機器を車両走行風で冷却することができない。このため、アイドリング時よりもエンジンの発熱量が増加する車両走行時には、却って隔離空間内に熱が籠ってしまい、構成機器の温度が上昇してしまう。
また、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置は、周知の如く、冷媒の相変化を利用して低圧側の熱量を高圧側へ移動させるものなので、アイドリング時と車両走行時とで構成機器に温度変化が生じると冷媒蒸発圧力等が変化しやすくなり、安定した冷凍能力を発揮させにくくなってしまう。
上記点に鑑み、本発明は、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム内に搭載された冷凍サイクル装置の構成機器の温度上昇を抑制できる熱遮断板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、エンジンルーム(30)内に車両走行用のエンジン(31)にて生じる熱から隔離された隔離空間(21)を形成するとともに、隔離空間(21)内に配置された冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)をエンジン(31)にて生じる熱から保護する熱遮断板であって、車両走行風を流入させる導入口(36)から隔離空間(21)内へ流入した車両走行風を排出するスリット穴(20a)が形成されていることを特徴とする。
これによれば、導入口(36)から隔離空間(21)内に導入した車両走行風を排出するスリット穴(20a)が形成されているので、車両走行時には、隔離空間(21)内に配置された冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)を車両走行風によって冷却できる。一方、アイドリング時には、冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)をエンジン(31)の熱から保護できる。
従って、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム(30)内に搭載された冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)の温度上昇を抑制できる。なお、本請求項における「熱から隔離された隔離空間(21)」とは、完全に熱から隔離された空間、すなわち断熱された空間のみを意味するものではなく、構成機器(13、17)を保護できる程度に熱的に隔離された隔離空間(21)を含む意味である。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の熱遮断板において、スリット穴(20a)の空気通路は、導入口(36)から隔離空間(21)内へ流入した車両走行風を、下方側から上方側へ向けて排出する形状に形成されていることを特徴とする。
これによれば、アイドリング時にエンジン(31)によって加熱された熱風が、温度の低い空気との密度差によって下方側から上方側に流れても、スリット穴(20a)を介して隔離空間(21)内へ逆流してしまうことを抑制できる。その結果、エンジンルーム(30)内に搭載された冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)の温度上昇を、確実に抑制できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱遮断板において、スリット穴(20a)のうち隔離空間(21)側に開口する構成機器側開口部(20b)は、水平方向に向かって開口しており、スリット穴(20a)のうちエンジン(31)側に開口するエンジン側開口部(20c)は、車両上方に向かって開口していることを特徴とする。
これによれば、具体的に、隔離空間(21)内に導入した車両走行風を下方側から上方側へ向けて排出することができるので、エンジン(31)によって加熱された熱風が、下方側から上方側に流れても、スリット穴(20a)を介して隔離空間(21)内へ逆流してしまうことを抑制できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱遮断板において、スリット穴(20a)のうち構成機器側開口部(20b)の開口面積は、スリット穴(20a)のうちエンジン側開口部(20c)の開口面積よりも大きいことを特徴とする。これにより、エンジン(31)によって加熱された熱風がスリット穴(20a)を介して隔離空間(21)内へ逆流してしまうことを、より一層、抑制できる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱遮断板において、スリット穴(20a)のうちエンジン側開口部(20c)の開口端部には、エンジンルーム(30)内に向かって突出する突出部(20d)が設けられていることを特徴とする。
これによれば、突出部(20d)が、エンジン(31)によって加熱された熱風のうち、エンジン側開口部(20c)近傍で下方側から上方側に流れる熱風の流れを堰き止めることができるので、スリット穴(20a)を介して隔離空間(21)内へ逆流してしまうことを、効果的に抑制できる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱遮断板において、導入口(36)は、車両最前部側に設けられ、隔離空間(21)は、エンジン(31)よりも車両前方側に配置されていることを特徴とする。
これによれば、車両走行時における車両走行風の流れ方向の順に、隔離空間(21)、エンジン(31)が配置されるので、エンジン(31)によって加熱された熱風が、スリット穴(20a)を介して隔離空間(21)内へ逆流してしまうことを、確実に抑制できる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱遮断板において、構成機器は、冷凍サイクル装置(10)の低圧側冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄えるアキュムレータ(17)であってもよいし、請求項8に記載の発明のように、圧縮機(11)吸入冷媒と放熱器(12)流出冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(13)であってもよい。
請求項9に記載の発明では、請求項7または8に記載の熱遮断板において、冷凍サイクル装置(10)の冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする。
二酸化炭素の臨界圧力は、31℃程度であるため、低圧側のサイクル構成機器に温度変化が生じるとサイクル内の冷媒圧力にも変化が生じやすい。従って、本発明の熱遮断板を冷媒として二酸化炭素を採用する冷凍サイクル装置(10)の構成機器を隔離するために用いることは、極めて有効である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜3により、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の熱遮断板20が適用された車両用空調装置において、車室内送風空気を冷却する蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10の全体構成図である。この冷凍サイクル装置10は、冷媒として二酸化炭素を採用しており、圧縮機11吐出冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力以上(超臨界状態)となる超臨界冷凍サイクルを構成している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、臨界圧力以上となるまで圧縮して吐出するもので、エンジンルーム30内に配置されている。さらに、この圧縮機11は、プーリおよびベルトを介して車両走行用のエンジン31から駆動力が伝達されて回転駆動される。
なお、圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは、電磁クラッチの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを採用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の吐出側には、放熱器12が接続されている。放熱器12は、エンジンルーム30内の車両前方側に配置されて、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。
なお、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、前述の如く、超臨界冷凍サイクルを構成しているので、放熱器12を通過する冷媒は、凝縮することなく超臨界状態のまま放熱する。また、冷却ファン12aは、図示しない空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器12の出口側には、内部熱交換器13の高圧側冷媒通路13aが接続されている。内部熱交換器13は、高圧側冷媒通路13aを通過する放熱器12流出冷媒と、低圧側冷媒通路13bを通過する圧縮機11吸入冷媒とを熱交換させて、放熱器12流出冷媒を放熱させるものである。
これにより、後述する蒸発器15における冷媒入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差を増大させ、蒸発器15にて発揮される冷凍能力を増大させることができる。なお、この内部熱交換器13の車両搭載状態については後述する。
内部熱交換器13の高圧側冷媒通路13a出口側には、サイクルの高圧側冷媒圧力を制御する圧力制御弁としての役割を果たすとともに、冷媒を減圧膨張させる減圧手段としての役割を果たす膨張弁14が接続されている。この膨張弁14は、高圧側冷媒圧力を、サイクルの成績係数(COP)が略最大となる目標高圧に近づける機能を果たす。
具体的には、膨張弁14は、放熱器12出口側と内部熱交換器13の高圧側冷媒通路13a入口側との間に設けられた感温部14aを有し、この感温部14aの内部に放熱器12出口側の高圧冷媒の温度に対応した圧力を発生させ、感温部14aの内圧と内部熱交換器13の高圧側冷媒通路13aの出口側冷媒圧力とのバランスで弁開度を調整する。従って、膨張弁14は、放熱器12の出口側の高圧側冷媒温度により決定される目標高圧に近づけるように、高圧側冷媒圧力を調整する。
膨張弁14の出口側には、蒸発器15が接続されている。蒸発器15は、車室内側に配置されて、膨張弁14にて減圧された低圧冷媒と送風ファン15aから車室内へ送風される車室内送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
より具体的には、蒸発器15は、車両用空調装置の室内空調ユニット16内に形成された車室内送風空気の空気通路に配置されている。そして、この室内空調ユニット16は、エンジンルーム30と車室内とを仕切るダッシュパネルおよび車室内最前部のインストルメントパネル(計器盤)の間に搭載されている。送風ファン15aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
なお、室内空調ユニット16内に形成された空気通路のうち、蒸発器15の空気流れ下流側には、蒸発器15にて冷却された送風空気とエンジン冷却水とを熱交換させて送風空気を再加熱する加熱手段である図示しないヒータコア等が配置されている。これにより、空調対象空間である車室内へ吹き出される車室内送風空気が温度調整される。
蒸発器15の冷媒流出口側には、アキュムレータ17が接続されている。アキュムレータ17は、蒸発器15から流出した低圧冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離するとともに、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える気液分離器である。また、アキュムレータ17には、気相冷媒を流出させる気相冷媒出口が設けられており、この気相冷媒出口は、内部熱交換器13の低圧側冷媒通路13bを介して、圧縮機11の冷媒吸入側に接続されている。
ここで、図2により、本実施形態の内部熱交換器13およびアキュムレータ17の車両搭載状態について説明する。なお、図2(a)は、これらの搭載状態を説明するための模式的な車両正面図であり、図2(b)は、(a)の右側面図であり、図2(c)は、(a)のエンジンルーム30内における上面図である。
図2に示すように、本実施形態の内部熱交換器13およびアキュムレータ17は、エンジンルーム30内のうち、熱遮断板20によって区画された隔離空間21内に搭載されている。この熱遮断板20は、内部熱交換器13およびアキュムレータ17をエンジン31にて生じる熱から保護する機能を担うものである。従って、隔離空間21は、車両走行用のエンジン31にて生じる熱から隔離された空間として構成されている。
この熱遮断板20は、図2に示すように、車両前方側のヘッドライト32の下方側、かつ、エンジン冷却水を放熱させるラジエータ33の側方で、車両最前部から前輪34へ至る範囲に湾曲しながら延びる板状部材で形成されている。さらに、熱遮断板20は、その端部がエンジンルーム30の外殻を構成する車両ボデー35と接合されている。従って、隔離空間21は、熱遮断板20と車両ボデー35との間に形成されている。
また、熱遮断板20が、上記の如く車両最前部から延びる形状に形成されているので、隔離空間21も、エンジン31よりも車両前方側に配置される。さらに、隔離空間21は、車両最前部側に設けられた導入口36を介して車室外と連通している。
従って、隔離空間21には、導入口36を介して、図2(c)の太矢印に示すように、車両走行風(外気)を流入させることができる。なお、図2(c)の細矢印は、エンジンルーム30内に流入する車両走行風の流れである。
また、導入口36は、エンジンルーム30にも連通しており、さらに、本実施形態の車両には、図2(a)に示すように、前述のラジエータ33へ流入させる車両走行風の風量を確保するための、ラジエータ用導入口37も設けられている。
なお、熱遮断板20の材質としては、金属材料(アルミニウム、ステンレス等)のみならず、断熱性および耐熱性に優れる樹脂材料を採用することができる。具体的には、本実施形態の熱遮断板20は、エンジン31の作動中であって車両が走行していないアイドリング時に、内部熱交換器13およびアキュムレータ17をエンジン31にて生じる熱から十分に保護できるように形成されている。
つまり、熱遮断板20は、車両走行時よりエンジン発熱量が少ないものの、車両走行風が隔離空間21へ流入しないアイドリング時に、内部熱交換器13およびアキュムレータ17をエンジン31にて生じる熱から十分に保護できるように形成されている。
さらに、本実施形態の熱遮断板20には、導入口36から隔離空間21内へ流入した車両走行風をエンジンルーム30内に排出するスリット穴20aが形成されている。このスリット穴20aの詳細については、図3により説明する。なお、図3(a)は、図2(c)の拡大A−A断面図であり、図3(b)は、図3(a)のエンジンルーム30側から見た側面図である。
図3に示すように、スリット穴20aの通風路は、2枚の板状部材に挟まれるように形成されている。そして、スリット穴20aのうち隔離空間21側に開口する構成機器側開口部20bは、略水平方向に向かって開口しており、スリット穴20aのうちエンジンルーム側に開口するエンジン側開口部20cは、略車両上方に向かって開口している。
これにより、導入口36から隔離空間21内へ流入した車両走行風は、図3(a)の矢印Bに示すように、スリット穴20aから下方側から上方側へクランク状に折れ曲がるように流れて、エンジンルーム30内に排出される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明する。空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上記した各種アクチュエータ12a、15a等の作動を制御する。
さらに、空調制御装置には、各種センサ群からの検出信号、および、車室内に設けられた空調操作パネルからの各種操作信号が入力される。この空調操作パネルには、車両用空調装置の作動要求信号を出力する作動スイッチ、車室内の目標温度を設定する温度設定スイッチ等が設けられる。
次に、上記構成において本実施形態の車両用空調装置の作動を説明する。操作パネルの作動スイッチが投入されて、圧縮機11に車両走行用エンジンの回転駆動力が伝達されると、圧縮機11が作動する。圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器12に流入して、冷却ファン12aによって送風された外気により冷却される。
放熱器12から流出した高圧冷媒は、内部熱交換器13にて更に冷却されて、エンタルピを低下させる。内部熱交換器13の高圧側冷媒通路13aから流出した冷媒は、膨張弁14にて減圧膨張されて低圧冷媒となる。この際、膨張弁14では、サイクルの成績係数が略最大となる目標高圧に近づけるように、高圧側冷媒圧力を調整する。
膨張弁14から流出した低圧冷媒は、蒸発器15へ流入して、送風ファン15aの送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、車室内へ吹き出される送風空気が冷却される。蒸発器15から流出した低圧冷媒は、アキュムレータ17へ流入して、気相冷媒と液相冷媒に分離される。アキュムレータから流出した気相冷媒は、内部熱交換器13の低圧側冷媒通路13bにて高圧冷媒を冷却した後、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
本実施形態の車両用空調装置では、上記の如く作動する際に、冷凍サイクル装置10の構成機器(具体的には、内部熱交換器13およびアキュムレータ17)を熱遮断板20によって区画された隔離空間21内に搭載しているので、これらの冷凍サイクル装置10の構成機器13、17を、エンジン31にて生じる熱から適切に保護できる。
より詳細には、車両が走行していないアイドリング時のように車両走行時よりもエンジン31の発熱量が少ない場合には、熱遮断板20によって、内部熱交換器13およびアキュムレータ17の温度上昇を抑制できる。さらに、アイドリング時よりもエンジン31の発熱量が増加する車両走行時には、導入口36から隔離空間21内へ流入した車両走行風によって内部熱交換器13およびアキュムレータ17を冷却することができる。
つまり、車両走行時には、エンジンルーム30内の雰囲気温度よりも低温の車両走行風(外気)を導入口36から隔離空間21内へ流入させ、流入した車両走行風をスリット穴20aからエンジンルーム30内へ排出している。従って、隔離空間21内へ熱が籠ってしまうことを回避して、内部熱交換器13およびアキュムレータ17の温度上昇を抑制できる。
その結果、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム30内に搭載された冷凍サイクル装置10の構成機器13、17の温度上昇を抑制でき、冷凍サイクル装置10に安定した冷凍能力を発揮させることができる。
しかも、スリット穴20aの構成機器側開口部20bを、水平方向に向かって開口させ、さらに、スリット穴20aのエンジン側開口部20cを、車両上方に向かって開口させることにより、導入口36から隔離空間21内へ流入した車両走行風が、下方側から上方側へ流れるようにスリット穴20aを形成している。
これにより、アイドリング時にエンジン31によって加熱された熱風が、温度の低い空気との密度差によって下方側から上方側に流れても、スリット穴20aを介して隔離空間21内へ逆流してしまうことを抑制できる。その結果、アイドリング時に内部熱交換器13およびアキュムレータ17の温度上昇を、確実に抑制できる。
さらに、隔離空間21へ車両走行風を流入させる導入口36が、車両最前部側に設けられ、隔離空間21が、エンジン31よりも車両前方側に配置されているので、隔離空間21、エンジン31が車両走行風の流れ方向の順に配置される。従って、車両走行時にエンジン31によって加熱された熱風がスリット穴20aを介して隔離空間21内へ逆流してしまうことを、確実に抑制できる。
さらに、本実施形態の如く、冷媒として二酸化炭素を採用し、超臨界冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置10では、二酸化炭素の臨界圧力は、31℃程度であるため、温度変化が生じるとサイクル内の冷媒圧力にも変化が生じやすい。
従って、本実施形態の熱遮断板20によって、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム30内に搭載された冷凍サイクル装置10の構成機器13、17の温度上昇を抑制できることは、極めて有効である。特に、低圧側冷媒が流通する内部熱交換器13およびアキュムレータ17の温度上昇を抑制できることで、蒸発器15における冷媒蒸発圧力の変化を効果的に抑制できるので、冷凍サイクル装置10に安定した冷凍能力を発揮させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図4に示すように、スリット穴20aのうちエンジン側開口部20cの開口端部に、エンジンルーム30内に向かって、かつ、水平方向に向かって突出する突出部20dを設けている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
なお、図4は、第1実施形態の図3に対応する図面である。また、図4では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、アイドリング時にエンジン31によって加熱された熱風(図4の矢印C)が、温度の低い空気との密度差によって下方側から上方側に流れても、突出部20dによって、熱風の流れを阻止できる。従って、熱風がスリット穴20aを介して隔離空間21内へ逆流してしまうことを、より一層、確実に抑制できる。
その結果、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム30内に搭載された冷凍サイクル装置10の構成機器の温度上昇を、より一層、確実に抑制でき、冷凍サイクル装置10に安定した冷凍能力を発揮させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図5に示すように、スリット穴20aのうち構成機器側開口部20bの開口面積を、エンジン側開口部20cの開口面積よりも大きく形成したものである。なお、図5は、第1実施形態の図3に対応する図面である。その他の構成は第2実施形態と同様である。
これにより、第2実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、エンジン31によって加熱された熱風がスリット穴20aを介して隔離空間21内へ逆流してしまうことを、より一層、確実に抑制できる。
その結果アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム30内に搭載された冷凍サイクル装置10の構成機器の温度上昇を、より一層、確実に抑制でき、冷凍サイクル装置10に安定した冷凍能力を発揮させることができる。
(第4実施形態)
上述の実施形態に対して、本実施形態では、図6(b)に示すように熱遮断板20にコの字状の切り込みを形成して、この切り込みの内側の部位を変形させることによって、スリット穴20aを形成している。
より具体的には、図6(a)のように隔離空間21側からエンジンルーム30側へ向かって下方側から上方側へ車両走行風を排出できるように変形させることによって、スリット穴20aを形成している。なお、図6は、第1実施形態の図3に対応する図面である。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の熱遮断板20では、上述の各実施形態に対して、エンジンルーム30内の熱風がスリット穴20aを介して、隔離空間21内に逆流してしまうことを抑制する逆流抑制効果が低下してしまうものの、アイドリング時および車両走行時によらず、エンジンルーム30内に搭載された冷凍サイクル装置10の構成機器の温度上昇を抑制できる。
しかも、スリット穴20aをプレス加工等により、容易に形成できるので、熱遮断板20の製造コスト低減効果を得ることもできる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、隔離空間21内に、内部熱交換器13およびアキュムレータ17を搭載した例を説明したが、隔離空間21内に搭載される冷凍サイクル装置10の構成機器は、これに限定されない。内部熱交換器13のみを搭載してもよいし、アキュムレータ17のみを搭載してもよい。また、膨張弁14、一部の接続配管等を隔離空間21内に搭載してもよい。
(2)上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10の冷媒として二酸化炭素を採用した例を説明したが、もちろん冷媒として、フロン系冷媒、炭化水素系冷媒などを採用してもよい。また、冷凍サイクル装置10が、圧縮機11吐出冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成していてもよい。
(3)上述の実施形態では、隔離空間21を車両前方側に形成した例を説明したが、隔離空間21の位置は、これに限定されない。また、導入口36から流入する車両走行風をダクト等を介して隔離空間21へ流入させてもよい。
(4)上述の実施形態では、減圧手段として機械的機構にて高圧側冷媒圧力を目標圧力に開度調整する膨張弁14を採用しているが、電気式膨張弁を採用してもよい。具体的には、電気式膨張弁として、ステッピングモータからなる電気アクチュエータ機構と、この電気アクチュエータ機構により駆動される弁機構とによって構成すればよい。
(5)上述の実施形態では、本発明の熱遮断板20を車両用空調装置に適用した例を説明したが、本発明の熱遮断板20の適用はこれに限定されない。例えば、車載の荷物を冷凍、冷蔵する車両用冷凍冷蔵装置にも適用可能である。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。 (a)は、冷凍サイクル装置の構成機器の搭載状態を説明する車両正面図であり、(b)は、(a)の側面図であり、(c)は、(a)のエンジンルーム内における上面図である。 (a)は、図2(c)のA−A断面図であり、(b)は、(a)の側面図である。 (a)は、第2実施形態における図3(a)に対応する断面図であり、(b)は、第2実施形態における図3(b)に対応する側面図である。 (a)は、第3実施形態における図3(a)に対応する断面図であり、(b)は、第3実施形態における図3(b)に対応する側面図である。 (a)は、第4実施形態における図3(a)に対応する断面図であり、(b)は、第4実施形態における図3(b)に対応する側面図である。
符号の説明
10 冷凍サイクル装置
13 内部熱交換器
17 アキュムレータ
20 熱遮断板
20a スリット穴
20b 構成機器側開口部
20c エンジン側開口部
20d 突出部
21 隔離空間
30 エンジンルーム
31 エンジン
36 導入口

Claims (9)

  1. エンジンルーム(30)内に車両走行用のエンジン(31)にて生じる熱から隔離された隔離空間(21)を形成するとともに、前記隔離空間(21)内に配置された冷凍サイクル装置(10)の構成機器(13、17)を前記エンジン(31)にて生じる熱から保護する熱遮断板であって、
    車両走行風を流入させる導入口(36)から前記隔離空間(21)内へ流入した車両走行風を排出するスリット穴(20a)が形成されていることを特徴とする熱遮断板。
  2. 前記スリット穴(20a)は、前記導入口(36)から前記隔離空間(21)内へ流入した車両走行風を、下方側から上方側へ向けて排出する形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱遮断板。
  3. 前記スリット穴(20a)のうち前記隔離空間(21)側に開口する構成機器側開口部(20b)は、水平方向に向かって開口しており、
    前記スリット穴(20a)のうち前記エンジン(31)側に開口するエンジン側開口部(20c)は、車両上方に向かって開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱遮断板。
  4. 前記スリット穴(20a)のうち構成機器側開口部(20b)の開口面積は、前記スリット穴(20a)のうちエンジン側開口部(20c)の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱遮断板。
  5. 前記スリット穴(20a)のうちエンジン側開口部(20c)の開口端部には、前記エンジンルーム(30)内に向かって突出する突出部(20d)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱遮断板。
  6. 前記導入口(36)は、車両最前部側に設けられ、
    前記隔離空間(21)は、前記エンジン(31)よりも車両前方側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱遮断板。
  7. 前記構成機器は、低圧側冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄えるアキュムレータ(17)であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱遮断板。
  8. 前記構成機器、圧縮機(11)吸入冷媒と放熱器(12)流出冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(13)であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の熱遮断板。
  9. 前記冷凍サイクル装置(10)の冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱遮断板。
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