JP2008079625A - カイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙およびこれを用いてなるカイロ用粘着シート、カイロ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙は、熱機械分析(TMA)による針入度が23〜200℃の温度領域で10μm以下であることを特徴としている。または、23℃50%RHから40℃90%RHの環境変化に対する、少なくとも1方向の寸法変化率が、0.8%以上であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
(2)ゴム系粘着剤からなる厚み15〜100μmの粘着剤層;
(3)グラシン紙、アクリル樹脂をコーティングした紙、ポリビニルアルコール樹脂をコーティングした紙から選ばれたいずれかの基材とシリコーン系離型剤層からなる厚み30〜80μmの剥離紙を有するカイロ用粘着シートを提供する。
以下、本発明の本発明のカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙(以下、単に「(本発明の)剥離紙」と称する)の形態について図面を参照しつつ説明する。図2は本発明の剥離紙の態様を示す概略断面図である。本発明の剥離紙の1つ目の態様(グラシン剥離紙5a)は、グラシン紙52からなる基材の片方の表面に、シリコーン樹脂などの離型剤層51が積層された構造である。また、本発明の剥離紙の2つ目の態様(樹脂コーティングタイプの剥離紙5b)は、原紙54の片方の表面にアクリル樹脂またはポリビニルアルコール樹脂からなるコーティング層53が積層された基材の、コーティング層53の表面に前述の離型剤層51が積層された構造である。
本発明の剥離紙は、プラスチックシート基材および粘着剤層と積層され、カイロ用粘着シート(以下、単に「(本発明の)粘着シート」と称する)として、後のカイロ製造工程で用いられる。以下、本発明の粘着シートの形態について図面を参照しつつ説明する。図3は本発明の粘着シートの一例を示す概略断面図である。図3に示されるカイロ用粘着シート6は、フィルム層12の片面にヒートシール層11を有するプラスチックシート基材1のフィルム層12側の面に粘着剤層4が設けられ、さらに粘着剤層4上に上記剥離紙5が、粘着剤層4に離型剤が塗布された側の表面が接するように仮固着されてなる。
本発明の粘着シートは多孔質フィルムとヒートシールされて袋体(袋体の内部には発熱体が封入されている)を形成し、本発明のカイロが形成される。本発明のカイロの構成は、例えば、前記図1に示されたものと同様である。
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
熱機械分析(TMA)により、下記の測定条件に従い、剥離紙の剥離処理面(離型剤層側の表面)の針入度を測定した。
(測定条件)
測定モード : 針入法
測定荷重 : 49.0mN
プローブ径 : 1.0mmφ
温度プログラム : 室温(23℃)→200℃
昇温速度 : 5℃/分
剥離紙より、長さ300mm、幅300mmのサンプル片を切り出し、測定に用いた。
恒温恒湿槽を用い、サンプルを23℃、50%RH雰囲気下で5時間放置した後、標線間隔200mm(L0)の標線を入れた。その後、サンプルを40℃、90%RH雰囲気下に移し、24時間放置した後に標線間隔(L1)を測定し、下記式に従い寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)=(L1−L0)/L0×100
なお、測定方向は最も寸法変化の大きい方向であり、一般的には長手(MD)方向(剥離紙製造工程の流れ方向)または幅(CD)方向である。このため、MDおよびCD方向について測定を行い、大きい方の寸法変化率を採用すればよい。MD及びCD方向が不明の場合には、例えば、任意の方向から10°刻みで9方向について寸法変化率を求めて、最も大きな寸法変化率となる方向を測定方向とする。
剥離フィルムを有する粘着シートは、剥離フィルムと粘着フィルムのそれぞれを両端として、下記の条件で、180°剥離試験(JIS Z 0237に準拠)を行い剥離力(粘着フィルムの粘着層面と剥離フィルムの離型層面の剥離力)を測定した。
装置 : 島津製作所(株)製「島津オートグラフ」
サンプル幅 : 50mm
引張速度 : 300mm/分
温湿度環境 : 23℃、50%RH
繰り返し数 : n=3
実施例、比較例で作製したカイロ用粘着シートと多孔質フィルム(日東ライフテック(株)製、「ブレスロン」)を用い、シール温度を140℃、150℃、160℃、170℃の4条件とし、シール圧力を4kg/cm2、シール時間を0.5秒として、テスター産業(株)製「ヒートシール試験機」を用いて、ヒートシールを行い、カイロを作製した。
ヒートシール後のカイロの状態を観察し、さらにカイロから剥離紙を剥離し、シール状態、易剥離性を以下の基準で評価した。
綺麗にヒートシールされており剥離紙を簡単に剥離できる。 … ○ (良好)
ヒートシール部分の剥離紙を剥がす際に引っ掛かりがある。 … △ (使用可能)
ヒートシール部分の剥離紙を剥がす際に剥離紙破れが発生した。… × (不良)
実施例、比較例で作製したカイロ製品(外袋に入った状態)を、23℃50%RHの雰囲気下で1週間放置した後、カイロを取り出し、カイロ本体(プラスチックフィルム基材)端部と剥離紙端部のズレ量を測定した。
また、上記「ズレ」部分を「きっかけ」として、剥離紙の剥離を行い剥離性を評価した。
プラスチックシート基材として、ポリオレフィン(ポリプロピレン(PP)70%と線状低密度ポリエチレン(LLDPE)30%のブレンド物)からなるフィルム層(厚さ:70μm)とメタロセン系LLDPEからなるヒートシール層(厚さ:10μm)を有するポリオレフィン系フィルム(厚さ:80μm)を用いた。
グラシン剥離紙(王子特殊紙(株)製「64GS」、坪量64g/m2)の離型層側の表面に、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)系ホットメルト粘着剤を、粘着層厚みが35μmとなるようにホットメルト粘着塗工を行った。次いで、粘着剤層を設けた剥離紙を、前記プラスチックシート基材に、粘着剤層側とフィルム層側(ヒートシール層と反対側)が接するように貼り合わせ、カイロ用粘着シートを得、ヒートシール加工状態の試験に用いた。
さらに、得られた粘着シートと多孔質フィルム(日東ライフテック(株)製、「ブレスロン」)を、シール幅15mmでヒートシール(ヒートシール条件:140℃、4kg/cm2、0.5秒、表面に凹凸加工を施したヒートシールプレートを使用)してカイロを作製した。なお、発熱体には、市販品カイロの内容物(鉄粉を主成分とする混合物)を用いた。
さらに、該カイロを外袋(市販品カイロの外袋(PPを主成分とするガスバリアー性フィルム)を使用)に入れ、外袋もヒートシールにより密封して、カイロ製品を作製し、カイロ本体端部と剥離紙端部の寸法変化(ズレ)量および易剥離性の評価に用いた。
表1に示すとおり、上記で得られた粘着シートは、高温でヒートシールした場合であっても、優れた仕上がりであり、また良好な易剥離性を示した。さらに、使用時にはカイロ本体端部から剥離紙端部がはみ出した状態となっており、これを「きっかけ」として容易に剥離ができた。
剥離紙として、ポリビニルアルコール樹脂コーティング紙(王子特殊紙(株)「44EVS」、坪量44g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シート、カイロおよびカイロ製品を得た。
表1に示すとおり、上記で得られた粘着シートは、170℃でヒートシールした場合の易剥離性が僅かに劣るものの、優れたシール性と易剥離性を示した。さらに、使用時にはカイロ本体端部から剥離紙端部がはみ出した状態となっており、これを「きっかけ」として容易に剥離ができた。
剥離紙として、ポリエチレンラミネートタイプの剥離紙(坪量52g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シート、カイロおよびカイロ製品を得た。
表1に示すとおり、上記で得られた粘着シートは、150℃以上の高温でヒートシールした場合には、剥離が困難となり、破れが生じるなどして、使用できなかった。また、使用時にも、カイロ本体端部と剥離紙端部のズレがなく、剥離が困難であった。
11 ヒートシール層
12 フィルム層
2 多孔質フィルム
3 発熱体
4 粘着剤層
5 剥離紙
5a グラシン剥離紙
5b 樹脂コーティングタイプの剥離紙
51 離型剤層
52 グラシン紙
53 樹脂コーティング層
54 原紙
6 カイロ用粘着シート
7a カイロ(製造直後、断面図)
7b カイロ(製造直後、正面図)
7c カイロ(使用時、断面図)
7d カイロ(使用時、正面図)
8 シール部分
9 ズレ(剥離紙のはみ出し部分)
Claims (8)
- 熱機械分析(TMA)による針入度が23〜200℃の温度領域で10μm以下であることを特徴とするカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙。
- 23℃50%RHから40℃90%RHの環境変化に対する、少なくとも1方向の寸法変化率が、0.8%以上であることを特徴とするカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙。
- グラシン紙、アクリル樹脂をコーティングした紙、ポリビニルアルコール樹脂をコーティングした紙から選ばれたいずれかの基材からなる請求項1または2に記載のカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載のカイロ用粘着シート用剥離紙を用いてなるカイロ用粘着シート。
- カイロ本体端部と剥離紙に0.3〜1.0mmの寸法差が生じることにより容易に剥離することができる請求項4に記載のカイロ用粘着シート。
- 剥離紙と粘着層の間の剥離力が0.2〜4.0(N/50mm)である請求項4または5に記載のカイロ用粘着シート。
- (1)オレフィン系樹脂からなる厚み3〜15μmのヒートシール層及びオレフィン系樹脂からなる厚み30〜80μmのフィルム層からなるプラスチックシート基材;
(2)ゴム系粘着剤からなる厚み15〜100μmの粘着剤層;
(3)グラシン紙、アクリル樹脂をコーティングした紙、ポリビニルアルコール樹脂をコーティングした紙から選ばれたいずれかの基材とシリコーン系離型剤層からなる厚み30〜80μmの剥離紙を有するカイロ用粘着シート。 - 請求項1〜3のいずれかの項に記載のカイロ用又はカイロ用粘着シート用剥離紙または請求項4〜7のいずれかの項に記載のカイロ用粘着シートを用いてなるカイロ。
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