JP2016074025A - 圧延機の制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧延モデルから構成された方程式の数よりも未知の圧延特性値の数が多い場合でも被圧延材の圧延状態を精度高く推定し、推定結果に基づいて圧延機を制御すること。
【解決手段】本発明に係る圧延機の制御方法は、複数の圧延スタンドF1〜F7における被圧延材Sの圧延現象を予測する圧延モデルからなる評価関数と圧延モデル中の変数に関する制約式とからなる最適化問題を構築する構築ステップと、圧延モデル中の測定可能な変数に測定値を代入して構築ステップにおいて構築された最適化問題を解くことにより、圧延モデルに含まれる未知変数を推定する推定ステップと、推定ステップにおいて推定された未知変数を用いて圧延機を制御する制御ステップと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、被圧延材の圧延状態を推定し、推定結果に基づいて圧延機を制御する圧延機の制御方法及び制御装置に関する。
一般に、圧延設備では、被圧延材の搬送方向に沿って配置された複数の圧延スタンドを用いて熱間又は冷間で被圧延材が連続的に圧延される。このような圧延設備では、所望の寸法、形状、及び材質の圧延製品を製造するために、圧延開始前に圧延ロール開度、圧延ロール速度、及び冷却水量等の操作量の初期設定を行い、圧延が開始されて被圧延材の厚さ、幅、圧延荷重、及び温度等の制御量が測定できるようになると、制御量の実績値と目標値との偏差に基づいて操作量を制御するフィードバック制御が行われている。
ここで、圧延ロール開度及び圧延ロール速度の初期設定では、与えられた圧延条件に基づいて圧延荷重、先進率(圧延スタンド出側における被圧延材の速度と圧延ロールの周速度との比から1を引いた値)、及び偏平ロール半径等を予測する圧延モデルを用いた設定計算が行われる。この圧延モデルには、被圧延材の変形抵抗や被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数のような直接測定できない変数が含まれている。
また、圧延荷重は高精度に測定できるが、先進率は直接測定することは困難である。このため、圧延による予測値と実績値との合わせ込みによって圧延モデルの予測精度を向上させることは難しい。この結果、圧延モデルによる予測値と実績値との間に乖離が生じ、設定計算値が不適切な値になることによって、圧延製品の寸法が公差から外れて歩留が低下したり、被圧延材が圧延ロールを通過する際に支障が生じたりすることがある。
そこで、実際の圧延設備では、圧延モデルの予測値と実績値とを合わせ込むために種々の学習が行われている。具体的には、設定計算では、被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数を固定値として与え、圧延モデルの予測値を用いて設定計算を行うのが一般的である。しかしながら、圧延モデルの予測誤差は不可避であり、圧延荷重の実績値は圧延モデルによる予測値とは異なる。
そこで、圧延荷重の実績値と予測値との比を被圧延材毎に求め、これを指数平滑した値を学習係数とし、次の設定計算時には圧延荷重の予測値に学習係数を乗じることによって圧延荷重の予測精度を向上させることが行われている。また、圧延モデルを用いて圧延荷重の実績値等から被圧延材と圧延ロールとの間の変形抵抗を逆算し、圧延モデルによる変形抵抗の予測値と逆算値との比を学習係数とすることもある。
しかしながら、被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数は、固定値であるために実態を反映しているとは限らない。また、圧延荷重の予測誤差には変形抵抗の予測誤差の影響等も含まれるが、上述の学習係数はそれらを一括して1つの係数で表すものであるから、個々の誤差の要因が圧延荷重の予測値に正しく反映されず、設定計算の誤差の原因となる。
このような背景から、特許文献1には、熱間仕上圧延機の上流側圧延スタンドにおいて圧延スタンドのロードセルオン信号を用いて先進率を測定し、先進率の測定値と圧延荷重の実績値とから被圧延材の変形抵抗及び圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数を算出する方法が提案されている。また、特許文献2には、測定データに基づいて構築された圧延方程式を解くことによって直接測定できない圧延特性値を推定する方法が提案されている。具体的には、特許文献2には、冷間タンデム圧延機の各圧延スタンドにおけるマスフローが一定であることを表す数式、圧延荷重予測式、及び先進率予測式を連立させ、これらの中の幾つかの変数(圧延特性値)を未知数として解くことによって、変数の値を推定する方法が記載されている。
特開平4−284909号公報 特開平4−344812号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数は圧延スタンドによらず共通の値とされている。一般に、被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数は、圧延ロールの粗さや潤滑状態等に応じて変化するために、圧延スタンド毎に設定すべきものである。このため、特許文献1記載の方法によれば、圧延モデルによる予測値と実績値との間に乖離が生じ、設定計算値が不適切な値になる可能性がある。
一方、特許文献2には、連立させる方程式の数と未知の圧延特性値との数が等しい場合及び連立させる方程式の数が未知の圧延特性値の数よりも多い場合(優決定系)における圧延特性値の算出方法が記載されている。しかしながら、実際の圧延設備では経済的及び技術的理由から圧延特性値を測定するセンサが設置されていない場合が多いために、未知の圧延特性値の数が多くなる。
また、特許文献2記載の実施例では既知として扱われている被圧延材の変形抵抗は、圧延荷重や先進率に大きく影響するが、被圧延材の温度や成分及びそれまでの圧延履歴等によって大きく変動する。このため、被圧延材の変形抵抗は未知の圧延特性値として扱うべきものである。
さらに、被圧延材と圧延ロールとの間の摩擦係数は、圧延荷重や先進率に影響するが、直接測定できない物理量であり、十分な精度の予測モデルも得られない。このため、摩擦係数も未知の圧延特性値として扱う必要がある。
これらの理由により、実際の圧延設備では、連立させる方程式の数よりも未知の圧延特性値の数の方が多くなる場合(劣決定系)が多くなる。しかしながら、特許文献2には、連立させる方程式の数よりも未知の圧延特性値の数の方が多くなる場合に有効な圧延特性値の算出方法が開示、示唆されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧延モデルから構成された方程式の数よりも未知の圧延特性値の数が多い場合でも被圧延材の圧延状態を精度高く推定し、推定結果に基づいて圧延機を制御可能な圧延機の制御方法及び制御装置を提供することにある。
本発明に係る圧延機の制御方法は、被圧延材の搬送方向に配列された複数の圧延スタンドを備える圧延機の制御方法であって、複数の圧延スタンドにおける被圧延材の圧延現象を予測する圧延モデルからなる評価関数と圧延モデル中の変数に関する制約式とからなる最適化問題を構築する構築ステップと、前記圧延モデル中の測定可能な変数に測定値を代入して前記構築ステップにおいて構築された最適化問題を解くことにより、前記圧延モデルに含まれる未知変数を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて推定された未知変数を用いて圧延機を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記構築ステップは、複数の圧延スタンドにおける圧延荷重及び先進率を予測する圧延モデルからなる評価関数と各圧延スタンドにおける圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数に関する制約式とからなる最適化問題を構築するステップを含み、前記推定ステップは、少なくとも各圧延スタンドの入側及び出側における被圧延材の厚さの測定値と各圧延スタンドの圧延ロール速度の測定値とを前記圧延モデルに入力して圧延荷重及び先進率の推定値を求め、これらの推定値と少なくとも圧延荷重の測定値とを用いて最適化問題を解くことにより、各圧延スタンドにおける被圧延材の変形抵抗、圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数、及び先進率を推定するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、被圧延材の搬送方向に配列された複数の圧延スタンドを備える圧延機の制御装置であって、複数の圧延スタンドにおける被圧延材の圧延現象を予測する圧延モデルからなる評価関数と圧延モデル中の変数に関する制約式とからなる最適化問題を構築し、前記圧延モデル中の測定可能な変数に測定値を代入して前記構築ステップにおいて構築された最適化問題を解くことにより、前記圧延モデルに含まれる未知変数を推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された未知変数を用いて圧延機を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法及び制御装置によれば、圧延モデルから構成された方程式の数よりも未知の圧延特性値の数が多い場合でも被圧延材の圧延状態を精度高く推定し、推定結果に基づいて圧延機を制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法が適用される熱間仕上圧延機の構成を示す模式図である。 図2は、評価関数の最小値と摩擦係数の値との関係を説明するための模式図である。 図3は、被圧延材の圧延状態の推定例を示す図である。 図4は、被圧延材の圧延状態の推定例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法について説明する。
〔熱間仕上圧延機の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法が適用される熱間仕上圧延機の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法が適用される熱間仕上圧延機の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法が適用される熱間仕上圧延機1は、7つの圧延スタンドF1〜F7を備えている。各圧延スタンドを構成する圧延ロールの圧下位置は圧下装置2a〜2gによって制御することができる。各圧延ロールは、ミルモータ3a〜3gによって回転駆動され、図示しないミルモータ速度制御系によって回転速度を制御することができる。
圧延ロールの圧延荷重は、ロードセル等によって構成される荷重検出器4a〜4gによって測定できる。被圧延材Sは、圧延スタンドF1〜F7を連続的に通過し、各圧延スタンドで圧下されることによって最終の圧延スタンドF7の出側において目標板厚まで圧延される。圧延スタンド間には、図示しないルーパ制御系に従って圧延中に被圧延材Sを下方から支持して被圧延材Sに張力を付与するルーパ5a〜5fが配設されている。また、圧延スタンドF4〜F7の出側には、被圧延材Sの板厚を測定する板厚計6a〜6dが配設されている。
〔圧延機の制御方法〕
次に、本発明の一実施形態である圧延機の制御方法について説明する。
本発明の一実施形態である圧延機の制御方法では、圧延モデルから構成された方程式の数よりも未知数の数が多い場合でも被圧延材Sの圧延状態を精度高く推定し、推定結果に基づいて熱間仕上圧延機1を制御する。以下では、本実施形態における圧延状態の推定方法について詳しく説明する。
本実施形態では、プロセスコンピュータ等の情報処理装置が、被圧延材Sの圧延状態に関わる変数の間に成り立つ関係を表す複数の圧延モデルを用いて被圧延材Sの圧延状態を推定する(詳しくは「板圧延の理論と実際」、日本鉄鋼協会、1984参照)。具体的には、圧延荷重予測モデルは以下に示す数式(1)により表される。ここで、数式(1)において、iは圧延スタンド番号(i=1〜7)を示し、Pはi番目の圧延スタンドにおける圧延荷重、Hはi番目の圧延スタンド入側における被圧延材Sの板厚(入側板厚)、hはi番目の圧延スタンド出側における被圧延材Sの板厚(出側板厚)、VRiはi番目の圧延スタンドの圧延ロール速度、tbiはi番目の圧延スタンドの後方張力、tfiはi番目の圧延スタンドの前方張力、Kはi番目の圧延スタンドにおける被圧延材Sの変形抵抗、μはi番目の圧延スタンドにおける圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数を示す。
Figure 2016074025
また、先進率予測モデルは以下に示す数式(2)により表される。ここで、数式(2)において、fはi番目の圧延スタンドにおける被圧延材Sの先進率を示す。また、数式(2)において、Rdiは、i番目の圧延スタンドにおける偏平ロール半径(圧延荷重によりロールが変形した場合の実効的なロール半径)を示し、以下に示す数式(3)のように表される。
Figure 2016074025
Figure 2016074025
また、熱間仕上圧延機1の定常状態では、各圧延スタンドにおいてマスフロー一定則が成り立つので、以下に示す数式(4)が成立する。ここで、数式(4)において、Cは圧延スタンドによらない固定値を表している。
Figure 2016074025
本実施形態では、上記の数式(1)〜(4)を圧延スタンドの数だけ連立させ、各圧延スタンドにおける被圧延材Sの変形抵抗K、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μ、及び先進率fを未知数として求める。具体例として、図1に示す3つの圧延スタンドF5〜F7における被圧延材Sの変形抵抗K(i=5〜7)、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μ(i=5〜7)、及び先進率f(i=5〜7)を求める場合を以下に示す。
この場合、測定可能な変数は、荷重検出器4e〜4gによる圧延荷重Pの実測値Pmi(i=5〜7)、板厚計6a〜6cによる入側板厚Hの実測値Hmi(i=5〜7)、板厚計6b〜6dによる出側板厚hの実測値hmi(i=5〜7)、図示しないミルモータ速度制御系による圧延ロール速度VRiの実測値VRmi(i=5〜7)、図示しないルーパ制御系による後方張力tbiの実測値tbmi(i=5〜7)、及び図示しないルーパ制御系による前方張力tfiの実測値tfmi(i=5〜7)である。このため、以下の数式(5)〜(8)に示す方程式が得られる。なお、以下に示す数式(6)中の偏平ロール半径Rdiは数式(3)から以下に示す数式(9)のように表せるので、数式(9)を数式(3)に代入する。
Figure 2016074025
Figure 2016074025
Figure 2016074025
Figure 2016074025
Figure 2016074025
ここで、推定したい変数は、圧延スタンドF5〜F7における被圧延材Sの変形抵抗K(i=5〜7)、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μ(i=5〜7)、及び先進率f(i=5〜7)の全部で9個ある。このため、方程式の数が変数の数より少ない劣決定系になるために、このままでは方程式を解くことができない。そこで、本実施形態では、変数に対して制約条件を与える。具体的には、本実施形態では、以下の数式(10)に示すように、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μの値が図1に示す熱間仕上圧延機1の設定計算に用いられる経験的な値μsiに等しくなるという制約を設ける。
Figure 2016074025
そして、上記数式(5)〜(10)を用いて以下の数式(11)に示す評価関数Jを最小化する制約条件付き最適化問題を構築し、構築した制約条件付き最適化問題を解くことによって変形抵抗K(i=5〜7)及び先進率f(i=5〜7)を求める。ここで、数式(11)において、α,βは重みを表している。
Figure 2016074025
なお、制約条件付き最適化問題を解くためには、数式(10)を数式(5),(6)に代入し、評価関数Jを最小化する変形抵抗K(i=5〜7)及び先進率f(i=5〜7)を求めればよい。ここでは、数式(10)に示す制約条件を数式(11)に示す評価関数Jに代入することによって消去しているので、制約条件無しの最適化問題となり、公知の方法によって容易に解くことができる。
また、熱間仕上圧延機1において圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μを測定することは困難であり、また精度のよい摩擦係数予測モデルも存在しないため、設定計算に用いられている摩擦係数の値μsiは誤差を含んでいる。このため、数式(10)に示す制約条件が厳密に成立している場合は少なく、むしろ摩擦係数の値μsiを適当に変更することによって他の変数の推定精度が向上すると考えられる。すなわち、図2に示すように、評価関数Jを最小化する摩擦係数の値μは、必ずしも固定値μsiではなく、所定範囲(最小値μsimin〜最大値μsimax)内で変化すると考えられる。
そこで、設定計算に用いられている摩擦係数の値μsiに以下の数式(12)に示すような範囲を設定し、数式(12)に示す摩擦係数の値μsiの範囲を制約条件として以下の数式(13)に示す評価関数Jを最小化する制約条件付き最適化問題を解くことによって、変形抵抗K(i=5〜7)及び先進率f(i=5〜7)を求めても良い。ここで、数式(13)において、γは重みを表している。
Figure 2016074025
Figure 2016074025
このように、本実施形態によれば、圧延モデルから構成された方程式の数よりも未知数の数が多い場合でも直接測定することができない被圧延材Sの圧延状態を精度よく推定し、推定結果に基づいて熱間仕上圧延機1を制御することができる。特に本実施形態によれば、従来技術では不可能であった被圧延材Sの変形抵抗及び圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数を圧延データに基づいて分離して求めることができる。このため、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数を仮定せずに推定値を用いることができるので、圧延モデルの学習精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では被圧延材Sの変形抵抗、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数、及び先進率を推定したが、このうちの幾つかを与えて被圧延材の板厚を推定することもできる。これにより、推定した板厚を用いてフィードフォワード制御系又はフィードバック制御系を構成することにより、被圧延材Sの圧延精度を向上させることができる。また、圧延スタンド間の被圧延材Sの張力が圧延荷重や圧延トルクに影響することを利用し、圧延荷重や圧延トルクから張力を推定し、推定した張力に基づいて張力制御を行うこともできる。
本実施例では、圧延スタンドF5〜F7における入側板厚H、出側板厚h、及び圧延ロール速度VRiの時系列データを用いて、圧延スタンドF5〜F7における被圧延材Sの変形抵抗K(i=5〜7)、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μ(i=5〜7)、及び先進率f(i=5〜7)を推定した。圧延スタンドF5における推定結果を図3,図4に示す。なお、本実施例では、簡単のため、後方張力及び前方張力の圧延荷重に対する影響は無視した。
図3は、上記数式(11)を用いた被圧延材Sの圧延状態の推定結果を示し、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μsiは設定計算に用いる値である0.22に固定されている。図4は、数式(13)を用いた被圧延材Sの圧延状態の推定結果を示し、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数μsiは少し変動し、平均値は設定計算に用いる値0.22よりわずかに大きくなっている。
また、図4に示す被圧延材Sの変形抵抗Kや先進率fの変動は図3に示す場合と比べてわずかに大きい。但し、いずれの場合も被圧延材Sの変形抵抗Kは板厚及び圧延荷重と相関関係を示し、長手方向の変形抵抗Kの変化が板厚や荷重の変動をもたらしていることが表されている。また、圧延スタンドF7における先進率fは、コイラーのピンチロールの周速から求められた圧延スタンドF7における先進率と比較してよく一致することが確認された。
なお、本実施例では、圧延ロールと被圧延材Sとの間の摩擦係数が設定計算に用いる値に等しいという制約を課したが、その代わりに以下に示す数式(14)から求められる摩擦係数を制約として用いてもよい。ここで、数式(14)においてa,bは変数である。数式(14)では、摩擦係数は熱間仕上圧延機内で線形に変化するものとし、各圧延スタンドの摩擦係数を求める代わりに線形的な変化の傾きaと切片bとを求めることになる。
Figure 2016074025
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 熱間仕上圧延機
2a〜2g 圧下装置
3a〜3g ミルモータ
4a〜4g 荷重検出器
5a〜5f ルーパ
6a〜6d 板厚計
F1〜F7 圧延スタンド

Claims (3)

  1. 被圧延材の搬送方向に配列された複数の圧延スタンドを備える圧延機の制御方法であって、
    複数の圧延スタンドにおける被圧延材の圧延現象を予測する圧延モデルからなる評価関数と圧延モデル中の変数に関する制約式とからなる最適化問題を構築する構築ステップと、
    前記圧延モデル中の測定可能な変数に測定値を代入して前記構築ステップにおいて構築された最適化問題を解くことにより、前記圧延モデルに含まれる未知変数を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて推定された未知変数を用いて圧延機を制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
  2. 前記構築ステップは、複数の圧延スタンドにおける圧延荷重及び先進率を予測する圧延モデルからなる評価関数と各圧延スタンドにおける圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数に関する制約式とからなる最適化問題を構築するステップを含み、
    前記推定ステップは、少なくとも各圧延スタンドの入側及び出側における被圧延材の厚さの測定値と各圧延スタンドの圧延ロール速度の測定値とを前記圧延モデルに入力して圧延荷重及び先進率の推定値を求め、これらの推定値と少なくとも圧延荷重の測定値とを用いて最適化問題を解くことにより、各圧延スタンドにおける被圧延材の変形抵抗、圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数、及び先進率を推定するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御方法。
  3. 被圧延材の搬送方向に配列された複数の圧延スタンドを備える圧延機の制御装置であって、
    複数の圧延スタンドにおける被圧延材の圧延現象を予測する圧延モデルからなる評価関数と圧延モデル中の変数に関する制約式とからなる最適化問題を構築し、前記圧延モデル中の測定可能な変数に測定値を代入して前記構築ステップにおいて構築された最適化問題を解くことにより、前記圧延モデルに含まれる未知変数を推定する推定手段と、
    前記推定手段によって推定された未知変数を用いて圧延機を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする圧延機の制御装置。
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