JP2009184705A - ヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム、ヒートシール用袋体構成部材および使い捨てカイロ - Google Patents

ヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム、ヒートシール用袋体構成部材および使い捨てカイロ Download PDF

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Abstract

【課題】低延伸倍率でも延伸ムラがなく高い生産性を有し、なおかつ、ヒートシールにより袋体とした場合には、シール強度が高く、エッジ切れの生じない優れた品質のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムを提供する。
【解決手段】本発明のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムは、重量平均分子量30万〜250万の超高分子量ポリエチレン、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィン及び無機充填剤を必須成分として構成される、未延伸フィルムを延伸処理することにより多孔質化してなる多孔質フィルムであって、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分中に超高分子量ポリエチレンを1重量%以上含有することを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシールにより袋体を形成する部材として用いられる多孔質フィルムに関する。より詳細には、低延伸倍率でも延伸ムラが生じないため生産性に優れ、さらに外観、通気性の良好なヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムに関する。また、該多孔質フィルムを用いた袋体構成部材および使い捨てカイロに関する。
現在、使い捨てカイロの発熱体を封入する袋体構成部材や除湿剤、消臭剤を封入する袋体構成部材などに多孔質フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
上記使い捨てカイロとしては、例えば、図4に示されるような構成のものが挙げられる。具体的には、2枚の袋体構成部材(表材6および裏材7)とをヒートシール手段を利用して袋体とし、この袋体の内部に鉄粉等を主成分とする発熱体3が封入された構成である。上記袋体構成部材の少なくとも一方(一般的には表材)は、発熱体に対する酸素供給性の観点から、例えば、多孔質フィルムと不織布の複合部材(積層部材)からなる通気性の部材が用いられる。
従来、上記多孔質フィルムとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」と称する場合がある)をベースポリマーとし、押出加工性、延伸性改良などの目的から、比較的樹脂密度の低いエラストマー成分(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPTまたはEPDM)、エチレン・ブテン・ジエン三元共重合体(EBT)など)を添加したポリマー成分に、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を加えた配合物を、押出してシート化し、延伸により多孔質化して製造された多孔質フィルムが知られていた(例えば、特許文献3)。
特開平11−19113号公報 特開2002−36471号公報 特許第2602016号公報
しかし、上記のLLDPEとEPT(EBTも同様)からなる多孔質フィルムは、高温で裂けやすいため、ヒートシールにより袋体とする場合に、ヒートシール条件が強い(例えば、高温条件)と、エッジ切れ(ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境でフィルムが裂ける現象)が生じやすいという問題点を有していた。一方、ヒートシール条件を弱くし過ぎると、シール強度が低下するため、かかる多孔質フィルムは、適切なヒートシール加工条件の範囲が狭く、生産性が不十分であった。また、ゲルによるピンホールが発生しやすい、コストが高い、ヒートシール性が不十分であるという問題を有していた。
本発明者らは、EPTやEBTのかわりに、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた多孔質フィルムを検討し、これにより、コストを抑えながら、ヒートシール性の向上やゲル発生の抑止を達成できることを見出した。しかしながら、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた場合も、エッジ切れは未解決の問題として残っていた。また、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた場合には、延伸特性が低下し、多孔質フィルムの製膜における延伸倍率が低い場合には延伸ムラが発生し、外観や通気性を損ねるため、高倍率に延伸する必要があり、フィルム破れ、穴あきなどによる生産性低下が生じるという新たな問題が生じることが判明した。
すなわち、低コストで、延伸特性やヒートシール性に優れ、なおかつ、エッジ切れの発生を抑制しうるヒートシール用袋体構成部材として好適な多孔質フィルムは未だ得られていないのが現状である。
本発明の目的は、低延伸倍率でも延伸ムラがなく高い生産性を有し、なおかつ、ヒートシールにより袋体とした場合には、シール強度が高く、エッジ切れの生じない優れた品質のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン及び特定分子量、特定含有量の超高分子量ポリエチレンを含むポリマー成分および無機充填剤を必須成分として構成される未延伸フィルムを延伸処理して多孔質化フィルム化することにより、低延伸倍率でも延伸ムラがなく、なおかつヒートシール強度とエッジ切れ抑止性に優れたヒートシール用袋体構成部材に好適な多孔質フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、重量平均分子量30万〜250万の超高分子量ポリエチレン、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィン及び無機充填剤を必須成分として構成される、未延伸フィルムを延伸処理することにより多孔質化してなる多孔質フィルムであって、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分中に超高分子量ポリエチレンを1重量%以上含有することを特徴とするヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムを提供する。
また、本発明は、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンが、ポリプロピレン、重量平均分子量30万未満の直鎖状低密度ポリエチレン、重量平均分子量30万未満の高密度ポリエチレンから選ばれたいずれか1つのポリオレフィンを主成分とするポリオレフィンである前記のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムを提供する。
また、本発明は、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンとして、さらに、重量平均分子量30万未満の、密度0.90g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む前記のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムを提供する。
また、本発明は、前記のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムとその他の通気性材料を複合して構成されるヒートシール用袋体構成部材を提供する。
さらに、本発明は、使い捨てカイロ用、除湿剤封入用、消臭剤封入用、芳香剤封入用、脱酸素剤封入用から選ばれた少なくとも1つの用途に用いられる前記のヒートシール用袋体構成部材を提供する。
さらに、本発明は、袋体構成部材の少なくとも一部として、前記の使い捨てカイロ用のヒートシール用袋体構成部材を含む使い捨てカイロを提供する。
本発明のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムは、低延伸倍率で製造した際にも延伸ムラが生じにくいため生産性、外観、通気性が良好である。さらに、ヒートシールにより袋体に加工した後には、シール強度が高く、かつ、ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境界部分でフィルムが裂ける、「エッジ切れ」が生じにくい。このため、使い捨てカイロ用途などの、ヒートシールにより袋体を形成する袋体構成部材として、有益である。
以下、本発明のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム(以下、単に「本発明の多孔質フィルム」と称する場合がある)について詳細に説明する。本発明の多孔質フィルムは、重量平均分子量30万〜250万の超高分子量ポリエチレン(以下、単に「超高分子量ポリエチレン」と称する場合がある)、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンおよび無機充填剤を必須の構成成分として含む。
本発明の多孔質フィルムに用いられる超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量が30万〜250万のポリエチレンである。該超高分子量ポリエチレンは、エチレンを主たるモノマー成分とする重合体であればよく、エチレンの単独重合体でもよいし、エチレンと炭素数が3〜8のα−オレフィンモノマーの共重合体であってもよい。中でも好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体である。上記超高分子量ポリエチレンにおいて、全構成モノマー単位に対するエチレンモノマー単位の含有量は90〜100モル%が好ましい。
上記超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は30万〜250万であり、好ましくは40万〜200万、さらに好ましくは50万〜150万である。分子量が30万未満では、ヒートシール時のエッジ切れを抑止する効果が得られない。また、低延伸倍率での延伸ムラを抑制する効果が得られず、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合に生産性、外観、通気性が不良となる、分子量が250万を超えると押出不良や欠点(フィッシュアイなど)の発生が問題となる。なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)法により測定することができる。具体的には、後述の方法により測定される。
上記超高分子量ポリエチレンの密度は、0.92〜0.96g/cm3が好ましく、より好ましくは0.93〜0.955g/cm3である。なお、本発明における密度とは、ISO1183(JIS K 7112)に基づく密度をいうものとする。
上記超高分子量ポリエチレンは、多孔質フィルムをヒートシールする際に生じるエッジ切れを抑制する役割を担う。また、特にベースポリマーにエチレン・α−オレフィン共重合体を添加している多孔質フィルムの場合には、多孔質フィルムの延伸特性を改良し、低倍率延伸でも延伸ムラが生じにくくする役割を担う。本発明の多孔質フィルム中における超高分子量ポリエチレンの含有量は、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量%)に対して、1重量%以上であり、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。含有量が1重量%未満では低延伸倍率での延伸ムラ、エッジ切れを抑制する効果が得られない。また、40重量%を超えると押出不良や欠点(フィッシュアイなど)の発生が問題となる場合がある。
本発明の多孔質フィルムに用いられる上記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンは、多孔質フィルムを形成する主たるポリマー成分(ベースポリマー)であり、多孔質フィルムの強度特性、製膜性(延伸特性)、ヒートシール性などの特性に大きな影響を及ぼす。
上記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、重量平均分子量30万未満の直鎖状低密度ポリエチレン、重量平均分子量30万未満の高密度ポリエチレンから選ばれたいずれか1つのポリオレフィンを主成分とするポリオレフィンであることが好ましく、特に好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。なお、2種以上のポリオレフィンを混合したものを主成分として用いてもよい。また、ヒートシール性を向上させる観点から、上記主成分に加えて、さらに、重量平均分子量30万未満の、密度0.90g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、単に「エチレン・α−オレフィン共重合体」と称する場合がある)を構成成分として含むことが好ましい。
本発明の多孔質フィルム中における超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンの含有量は、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量%)に対して、60〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜95重量%である。また、上記主成分として用いられるポリオレフィン(例えば、重量平均分子量30万未満の直鎖状低密度ポリエチレン)の多孔質フィルム中における含有量は、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量%)に対して、50〜90重量%が好ましく、より好ましくは65〜85重量%である。含有量が50重量%未満では延伸性が悪化する場合があり、90重量%を超えると、押出性や延伸性が悪化したり、ヒートシール時にエッジ切れが生じたりして加工性が悪化する場合がある。多孔質フィルム中におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の含有量は、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量%)に対して、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。含有量が5重量%未満ではヒートシール性が低下する場合があり、30重量%を超えると延伸特性が低下し、低延伸倍率で延伸ムラが生じやすくなる場合がある。
上記の直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンモノマーとを重合して得られる、短鎖分岐(分岐の長さは炭素数1〜6が好ましい)を有する直鎖状ポリエチレンである。上記直鎖状低密度ポリエチレンに用いられるα−オレフィンモノマーとしては、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1が好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、全構成モノマー単位に対するエチレンモノマー単位の含有率は90モル%以上が好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、中でも、ヒートシール性向上の観点から、メタロセン系触媒を用いて調製された、いわゆる、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLDPE)が特に好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.90g/cm3以上、0.93g/cm3未満が好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの重量平均分子量は30万未満であり、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜6万である。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。なお、本発明におけるMFRは、ISO1133(JIS K 7210)に準拠して測定することができる。
上記高密度ポリエチレンとしては、ISO1183に基づく密度が0.93g/cm3以上(好ましくは0.942〜0.960g/cm3)である公知慣用の高密度ポリエチレンを用いることができる。上記高密度ポリエチレンの重量平均分子量は30万未満であり、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜6万である。また、190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
上記ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体やプロピレン−α−オレフィン共重合体などの公知慣用のポリプロピレンを用いることができる。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が4〜10のα−オレフィンの中から適宜選択することができる。また、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体において、全構成モノマー単位に対するプロピレンモノマー単位の含有率は90モル%以上が好ましい。
上記ポリプロピレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、30万未満であることが好ましく、より好ましくは3万〜20万である。また、190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
上記ポリオレフィンに必要に応じて用いられる、重量平均分子量30万未満の、密度0.90g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンモノマーの共重合体である。中でも、α−オレフィンとしてブテン−1を用いた、エチレン・α−オレフィン共重合エラストマーが好ましい。上記エチレン・α−オレフィン共重合体において、全構成モノマー単位に対するエチレンモノマー単位の含有量は60〜95モル%が好ましく、より好ましくは80〜90モル%である。上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、多孔質フィルムのヒートシール性をさらに向上させる役割を担う。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.90g/cm3未満であり、好ましくは0.86〜0.89g/cm3、より好ましくは0.87〜0.89g/cm3である。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の重量平均分子量は、30万未満であり、5万〜20万が好ましく、より好ましくは8万〜15万である。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
本発明の多孔質フィルムに用いられる無機充填剤は、延伸により充填剤の周囲にボイド(孔)を発生させることによって、フィルムを多孔質化させる役割を担う。かかる無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、石粉、ゼオライト、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉の他、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸の金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等の硫酸の金属塩;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;酸化マグネシウム−酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム−酸化亜鉛の水和物等の金属水和物(水和金属化合物)などが挙げられる。無機充填剤の形状は特に限定されず、平板形状、粒状などのものを用いることができるが、延伸によるボイド(孔)形成の観点から、粒状(微粒子状)が好ましい。即ち、無機充填剤としては、炭酸カルシウムからなる無機微粒子が好ましい。
上記無機充填剤(無機微粒子)の粒径(平均粒径)としては、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。無機充填剤の粒径が0.1μm未満であるとボイド形成性が低下する場合があり、10μmを超えると製膜破れ、外観不良の原因となる場合がある。
上記無機充填剤(無機微粒子)の含有量は、特に限定されないが、例えば、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量部)に対して、50〜150重量部であることが好ましく、より好ましくは80〜120重量部である。無機充填剤の含有量が50重量部未満であるとボイド形成性が低下する場合があり、150重量部を超えると製膜破れ、外観不良の原因となる場合がある。
本発明の多孔質フィルムには、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤などの各種添加剤が、本発明の効果を損なわない範囲内で配合されていてもよい。
本発明の多孔質フィルムは、溶融製膜法(Tダイ法、インフレーション法)によって製造することができる。中でもTダイ法が好ましい。例えば、具体的には、上記の超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィン、無機充填剤、および、必要に応じて、各種添加剤を、2軸混練押出機にて混合分散し、一旦ペレット状にした後、1軸押出機にて溶融押出して未延伸フィルムを作製し、該未延伸フィルムを、1軸又は2軸に延伸することにより多孔質化させて製造する。多孔質フィルムを積層フィルムとする場合には、共押出法を好ましく用いることができる。
上記多孔質フィルムの製造方法において、押出温度は180〜250℃が好ましく、より好ましくは200〜250℃、さらに好ましくは210〜240℃である。また、未延伸フィルム作製時の引き取り速度は5〜25m/分が好ましく、引き取りロール温度(冷却温度)は5〜30℃が好ましく、より好ましくは10〜20℃である。
本発明の多孔質フィルムに用いられる上記未延伸フィルムは、比較的低延伸倍率(5倍未満、特に4倍未満)で延伸した場合であっても、延伸ムラが生じにくく、良好な延伸特性を示す。このため、比較的低倍率の安定した製膜条件で、延伸ムラのない優れた多孔質フィルムを得ることが可能となる。上記延伸特性は、例えば、延伸温度(例えば、80℃)で未延伸フィルムを1軸方向に延伸した際の応力−歪み曲線において、伸びが2.5倍〜4.0倍の間の応力上昇比(「伸びが4.0倍の際の応力」/「伸びが2.5倍の際の応力」)が1.02倍以上であることをいい、より好ましくは1.05倍以上であることをいう。このような延伸特性は、本発明に記載の原料を用いて、上記製造方法で未延伸フィルムを作製することにより得ることができる。
上記未延伸フィルムを1軸又は2軸(逐次2軸、同時2軸)に延伸する方法としては、ロール延伸方式やテンター延伸方式など公知慣用の延伸方式を用いることができる。延伸温度は、50〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。多孔質化と安定製膜の観点から、延伸倍率(単軸方向)は、2〜5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。2軸延伸の場合の面積延伸倍率は2〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜7倍である。
上記多孔質フィルムの厚みは、特に制限されず、例えば、30〜150μmが好ましく、より好ましくは50〜120μmである。
本発明の多孔質フィルムは、袋体を構成する部材(袋体構成部材)として用いられる。中でも、通気性、発熱体に対する酸素供給性等の観点から、通気性を有する袋体構成部材として好ましく用いられる。本発明の多孔質フィルムは、単独で、または、複数の本発明の多孔質フィルムを複合して袋体構成部材として用いることもできるが、本発明の多孔質フィルムとその他の通気性材料と複合して、袋体構成部材を形成することが好ましい。
本発明の多孔質フィルムと複合するその他の通気性材料としては、繊維材料(例えば、不織布など)や本発明の多孔質フィルム以外の多孔質フィルムなどが挙げられる。中でも、風合い、手触り、強度の観点から、不織布が好ましい。上記不織布としては、特に制限されず、例えば、ナイロン製不織布(ポリアミド製不織布)、ポリエステル製不織布、ポリオレフィン製不織布、レーヨン製不織布など公知乃至慣用の不織布(天然繊維による不織布、合成繊維による不織布など)を使用することができる。また、不織布の製造方式も特に限定されず、例えば、スパンボンド方式により製造された不織布(スパンボンド不織布)であってもよいし、スパンレース方式により製造された不織布(スパンレース不織布)であってもよい。なお、不織布は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。なお、不織布において、繊維径、繊維長、目付などは特に制限されないが、例えば、加工性やコストの観点からは、好ましくは目付量20〜100g/m2程度、さらに好ましくは20〜80g/m2程度の不織布が例示される。不織布は、1種の繊維のみから構成されていてもよく、複数種の繊維が組み合わせられて構成されていてもよい。
図1は本発明の多孔質フィルムを用いた袋体構成部材の一例を示す概略断面図である。本発明の袋体構成部材1は、本発明の多孔質フィルム11と不織布13が接着剤層12を介して貼り合わされている。
上記袋体構成部材において、多孔質フィルムとその他の通気性材料(例えば、不織布)を積層する方法としては、特に限定されないが、上記のように接着剤を介して貼り合わされていること好ましい。上記接着剤としては、特に制限されず、例えば、ゴム系(天然ゴム、スチレン系エラストマーなど)、ウレタン系(アクリルウレタン系)、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、フッ素系などの公知の接着剤を用いることができる。また、上記接着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、アミド系接着剤、ポリエステル系接着剤が特に好ましい。
また、接着剤は、いずれの形態を有している接着剤であってもよく、特に限定されないが、溶剤を用いなくても熱により溶融させることにより塗工することができ、不織布に対しても直接塗布して接着剤層を形成することができる利点、ヒートシール部ではヒートシール加工によって更に大きな接着力が得られる利点を有することから、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤が特に好ましく例示される。即ち、上記接着剤としては、アミド系又はポリエステル系のホットメルト型接着剤が好ましく、より好ましくは、熱可塑性のアミド系又はポリエステル系のホットメルト型接着剤が好ましい。
多孔質フィルムと不織布の具体的な積層方法としては、接着剤の種類などによっても異なり、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、接着剤を不織布上に塗布した後、多孔質フィルムを貼り合わせる方法が好ましく例示される。上記塗布方法としては、熱溶融型接着剤の塗布方法として用いられる公知慣用の方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、通気性を維持する観点から、スプレー塗布による塗布、ストライプ塗工、ドット塗工が好ましい。接着剤の塗布量(固形分)は、特に限定されないが、カイロ製袋時のヒートシール部の接着性と経済性の観点から、0.5〜20g/m2が好ましく、より好ましくは1〜8g/m2である。
本発明の袋体構成部材において、上記多孔質フィルムと不織布は、全面が完全に接着されていてもよいし、ヒートシール部だけが接着されていてもよい。また、ヒートシール部は強固に接着されており、ヒートシール部以外の部分は仮着状態で積層されている状態(以下、単に「仮着状態」という)であってもよい。中でも、肌触り向上の観点からは、仮着状態で積層されていることが好ましい。ここでいう「仮着状態」とは、袋体構成部材および使い捨てカイロの製造・加工時においては十分に密着しているが、使い捨てカイロ使用時の外力により、分離させることが可能な状態をいう。具体的には、ヒートシール加工を施す前の多孔質フィルムと不織布の剥離力(引張速度300mm/分の条件おけるT型剥離試験で測定)が、0.2N/25mm以下であることをいい、好ましくは0.1N/25mm以下、より好ましくは0.0001〜0.1N/25mmである。多孔質フィルムと不織布層が上記の剥離力の範囲で貼り合わされている場合(即ち、仮着状態である場合)には、生産時、加工時には、両層は十分な接着力で貼り合わされているため、生産・加工性がよく、一方、カイロを伸縮させる場合には、多孔質フィルムと不織布層が剥離するため、手触りや風合いがよい。
上記袋体構成部材は、ヒートシールにより袋体に加工される、ヒートシール用の袋体構成部材である。本発明の袋体構成部材は、本発明の多孔質フィルムを用いているため、通気性およびヒートシール性が良好であり、なおかつ、ヒートシール後のエッジ切れが生じにくいため好ましい。袋体には、少なくとも一部として本発明の袋体構成部材が用いられておればよい。即ち、本発明の袋体構成部材同士をヒートシールして袋体を形成しても、本発明の袋体構成部材とその他の袋体構成部材をヒートシールして袋体を形成してもよい。
本発明の袋体構成部材は、袋体に封入する内容物により様々な用途に用いることができる。例えば、除湿剤、消臭剤、芳香剤、脱酸素剤などを封入する用途に好ましく用いられる。また、発熱体を封入する使い捨てカイロ用途として好ましく用いられる。
本発明の袋体構成部材同士、または本発明の袋体構成部材とその他の袋体構成部材をヒートシールして袋体とし、袋体の内部に発熱体を封入することにより、本発明の使い捨てカイロを形成することができる。図2、図3は、本発明の袋体構成部材とそれ以外の袋体構成部材を用いた使い捨てカイロの一例を示す概略断面図および上面から見た概略平面図である。図2、図3に記載の本発明の使い捨てカイロは、本発明の袋体構成部材1とそれ以外の袋体構成部材2(基材21および粘着剤層22からなる)を、端部(ヒートシール部分4)をヒートシールすることにより袋体を形成し、内部に発熱体3を封入してなる。上記のように、一方の面に粘着剤層が設けられ、衣服等の被着体に貼り付ける用途の使い捨てカイロにおいては、本発明の袋体構成部材は、発熱体への酸素供給性の観点から、被着体に接する側と反対側の部材(いわゆる表材)として少なくとも用いられることが好ましい。
上記その他の袋体構成部材(本発明の袋体構成部材と貼り合わせて袋体を構成する本発明以外の袋体構成部材)としては、特に限定されず、公知慣用の通気性、非通気性の袋体構成部材を用いることができる。中でも、衣服等に貼り付ける用途(例えば、身体、衣類または履物に貼付して用いられる使い捨てカイロ)などに用いる場合には、粘着剤層を有する袋体構成部材が好ましく、例えば、基材と粘着剤層からなる袋体構成部材が挙げられ、日東ライフテック(株)製「ニトタック」(ヒートシール性を有するポリオレフィン基材とSIS系粘着剤層の積層体であるカイロ用粘着シート)などが市販品として入手可能である。
上記基材は、例えば、ヒートシール層、繊維層(例えば、不織布層など)、フィルム層などから構成されていることが好ましい。より具体的には、基材としては、ヒートシール層(ヒートシール性のフィルム層を含む)と繊維層との積層体、ヒートシール層とヒートシール性のないフィルム層との積層体などが挙げられる。
上記不織布層に用いる不織布としては、上述ものを用いることができる。
上記ヒートシール層は、ヒートシール性を有する樹脂(ヒートシール性樹脂)を含むヒートシール性樹脂組成物により形成することができる。このようなヒートシール性樹脂としては、特に制限されないが、オレフィン系樹脂(ポリオレフィン)を好適に用いることができる。オレフィン系樹脂としては、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂であれば特に制限されない。具体的には、オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)等のエチレン系樹脂の他、プロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリブテン−1など)、ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。また、オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。ヒートシール層に用いられるオレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂が好適であり、なかでも、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
上記ヒートシール層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体において、α−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンであれば特に制限されないが、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数が3〜10のα−オレフィン等が挙げられる。従って、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−(ブテン−1)共重合体などが挙げられる。また、ヒートシール層に用いられるオレフィン系樹脂に係るプロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が4〜10のα−オレフィンの中から適宜選択することができる。
ヒートシール性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記の中でも、ヒートシール性樹脂組成物としては、オレフィン系樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物が好適であり、特に、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物を好適に用いることができる。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物や、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有割合としては、特に制限されず、例えば、オレフィン系樹脂全重量に対して5重量%以上(好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。
ヒートシールをより低温で行って高速加工するためには、より低融点のヒートシール性樹脂を用いることが有効であり、そのためには、例えば、メタロセン系触媒を用いて調製された低密度ポリエチレンなどが最も有効である。
なお、ヒートシール層は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
上記フィルム層は、従来使用されているフィルム層を利用することができる。フィルム層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いることができる。中でも、価格、柔軟性の観点から、オレフィン系樹脂を好適に用いることができる。オレフィン系樹脂としては、ヒートシール層において例示した樹脂と同様の樹脂等を用いることが可能である。上記フィルム層は単層フィルムであっても、2層以上の積層フィルムであってもよい。また、無配向フィルムであってもよいし、1軸または2軸方向に延伸配向したフィルムであってもよいが、好ましくは無配向フィルムである。
基材の厚みは、特に制限されず、例えば、10〜500μm(好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μm)程度である。なお、基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
上記その他の袋体構成部材に設けられる粘着剤層は、使用時には袋体を被着体に貼付する役割を担う。粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。また、上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、ゴム系、ウレタン(アクリルウレタン)系粘着剤が特に好ましい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系接着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(スチレン系エラストマーともいう)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーの粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS、SBSである。これらの1種又は2種以上の混合物を適宜選択して用いることができる。
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、特許第3860880号公報や特開2006−288690号公報で例示されているウレタン系粘着剤等を好適に用いることができる。中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。また、肌に直接貼付する場合の肌への刺激を低減する観点から、上記アクリルウレタン系粘着剤は、気泡を有する発泡タイプの粘着剤であることが好ましい。このような発泡タイプの粘着剤は、例えば、粘着剤中に公知慣用の発泡剤を添加するなどの方法により作製することができる。
また、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。なお、上記の中でも、溶剤を用いずに直接塗布して粘着剤層を形成することができる利点から、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)が特に好ましく例示される。
また、粘着剤としては、いずれの特性を有している粘着剤であってもよく、例えば、加熱により架橋等が生じて硬化する熱硬化性を有している粘着剤(熱硬化性粘着剤)や、活性エネルギー線の照射により架橋等が生じて硬化する活性エネルギー線硬化性を有している粘着剤(活性エネルギー線硬化性粘着剤)などが挙げられる。中でも、無溶剤系であり、不織布や多孔質の基材などにも含浸しすぎない観点から、活性エネルギー線硬化性粘着剤が好適である。なお、熱硬化性粘着剤には、熱硬化性を発揮するための架橋剤や重合開始剤などが適宜用いられている。また、活性エネルギー線硬化性粘着剤には、活性エネルギー線硬化性を発揮するための架橋剤や光重合開始剤などが適宜用いられている。
上記粘着剤層は、使用までの間、公知乃至慣用の剥離フィルム(セパレータ)により保護されていてもよい。
本発明の袋体構成部材を用いて袋体を形成する際のヒートシールする方法(装置)は特に限定されないが、ヒートシーラーによる圧着が好ましい。その際のヒートシール温度は、90〜250℃が好ましく、より好ましくは130〜200℃である。ヒートシール圧力は0.5〜30kg/cm2が好ましく、より好ましくは2.0〜10kg/cm2である。また、ヒートシール時間は、0.02〜1.0秒が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5秒である。
多孔質フィルムを用いた通気性の袋体構成部材においては、一般的に、強いヒートシール条件の場合(ヒートシール温度:高温、ヒートシール時間:長時間、ヒートシール圧力:高圧)には、シートシール強度は高くなるものの、エッジ切れが生じやすくなる。一方、ヒートシール条件が弱い場合には、ヒートシール強度が低下しやすくなり、いずれの場合にも製品の品質上問題となる。このため、袋体を製造する場合には、ヒートシール強度を保ちながら、エッジ切れの生じない加工条件(加工可能条件)を選択する必要がある。工業的なヒートシール加工工程においては、加工開始から加工温度が安定するまでに一定の時間がかかる(例えば、稼働している間に、被加工材料によってヒートシーラーから熱が奪われるため、加工温度が平衡に達するまでに一定の時間を要する)ことが一般的であり、上記加工可能条件の範囲が狭い場合には、加工開始から製品取りまでに時間を要する、非製品部分が多量に発生するなどの問題があった。これに対して、本発明の袋体構成部材は、比較的強いヒートシール条件であってもエッジ切れが生じにくく、加工可能条件の範囲が広い(例えば、比較的高い温度設定で生産が開始できる)ため、生産性、コストの観点で有利となる。なお、上記「エッジ切れ」とは、ヒートシール後にヒートシール部分と非ヒートシール部分の境界部分5(図3参照)で袋体構成部材が裂ける現象をいう。
本発明の袋体構成部材を用いて形成された袋体のヒートシール部分のヒートシール強度(引張速度300mm/分の条件おけるT型剥離試験で測定)は、例えば、袋体を使い捨てカイロとして用いる場合には、5N/25mm以上が好ましく、より好ましくは8N/25mm以上である。特に、多孔質フィルムを構成するベースポリマーにエチレン・α−オレフィン共重合体を添加する場合に、上記の高いヒートシール強度を得られやすくなるため好ましい。
本発明の使い捨てカイロは、外袋に収納されてカイロ製品として販売される。上記外袋を構成する基材としては、特に制限されず、例えば、プラスチック系基材、繊維系基材(各種繊維による不織布系基材や織布系基材など)、金属系基材(各種金属成分による金属箔系基材など)などを用いることができる。このような基材としては、プラスチック系基材を好適に用いることができる。プラスチック系基材としては、例えば、ポリオレフィン系基材(ポリプロピレン系基材、ポリエチレン系基材など)、ポリエステル系基材(ポリエチレンテレフタレート系基材など)、スチレン系基材(ポリスチレン系基材の他、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系基材等のスチレン共重合体系基材など)、アミド樹脂系基材、アクリル樹脂系基材などが挙げられる。なお、外袋用の基材は単層であってもよく、積層体であってもよい。外袋の厚さは、特に制限されず、例えば、30〜300μmが好ましい。
また、上記外袋は、酸素ガスや、水蒸気などのガス成分の透過を阻止する特性(ガスバリア性)を有する層(ガスバリア性層)を有していることが好ましい。ガスバリア性層としては、特に限定されないが、例えば、酸素バリア性樹脂層(例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド系樹脂からなる)、水蒸気バリア性樹脂層(例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる)、酸素バリア性や水蒸気バリア性無機化合物層(例えば、アルミニウム等の金属単体、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物などの金属系化合物などからなる)などが挙げられる。ガスバリア性層は単層であってもよく(外袋用基材そのものでもよい)、積層体であってもよい。
上記外袋は、どのような形態又は構造の袋であってもよく、例えば、いわゆる「4方袋」、いわゆる「3方袋」、いわゆる「ピロー袋」、いわゆる自立性型袋(いわゆる「スタンディングパウチ」)、いわゆる「ガゼット袋」などの各種形態の袋が挙げられる。中でも、4方袋が特に好ましい。外袋は、接着剤を用いて作製されていてもよいが、4方ヒートシール袋等の如くヒートシール(熱融着)により作製されていることが好ましい。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
(1)多孔質フィルムのフィルム押出適性(樹脂圧)
実施例、比較例の混合原料を、(株)東洋精機製作所製「キャピログラフ1C」にて、温度210℃、剪断速度10(1/秒)の条件で測定した場合の溶融粘度が6000Pa・s以下であれば押出適性良好(○)、6000Pa・sを超え7000Pa・s以下であれば押出適性がやや劣る(△)、7000Pa・sを超えると押出適性が劣る(×)と判断した。
(2)多孔質フィルムの外観(延伸ムラ、未溶融異物)
実施例、比較例で得られた多孔質フィルム(延伸後)を目視にて観察し、フィッシュアイなどの未溶融異物、フィルム長手方向に横縞状の延伸ムラのいずれもが見られない場合には外観良好(○)と判断し、未溶融異物又は延伸ムラのいずれかが観察される場合には外観不良(×)と判断した。
(3)エッジ切れ
実施例、比較例の方法で、使い捨てカイロを製造した。製造開始から約10分間で1500個の使い捨てカイロを製造し、当該使い捨てカイロについて、エッジ切れを目視にて確認し、以下の基準で判断した。
長さ1mm以上のエッジ切れの発生がない : エッジ切れ無し(○)
長さ1mm以上のエッジ切れ発生率が3%未満 : エッジ切れ一部発生(△)
長さ1mm以上のエッジ切れ発生率が3%以上 : エッジ切れ発生(×)
(4)ヒートシール強度
実施例、比較例より得られた使い捨てカイロの、一方の袋体構成部材(多孔質フィルムと不織布の複合部材)と他方の袋体構成部材(「ニトタック」)のそれぞれを両端として、下記の条件で、T型剥離試験を行い剥離力を測定し、ヒートシール強度(N/25mm)とした。
装置 : 島津製作所(株)製「島津オートグラフ」
サンプル幅 : 25mm
引張速度 : 300mm/分
引張方向 : CD方向(長手(MD)方向と直交方向)
温湿度環境 : 23℃、50%RH
繰り返し数 : n=3
(5)重量平均分子量(高温GPC法)
各試料のo−ジクロロベンゼン溶液を調製し、140℃で溶解した。その溶液を孔径1.0μmの焼結フィルターで濾過したものを分析試料とした。
ゲル浸透クロマトグラフ「Alliance GPC 2000型」(Waters社製)を用いて、以下の条件で測定した。
分離カラム : TSKgel GMH6−HT×2 + TSKgel GMH6−HTL×2 (それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー社製)
カラム温度 : 140℃
移動層 : o−ジクロロベンゼン
流速 : 1.0ml/分
検出器 : 示差屈折率検出器(RI)
注入量 : 400μl
分子量較正 : ポリスチレン換算(東ソー社製)
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で用いているメタロセン触媒を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLDPE)、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・ブテン・ジエン3元共重合体(EBT)の詳細は表1に示す。
実施例1
メタロセン触媒を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLDPE)100重量部、エチレン・α−オレフィン共重合体20重量部、重量平均分子量79万の超高分子量ポリエチレン(MFR(190℃):43(g/10分)、密度:0.930g/cm3)20重量部をポリマー成分とし、平均粒径1.1μmの炭酸カルシウム(無機微粒子)150重量部、酸化防止剤1重量部を180℃で溶融混練し、混合原料を得た。
上記混合原料を、単軸スクリュー押出機にて210℃で溶融押出し、未延伸フィルムを作製した。次いで、該未延伸フィルムを、1軸ロール延伸方式により、延伸温度80℃で長手(MD)方向に延伸倍率3.5倍で延伸して多孔質化し、厚み70μmの多孔質フィルムを得た。
次ぎに、ナイロン系スパンボンド不織布(目付量:35g/m2)にスプレー塗工にて塗布量3g/m2のアミド系ホットメルト接着剤を塗布し、上記多孔質フィルムと貼り合わせて、袋体構成部材(通気性袋体構成部材:本発明の袋体構成部材)を作製した。
さらに、使い捨てカイロ製造機を用いて、使い捨てカイロを作製した。
上記袋体構成部材とカイロ用粘着シート(日東ライフテック(株)製「ニトタック」)(非通気性袋体構成部材:他の袋体構成部材)とをそれぞれ繰り出し、通気性袋体構成部材の多孔質フィルム面と非通気性袋体構成部材の基材フィルム面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、発熱体を封入しながら、ヒートシールロールに挿入した。この際、ライン速度は5m/分に調整した。また、2本のヒートシールロールはそれぞれ加熱されており、通気性袋体構成部材側の設定温度が145℃、非通気性袋体構成部材の設定温度が160℃であった。ヒートシールロール間の圧力は7kg/cm2としてヒートシールを実施し、使い捨てカイロを作製した。
上記使い捨てカイロのサイズはMD方向(製造ライン方向)が130mm、CD方向(MDと直交方向)が95mmであり、四辺のヒートシール幅は5mmであった。また、発熱体には、市販品カイロの内容物(鉄粉を主成分とする混合物)を用いた。
実施例2
表2に示すように、ポリマー成分を、メタロセン系LLDPE100重量部、エチレン・α−オレフィン共重合体35重量部、重量平均分子量79万の超高分子量ポリエチレン5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
実施例3
表2に示すように、超高分子量ポリエチレンを、重量平均分子量180万の超高分子量ポリエチレンに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
実施例4
表2に示すように、超高分子量ポリエチレンを、重量平均分子量230万の超高分子量ポリエチレンに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
実施例5
表2に示すように、ポリマー成分を、メタロセン系LLDPE70重量部、エチレン・α−オレフィン共重合体10重量部、重量平均分子量79万の超高分子量ポリエチレン60重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
比較例1
表2に示すように、超高分子量ポリエチレンを、重量平均分子量8万のポリエチレンに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
比較例2
表2に示すように、超高分子量ポリエチレンを、重量平均分子量300万のポリエチレンに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
比較例3
ポリマー成分を、メタロセン系LLDPE100重量部、エチレン・α−オレフィン共重合体40重量部とし、超高分子量ポリエチレンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
比較例4
ポリマー成分を、メタロセン系LLDPE100重量部、エチレン・ブテン・ジエン3元共重合体(EBT)40重量部とし、超高分子量ポリエチレンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルム、袋体構成部材および使い捨てカイロを作製した。
上記実施例、比較例による多孔質フィルムおよび使い捨てカイロ(袋体)の評価結果を表2に示す。
これからわかるとおり、本発明の多孔質フィルム(実施例1〜4)は、延伸ムラや未溶融異物などがなく、優れた品質であった。また、該多孔質フィルムを用いた使い捨てカイロ(袋体)はエッジ切れがなく、優れた品質であった。なお、超高分子量ポリエチレンの含有量が多い場合(実施例5)には、樹脂圧が高く押出適性は劣るものであったが、得られた多孔質フィルムおよび使い捨てカイロは優れた品質であった。
一方、超高分子量ポリエチレンを用いなかった場合(比較例1、3、4)は、延伸ムラやエッジ切れが発生し、得られた多孔質フィルムおよび使い捨てカイロの品質が劣るものであった。また、超高分子量ポリエチレンの分子量が高すぎる場合(比較例2)には、未溶融物が発生し、得られた多孔質フィルムおよび使い捨てカイロの品質が劣るものであった。
Figure 2009184705
Figure 2009184705
本発明の袋体構成部材の一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロの一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロの一例を示す上面から見た概略平面図である。 従来の貼り付けタイプの使い捨てカイロの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)
11 多孔質フィルム
12 接着剤層
13 不織布
2 他の袋体構成部材(非通気性袋体構成部材)
21 基材
22 粘着剤層
3 発熱体
4 ヒートシール部分
5 ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境界部分
6 袋体構成部材(表材)
7 袋体構成部材(裏材)
71 基材
72 粘着剤層

Claims (6)

  1. 重量平均分子量30万〜250万の超高分子量ポリエチレン、前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィン及び無機充填剤を必須成分として構成される、未延伸フィルムを延伸処理することにより多孔質化してなる多孔質フィルムであって、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分中に超高分子量ポリエチレンを1重量%以上含有することを特徴とするヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム。
  2. 前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンが、ポリプロピレン、重量平均分子量30万未満の直鎖状低密度ポリエチレン、重量平均分子量30万未満の高密度ポリエチレンから選ばれたいずれか1つのポリオレフィンを主成分とするポリオレフィンである請求項1に記載のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム。
  3. 前記超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンとして、さらに、重量平均分子量30万未満の、密度0.90g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む請求項2に記載のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載のヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムとその他の通気性材料を複合して構成されるヒートシール用袋体構成部材。
  5. 使い捨てカイロ用、除湿剤封入用、消臭剤封入用、芳香剤封入用、脱酸素剤封入用から選ばれた少なくとも1つの用途に用いられる請求項4に記載のヒートシール用袋体構成部材。
  6. 袋体構成部材の少なくとも一部として、請求項5に記載の使い捨てカイロ用のヒートシール用袋体構成部材を含む使い捨てカイロ。
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