JP2009208115A - 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置 - Google Patents
圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】圧延機全体の摩擦係数を同定し、得られた摩擦係数を基に圧延状態を再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出する。
【解決手段】圧延動的モデルを予め用意し、圧延材の加速時又は減速時における複数の圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化又はロールギャップの時間変化に関し、圧延動的モデルでの計算値と実績値との差が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ又は変形抵抗に関するパラメータを最適化し、このパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデルを用いて、圧延制御パラメータを算出する。
【選択図】図1
【解決手段】圧延動的モデルを予め用意し、圧延材の加速時又は減速時における複数の圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化又はロールギャップの時間変化に関し、圧延動的モデルでの計算値と実績値との差が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ又は変形抵抗に関するパラメータを最適化し、このパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデルを用いて、圧延制御パラメータを算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の圧延スタンドを備えた圧延機に対して、最適化された圧延制御パラメータを算出する方法及び算出する装置、ならびに、最適化された圧延制御パラメータを算出可能な圧延シミュレーション装置に関する。
圧延機を制御する制御パラメータ(圧延制御パラメータ)に関し、最適に調整されたパラメータを算出する方法としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示されたシミュレーション装置は、圧延機などの各種プラントをモデル化したモデル手段と、各種プラントを制御する制御装置をモデル化したブロック要素手段とを備えており、このシミュレーション装置を用いて、各種プラントのパラメータを変更するものとなっている。前述のモデル手段におけるパラメータの変更については、誤差信号が許容誤差以下になるように、プラントに精通した者がパラメータを変更するか、推論手段を設けてパラメータを変更するか、同定機構によりパラメータを変更することとしている。
特許文献1に開示されたシミュレーション装置は、圧延機などの各種プラントをモデル化したモデル手段と、各種プラントを制御する制御装置をモデル化したブロック要素手段とを備えており、このシミュレーション装置を用いて、各種プラントのパラメータを変更するものとなっている。前述のモデル手段におけるパラメータの変更については、誤差信号が許容誤差以下になるように、プラントに精通した者がパラメータを変更するか、推論手段を設けてパラメータを変更するか、同定機構によりパラメータを変更することとしている。
一方、特許文献2には、単圧延スタンドからなる圧延機に対するロールギャップ補正装置が開示されている。この装置では、摩擦係数の変化による圧延スタンド出側の板厚変化を修正するにあたり、ニューラルネットワークを用いて摩擦係数のモデル式を推定し、この推定式により得られた値を用いて圧延スタンドのロールギャップ設定値(制御パラメータ)を補正している。
特開昭63−239508号公報
特開平7−246411号公報
しかしながら、複数の圧延スタンドを備えた圧延機で圧延材を加速又は減速する際の制御に、特許文献1,2の技術を適用するには、以下に述べるような課題が存在する。
例えば、特許文献1の技術を圧延材の加減速時に適用した場合、プラントに精通した者が有している「定性的な表現によるエキスパートな知識」に基づくパラメータ変更や推論手段によるパラメータ変更では、特許文献1にも記載のように、曖昧な情報であり、正確なプラント制御ができないことは明らかである。また、同定機構によりパラメータを変更する方法についても、本技術は線形系に限られ非線形系の同定は不可能である。
例えば、特許文献1の技術を圧延材の加減速時に適用した場合、プラントに精通した者が有している「定性的な表現によるエキスパートな知識」に基づくパラメータ変更や推論手段によるパラメータ変更では、特許文献1にも記載のように、曖昧な情報であり、正確なプラント制御ができないことは明らかである。また、同定機構によりパラメータを変更する方法についても、本技術は線形系に限られ非線形系の同定は不可能である。
また、特許文献2の技術で、圧延荷重式を用いて圧延荷重を計算するためには、入側板厚、出側板厚、前方張力、後方張力のデータが必要であるが、センサがないためにデータが得られない場合が往々にしてある。この場合には、特許文献2の手法を適用することができない。また、データが得られた場合であっても、センサの取付け位置に起因するむだ時間や信号処理による遅れ時間の発生による影響があり、入側板厚、出側板厚、前方張力、後方張力のすべてのデータについて同時性、すなわち同一時刻のデータであることが保てない。つまり、特許文献2の圧延荷重式は静的であるため、同時性を保てないデータの誤差は考慮されておらず、圧延の加減速時のような過渡状態を精確には表現できない。
また、特許文献2の技術は単圧延スタンドに対するものであり、複数の圧延スタンドを備えた圧延機に適用するには、他の圧延スタンドとの干渉が考慮されておらず技術的困難を伴う。
つまり、複数の圧延スタンドを備えた圧延機では、各圧延スタンドが圧延材や制御系を介して互いに干渉していて、例えば、上流側の圧延スタンドの出側板厚偏差は下流側の圧延スタンドの出側板厚偏差に影響する。このため、上流側の圧延スタンドの動特性を考慮する必要がある。また、下流側の板厚や張力の偏差が上流側に及び、この上流側の影響が再び下流側の圧延スタンドの出側板厚偏差となる場合もある。これは、多スタンドの圧延機全体が、圧延材によって一体に連結された系であり、速度サクセシブや板厚制御等の制御系によって一体に連結された系であるからである。このため、複数の圧延スタンドを備えた圧延機の場合には全体のシミュレーションが必要である。特に、仕上板厚の高精度シミュレーションのためには、上流側の圧延スタンドのシミュレーションの精度向上が重要である。
つまり、複数の圧延スタンドを備えた圧延機では、各圧延スタンドが圧延材や制御系を介して互いに干渉していて、例えば、上流側の圧延スタンドの出側板厚偏差は下流側の圧延スタンドの出側板厚偏差に影響する。このため、上流側の圧延スタンドの動特性を考慮する必要がある。また、下流側の板厚や張力の偏差が上流側に及び、この上流側の影響が再び下流側の圧延スタンドの出側板厚偏差となる場合もある。これは、多スタンドの圧延機全体が、圧延材によって一体に連結された系であり、速度サクセシブや板厚制御等の制御系によって一体に連結された系であるからである。このため、複数の圧延スタンドを備えた圧延機の場合には全体のシミュレーションが必要である。特に、仕上板厚の高精度シミュレーションのためには、上流側の圧延スタンドのシミュレーションの精度向上が重要である。
また、特許文献2の技術では、圧延に大きな影響を及ぼす摩擦係数に着目し、その誤差が小さくなるように摩擦係数モデルを用いて摩擦係数を同定している。しかしながら、圧延材の変形抵抗モデルの誤差や、制御系における張力の不感帯等の非線形性や、制御系の過渡応答は考慮されていない。そのため、圧延全体のシミュレーションとして、誤差が大になる可能性が大きい。
以上述べた課題ゆえに、複数の圧延スタンドを備えた圧延機で圧延材を加速及び/又は減速する際の制御に、特許文献1,2の技術を採用したとしても、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することが困難な状況となっていた。
以上述べた課題ゆえに、複数の圧延スタンドを備えた圧延機で圧延材を加速及び/又は減速する際の制御に、特許文献1,2の技術を採用したとしても、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することが困難な状況となっていた。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、圧延材とこの圧延材を圧延する複数の圧延スタンドとこの圧延スタンドの板厚制御を行う制御系とを動的に表現する圧延動的モデルを用いて、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出する圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置を提供することを目的とする。
加えて、前記圧延動的モデルを用いて、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗により高精度に圧延状態を再現する圧延シミュレーション装置を提供することを目的とする。
加えて、前記圧延動的モデルを用いて、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗により高精度に圧延状態を再現する圧延シミュレーション装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る圧延制御パラメータの算出方法は、圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドと該圧延スタンドの板厚制御を行う制御系とを動的に表現する圧延動的モデルを構築し、前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデルでの計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化し、最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデルを用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出することを特徴とする。
すなわち、本発明に係る圧延制御パラメータの算出方法は、圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドと該圧延スタンドの板厚制御を行う制御系とを動的に表現する圧延動的モデルを構築し、前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデルでの計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化し、最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデルを用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出することを特徴とする。
なお、ここで言う圧延制御パラメータとは、板厚制御に関する設定パラメータ及び/又は圧延機に関する設定パラメータであり、加減速補償量、制御ゲイン、不感帯幅、張力目標値、チューニング率、ドループ率、これらの速度依存特性等、圧延状態に影響を与え、且つ設定可能なパラメータのことをいう。設定可能なパラメータとしては、数値だけではなく、テーブルや関数の形でもよい。また、評価関数が最小とは、符号を変更して最大化することを含む。以下同様である。
この圧延制御パラメータの算出方法によれば、圧延の過渡特性を表現可能な圧延動的モデルを用いて、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を精確に再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することができる。
この圧延制御パラメータの算出方法によれば、圧延の過渡特性を表現可能な圧延動的モデルを用いて、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を精確に再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することができる。
かかる圧延動的モデルを用いた圧延システム全体のシミュレーションは、実際には板厚や張力が測定不能な場合でも、それらの値を算出可能であり、摩擦係数及び/又は変形抵抗に関するパラメータや圧延制御パラメータ等の各種パラメータを調整できる。なお、ここで言う測定不能な場合とは、センサ自体が存在しない場合や、存在しても内部で計測値を利用するだけで外部に取り出せず利用できない場合や、精度が不十分で利用できない場合や、測定時刻に誤差が大きく利用できない場合等、精確なデータを利用できない場合をいうものとする。板厚や張力に測定の遅れ、例えば、板の移送距離による遅れやフィルタによる遅れがある場合、すなわち、実績データのすべての項目に同時性がない場合であっても、各種パラメータを調整できる。
また、本技術的手段を用いることで、実際の圧延機や圧延機を制御する制御部に対し特殊な操作を行うことなく、各種パラメータを同定することができ操業上安全である。
好ましくは、前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、上流側の圧延スタンドから下流側の圧延スタンドへ順に行うとよい。
また、前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、圧延スタンド毎に1回又は複数回実施するとよい。
前記摩擦係数に関するパラメータは、前記摩擦係数が変化しなくなる上限の圧延速度である上限圧延速度と、圧延速度0での摩擦係数を規定する変数とを備えていることが好ましい。
好ましくは、前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、上流側の圧延スタンドから下流側の圧延スタンドへ順に行うとよい。
また、前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、圧延スタンド毎に1回又は複数回実施するとよい。
前記摩擦係数に関するパラメータは、前記摩擦係数が変化しなくなる上限の圧延速度である上限圧延速度と、圧延速度0での摩擦係数を規定する変数とを備えていることが好ましい。
また、本発明に係る圧延制御パラメータの算出装置は、圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドとをモデル化した圧延機モデル部、及び前記圧延スタンドの板厚制御を行う板厚制御モデル部を備えた圧延動的モデル部と、前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデル部での計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化する圧延状態パラメータ最適化部と、前記圧延状態パラメータ最適化部により最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデル部を用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出する圧延制御パラメータ最適化部と、を有することを特徴とする。
なお、ここで言う圧延状態パラメータとは、圧延機(圧延材と圧延スタンド)に関するパラメータであり、摩擦係数、変形抵抗、これらの速度依存特性等、圧延状態に影響を与え、且つ設定できないパラメータをいう。圧延状態パラメータは、数値だけではなく、テーブルや関数の形でもよい。
この圧延制御パラメータの算出装置を用いることで、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を精確に再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することができる。
この圧延制御パラメータの算出装置を用いることで、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を精確に再現するシミュレーションを行って、最適に調整された圧延制御パラメータを算出することができる。
また、本発明に係る圧延シミュレーション装置は、圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドとをモデル化した圧延機モデル部、及び前記圧延スタンドの板厚制御を行う板厚制御モデル部を備えた圧延動的モデル部と、前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデル部での計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化する圧延状態パラメータ最適化部と、前記圧延状態パラメータ最適化部により最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデル部を用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出する圧延制御パラメータ最適化部と、を有していて、前記圧延動的モデル部は、圧延状態パラメータ最適化部で最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータと、圧延制御パラメータ最適化部で最適化された圧延制御パラメータとを用いて、圧延の状況を再現できるように構成されていることを特徴とする。
この圧延シミュレーション装置を用いることで、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗を基に圧延状態を精確に再現することができる。
本発明にかかる圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置を用いることで、圧延材の加減速時に圧延材の形状を悪化させることなく板厚精度を向上させることが可能な圧延制御パラメータを算出できる。
本発明にかかる圧延シミュレーション装置を用いることで、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗により高精度に圧延状態を再現することができる。
本発明にかかる圧延シミュレーション装置を用いることで、圧延機全体の摩擦係数及び/又は変形抵抗を同定し、得られた摩擦係数及び/又は変形抵抗により高精度に圧延状態を再現することができる。
以下、本発明にかかる圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置の実施の形態を、図を基に説明する。
本発明にかかる圧延制御パラメータの算出装置1(圧延シミュレーション装置)はコンピュータ上で実現されるシミュレーションモデルである。使用ツールまたは使用言語としては、例えば、The Mathworks社のMatlab/Simulink(Matlab、Simulinkは、The Mathworks社の登録商標)、C言語、Fortran言語が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明にかかる圧延制御パラメータの算出装置1(圧延シミュレーション装置)はコンピュータ上で実現されるシミュレーションモデルである。使用ツールまたは使用言語としては、例えば、The Mathworks社のMatlab/Simulink(Matlab、Simulinkは、The Mathworks社の登録商標)、C言語、Fortran言語が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
図1には、圧延制御パラメータの算出装置1のブロック図が示されている。
この図に示す如く、本算出装置1は、圧延スタンド2及びその圧延スタンド2で冷間圧延される圧延材3をモデル化した圧延機モデル部4と、圧延スタンド2のロール速度やロールギャップを操作する板厚制御モデル部5とを有している。圧延機モデル部4と板厚制御モデル部5とで圧延動的モデル部6が構成されている。
さらに、算出装置1は、圧延制御パラメータを最適化する圧延制御パラメータ最適化部7と、最適化された摩擦係数及び/又は変形抵抗を含む圧延状態パラメータを計算する圧延状態パラメータ最適化部8と、を備えている。
この図に示す如く、本算出装置1は、圧延スタンド2及びその圧延スタンド2で冷間圧延される圧延材3をモデル化した圧延機モデル部4と、圧延スタンド2のロール速度やロールギャップを操作する板厚制御モデル部5とを有している。圧延機モデル部4と板厚制御モデル部5とで圧延動的モデル部6が構成されている。
さらに、算出装置1は、圧延制御パラメータを最適化する圧延制御パラメータ最適化部7と、最適化された摩擦係数及び/又は変形抵抗を含む圧延状態パラメータを計算する圧延状態パラメータ最適化部8と、を備えている。
なお、ここで言う圧延制御パラメータとは、板厚制御に関する設定パラメータや圧延機に関する設定パラメータであり、加減速補償量、制御ゲイン、不感帯幅、張力目標値、チューニング率、ドループ率、これらの速度依存特性等、圧延状態に影響を与え、且つ設定可能なパラメータのことをいう。
圧延状態パラメータとは、圧延機(圧延材と圧延スタンド)に関するパラメータであり、摩擦係数、変形抵抗、これらの速度依存特性等、圧延状態に影響を与え、且つ設定できないパラメータをいう。
圧延状態パラメータとは、圧延機(圧延材と圧延スタンド)に関するパラメータであり、摩擦係数、変形抵抗、これらの速度依存特性等、圧延状態に影響を与え、且つ設定できないパラメータをいう。
図2には、圧延機モデル部4によりモデル化されている「圧延スタンド2及び圧延材3」の模式図が示されている。
圧延スタンド2は複数(#1〜#5)配備されていてタンデム型の圧延機9となっている。#1圧延スタンド2に元板が通された後、#2〜#4圧延スタンド2を通過する毎に圧下され、#5圧延スタンド2を出たところで所定の仕上げ板厚となるように、各圧延スタンド2のロール速度やロールギャップが制御されるものとなっている。
圧延機モデル部4は圧延スタンド2のモデルを有している。圧延スタンド2のモデルとしては、「板圧延の理論と実際,日本鉄鋼協会編,1984」のp111〜124に開示されたものが採用可能であり、式(1)〜式(9)に示すようなものとなっている。
圧延スタンド2は複数(#1〜#5)配備されていてタンデム型の圧延機9となっている。#1圧延スタンド2に元板が通された後、#2〜#4圧延スタンド2を通過する毎に圧下され、#5圧延スタンド2を出たところで所定の仕上げ板厚となるように、各圧延スタンド2のロール速度やロールギャップが制御されるものとなっている。
圧延機モデル部4は圧延スタンド2のモデルを有している。圧延スタンド2のモデルとしては、「板圧延の理論と実際,日本鉄鋼協会編,1984」のp111〜124に開示されたものが採用可能であり、式(1)〜式(9)に示すようなものとなっている。
圧延材3の圧延スタンド2,2間の移送については、上流側に位置する圧延スタンド2の出側板厚が当該圧延スタンド2へ出側板速度で移動するとしている。
従って、圧延スタンド2,2間の圧延材3を複数の部分(サンプル板片)に分割すると共に、最適化計算のサンプリング周期をΔtsとすると、サンプリング周期ごとにサンプル板片がVout,i・Δtsだけ移動することになって、#i+1圧延スタンド2の位置に達したサンプル板片の板厚を#i+1スタンドの入側板厚Hi+1とすることができる。
まず、摩擦係数μiを最適化する場合には、圧延モデル式中の摩擦係数μiの初期値としては、実際の圧延機9から得られた実績値から推定または学習した値を設定する。例えば、特開平10−249421号公報「圧延機の制御装置」の図5(a)の如く、圧延速度が低速の場合は、摩擦係数が大きく、圧延速度がある所定速度以上の高速の場合は、摩擦係数が小さく且つ一定値となるように設定するとよい。なお、摩擦係数μiを最適化しない場合には、摩擦係数μiは初期値のままであり後述の最適化は行わない。
従って、圧延スタンド2,2間の圧延材3を複数の部分(サンプル板片)に分割すると共に、最適化計算のサンプリング周期をΔtsとすると、サンプリング周期ごとにサンプル板片がVout,i・Δtsだけ移動することになって、#i+1圧延スタンド2の位置に達したサンプル板片の板厚を#i+1スタンドの入側板厚Hi+1とすることができる。
まず、摩擦係数μiを最適化する場合には、圧延モデル式中の摩擦係数μiの初期値としては、実際の圧延機9から得られた実績値から推定または学習した値を設定する。例えば、特開平10−249421号公報「圧延機の制御装置」の図5(a)の如く、圧延速度が低速の場合は、摩擦係数が大きく、圧延速度がある所定速度以上の高速の場合は、摩擦係数が小さく且つ一定値となるように設定するとよい。なお、摩擦係数μiを最適化しない場合には、摩擦係数μiは初期値のままであり後述の最適化は行わない。
変形抵抗kiを最適化する場合には、変形抵抗kiの初期値としては、静的変形抵抗や歪み速度に依存した式等の公知の式、すなわち「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp188〜189に開示された式(7.51)〜式(7.53)のいずれかより求めることができる。なお、変形抵抗kiを最適化しない場合には、変形抵抗kiは初期値のままであり後述の最適化は行わない。
また、前回のサンプリング時刻のスタンド間張力が求められているとし、圧延スタンド2の入側・出側張力が実績値や実績パラメータから得られているため、式(3)から先進率を求めることができ、式(1),式(2)から、各圧延スタンド2の入側・出側板速を求めることができる。ここで、式(1),式(2)のロール速度は式(4)を用いて求めることができる。
また、前回のサンプリング時刻のスタンド間張力が求められているとし、圧延スタンド2の入側・出側張力が実績値や実績パラメータから得られているため、式(3)から先進率を求めることができ、式(1),式(2)から、各圧延スタンド2の入側・出側板速を求めることができる。ここで、式(1),式(2)のロール速度は式(4)を用いて求めることができる。
さらに、式(7)を用いて電流を計算でき、式(8),式(9)を用いて現サンプリング時刻のスタンド間張力を求めることができる。スタンド出側板厚と圧延荷重は、式(5),式(6)を連立し、求めることができる。
なお、先進率(式(3))の具体的な式としては、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp33〜35に開示されたBland&Fordの方法が挙げられる。
後進率については、(1+bi)・Hi=(1+fi)・hiのマスフロー一定則から求められる。
なお、先進率(式(3))の具体的な式としては、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp33〜35に開示されたBland&Fordの方法が挙げられる。
後進率については、(1+bi)・Hi=(1+fi)・hiのマスフロー一定則から求められる。
圧延荷重(式(6))の具体的な式は、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp19〜36に開示された式(2.97),式(2.185),式(2.194)のHillの式から求めることができる。
電流(式(7))の具体的な式は、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp20〜35の式(2.104),式(2.186),式(2.192)のHillの式のトルクを電流に変換して用いればよい。例えば、トルク定数で除することにより電流を求める。
電流(式(7))の具体的な式は、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp20〜35の式(2.104),式(2.186),式(2.192)のHillの式のトルクを電流に変換して用いればよい。例えば、トルク定数で除することにより電流を求める。
以上より、#1圧延スタンド2〜#5圧延スタンド2のシミュレーションが可能となる。これらの式に対して、圧延速度パターン、元板の板厚履歴や変形抵抗履歴を入力することで、仕上板厚、圧延荷重、ロールギャップの変動を再現可能となる。
実際の圧延スタンド2では、通常、各スタンドの圧延荷重を測定する荷重計は各圧延スタンド2に設置されている。しかし、板厚計や張力計は設置されていない場合があり、このような場合には、圧延スタンド2出側板厚や張力の値を知ることはできないが、上記したシミュレーションモデルを用いれば、測定できないスタンド出側板厚等を算出することが可能である。
実際の圧延スタンド2では、通常、各スタンドの圧延荷重を測定する荷重計は各圧延スタンド2に設置されている。しかし、板厚計や張力計は設置されていない場合があり、このような場合には、圧延スタンド2出側板厚や張力の値を知ることはできないが、上記したシミュレーションモデルを用いれば、測定できないスタンド出側板厚等を算出することが可能である。
なお、圧延スタンド2のモデルには、最上流側圧延スタンド2の入側の動特性、及び最下流側圧延スタンド2の出側の動特性、例えば、巻き取り装置(図示せず)による圧延スタンド2出側の張力変化を現す関係式などを含めてもよい。また、圧延スタンド2のモータ制御や圧延スタンド2の剛性の制御など、ローカルな制御が行われている場合には、圧延スタンド2、圧延材3部にこれらの制御を含めるものとする。また、圧延スタンド2,2間の張力の動特性を含むものとする。
板厚制御モデル部5は、目標板厚設定部10、目標張力設定部11、板厚張力制御部12、加減速補償部13、圧延速度パターン決定部14から構成されている。
板厚制御モデル部5は、目標板厚設定部10、目標張力設定部11、板厚張力制御部12、加減速補償部13、圧延速度パターン決定部14から構成されている。
なお、張力の制御を行わない場合には、目標張力設定部11は不要である。また、板厚張力制御部12は、少なくとも#5圧延スタンド2の出側板厚(仕上板厚)を一定に制御するものであるが、それ以外の圧延スタンド2での出側板厚の全て又は一部を制御するもの、あるいは、スタンド間の張力の全て又は一部を制御するものを含む。
図1,図3に示すように、板厚張力制御部12には、目標板厚設定部10において予め設定された#1〜#5圧延スタンド2の出側板厚の目標値が入力される。同様に、板厚張力制御部12には、目標張力設定部11において予め設定された圧延スタンド2間張力の目標値が入力される。なお、図3において、#12スタンド間張力とは、#1圧延スタンド2と#2圧延スタンド2との間における圧延材3の張力を意味する。また、図3は、全スタンドの出側板厚と全スタンド間張力を制御する場合における板厚張力制御部12の一例を示したものである。
図1,図3に示すように、板厚張力制御部12には、目標板厚設定部10において予め設定された#1〜#5圧延スタンド2の出側板厚の目標値が入力される。同様に、板厚張力制御部12には、目標張力設定部11において予め設定された圧延スタンド2間張力の目標値が入力される。なお、図3において、#12スタンド間張力とは、#1圧延スタンド2と#2圧延スタンド2との間における圧延材3の張力を意味する。また、図3は、全スタンドの出側板厚と全スタンド間張力を制御する場合における板厚張力制御部12の一例を示したものである。
板厚張力制御部12の出力は、#1〜#5圧延スタンド2におけるロールギャップと、#1〜#4圧延スタンド2におけるロール速度である。
板厚張力制御部12において行われる制御としては、公知のものが採用可能であり、PI制御や最適制御を用いるとよい。例えば「冷延タンデムミル高精度板厚制御技術の開発」(電気学会研究会資料,金属産業研究会,MID−01〜9,2001年3月16日)の手法を用いてもよい。
さらに、各圧延スタンド2においては、出側板厚や圧延スタンド2,2間の張力が測定又は計算され、その結果は板厚張力制御部12にフィードバック入力される。
板厚張力制御部12において行われる制御としては、公知のものが採用可能であり、PI制御や最適制御を用いるとよい。例えば「冷延タンデムミル高精度板厚制御技術の開発」(電気学会研究会資料,金属産業研究会,MID−01〜9,2001年3月16日)の手法を用いてもよい。
さらに、各圧延スタンド2においては、出側板厚や圧延スタンド2,2間の張力が測定又は計算され、その結果は板厚張力制御部12にフィードバック入力される。
また、本実施形態の場合、図1に示すように、基準となる圧延スタンド2(#5圧延スタンド)での圧延速度パターンを決定する圧延速度パターン決定部14が備えられている。
この圧延速度パターン決定部14では、1コイル(1本の圧延材3)を圧延するに際し、#5圧延スタンド2における圧延速度パターン(圧延速度の時間による変化)が決定される。例えば、図4に示すように、加速度を指定して台形パターンとしてもよい。すなわち、圧延材3の先端部においては、圧延速度を徐々に加速し、圧延材3の終端部においては、圧延速度を徐々に減速し、溶接点(当該圧延材と次圧延材との接続点)において最低速度とするようにしている。圧延材3の中途部では圧延速度を最高且つほぼ一定としている。なお、圧延速度を加減速する場合、板厚偏差が大きくなることは従来より明らかとなっている。これは、加減速時に圧延ロールと圧延材3との間の摩擦係数等が変化することが大きく関与している。
この圧延速度パターン決定部14では、1コイル(1本の圧延材3)を圧延するに際し、#5圧延スタンド2における圧延速度パターン(圧延速度の時間による変化)が決定される。例えば、図4に示すように、加速度を指定して台形パターンとしてもよい。すなわち、圧延材3の先端部においては、圧延速度を徐々に加速し、圧延材3の終端部においては、圧延速度を徐々に減速し、溶接点(当該圧延材と次圧延材との接続点)において最低速度とするようにしている。圧延材3の中途部では圧延速度を最高且つほぼ一定としている。なお、圧延速度を加減速する場合、板厚偏差が大きくなることは従来より明らかとなっている。これは、加減速時に圧延ロールと圧延材3との間の摩擦係数等が変化することが大きく関与している。
さらに、図1に示す如く、圧延材3が加速又は減速するに際し、板厚張力制御部12の出力に対する出力補正量を算出する加減速補償部13と、圧延制御パラメータを最適化する圧延制御パラメータ最適化部7と、が設けられている。
詳しくは、加減速補償部13の出力補正量としては、各圧延スタンド2のロールギャップとロール速度とを採用しており、加減速補償部13は、図5,図6に示すパターンに従って、ロールギャップの補正量、ロール速度の補正量を導き出す。
圧延制御パラメータ最適化部7は、圧延材3の加速時及び/又は減速時における圧延材3の板厚偏差を含む評価関数が小さくなるように、加減速補償量等の所定の圧延制御パラメータを最適化する機能を備えている。すなわち、圧延の過渡特性を表現可能な圧延動的モデルを用いて最適化し、最適化された圧延制御パラメータを出力するようになっている。最適化時には、評価関数を最小化する非線形最適化問題を解くことになる。
詳しくは、加減速補償部13の出力補正量としては、各圧延スタンド2のロールギャップとロール速度とを採用しており、加減速補償部13は、図5,図6に示すパターンに従って、ロールギャップの補正量、ロール速度の補正量を導き出す。
圧延制御パラメータ最適化部7は、圧延材3の加速時及び/又は減速時における圧延材3の板厚偏差を含む評価関数が小さくなるように、加減速補償量等の所定の圧延制御パラメータを最適化する機能を備えている。すなわち、圧延の過渡特性を表現可能な圧延動的モデルを用いて最適化し、最適化された圧延制御パラメータを出力するようになっている。最適化時には、評価関数を最小化する非線形最適化問題を解くことになる。
一方、本発明にかかる圧延制御パラメータの算出装置1は、圧延状態パラメータ最適化部8を有している。この圧延状態パラメータ最適化部8において、圧延材3を加速及び/又は減速する際のシミュレーションを精確なものとするために、各圧延スタンド2での圧延荷重及び/又はロールギャップを評価した上で、摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適に調整し算出する。
具体的には、圧延材3を加速及び/又は減速するに際し、複数の圧延スタンド2での圧延荷重の時間変化と実績圧延荷重の時間変化との差、及び/又は、複数の圧延スタンド2でのロールギャップの時間変化と実績ロールギャップの時間変化との差を含む評価関数が最小となるようにする。評価関数として圧延荷重、ロールギャップを選定した理由としては、板厚は非線形性(例えば、張力のデッドバンド等)やシミュレーションの初期値によって影響を受けやすく、シミュレーションによる実圧延の再現が難しい場合があるものの、圧延荷重やロールギャップはその変化量が大きくその再現が容易で、摩擦係数や変形抵抗のパラメータを調整しやすいからである。
具体的には、圧延材3を加速及び/又は減速するに際し、複数の圧延スタンド2での圧延荷重の時間変化と実績圧延荷重の時間変化との差、及び/又は、複数の圧延スタンド2でのロールギャップの時間変化と実績ロールギャップの時間変化との差を含む評価関数が最小となるようにする。評価関数として圧延荷重、ロールギャップを選定した理由としては、板厚は非線形性(例えば、張力のデッドバンド等)やシミュレーションの初期値によって影響を受けやすく、シミュレーションによる実圧延の再現が難しい場合があるものの、圧延荷重やロールギャップはその変化量が大きくその再現が容易で、摩擦係数や変形抵抗のパラメータを調整しやすいからである。
ここで一例として、圧延荷重の差に基づき、摩擦係数を調整する場合を説明する。調整の容易さを考慮し、減速時のデータにより調整するものとする。
圧延状態パラメータ最適化部8における摩擦係数モデルとしては、例えば、式(10),(11)を考える。
圧延状態パラメータ最適化部8における摩擦係数モデルとしては、例えば、式(10),(11)を考える。
ここで、αiは、#i圧延スタンド2において圧延速度0での摩擦係数を規定する変数であり、Vout,i0は、摩擦係数の変化する圧延速度の上限値である。つまり、Vout,i0より圧延速度が速ければ摩擦係数はμi=μi0で変化しないとする。ここで、μi0は一定圧延速度でのデータに基づく同定により精確であるとして、以後の調整パラメータには含めない。
圧延スタンド2ごとに、αi,Vout,i0を調整する。なお、単スタンドの場合は1スタンドでの調整となる。また、μi0も未知パラメータとして、αi,Vout,i0と同時に調整することも可能である。
圧延スタンド2ごとに、αi,Vout,i0を調整する。なお、単スタンドの場合は1スタンドでの調整となる。また、μi0も未知パラメータとして、αi,Vout,i0と同時に調整することも可能である。
まず、圧延速度パターン決定部14に保持されている圧延速度パターンの時間履歴データを圧延動的モデル部6に入力する。そして、例えば、#1〜#4圧延スタンド2のαi,Vout,i0をαi=0.5,0.7,0.9,1.1の4通り、Vout,i0=600,800,1000(mpm)の3通りを取り得るとして、以後、最適化を行う。
また、#5圧延スタンド2の摩擦係数μ5は、式(11)で表されるとし、当該摩擦係数μ5を算出する。
また、#5圧延スタンド2の摩擦係数μ5は、式(11)で表されるとし、当該摩擦係数μ5を算出する。
#5圧延スタンド2のα5,Vout,50,cμ5に関しては、例えば、α5=0.5,0.7,0.9,1.1の4通り、Vout,50=600,800,1000(mpm)の3通り、cμ5=2.0,2.5,3.0,の3通りを取り得るとして、以後、最適化を行う。したがって、#1スタンド〜#4スタンドは、4×3=12通り、#5スタンドは、4×3×3=36通りの場合についてシミュレーションを行い、最適化することとなる。
式(10),式(11)のように設定することで、減速時、増速時の摩擦係数の変化を明示的に設定でき、仕上板厚変動がより精確に再現できるようになる。また、精確に再現された摩擦係数を用いることで、高速時と低速時のロールギャップ差を確実に設定でき、低速時の加減速補償量の調整が容易となる。
式(10),式(11)のように設定することで、減速時、増速時の摩擦係数の変化を明示的に設定でき、仕上板厚変動がより精確に再現できるようになる。また、精確に再現された摩擦係数を用いることで、高速時と低速時のロールギャップ差を確実に設定でき、低速時の加減速補償量の調整が容易となる。
次に、摩擦係数を調整する場合の評価関数について説明する。評価関数Jerrは、次式のようにしている。
ここで、Jerriは、#i圧延スタンド2における評価関数の成分である。
なお、板厚偏差が利用できる場合には、Jerriを以下のようにするとよい。
なお、板厚偏差が利用できる場合には、Jerriを以下のようにするとよい。
この場合には、板厚偏差を直接評価することができる。
式(13),式(14)において、wpi,whiは重み係数であり、ΔPi_actは実際の圧延機から得られた、減速前の一定速度時からの圧延荷重変化の実績値、ΔPi_simは圧延動的モデル部6の計算で得られる、減速前の一定速度時からの圧延荷重変化である。Δhi_actは#i圧延スタンド2の、減速前の一定速度時からの実績出側板厚変化であり、Δhi_simは圧延動的モデル部6の計算で得られる、減速前の一定速度時からの出側板厚変化である。
式(13),式(14)において、wpi,whiは重み係数であり、ΔPi_actは実際の圧延機から得られた、減速前の一定速度時からの圧延荷重変化の実績値、ΔPi_simは圧延動的モデル部6の計算で得られる、減速前の一定速度時からの圧延荷重変化である。Δhi_actは#i圧延スタンド2の、減速前の一定速度時からの実績出側板厚変化であり、Δhi_simは圧延動的モデル部6の計算で得られる、減速前の一定速度時からの出側板厚変化である。
tsは評価の開始時間、teは評価の終了時間である。例えば、図4に示す如く、減速時であれば、tsを減速開始時とし、teを減速終了後において圧延材3間の溶接点が圧延スタンド2を通過し始める時とすることができる。
なお、加速時であれば、tsを加速開始前における圧延材3間の溶接点が圧延スタンド2を通過し終えた時とし、teを加速終了後一定速度となり圧延状態が整定した時とすることができる。
上述した手法は例示であり、これに限定はされない。例えば、加速時及び減速時を同時に評価する場合には、加速時に対する評価関数と減速時に対する評価関数とを加えたものを評価関数とすることができる。この場合には、評価する時間が増えるため、さらなる圧延状態パラメータの精度向上が期待できる。また、実績板厚としては、板厚計から直接測定されたものだけではなく、マスフロー板厚のように測定値から算出されたものを含む。さらに、評価関数の形は式(12)〜式(14)に限定されるものではなく、圧延荷重の計算値と実績値との差、すなわち、Pi_act−Pi_simを含んでいればよい。板厚についても、板厚の計算値と実績値との差、すなわち、hi_act−hi_simを含んでいればよい。例えば、一定速度時にPi_act=Pi_simの場合、式(13)の括弧内をPi_act−Pi_simとしてもよい。一定速度時にhi_act=hi_simの場合、式(14)の第2項括弧内をhi_act−hi_simとしてもよい。
なお、加速時であれば、tsを加速開始前における圧延材3間の溶接点が圧延スタンド2を通過し終えた時とし、teを加速終了後一定速度となり圧延状態が整定した時とすることができる。
上述した手法は例示であり、これに限定はされない。例えば、加速時及び減速時を同時に評価する場合には、加速時に対する評価関数と減速時に対する評価関数とを加えたものを評価関数とすることができる。この場合には、評価する時間が増えるため、さらなる圧延状態パラメータの精度向上が期待できる。また、実績板厚としては、板厚計から直接測定されたものだけではなく、マスフロー板厚のように測定値から算出されたものを含む。さらに、評価関数の形は式(12)〜式(14)に限定されるものではなく、圧延荷重の計算値と実績値との差、すなわち、Pi_act−Pi_simを含んでいればよい。板厚についても、板厚の計算値と実績値との差、すなわち、hi_act−hi_simを含んでいればよい。例えば、一定速度時にPi_act=Pi_simの場合、式(13)の括弧内をPi_act−Pi_simとしてもよい。一定速度時にhi_act=hi_simの場合、式(14)の第2項括弧内をhi_act−hi_simとしてもよい。
以上述べた手順で調整された摩擦係数を基に圧延動的モデルを用いて、圧延制御パラメータを最適化し算出するようにしている。
言い換えるならば、圧延状態パラメータ最適化部8が算出した摩擦係数μiを圧延モデル式中の摩擦係数μiに適用し、圧延機モデル部4と、板厚制御モデル部5と、圧延制御パラメータ最適化部7での計算を行って、最適化された圧延制御パラメータを算出するようにしている。
図7には、本発明における摩擦係数等の圧延状態パラメータの調整方法、調整された圧延状態パラメータを用いた圧延制御パラメータの最適化方法のフローチャートが示されている。以降、圧延状態パラメータが摩擦係数である場合を例示し説明を行うが、本発明では、圧延状態パラメータとして変形抵抗が採用可能であるし、摩擦係数と変形抵抗との両者を採用可能である。
言い換えるならば、圧延状態パラメータ最適化部8が算出した摩擦係数μiを圧延モデル式中の摩擦係数μiに適用し、圧延機モデル部4と、板厚制御モデル部5と、圧延制御パラメータ最適化部7での計算を行って、最適化された圧延制御パラメータを算出するようにしている。
図7には、本発明における摩擦係数等の圧延状態パラメータの調整方法、調整された圧延状態パラメータを用いた圧延制御パラメータの最適化方法のフローチャートが示されている。以降、圧延状態パラメータが摩擦係数である場合を例示し説明を行うが、本発明では、圧延状態パラメータとして変形抵抗が採用可能であるし、摩擦係数と変形抵抗との両者を採用可能である。
まず、摩擦係数等の圧延状態パラメータの初期値として、実際の圧延機のデータから推定または学習した値をセットする。[S71]
次に、#1圧延スタンド2の1ケース目の計算として、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5を用いて、S71でセットした摩擦係数を基に、時刻tsからteまでを含む時間において圧延のシミュレーションを行う。[S72〜S74]
それらで得られた結果(圧延荷重、板厚、ロールギャップなど)を基に、評価関数(式(12))を計算する。[S75]
次に、2ケース目の摩擦係数を圧延状態パラメータ最適化部8が決定し、2ケース目の圧延シミュレーションを行い、評価関数を計算する。[S77,S73〜S75]
全ケースについて評価関数を計算した後、圧延状態パラメータ最適化部8が最小の評価関数を与える摩擦係数パラメータ(摩擦係数に関するパラメータ)α1,Vout,10を決定する。そして、以降の最適化のためのシミュレーションに用いる最適な摩擦係数のパラメータを得る。[S76,S78]
同様に、順に#2〜#5圧延スタンド2についても摩擦係数パラメータを決定し、新たな摩擦係数を算出する。#5圧延スタンド2については、α5,Vout,50,cμ5の摩擦係数パラメータを決定する。[S79,S710,S73〜S78]
このように、圧延スタンド毎に上流側から最適化を行うことで、圧延材の移送による上流側圧延スタンド2から下流側圧延スタンド2への圧延荷重や板厚等の影響を精確に再現でき、得られた圧延状態パラメータの精度が向上する。また、全スタンドの圧延状態パラメータを一括で最適化する場合よりも、離散的な最適化の場合はシミュレーションのケース数が少なく、連続的な最適化の場合は収束が速くなる傾向があり、最適化の計算時間が短くなるという効果もある。
次に、#1圧延スタンド2の1ケース目の計算として、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5を用いて、S71でセットした摩擦係数を基に、時刻tsからteまでを含む時間において圧延のシミュレーションを行う。[S72〜S74]
それらで得られた結果(圧延荷重、板厚、ロールギャップなど)を基に、評価関数(式(12))を計算する。[S75]
次に、2ケース目の摩擦係数を圧延状態パラメータ最適化部8が決定し、2ケース目の圧延シミュレーションを行い、評価関数を計算する。[S77,S73〜S75]
全ケースについて評価関数を計算した後、圧延状態パラメータ最適化部8が最小の評価関数を与える摩擦係数パラメータ(摩擦係数に関するパラメータ)α1,Vout,10を決定する。そして、以降の最適化のためのシミュレーションに用いる最適な摩擦係数のパラメータを得る。[S76,S78]
同様に、順に#2〜#5圧延スタンド2についても摩擦係数パラメータを決定し、新たな摩擦係数を算出する。#5圧延スタンド2については、α5,Vout,50,cμ5の摩擦係数パラメータを決定する。[S79,S710,S73〜S78]
このように、圧延スタンド毎に上流側から最適化を行うことで、圧延材の移送による上流側圧延スタンド2から下流側圧延スタンド2への圧延荷重や板厚等の影響を精確に再現でき、得られた圧延状態パラメータの精度が向上する。また、全スタンドの圧延状態パラメータを一括で最適化する場合よりも、離散的な最適化の場合はシミュレーションのケース数が少なく、連続的な最適化の場合は収束が速くなる傾向があり、最適化の計算時間が短くなるという効果もある。
次に、終了条件の判断[S711]であるが、#1〜#5圧延スタンド2の摩擦係数パラメータの調整を少なくとも2回行ったか否かで判定している。これは、張力の影響や制御系の構成の影響による下流側スタンドの摩擦係数の変更により、上流側に影響がある場合に、2回目の調整で下流側からの影響が考慮された最適化が行われることとなり、有効である。終了条件を、パラメータの変更が無くなったとき、または、許容値以下になったときとしてもよい。評価関数の変化が許容値以下になったときや所定の回数(複数回)、例えば、5回目のパラメータ調整で終了としてもよい。
終了条件を満たした場合には、摩擦係数パラメータが確定したものとして、それを基に、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5、圧延制御パラメータ最適化部7を用いて、圧延のシミュレーションを用いた最適化を行う。[S712]
かかる圧延のシミュレーションにより得られた圧延制御パラメータは、各圧延スタンド2における最適化された摩擦係数を考慮したものであるため、この圧延制御パラメータを実際の圧延機に適用することで、圧延材3の加減速時に圧延材3の形状を悪化させることなく板厚精度を向上させることができる。[S713]
また、以上述べた圧延シミュレーションを行うことで、実際の圧延機を用いた実験を行うことなく、圧延材3の加減速時における最適な圧延制御パラメータを得ることができるようになる。
かかる圧延のシミュレーションにより得られた圧延制御パラメータは、各圧延スタンド2における最適化された摩擦係数を考慮したものであるため、この圧延制御パラメータを実際の圧延機に適用することで、圧延材3の加減速時に圧延材3の形状を悪化させることなく板厚精度を向上させることができる。[S713]
また、以上述べた圧延シミュレーションを行うことで、実際の圧延機を用いた実験を行うことなく、圧延材3の加減速時における最適な圧延制御パラメータを得ることができるようになる。
#1〜#5圧延スタンド2の摩擦係数の最適化は、上述のような離散量に対してだけでなく連続量に対してでもよいし、上述のような総当り法以外に他の最適化手法でもよい。例えば、「最適設計ハンドブック,山川宏編,朝倉書店,2003」のp8〜p63に記載されている非線形計画法、分枝限定法、シミュレーテェッドアニーリング法、遺伝的アルゴリズム等の発見的手法でもよい。
図8には、全ての摩擦パラメータαi,Vout,i0,α5,Vout,50,cμ5を連続量とし、逐次2次計画法等の非線形計画法を用いて最適化する場合のフローチャートを示す。
図8には、全ての摩擦パラメータαi,Vout,i0,α5,Vout,50,cμ5を連続量とし、逐次2次計画法等の非線形計画法を用いて最適化する場合のフローチャートを示す。
評価関数としては、全圧延スタンド2,2,・・・での圧延荷重の評価を行う式(12),式(13)を用いている。
まず、摩擦係数の初期値として、実際の圧延機のデータから推定または学習した値をセットする。[S81]
次に、全ての圧延スタンド2,2,・・・について、セットした摩擦係数を用いて、時刻tsからteまで、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5、圧延制御パラメータ最適化部7を用いて、圧延シミュレーションを行う。[S82〜S84]
それらで得られた結果(圧延荷重、板厚、ロールギャップなど)を基に、評価関数(式(12))を計算する。[S85]
得られた評価関数が最小値に収束しているか否かを判定し、収束していない場合は、次の摩擦係数を圧延状態パラメータ最適化部8が決定し、再び圧延のシミュレーションを行い、評価関数を計算する。[S87,S82〜S85]
なお、逐次2次計画法(SQP)のような公知の非線形最適化手法を用いる際には、S35〜S87のステップが、公知である非線形最適化手法のアルゴリズム中で実行される。また、S87中で、次の圧延状態パラメータの探索のためにシミュレーションが行われる場合もある。
まず、摩擦係数の初期値として、実際の圧延機のデータから推定または学習した値をセットする。[S81]
次に、全ての圧延スタンド2,2,・・・について、セットした摩擦係数を用いて、時刻tsからteまで、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5、圧延制御パラメータ最適化部7を用いて、圧延シミュレーションを行う。[S82〜S84]
それらで得られた結果(圧延荷重、板厚、ロールギャップなど)を基に、評価関数(式(12))を計算する。[S85]
得られた評価関数が最小値に収束しているか否かを判定し、収束していない場合は、次の摩擦係数を圧延状態パラメータ最適化部8が決定し、再び圧延のシミュレーションを行い、評価関数を計算する。[S87,S82〜S85]
なお、逐次2次計画法(SQP)のような公知の非線形最適化手法を用いる際には、S35〜S87のステップが、公知である非線形最適化手法のアルゴリズム中で実行される。また、S87中で、次の圧延状態パラメータの探索のためにシミュレーションが行われる場合もある。
得られた評価関数が最小値に収束している場合は、得られた摩擦係数パラメータαi,Vout,i0を基に、圧延機モデル部4、板厚制御モデル部5、圧延制御パラメータ最適化部7を用いて、圧延のシミュレーションを行う。[S89]
かかる圧延のシミュレーションにより得られた圧延制御パラメータは、各圧延スタンド2における摩擦係数の調整を考慮したものであるため、この圧延制御パラメータを実際の圧延機に適用することで、圧延材3の加減速時に圧延材3の形状を悪化させることなく板厚精度を向上させることができる。[S810]
一方、圧延材3を加速及び/又は減速するに際し、複数の圧延スタンド2でのロールギャップの時間変化と実績ロールギャップの時間変化との差が最小となるように、各圧延スタンド2での摩擦係数に関する摩擦係数パラメータを最適化し、最適化された摩擦係数パラメータが組み込まれた圧延動的モデルを用いて、圧延制御パラメータを算出することもできる。
かかる圧延のシミュレーションにより得られた圧延制御パラメータは、各圧延スタンド2における摩擦係数の調整を考慮したものであるため、この圧延制御パラメータを実際の圧延機に適用することで、圧延材3の加減速時に圧延材3の形状を悪化させることなく板厚精度を向上させることができる。[S810]
一方、圧延材3を加速及び/又は減速するに際し、複数の圧延スタンド2でのロールギャップの時間変化と実績ロールギャップの時間変化との差が最小となるように、各圧延スタンド2での摩擦係数に関する摩擦係数パラメータを最適化し、最適化された摩擦係数パラメータが組み込まれた圧延動的モデルを用いて、圧延制御パラメータを算出することもできる。
その場合、#i圧延スタンド2における評価関数の成分Jerriは、次式のようにするとよい。
また、板厚が計測又は計算できる圧延スタンド2については、次式のようにしてもよい。
式(15),式(16)で、wsi,whiは重み係数である。Δsi_actは、実際の圧延機から得られた、減速前の一定速度時からのロールギャップ変化の実績値であり、Δsi_simはシミュレーションでの、減速前の一定速度時からのロールギャップ変化である。Δhi_actは#i圧延スタンド2の、減速前の一定速度時からの実績出側板厚変化であり、Δhi_simはシミュレーションでの、減速前の一定速度時からの出側板厚変化である。tsは評価の開始時間、teは評価の終了時間である。なお、評価関数の形は、式(12),式(15),式(16)に限定されるものではなく、ロールギャップの計算値と実績値との差、すなわち、si_act−si_simを含んでいればよい。例えば、一定速度時にsi_act=si_simの場合、式(15),式(16)の括弧内をsi_act−si_simとしてもよい。
評価関数の式(13),式(14)と評価関数の式(15),式(16)とを同時に用いることもできる。例えば、圧延スタンド2ごとの評価関数の成分として、全スタンドで「圧延荷重とロールギャップ」又は「圧延荷重とロールギャップと板厚」を採用することが可能であるし、ある圧延スタンド2では「圧延荷重とロールギャップ」を採用し、別の圧延スタンド2では、「圧延荷重とロールギャップと板厚」を採用することが可能である。圧延荷重とロールギャップの両方を採用することにより、利用する情報量が増えることになり、最適化される摩擦係数や変形抵抗の精度がさらに向上する。
以下、本発明の技術を用いて圧延シミュレーションを行った結果を示す。
図9は、減速時の圧延実績データであって、本発明の技術を採用していない従来例である。減速時に、圧延荷重偏差が発生すると共に仕上板厚偏差が生じていることがわかる。
図9の実績データと式(12),式(14)の評価関数とを用いて、#1〜#4圧延スタンド2については12通り、#5圧延スタンド2については、36通りの場合について離散的な最適化計算である総当たり法を実施した。
結果として、次の最適化された摩擦係数パラメータが得られた。
図9は、減速時の圧延実績データであって、本発明の技術を採用していない従来例である。減速時に、圧延荷重偏差が発生すると共に仕上板厚偏差が生じていることがわかる。
図9の実績データと式(12),式(14)の評価関数とを用いて、#1〜#4圧延スタンド2については12通り、#5圧延スタンド2については、36通りの場合について離散的な最適化計算である総当たり法を実施した。
結果として、次の最適化された摩擦係数パラメータが得られた。
・α1=0.5,Vout,10=600(mpm)
・α2=0.5,Vout,20=600(mpm)
・α3=0.9,Vout,30=600(mpm)
・α4=1.1,Vout,40=800(mpm)
・α5=0.7,Vout,50=1000(mpm),cμ5=2.5
図10は、最適化された摩擦係数パラメータを用いたシミュレーション結果、すなわち、本発明の技術を適用した圧延シミュレーションの結果である。
・α2=0.5,Vout,20=600(mpm)
・α3=0.9,Vout,30=600(mpm)
・α4=1.1,Vout,40=800(mpm)
・α5=0.7,Vout,50=1000(mpm),cμ5=2.5
図10は、最適化された摩擦係数パラメータを用いたシミュレーション結果、すなわち、本発明の技術を適用した圧延シミュレーションの結果である。
図9と図10とを比較すると、圧延荷重偏差の実績(図9(b))とシミュレーション(図10(b))がほぼ一致するように摩擦係数パラメータが調整されていることがわかる。仕上板厚偏差に関しては、仕上板厚偏差の実績(図9(c))とシミュレーション(図10(c))とにおける板厚変動のピーク発生時刻がほぼ一致しており、加えて、実績データのノイズ等の外乱を考慮すると、ピーク値もほぼ一致していることが確認できる。
次に、最適化された摩擦係数パラメータを用いて、圧延制御パラメータとして#5圧延スタンド2のロールギャップ加減速補償量を最適化する。本実施形態では、#5圧延スタンド2のロール速度加減速補償量を変更するやり方について精説を行ってはいないが、ロール速度加減速補償量を最適化変数に加えることで、ロールギャップ加減速補償量と同様に最適化可能である。
次に、最適化された摩擦係数パラメータを用いて、圧延制御パラメータとして#5圧延スタンド2のロールギャップ加減速補償量を最適化する。本実施形態では、#5圧延スタンド2のロール速度加減速補償量を変更するやり方について精説を行ってはいないが、ロール速度加減速補償量を最適化変数に加えることで、ロールギャップ加減速補償量と同様に最適化可能である。
評価関数Jerr’は、式(17)のように定義する。
式(17)において、Δh5_simは、既述の通り、圧延動的モデル部6で計算された、減速前の一定速度からの#5圧延スタンド2の出側板厚変化、すなわち仕上板厚変化である。tsは評価の開始時間、teは評価の終了時間である。例えば、圧延状態パラメータの最適化と同様に、図4に示す如く、減速時であれば、tsを減速開始時とし、teを減速終了後において圧延材3間の溶接点が圧延スタンド2を通過し始める時とすることができる。加速時であれば、tsを加速開始前における圧延材3間の溶接点が圧延スタンド2を通過し終えた時とし、teを加速終了後一定速度となり圧延状態が整定した(一定となった)時とすることができる。
一例として、#5圧延スタンド2のロールギャップの加減速補償量を次式で決定する。
・Vout,5≦100(mpm): Δs5=Δs50
・100≦Vout,5≦Vout,50:
Δs5=Δs50・(Vout,5−Vout,50)2 /(Vout,50−100)2
・Vout,50≦Vout,5: Δs5=0
Δs50とVout,50の2つのパラメータが最適化すべき圧延制御パラメータである。
・Vout,5≦100(mpm): Δs5=Δs50
・100≦Vout,5≦Vout,50:
Δs5=Δs50・(Vout,5−Vout,50)2 /(Vout,50−100)2
・Vout,50≦Vout,5: Δs5=0
Δs50とVout,50の2つのパラメータが最適化すべき圧延制御パラメータである。
簡単な一例として、Δs50=−60,−120(μm)の2通り、Vout,50=600,800(μm)の2通りの計4通りで離散的な最適化を行う。
総当たり法で評価関数を計算することで、Δs50=−120(μm)、Vout,50=800(μm)の解を得た。
図11は、上記の如く最適化された圧延制御パラメータΔs50,Vout,50を用いて、圧延シミュレーションを行った結果である。図10と図11との比較から、減速時の板厚変動が半減していることは明らかである。
総当たり法で評価関数を計算することで、Δs50=−120(μm)、Vout,50=800(μm)の解を得た。
図11は、上記の如く最適化された圧延制御パラメータΔs50,Vout,50を用いて、圧延シミュレーションを行った結果である。図10と図11との比較から、減速時の板厚変動が半減していることは明らかである。
以上、本発明にかかる圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
すなわち、圧延機9は#1〜#5圧延スタンド2を有するものを例示して説明したが、圧延スタンド2の数はこれに限定されず、リバースミルのようなシングルスタンドミルにも適用可能である。また、圧延形態も冷間圧延に限られるものではなく、熱間圧延にも適用可能である。
また、本実施形態の場合、各圧延スタンド2における摩擦係数に関するパラメータを調整したが、変形抵抗に関するパラメータを調整するようにしてもよい。例えば、既述のように、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp188〜189に開示された式(7.51)〜式(7.53)のいずれかを用いることとし、その変形抵抗をki_nominalとする。そして、変形抵抗を調整する場合の変形抵抗モデルとしては、例えば、
ki=ki_nominal・(β1i+β2・Vout,i)
を用いることができる(ただし、β1i,β2は調整すべき圧延状態パラメータ)。
すなわち、圧延機9は#1〜#5圧延スタンド2を有するものを例示して説明したが、圧延スタンド2の数はこれに限定されず、リバースミルのようなシングルスタンドミルにも適用可能である。また、圧延形態も冷間圧延に限られるものではなく、熱間圧延にも適用可能である。
また、本実施形態の場合、各圧延スタンド2における摩擦係数に関するパラメータを調整したが、変形抵抗に関するパラメータを調整するようにしてもよい。例えば、既述のように、「板圧延の理論と実際、日本鉄鋼協会編、1984」のp188〜189に開示された式(7.51)〜式(7.53)のいずれかを用いることとし、その変形抵抗をki_nominalとする。そして、変形抵抗を調整する場合の変形抵抗モデルとしては、例えば、
ki=ki_nominal・(β1i+β2・Vout,i)
を用いることができる(ただし、β1i,β2は調整すべき圧延状態パラメータ)。
なお、変形抵抗に関するパラメータと摩擦係数パラメータとを同時に最適化することもできる。この場合には、調整すべきパラメータが増加し、さらに細かな調整も可能となるため、圧延動的モデルの精度を高めることができる。
また、評価関数の形も、式(12)〜式(16)に限られるものではなく、圧延スタンド毎に個別の評価関数を採用してもよい。
また、評価関数の形も、式(12)〜式(16)に限られるものではなく、圧延スタンド毎に個別の評価関数を採用してもよい。
1 圧延制御パラメータの算出装置
2 圧延スタンド
3 圧延材
4 圧延機モデル部
5 板厚制御モデル部
6 圧延動的モデル部
7 圧延制御パラメータ最適化部
8 圧延状態パラメータ最適化部
9 圧延機
10 目標板厚設定部
11 目標張力設定部
12 板厚張力制御部
13 加減速補償部
14 圧延速度パターン決定部
2 圧延スタンド
3 圧延材
4 圧延機モデル部
5 板厚制御モデル部
6 圧延動的モデル部
7 圧延制御パラメータ最適化部
8 圧延状態パラメータ最適化部
9 圧延機
10 目標板厚設定部
11 目標張力設定部
12 板厚張力制御部
13 加減速補償部
14 圧延速度パターン決定部
Claims (6)
- 圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドと該圧延スタンドの板厚制御を行う制御系とを動的に表現する圧延動的モデルを構築し、
前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデルでの計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化し、
最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデルを用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出することを特徴とする圧延制御パラメータの算出方法。 - 前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、上流側の圧延スタンドから下流側の圧延スタンドへ順に行うことを特徴とする請求項1に記載の圧延制御パラメータの算出方法。
- 前記摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータの最適化の計算を、圧延スタンド毎に1回又は複数回実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延制御パラメータの算出方法。
- 前記摩擦係数に関するパラメータは、前記摩擦係数が変化しなくなる上限の圧延速度である上限圧延速度と、圧延速度0での摩擦係数を規定する変数とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧延制御パラメータの算出方法。
- 圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドとをモデル化した圧延機モデル部、及び前記圧延スタンドの板厚制御を行う板厚制御モデル部を備えた圧延動的モデル部と、
前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデル部での計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化する圧延状態パラメータ最適化部と、
前記圧延状態パラメータ最適化部により最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデル部を用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出する圧延制御パラメータ最適化部と、
を有することを特徴とする圧延制御パラメータの算出装置。 - 圧延材と該圧延材を圧延する複数の圧延スタンドとをモデル化した圧延機モデル部、及び前記圧延スタンドの板厚制御を行う板厚制御モデル部を備えた圧延動的モデル部と、
前記圧延材の加速時及び/又は減速時における前記圧延スタンドでの圧延荷重の時間変化及び/又はロールギャップの時間変化に関し、前記圧延動的モデル部での計算値と実績値との差を含む評価関数が最小となるように、各圧延スタンドでの摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータを最適化する圧延状態パラメータ最適化部と、
前記圧延状態パラメータ最適化部により最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータが組み込まれた前記圧延動的モデル部を用いて、前記板厚制御の設定パラメータ及び/又は圧延スタンドの設定パラメータを含む圧延制御パラメータを最適化し算出する圧延制御パラメータ最適化部と、を有していて、
前記圧延動的モデル部は、圧延状態パラメータ最適化部で最適化された摩擦係数に関するパラメータ及び/又は変形抵抗に関するパラメータと、圧延制御パラメータ最適化部で最適化された圧延制御パラメータとを用いて、圧延の状況を再現できるように構成されていることを特徴とする圧延シミュレーション装置。
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JP2008053420A JP2009208115A (ja) | 2008-03-04 | 2008-03-04 | 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置 |
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JP2008053420A Pending JP2009208115A (ja) | 2008-03-04 | 2008-03-04 | 圧延制御パラメータの算出方法及び算出装置、圧延シミュレーション装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-03-04 JP JP2008053420A patent/JP2009208115A/ja active Pending
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